[Home]-[以前のひとこと]-[2020年9月後半]

以前の「ひとこと」 : 2020年9月後半



9月16日(水) くねくねリング(タングルもどき)による三葉結び目をできるだけ少ないパーツで

 9月後半になりました。今日から新しい話題です。



 先月、100円ショップで「くねくねリング」という製品を見つけて、喜んで買ってきたという話をご紹介して、

 その後県内のチェーン店5店舗を週末2回で全部回って、みつけた「くねくねリング」を全て買ってきて、パーツを全部ばらして色別に整理したところまで掲載していたかと思います。

 このパーツを使って結び目の模型をいくつか作ってみました。まずは三葉結び目を作ってみたのですが、「ピースはいくつまで減らせるのだろう?」と思ってやってみることにしました。

 最初にタングル標準の18個で三葉結び目を作って、その結び目を絞って小さくして余ったパーツを取り外してゆく、というアプローチで数を減らしてゆきました。最初に「これはなかなか良いのでは?」と思えたのがピース11個による三葉結び目です(Fig.1、Fig.2)。

Fig.1 : Top view of 11 pieces "Torifoil Knot" Fig.2 : Side View of 11 pieces "Torifoil Knot"

 Fig.1 は真上から見下ろしてみたところです。2回回転対称になっているのがわかると思います。Fig.2は同じものを横から見たものです。この視点からみると三葉結び目であることがわかりやすいと思います。単に数を減らそうとしただけなのですが、おもいがけずきれいなかたちになって嬉しかったのです。

 さて、ピース数ですが11個よりももっと減らせないでしょうか?

(つづく)



 単位長さの線分をつないで結び目を作るときの最小の線分の数、というのは研究されていると思うのですが、4分の1円弧を単位として、連結部の傾きが一致するように接続して結び目を作るときの最小数、というのは調べられているのかな、そんな研究はなさそうだな、と思いました。

<おまけのひとこと>
 今週後半は(本業のほうで)やることが多いです。






9月17日(木) くねくねリング(タングルもどき)による三葉結び目をできるだけ少ないパーツで(その2)、ペントミノ

 昨日の続きです。くねくねリング(タングルもどき)で三葉結び目を作るとき、使うパーツをどこまで減らせるか、ということを試してみています。昨日は11個という解をご紹介しました。さらにいじっていると、もう1つ、なんとか減らせるのではないかと思いました。やや無理がありますが、作ってみました(Fig.1、Fig.2)。10ピースによる三葉結び目です。

Fig.1 : Top view of 10 pieces "Torifoil Knot" Fig.2 : Side View of 10 pieces "Torifoil Knot"

 やはり上から見ると2回回転対称になっているのがわかります(Fig.1)。転ばしてみると、これが三葉結び目であることがよくわかります(Fig.2)。さすがにこれが限界で、9ピースで三葉結び目を作るのは無理だと思います。



 回転対称軸が鉛直になる姿勢で立てた状態の写真を撮りました(Fig.3)。

Fig.3

 これは1か月ほど前に作ったのですが、気に入ってしばらく机の上に飾っていました。今は仕切りのついた透明なケースにしまってあります。

(つづく)




 先週ご紹介したペントミノ11個の配置ですが、

11 pentominoes

 これがどういう意図で配置したものか種明かししておきます。これは下の図のように、隣接するペントミノ2つが線対称(鏡像対称)になるように11枚を並べたものです。

Fig.4

 左から順に見ていって、隣接する左側の色で2つのペントミノを塗って取り出したものを下に並べてあります。10個のペアになっています。

 最後に残っているのはF-ペントミノなのですが(余談ですがF-ペントミノはコンウェイのライフゲームの初期状態として計算を始めると、手作業では追い切れないくらい広がることで有名です)、実は上の図の黄色いT-ペントミノの上に乗せると、T-Fのペアで対称軸が水平方向になる鏡像パターンを作ることができるのです(Fig.5の黒いピースがF-ペントミノです)。

Fig.5

 ただ、それをやるとF-ペントミノは隣の赤いL-ペントミノにも接してしまって、「互いに辺を共有して接している2つのペントミノのペアが必ず鏡像対称になっている」という条件から外れてしまうのです。なので敢えて11枚の解を提示しています。

 この条件でちゃんと12種類のピース全てを使って、さらに周期的境界条件で右端と左端のピースも鏡像対称になるように接することができたら、マグカップのデザインとかに使ったら素敵だろうなと思いました。まだ周期解は見つけていません。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 円錐の表面に巻き付けられるかも?という解は見つけたような気がするのです。先ほどからPCの画面の中でいろいろ試してみているのですが、良いところで時間切れになってしまいました。気が付いたら新聞屋さんが朝刊を届けてくれた音が聞こえました。(いつもだいたい朝5時くらいなのです。)まずい…






9月18日(金) ペントミノ2ピースで対称なかたちを作る

 先日来、その日の2つ目の軽いトピックとして、ペントミノ2ピースの対称なかたちの話をいくつかご紹介してきました。何度も書いていますが、ペントミノは以下の12種類があります。

 これを眺めていると、いろいろ疑問がわいてきます。この中から2つを選ぶ組み合わせは(12 x 11)/2 = 66通りですが、

  • 疑問1. 66通りのペア全てが対称なかたちはできるのだろうか? それとも作れないペアもあるのだろうか? あるのだとしたらそれはいくつ?
  • 疑問2. 12種類のピースのうち、対称形が作れる相手が一番多いもの、一番少ないものはそれぞれどのピースだろうか?
  • 疑問3. 同じペアで複数の対称なかたちが作れるものはあるだろうか? あるとしたら、作れる種類が一番多いのはどのペアだろうか?
  •  などです。対称軸は単位正方形の辺の方向でも対角線方向でも良いです。

     まず、単一のピースがすでに対称性があるものどうしを組み合わせれば、全体として対称性があるかたちにできるのは自明です。たとえばI-ペントミノは対称軸が2本、U-ペントミノは対称軸が1本あります(Fig.1)。

    Fig.1

     なので、2つのピースの対称軸を揃えるように配置すると、以下の4通りの対称なかたちを作ることができるのはすぐにわかります(Fig.2)。

    Fig.2: four trivial solutions

     なので、上記の疑問3の前半「同じペアで複数の対称なかたちが作れるものはあるだろうか?」はYes(ある)ということになります。 私が手作業でちょっと調べてみた範囲では、この4通りというのが一番多いと思います。(間違っているかもしれません。)



     いろいろ調べてみている中で、同じペアで複数の対称なかたちが作れるものはいくつもみつかりました。例えば、N-ペントミノとV-ペントミノは、異なる3通りの対称形を作ることができました。

    Fig.3 : Make symmetrical shapes with 3 different shapes

     また、P-ペントミノとY-ペントミノも、異なる3通りの対称形を作ることができました。

    Fig.4 : Make symmetrical shapes with 3 different shapes

     「対称形を作れ」というのはゴールが示されていないので、それだけで難易度が上がる気がします。なじみ深いペントミノのたった2ピースで、そんなに簡単ではない(と思われる)問題が作れるというのが面白いと思いました。(実は「難しい」と思っているのは私だけかも、という不安があります。)

    (つづく)



     目標の形状が示されていない、「対称形を作れ」というタイプのパズルはここ10年くらいで見かけるようになりました。最初にこういう条件のパズルを創作されたのはどなたで、どんなパズルだったんだろう? というのを知りたいと思いました。

     いつも貴重な情報をたくさん下さるMさんから、先日私のサイトの誤記を教えて下さるメールをいただいたときに、御礼のメールに上記の疑問を書いたら、すぐに教えていただきました。(いつもながら感服しました。)ありがとうございました。

     北沢忠雄さんという方が2003年にシンメトリックス(Symmetrix)という4ピースのパズルを発表されたそうです。問題が3問あって、「4ピースのうちいずれか2ピースで線対称なかたちをつくる」「4ピースのうちいずれか3ピースで線対称なかたちをつくる」「4ピース全てを使って線対称なかたちをつくる」というもので、いずれも解は1通りなのだそうです。

     なるほど勉強になりました。ありがとうございました。新しい発想の、新しいカテゴリのパズルを創作するというのは素晴らしいと思います。

    <おまけのひとこと>
     外が真っ暗なので油断していたら、もう朝5時を過ぎてしまいました。明け方の暗い時間でも秋の虫が鳴いています。朝刊が届きました。今日は午後に2時間の会議があるのですが、昨日の帰りがけにいきなり「最初の30分、最近考えていることや仕込んでいることを発表してください」と振られて「そんな無茶な」と思いました。発表のための資料の準備はなくてもよい、ということなので(当たり前です)、今朝出社したらいろいろな資料の断片をかき集めて話の組み立てを考えなければなりません。朝の定時前の1時間半くらい(と移動中の車の中の1時間)しか準備の時間がないので、忙しいです。(でもまあなんとかなるだろう、とも思っています。この油断が危険だ…)






    9月19日(土) 「新世代 至高のおりがみ」

     週末なので軽い話題です。



     新世代 至高のおりがみ(山口真:西東社) というおりがみの本を買いました。難しい作品ばかりで、自分で折ってみようと思えるものが少なかったのですが、折り図を眺めるのも楽しいですし、いくつか折ってみたい作品もあったので購入しました。

     折ってみたのはヨット(加藤 駿)という作品です。今、机の上に飾ってあります。

    Fig.2

     ヨットは子供のころに愛読していたアーサー・ランサムの児童文学の影響で思い入れがあります。この作品はヨット本体と水面とをそれぞれ折り紙1枚で折っています。ヨットは単独では自立しないのですが、水面のほうに小さな突起を設けて、それをヨットの舳先のところに差し込むことで立てることができます。(ただ、「安定している」とは言い難いです。私の腕が悪いせいか…)



     いろいろな方向から写真を撮ってみました。

    Fig.3 Fig.4 Fig.5

     実はちょっと「ずる」をしていて、舳先の部分を軽く接着しています。ヨットと水面も接着してしまおうかなとも思ったのですが、取り外せるほうがいいかなと思ってそこは接着しないで飾ってあります。窓から強い風が入ってくると、ヨットは倒れます。

     これが折れて満足です。



     このあいだの猫の喧嘩を見て、「ルドルフとイッパイアッテナ」(斉藤洋)の最初のほう(第3章:イッパイアッテナ)の、ルドルフが初めてイッパイアッテナに会うシーンを思い出していました。

    ねこの世界には、人間の世界のような法律はない。自分のことは自分で守らなければならない。力の弱いものは、力の強いものに負ける。それがいやならば、知恵をはたらかせ、まわりに注意をむけていなければならないのだ。(斉藤洋「ルドルフとイッパイアッテナ」より)

     国際社会というのは上記のねこの世界と同じだなあと最近改めて思っています。

    <おまけのひとこと>
     半月以上前から上記の「ルドルフとイッパイアッテナ」の引用の話を書こうと思って、本を机のところに持ってきていたのですが、ようやく今日このトピックを書けたので、本をしまうことができます。

     すみません、今日は実家に長電話をしたりしていて、更新がお昼前になってしまいました。






    9月20日(日) おりがみ日和、King's Sudoku(David Nacin)

     今日はさらに軽い話題です。



     最近、100円ショップで見つけたら買うようにしているブロック玩具が3種類ほどあるのですが、先週の金曜日、いつもなら職場を出てすぐのインターから高速道路に乗ってしまうのですが、そうせずに西に車で10分ほど走ったところにある100円ショップまでお目当てのブロックを探しに行きました。見つからなければもう2店舗回ってみる予定でしたが、最初のお店で欲しかったものが手に入ったので喜んで帰ってきました。

     その時に一応カプセルトイコーナーも覗いてみたら、「おりがみ日和」という200円のものがあって、つい2回ほど回してしまいました。

    Fig.1

     1回目がネズミ、2回目がリスが出てきました。 まあこれ以上挑戦しなくていいかなと思いました。

     せっかく「ネズミ」が出たので、次のネズミ年(12年後)の年賀状にこのオブジェの写真を使おうかなと一瞬思ったのですが、この造形にそこまでの魅力を感じませんでした。



     これだけではあんまりなのでもう1つ。MAA focusという、アメリカ数学協会(Mathematical Association of America)の隔月刊の軽い雑誌があって無償で公開されているのですが、この雑誌にパズルコーナーがあるのです。2019年12月〜2020年1月号のパズルがKing's Sudoku(キングの数独)という問題で、ちょっと面白かったのでご紹介します。

    King's Sudoku(David Nacin)

     縮小しているので特に添え字が読みにくいと思いますので、こちらのオリジナルのPuzzle Pageをご覧ください。

     パズルのルールは上記のページに書かれている通りですが、

  • 各行、各列、各3x3ブロックにキングがちょうど3個ずつ入るようにしてください
  • すでに置かれているキングのマスの小さな数字は、そのキングの利き筋(周辺の8近傍)にある別のキングの数を表しています
  •  です。キングが無いと決まったマスにしるしを付けてゆくと、試行錯誤なしに決まってゆきます。簡単ですが解くのが楽しかったのでご紹介しました。

     コマの種類をキング以外にしてみたり、行・列・ブロックに入るコマの数を変えてみたりして、同様な条件で問題が作れないかな、とちょっと思いましたが、解くより作るほうが大変そうです。コンピュータで問題を自動生成させてもいいのですが(もちろん別解のないユニーク解であることも自動で確認します)、解いて面白い問題にならないような気もします。

    <おまけのひとこと>
     今日は予定があるので、昨日よりは早めの更新です。といってもいつもの平日よりだいぶ遅くなってしまって、朝5時過ぎに「今日は何を書こうかな…」と考えていたくらいです。そろそろ時間切れです。






    9月21日(月) Incertezza del Futuro(2020 Puzzle Design Competitionより)、他

     International Puzzle Partyの、パズルデザインコンペティション2020のエントリー作品を眺めていたら、実物がなくても考えてみることができそうな作品がありました。(もちろん実物、欲しいですが。) Incertezza del Futuroという作品です。

    Incretezza del Futuro

     9本の穴の空いた合同なピースを、床面を含めてどの方向から見ても穴が見えないような配置にしなさい、というパズルのようです。エントリー画像からは判断できないのですが、穴はおそらく貫通穴です。(でないと易しすぎる。)

     パーツの寸法は明かされていないので、想像で「こんな感じ」というCGを作ってみました。

    Fig.2

     穴をふさぐのに床面を利用してはいけない(床面はガラスで下からも見える)ということは、穴をふさぐのに使えるのは他のピースだけです。素朴に床面に並べることをイメージしてみました。貫通穴が水平方向になるように、ピースを1つ横たえてみます(Fig.3)。

    Fig.3

     この穴をふさぐには、両側にピースを置く必要があります(Fig.4)。これらも貫通穴は水平です(穴が垂直になるように置くと床面から見えてしまう)。

    Fig.4

     穴、増えました。さらに3本使ってふさぎます(Fig.5)。

    Fig.5

     うーん、これではいくらあっても終わりません。

    Fig.6

     昨夜「このパズルを考えながら寝よう」と思ってベッドに入って考え始めたら、「こうではないか?」という解のイメージが浮かびました。寝るのをやめて起き出してきて、CGを作ってみました。そのCGは(もちろん)載せませんが、面白い問題なので考えてみることをお勧めします。いろいろ疑問はあるのですが、その疑問を書くこともなんらかの「ネタばらし」になってしまうので、これ以上のコメントは差し控えます。 いずれにせよ、このパズルの発想や着眼点にはとても感心しました。考えるのが楽しかったです。



     なにかを覆い隠すパズルというと、かくれんぼパズル(リンクはパズルショップ・トリトです)を思い出します。私は、葉樹林さんで昔購入させていただいたバージョンを持っています。以前ご紹介したことがありました。(もう10年も前だ…)

    かくれんぼパズル

     一応気を遣ってピースのかたちがわからないように、問題もわからないように撮影しています。(トリトさんのサイトの写真ではピースのかたちはわかります。) これも、発想そのものもとても面白かったですし、10問の問題のセットがよく考えられています。(これもいろいろ書くとネタばらしになるのでこのくらいにしておきます。)



     1か月ほど前、長野道の姨捨SAに寄ったときに、トイレの入口にこんな折り紙作品が飾られていました。

     これは、藤本修三氏の「あじさい」ですね。

     昨日(9/20(日))、最近撮った写真を見返していて(このサイトのネタ探しです)、この画像が出てきたので久しぶりに折ってみようと思いました。あまりきれいに折れなくて3つほど折っていったん満足しました。

     自分が折った「あじさい」の画像を載せようかなあと思ったのですが、ちょっと検索してみてあじさい折りの発展というページ(Instagram Posts)を見たら、ものすごい作品がたくさん公開されていて、自分の折った「基本のあじさい」を載せてもしょうがないかなあと思って載せるのをやめました(写真を撮るのがちょっと面倒だったというのもあります)。

     今はこういった作品を気軽に公開できるようになって、いいですね。それにしても皆さん、凄すぎです。

    <おまけのひとこと>
     今朝は予定がなかったので、のんびりしてしまいました。






    9月22日(火) Blockistry(2020 Puzzle Design Competitionより)、snow peak 白馬

     昨日に続いてInternational Puzzle Partyパズルデザインコンペティション2020のエントリー作品の中で気になった作品のご紹介です。今日は Blockistryです。

    Blockistry

     これは、合同な4つの多面体ピースを使って、54問の指定されたかたちをつくる、というパズルのようです。検索してみるとサイトがありましたが、YouTubeのBlockistry - galaksin koukuttavin logiikkapeliという動画がわかりやすいです。(2020年5月11日に公開された動画のようなのですが、viewがまだ2桁しかないみたいです…)

     Blockstryのサイトを見ると、“The most addictive logic game on this galaxy.”(この銀河で最も中毒性が高いロジックゲーム) というキャッチフレーズが書かれています。さすがにこれは言い過ぎでは…

     ゴールのパターンは平面図?で描かれているようで、わかりにくいのではないかなあと思いました。このかたち、しばらく前にいじってみたことがあるなあと思ったら、6月8日あたりから数日かけてご紹介した斜六角環柱

     を構成するパーツである、ピラミッド(底面が正方形で4つの側面が正三角形)と正四面体をつないだ五面体だということがわかりました。(すみません、図を流用しているのでピラミッドは頂点が下向きの姿勢になっています。)

     確かにこれをユニットとして使うと、いろいろ面白いかたちは作れるのです。「この銀河で最も中毒性が高い」かどうかはともかく、面白いパズルであることは間違いありません。これはJOVOブロックなどの多面体が作れるブロックで自作してみることができます。肝心の問題はわかりませんが(YouTubeの動画にはいくつか映っていますが)、ブロックで自作してあれこれ作ってみたら面白そうです。



     先日、有給休暇を消化した平日に、以前から行ってみたかったスノーピーク ランドステーション白馬に行ってきました。

     詳しくはblogのT科日記のほうに書きましたのでよろしければご覧ください。

    <おまけのひとこと>
     今朝は燃えるゴミを出せる日だったので、重い重い腰を上げて、朝6時半くらいから8時くらいまで庭の草取りをしました。それが終わって、いつもよりずっと遅い時刻に朝食を食べて、それからの更新になってしまったのでまたお昼前になってしまいました。4日間の連休もあと半日です。






    9月23日(水)くねくねリング(タングルもどき)による8の字結び目 

     先週、くねくねリングのパーツで三葉結び目を作ったものをご紹介しましたが、その続きです。次にシンプルなかたちである8の字結び目を作ってみました。

    Fig.1 Fig.2

     Fig.1の方向から見ると対称性はよくわかりません。Fig.2の方向から見ると、少し対称性が見えてきます。

     2年ほど前にご紹介したこんな8の字結び目のCGを見ると、このかたちの対称性を少しイメージしやすいかもしれません。また、blogのこちらのCGのほうがサイズが大きくてきれいです。

     さらに対称性が見えやすい方向からの写真です。Fig.4の四つ葉のような視点は気に入っています。

    Fig.3 Fig.4

     Fig.4の視点は、blogの こちらのCGを見ていただくとなぜこう見えるのかがわかると思います。

     申し遅れましたがこれはパーツ12ピースで作っています。ジョイントには若干無理がかかっている感じです。これはパーツの太さに起因していて、原理的に無理があるわけではないと思います。



     もう1つちょっとした話題を。先日、何かを検索していてこんな画像に行き当たりました。

     これ、実は岐阜県にある十六銀行の決算報告書か何かの表紙に使われていた画像です。この多面体を使っていることにとても感心したのです。たとえばこちらの十六銀行 第34回決算説明会資料の表紙の背景になっているのがこの多面体です。色遣いはコーポレートカラーなのだと思います。なぜ十六銀行がこの多面体を使っているのか、どのくらいの人が気が付いているんだろう?と思いました。

    <おまけのひとこと>
     今日は自宅の近くの事業所に直行外出なので、朝がだいぶ楽です。






    9月24日(木) Leaf 15(2020 Puzzle Design Competitionより)、くねくねリング(タングルもどき)による8の字結び目の別色バージョン

     もう1つ、International Puzzle Partyパズルデザインコンペティション2020のエントリー作品の中で気になったものがありました。Leaf 15です。

    Leaf 15

     この作品は、古典パズルとなった有名なサム・ロイドの14-15パズルへのオマージュである、と解説されています。ご覧のように14と15だけが入れ替えられています。オリジナルのサム・ロイドの15パズルは「14と15だけを入れ替えた状態から始めて、正しい順序にできたら賞金がもらえる」という懸賞付きで発売され、爆発的な人気を得たそうです。これは数学的に不可能であるということが証明されています。

     では、この “Leaf 15” はどうなんだ、という話ですが、ピースが木の葉のかたちをしています。

    Fig.2 : the piece shape of "Leaf 15"

     ということは、通常の平行移動に加えて、こんな回転移動ができるはずです。

    Fig.3 : rotational movement of the piece

     ということは…

     これ以上書くとネタバレになるので書きませんがなるほどそういうことか、と感心しました。これは素晴らしいパズルです。



     昨日の12ピースを使った8の字結び目は3色×4ピースで作っていました。同じものを6色×2ピースで作ってみました。

    Fig.4 Fig.5

     うーむ、昨日の配色のほうがきれいかな。



     この結び目モデルは、こんな風にケースに入れて保管しています。

    Fig.6

     この写真を撮ったときは作った直後だったのでどれがどのタイプの結び目なのか覚えていたのですが、上の図の右端の赤・青・黄の結び目、これがなんだったかわからなくなってしまいました。(青5、赤4、黄4の13ピースです。)今はケースの区画の中に、結び目のタイプを書いた紙を入れるようにしています。



     昨日、十六銀行がこんなデザインを使っているという話をご紹介しました。

     これは8種類あるデルタ多面体(全ての面が合同な正三角形から成る凸多面体)のうち、面の数が多いほうから2番目の多面体です。デルタ多面体の面の数は 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 20 です。 このうち、4, 8, 20 は正多面体(正四面体、正八面体、正二十面体) です。上記の図の多面体はデルタ十六面体です。誰がこの多面体を図案化して利用しようと思ったのだろう、すごいな、と思ったのでした。

    <おまけのひとこと>
     横綱が不在の大相撲秋場所、応援している地元力士の御嶽海は過去2回の優勝はいずれも横綱不在の場所だったので今場所は期待をしていました。ところが中日8日目で4勝4敗で、終盤まで「勝ち越し」が決まらないというお得意のパターンでした(悲しい…)。昨日「今場所初の3連勝!」だそうでようやく7勝4敗になりました。かろうじて二桁勝利の可能性を残した、というところでしょうか。いつもハラハラさせられます。でもよく頑張ってくれているとも思います。楽しませてもらって感謝しています。






    9月25日(金) 「ふしぎなボール」のパッケージ製品を見た

     半年前、3月15日にご紹介した「ふしぎなボール」というパズルがありました。これはカプセルトイで200円で購入したもので、手元には開封済みのものが1つ、未開封のものが1つあります。

     先日、お彼岸のお墓参りの帰りに実家の近くのイオンモールに寄ったら、この「ふしぎなボール」が雑貨屋さんで売られているのを見かけてびっくりしました。台紙に載って透明なパッケージに包まれた、いわゆる「吊るし」のパッケージングで1,200円でした。

     値段に驚いたのですが、でもまあタングルとかも通常の製品とカプセルトイ、さらには100円ショップでの販売と、いろいろな価格で売られていたりするので、同じことかもしれません。

     半年前に「このパズル、完成状態から最も遠い初期状態は何でしょう? そこからの完成手順は何手でしょう?」という問いかけをしたままほったらかしになっていました。完成手順が確認できたわけではないですが、「完成状態から最も遠い初期状態」についてはいい機会なので説明しておこうかと思いました。



     前回もご紹介しましたが、この「ふしぎなボール」の完成状態は、11個のボールがそれぞれ自分と同じ色の場所に収まることです。ボールを移動させるための「空席」が常に1か所あります。

     ボールの移動経路は正二十面体の骨格の構造になっているので、12か所のボールの位置のうち、現在の位置からの「距離」は最大で3です(Fig.1)。

    Fig.1

     ということは、すべてのボールがゴールから距離3の位置にある状態(Fig.2)が、完成状態から最も遠い配置なのではないかと思われます。(蛇足ですが、このFig.2は、完成形の相対する頂点どうしのボールを入れ替えた状態です。)

    Fig.2

     この状態から完成形に持って行くのに、11個のボールは少なくとも3回の移動が必要ですから、トータルで少なくとも33回の移動回数が必要になるはずです。

     おそらくFig.2の状態が最も手数がかかる初期配置だろうと思います。また、そのときに33手解があるだろうという気もしています。ただ、現時点ではそれがちゃんと示せていません。それをちゃんと説明(証明)してから続きを書こうと思っていたのですが、いつになるかわからないので、パッケージ製品を見たのをきっかけにここまでの推測を書いてしまうことにしたのでした。



     このパズルは、11個の小ボールのうち任意の2つを入れ替えることができます。ということは12箇所の穴に対して11個の小ボールを配置する全てのパターンに到達することができるということになります。逆に言うと、何らかの手段でランダムに11個の小ボールを配置したとしても、必ず完成形に持ってゆくことができるということです。(前回も書きましたが、15パズルではランダムな初期配置から始めると、必ず完成させられるわけではありません。)

     ランダムな初期配置の場合の数は12の階乗(=479,001,600)になります。今の計算機の性能からするとこれは全く手に負えないほど大きな状態数というわけではありません(1ギガよりは少ない状態数)。ということは、下手に考えなくてもコンピュータのソフトウェアで力技で全ての状態を生成して状態遷移図を作ってしまえば、完成形から最も遠い状態が何で、それは完成形から何手離れているのかを計算で求めてしまうこともできそうです。

     …と、ここまで考えたら「もういいか」と思ってしまいました。

    <おまけのひとこと>
     御嶽海、やっぱり昨日は負けてしまって7勝5敗です。今場所も終盤までハラハラさせられます。






    9月26日(土) カプセルトイの「郵便受け」、般若心経

     週末なので軽い話題です。



     先週、お彼岸にお墓参りに行った帰りに、朝9時くらいにイオンモールに行きました。駐車場もまだ車はまばらで店内にも人はほとんどいなかったのですが、3階の駐車場フロアからエスカレーターで小さな店舗がたくさんあるフロアに降りてみると、一番近いカプセルトイのコーナー(おそらく店舗1区画分の空きスペースにカプセルトイマシンをたくさん並べたところ)には5〜6人の人がいてびっくりしました。

     一通りチェックしたのですが、郵便受けマグネット(300円)というのが気になって、ちょっと値段が高いかなあとは思ったのですが1回だけやってみました。

     色は5色あるようなのですが、いちばんオーソドックスな赤が出るといいなあと思ったら、希望通り赤が出てきました。冷蔵庫のキッチンタイマーの隣に貼ってみました。

    Fig.1 : toy mailbox

     はがきと封筒の簡単なペーパークラフトが同梱されているので、それも作って郵便箱の中に入れてあります。ミニチュアというのはなんだか楽しいです。多分飽きるまでここに飾っておこうと思います。何かを投函したことがわかるような用紙でメモとかを入れてみようかな、などと思っています。



     先日、こんな葉書が届きました。

     これは私の母が書いたもので、私が書いてみることを勧めたものです。事情を知らない妻がびっくりしていました。(驚かせて悪かったです。)もう少し詳しい事情はこちらのblog のほうに書いておきました。

    <おまけのひとこと>
     増え続ける紙模型の収納のため、思い切って作り付けの棚を大工さんにお願いしようかと思っています。何年も前から長期休みに自分でやると言っておきながら結局やらずじまいでここまできました。妻が見かねて打ち合わせを設定してくれて、それが今日の午後です。3畳くらいの小さなスペースの半分くらいを棚にしてしまおうと思っています。一面だけにするか、L字型で二面にするか、いっそ三面にするか、まだ悩んでいます。






    9月27日(日) 棚の検討

     昨日の朝、このサイトの更新を済ませた後に、これまで20年くらい作りためた多面体などの紙模型のケースを1か所に集めてみました。

     上の画像から、大きなサイズの画像にリンクしています。見えている模型はごく一部ですが、それでも懐かしいものがいろいろあります。未紹介のものも見えてしまっていますが、まあいいか…



     棚を作りたい場所は3畳くらいの小さな一角なのですが、鉛筆でイメージ図を落書きしてみました。

     楽しい…

     blogのほうには上のイメージ図の部屋の写真を載せました。書いてあるテキストの内容はほとんど変わりません。

    <おまけのひとこと>
     上の落書きは業者さんに渡してしまいました。






    9月28日(月) スネークキューブの結び目:818

     ご紹介しそびれていたスネークキューブを複数個使った結び目モデルをご紹介します。ぜいたくに4セット使った818の結び目です。敢えて2色使ってみました。

    Fig.1 : 818

     斜め方向から見てみました。厚みが2単位で4回回転対称形の美しいかたちだと思います。

    Fig.2 : 818

     スネークキューブは24ピースですから、4セットで96ピース使っています。本当はあと4ピース必要ですが、接着してしまうとほかのかたちを作ることができなくなるので、これは永久保存しなくてもいいかなと思っていつでもばらせるようにしています。むしろこのかたちはペーパーモデルを作ってみたくなります。かなり面倒ですが…



     結び目818というのはこんなかたちです。(この図は2018年5月13日にご紹介したものです。)

     この結び目、タングルの素材で作ってみたものは保存してあります(こちら)。

     これは気に入ったので、がんばってCGも作りました(こちら)。

     改めて振り返ってみると、しつこく何度もご紹介しています。このかたち、好きです。



     以前からファンの正々堂々と秘境駅に行ってきたシリーズの最新作、【2019年春・信州編】「前編」「後編」 が公開されていました。今回はなじみ深いところが多くてとても楽しめました。

    <おまけのひとこと>
     地下室から模型のケースをたくさん出したおかげで、その奥や陰に隠れていた昔のパズルとかが見えるようになりました。20年前にこのサイトを立ち上げたころに「いつかネタに困ったら紹介しよう」と思ってしまってあった、その当時としてもかなり古いパズルが何種類か出てきました。もう今さら…という感じですが、将来ネタに困ったらご紹介したいと思います。(私はコレクターではないので、それほどたくさん持っているわけではありません。)






    9月29日(火) スネークキューブ3セットによる三葉結び目

     スネークキューブ複数セットによる結び目で、ご紹介しそびれていた「落穂拾い」のような更新の続きです。



     三葉結び目というのは大好きなかたちで、いろいろな素材で作ってみています。7月1日に、42ユニットを使った三葉結び目の模型をご紹介しました。

     これは3回回転対称性を維持しつつ、あまり大きくならないようにしたのでパーツどうしが接触してしまっている箇所が存在しています。それが気に入らなかったので、用いるピースの数を増やして接触する箇所がない3回回転対称形のモデルを作ってみました。 回転対称軸が鉛直方向になるように置いてみたり(Fig.1)、

    Fig.1 : trefoil knot

     ピースの座標系を水平・垂直なむきに合わせて置いてみたりしています(Fig.2)。

    Fig.2 : trefoil knot

     写真のものはセロハンテープで仮止めした状態ですが、その後接着剤で貼ってみたのですが強度が足りず、不用意に触ると接着した箇所がもげてしまいます。また、かなりかさばります。今のところセロテープで補強して保存してありますが、セロテープは後で劣化して汚くなりますし、これも紙模型で作り直すときれいかもしれないと思っています。もしくは木工で作ってもいいかなあとも思います。ただ、木で作るなら四角柱の断面が正方形ではないところがちょっと厄介です。

     ちなみにこの模型は標準の24ピースのスネークキューブをちょうど3セット使っています。粘着テープなどで繋ぐ必要はありますが、100円ショップの製品を使えばそれほど費用をかけずに作ってみることができます。寸法は大きくなってしまいますが、お勧めです。



     英語の回文のこんなページがありました。子音と母音が組み合わさった「音節」を単位とした日本語と違って難易度が高いなあと感じますが面白いです。

    <おまけのひとこと>
     朝4時半くらいに携帯に実家の母から着信がありました。すぐにかけ直したのですが取ってもらえませんでした。先日も2時間近く電話で話をして電話を切った直後、5分後くらいに着信があって、何事かと思って折り返してこちらから携帯(スマートフォン)と固定電話に電話してみたのですが取ってもらえませんでした。電話を発信しようとして操作したわけではなく、何かの拍子に誤発信しているのだろうと思うのですが、「かかってきた電話を取れない」のは心配です。
     よく聞く話ですが、高齢になってコミュニティが狭くなって興味の範囲も狭くなると、心の状態があまり良くなくなるといいます。ましてや今は感染を避けるために社会的な距離を保つことが推奨されています。いろいろ心配ですがやむを得ません。






    9月30日(水) スネークキューブの結び目:もう1種類の818、他

     一昨日にご紹介した818は厚みが2の平面的なモデルでした。

     これはスネークキューブ4セット+4ピースが必要でした。(+4ピースは追加していませんが。)

     もう1種類、もう少し立体的で必要なピースの数が少ないモデルも試作してみました。これは22×4=88ピースで作れます(スネークキューブの各セットごとに2ピースずつ余っています)。Fig.1 は机の上に平らに置いたところ、Fig.2 はちょっとわかりにくいですが立ててみたところです。

    Fig.1 : another type of 818 Fig.2

     これもなんとなくもったいなくて分解していません。スネークキューブ4セットを絡ませているだけなのですぐに分解できます。何か別のものを作りたくなったらばらしてしまうと思います。



     イギリスからニュージーランドまで(もしくはニュージーランドからイギリスまで)航海しようとしたとき、どんなルートが考えられるでしょう?(Fig.3、あえてメルカトル図法にしてみました。)

    Fig.3

     実はこの航海、完全にまっすぐな航路を選ぶことができるのだそうです。ここでいう「まっすぐ」とは、球面上の2点間の最短距離である大円になっているということです。この経路が陸地を通らないのだそうです。情報源はこちらのYou can sail from Britain to NZ in a straight line, new map shows(Brittney Deguara 20:03, Feb 06 2019)という記事です。

     「えっ、ほんと?」と思って、こういうのを確かめるときにいつも利用させていただいているどこでも方位図法のサイトに行って確かめてみました。結果の画像を載せておきます。(画像をクリックすると拡大します)

     なるほど、これはすごい。絶妙に大陸をかすめているのが面白いです。よく見つけたなあと思います。

    <おまけのひとこと>
     急に寒くなってしまって、やや体調が悪いです。まずい…






    [←2020年9月前半]  [↑表紙へ] [2020年10月前半→]

    [Home]-[以前のひとこと]-[2020年9月後半]
    mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
    2001-2020 hhase