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   V−6 法面の人工感はどうにかならないか(?→B、@)

 これもV−5と同様の無意識の事例である。

 切り盛り法面の設計は工事費とか用地幅を左右するから、どうしてもぎりぎりの考え方にならざるを得ない。法面安定上、一定の勾配にし、法長に限度をもうけると、それ以上の場合は一定の高さごとに一定幅の小段がつき、まさしくこれ以上の人工感はないといって良いほどの人工地形が出現する。ダムの土取り場の跡に多自然公園を造成する場合があるが、平場の多自然は良くできても、見上げた法面が人工斜面では、自然の山間部にあって、そこだけに違和感が残ってしまう。

 インターチェンジのランプウェイに囲まれた土地にランドスケープと称して、一定勾配でなく、等高線方式で法面を造成する手法がある。これは公園的手法で、曲線美をねらった人工的な手法だが、自然のなかの法面には逆に自然にある等高線を再現した法面造成の設計が出来ないだろうか。見た目が自然になると同時に、法面に復元する植物も一定勾配の場合よりは多様性が確保できるのではないか。また、様々な植生の組み合わせがあれば、自然の斜面がそうであるように、法面の長い目で見た安定にも資すると思うのだが。

 

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