穴窯を焚く21に続く


平成30年6月30日 私は次の窯焚きを目指す
  虚空窯の存続断念報告
16年間にわたり行ってきた穴窯の焼成を、遂にあきらめることになりました。
穴窯の火前で焼成した作品は確かに素晴らしいものです。
しかし、あの焼き上がりの良さを理解する人は、陶芸愛好家以外ではそれほど多くはありません。
単にきれいな作品を好む人は、自然の炎が生み出す芸術をあまり理解できないのです。
さらに、穴窯の焼成は非常な労力が必要です。電気窯のように任せっきりにはできません。これが、一番の理由化も知れません。
穴窯焼成は苦労がありますが、奥が深い焼成方法です。我々のような素人集団が行っても、経験を積むと見事な作品を得ることが出来ます。ですから、作家の方で穴窯に固執される方の気持ちはよく分かります。
しかし、穴窯はそこに至るまでの労力を考えるとやはり、作家の方が行うべきものでしょう。
そういった意味で我々は本当に素晴らしい経験が出来たと思っています。
現在、穴窯を焚く仲間が少しづつ減っていますが、私はもう少し穴窯で頑張るつもりです。応援よろしくお願いします。

平成30年6月17日 薪割
ご近所で赤松を伐採していた業者から頂いた材を、バレット2枚薪割しました。

平成30年6月10日 温度グラフ
今回の窯焚きの特徴は、気温。
深夜の寒い時間でも15度、昼間は30度近くまで上がり暑い。

平成30年6月9日 窯出し2
作品に灰でくっついた道具土を取り、金剛砂でバリ取り。
作品を洗い乾燥して収納です。

平成30年6月4日 窯出し2
作品を入れている今村さん、深谷さんが作品をもらいに来てくれた。
窯の内部を掃除して、コンパネで蓋をする。
中の段下 奥の段 掃除 空になった窯

平成30年6月3日 窯出し
私は今回の窯焚きに体調を良くしてのぞみましたが、徹夜の睡眠不足は仕方ありません。
ベランダにブルーシート、鉄べら、タガネ、木槌など窯出しの準備する。
ゼーゲルは前上 9番融ける。 前下 8・9番融ける。奥下 7番完倒、8番は少し傾きました。
長岡さんと、岩田さん、五味さんが窯出しの手伝いに来てくれた。
レンガを外す ロストル付近の作品 ロストル付近 前の段作品
前の段上の10番 前の段下 中の段 中の段上

平成30年5月27日 窯焚き 五日目
日曜日          AM8:00〜PM1:00 1300℃-1300℃
              寝ずの火の番をして、すすや灰で真っ黒になりながら、苦労して焼き上げる薪窯焼成の醍醐味は、
              やった者にしか味わえない。
              化粧柳が風で雪のように舞い、蝉の声がうるさい。
              赤松を1バレット焚きお昼に窯を閉める。焚口・ロストルを閉じて耐火モルタルを塗る。
               煙突を閉め、火がつかないよう周囲に水を撒いて終了。65時間ぶりに14時間寝る。
               窯出しは一週間後の6月3日を予定。
夜明け パソコン ゼーゲル7番倒れる 黒煙
水撒く ご苦労様 窯を閉める 空の薪置場

平成30年5月26日 窯焚き 四日目
土曜日          AM8:00〜PM5:00  1250℃-1300℃  朝の気温10℃  ロストルをレンガ3個開ける。
              応援    永田陽一・伊藤とし子・宮坂由紀子・宮下茂・平林氏靖久・藤村修二・五味訓子
                     PM2:00〜4:00 阿部真紀子、宮坂さゆり。
              煙道のドラフトを2枚あける。夜に備えて薪を窯の周りに大量に用意する。
              温度目標を手前1280度±30度。奥を1180度±30度とする。昼間はとにかく暑い。
              
              PM5:00〜6月1日 AM8:00    応援 岩田信一
               煙突から炎。AM6:00 色見にいれたゼーゲルを見ると、7・8番(1250℃)が倒れているので、熱量は十分。
               窯の前は35度で暑い。夜ブルーシートで囲みますが、かなりあたたかい。
              赤松を3バレット焚き、徹夜。深夜3時にまっすぐ歩けなくなり、10年間で初めてベッドで2時間寝る。
応援の女性 平林・藤村 薪運び 薪割り
窯焚き 薪運び 夜の窯 岩田さん
深夜の月 色見 色見 色見


平成30年5月25日 窯焚き 三日目
金曜日         気温15度 快晴 
             
焙り焚き AM6:00〜AM10:00  250℃-350℃  ロストルで焚く。
             朝の火前は250℃、3年乾燥した赤松で窯焚きは順調。
             中焚き  AM10:00〜PM5:00 350℃-600℃  焚口開け、ロストルをレンガ6個開ける。
             応援  武井梢・中沢智寿・宮坂美奈恵・小松真弓・林啓子、宮沢寿美子、宮島八重子。

             赤松の割木を手渡しで棚に詰め、窯の周りに薪を積む。捨て間と煙道2枚あける。
             攻め焚きPM5:00〜5月26日 AM8:00 600℃-1250℃
    
         応援 森元康仁  
              焚き口に薪をいっぱい詰める掛けくべをすると一気に昇温する。
             窯の前は35度で暑い。夜ブルーシートで囲みますが、かなりあたたかい。
             赤松を3バレット焚き、徹夜、一睡もせず。朝4時には明るくなる。
四十雀 薪運び 応援の女性 薪運び
薪運び 温度管理 煙突 薪運び
空の薪置場 捨て間 煙道のドラフト 深夜の窯

平成30年5月24日 窯焚き二日目
木曜日        焙り焚き AM6:00〜PM4:00  
            晴れて12℃  昼間は暑い。
            山口さん来る。
            
朝5時起き、2日目も快晴。朝の火前は170℃
            蝉、かっこうがうるさい。キツツキの音が聞こえる。どこの家の壁に穴をあけているのだろうか。
            窯の火を見ていると、人はなぜ解放されるのだろう。
            縄文時代の昔から変わらない、人を魅了する火の動きにじっと見入りながら、ほとんど無意識のうちに、薪をくべて             いく。熱気にあてられ、体力を奪われていることに気づくのは、ずっと後になってからだ。
            焚口を閉めロストル内で
長い枝を2バレット焚く。捨て間と煙道のドラフト2枚あける。
            
大量に用意した柴と枝で二日間焚き、昇温は快調。
            後半三日間の応援者用の食料を買い、九時就寝。
二日目の焚き始め 焚く
蝉がむける 閉める

平成30年5月23日 窯焚き一日目
窯焚きに必要なものは、気力と体力。
薪窯焼成は楽ではありません、5日間も昼夜をかけて薪を焚き続けます。
火入れの前に大切な事があります。窯焚きは危険を伴う作業であり、火の神様に作業の無事とよい作品が出来るようお祈りをしなければならない。古臭い儀式と一笑せず、ここはやはり気持ちを引き締めて作業に臨みます。
注連縄が張られ、神酒が供えられ、二人で、「二礼、二拍、一礼」と神に祈り、窯に火を入れます。
三日間徹夜します。

水曜日  神事  (御神酒・塩・洗米)  火入れ
            焙り焚き AM6:00〜PM4:00
            大葉さん、竹村さん来る。
            気温8度 快晴 昼に小雨。

            
焚口を閉めロストルの前で柴を2バレット焚く。捨て間と煙道のドラフトをあける。
            夕方窯を閉め、
九時就寝。夜中に雨。
御神酒・塩・洗米 土佐の酒 神事 火を付ける
焚く するめを焼く 昼うどん 閉める

平成30年5月9日 窯焚きの準備
炙り焚き用の柴と初日の薪を用意しました。

平成30年5月7〜8日 窯詰め4
前の段続きを二日間で窯詰め完成です。
最後に薪をくべて燃やす場所で、灰被りをとります。
ここは薪が当たっても割れたり動いたりしないような、大型でがっしりしたものを置きます。
当然ながらここは火力が強く、大量の灰と燠が発生しますので、コゲなど強い窯変の荒々しい作品がとれます。
灰被りの窯詰めが完了しました。
煉瓦で入り口を塞ぎながら、上下二か所の焚口を作り、モルタルで隙間を埋める。
応援の岩田さんの作品 前の段ゼーゲルを設置 前の段上 前の段完成
ロストル 灰被り 前を閉める 完成

平成30年5月4〜5日 窯詰め3
前の段は正面焚口に近いので、炎の勢いが強く灰の量が多いので、古信楽土と黄の瀬土を置きます。
連休4日間は晴天でしたが、4日は朝雪が舞いました。とても寒い。
二日間で前の段の窯詰め完成予定でしたが、5名の方(今村・池田・深谷・五味さん夫婦)が4日に作陶され、作品を入れることになりましたので、次週作品を乾燥して最上段に窯詰めします。
棚板12+2枚。6×6 6×6 10×10 10×6 10×15  6×6 
前の段一段目 前の段二段目 前の段三段目 前の段三段目
前の段四段目 前の段五段目 五人の生徒さん 生徒さんの作品

平成30年5月1〜3日 窯詰め2
中の段の窯詰めです。
ここは温度の上がり具合、灰のかかる量が中間的な場所で、比較的失敗のない場所なので生徒さんの作品などを置きます。
下に粉引、中間に志野、上に信楽を置きます。
棚板12枚。10×10 10×10 6×6 10.5×10.5 15×15
中の段の窯詰め、3日間で終了です。
窯詰開始 中の段一段 中の段5段 中の段上奥
中の段上 中の段 中の段上前 中の段完成

平成30年4月29日 窯詰め1
今日から窯詰めが始まります。
ゼーゲルは奥の段の下(7・8番)と、前の段上(8・9番)の合計3ヶ所。
煙道に続く「さま穴」は独特の仕上がりを期待して備前の徳利をおいてみます。
奥の段の窯詰め開始しました。
ここは正面の焚口から最も離れているので、四か所のうち炎の勢いが最も弱く灰かぶりも少ない。
ここには耐火度の低い備前土、赤土などをを置く
棚板10枚。12×12 10×10 6×6 6×6
奥の段の窯詰め、二日間で完了です。
窯詰開始 ゼーゲル サマ穴の備前 窯詰開始
奥の段一段 奥の段二段 奥の段作品 奥の段完成

平成30年4月26日 窯詰め準備
窯詰に使う材料をそろえました。いつもの、わら、貝、もみ殻、炭、道具土、サヤです。
ツクと棚板、ハマ(せんべい)、ゼーゲルコーン、耐火モルタル、水準器、メジャーなど。

平成30年4月25日 ポイント
窯詰めのポイントは、
@棚板はグラつかないように設置し水平に置く。
A背の高いものは上に置く。
B作品は炎の通るよう間をあけ、小さいものは手前に置く。
C窯の中で炎が左右均一になるように作品を置く。
D作品の底に、ハマ、目土、貝、もみ殻などを敷く。

平成30年4月22日 穴窯を開ける
4月20日半年ぶりに穴窯を開け中を掃除しました。
棚板にアルミナを塗りました。
3月から作品作りを始めて、300Kgの作品が出来ました、やっと完成です。
生徒さんと、窯焚き応援の人たちの作品も集まりました。


平成30年4月15日 薪割り
薪割をしました。赤松1パレット、カラマツを6パレットです。
次の3パレットを用意しましたがすべてにカラマツを積みました。
玉切り材はパレット3枚分くらいありますが、パレットが無いので、薪割は窯焚きの後にしようと考えています。

古信楽の作品が100Kgほど作品が出来ました

平成30年4月8日 玉切2
切り残した材木の玉切終わりました。
薪割をしました。赤松1パレット、カラマツを3パレットです。前回と合わせて5パレット完成しました。次の空の6パレットを用意しました。
志野土完成です。五斗まき土は黄瀬戸釉を掛けました。100Kgほど作品が出来ました
黒土20kg、赤大荒土10kg、南蛮土の作品が完成しました。


平成30年4月1日 玉切
切り残した三分の一の材木を玉切しますが、凍っていて動かないため半分だけしました。
薪割をしました。楢1パレット、赤松2パレットです。根元は約70aで凍っていて濡れているため玉切りしてもとても重い。
黄の瀬
古信楽荒・細と粉引の作品が少しできました。

平成30年3月25日 作品3
八ヶ岳は雪解けです。穴窯は冬囲いがなくなりました。
薪小屋の3か所の庇を1メートル伸ばして小枝を置く場所にしました。もう木材の置き場所は満配です。
3月21日に20pの雪です。春の雪ですからすぐに融けます。雪の中で少し玉切をしました。
穴窯の作品作り
の粘土を追加しました。
古信楽荒40kg・細60kgです。

平成30年3月18日 作品2
志野土と五斗まき土の作品のろくろ挽きしました。
山は雪がありません、紅万作が咲きました。

穴窯の作品作りの粘土を追加しました。黄の瀬20kg古信楽荒40kg・細60kgです。

平成30年3月11日 作品を作る1
備前土と赤荒土の作品が完成しました。
粘土を用意しました。志野土40kg、五斗まき土30kg

平成30年3月4日 始動
3月1日は春本番の暖かさで、冬眠から目覚め作陶始動です。
粘土を用意しました。
去年から積んであった備前の田土70kg、赤荒土20kgを用意しました。いよいよ作陶です。

平成30年2月25日 三寒四温
三寒四温とはいうけれど、気のせいだろうか年々、「寒」と「温」の気温差が極端になっている気がする。
身体がいったん春の暖かさを知ってしまうと、気が緩むのか、寒さに対してすっかり弱くなってしまう。
童謡の「春よ来い、早く来い」と気持ちばかりが急かすせいかもしれない。
まだまだ外は寒く、庭には霜柱がモリモリと土を持ち上げている横で 、工房のフキノトウは昨年末から芽を出すのを待っていた。
春になると芽吹き始める苦みや蒼い香りを放つ命を、有難く心から美味しいと思って味わっている。

平成30年2月18日       小道具
誰の詩でしょうか
   完璧な姿ではない岩手山だから
   やさしいのだと思う
やきものも同じですね。
小道具を作りました。
コテを5つと針を40本

平成30年1月28日 大寒波
大寒波が日本を襲っている。八ヶ岳の寒さは本当に底冷えします。
朝は−15度で、昼には−5℃になりましたが、本当に寒い。

いつもはつましい生活に徹している私ですが、昨年の庭木13本の伐採に大枚を払うことに、不思議に抵抗を覚えなかった。
「金もいらなきゃ、名誉もいらぬ、酒も女も欲しくはないが、窯を焚くのに薪欲しい」といったところでしょうか。

平成30年1月14日 魯山人のこと 2     白洲正子
魯山人は「わかもと」の景品を山と作っていた。現在世間に流布されている作品の中には、そういうものが数多く交っている。
ただ一度だけだか、昔、私は魯山人を殴ったことがある。今記した「わかもと」のパーティで、魯山人を含めて40人はいただろう。
私は白地に金銀の箔で、もみじを散らしたきものを着ていたが、誰かが魯山人に字を書かせたら面白かろうといった。
私はすぐ乗るタチだから、きものをぬいで長襦袢だけになり、魯山人が何を書くのかと訊くから、「林間に酒を暖めて紅葉を焚く」と書いて頂戴。ただし、もみじは既に模様になっているいるから、「紅葉」をぬいてほしいと頼んだ。
そういうことがお手のものの魯山人は、程よく模様の間に文字を散らして行ったが、「酒を暖めて」まで書いた時、例によってゴネはじめた。思うにあまり素直に引き受けたので、自分の存在を誇示してみせたかったのだろう。こちらは衆人環視の中で長襦袢一枚でふるえている。ついに癇癪を起して、もろに一発食らわせてしまった。魯山人は女になぐられたことは一度もなかったらしく、鳩が豆鉄砲を食らったような顔つきをした。
 若気の至りのお粗末・・・・・先ずはこれまで。

平成30年1月7日 魯山人のこと      白洲正子   
私は今までずい分魯山人の提灯を持ってきた。
一つには生前の魯山人があまりに人に嫌われていたために、その作品まで不当に扱われていたのと、現代の陶芸家の造るものがひどすぎるからである。ひどすぎるだけでなく、口先で誤魔化している。
昨日もテレビコマーシャルを見ていたら、ふた目と見られぬ大皿を披露して、
「陶器は使うものです。使ってみないことにはわからない。ほら、こんなに美しくなるでしょう」と、刺身を山盛につけて見せていた。
私は思わずゲーッとなったが、せめて魯山人にこのくらいの弁舌があったら、蔵が建っていただろうにと口惜しくも滑稽にも思われた。
続く

平成30年1月3日 異文化ショックでよびさまされたもの2   呉善花
それで私は、その手の陶器ばかりを集めて身近に置いた。すると不思議なことに自分なりの好みも生まれて、やがて今のように病みつきになっていったのである。あんなおかしな物と思っていた私が、今では、こんなにいい物と感じるようになっているのは、どういうわけなのか。
それは、素材のもつ特性を生かした、具体的で実感的な非対称性やズレや歪みがリズミカルな動きを作り出していて、生成する運動世界が構成されている。目で見るというよりは、目で触れている感触の心地よさ、そこからやってくる感動がある。
この感触に最も近いと思えたのは、幼少期の記憶からやってくるあのなつかしい穏やかさ、親密さ、夢うつつの気分などに包み込まれた安らぎの感触である。
私はそう感じられるようになって、自分の内面では言葉や文化の壁を超えた理解が可能となったように思えた。

平成30年1月2日 異文化ショックでよびさまされたもの1   呉善花
日本に来てまだ二、三年の頃、私は朝鮮製磁器を輸入する会社でアルバイトをしていた。
私にとって焼き物の美しさとは、高麗青磁や李朝白磁のつやつやしい肌の輝き、繊細な薄い器体、完璧なまでに整えられた形、その気品に溢れた優雅な美しさ以外の何物でもなかった。
そんなある日、一人のお客さんが「日本人はこういうのがとても好きなんですよ」といって、一個のカップをプレゼントしてくださった。
今でも鮮明に覚えているのだが、それは何やら赤茶けた土色の分厚い器体の陶器で、しかもゴツゴツとした歪みがあちこちにある、まるで作り損ないのような代物と見え、私には「なんて薄汚いものか」としか思えないものだった。
私ががっかりしてみていると、一緒に同じものをもらった上司が、「これはいい物だ、高価なものを頂きまして」と心から喜んでいるのである。私は「そんなバカな」と言いたかったが、仕方なくお愛想笑いをしてお礼を述べた。今思えばあれはたしか信楽焼きだった。「なぜ日本人はこんな不格好で薄汚いものをいいというのか」という、私の「焼き物異文化ショック」に当面した最初の体験がこれだった。 続く

平成30年1月1日 正月
何十年も作陶をやっていれば、そこそこ上手くなります。
じゃ、そろそろ本当にやりたいものを始めなければ。
そう気付くころになると、周囲もやっと人間的な器が出来てきたと認めはじめてくれる。
芸術作品の表現を見るときに使われる言葉に「人間としての円熟味」というものがある。
いろんな意味を含んでいるが、年齢を重ねて表現がふくよかになった、ということだろうか。

   土の上 一寸の春 福寿草    甲斐虎童

正月の鏡餅を穴窯の神棚に置きました。
ブルーシートで囲っていますので誰も見られません。
今日から五月の窯焚きに向けてスタートです。

平成29年12月31日 大晦日
一家の主人が神棚に新しく紙垂を切って飾り付け、お神酒を供え、家中で参拝して年越しのごちそうをいただく。
古い年を送り、新しい年の神様をお迎えするのだから、年越しがごちそうで、その残り物でお雑煮を作るのが正式だそうです。
    行く年や 猫うずくまる 膝の上   漱石。

平成29年12月15日 穴窯を閉める
これで今年の作業は終了してあとは来年の雪解けを待ちます。
穴窯をブルーシートで囲いました。

平成29年12月13日 玉切
時ならぬ大寒波が日本を襲っている。冬はまだ始まったばかり、心や体の準備ができていない人も多かっただろう。
ここ数年暖冬続きで、底冷えのする八ヶ岳の寒さを忘れていました。
朝は−10度で、昼には−5℃になりましたが、本当に寒い。
約三分の一の材木を切り残して今年は終わります。

平成29年12月12日 積雪
12日朝は積雪10センチです。
気温マイナス10度の中、樹の雪を払い、雪まみれになって、玉切を一日しました。

平成29年12月10日 春の窯焚きを目指す
穴窯は来年11年目を迎えます。
今年も春からずっと忙しく、気の休まることがなかったためか、疲れが溜まってしまった。
冬は体のメンテナンスをして、疲れを取り、冬籠りをします。
陶芸を定年後にとか暇なときになどとせず、細々とでも続けてきてよかったと思う。
これまで引き出しを殖やしてきましたので、これからは、引き出しからいろいろ出してきて、楽しいものをつくっていきたい。