「も・・・もうダメだ・・・っ!」

 どしん、とギルガメッシュが平らな岩の上に尻餅をついて降参の声を上げる。
 高山の、冷たい空気が頬の熱をさらっていく―――が、しばらくは汗が止まりそうにはなかった。

 ゼイゼイ、と息を切らせて、恨めしそうな顔で連れの2人を見やる。

「・・・くっそ・・・なんだてめえらはまだ元気なんだよ! 俺ばっかり・・・ずるいじゃねえかっ!」
「そんなこといわれても」

 言いがかりに、ギルバートは苦笑を返す。
 リックモッドは呆れたような顔しただけで、なにも返事はしない。ギルガメッシュが愚痴を言うのはこれが初めてではない。何度も何度も似たようなやりとりをしていれば、流石になにも言うこともなくなるだろう。

 2人とも、汗は掻いているようだが、それでもギルガメッシュほどにへたばっていなかった。

「ギルガメッシュの歩き方が問題だって、ずっと言ってただろう。君みたいに速く歩いたり、歩かなかったり、滅茶苦茶なペースで歩いていればすぐにバテちゃうよ。だから、僕たちみたいに一定のペースで歩かなきゃって、何度も何度も何度も言ったでしょう?」

 ギルバートの説教に、ギルガメッシュは「けっ」とそっぽを向く。

「おめーら見たいにチンタラ歩いてられるか! 大体、早くトロイアって国に着かなきゃ行けないんだろ」
「それはそうですが―――」

 と、ギルバートは山頂の方をみやる。
 前にも一度歩いたことのある山道だ。その時の記憶に間違いがなければ、もうそろそろ山頂にたどり着く頃のはず。

「この山を越えれば、トロイアは目と鼻の先ですよ。さあ、せめて山頂までは頑張りましょう。あと少しですから」
「えー」
「えー、じゃないですよ。リックモッドさんなんて、僕たちの荷物まで持っているのに何一つ文句言わないんですから」

 ギルバートとギルガメッシュは荷物の殆どをリックモッドに預けていた。
 お陰で、かなり身軽に山道を歩くことが出来る。そう言うこともあってか、ギルガメッシュは余計にペースを乱してしまったんだろう、が。

「そんな筋肉と繊細な俺様を一緒にすんな! 大体、おめえはそんな軽装だが、俺は鎧を着てるんだぞ! この鎧、メッチャ重いんだからな! 一度着てみるか、コラァ!」
「・・・そんなに喋る元気があるならもう、大丈夫ですね。さっさと行きますよ」
「こ、この鬼ーッ」

 元気よく絶叫するギルガメッシュを無視して、ギルバートはリックモッドと共に再び歩き出す。
 ギルガメッシュはイヤそうな顔をしたまま、岩の上に座り込んでいたが、やがて吐息するとめんどくさそうに腰を持ち上げ、2人の背中を追いかけた。

 

 

******

 

 

「―――これがバロン城内の見取り図だ」

 艦長室のテーブルの上に、ヤンが手書きの見取り図を広げた。

 ひゅう♪
 と、ファリスがそれを見て口笛を吹く。

「結構、細かく書き込まれてるな・・・信用出来るのか、この地図」

 それはとても詳しい見取り図で、本来は外部の人間に絶対に知られてはいけないはずの、武器や食料などの倉庫の位置や、王様や各軍団長、兵士達の寝室。さらには秘密の抜け穴まで記されている。

「ああ。つい最近までバロンの精鋭部隊を率いていた男が書いたものだ」

 当然、これはヤンが書いたものではない。
 ファブールを出航する前にセシルが書いたものだった。
 そして、それは今までヤンの乗る船の船倉に放り込まれてあった。

(わざわざ自分で書いたモノを、自分で持たずに私の船に預けたのは―――やはり、予見していたからなのか・・・?)

 ふと思う。
 もしもヤンがセシルの指示に従って、トロイアへ向かっていたならこの見取り図は必要ないはずだ。
 いずれ必要があるとしても、その時にはもうこの見取り図は意味のないモノになっている可能性がある。何故ならバロンでは、城の間取りが外部に漏れた時のために、一定の周期で城内の倉庫などの配置を変更するらしい。軍団長以上のクラスしか知らない秘密の抜け穴や、兵士達の詰め所などはそうそう返ることはないだろうが、王や軍団長などの重要人物の寝室や、倉庫などはちょくちょく場所を変えると、セシルからヤンは聞いていた。

 ―――諜報にかけては、バロンとエブラーナは天と地ほどの差があるからね。エブラーナと戦争していた時は、十日と経たずに城内の配置を換えていたらしいよ。

 見取り図を船倉に放り込みながら、セシルはそんなことをヤンに言っていた。

 つまり、セシルはヤンがどういう行動を取ろうとも、フォローはしていたということだ。
 トロイアへ向かったなら、先行したギルバートがトロイアで戦うための下地を作ってくれていただろう。そして、バロンへ向かうなら、そのための見取り図を用意してくれていた。

(なんにせよ、セシル=ハーヴィの掌の上・・・か)

 正直、あまり良い気分ではなかったが。

(まぁ、今は有り難いと思うこととしよう)

 もしバッツの言う通りに “ひょっこり生き返ってきた” 時は、二発ぐらいは殴ってやろうと心に決めて。

「んで。もうすぐ、バロンに着くわけだが・・・勝算はあるのかよ?」

 尋ねたのはバッツだった。
 その問いにすぐには答えず、ヤンはしばらく考えてから。

「ある」

 と、答えた。

「とはいえ、兵力の差はかなりあるだろう。ファブールに攻め込まれて来たときですら、圧倒的な兵力差があった。しかも、バロンの兵隊はあれで全部というわけではないんじゃろう」

 フライヤが言うと、ヤンは首を横に振って。

「セシルの読みが正しければ、今頃バロン軍の兵力の半分以上はエブラーナに向かっているはずだ。兵力差は殆どないと考えていい」
「俺たちも手伝ってやるしな」

 ファリスがそう言うと、「へ?」とバッツが首をかしげる。

「って、お前らも? でも、別にバロンまで送ってくれるだけで・・・」
「ここまで来たんだ。最後まで付き合わせろよ―――それに、クリスタルが奪われたとあっちゃあ、他人事じゃないんでね」
「お前、クリスタルを知ってるのか?」
「まあな。・・・深いことは聞くなよ。俺にも人に言えない事情ってのがあるんだ」

 といって笑うファリスに、ヤンは頷いて。

「本来なら海賊の手など借りん! と突っぱねるところだが、今は少しでも戦力が欲しい」
「海賊風情で申し訳ないが、手を貸してやるよ。感謝しな」
「すまん」

 頭を下げられ、ファリスは苦笑いして頬をかく。

「そう、素直に頭を下げられるとな。調子狂うぜ」
「おい、もしかして照れてるのか? もしもそうなら気色悪いぜ?」
「うっせーよ」

 茶々をいれるバッツを、ファリスが肘で軽く打つ。
 その瞬間、バッツの身体が横に吹っ飛んだ。

「・・・・・・おい、大丈夫か?」
「こ、この馬鹿力・・・」

 壁に頭をぶつけて、涙目でファリスを睨付ける。
 そんなバッツを無視して、フライヤが神妙な顔をして、

「・・・数は同等となれば、あとは軍団長クラスの敵じゃな。特にカイン=ハイウィンド。同じ竜騎士ではあるが、私はあの男に勝てる気がせん」
「敵はカイン=ハイウィンドだけではない。セリス=シェールにレオ=クリストフ。バロンの人間ではないが、それでも我々の前に立ちふさがってくるだろう。それに、ゴルベーザと、それに従うバルバリシアという女。・・・ホブス山で私の弟子を殺した炎使いも死んだとは思えない・・・」

 フライヤの言葉をヤンが捕捉する。
 と、バッツが「おう」と手を挙げて。

「レオ=クリストフは俺がやる。あいつには借りがあるんでな―――ダメっつっても俺がやるぜ」
「まあ、シクズス最強の男と対等に渡り合えるのはお前くらいなもんじゃがな―――しかし大丈夫か? 一度負けた相手じゃろう」

 心配するフライヤにバッツはにやりと笑みを返す。

「一度負けたからこそだ。それに、あの時の俺は俺の剣を見失ってた―――次は負けねえ」
「よし。ならレオ=クリストフはお前に任せよう」
「なら俺はカインだ」

 今度はファリスが声を上げる。

「・・・カイン=ハイウィンドだぞ? 相手が誰か解っていって居るんだろうな」
「解ってるよ。フォールス最強の竜騎士。槍と剣を同時に使いこなす、槍剣使い」
「解ってて相手をしようというのか?」
「勝てるかどうかはわかんねえけどな。ただ、カインとはちょっとした縁があるんだ」
「わかった」

 ヤンが頷く。「よっしゃ」とファリスはガッツポーズした。

「あとはセリス=シェールとゴルベーザ達か・・・」
「同じ女性同士、ということでセリス=シェールは私が相手する・・・と、言いたいところじゃが、勝てる自身は全くないな。ゴルベーザも同様じゃ。特に、あのバルバリシアという女には、手も足もでんかった」

 フライヤが苦々しく言うと、ヤンも悔しそうな顔をして。

「私も同じだ。ゴルベーザのダークフォースに指一本動かすこともできず、あの炎使いにはむざむざ弟子達を殺されてしまった・・・」
「数で押し切るしかないな。まあ、でも本当にエブラーナに戦争しかけてるって言うなら、全員がバロンに残っているってわけじゃないだろうし」

 ファリスが言うと、フライヤも頷いて。

「なんにせよ、敵の正確な戦力は実際にやってみんと解らん―――が、少なくとも勝ち目の薄い戦ではないということじゃ」

 フライヤの言葉に、一同は揃って頷いた。

 

 

******

 

 

「うん。言い方が紛らわしかったのは認める。だから、もうそろそろ機嫌をなおして欲しいな。うん」
「・・・・・・」

 ポロムは無言でそっぽを向いたままだ。
 パロムも口をへの字に曲げて、不機嫌そうに腕を組んでいる。

 リリスは困ったように双子を見て、セシルの方に視線を向ける。
 だが、セシルは笑みを浮かべたままなにも言わない。

「うん。セシルだって悪いぞ。思いっきり笑うから・・・」
「いや、でもさ。嘘泣きされて騙されたし、仕返しの一つや二つ・・・」
「仕返しが悪質すぎます! 私達がどれだけ悲しんだか、あなたには解らないんですか! それを・・・それをそれをそれを! あんな風に笑うだなんて!」

 身を寄せ合って笑う双子に、セシルは身を震わせて笑いを堪えていた。
 が、ついに絶えられなくなって噴き出し、しかもそこへタイミング良くリリスが顔を出したのだ。

「うん、確かにそれは悪かったよ。でも、リリスが生きているって知ったら、その涙も笑顔に変わるって思ったら、なにか可笑しいやら微笑ましいやらで・・・」
「くううううっ、やっぱりあなたは最低です! 私、一生貴方のことを許しませんからッ!」
「いや、本当にごめん。あやまるから・・・」
「嫌です許しません! ねえ、パロム」
「おう!」

 厳しい顔をして双子は頷き会う。
 どうしたものかと、セシルとリリスは顔を見合わせた―――

 

 

第11章「新たな力」 END

 

 


 

次章予告ッ!

 

ようやくセシルもパラディンになって物語も中盤突入!
一昨年の暮れにはパラディンになりたいなー、とか使い魔が言っていたのが涙出るほど懐かしいわよね!

ろう「ほっといてください」

じゃ、ほっとく。
さーてさて、次回はバロン大決戦!
バッツ達は海からバロンへ攻め込んで、セシルはデビルロードを通ってバロンの街へ舞い戻る。

セシル「兵士が多いな・・・見つからないようにしないと・・・」

街に配備された兵士達の目をかいくぐり、テラの案内で知り合いの酒場へと向かう。
その途中!

っどおおおおおおおおんっ!

いきなり響く轟音!
見ればバロンの城の海に面した場所から煙が立ち上っている!
それは、ファリスの愛竜シルドラのバロンの城への先制攻撃だった。

シルドラ「シャギャァーッ」
ファリス「よっしゃ! 先陣は俺たちだ! 他の奴らは船酔いが治まってからきな!」

攻め込むファリス達。
その後に続くバッツたち。

一方で、異変に気がついたセシル達も、真っ直ぐ城へと向かう。
セシル達は城へと辿り着き、門を突破して城内に入る。
そこはすでにモンク僧、海賊の混成軍が、バロン兵と斬り結んでいるところだった!

戦いの中をくぐり抜け、謁見の間へとセシル達は向かう。
そして、謁見の間へと続く扉の前で、セシルとバッツは合流する。

バッツ「ほらみろ。やっぱ死に損なってた」
セシル「再会して第一声がそれかよッ」
レオ「喧嘩している余裕はないだろう?」

セシル達の前に立ち塞がるのはガストラ最強の将軍!

バッツ「返しに来たぜ・・・ファブールでの借りをなあっ!」
レオ「貴様は私の敵ではない」
バッツ「・・・セシル! お前は先に行けッ」

レオ将軍をバッツに任せ、セシルは謁見の間へと入る。
そこで待っていたのは、玉座に座るバロン王と―――

ベイガン「お久しぶりですね。セシル殿」
セシル「ベイガン。君か・・・」
ベイガン「王を護るのが我が主命! 行くぞセシル。そして見るがいい、私の力をォッ!」

魔物化して襲いかかってくるベイガンに、セシルは仲間の助けを拒否して1人で立ち向かう。

セシル「ベイガン・・・それは君の力なんかじゃない!」

セシルの悲しみと怒りが頂点に達した時、ライトブリンガーが光を放つ!

バッツはレオに借りを返し、セシルはベイガンを突破出来るのか!?

てなわけで次章!

 

ファイナルファンタジー4 IF(仮)

第12章 「バロン城決戦」

を、読んでくれないとケアルラしちゃうぞッ♪

ろう「攻略本によると、回復量とアンデッドへのダメージ量はケアルの3倍らしいです」
ロック「つまり、破壊力も3倍になるわけだ」

ううん。私の愛で二乗されるから3かける3で9倍よ♪

セシル「どんな愛だあああああああっ!?」
クラウド「・・・興味ないな」

 


 

あとがきがわりの座談会ッ! 第十一話「前回、忘れてました」

 

セシル=ハーヴィ(以下セシル):・・・・・・なにを?(↑)

ろう・ふぁみりあ(以下ろう):いや、いつも座談会のタイトルって、大概書き終わってからつけるんですが、十話のエピローグで忘れてまして。

バッツ=クラウザー(以下バッツ):あ。本当だ。空白になってやがる。

セシル:気づいたなら直せばいいのに・・・

ろう:いや、今回のネタになるなーって思って。あっはっはっは。

バッツ:あっはっはっは。じゃねーだろっ!」

 

プロローグ

エニシェル:がんばっとるのう、妾。つーか健気?

セシル:うん、ありがとう。助かった。

エニシェル:感謝の言葉だけじゃたらんのう。ほれ肩でも揉まんかい!

セシル:はいはい。・・・・・・うっわ、すごくコってるねえ。滅茶苦茶固いよ!

バッツ:そりゃ、人形なんだから当たり前だろ。

セシル:・・・あ。

 

A.「タイムテーブル」

ろう:はい。意味あったのかなかったのか、むしろさらにワケ分かんなくなったような気がするタイムテーブルです。

バッツ:自分で言うなよ。・・・しっかし、俺って今回、こことエピローグにしか出番ないんだよなー。

セシル:その分、前回出番があったろ?

バッツ:でも、俺がメインってわけじゃないし。気絶もしてたし。・・・・・・あ、そだ、ふと思い出したんだけどさ。

ろう:はいはい?

バッツ:これとプロローグ部分って1回書き直してるんだよな。更新した後で。

ろう:う゛っ!?

セシル:あ。本当だ。2月20日の更新履歴に載ってるね。

ろう:あ、あはは・・・ちゃんと考えてタイムテーブル作ったつもりなんですが、やっぱりというかなんというか間違いがありまして。

バッツ:つか、探せばまだあるんじゃね?

ろう:あるでしょうね。あはは。

バッツ:笑って誤魔化す気か。

ろう:あはは。

 

 

B.「ミシディア」
C.「仇」
D.「生かすか殺すか」
E.「苦い後悔」
F.「斬鉄剣(1)」
G.「パラディン」

ロック=コール(以下ロック):おー。俺の回想から始まった話だ。つか、メインキャラ俺。

テラ:D.「生かすか殺すか」では私がメインだな。それ以降はほとんどずっとセシルがメインだが。

ロック:あ。ホントだ。なんでセシルがこんなにメイン張ってるんだよ? まるで主人公みたいじゃないか!

セシル:まるでもなにも主人公だ!

ロック:鼻血のくせに。

セシル:鼻血言うなーッ!

 

ロック:しっかし、本当に追いかけられてばっかりだなー、俺。

セシル:というか、逃げ回ってばっかりだよね。試練の山でも。

ロック:うっ・・・で、でもセフィロスにはちゃんと立ち向かったぜ? ナイフ握って震えて立ちつくしただけだけど。

リリス:うん。でもそれを正しきと思うことと認めたんだな。うん。

ろう:そのことは後で話してくださいよ。

 

ポロム:・・・読み返してみると。私って、結構ヒドイですわね・・・・・・セシルさんを「殺して」としか言ってないし。

パロム:その点、オイラは思慮深いよな。憎しみを抑えて、本当に憎まなければならないのは何かを考えてる。うーん、オイラてば格好良すぎ。

ポロム:本当ですわね。なんですか、この差は!

ろう:昔書いた、パロムが主人公の話を引きずってるみたいで。

パロム:「ミシディアの少年魔導士」な。道が導に間違ってるところがポイント。

ろう:そう、漢字変換しちゃったんだから仕方ないじゃないですか! 文句はパソコンに言ってください。

ポロム:・・・ミシ少の方でも、私ってばパロムの引き立て役じゃありませんか?

パロム:仕方ないじゃーん。オイラが主人公なんだから。

ポロム:納得いきません! ええ、納得いきませんとも! そういうわけで「ミシディアの少女魔道士」というタイトルの小説を書きなさい!

ろう:少女魔道士って語呂悪いですねぇ。

ポロム:じゃあ「魔法少女」で。

ろう:「ミシディアの魔法少女」も語呂悪いような・・・

ポロム:ああっ、もう! 我儘ですね! 本当に我儘ですよ!

ろう:どっちがですかっ!?

 

セシル:ところでFの「斬鉄剣(1)」って?

ろう:あー、それですか? それは次とその次の章で意味がわかるはずです。多分。

セシル:??????

 

 

H.「人は死ぬと言うことを知らなければならない」
I .「ついで」
J.「憎むべき嘘」

ろう:出立前夜。セシルさん、ひたすら悩んでます。

セシル:というか、この章って悩んだり嘘ついたりしてばっかりだな。

バッツ:セシルの思考というか( )の表現が多いしな。

ろう:まあ、セシルさんが自分の「後悔」と真っ正面から向き合ってるシーンですからね。ひたすら悩んで貰いました。

セシル:許されないという思い。それでも許されたいという思い。その2つがぶつかり合いながら、結局僕は偽り続ける。

ポロム:本当に愚かな人です! 私達は貴方を憎むことを、決して望んではいなかったというのに・・・・・・!

 

 

K.「囚われの・・・」
L.「愛する想い」

ローザ=ファレル(以下ローザ):あー・・・なんかとっても久しぶりの出番のような気がするわ。

セリス=シェール(以下セリス):まあな、ずっと眠っていたしな―――というか、なんであの状況で寝られるんだ貴様!

ローザ:え? 慣れ?

セリス:慣れじゃなくて性格だッ。・・・ったく、お前の神経はさぞかし太いんだろーなっ。

バルバリシア:本当に仲がよいわねー、あなたたち。

セリス:良くないッ!

ローザ:そうよ、シアー。仲が悪いのに仲が良いとか言われたら、仲が良いように見えるみたいじゃない。

バルバリシア:だから、仲が良いように見えるんだってば。

ローザ:あら? でもフツー、仲が良いから仲が良いように見えるのよね? でも私とセリスは三角関係だから仲が悪いはずで、

セリス:三角関係じゃないって言ってるだろうが。

ローザ:でも、仲が悪いのだけど、仲が良いように見えると言うことは・・・・・・あら? ねえ、セリス。私達って仲が良いみたいよ?

セリス:・・・頼むから、あなた一生私の前では口を開かないで。

ローザ:えー、いやー。

セリス:ううううう・・・・・・

 

セシル:・・・セリス将軍の気持ち・・・すごく解るなあ・・・

バッツ:なら助けてやれば?

セシル:・・・被害は少ない方が良いと思うんだ。ヘタに行ったら二次災害になるから・・・

 

 

M.「聖剣」
N.「試練の山」
O.「リリス」
P.「“良き者”」
Q.「抱擁」

リリス:うん。私の出番だな。うん。

ローザ:あー、ライバルはっけーん! 大変よセリス! このままじゃ四角関係になってしまうわ! あら、セリス? セリスー?

ロック:セリスならあっちの方に行ったけど。

ローザ:ほんと? 有り難う、名前の知らないバンダナの人っ! セリスー、待ちなさいー! 緊急事態よーっ!

ロック:・・・・・・行ったぞ。

セリス:ありがとロック。恩にきる。

 

ろう:リリスさんも「ミシディアの少年魔導士」の影響を受けて生まれたキャラです。

パロム:・・・全然、キャラ違うけど。

ポロム:本当。ミシ少の方はリリス様と似ても似付かないタカピー女ですわ!

ろう:ミシ少のリリス書いた時、このリリスさんがアンデッドたちのまとめ役って設定だったんですよ。

リリス:うん。そのまとめ役って設定が私に受け継がれてるんだな。うん。

パロム:他は全然、受け継がれてないけどな。

 

 

R.「双子の試練」
S.「己が正しきと思うこと」

ろう:で、ポロムさんの心の葛藤。

ポロム:・・・この二話くらい、私がメインキャラでも良かったのでは・・・?

ろう:・・・・・そーかも。

ポロム:そーかもじゃありません! ああ、もう全く! 実はあなた、私のこと嫌いでしょう!

ろう:いや、嫌いってワケでも。

ポロム:じゃあ、次! 次の章で私メインの話を一つ書きなさい!

パロム:あ、オイラもオイラもー!

ポロム:パロムはダメッ!

パロム:なんでだよー!

ポロム:あなたはミシ少で主人公やったでしょ! だからダメ!

パロム:ちぇっ、ケチー・・・

ろう:というか、勝手に決めないでください。

ポロム:ちぇっ、ケチー・・・

 

 

T.「セフィロス」

クラウド=ストライフ(以下クラウド):セフィロスッ!

セフィロス:・・・・・・五月蠅い。

SE:ずばっ、ぐさっ、じょばっ!

クラウド:ぐっはあああああっ!(吐血)

ろう:という話でしたね。

セシル:そうだね。

クラウド(重体):お前ら・・・ばたっ。

セシル:あっ、倒れた。ポロム、白魔法を・・・・・・

ローザ:はいはーい! セシルのために即参上! 白い天使ローザちゃん登場!

セシル:参上じゃなくて惨状の間違いじゃないのか?

ローザ:って、なんだ怪我したのセシルじゃないんだ。でもいいわ。セシルのためになおして上げる。ケアルガー!

クラウド:ぬがあああああああああああああああああああああああああああああっ!?

ろう:うわ。押忍!空手部みたいな叫び声上げてますよ? 大丈夫ですか!?

セシル:一応、大丈夫みたいだね。傷はふさがってる見たい。・・・・・・押忍!空手部みたいな白目剥いてるけど。

 

ろう:そういや、本当ならこの話。クラウドさんが倒れた後、セシルさんがセフィロスさんと戦うはずだったんですが。

セシル:戦ったじゃないか。

ろう:いや、もっと激しく。予定では、セフィロスさんの超必殺技を、セシルさんが見切るって言う話の展開で。

セシル:うえ!? 出来るの僕、そんなこと!?

ろう:ちなみにサブタイが「斬鉄剣(2)」になる予定でした。

 

 

U.「恐怖、再び」
V.「光と闇」

ろう:リリスさん、再登場して、ようやくセシルさんがパラディンになれました。

セシル:というか、なんで変身してるの、僕。

ろう:覇王大系リューナイトが好きだから。

セシル:なにその理由!?

ろう:いやー、今でもアデューとゼファーが初めてパラディンになった回は忘れられません。その後ガルデンに思いっきりやられたけど。

セシル:なに遠い目してるんだよ! わけわかんないよ!

ろう:だからパラディンは二段変身しなければならないんですよ! 超力招来して剛力招来ですよ! ・・・あれ、逆だったかな?

セシル:知るかー!

ろう:まあ、一番の理由は私がパラディンよりも暗黒騎士の方が好きだってだけなんですがね。

 

 

W.「涙」
X.「双子の涙」
エピローグ

ろう:涙、涙の二話とエピローグです。

セシル:うー・・・恥ずかしい。

ポロム:本当ですね。

パロム:本当だよな。大の大人が。

セシル:・・・もしかして、まだ根に持ってる?

パロム&ポロム:当たり前です!

セシル:悪かったってば。

 

ろう:それにしてもなんでセシルさんってば、いきなり泣き出したんですか?

セシル:僕が聞きたい。書いたのは君だろ?

ろう:いや、泣かせるつもりなんか無かったんですがね。ああ、こりゃ泣くなあと思ったらセシルさんが泣いてたと。

セシル:ほっとしたからなのかな。・・・少し違うか。有り難うって言われて・・・嬉しかったのかな。

ろう:少なくとも、悲しくて泣いたわけではないですよね。

 

 

ろう:はい。

セシル:そういうわけで、ようやく11章も終わりです。次はバロン決戦で、その次がトロイア、ゾットの塔・・・

バッツ:地底に行けるのは再来年かなー?

ろう:なんとか今年中に書き上げられるように頑張りますよ。さてそれではそろそろ―――

????:ライオットソード!

ろう:ぎええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?

ティナ=ブランフォード(以下ティナ):ふう、危ないところだった・・・

セシル:ティナ!? どうしたんだい?

ティナ:あ、セシル。久しぶり! いや、ちょっと遅れちゃって、後書きにでそびれるところだったから。

ろう:だからっていきなり超必殺技は・・・

ティナ:だって、本編であたしの出番もうないし。ここの出番を逃したら、全く出番無くなるんだもの。

ろう:そんな理由で・・・? がくっ。

ティナ:あ、意識が落ちた。

セシル:というわけで、これでオチです。

バッツ:ちゃんちゃん♪

 


INDEX

NEXT STORY