戦いは膠着していた。
伸びてくる髪をかいくぐり、或いは槍を振り回してはじき飛ばして、カインは愛竜の背に乗ってバルバリシアに肉薄する。
だが、槍の間合いに入る直前に、バルバリシアはすっとその間合いから離脱する。だから、カインの槍は届かない。(最高速度ではアベルの方が上、だが―――)
直線の速度は飛竜の方が速い。
しかし、バルバリシアはまるで水の中を泳ぐ魚のように、自在に空を飛び回る。全く法則性もなくあらゆる方向に転換して逃げるバルバリシアの動きに、アベルは追い切れない。
加えて、射程の違い。
カインの槍よりもバルバリシアの髪の毛の方が長い。接近しては逃げられて、間合いの外から攻められる。
膠着状態とはいえ、一方的にカインの方が攻められていた。(このままでは負ける・・・な)
弱きになったわけではない。
ただ冷静にそう判断しただけだ。「そろそろ観念したらどう?」
間合いを開けて、バルバリシアが動きを止める。
アベルもその場でホバリング。カインとバルバリシアは対峙する。バルバリシアはエンタープライズの方を一瞥して、
「あっちの方は、残念ながら私達の負けみたいのようだし」
「逃げるつもりか?」
「まさか。仕方ないから、私が貴方を殺した後で、飛空艇も堕とさなきゃいけなくなっただけよ」ああ、大変。
と、大げさにバルバリシアは嘆いて見せた。バルバリシアが言っているのは誇張でもハッタリでもない。
カインさえ倒せば、空中戦ができる者はいなくなる。そうなれば、バルバリシアにとっては飛空艇など空に飛ぶ棺桶のようなものだ。「やらせん!」
「あなたの攻撃は私には届かない。私の攻撃を今は凌げているけれど、いつまで続くか解らないでしょう?」
「フン、確かにな。―――空中戦で俺とアベル以上に戦えるヤツが居るとは思わなかったぞ。翼ある魔物であろうとも、俺たちの前には紙飛行機のようなものだと自負していたのだがな」
「それはこちらの台詞よ。私と空中でここまで戦えるなんて、実は内心じゃかなりプライドスタボロなのよ?」などと言いながらも、バルバリシアの表情には言葉通りの感情は見えない。
「まあ、相手が最強たるカイン=ハイウィンドならば、当然なのかもしれないけれど」
「ああ、それは誤りだ」
「え?」バルバリシアがきょとんとした表情を浮かべる。
そんな彼女に、カインは訂正した。「俺が最強などではない。最強なのは―――!?」
ドォン!
不意に空を響かせる爆音に、カインとバルバリシアは飛空艇の方を振り返る。
振り返って二人が見たものは、飛空艇の甲板に取り付けられた砲台が火を噴くところと、こちらへと迫る巨大な砲弾!「「なっ!?」」
偶然にも二人は同時に驚愕の声を上げる。
「っっっ!」
バルバリシアは反射的に身を翻して、砲弾を回避。
すぐ近くを鉄の塊が猛スピードで飛び去り、それが巻き起こした音と風がバルバリシアを襲う!「うっ・・・くっ・・・」
風はもちろん支配者たるバルバリシアには影響を及ばさないが、爆音が耳をつんざき鼓膜が震える。
キーンと、頭の中で響く音に不快なものを感じながら、バルバリシアはカインの方を見る。「・・・いない?」
周囲にはカインの姿は居なかった。
「まさか・・・今の砲撃で墜とされた・・・?」
最強であるカイン=ハイウィンドがこんなにあっさりと―――しかも味方の砲撃で?
理屈ではなく、直感的な疑問。
と、そこへ。「キュゥゥゥイイィィィィィィイィッ!」
「!」獣の鳴く声。
下から伸び上がってきたその声に見下ろしてみれば、そこにアベルの姿があった。
アベルは地上に向かって墜ちていたが、すぐに縦旋回して逆に上へ上へと飛び上がる。その先には当然バルバリシア。「あの咄嗟で下に逃げたというわけね。なかなかやる―――けれど」
バルバリシアは髪の毛を真下―――アベルに向かって伸ばす。
空中戦に限らず、地上でも同じことだが、高度の差は戦いに置いて重要である。
より相手よりも高い位置に居るほうが、低い方に攻撃しやすいし、逆に低い方は自分より高い相手に攻撃を届かせにくい。「これで終わりよッ!」
バルバリシアの無数の髪の毛が、アベルに向かって殺到した―――
******
「回避してた・・・」
墜ちたと思っていた思っていたアベルが体勢を立て直したのを見て、ロックは安堵するが―――なにやらバルバリシアがアベルに向かうのを見て、また慌てたように叫ぶ。
「って、全然隙なんか作れねえじゃんか! むしろ不利になってねえか!?」
「セシル! こうなったらもう一発撃つしか!」ロックに続いてヤンが叫ぶ。
だが、セシルはただ苦笑しているだけ。
そんなセシルのことが解らずに、ロックは眉をひそめる。「なんだよ? なにがおかしいんだよ?」
「さっき言ったことを覚えているかい? カインは何時だって僕の期待を裏切って来たって」
「はあ? 何言ってるんだよ。今、そんなこと言っている場合じゃ・・・」
「良いことを教えて上げるよ。期待って言うのは応えるものじゃない」―――ゾクッとした。
ただ苦笑しているだけだ。別になにか気迫のようなものを感じるとかそういうことは一切無い。
だが、ロックの本能が “怖ろしい” と感じ取る。
ごくりと、意志とは裏腹に唾を飲み込む。
そんなロックの畏れに気がついているのか居ないのか、セシルは静かに続けた。「―――裏切るものだ」
そう言って、セシルは愉快そうに笑みを浮かべ、決着の瞬間を見送った―――
******
「っ!?」
髪がアベルに届く寸前、バルバリシアは違和感を感じた。
うなり声を上げ、アベルがこちらに向かってくる。それはいい。
だが、何かが足りないような気がする。とても重要な何かが―――「あ・・・っ!」
気づいた。
今、バルバリシアの視線の先にはアベルが居る。
いや―――「カインが居ないッ!?」
反射的にバルバリシアは背後―――天上を振り返った。
カインがアベルの背に居らず、そして墜ちても居ないとしたら、残るのは―――上。果たして、見上げたそこにカインの姿はあった。
銀の槍を一直線にバルバリシアに向け、猛スピードで墜ちてくる!(まさかあの一瞬で跳んでいたと言うの!?)
バルバリシアはカインの跳躍力を甘く見ていた。
それどころか、跳ぶということすら思い浮かんでいなかった。
もう一つ今になって気づく。カインはバルバリシアとの空中戦で、一度も跳んでいないことを。(このための伏線だったというのッ!?)
「終わりだバルバリシア!」
「まだよッ!」バルバリシアは回避行動を取る。
気づくのが早かったお陰で、まだ十分に回避できる―――はずだった。ザシュッ!
「え・・・?」
カインに気を取られたせいで、バルバリシアは一つ忘れていた。
下から迫り来るアベルの存在を。「そん・・・な・・・?」
背中から脇腹にかけて、アベルの鋭い爪に引き裂かれる。
痛みと言うよりは、灼熱感がこみ上げて、ばっと空に舞う鮮血とともに力が抜けていく。しかし、それだけでは終わらない。
アベルが上昇していくのと入れ替わりに、天からカインが降ってくる。
それは、異身一心なるもの達だけが使える協力技。
天地二段のその技は、地に気を取られれば天が引き裂き、天を仰げば地が貫く。単純にして明快。されど、故にこそ回避不可能の必殺連携!
天地交錯
「終わりだ―――」
カインの槍がバルバリシアを貫かんとする。
バルバリシアにはそれを回避する余力はない。(やら・・・れる・・・!?)
「バルバリシア様ッ!」
「!?」槍がバルバリシアを貫く寸前、不意に虚空からドグが現れ、バルバリシアを押しのける。
「ドグッ!」
バルバリシアが悲鳴を上げると同時、槍が身代わりとなったドグの長身を貫いた。
「うあ・・・」
「ちいッ」小さく呻き声を上げ、ドグの身体が光の粒子となって消滅する。
その光の粒子を振り切って、カインが舌打ちしながら下に墜ちていく。「キュウウウウウイイイイイイッ!」
甲高い鳴き声を上げて、アベルはバルバリシア達の頭上で縦旋回すると、カインが落ちる何倍もののスピードで急降下すると、カインの身体をその背に受け止めた。
「し損じたか・・・」
アベルの背に乗ったカインは、ゆっくりとバルバリシアの位置まで戻る。
そのバルバリシアは、アベルに切り裂かれた傷を手で防ぐようにして―――もっとも、あまりに傷が大きすぎて効果はほとんど無かったが―――頼りなく浮かんでいた。「私の・・・負けよ」
「お前が負けたわけじゃない。俺たちが勝っただけだ」慰めるつもりでもないだろうが、カインは言う。
「さっき言いかけた言葉だ。最強は俺ではない」
「なにを・・・? では、 “バロン最強の槍” というのは貴方のことではないの?」
「正確には “最強の槍と剣” だ。二つ揃ってこその最強」カインは飛空艇の方を見る。
つられてバルバリシアも同じ方向を―――そこにいる “剣” を眺めた。カインは知っている。
自分よりも強い “最強“ は幾らでもいると。
ガストラ最強のレオ=クリストフ。ソルジャー最強のセフィロス。世代を遡れば、剣聖と呼ばれたドルガン=クラウザー、並んで剣皇と呼ばれたロードオブナイト・オーディン。それらを相手に最強と誇れるほどの力があるとはまだ言えないし、実際に試合とはいえレオには敗れ、生前のオーディンにはついに一対一では一度も勝てなかった。だが、セシルと二人ならば、誰にも負けることはない。
かつてはオーディンにすら打ち勝ち、先に上げた最強達の誰にでも勝てるという自負がある。だからカインは繰り返して言う。事実を。
「お前が負けたんじゃない。俺たちの・・・勝ちだ」
カインが言うと、バルバリシアは痛みのせいか苦しそうに―――しかし笑う。
「確かに。貴方達だからこそ私は負けたのでしょうね。・・・全く。後ろから味方に撃たれたって言うのに、欠片も動揺しないであんな連携できるなんて・・・正気じゃないわ」
思えばバルバリシアは動揺していたのだろう。
だから、アベルの背にカインが居なかったことに一目見て気付けなかったし、なによりもあそこで迎え撃つ必要はなかった。今までのように、安全圏まで逃げて髪の毛を伸ばしていれば良かったのだ。「本当に・・・どうかしてる」
そのことに気がついて、バルバリシアは苦笑を漏らし、目を閉じた。
そんなバルバリシアにカインは槍を構え、とどめを刺そうと―――「バルバリシア!」
「ぬうっ!?」突然、カインとアベルを “闇” が弾き飛ばす。
「くっ・・・今の声は
体勢を立て直し、不意打ちを仕掛けてきたものの正体を見極める。
と、そこには漆黒の鎧に身を包み、アベルのような飛竜とは違う、胴の長い黒い龍に乗ったゴルベーザが居た。
片腕には傷ついたバルバリシアを抱えている。「ゴルベーザ!」
「・・・まさかバルバリシアを相手にここまでやるとはな―――ルビカンテを退けたのはまぐれではなかったと言う訳か・・・」言葉の一つ一つに、小心者ならば気絶してしまいそうな強いプレッシャーが込められている。
そんな威圧感を跳ね除けて、カインはゴルベーザへと立ち向かう。「丁度良い。お前を倒せば―――ッ!」
「―――下がれ」
呪縛の霊気
「!?」
ゴルベーザから闇の波動が噴き出し、カインとアベルを包み込む。
「からだが・・・うごかん・・・ッ!?」
とたん、カイン達の動きが止まり、アベルも飛ぶことができなくなり墜ちていく。
「ゴ・・・ルベーザ・・・様・・・・・・申し訳・・・・・・」
ゴルベーザの腕の中でバルバリシアが呟く。
それをゴルベーザを手で制した。「喋るな。すぐに戻る―――スカルミリョーネならばその傷も癒せよう」
「フフ・・・あのゾンビに身体を触らせることになるというのは嫌な気分ですね・・・・・・」冗談のつもりなのだろうか。
そんなことを呟いて、バルバリシアは気を失った。嘆息。
して、ゴルベーザは墜ちていったカインと、セシル達の乗るエンタープライズを見下ろす。「・・・カイン―――それにセシル・・・この場は預けてやる。だが次は・・・・・・!」
憎々しげに呟いて、ゴルベーザは空いている手を自分の腰ベルトに添える。
と、漆黒のベルトが蠢き、真っ直ぐに伸びて、剣へと変化する。「ダームディア」
剣の名を呼ぶと、剣は砕け散り闇の粒子となってゴルベーザを包み込み―――やがて、消える。
闇が消え去った後、その場には誰も残されては居なかった・・・
******
「ライトブリンガー!」
セシルが光の聖剣を手に取ると、闇に捕われて墜ちていくカイン達へと向ける。
剣から聖なる光が放たれて、カインとアベルの呪縛を打ち消した。自由になったアベルは空中で体勢を取り戻す。
「ロイド!」
「アイサー」セシルの意を汲んで、ロイドは飛空艇をカイン達の方へと向かって動かした。
程なくして、アベルがエンタープライズの甲板上に降り立つ。「爪が甘かったか・・・!」
甲板に降り立つなり、カインは悔しそうに言う。
そんな彼を、セシルはねぎらうように、「いや、不利な相手に良く戦った」
「お前の援護がなければどうなっていたか解らん」
「どうにかしていただろう、君なら」そんな会話を見ていたロックは、付き合ってられないとでも言うように肩を竦める。
「おいおいまた出たぜ、理屈になってない理屈。てゆーか、あれの何処が援護だよ」
「撃ったのはお前じゃろう、ロック。おしかったのー、あと少しで撃墜マークが」
「居るかあああっ! いやマジであんときゃビビッたんだぞ。俺はもう二度と味方に向かって撃ったりしねえからな!」
「・・・まあ、普通は敵を狙うな」喚くロックに、セリスが苦笑して呟く。
「・・・君の言っていた意味が少し解った気がするよ」
ふとギルバートがリックモッドに向かって呟く。
トロイアヘ帰還する前にリックモッドが言った事。
セシルが唯一 “信じて” 居るのはカインだけだと―――そしてその意味を知った時、怖ろしかったと。カインに当る可能性など考えることなく、砲撃させたセシル。
ロックの撃った砲弾が、直撃仕掛けた時もセシルは平然と―――まるで慌てた素振りはなかった。
そして、背中から撃たれたというのに、それに怒ることも惑うこともせず、最適な行動をとったカイン。
一歩間違えば、味方の手で味方が死んだ―――そんなことがあったというのに、何事も無かったかのように、二人は互いの健闘を称え合っている。「一番怖ろしいのは、あれが当たり前のことなんですよ。あの二人にとっては、何ら特別なことなどない、いつものこと」
例えば親しい友人同士が街中で出会って挨拶をするような。
それくらいの “当たり前” のことだ。「そして当たり前のようにこなしてしまう―――だから、あの二人は称えられるんですよ。最強の剣と槍だと」
******
「・・・あ・・・・・・」
不意にファスが小さく呟いた。
それを聞き咎めたセシルが、少女を振り返る。「どうしたんだい、ファス?」
「・・・怖い運命が消えた・・・・・・」そういうファスは自分の足下を見つめている。
「森から魔物達がいなくなったと言うことかな?」
セシルが尋ねると、ファスはこくんと頷いた。
それを見て、セシルはロイドの方へと顔を向けると、「じゃあ、ロイド帰還しよう。まずはトロイアに向かってファスを降ろしてやってくれ。それからバロンへ」
「アイサー!」
「じゃあ、あとは任せたよ」バタン。
いきなりセシルがその場に倒れる。
その場の空気が一瞬だけ固まった。「って、なにいきなりブッ倒れてるんだお前ーっ!?」
ロックが叫び、他の面々も唖然としている。
ただカインだけが不思議そうな顔で周囲を見回し。「なんだ、気がついていなかったのか? さっきからずっと、かなり無理して立っていたんだが」
「うわすげえ平然。いや、気がついてたなら早く言えよ!」
「皆、気がついているものとばかり」
「気づくかー! 何時も通りだったじゃねえか!」
「ずっと笑っていただろう? ああいうふうに笑っている時は、なにか無理しているか隠している時なんだが」確かにカインの言うとおりに、起きてからずっと笑っていた。
ロックはそのことを思い返して、ロックははーっと溜息を吐く。「やっぱ・・・マトモじゃねえよな。こいつ」
そんなロックの呟きは、意識を失ったセシルの耳には届かなかった―――
第15章「信じる心」 END
あとがきがわりの座談会ッ! 第十五話「4月1日の最終回」
ギルバート=クリス=フォン=ミューア(以下ギルバート):あ、あれ? 次章予告は? それに後書きのタイトル・・・さ、最終回って!?
ろう・ふぁみりあ(以下ろう):突然ですが、これでFFIFも最後です。
ギルバート:へっ!?
ろう:いやあ、もう何年だっけ? ともかく長い間本当に有り難う御座いました。ここまで頑張れたのは読者の皆さんのおかげです。
ギルバート:ちょっとおお!?
ろう:それでは、最後の座談会。いってみましょー。
ギルバート:・・・・・・・・・
******
ロック=コール(以下ロック):なんつーかさあ。
ろう:はい?
ロック:この章って、どんどんセシルの存在がイカれていくよな。
セシル=ハーヴィ(以下セシル):イカれるっていうな。
セリス=シェール(以下セリス):というか、セシル、ローザ、カインの三人よね。
バルバリシア:そしてその三人に振り回される私達ー。
カイン=ハイウィンド(以下カイン):別に俺たちは普段通りのつもりなんだがな。
ロック・セリス:それがイカれてるって言うんだよ!
ろう:自分で書いててなんですが、この三人って信頼とかそういうものを超越しているような気がします。
ロック:実はお前らテレパシーとか使えるとか言っても、俺は驚かねえぞ。もう。
セシル:ふっふっふ、ばれてしまっては仕方がない。
カイン:おいおい、そんなにあっさり秘密をばらすなよ。
ロック:え、マジで。
セリス:じゃあ、試してやろう。リンゴと聞いて思い浮かべるのは?
セシル:赤い。
カイン:甘い。
ロック:空と言えば。
セシル:山。
カイン:河。
ろう:・・・全然駄目じゃないですか。
エアリス=ゲインズフール(以下エアリス):ハローフレンズ♪ エアリスよ♪
マリア:全国百億万人の私の信者どもこんにちわ。あなたの心のマリアです。
ろう:じゃあ、次行きましょうか。
エアリス・マリア:ちょっと!?
ろう:だ、だって貴方達、FFIF本編にあまり関係ないじゃないですか!
セシル:だったらやらなきゃいいのに・・・
ロック:だからほら、駅についたら南口を出て真っ直ぐ行くんだよ。
ロイド=フォレス(以下ロイド):真っ直ぐって言っても、バスのロータリーがあって真っ直ぐ行けないんだけど。
ロック:だからそのロータリーをぐるっと回って真っ直ぐだって。そのまんま、歩道橋のある交差点まで行って左に曲がれば。
ロイド:歩道橋なんて何処にもないぞ。っていうか、段々道が細く・・・。
ロック:細く? お前、今どこ歩いてるんだよ? ちゃんとロータリー回って、パチンコ屋の隣りを通って真っ直ぐ来てるんだろうな!?
ロイド:パチンコ屋? いや、ロータリー回って、モ○バーガーの隣を通ってそのまま真っ直ぐ・・・
ロック:方向がちげええええええええええっ!
ロック:・・・と、言う風に、俺はひそひ草でロイドにゾットの塔まで道順を教えたわけだ。
カイン:いや、絶対に嘘だろそれ。
エニシェル:むう・・・?
バルバリシア:どうしました、セ―――いえ、エニシェル様?
エニシェル:む、貴様か。答えろ、貴様は妾の事を知って居るようだが・・・?
バルバリシア:ええ。知っています―――ですが、お答えするわけにはいきません。
エニシェル:一つだけ答えろ。それは、セシルに関係することなのか?
バルバリシア:関係する、とも言えますし、関係ないとも言えます。
エニシェル:むう・・・?
ろう:むう・・・。
セシル:どうしたんだい?
ろう:む。セシルさんですか。いや実は、また面倒な設定付け足してしまったなあ、と。
セシル:だったら付け足すなよ!?
ろう:思いついちゃったから仕方ないじゃないですか!
ファス=エルラメント(以下ファス):でも、それって前々から決めてたことなんでしょう?
セシル:そういえば、前章の後書きでそんなこと書いてたね。エニシェルの過去がどうとか。
ろう:ふふふ・・・(にやりんぐ)。
ろう:書きたかったシーンその1。
ロック:セシルとカインの戦いを書きたかったのか?
ろう:いえ、正確にはセシルさんがカインさんを “信じている” というのを書きたかったんです。
カイン:・・・セシル。なぜお前は裏切った俺を信じられる!?
セシル:なんども言わせるなよ。僕は君が味方であることを信じているわけじゃない。君という人間を信じているんだ。
ろう:信頼、というのは「無条件で味方になってくれる」ことではなく、「常に誠実でいてくれること」だと思うんですよ。
セシル:だから、僕はカインが裏切ったとは思っていない。だって自分の王だと言ってくれたカインを裏切り続けていたのは僕の方だから。
カイン:俺がお前の敵に回ったのは、お前が俺を裏切ったせいだと? しかし、俺はゴルベーザに惑わされて。
セシル:僕が君の望み通りに王となることを受け入れていれば、惑わされることもなかっただろう?
カイン:・・・・・・フッ。お前らしい言い分だ。
ベイガン=ウィングバード(以下ベイガン):ならば、セシル王。貴方も裏切り者などではありませんな。
セシル:ベイガン?
ベイガン:王はカイン殿に誠実であったからこそ、王の器ではないとはっきりと拒否し続けた。
カイン:フッ。それに、お前は以前バロンを裏切ったと言ったが、それもバロンに対して誠実であったからだ。誰もお前を裏切りものだとは言うまい。
セシル:カイン・・・・・・二人とも、有り難う。
G.「異なるモノ」
H.「速さと技」
I.「信じたもの」
J.「身勝手な愛」
ろう:書きたかったシーンその2!
セリス:加速装置!
セシル:ぐっはああああっ!?
ろう:いや、それもですけれど、ローザさんの賭けもです。
テラ:それにしても、オリジナル魔法剣が出てきておるのー。
ろう:ふふっ、昔っから考えてたんですよ。ようやく出せましたー。
セリス:他にも色々と出来そうね。魔法剣メテオとか。
ろう:あ、それ、ありましたよ。昔、N.PというFF小説系のホームページの投稿小説で。
セシル:お、おおおお、また懐かしい名前が・・・
ろう:というか、それがなければオリジナル魔法剣は思いつかなかったかも。
セシル:ていうかパクリなんじゃないか?
ろう:そうかも。昔見たのを忘れているだけで。
ロック:それにしても加速装置ってどうなんだ。
セリス:アクセラレイターだ。
ロック:さっき自分で言ったじゃん。
ろう:んー。ただ、セリスさんが言ったとおりにあまり使いにくい魔法だったりします。
セリス:止まった時間の中では動きにくいしな。
ろう:頭悪いんで実際はどうか知りませんが、いちお空気抵抗のせいで水の中で動くよりも動きにくいという設定。
セリス:水というか、ゼリーとかシャーベットの中を動き回るようなものか?
ろう:ついでに、使った後に確実に戦闘不能になりますし。ちなみに、最初は使うたびに寿命が縮むとか設定にしようと思ったんですが。
セシル:なんかこの先、要所要所で使いそうだしね。すぐ寿命が終わりそう。
セリス:・・・・・・美人薄命。良いかも。
ロック:おーい?
K.「後悔」
L.「望んだ力」
M.「娘との再会」
N.「子供の英雄」
O.「運命を変える旋律」
P.「恋人たち」
ろう:書きたかったシーンその3!
テラ:アンナ・・・私を許してくれるのか・・・?
アンナ:お父さん・・・ギルバートと仲良くしてね―――
テラ:アンナ・・・・・・!
セシル:原作ではここで死ぬテラが生き残るんだね。
ろう:いえす。この展開はFFIFを始めた時から考えていました。特にメテオは最初から悩んでましたから。
ロック:?
ろう:・・・塔内でメテオなんて大魔法ぶっ放してどう描写するか、すげえ悩みました。
ロック:あー。
ろう:最初はゾットの塔を滅茶苦茶広くしてメテオ一発くらいなら耐えられる設計にしようとか考えてたんですけどね。
セシル:結局、ゴルベーザ相手じゃなくて、外で魔物の群れに使うということに成った訳か。
ろう:うい。てゆか、メテオって巨大な相手か群れ相手にでないと使えない気がします。クルーヤさんもフレアを教えてくれれば良かったのに。
テラ:原作版なら、フレア使えるのだが。私。
セリス:ちなみにFFIFだと、フレアはまだ封印されているので使えない。
セシル:あれ、でもローザがホーリー使えたのは?
ろう:あ、愛の奇跡って事で一つ(すげえ苦しい)。
アンナ:ところで、これで私の出番って終わりなのかしら?
ろう:はい。ホントはFFIF7(笑)辺りで、クラウドの心の中のガイド役にでも使おうと思っていたのですが。
アンナ:まあ、もう心残りも無くなったしね。大人しく成仏するわ。・・・ところでギルバートは? さっきから見えないけど。
ギルバート:・・・・・・・・・
アンナ:あ、居た。どうしたの? こんな隅っこで体操座りなんかして。
ギルバート:あ、アンナか・・・
アンナ:アンナか、じゃないでしょ。私、これで出番終わりでサヨナラなんだから。
ギルバート:僕たちだってサヨナラだよ。もうこれで最終回だって言うし。
アンナ:へ? そうなの? 聞いてないけど。
ギルバート:そうだよっ! さっき、ろう君が―――
アンナ:・・・・・・あの、ギルバート? 今日って何月何日か知ってる?
ギルバート:知ってるよ、4月1日だろ? わざわざタイトルにも書いてあったし。
アンナ:エイプリルフールって知ってる?
ギルバート:・・・・・・え?
アンナ:・・・・・・
ギルバート:・・・・・・・
アンナ;・・・・・・
ギルバート:・・・・・・ああっ!?
Q.「空中決戦」
R.「メーガス三姉妹」
S.「空中決戦2」
ろう:ここらへん、ホントは1話で終わらせるつもりでした。
マグ:まるでハート様みたいとか言うなのマグ
ドグ:なんか私って特徴とか取り柄が無くて落ち込んじゃうドグ!
ラグ:プリティガール♪ ラグ!
マグ・ドグ・ラグ:我らメーガス三姉妹! だっちゃ!
セシル:・・・え、ええと・・・
ロック:おおっ、あのセシルがどう反応して良いか困ってる。
ラグ:キャハハッ☆ やったね姉さん達! 綺麗に決まっ―――
マグ・ドグ:誰がプリティガールじゃあああああっ!
ラグ:うきゃあああっ!?
マグ:しかも「♪」とか「☆」とかつけおってぇぇぇっ!
ドグ:ラグ、あなたは*でも付けておきなさい!
ラグ:いやあああああっ。おケツの穴はいやあああっ!
ロック:・・・ケツって・・・
ラグ:う、ううう・・・プリティじゃないガールのラグ・・・*
ろう:ぬう・・・まるでギル公みたいに可哀想な子だなあ。
バルバリシア:そーかしら。割と自業自得な気も。
ギルバート:というか、一応僕に酷いことしてるって自覚はあるんだ・・・
ろう:ああ? なんだギル公、今更出てきてもお前の出番は用意してないぞ。
ギルバート:さっそく来たあああっ。
ロック:よっしゃああ! 俺、大活躍。
ラグ:くくくくく、くやしいいいいいっ!
ロック:セリス! 見てくれたか、俺の大・活躍!
セリス:ああ、幻影でしょ。見てたわよ。
ロック:・・・いや、幻影じゃなくて俺の活躍・・・
セリス:だからロックの幻影でしょ。
ロック:いや、そりゃ幻影も出したけど、活躍したじゃん俺。
セリス:何度も言わなくても解ってるわよ。幻影でしょ。
ロック:う、うわああああああああんっ!
セリス:え、ちょっとー? いきなり泣きながらどこ行くの!?
ろう:・・・・・・
ラグ:・・・てゆーか、あたしたちってこれで出番終わり。シンジラレナーイ!
ドグ:止めなさいラグ、アレの物真似は。
ケフカ=パラッツォ(以下ケフカ):キョーッキョッキョ! ぼくちんの事呼びましたか―――
ティナ=ブランフォード(以下ティナ):ライオットハリセーン!
ケフカ:げふはああっ!?
ティナ:はいはい、アンタの出番は私と違って金輪際ないんだから、勝手に出てこない。
ろう:いや、ティナさんの出番もないんですが。
ティナ:き、聞こえない聞こえないもーんっ!(ケフカを引き摺って逃げるように退場)
マグ:・・・見た、ドグ?
ドグ:ええ、姉者。今のハリセンの形をしていたわ。
マグ:あんな激しいツッコミ見たことがないわ。私達もまだまだね。
ドグ:こうなったらラグをもっと酷い目に―――いえ、もっと激しく責めなければ。
ラグ:あ、あの姉さん。私、流石に痛いのはいやだなあ・・・
マグ:まあ、なんてこと! 痛いのがイヤだなんて!
ドグ:そんな! じゃあ、触手とかとかスライムとか気持ち悪い系で!
ラグ:いやっ、それもっ、ていうか18歳未満お断りにっ!
マグ:じゃあ、触手の代わりにウナギで。
ドグ:スライムの代わりにアメフラシで。
ラグ:どっちにしろいやあああああああああああああっ!
マグ:あっ、逃げたわ! 追うのよドグ!
ドグ:イエスマム!
ろう:・・・・・・え、ええと。ちなみに彼女達はバルバリシアさんのG.Fという設定なので、後で復活します。多分。
マッシュ=フィガロ(以下マッシュ):うおおおおおっ!
マグ:ぐばあああああっ!?
マッシュ:はあ・・・はあっ・・・これが・・・俺の拳だッ!
ヤン=ファン=ライデン(以下ヤン):見せて貰ったよ君の拳。
マッシュ:は・・・ “君” ?
ヤン:それを勝手にタイガーファングと名付けてしまった。
マッシュ:え、ええと・・・
ヤン:でもなかなかいいネーミングだろ?
マッシュ:えーと。
ヤン:申し遅れたが、おれはファブールのヤン=ファン=ライデンというものだ。まァよろしく。
ろう:た、田島さんだ! ヤンさんが田島さんにー!
マッシュ:田島って・・・誰?
ろう:さて、必殺技です。
ロック:つか俺の技って、単なる装備品の効果じゃんか。
ろう:トレジャーハンターやってた時にパチったミラージュベスト。これさえあれば、誰でもミラージュダイブ。
ロック:パチったとか言うなあああっ!
ろう:あと、マッシュさんのタイガーファングですが。最初は単なる全力の一撃をぶち込むという技のつもりでした。
マッシュ:技か、それ?
ろう:まあ、そんな疑問もあったのでちょいと変化。元ネタは鉄拳チンミの通背拳ってことで一つ。
ヤン:通背拳の手の形を拳にして、それを連打しているようなものだな。
セシル:質問があるんだけど、通背拳ってなに?
ろう:鉄拳チンミを読んでください。
マッシュ:そういえばヤンって投げ技も出来るんだな。
ヤン:見よう見まねだがな。
マッシュ:え?
ヤン:ウチの家内がその使い手でな。投げというか合気術や関節技などを得意にしていた。
マッシュ:なるほど、若い頃に一緒に修行とかしてそれで・・・
ヤン:いや、夫婦ゲンカすると容赦なく投げられたり折られたりするのだ。
マッシュ:・・・・・・
ヤン:流石に骨を折られると困るので、最近ではフライパンでお願いしますと頼んでいる。
マッシュ:それ、夫婦ゲンカというよりも一方的に・・・・・・
V.「墜ちたる竜」
エピローグ
ろう:書きたかったシーンその6!
セシル:4と5は?
ろう:ミラージュダイブとタイガーファング。
セシル:ああ。
ろう:そんなわけで多分、ここがこの章で一番書きたかったシーンです!
カイン:俺とバルバリシアの戦いだな。
ろう:いえす。てゆーか、天地交錯! 実はこの技、セシルさんとカインさんの技じゃなかったり。
セシル:本当はカインとアベルの技なんだけど、一応僕でも出来るってこと。
ゴルベーザ:・・・一つ良いか?
ろう:はい?
ゴルベーザ:私の技。「呪縛の霊気」ではなく「呪縛の冷気」なのだが。
ろう:はい。DS版やって初めて知りました。
ゴルベーザ:・・・・・・
ろう:・・・・・・
ゴルベーザ:・・・霊気のままになっているが。
ろう:ファブールでもう「霊気」にしちゃいましたし。そっちのほうがそれっぽいので。FFIFでは「霊気」でお願いします。
マッシュ:あ。ところで、セシルの「期待は裏切るものだ」って意味、あれはどういう意味なんだ?
セシル:そのままの意味だよ。カインは僕の期待をいつも裏切る―――良い意味でね。
ロック:つまり期待以上の働きをするって事だろ。素直にそう言えばいいのによ。
セシル:あはは。砲弾がカインに向かった時、アベルなら避けられるとは思った。でも、まさかあの状態で跳べるとは思わなかった。
バルバリシア:私もね。というか、本編でも言ったけど、全然跳ぶ様子が無かったから、竜騎士の跳躍のことを忘れていたわ。
カイン:一応、俺の切り札だからな。安い手で切るわけにはいかなかった。それだけだ。
セシル:やっぱり僕が何もしなくても、君なら “どうにかしていた” んだろうね。
******
ろう:さて。座談会・・・というか、FFIFも終わりが近づいて参りました。
ギルバート:え?
ろう:冒頭でも言いましたが、ここまで頑張れたのは読者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございましたっ!
ギルバート;ちょ、ちょっとちょっと!
ろう:ンだよギル公。ウゼエなあ。
ギルバート:ウザイとか言われた! じゃなくて、それエイプリルフールじゃなかったのかい!?
ろう:は? 誰がいつそんなこと言ったよ? いっとくけど、エイプリルフールに関係なく、今日でFFIFは終了。
ギルバート:ちょっとまってよ! まだ終わってないじゃないか! こんなところで・・・
ろう:うるさいなあ。俺はもう疲れたんだよ。限界なんだ! この章だって、本当はもっとちゃんと書きたかったのに・・・
ギルバート:そういえば、書きたいシーンが6個もあったんだね。
ろう:でも仕事が忙しかったせいで、ろくにかけなくて・・・その苦しみがお前に解るかあああっ!
ギルバート:くっ・・・でもっでもっ・・・でもそんなの君らしくないよ! 完結させるって・・・絶対終わらせるって言ったじゃないか!
ろう:へ・・・そんな事を言ったこともあったっけなあ・・・・・・
ギルバート:認めない! 認めないぞ! こんな中途半端なところで終わる物語なんて、僕は認めない!
ろう:はあ? お前が認めないからどうするって言うんだ?
ギルバート:・・・終わらない物語にどんな意味があるって言うんだッ! うあああああああああっ!
ろう:ぐはっ! ギル公・・・てめえ、殴りやがったな!
ギルバート:殴るさ! 僕は暴力なんて嫌いだ! でも、君が解るまで何度だって――――――
バッツ=クラウザー(以下バッツ):あれ、なにしてるんだお前ら。
ギルバート:バッツ!? なんで今更・・・そういえば、座談会に顔を見せなかったような・・・
バッツ:あ、ワリイ。次の章の準備が忙しくってさ。ほら次はようやくリディアが出てくるだろ? だから気合い入っちゃってなあ!
ギルバート:バッツ・・・でも・・・
ろう:すいません、バッツさん・・・・・・
ギルバート:ろう・ふぁみりあ! 今更謝ったって―――
ろう:リディアさんの出番は次の次の章に伸びました。
バッツ:んなにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?
ギルバート:・・・・・・はい?
バッツ:ちょっと待て! そりゃマジか!?
ろう:はい。次は、ちょっと今までの後始末というか、間章みたいな感じのをやろうかと。
バッツ:愚覇亜ッ!
ギルバート:吐血したぁッ!?
バッツ:ばたんきゅー!
ギルバート:しかもすごい勢いで倒れたぁっ!
セシル:・・・なにやってるんだい? って、バッツ!? なんかスゴイことになって・・・
ろう:リディアさんの出番が延期になったって聞いたらこの有様で。
セシル:あー、だから言ったじゃないか。早いうちに言っておけって。
ろう:いやあ、なかなか言い出す機会が。
ギルバート:ちょっとまてええええええええええええっ!
セシル:うわびっくりした! め、珍しいですね、ギルバートが大声出すなんて。
ギルバート:出したくもなるよッ! なんだよ、今回で最終回じゃなかったのか!?
ろう:終わりって言ってるだろがギル公
セシル:・・・ちょっといいかい?
ろう:はい?
セシル:エイプリルフールはもう終わってるよ。
ろう:・・・・・・へ? だってまだ4月1日。
セシル:エイプリルフールは正確には4月1日の午前中だけだよ。
ろう:・・・そう言えば氷室さんもそんなことを言っていた気が。
セシル:氷室さんて誰?
ろう:でも「4月1日」って3巻じゃなくて4巻ですよね。
セシル:知らないよ。
ギルバート:え、え、え? ちょっと待って、じゃあまさか。
ろう:あ、最終回って嘘。
ギルバート:あっさりー! で、でもさっきのは嘘とは思えないほど嘆いていたような・・・
ろう:まあ、あれは嘘じゃないし。
ギルバート:は?
ろう:正直、この章は書きたいシーンがあったのに、忙しかったせいで満足に書けずに苦しかったってのは超本音。
ギルバート:・・・・・・
ろう:でもそんなの今までも似たようなもんだしな。今更止める理由にはならんだろ。
ギルバート:じゃあ、次章予告がないのは・・・?
ろう:それは次章で。ちなみに同じ理由でローザさんも出てきてなかったり。
ギルバート:そ、そーいえば出てきてなかったような・・・じゃあ、本当に。
ろう:さっきからそう言ってるだろが。
ギルバート:なんだ、良かった安心したよ。それじゃこれからもよろしく。それじゃっ!
ろう:またんかい。
ギルバート:はうっ!?
ろう:さっきはようもやってくれたのう。なかなか良いパンチもっとるやんけ、ワレ。
ギルバート:ええええと。ご、ごめん。
ろう:ふっ・・・
ギルバート:え?
ろう:いや、嬉しかったよ。お前が、そこまで俺やFFIFの事を想ってくれていたことがさ。
ギルバート:ろう君・・・
ろう:なんて言うと思ったら大間違いじゃああああっ!
ギルバート:ひいいいいいいいっ!?
ろう:生まれてきたことを後悔したくなるまで折檻しちゃるッ! いくぜっ!
ギルバート:たっ、助けてぇっ!
ろう:逃がすかあっ!
“無限の始まり” エターナルレッド!
“破滅の守護者” デストラクショングリーン!
“意味無き意味” ブランクブルー!
セシル:こっ、これは今は懐かしいFFアニメネタ!?
ろう:召喚ッ! TOPの花子さん(仮)ッ!
花子さん(仮):呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン♪
ろう:花子さん! やっちゃってください!
花子さん(仮):オケ! ここも久しぶりだからお姉さん張り切っちゃうわよ!
ギルバート:も、もう好きにしてください。
セシル:あ、観念した。
花子さん(仮):行くわよッ。本邦初公開! あたしのオリジナル必殺技ッ。カウンタァァァヒットォォォォォッ!
ろう:ぐっはあああああああっ! hitの攻撃ィッ!?
ギルバート:うわああああああああっ・・・・・・あ、あれ?
花子さん(仮):ククク・・・使い魔の分際でこのアタシを呼び出そうなんざ言い度胸しているじゃない。
ろう:え、ええと、その・・・・・・
花子さん(仮):生まれてきたことを呪いたくなるまで叩き潰してやるわッ!
ろう:た、たすけてえええっ。おかーさーん!
―――そして、惨劇。
セシル:・・・・・・使い魔も、彼女を呼び出せばこうなるってくらい予測できただろうに。
ギルバート:ああ、なんかろう君が凄いことに・・・敢えて遠回しに言うとモツとかが。
セシル:ま―――とりあえずこれからもよろしくお願いします。ということで。
ギルバート:あ、うん。頑張っていこう。
セシル:・・・まあ、僕は次の章までなんだけど(ぼそっ)。
ギルバート:えっ!?
(08/04/01)