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水と環境 主な内容

「もはや産業の体をなしていない水田農業をやめて、大昔の森林に戻したらよい」

「水田の天然ダム機能のウソ」

「身近な森林、江戸時代の里山を現代に復活させよう」


「帰りなんいざ、田園まさに蕪れなんとす」との気持ちを現代の日本において共感

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「川は自然の公共空間なので自由使用時の事故等に自己責任原則を 」


「街の美観のため、生ゴミ対策のディスポーザーを下水道に採用しよう
 


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多自然研究方法論の一提案 
(リバーフロントセンター「多自然研究」誌掲載)
 

目 次   

1.多自然研究方法論の一提案

問題提起の背景
T 整理の視点
U 反省の事例研究
V 環境「常識」の陥穽
V−1 自然は人により整備されないと保全されないものか
V−2 水はかき回すと必ずきれいになるものか
V−3 薄層流が魚を殺す
V−4 水は滞留すると質が悪化するか
V−5 人工的に地形を復旧して、生物は有り難がるか
V−6 法面の人工感はどうにかならないか
V−7 何でもかんでも緩くは困る
V−8 人為はすぐばれる
V−9 見た目のできばえが機能を害する
V−10 環境工法では現場監督がキーパースン

V−11 外国の問題事例を日本に直輸入して良いのか
V−12 磯焼けの犯人は河川工事という濡れ衣
V−13 森は海の恋人か
巻末V−12,13 に関連して H14.11.25
V−14 油汚染その後
V−15 ヘドロはそんなに悪くない
W−1 生態系保護の絶対性、相対性
(16)
W−2 放置か現状保護か
(17)
巻末W−2 に関連して タマちゃんをどうする
W−3 好きな自然と価値ある自然
(18)
W−4 身近な自然と手つかずの自然 (19)
W−5 山小屋の論理とゾーン別棲み分け(20)

本 文

多自然研究方法論の一提案

 問題提起の背景
 
 我が国の社会資本整備を進めるに当たって、従前の機能本位の考えから脱却して、「環境」をキーワードとして、施設整備に様々な付加価値を要求するようになったのは、戦後の貧しい時代から欧米の豊かな生活水準を目指し、がむしゃらに建設に邁進し、最低水準の一応の整備が終了した高度成長期末期の余裕のある状況としては、当然の成り行きであった。

 どのようなものを付加価値としたらよいのかは暗中模索であったと言ってよく、それらはずっと試行といってよい状況だったが、その試行もバブル期などにあわただしくなされたような感想を持つ。以来十数年を経て、現在、この付加価値のあり方にも反省・整理の時期が訪れている感じがする。

  T 整理の視点

 まず、付加価値たる「環境」の定義が曖昧だったことがある。筆者の考えでは、@生物全体の生息環境…生態系保全の観点 A人間が自然に接近し易い環境…水環境で言うと親水性 B人間の目で見た環境…景観 C水環境での水質改善性 に分けられるが、建設しようとしている施設がこのうちの何をねらっているのかはっきりしないものがあった。

 ごく一例を挙げると河川の階段護岸の多用である。これはAの親水性を目的としたものだが、需要を考えるともっと数は少なくてよいし、一カ所あたりの巾は短くてよい。不必要に多いと、@の生態系に害になる。邪推かもしれないが、環境ブームの中、手っ取り早い方法だったからではなかったのか。

   ちなみにこの情報誌の「多自然研究」だが、寄せられる情報の大半は@の生態系保全・回復に関するものだが、必ずしもそれに限定されることなく、A〜Cに関しても、この情報誌の編集にあたるリバーフロント「整備」センターの名からも分かるように、自然復元ばかりでなく、積極的な環境創造もねらっていると解釈できる。

 私の整理法にこだわるつもりはないが、一つ一つの課題に対し、「環境」に対しての目的を整理する必要があるのではないだろうか。   

 U 反省の事例研究

 「環境」の分野に設計基準なるものは存在しない。構造物の立地する場所の特性により様々に設計の考え方が変わるものだから、基準、マニュアル的なものはなく、一つ一つの事例があるのみで、設計者はそれらを参考に自分の向き合っている課題に対応するしかない。その意味で事例集の持つ意味は大きい。

 一方で失敗事例を紹介することも貴重である。設計者の陥りやすい考え方が具体的に分かるので、少なくとも同種の失敗は繰り返すことにならないし、成功への道筋も反面教師としてわかりやすくなるのではないか。

 一部でこの種の紹介があるが、日本人の『恥はなるべく外に出したくない』という性格のせいか、あまり普及はしていないようである。全くの失敗例はなく、一部に足りなかったところがあったという事例が多いと思われるので、是非、反省すべき点とその理由を解説して、紹介してほしいものだ。(本誌第21号掲載の不老川浄化施設の失敗事例の報文、リバフロパンフレット「こんな川づくりに気をつけよう」など一部に紹介事例があるが)  

 V 環境「常識」の陥穽

 環境の研究分野については、新しく、定説が完全に確立されていないのに、人々の興味の対象になりやすいので、いわゆる素人的な議論がなされがちである。それらからいつの間にか「常識」となってしまったものを一つ一つ検証訂正していくことも、環境研究の一大テーマではあろう。仮に誤った「常識」で事業者と住民間の議論が進んでは困るし、政治問題に発展しては取り返しがつかないからである。

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