「・・・逃げられた」

 闇が消えた後、何も残っていない空間を睨み、カインは舌打ちする。

「・・・嘘でしょ? 私の魔法で燃え尽きたはずじゃ・・・」

 呆然としたままリディアが呟く。
 ロイドが深く溜息を吐いて。

「多分・・・あれは偽物でしょう」
「どういうことだ?」

 ヤンが問うと、ロイドは肩を竦めて。

「俺の推測ですが―――多分、そこの魔道士さんが燃やしたのは身代わりだったんでしょうよ」
「身代わり? ・・・しかし、カインが最初に槍を突き刺した時には、ちゃんと血が―――あ」

 ヤンはそこまで言って自分で気がついたようだった。
 ロイドは頷いて、

「そう・・・カイン隊長が槍で突いた時には血が出た―――なのに、そこのゴブリンが腕を斬り飛ばした時、血は出なかった」
「だから偽物だと解ったのか・・・」

 カインを見る。
 ようやく、カインが重力魔法から抜け出して、シュウに飛びかかった理由が解った。

「しかし、一体どうやって入れ替わったというのだ?」
「あのダームディアと言う暗黒剣・・・おそらくは、鎧の中だけ人形か何かと入れ替わったんでしょう」
「しかし、さっきのはそれで説明つくとしても、王の間での説明がつかないのでは?」

 王の間でも、ゴルベーザはカインの槍に貫かれたが平然としていた。その時も入れ替わっていたのだとしたら少し妙なことになる。なにせあの時は、シュウの方を振り返ったりして動いている。人形ならば動いたりはしないのでは、と。

 しかし。

「ついさっき、生きているみたいに動く人形と戦ったばかりだろうが」

 そう言ったのはセリスだった。
 彼女は、自分が燃やした燃えかすを見やりながら言う。

「あ!」

 と、声を上げたのはルカだ。

「私のお人形は!?」
「燃えた」
「ふえええええっ!?」

 容赦なく切って捨てたカインの一言に、ルカの顔が泣き顔に歪む。

「ああああ、泣かないでくださいよ。別のお人形を作って上げますから」
「ホント!?」

 泣く寸前にロイドがそう言うと、ルカはぱあっと顔を輝かせた。

「―――話は済んだ? なら、聞かせてもらうわ。ティナがどうなったのか」

 そう、言ったのは緑の髪の女性―――リディアだった。彼女はセリスを殺気混じりの視線で睨む。
 だが、そんな視線にものともせずに、セリスは平然と答える。

「ファブールの直後、私はケフカとは別行動をしていたから詳しくは知らん。ただ、レオ将軍が言うにはケフカは、お前の言うティナを連れてガストラへ帰ったという」
「貴女はどうしてここに居るのよ。ガストラの将軍が―――敵ではなかったの?」

 そう、今度はヤンの方を見る。
 ヤンは、まだ目の前にいる女性が “リディア” であるのが違和感あるようで、すこし狼狽する。

「あ・・・ああ。それは、セシルがバロンの王となったとき、バロンの客人であるガストラの将軍達は引き続き、客人扱いとなった。そしてセリスは―――」
「私は私の意志でここにいる。ガストラの将軍ではなく、ただのセリス=シェールとして」
「ふうん」

 セリスの言葉に、リディアはさして興味も無さそうな反応をして、

「兎に角、貴女に聞けることは何もないという事ね。・・・役に立たない」
「貴様の役に立ちたくて、こんな地底まで来たわけではないからな」
「口の利き方に気をつけなさいよ、人間。本当だったらアンタみたいな存在は、今すぐ八つ裂きにしてやりたいところなんだから」
「できるものならばやってみろ!」
「二人とも、落ち着け!」

 ヤンが二人の女性の間に割って入る。
 それから、リディアの方を向いて。

「・・・その姿といい、態度といい・・・この一ヶ月で何があったというのだ?」
「アンタには関係ない」
「リディア・・・・・・。あ」

 ふと、リディアの顔を見て、旅人のことを連想する。
 仲の良い兄妹だったバッツならば、心を開くのではないかと―――思いかけて、飛空艇から落ちたことを思い出した。

「リ、リディア、落ち着いて聞いて欲しいんだが・・・」
「なによ?」
「バッツの事だ。あいつもこの地底まで来ている―――だが、飛空艇から落ちて・・・」
「知ってるわよ」
「は?」
「なんかいきなり落ちたから、トリスが助けたのよ」
「じゃあバッツは生きているのか!」

 ヤンが驚きと喜びの入り交じった声で叫ぶ。
 しかし、対するリディアの反応は冷ややかだった。

「ええ。うざったいほどに元気だったわ―――今は、死人みたいに落ち込んでるけど」
「・・・どういうことだ?」
「ふん・・・」

 面白く無さそうにリディアがそっぽを向く。
 代わりにブリットが答えた。

「バッツが目を覚ましてリディアを見た瞬間、いきなり『リディアアアアアアアアッ!』とか叫んでリディアに抱きついたんだ。それに対してリディアが『離せ変態ッ!』と蹴り倒したら、バッツがもうとんでもないショックを受けて・・・」
「まあ、それはショックだろうなァ」

 ヤンはその光景をありありと想像する。
 リディアと行動をともにしたのは、そう長い時間ではない。しかしそんな短い時間でも、バッツとリディアの仲の良さは十分すぎるくらいに印象に残っている。最愛のリディアに蹴り倒されれば、バッツがどれだけ落ち込むのか、想像するに難くない。

 だがその一方でやはり不可解なのはリディアの存在そのものだった。
 一体何があって、こうまで変わってしまったのだろうか。

「何があったのだリディア。お前達は仲の良い兄妹だっただろう?」
「・・・うるさいわね」
「バッツの妹なのか?」

 セリスが怪訝そうに不機嫌なリディアを見る。
 ヤンが頷くと、セリスは怪訝そうに首を傾げた。

(・・・ということは、ミストの息子ということで―――そんな年齢には見えなかったが・・・)

 ミストの年齢は、大体自分と同じか少し上くらい―――目の前のリディアくらいの年齢だと思っていたが。

(案外、若作りしていたのか・・・?)

 ものすごい勘違いをしているセリス。
 ヤンはさらにリディアに問う。

「ファブールでのことを覚えていないか? お前達兄妹はずっと一緒で―――」
「それ以上言ったら、殺すわよ」

 リディアがキッとヤンを睨む。
 そんな怒りを前にして、ヤンは嘆息してブリットの方を見る。

「お前は変わらないのにな」

 ヤンはブリットを見る。
 ゴブリンである所為なのか外見の変化は全く解らない。
 ただ、以前よりも言葉遣いは流暢になっている気がする。

「それは心外だな。俺も色々と成長したんだゼ」
「うむ。確かにゴルベーザの腕を斬り飛ばした、あの剣技は見事だった」
「そう、ストレートに褒められると照れるな」

 気恥ずかしそうに頭を掻くブリットに、ヤンは穏やかに笑う。
 そんなヤンの姿を、他の面々は奇異の視線で見つめていた、

「あの、ヤンさん? それって・・・ゴブリンですよね・・・?」
「――― “それ” 扱いするな。人間の分際で」

 疑問を発したロイドに、リディアがロッドを突き付ける。
 「すい、すいません」とロイドは思わず一歩退いて、

「あの・・・魔物と仲良いんですか?」

 自分でも奇妙な質問をしているという自覚はあるのだろう。
 やや弱い声音でロイドが問いかける。

「ブリットは知人だ。私も仲良いと呼べるほどの付き合いはないが、なかなか気配りの効くゴブリンだぞ」
「はあ・・・」

 知 “人” じゃねーだろ、というツッコミは誰もが思いながらしなかった―――

 

 

******

 

 

 ふと、大勢の足音が響き渡る。
 それにカイン達が気づいた直後、

「ルカ! 無事か!」

 ジオット王がドワーフ兵を引き連れてクリスタルルームに飛びこんでくる。

「お父様!」

 ルカが父親に駆け寄り、親子は抱き合った。

「馬鹿者・・・危ないことをしよって・・・」
「ごめんなさい、お父様」
「それで人形は?」
「私のお人形、燃えちゃった・・・けど、あの人が作ってくれるって」

 ルカがロイドを振り返る。

「ね?」
「あ、はい―――そう言えば、あの人形はどうやって手に入れたんですか?」
「えっとね。お城の中に落ちていたのを拾ったの」
「なるほどね・・・」

 つまり、クリスタルを見つけられなかった時の保険として、仕込んでいた人形を適当に放置していたわけだ。
 だが、その “保険” にロイドは違和感を感じる。

(ゴルベーザは、どちらかというと力押しで叩き潰すような戦術をとってきた―――ダムシアンの時もファブールの時も。・・・トロイアの時だって、スカルミリョーネという強力な駒を寄越しただけだ)

 だが、このドワーフの城の攻略は、今までとはやり方が違う。

( “人形” という絡め手―――さらに、こっちにカイン=ハイウィンドが居るとはいえ、どこか消極的だった。セリスが言うとおり、ぶっちゃけ “セコい” 。・・・まあウチの王様も人の事は言えないけど)

 セシル=ハーヴィは目的のためならば、割とプライドを捨てられる。
 今回のゴルベーザの行動は、なんとなくそんなセシルの行動とダブって見えた。

(さらに “SeeD” の雇用―――どーやら、ゴルベーザもなりふり構っていられないほど戦力を消費したようだな・・・)

 それは当然かも知れない。
 勝敗で言うならば、地上ではことごとくゴルベーザにクリスタルを奪われた、こっち側の負けと言えるかも知れない。
 だが、その度にゴルベーザも無傷では済まなかった。

(クリスタルも残るは後一個。それが奪われればどうなるかは解らないけれど、勝機はまだある―――)

 

 

******

 

 

「よーう、無事だったかお前ら」

 ジオット王達から遅れること数分。
 赤い鎧の男がのんびりと現れた。

「ギルガメッシュ! お前、バッツを探しに行ったのでは?」
「いやあ、城門のところでアイツをつれたコイツに出逢ってなあ」

 ギルガメッシュはポンポンとリディアの頭を軽く叩く。
 リディアは迷惑そうに頭を払い、

「馴れ馴れしく、触らないで」
「うっわ、冷てえ。折角心配してきてやったのに。しかも隠し通路の入り口がドワーフで詰まって立ち往生している間に、魔法でさっさと先にいっちまうんだもんなぁ」
「はあ? 誰が心配してくれって頼んだのよ」

 ふん、とそっぽを向いて、リディアは出入り口に向かって歩き出す。

「リディア、何処へ?」
「もうここに用はないわ」

 そう言い捨てて、リディアはブリットを連れ、クリスタルルームを後にした―――

 

 

 

 

第17章「地底世界」 END


 

次章予告ッ!

 

・・・ええと、今回こそはちゃんと予告しないとね。

セリス:いつもちゃんと予告していたかと思うと疑問が残るが―――。

もう、セリスったら。私はいつもちゃんとしてるわよ?
それより、バッツは・・・・・・

バッツ:えぐえぐえぐ・・・リディアが、リディアがぐれたああああッ!
リディア:うっさい馬鹿! 燃やされたくなかったら騒ぐな!
バッツ:・・・くっ。そ、そんなに言うんだったらお兄ちゃんだって怒るぞ!
リディア:へえ? 怒ってどうするの?

あ、あの・・・ちょっと・・・?

バッツ:俺と勝負しろ! 俺に勝てばガストラ行きを許してやる!
リディア:なんでわざわざアンタなんかに許されなきゃいけないのよ?
バッツ:はーん、俺に負けるのが怖いのか?
リディア:なんですって!?

次章予告したいんだけど―――・・・

リディア:いいわよ、やってやろうじゃない―――死んだって責任は取らないから!
バッツ:上等だ! 俺の屍を越えていけぇっ!

ああ、もうッ!
結局、予告ができないぃぃっ!

もう! てなわけで次章!

 

ファイナルファンタジー4 IF(仮)

第18章 「あにいもうと」

 

バッツ:読んでくれないと―――

リディア:―――別に読まなくても良いわよ。

バッツ:リディアー・・・!

リディア:フンッ。

・・・いつになったら、私、まともに予告が出来るんだろう・・・・・・

 

 


 

あとがきがわりの座談会ッ! 第十七話「お詫びと訂正」

 

バッツ=クラウザー(以下バッツ):斬鉄剣!

ろう・ふぁみりあ(以下ろう):ぎにゃあああああっ!?

ギルバート=クリス=フォン=ミューア(以下ギルバート):ちょっ、バッツ!? いきなり斬鉄剣って。

バッツ:斬鉄剣でも生ぬるいわあああっ! なんだよあのリディアはあああああっ!

ろう:あうあうあうあうあう。

バッツ:この章は、俺とリディアが再会して、久々にエセ兄妹パワァが炸裂する章じゃ無かったのか!

ろう:それ、あなたの勝手な嘘予告です。

バッツ:いいから俺のリディアを返せ! 戻せ! 訂正しろおおおおおおおっ!

リディア:うっさいわね・・・なに騒いでるのよ。

バッツ:はっ!? リディア! マイリトルシスターリディア! お兄ちゃんはお兄ちゃんは哀しいぞぉぉぉぉ!

リディア:デジョン。

バッツ:のわあああぁぁぁぁぁ・・・(次元の狭間に消えていく)

リディア:はあ、よーやく静かになった。

ギルバート:ええと・・・大丈夫かな、バッツ・・・

リディア:フンッ。・・・ところで使い魔。題名の「お詫びと訂正」ってなんのこと?

ろう:えっとですね、お詫びはリディアさんのこと何ですが。

リディア:私?

ろう:ええ。このFFIF、 “FF” とは名ばかりに、原作のキャラが私のノリや誤解で色々と改変されていますが、基本的には原作準拠です。

リディア:とてもそうには見えないけどね。

ろう:うぐ。ま、まあとにかく。原作準拠なんですが、リディアさんだけは完全に原作無視してキャラ付けしました。

ギルバート:まあ、原作のリディアって、少なくとも冷酷なキャラじゃないよね。

ろう:いえす。なのに、どーしてこうなったかというと。

セリス=シェール(以下セリス):FF6の設定があるからだな?

リディア:あ・・・(険悪にセリスを睨む)

ろう:セリスさんの言うとおりで、FF6だと幻獣の世界はガストラ帝国によって蹂躙されています。
   FFIFにおいては、FF4の幻界とFF6の幻獣界(FFIFでは “幻獣界“ で統一)同じものなので・・・・・・

ギルバート:そうか・・・人間に恨みを持つ幻獣達に、リディアは迫害されて。

リディア:勝手なことを言わないでよ。私は別に迫害されてなんかない。むしろ、みんな優しくしてくれたわ。

ギルバート:え・・・それならどうして・・・

リディア:・・・・・・

セシル=ハーヴィ(以下セシル):優しくされたから、逆に辛いことだってある。そう言うことだよね?

ギルバート:セシル・・・?

セシル:想像してごらんよ。自分たちの感情を押し殺して、自分には優しく振る舞ってくれる者たち。
     そんな良い幻獣達に人間がやったことを知れば知るほど、苦しいとは思わないかい?

ブリット:・・・優しくされたからこそ、リディアは余計に “人間” を許せなくなっていったんだ。

ギルバート:でも、それはガストラの人間だけだ! 全ての人間が・・・

リディア:うるさいわね・・・! アンタは実際に幻獣界に行ってないからそんなことを言えるんだッ!
     あそこに行って見ればよく解る・・・! 人間がどれだけ酷いことをしたのか・・・仲間を失ったせいで、幻獣達がどれだけ傷ついたか!

ギルバート:リディア・・・!

セシル:そこまでですよ、ギルバート。

ギルバート:だけどっ。

セシル:これは僕たちがどうこう言える問題じゃない。どうにかすることができるとしたら―――

バッツ:リディアアアアアアアアアアアアアアアッ!

セリス:あ、戻ってきた。

リディア:ああ、もうっ! 抱きついてくるなッ、暑苦しい―――ブリザラッ!

バッツ:ひらめきっ!

ろう:おお、完全回避ッ!

バッツ:ふははは! そう簡単にお兄ちゃんを退け続けられると―――

リディア:デジョン。

バッツ:にょええええええええええっ!(また次元の狭間へ)

セシル;・・・・・・まあ、大丈夫なんじゃないかなって思ってるよ、僕は。

ギルバート:え・・・?

 

 

プロローグ

ろう:はい、というわけでSeeD参戦です。これでFF4〜9までのキャラクターが揃いました。

キスティス=トゥリープ(以下キスティス):正確にはFF1のアストスなんかも居るんだけどね。

ろう:ちなみに、この話を書くまでずっと “Seed” で “トゥリーブ” だと思ってました。

サイファー=アルマシー(以下サイファー):ケッ、ダセエ。

ろう:コメントで訂正してくださった方、ありがとサンクスです。

キスティス:ところで、この時点じゃ、メインで出すのって私とサイファーだけのつもりだったのよね?

ろう:はい。どーゆーわけか、シュウさんとニーダさんも登場することになりましたが。しかもシュウさんが一番目立ってる。

サイファー:雑魚いけどな。

シュウ:うるさいよ、サイファー!

サイファー:っと、雑魚のおでましだ。それともゴルベーザの愛人とでもいいかあ?

シュウ:(無言で睨む)

ろう:殺伐してるなあ・・・・・・あ、ちなみに私、FF8未クリアです。何度かプレイして、ラグナロクまでは行くんですが、何故かそこで止まるんですよねー。

 

A.「魔法設定」

ろう:色々とごちゃごちゃ言ってますが、重要なのは二つ。

1.魔法は “真の魔法” と “疑似魔法” に分けられる。

2.疑似魔法は詠唱がない代わりに、威力が低い。

   この二点ですな。

ヤン=ファン=ライデン(以下ヤン):そう言えば、カルコブリーナ戦でセリスが魔法詠唱短くしたレビテトを使っていたが・・・

セリス:わざと不完全に発動させたアレか。まあ、慣れればそういうことも出来ると言うことで。

ろう:他にもファイアなどの攻撃魔法を不完全発動させて、フェイントに使ったりとかもできそうですね。

ティナ=ブランフォード(以下ティナ):そんなことをするのは私や、セリスくらいだけどね。

ヤン:何故だ? フェイントは有効な戦法だと思うが・・・

セリス:フェイントなんて近接戦闘で使わなければ意味がないでしょう?

ろう:接近戦で魔法を織り交ぜて戦うようなキャラクターは、今のところはセリスさん、ティナさんの魔道戦士二人くらいですから。

クラウド=ストライフ(以下クラウド):俺やSeeDが使うのは疑似魔法だしな。

 

 

B.「アガルトの村」
C.「馬鹿と天才」

ろう:特に意識してないんですが、フツーにロックさんが中心になってるなあこの辺り。

セシル:今までが僕を中心に話が回っていたからね。僕の代わりになるのが、ロックとロイドの二人だったってことじゃないか?

ロック=コール(以下ロック):ハ。セシル陛下と同等に見られるなんざ、俺も出世したもんだね。

ろう:というか、物事をちゃんと考えて行動する人が他に居なかったというか・・・

ロイド=フォレス(以下ロイド):バッツは作中でロックが行ってるとおりの “天才” だし、ヤン殿もそれほど物事考えるのは得意そうじゃないしな。

ロック:他は?

セシル:カインは頭悪いわけじゃないんだけどね。ただ、面倒だから使おうとしないだけで。

セリス:私も自分勝手には動くつもりはない。無理を言って同行しているのだし、私のことを疑っているヤツもいるようだしな。

ロイド:・・・・・・。

フライヤ=クレセント(以下フライヤ):私とクラウドは “探し人” の事で頭が一杯じゃからな。あまり他のことを考えている余裕はない。

ろう:そしてギルガメッシュさんは論外。

ギルガメッシュ:なんでだーっ!?

ろう:まだ敵か味方かもはっきりしていない人をメインにはしにくいですよ。

ロック:つかこいつやっぱり敵なのか? どうなんだ?

ろう:うーん・・・どうなんでしょ。

ギルガメッシュ:なんだよトモダチ、敵じゃないって言ってるじゃねーか。

ロック:信じられねーんだよ、てめえはよ!

ろう:ちなみに、ギルガメッシュさんは嘘は言ってません。

ロイド:じゃあ、やっぱり敵じゃないのか?

ろう:まあ、今は。

ロック:・・・後でどうなるかわからねえってことかよ・・・。

 

バッツ:俺は馬鹿じゃねえ!

ロック:おっと、おかえり。

ろう:馬鹿というか、いつのまにか考えるのが苦手なキャラに。ちなみにイメージが某光の剣の剣士なんですが。

セシル:ああ、確かに。相方も美少女魔道士だしね。

リディア:・・・誰が相方よ。

ろう:ちなみに言うほど頭は悪くないです。前も言いましたが、記憶力はかなり良い方。ただ学はあんまりないかなー。

バッツ:・・・まあ、学校とかあまり言ってないしな。自分の名前くらいは書けるけど。

セシル:もしかして、文字の読み書きも苦手だとか?

バッツ:いんや、それは何とか。物覚えは良いって言ったろ。

ろう:あと、手先も器用なんで意外に文字も綺麗です。

セシル:へー・・・。僕なんか、実はあんまり文字が綺麗じゃなかったりするから、少し羨ましいかも。

バッツ:・・・なんか、お前って妙なところでダメだよなあ。

セシル:ダメって言うレベルじゃないよ。少なくとも、ろう・ふぁみりあの文字よりは綺麗だし。

ろう:しくしくしく・・・

 

D.「村の中で」
E.「長老」
F.「マグマの石」

エリア:エリアでーすっ♪

コリオ:コリオじゃ。

ろう:はい妙なところで新キャラ登場。脇役ですが。

エリア:ちなみにオリジナルじゃないよ? 原作にも出てまーす。私は名前無いけど。

ろう:でも、絶対にコリオさんの奥さんって、こういうキャラじゃないよなあ。

エリア:ていうか、どしてこんなキャラに?

ろう:一つはドワーフの血を引いているからイコール明るい村人、というのを強調したかったのと、あとは―――

ロック:・・・・・・

ろう:ロックさんが ”デートしたのが実は人妻で、俺がっくり” 見たいなネタを思いついたんで、そういう軽いキャラにしよーと。

ロック:お前実は俺のこと嫌いだろう!?

ろう:そんなことないですよっ。好きでもないですがっ!

ギルバート:ろう君、正直すぎる・・・

ろう:ちなみにギル公は嫌いだから安心しろ?

ギルバート:僕は君のことは嫌いじゃないけどね。

ろう:ばっ―――な、何言ってんだギル公!? ホモかてめえは!(赤面しつつ脱兎)

セシル:・・・最近、使い魔の扱い方が上手になってきましたね、ギルバート。

ギルバート:まあね(苦笑)。

 

長老:しかし、マグマの石が何故かこの村の特産品に・・・・・・。

ろう:(戻ってきた)うーん、ここはもうちょっと考えた方が良かったかなあとも。ただ、 “マグマの石” を後でもう一回使いたかったんで、こういう形にしました。

ロイド:後で? そう言えば、バッツが石を貰ってたけど・・・。

ろう:ふっふっふっふ・・・・・・

バッツ:あと、俺の親父がこの村と関わり合ったのは―――

ろう:ぶっちゃけ、村人達がバッツさん達に協力するための “理由付け” のためだったり。

エリア:ま、幾ら気さくな村人とは言っても、流石に山を噴火させることまでは無条件ではできないでしょう?

 

G.「地底」
H.「SeeD」
I .「不安」

バッツ:だから高いところはイヤだったんだーーーーーっ!

ロック:まあ、いいじゃん。生きてたんだし。

バッツ:よくねえ! マジで死ぬかと思ったんだぞ!

ろう:それはともかくSeeD(候補生)の初戦闘なんですが・・・

カイン:・・・雑魚だな。

セシル:というかカインが強すぎるんだよ。

ろう:あと、何故か予定にない人登場。影が薄くて有名な人。

ニーダ:その説明は余計だッ。

カイン:というか、こいつは本当にSeeDになれるのか? 戦うことすら出来なかった腰抜けだぞ?

ニーダ:うぐ。

セシル:少なくとも、他の候補生よりは適正あると思うけどね。

カイン:ほう? 何故そう言いきれる?

セシル: “最強” を前にして生き延びられた。

カイン:なるほど、な。

 

J.「最強たる存在」
K.「ソルジャーVSガンブレード使い」
L.「内なる声」

ロック:コメントにもあったんだけど、クラウドよりもサイファーの方が強いのか?

ろう:強いって答えたじゃないですか。

ロック:なんで強いのか答えてないだろ。

ろう:・・・あれ、ホントだ。クラウドさんがソルジャーとしてはあんまし強くないってことしか書いてないや。

クラウド:・・・・・・。

ろう:というか、これはサイファーさんが強いって話ですな。キスティスさんも言ってますが、サイファーさん、単体戦闘能力だけなら現役SeeD以上です。

ロック:SeeDの中で一番強いって?

ろう:さあ? でもトップクラスなのは間違いないです。スコールさんも同じくらい。

キスティス:サイファーは粗野に見えて、繊細なガンブレードを使いこなすセンスがあるから―――

ロック:ああ、クラウドさんの重い一撃を、絶妙のタイミングでガンブレードのトリガー引いて弾いたりとか。

ろう:ちなみに同じガンブレード使いでも、サイファーさんは受け重視でで、スコールさんはどちらかと言えば攻撃重視という設定だったり。

 

クラウド:――― “死者は生者の血肉となる”

ろう:そういやFF7のクラウドさんだけ、オリジナルの決め台詞がないなあと思って、会話の中の台詞から拾った口上です。

せシル:ああ、 “人は死ぬと言うことを知らなければならない” とか。

バッツ: “俺はただの旅人だ” とか。

ロック: “大した罠じゃねえ” とか。

ろう:ちなみに最後の “魂は常に共と在る” の “共” って “友” とかけてあったり。

 

M.「最強の竜騎士」
N.「SeeD撤退」

ろう:・・・カインさんが強すぎて止まりません。なにこの呂布奉先。

セシル:もうカイン無双だなあ。

カイン:フッ・・・

ろう:ガンダム無双が出たんだから、FF無双が出てもいい気がする。というかディシディアでそういうのやって欲しかったかも。

ロック; “最強” の名は伊達じゃねえって事かよ。

ろう:そですね。一対多数の戦いに置いては、カインさんの右に出る人は居ません。

ロック:同じ “最強” のセフィロスやレオよりも強いって?

ろう:数にも寄りますが、同じ最強でも特性がそれぞれありまして、セフィロスさんが万能型で、レオ将軍が防御型。

カイン:そしておれは突破型―――まあ、超攻撃的な “最強” ってわけだ。

ろう:さらに “竜剣” で倒した相手からエネルギー奪って疲れ知らず。雑魚相手にはホントに無敵。

バッツ:俺は何型なんだ?

ろう:奇襲型。

バッツ:なんか・・・ “最強” って感じじゃねえなあ・・・最強の奇襲型―――格好悪い・・・

ろう:そですね。総当たりで戦って誰が一番勝つかというと、バッツさんだったりするわけですが―――まあ、最強と呼べる強さでもないと。

 

O.「隠し通路」
P.「召喚士の娘」
Q.「最後の一撃」

ゴルベーザ:まさかカインが来るとはな・・・

シュウ:あ、ゴルベーザ・・・

ゴルベーザ:どうした?

シュウ:その、庇ってくれて・・・ありがとう。

ゴルベーザ:礼など言う必要はない。お前には、まだ役に立って貰わなければならないのだからな。

シュウ:あ、ああ・・・

 

ろう:・・・・・・なんか、妙なカップリングができてますね。

バルバリシア:どーゆーことよ・・・

ろう:おやバルさん。

バルバリシア:略さないで! どこの殺虫剤よッ!?

ろう:じゃあバルバリさん。

バルバリシア:それならよし!

セリス:・・・いいのか?

バルバリシア:そんなことよりも、人が傷を癒してる間になによあのドロボウ猫ーーーーーっ!

ろう:しかも割と良い雰囲気ですよね。FF二次創作史上、もっとも有り得ないカップリング。

バルバリシア:カップリング言うな! どーしてこんなことに!?

ろう:いや私も不思議。ホントに当初はFF8組はキスティスさんとサイファーさんの二人だけのつもりだったんですが。

キスティス:なんか、私達よりもシュウが一番目立ってるわよね。

サイファー:ケッ!

ろう:ちなみに、本当にこの二人をくっつけるかは未定。本気で予定になかった展開なので。

 

セリス:ファイナルストライク!

カルコブリーナ:ギャアアアアアアッ!

ロック:し、新技! しかも前に座談会で出たスピニングフレイムまで・・・

ろう: “ファイナルストライク” は “アクセラレイター” と同時に思いついた “奥の手” です。

ロック:つか、どっちも使い所に迷う技だよな。武器を失うか、戦闘不能になるか―――

ろう:戦闘不能にならない分、ファイナルストライクは発動条件が厳しいという設定。

セリス:早い話、高い魔力を剣に集めて、それを暴走させる技だからな。集めた魔力が低ければ話にならない。

ろう:だから、高魔力が集まるような場面でないと使えないと。

 

R.「求める者」
エピローグ

キスティス:シュウは気がついていたの? 依頼人がやられていないことに。

シュウ:まあね―――ただ、キスティスが無事だと知らなかったら気づかなかったかも知れない。あの時の私は余裕がなかったから・・・

キスティス;そうね。依頼人の手助けをするどころか、足を引っ張ってばかりだったものね。

シュウ:うっ・・・は、反省はしてるわよ。

キスティス:でも良く気がついたわね、変わり身なんて。

シュウ:それは・・・まあ、よく見ていたから・・・

キスティス:ふうん・・・(含みのある目)

シュウ:な、なによその目!

キスティス:いいえ、別に。ただようく依頼人のことを見てるんだなって。

シュウ:その言い方止めてよ! 私はゴルベーザの事なんて・・・!

ゴルベーザ:私がどうかしたか?

シュウ:!

ゴルベーザ:どうした? 顔が赤いようだが―――

シュウ:な、なんでもないっ!

ゴルベーザ:お、おい、どこへ―――行ってしまった・・・。もしかして、私は嫌われているのか?

キスティス:ふふっ、さあね。

 

リディア:人間なんて・・・大嫌い。

ろう:ホントこれを読んでくださるリディアファンの方ゴメンナサイ。私もリディアファンです。

セシル:まあ、設定上仕方ないこと何じゃないかな?

バッツ:よくねえよ! くっそー、俺のリディアが・・・っ!

リディア:だから、誰がアンタのよ!

バッツ:俺の妹だろっ!

リディア:どういう理屈よッ!

セシル:・・・・・・

ヤン:止めなくていいのか?

セシル:止めてどうなるものでもないだろう? それに・・・

ヤン:それに?

セシル:心配するほどの事じゃあない。

ヤン:ギルバートにも同じようなことを言っていたな。どういう意味だ?

セシル:ヤン、君はリディアが変わったと思っているだろう?

ヤン:ああ・・・一番不思議なのは、リディアの成長だが、それに関してはこの章ではあまり触れなかったしな・・・

ろう:そ、それは次章で。・・・まあ、おそらく読者様方は解っているとは思いますが。

セシル:僕に言わせれば、リディアは “変わっていない” よ。少なくとも、根本的な部分ではね。

ヤン:・・・それは、どういう意味だ?

セシル:バッツとリディアの会話を聞いてれば解るって。リディアはリディアのままだって。

ヤン:??????

 

 

 

ろう:はい。

セシル:そんなわけで、この章も終わりかな―――っと、その前に。

ろう:あ、そですね。訂正訂正。

ロック:訂正?

ろう:いや、この章は、実はここで区切るつもりはなかったんですよ。次のバッツさんVSリディアさんまで書き上げて章を終わりにするつもりだったんですが。
   ゴルベーザさんにクリスタル奪われた時点で区切った方が区切りいかなーと、思い直したので。

ギルバート:それで、何を訂正するの?

ろう:目次の章タイトルの下についてる文。

ギルバート:はい? え、ええと・・・この章で言うなら “召喚士の少女は次元の差違に傷を刻む”ってやつ?

ろう:いえす。これ、詰まりは幻獣界で心に傷を負ったリディアさんの事なんですが、その意味がバッツさんとの戦いの後ではっきりする―――予定なので。

セシル:ていうか君、この座談会の冒頭で説明しちゃったろ。

ろう:説明しないと、リディアさんの変異に読んでる人が納得行かないかなーと。

リディア:・・・変異とまでいうか。

バッツ:ってゆーか、説明されても納得いかねえええええええっ!

リディア:デジョン。

バッツ:って、三度目かよおおおおぉぉぉ・・・・・・

リディア:・・・まったく、ああいう馬鹿な兄貴を持つと頭が痛くなるわ。

ろう:はは・・・まあそんなわけで、ちょいとこの文句は次の章の文として差し替えて、新しく書き直しましたんで―――

ギルバート:ホントだ。 “赤く熱き底になお赤き翼が戦いの種を蒔く” ってなってる。

キスティス:赤い翼が種を蒔く・・・・・・なるほど、そう来たか。

ろう:まあ、そのまんま何ですが。―――さて、それではそろそろこの章も終わりです。

ローザ=ファレル(以下ローザ):バッツ! 一度だけでは飽きたらず、二度までも―――って、バッツは?

セシル:あれ、ローザ。今頃。

ローザ:ふ、ふふ・・・次こそ・・・次こそは絶対に次章予告してやるんだから・・・!

セシル:あ、燃えてる。まあ、ともあれ―――

ろう:次の章も、よろしくお願いします。ではではー。

 


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