第17章「地底世界」
A.「魔法設定」
main character:ろう・ふぁみりあ
location:いんたーみっしょん

 

 さて。
 副題に在るとおり、今回はFFIFでの魔法に関する設定のお話です。

「あれ? 魔法に関する設定って、前、テラが言ってなかった?」

 おやティナさん。
 呼んでもないのにこんにちわ。

「こんなところでないと出番がないんだからしょうがないじゃない!」

 ・・・あー、そのあまり出番がない出番がないとか言わない方が良いですよ?
 ええと、そういうのって傍から見ててあまり格好良いモノじゃないですし(ごにょごにょ)。

「あ・ん・た・が、私を出さないのが悪いんでしょ!」

 いやそれはホントにすいません。
 ただ、もうちょっと慎みとか持った方が、読者受けとか良いと思うんですが・・・

「・・・何か様子がおかしいわね? なにかあったの?」

 いえいえいえいえいえなにもッ!

「なんか怪しい―――ま、いいけど。それで? さっきも言ったけど、魔法の話ならもうやったんじゃなかったっけ?」

 魔法の定義に関してはテラさんが言ってくれたとおりです。
 ぶっちゃけ、物理法則を無視した法則―――何もないところから炎や氷を生み出したり、自在に空を飛んだり、時の流れを操ったりと、通常ではあり得ない現象を総じて “魔法” と言います。

「原作で言う “ファイア” や “ケアル” 等の黒魔法白魔法だけじゃなくて、魔物や幻獣、それから暗黒騎士や魔導戦士、ソルジャーなんかも魔法って扱いだったわよね?」

 はい。
 ただ、ナインツの獣人とかは “魔法” 的な存在ではありません。
 あれは、そう言った進化をして至った “人種” ですから。
 同じように、リザードマンなどの亜人も、このFFIFでは魔物ではなく “人” という扱いになります。

 というところで復習終わり。
 今回説明したいのは、原作で言う魔法についてです。

「え、魔法は魔法でしょ?」

 じゃあティナさん、魔法ってどういう原理で発動するか解ります?

「えっ・・・? 魔法って、魔力を開放しながら詠唱すれば使えるモノでしょ?」

 なんで魔力を解き放ちながら詠唱すれば発動するんですか?

「・・・さあ? そういうものだからじゃない?」

 そのどういうものかを説明するんですよ。

「どういうものかって・・・そんなの、考えたこと無かった―――」

 まあティナさんはそうでしょうね。なにも考えなくても魔法が使える人ですから。

「どういう意味?」

 というわけで、まずは魔法の種類からです。

 

 

1.魔法の種類

 魔法には大きく分けて二つの種類に分かれます。

「あ、解る解る。白魔法と黒魔法よね?」

 ブーーーーーーッ。

「違うの?」

 FFIF世界における魔法は、真の魔法と疑似魔法に別れます。
 ぶっちゃけFF8の用語ですが、原作では真の魔法は魔女とリノアだけしか使えなかったのに対して、FFIFでは魔道士達が使う魔法も真の魔法と定義されます。
 逆に、魔石やマテリア、G.Fを用いた魔法は全て疑似魔法―――ですが、魔石の場合、魔法を使っていくうちに魔法を習得する場合があります。魔石によって習得した魔法は、真の魔法という扱いです。

「つまり、自力で使える魔法が “真の魔法” で、なにかのアイテムの補助を必要とするのが疑似魔法?」

 そう考えて頂ければ。
 ちなみに真の魔法と疑似魔法の違いですが、まず威力が全然違います。真の魔法の方が圧倒的に強い。
 その代わり、疑似魔法の方はアイテムさえあれば、魔法の素養がなくても誰でも使えます。

「疑似魔法の方が威力が低いけれど、お手軽って事ね」

 あと、疑似魔法の方は魔法詠唱が必要ありません。

「そーいえば、クラウドは詠唱無しでマテリアを使ってたわね」

 そこらへんの原理はお次で。
 ―――っと、その前に一つ忘れていました。

「なに?」

 先程、真の魔法を使えるのは魔女と魔道士だと言いましたが、それは人間の話で。
 他にも “魔法” の存在である、魔物や幻獣も当然使えますんでそこのところよろしく。

 

 

2.真の魔法の原理

 さて魔法の原理です。まずは真の魔法。

  “魔法” というのは物理法則―――FFIFの世界では “世界法則” と言います―――をねじり曲げた法則です。
 世界法則を司るのは、世界そのもの。星が重力を持って地面に向かって物体が引っ張られるのも、炎が燃えるのも、風が吹くのも “そういう法則のある世界” であるからなのです。

 結論から言いますと、世界に法則をねじ曲げさせることで、魔法が発現します。
 そのための手段が、魔法の “詠唱” と魔力の開放。

 魔力を込めた言葉で、世界に “要請” することにより、世界は魔法を発現させます。

「自分でも使っていてなんだけれど、どうして魔力を込めなければならないの?」

 FFIF世界において、魔力というのは意志の力―――つまり精神力です。
 で、世界―――つまり、世界の意志とコンタクトするために、意志と意志を通じ合わせる必要があるのですよ。

「じゃあ、詠唱要らないんじゃない?」

 魔法詠唱は、絶対不可欠ではありませんが、必要ないというわけでもありません・
 普通に人間同士でも、アイコンタクトなどちょっとした仕草で通じ合えるならともかく、言葉にしないと意志って上手く伝わらないじゃないですか。
 だから、魔法詠唱は必要です―――が、その内容は世界に通じればなんでもよかったり。

「あ、そーいえばその時々によって、詠唱の内容が違ったりするわよね?」

 意志を伝えるにしても、例えば「お腹空いたー」でも「空腹です」でも「腹減った」でも、言葉は違っても意味は同じで通じますよね?
 それと同じで、詠唱の内容が正確に同じでなくとも、それが伝われば問題ありません。

「でも詠唱の内容は違っても、締めの言葉は同じよね? “ファイア” とか “ブリザド” とか―――」

 それは魔法の名前を最後に結ぶことによって、魔法詠唱が完結するからです。
 さっきも述べたとおり、詠唱は適当でも構わない―――逆に言えば、炎の魔法だったら “炎よ!” でも “炎よ巻き起これ!” でも発動します。ですが、結びの言葉がなければ、 “炎よ巻き起これ!” と唱えようとしても、“炎よ” と唱えたところで魔法が発動しちゃうじゃないですか。

「うーん、解るような解らないような・・・あれ、でも詠唱は短くできるなら短い方が良くない?」

 そうなんですが、魔法になれていない魔道士見習いなどは魔法の詠唱をしっかりやらないと上手く発動できなかったりします。
 逆に、熟練の魔道士などは詠唱が短くて済みます。

「どうして?」

 例え話ばっかりですが、1回や2回行っただけの飲み屋に「いつものアレで」とか言っても通じないじゃないですか。でも常連さんだと「いつものアレ」で、いつも飲んでるお酒とつまみが出てきてくれるって言う。

「どーゆー例えよ。・・・まあ、つまりは “世界” に対してきちんとお願い(詠唱)しなければどんな風に魔法を発現させていいかわからないと。けど、世界とツーカーになれば、“マスター、アレ一つ” で通じるってわけね」

 その言い方もどうなんだって思いますが、そんな感じです。

 ―――というのが、世界法則をねじ曲げて発動させる魔法の話。
 もう一つ、状態変化系の魔法がありますが、これは対象が世界から、物体や個人に変わるだけです。

「状態変化って言うと、スロウとかヘイストとか?」

 ゲームではそっちになるんですけどね。FFIFの場合はあくまでも “肉体の状態、もしくは機能を変化させる魔法” に限られます。
 例えば、肉体の自然治癒力を増加させるケアルや、破損した肉体を蘇生させるレイズ、あとはポイズンやブレイクなどのお馴染みのST変化系。

「時魔法は含まれないの?」

 時魔法は “時間” という世界法則を変化させる魔法なんで、状態変化系には含まれません。
 で、これら状態変化系は、世界ではなく対象の身体に直接 “要請” して状態を変化させます。具体的に言うと健康なのに “あー、チミチミ、なんかちょっと風邪っぽくないかい? 頭とか痛いだろう? ほうら具合も悪くなってきた” とか言われると、ホントに体調が悪いような気がしてくる感じ?

「えーと、病は気から?」

 やってることはあまり変わらないんですがね。ただ、一つ重要なのは、世界を対象にした魔法に比べて、こちらは抵抗できるということ。

 世界法則をねじ曲げる魔法は、魔法そのものが失敗しない限り、発動します。
 ですが、状態変化系は対象が抵抗すれば、例え魔法がちゃんと発動しても無効化されることがあります。

「なるほどね。スリプルが相手にかかっても、寝てたまるかー、って抵抗すれば防げるということ?」

 いえす。
 あと、もう一つ。世界を対象にした方も、実は抵抗できます。
 例えば世界法則をねじ曲げて発動した火炎魔法に対して、 “火種もないのにそんなんあるかいッ” とかツッコミ入れれば、魔法ダメージを軽減できたりします。

「なぜトラビア弁」

 あるいは熱くないッと我慢するとか―――ぶっちゃけ、それがゲームで言う魔法防御、もしくは属性耐性だったりします。

「つまりまとめてみると―――」

・魔法は世界(もしくは対象の身体)に要請することによって発動する。

・ “要請” するには魔力(意志力)を込めた魔法詠唱で、かつ最後に発動させる魔法の名前を結ぶ。

「ぶっちゃけ、魔法詠唱して魔法の名前を叫べば発動するってことよね?」

 簡潔に言えばそうなんですがね(苦笑)。

 

 

3.疑似魔法の原理

 で、疑似魔法の原理ですが、疑似魔法も大きく分けて三つあります。

「さっき言った、魔石とマテリアとG.Fよね?」

 そです。
 んで、それらは全て “幻獣” と密接な関係があります。

「原作だと魔石は幻獣が死んだ後に残る力の結晶だったけど・・・」

 FFIFでは魔石は死んだ幻獣の肉体が結晶化したもので、マテリアはその魔石が力を失わず、ライフストリームに触れて再結晶化(マテリアライズ、とか名付けてみる)したものがマテリアということになっています。
 んで、G.Fは幻獣の魂が残留思念として残った物。

「じゃあ、G.Fは他の疑似魔法とは別物で、魔石のバージョンアップがマテリアってこと?」

 基本的にはそうなんですが、マテリアよりも魔石の方が劣っているというわけでもなく、さっきも述べましたが、魔石の場合は使っていくうちに真の魔法を習得する可能性があるんですよ。

「ああ、原作通りに」

 はい。
 さて、そんな疑似魔法の発動原理ですが、真の魔法が世界に “要請” して発動して要るのに対して、疑似魔法は現象を “再生” して疑似発動させています。

「再生?」

 うい。幻獣がかつて使っていた魔法を、疑似魔法の “媒体” が記憶していて、それを世界上に “再生” しているという原理。
 ビデオカメラで映した映像を、テレビに再生するという感じで。

「これも解るような解らないような気がするわねー」

 ただ、世界法則に外れた力であるために、 “世界” が抑制して威力が落ちる、と。

「それじゃ、もしも世界の影響力が低い場所だったら―――」

 逆に真の魔法の威力が落ちて、疑似魔法の方が強くなりますね。

 

 

4.魔法使いについて

 先程、真の魔法を使えるのは魔道士と魔女と言いましたが、魔道士の定義について説明します。
 魔女については原作準拠で―――登場する予定もないし(ぼそ)。

「魔道士って、魔法が使えれば魔道士なんじゃないの?」

 じゃあ、どうやったら魔法が使えるようになるんですか?

「え・・・ええと・・・私は普通に最初から使えたけど・・・」

 FFIFの世界では、魔法は勉強すれば誰でも使えます。
 素質というのはありますが、分厚い魔道書を読んで、魔力の制御方法を覚えれば誰でも使えたりします。

「へー。どれくらいで使えるようになるの?」

 もの凄く才能があって、飲み食いもせず眠りもせずに毎日毎日必死に勉強して、だいたい100年くらい?

「ぶっ!?」

 まあ、普通だと300年くらいあればイケると思います。才能なくて500年くらい?

「死んでる! 普通の人間だったらそれ死んでる!」

 まあ、そうなんですが。
 つまり、魔法の素養がない人間が頑張っても、魔法は使えないと言うことですな。

「さっきと言っていることが違うじゃない」

 寿命を考えなければなんとか。

「だから、人間には寿命があるでしょうが! 魔法を覚える前に寿命をなんとかしなきゃ行けないじゃない!」

 ありますよ、寿命をなんとかする方法。

「は?」

 しかもごく普通に。

「・・・ドラゴン○ールに頼むとか?」

 普通の方法って言ったでしょうが。
 ちょっと長くなってきたのでサクサクっとぶっちゃけますが、子供を作れば良いんですよ。

「やだエッチ」

 なにを考えて居るんですか。

 ・・・まあ、ともかく。
 実はこの魔法の力というのは、どこに宿るかと言えば “血” だったりします。もしくはDNA。

「じゃあ、代々魔道士の家系だって人は、凄い魔道士に? ―――って、ああそうか、だから私も勉強せずに最初から魔法が使えたのね」

 そゆことです。
 ただ、血というのは濃くもなりますが薄くもなるもので。
 例えば、魔道士と魔道士でない人が子供を産めば、魔道の素養は半分になりますし、レベルの高い魔道士と低い魔道士が子供を産んでも、その真ん中くらいのレベルの魔道士しか生まれません。

 ちなみにティナさんの母親は代々ただの人間ですが、父親が幻獣なのでティナさんもかなり強い魔道士として生まれてきたと。

「ああ、じゃあ、ミシディアって・・・」

 いえす。あそこはほぼ全員が魔道士ですからね。
 だからこそ、強い魔道士が生まれやすい―――ですが、人間には限界という物があるんで、ある一定以上のレベルの魔道士はなかなか生まれません。
 ただ、突然変異で “天才” というのは生まれるモノで、近年ではテラさんとか、パロムさん辺りは、規格外の才能を持って生まれた魔道士だったりします。

「もっともテラは力を失ったし、パロムはあんな性格だし―――あ、天才児はともかく、ポロムが大人顔負けの魔法を使えるのって・・・」

 パロポロの両親は優秀な魔道士だったので。
 あと、話は飛んでローザさんですが、両親が魔道士というワケじゃありませんが、どこかで魔道士の血が混じって居たということで。原作だと母親、白魔道士だし。・・・というか別にディアナさん白魔道士でもいい気がしてきた。突剣も使える白魔道士。ジョブ名はクルセイダーとか。

 

 

******

 

 

 ―――とまあ、以上がFFIFの魔法についてでした。
 あと、幻獣とかの話もあるんですが、それはまた今度ー。

「うーん、設定を考えるのは良いけれど、なんか穴がありそうよね。この魔法設定」

 ありますよ。

「さらりと認めた!?」

 つか、たった今気がついたんですが、魔法が意志の力で発動するなら、操りの輪で操られてるティナさんはどうして魔法を使えたんでしょう?

「ああ、あれは “意志を封じ込める” わけじゃなくて “意志を操る” ものだから魔法は使えるの」

 なるほど!

「・・・って、作者がキャラクターに教わってどうするのよ・・・」

 他にも多分、大穴があいているような気がしますが、そこらへんは心優しい読者の皆様が掲示板や拍手の方で優しくツッコミ入れてくれるからその時に直すとしましょう。

「・・・すげー、他力本願」

 それでは今回のいんたーみっしょんはここら辺で。

「はあ・・・次の私の出番、いつになるんだろー・・・・・・」

 

 


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