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令和7年6月22日 | 人格 |
茶は人格だという人がいる。人格とは言い換えれば個性であり、その人らしさである。 茶器はぎらぎらした自己主張があってはならないものだが、かって桃山期に無名の陶工達によって作られた名品が、今日でもその作り手である人間の存在を語りかけてくることを思えば、もの作りは、自分自身を人目にさらすことから、逃げられないと観念するしかないようである。 加藤唐九郎は、人に揮毫を頼まれても応じなかった。その理由は、「書は、人間が出るから」。 本人にとっては、くるんで奥にしまっておきたいものであっても、イヤでもひとりでに顔を出す。 それが他人の手元に置かれることに、唐九郎のような性格の人間は含羞を感じないではいられなかったのだろう |