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 V−3 薄層流が魚を殺す(Bの景観より@の生態系を重視すべき例、B→@と略す、以下同じ)

 前稿のV−2でも述べたが、自然の河川でも瀬の部分を眺めていると、水が泡立ち、酸素が十分供給され、水質浄化がなされている感じがする。それに比べ淵の部分は流れが少なく、ゴミまで滞留しているものだから、汚染の元凶とすら感じてしまう。底が見えれば水はきれいだ、という素人的な考えもある。

 そこで素朴な河川技術者は、河川工事の際に河床整正と称して、低水路の流水部分を拡げ、淵を埋め、平らな河床を造成することにより、一面の瀬を作り出してしまうことがはやった。この試みはたった一回の洪水で元の瀬と淵の状態に戻ってしまう無駄な作業であったが、一様の流れでは魚などの休息産卵の場所が確保できず、河川内の生態系に害のあることはこのごろ常識になりつつあるのではなかろうか。(北海道の土地改良事業に際しての河川事業でこの「常識」が最近も繰り返されたが…NHK報道による)

 

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