第19回 薪窯焚きへ続く

平成29年7月30日 山  (秋の窯焚きをめざす)
日本百名山の多くの山を自分の足で踏破した満足感は今でも胸の奥にしまってある。
一人の人間が一生かかって体験できることなんて、そんなに多くないだろうから、こんな私は恵まれているかもしれない。
これから秋の窯焚き準備です。

平成29年7月23日 一番窯
すごい暑さの日に岩田さんが窯焚きです。
夜7時に私が応援に行くとすでに1230度をキープしていました。
灰被りの壺を引き出し、炭を60㌔投入し終了しました。

平成29年7月16日 作品2
陶芸は「焼きもの」である。人の手の届かない『炎』が相手である。
毎日使う焼きものには、造形だけでなく、焼く炎の勢いが感じられる作品でなくては面白くない。
土や炎へのこだわりは絶対に必要・・・・

平成29年7月9日 作品
秋の窯に向けて作品つくりスタートです。
古信楽細目60㎏、荒目60㎏、黒土30㎏、赤土系100㎏、黄の瀬60㎏、槙山10㎏を1㎏に小分けしました。

平成29年6月18日 薪割2
バレット2枚の赤松の薪割です。
これで頂いた木は全て薪になりました。薪割場はきれいになりました。

平成29年6月11日 薪割
バレット2枚の赤松の薪割。
少し早いですが秋の柴も用意して積みました。

平成29年6月10日 萩土
5月29日に湘南から山小屋を訪ねて来ていただいた山口さん。3時間でこられたようです。
小田原と群馬に窯があるとのことで、登り窯で焼いた素晴らしい引き出しの作品を見せていただきました。
私もぜひ挑戦しようと思います。
萩焼も研究されていて、1週間後に2種類の粘土を送っていただきました。
  ①黄色の方は大道土の原土を7年くらい水槽に漬けておいて今春漉して作ったものです。従って細かい砂が入っています。
  茶色の方は大道土をベースに見島と金峰(みたけ)を混ぜたものです。
    この土で作った場合、黄色の大道土かカオリンを溶き、生掛けした後素焼き~萩釉掛け~焼成します。
    生掛けの時に割れない様に乾燥具合を見ます。
これらの土でトライしてみて下さい。
山口さん、ありがとうございます、さっそく焼いてみたいと思います。

平成29年6月5日 窯出し2
窯の内部を掃除して、コンパネで蓋をする。
作品に灰でくっついた道具土を取り、金剛砂でバリ取り。
中の上 中の段 中の段から奥の段 運びだし
奥の段 奥の上 空になった窯
生徒さんの作品

平成29年6月4日 窯出し
酒や煙草だけでなく、カロリーたっぷりな食事や睡眠不足は、緩慢な自殺なんだって。
2㎏の体重減と、徹夜の睡眠不足は仕方ありません。
ベランダにブルーシート、鉄べら、タガネ、木槌など窯出しの準備する。
ゼーゲルは前上 10番融ける。 前下 9番融ける。奥下 7番・8番完倒。
岩田さんと、宮下さんが窯出しの手伝いに来てくれた。
レンガを外す ロストル付近の作品 ロストル付近 前の段作品
大壺 前の段下の9番 前の段
前の段 前の段下 前の段終わり

平成29年5月28日 窯焚き 五日目
日曜日          AM8:00~PM4:00 1300℃-1300℃
              AM6:00 色見にいれたゼーゲルを見ると、7・8番(1250℃)が倒れているので、熱量は十分。
              湯飲み茶わんを引き出すと、十分に融けている。
              赤松を1バレット焚き、PM4:00に窯を閉める。焚口・ロストルを閉じて耐火モルタルを塗る。
               煙突を閉め、火がつかないよう周囲に水を撒いて終了。65時間ぶりに13時間寝る。
               薪は7パレッと焚いた。 窯出しは一週間後の6月10日を予定。
引出 引出 引出 煙突
岩田さん パソコン 透明になる
松枝さん 窯を閉める 水を撒く 空の薪置場

平成29年5月27日 窯焚き 四日目
土曜日          AM8:00~PM5:00  1250℃-1300℃  朝の気温10℃  ロストルをレンガ3個開ける。
              応援 角坂好昭
                 長岡美由紀・伊藤とし子・宮下茂・阿部真紀子。
              煙道のドラフトを2枚あける。夜に備えて薪を窯の周りに大量に用意する。
              温度目標を手前1280度±30度。奥を1180度±30度とする。
              PM5:00~6月1日 AM8:00 1300℃-1300℃   応援 岩田信一
               煙突から炎。夜ブルーシートで囲む。
              赤松を3バレット焚き、徹夜、一睡もせず。。
応援の女性 宮下さん
長岡さん 黒煙 煙道のドラフト ロストル
阿部さん 伊藤さん ふみ子さん 岩田さん
色見 ゼーゲル

平成29年5月26日 窯焚き 三日目
金曜日         気温17度 曇り 
             焙り焚き AM6:00~AM9:00  250℃-350℃  ロストルで焚く。
             朝の火前は250℃、3年乾燥した赤松で窯焚きは順調。
             中焚き  AM9:00~PM4:00 350℃-600℃  焚口開け、ロストルをレンガ4個開ける。
             応援 角坂好昭                 
                 武井梢・中沢智寿・宮坂美奈恵・小松真弓・島田博子、加藤節子、宮沢寿美子
             朝の雨は応援者が来る前に止む。
             赤松の割木を一輪車で運び棚に詰め、窯の周りに薪を積む。
             煙道のドラフトを開け、捨て間のドラフトを全部あける。

             攻め焚きPM5:00~5月27日 AM8:00 600℃-1300℃
             応援 森元康仁  
              日が暮れてから黒煙が出る白樺を焚く。夜中に少し雨降る。
             朝4時ころ1200℃から温度上がらないためドラフトを全部締め赤松に変える。
             夜ブルーシートで囲う。
             白樺を2バレット赤松を1バレット焚き、徹夜、一睡もせず。朝4時には明るくなる。
応援の女性 角坂さん 中澤さん
ロストル 小松さん 角坂・森元さんの引継ぎ 窯の中
夜の窯場 夜の窯場 夜の薪置き場 黒煙

平成29年5月25日 窯焚き二日目
木曜日        焙り焚き AM6:00~PM4:00   火前600℃  
            2日目は曇り17℃  朝6時起き、火前は150℃。AM10時~AM12時雨。
            焚口を閉めロストル内で長い枝を2バレット焚く。煙道のドラフトを開け、捨て間のドラフトを全部あける。
            大量に用意した柴と枝で二日間焚き、昇温は快調。
            三日間の応援者用の食料を買い、九時就寝。
御神酒・塩・洗米 温度管理 雨あがる
お昼はペランダで ロストルの中 山吹 閉める

平成29年5月24日 窯焚き一日目
窯焚きに必要なものは、気力と体力。今回は2キロのダイエットで臨みました。
注連縄が張られ、神酒が供えられ、「かしこみ、かしこみ」と神に祈り、窯に火を入れます。
三日間徹夜します。

水曜日  神事  (御神酒・塩・洗米)  火入れ  今回のお酒は新潟の雪中梅。
            焙り焚き AM6:00~PM4:00   火前400℃
            気温13度 曇り 。焚口を閉めロストルの前で柴を2バレット焚く。
            温度計の配線が外れていて、前の温度が3時間計測できず。
            煙道のドラフトを開け、捨て間のドラフトを全部あける。
            夕方窯を閉め、九時就寝。
朝5時 御神酒・塩・洗米 神事 火をつける
焚く ロストル 閉める

平成29年5月25日 今回の窯焚き方針
緋色窯の穴窯焚きも18回目である。
何事にも経験は大切で、いまはもうかなり自信がつきました。

今回の窯焚きに関しては、
1.窯内の温度を上げるには十分に乾いた薪がいるが赤松は2年の乾燥済み。
2.穴窯は前と奥では温度差が大きいのでじっくりと温度を上げる。
3.温度の上がりやすい窯だから、火前を最高1350度として長時間焚く。
4.熾きができない窯だが堅木を使用して少量貯める。

平成29年5月21日 玉切
ご近所の竹村さんから頂いた間伐材4本を玉切し、パレッと2枚薪割しました。

平成29年5月6日 窯詰め5
炙り焚き用の柴を用意しました。

平成29年5月5日 窯詰め4
灰被りの窯詰めが完了しました。
煉瓦で入り口を塞ぎながら、上下二か所の焚口を作り、モルタルで隙間を埋める。

平成29年5月3~4日 窯詰め3
連休5日間は晴天。
二日間で前の段の窯詰め完成です。
棚板9+1枚。6×6 6×6 10×15 0×15 0×10(45×30)
前の段一段目 前の段下ゼーゲルを設置 前の段三段目 前の段三段目
前の段三段目 前の段四段目 前の段上ゼーゲルを設置 前の段完成

平成29年5月1~2 窯詰め2
中の段の窯詰めです。
棚板14枚。12×12 6×6 6×6 6×6 12×12 10×10
中の段の窯詰め、二日間で終了です。
窯詰開始 中の段一段 中の段二段 中の段二段
中の段四段 中の段五段 中の段上 中の段完成

平成29年4月28日 窯詰め1
今日から窯詰めが始まります。
棚板を並べ水平と隙間の寸法を測ります。
ゼーゲルは奥の段の下(7・8番)と、前の段下(9番)、前の段上(10番)の合計3ヶ所。
さま穴に備前の徳利をおいてみます。
奥の段の窯詰め開始しました。棚板10枚。12×12 12×9.5 12×9.5 12×10
奥の段の窯詰め、二日間で完了です。
棚板の設置 ゼーゲル サマ穴の備前 窯詰開始・奥一段
奥の段一段 奥の段二段 奥の段上 奥の段完成

平成29年4月26日 窯焚き準備
窯詰に使う材料をそろえました。いつもの、わら、貝、もみ殻、炭、灰、道具土、サヤです。
棚板にアルミナを塗り、ツクをサイズ別に並べました。
道具土で作品の下に置くセンベイを作りました。

平成29年4月25日 作品完成です
3月から作品作りを始めて、300Kgの作品が出来ました、やっと完成です。
生徒さんと、窯焚き応援の人たちの作品も集まりました。

平成29年4月23日 穴窯を開ける
4月18日、半年ぶりに穴窯を開け中を掃除しました。
カップ、ぐい呑み、麦酒コップなどが出来ました。

平成29年4月16日 作品を作る3
赤カブ片口100Kgほど作品が出来ました

平成29年4月10日 穴窯
八ヶ岳は雪解けです。
4月10日、4か月ぶりに穴窯のブルーシートをはずしましたが、翌11日は10センチの積雪でした。

平成29年4月9日 作品を作る2
作品が少しできました。
志野(もぐさ土)20Kg、粉引(赤7)20Kg、花器(古信楽)40Kg。
刷毛目・墨流し、赤AR20Kg、 黒化粧、鶴首、急須、黄の瀬40Kg等。

平成29年4月2日 作品を作る
作品が少しできました。
志野(もぐさ土)、粉引(赤7)、花器(古信楽)等。

平成29年3月12日 始動
3月1日は春本番の暖かさで、冬眠から目覚め陶芸活動始動です。
まず、去年から積んであった粘土を土錬機で練ります。
古信楽荒目60Kg、古信楽細目100Kg・備前の田土60kgを練る。
後は、五斗まき土60Kg、黒土20kg、赤大荒土20kg、黄の瀬60kg、赤土20kgを1Kgに小分けする。
    彼岸前寒さも一夜二夜かな   斎部路道

平成29年3月5日 やなせ たかし
一つの仕事を長期間続けていると円熟の境地に達する。名人芸ということになる。ところがそうならない人がいる。
十年二十年三十年と続けているのに上達しない。円熟の境地に達しない。
いつまでたっても初心者で、若い人の真似したりして物笑いのタネになる。実は僕がそうなのですね。
もうそろそろ人生が終わりそうな晩年になったのに、まだ軽はずみである。
たしかにみっともない。もっと重厚で、格調のある文章を書き、「最近の日本語の乱れはまことに憂うべきことである」
と天を仰いで嘆息するのが似合っている。
でもね、もともと巨匠とか名人とか人間国宝には向かない体質なんですね。
精神的には不老少年で未熟、青二才のまま加齢してしまったのです。

平成29年2月26日 俵万智
画家には、一言でいうと「変な人」が多い。もちろん、いい意味で。そして私は「変な人」が大好きなのだ。
音楽家は、ただ音楽が好きだった。詩人は、ただ言葉が好きだった。どんなに苦悩に満ちた生涯を送った小説家も、そもそもは、書くことが好きだったから、その道を選んだはずである。
「ただ好き」で始めたことが、一度世に認められると(特にそれが商売になるというふうに判断されると)、芸術とは別の次元のことが、画家を苦しめだす。これも、絵の世界に限った話ではないだろう。
画家の年譜をたどっていると、そのまま小説の目次を読んでいるような感じになることが、少なくない。
だから評伝も、波乱万丈のものが多い。小説よりも奇なる人生。・・・・・それは受け身の姿勢からは決して生まれないだろう。
阿刀田高著「夢の宴 私の蕗谷虹児伝」も、ずしんとくる一冊だった。
「もろもろの苦しいことがあって、父の所へ向かう途中に一人の女の子がいた。彼女をそばに呼んで絵を描いてやると、跳ね上がって喜ぶ。その本当にうれしそうな顔を見ているうちに、これほどの喜びを他人に与えられるものならば、死ぬこともないか、と虹児は考える・・・・・」


平成29年2月5日
今年も間伐した桜と楢をパレッと2枚分くらい頂きました。玉切りして山小屋に運び、薪にします。
山は2月としては雪が少なく、下諏訪の工房の庭ではではふきのとうが出ています。

平成29年1月3日 作品
私のやきものは、日常使うものだから安価で、使いやすく、見飽きぬ好ましい色で、手ざわり口触りのよいものを目指す。
毎日使うものに神経を使わなくてもいいように、やきものはこわれものであることを理解してもらうようにしている。。

平成29年1月2日 (ゆずりは)   印南和麿
  「追分や 楪(ゆずりは)つけし 門ならび」 鳥越憲二郎
楪は譲り葉のこと、�杠とも書き、別名・親子草ともいう。
古い葉と新しい葉が入れ替わる木として、旧年から新春への意味になぞらえ、正月にこの木の枝を飾った。
親子相続、子孫繁栄の意味も込められていた。
風雪に耐えてきた譲り葉の深緑色の葉は、若草色の若い葉がしっかり一人前になるのを見届けてから、ある日さりげなく散っていく。
名前もここからついた。人間社会も、こうありたいと願う。植物には学ぶことが多い。

平成29年1月1日 正月
陶芸をはじめてよかったこと
1.ものをつくる喜びを知った。
  粘土をこねる私の手の中で、皿になり、茶碗になり、今まで存在していなかったかたちが生まれてくるのは理屈抜きでうれしい。
2.自由な時空に遊ぶ
  作品の出来不出来にかかわらず、粘土をこねている時間は私には大切な時間だ。
  轆轤を回しながら何も考えていないけれど空虚ではない。
3.旅の楽しさを知った。
  備前・信楽などの六古窯、それに美術館・郷土館などをのぞく楽しさを知ると旅が待ちどおしい。
4.焼き物に関する本を読む楽しさ
  焼き物について語った本を読むたのしさ。
陶芸をはじめて困ったこと
1.おもしろすぎる。
  やきものづくりの最大の欠点は、面白すぎることだろう。一日はあっという間に過ぎていく。
2.ものがふえ、収納する場所がなくなる。
  どれほど出来が悪くても、せっかく出来上がった作品を処分してしまうにしのびないものだ。
3.工房は土ぼこり
  土の微粒子はどこにでも入り込む。
4.がっかりすることが多い。
  焼き上がってそのまま扉を閉めてしまいたいことがある。 

正月の鏡餅を穴窯の神棚に置きました。
ブルーシートで囲っていますので誰も見られません。
今日から五月の窯焚きに向けてスタートです。

平成28年12月31日 次の窯焚きを目指す
今年も大勢の人達とやきものを楽しんだ。 が、
定年後の9年間について、
 私は陶芸を始めた最初の一生懸命さを忘れていないか?
 そして、やきもの作りがどんどん下手になっていないか?
ウーン  わからない。
そして、来年の10周年は、「楽陶の会」の展示即売会か、一泊「焼き物の旅」が出来ればいいですね。
今年も窯焚きでは多くの人と出会った。
「サヨナラだけが人生だ」 と言うが
、自然の中で素の人に触れあったよろこびは私の財産になる。