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以前の「ひとこと」 : 2020年10月前半



10月1日(木) くねくねチェーン(その1)

 10月になりました。今日から新しいブロックのご紹介です。



 例によって100円ショップの玩具コーナーを見ていたら、見たことがなかったブロック玩具(とは呼ばないか…)がありました。「くねくねチェーン」です。(似たような名前の製品がいろいろあるような…)

Fig.1 : Kune-Kune-Chain

  • カチッと曲げて爽快!
  • パチッと作って楽しい!
  •  などと書かれていて、平面的な造形例がパッケージに印刷されています。パッケージ裏側には「パーツは固くつながっています。脱着する場合はケガをしないよう注意しながら大人の方が行ってくださいと書かれています。つまり、複数のセットを繋いだり、好きな長さにばらしたりすることができるのです。

     まず、最初のお店にあった3セット(300円+税)を喜んで買ってきました。ピースの色はオレンジ・青・緑の3色あって、1セットはそのうちの2色を使って24ピースがひとつながりになっています。一次元的にしか繋ぐことはできませんが、45度ごとに溝が彫られていて、時計の文字盤でいうと、12時の向きのピースに接続するピースは、3時方向、4時半方向、6時方向、7時半方向、9時方向の5つの向きに「カチッと」固定することができます。



     まず最初に作ったのはこれです(Fig.2)。

    Fig.2 : trefoil knot

     このブロックで何が作りたいかといえば、もちろん結び目の模型です。何はともあれ三葉結び目を作るところから始めます。これは36ピース使っているので「くねくねチェーン」1セット半ということになります。

     残った12ピースで輪を作ってみました(Fig.3)。

    Fig.3

     45度ずつ角度を付けて、平面的でないなめらかな円環になってきれいだと思いました。

     このブロックで、もう少し別なかたちを作ってみることにしました。

    (つづく)



     ここ数日、急に気温が下がったため体調管理がうまくゆかず、なんとなく風邪の初期症状のような体調になりかかっていました。少し寒気がして、節々が痛い感じがして、いかにもこれから発熱しそうという感じです。くしゃみが何度も出ます。昨日の夕方、退社時に妻に「できたらこたつを出してほしい」とメッセージを送って、こたつを準備してもらいました。(こたつはこの夏は私の部屋の押し入れの中の棚として活用してしまっていたので、出すのがとても大変だったと思います。)

     今日10月1日はいろいろ予定が立て込んでいて、どうしても体調を回復しておきたいと思っていました。昨夜は温かくして早い時間に寝たところ、就寝して1時間半後くらいに全身が汗びっしょりになって目が覚めました。その後着替えて寝たところ、今朝はとても気分がよく目が覚めました。(こんなに気分よく起きられたのは久しぶりです。)もちろん熱は出ていません。今日はなんとかなりそうです。良かった…

    <おまけのひとこと>
     10月1日から組織変更があって、体制がまた大きく変わります。昨日は、昨年度の4月・5月の2か月間だけ上司だったUさんと久しぶりに話をしました。急激な体制変化でいろいろ大変そうですが、この下期はいろいろ頼みたいことがあると言われて、楽しみです。






    10月2日(金) くねくねチェーン(その2)

     「くねくねチェーン」の三葉結び目、ピースどうしの角度が直角ではないものも作ってみました。

    Fig.1 : another kind of trefoil knot

     3色のピースを均等に使ってみました。ピースをいったん全部バラバラにする必要があったので大変でした。

     斜めからも見てみました(Fig.2)。

    Fig.2 : trefoil knot

     ちなみに昨日の12個の輪、各ジョイントを全部90度になるようにすると、こうなります。

    circle Fig.3

     ピースの着脱に力が必要で、指先が痛くなりました。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     時間が無くて簡単な更新です。






    10月3日(土) 日本からの「まっすぐな航路」

     週末、軽い更新です。(午後になってしまった)



     先日、イギリスとニュージーランドは「まっすぐな航路」で結ぶことができるという話をご紹介しました。

     それでは日本を出発点として、どこにも陸地にぶつからずにまっすぐに進むことを考えます。そのとき一番遠くまで行けるのはどこかな? と思って試してみました。

     どうやら北アフリカまで「まっすぐな航路」がありそうです。ニュージーランドの東側を通り、南極半島とホーン岬(南アメリカ大陸)の間のドレーク海峡を抜けて大西洋を北上するルートです。地球を半周以上します。これは面白いです。



     新聞の書評の記事の中で、定家の「見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ」という歌が紹介されていました。これは有名な三夕の歌の1つだったな、と思って、残りの2つはなんだっけ? と思って思い出そうと思ったのですがぼんやりとしか思い出せませんでした。(くやしい)

     検索してみるとすぐにわかりました。

    「心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」(西行)

    「さびしさはその色としもなかりけり 真木立つ山の秋の夕暮れ」(寂蓮)

     でした。今さらですが、いずれも味わい深い歌だと思います。

    (追記:西行の歌に脱字がある、というご指摘をいただきました。修正しました。ありがとうございました。2020/10/18)

    <おまけのひとこと>
     ビールや発泡酒、第三のビールの酒税が見直されました。しばらく前からビール類を飲まなくなって、最近はウォッカやラム、ジンなどを炭酸で割って飲むようになりました。ウォッカは国産のウィルキンソン、メジャーなスミノフ、四角いビンのギルビーをよく飲みます。(1本1週間持たないのが問題…)ホワイトラムを飲むことも多いです。フレーバーのあるウォッカ(ズブロッカとかリモンナヤとか)も昔は手を出しましたが、今は素直なウォッカが好みです。






    10月4日(日) アンチウィルス(というパズルゲーム)

     1か月ほど前、ディスカウントストアのドン・キホーテでANTI-VIRUSという一人用のパズルゲームを買いました。しばらく前から見かけていたのですがあまり売れ行きが芳しくなかったようで、値下げされていたのでつい買ってしまいました。(買値は正確には覚えていないのですが、ぎりぎり千円を切るくらい、税込みで千円をちょっと超えるくらいだったと思います。)

     こんな、段ボールのパッケージに入っています。わりと大きいです。(箱は24cm×24cmくらい、厚みは5cmくらいです。)

    Fig.1 : package

     ゲーム盤、円を2〜3個連結した移動ピース9種類、白い「障害物」の円が2つ、後は問題集が入っています。

    Fig.2 : gameboard, 11 pieces

     この「アンチウィルス」というパズルですが、「ラッシュアワー」という大変有名な名作パズルとよく似たパズルです。

    Fig.3 : Rush Hour

     ラッシュアワーは赤い車を脱出させるのが目的でした。ラッシュアワーの車は前後にしか移動できませんでした。「アンチウィルス」のほうは、赤マル2つのピースが脱出させる対象です。各ピースは2次元に平行移動することができます。回転は許されません。問題によっては障害物のピースが置かれます。

     どんな風に遊ぶか、いくつか動画が公開されています。例えばYouTubeのこちらの動画は、わずか40秒ほどですが、このパズルや製品の概要を知るのに十分な内容になっています。

     また、こちらの公式サイトでは1面だけ遊んでみることができます。下の図はその面の初期状態です。

    Fig.4 : sample problem

     白い障害物が2つあるため、出口(左上)をふさいでいるピンクのパーツを盤面の下側に移動させることはできません。この状態から右上の赤2つのピースを脱出させなければなりません。シンプルですがこの「アンチウィルス」というパズルの特徴を知るのにふさわしい問題だと思います。



     デイリーポータルZの日本一低い駅から日本一高い駅まで何歩で行けるかという記事と、ドキュメント・東京から自転車で海に行く10時間の記録という記事が面白かったのです。 

     前者は「日本一低い駅ってどこだろう?」「日本一高い駅ってどこだろう?」とまず自分なりに考えてから記事を開いてみることをお勧めします。私はこの記事のタイトルを見て、東京の地下鉄の一番深い駅が出発点で、目的地は小海線の駅かなあと思ったのです。ぜんぜん違いました。よく知っている馴染みの場所がたくさん出てくる記事でした。

     後者は、最初の自転車の購入から話が始まって、途中の思いがけないハプニングの話など、ハラハラしながら楽しく読ませていただきました。

    <おまけのひとこと>
     また遅い時刻の更新になってしまいました。






    10月5日(月) 音楽における秩序とその崩壊(という論文)

     何かを調べていた時に、Visual Mathematics(視覚化された数学) という専門誌のサイトにたどり着きました。1999年から2014年までの15年間、刊行されていたようです。私好みのトピックが載っていそうなので、古いほうから少しずつ目を通してみています。

     最初の巻であるIssue 1_1 - VisMathを見ていたら、Tonality / Atonality, Order / Disorder or Order / New Order(Hofman-Jablan Jadranka : 1999) に目がとまりました。音楽に関する内容で、調性音楽から無調性音楽に至る変化を簡潔に語っています。

     途中、Fig.5 にこんな楽譜がありました。一見なんということはない2声のカノンのようです。ハ長調で転調はなく、音域もそれぞれ1オクターブ+1音の9度に収まっています。たった8小節の小さな曲です。

     ただ、不思議なのは最後が終止線ではなく、逆さまにト音記号とヘ音記号と拍子記号が描かれています。ということはこの楽譜、ひっくり返しても演奏可能ということです。(バッハの「音楽の捧げもの」にはこういった遊びというか謎かけががたくさん用いられています。)

     普通に見たところと逆から見たところを楽譜に起こして鳴らしてみました。楽譜をクリックすると大きなサイズで表示されます。楽譜の下のファイル名のリンクはmidiデータです。

    canon20201005a.mid

     冒頭の楽譜をひっくり返してみたところを普通の楽譜にしてみました。

    canon20201005b.mid

     実はこれ、単にひっくり返しただけの対称性ではないのです。この2声のカノンは、片方の声部はパート譜を普通に左から右へ演奏し、もう片方の声部は同じパート譜を右から左に時間軸方向を逆に演奏しているのです。なので、ちょうど半分の4小節を演奏した後にそれぞれ相手のパートを逆から演奏する楽譜になっているのです。(わかりにくくてすみません。)

     具体的に言うと、一段目の大譜表(ト音記号の段とヘ音記号の段の一組)を見ると、2つのパートはそれぞれこんな風に演奏していることになります。赤矢印が上の声部、青矢印が下の声部です。

     上の声部(赤の矢印)の2段目が、下の声部の1段目を逆から演奏するのと同じ音になっていること(ただし1オクターブ違いますが)、また下の声部(青い矢印)の2段目が、上の声部の1段目を逆から演奏するのと同じ音になっていること(やはり1オクターブ違います)を確かめてみてください。

     若干不自然な進行になっているところもあるカノンですが、よくできていると感心しました。面白かったので音にしてご紹介しました。



     この週末、妻が出かけて不在の時間を見計らってジャズの曲をピアノで弾いてみました。こちらのblogにVince Guaraldi の チャーリーブラウン(peanuts、スヌーピー)の音楽という記事を書きました。YouTubeへのリンク集のような記事です。

     通勤の車の中で聴こうと思って、昔のCDを引っ張り出してきました。楽しみです。

    <おまけのひとこと>
     今朝は妻がものすごく早起きしてくれて、朝の5時には朝ご飯を用意してくれました。本当に感謝です。






    10月6日(火) くねくねチェーンの「ボロメオの輪」、他

     先週後半からご紹介を始めた「くねくねチェーン」、これも定番ですがボロメオの輪を作ってみました。

    Fig.1 : borromean rings

     先日もご紹介した、ピース12個による輪を長方形のかたちにして、3つを組み合わせています。参考までに1つの輪を別に作って横に置いてみています。

     Fig.1のように置くとバランスがいいですが、3つの輪全てが床に接するように斜めに置くと、隙間があるため3つの輪の相対的な角度が直角ではなくなってしまいます(Fig.2)。

    Fig.2 : borromean rings

     この構造も、この手のブロックを入手したら必ず作ってみるものの1つです。

    (つづく)



     昨日ご紹介したVisual MathematicsIssue 1_1 - VisMathSymmetry in Practice - Recreational Constructions(Peter Hilton and Jean Pedersen : 1999)に、紙テープを使って多面体を編むように構成する手法がいろいろと紹介されています。

    Fig.8 of "Symmetry in Practice - Recreational Constructions"

    Fig.19 of "Symmetry in Practice - Recreational Constructions"

     昔、同じものを作ったことがありました。(2003年5月22日のひとこと)

     このかたちはやっぱりいいなあと思います。

    <おまけのひとこと>
     今週、私より若いリーダーさん(まあ職場の9割以上は私より若いですが)のフォローの仕事が急に入って、慌ただしいです。まあ頼っていただけるのはありがたいことではあります。






    10月7日(水) くねくねチェーンの8の字結び目、他

     くねくねチェーンで作ってみた結び目のつづきです。今日はこんなかたちをご紹介します。

    Fig.1 : figure eight knot

     最初に買った3セットでは、色を統一することができませんでした。追加で買った9セットを使って、同じ構造を作り直してみました。

    Fig.2 : seen from above
    Fig.3 : seen from an angle

     実際に作ってみたら、いまひとつでした。色遣いのせいか、二層構造の重なり具合がぱっと見てすぐに認識できないような気がするのです。うーむ残念。

    (つづく)



     ちなみにこの結び目、交差数が最小な表現になっていないためどんな結び目なのかわかりにくいのですが、これは8の字結び目なのです。これを作ろうと思ったのは、Bridgesの今年(2020)のカンファレンスのMaximizing the Symmetry of Knots(Peter Alexander Generao and Carlo H. S?quin:2020) の冒頭の Figure 1-(d) を見たのがきっかけです。

    Figure 1-(d) of "Maximizing the Symmetry of Knots"

     「なるほど、これ、8の字結び目なのか」と思って、何かで作ってみたくなっていたのでした。ただ、この論文の図は美しいのですが自分で作った「くねくねチェーン」のモデルはあんまり好きではありません。

     この論文、「結び目の対称性の最大化」というタイトルが素敵です。このほかにも魅力的な図がいくつも載っています。



     8の字結び目といえば、こんな表現も好きです。

    Fig.5

     結び目は本当に面白い対象だと思います。

    <おまけのひとこと>
     だいたいいつも朝5時くらいに朝刊が届きます。今の季節は朝5時というとまだ外は真っ暗です。






    10月8日(木) くねくねチェーンの8の字結び目に再挑戦

     昨日のくねくねチェーンの8の字結び目がいまひとつ気に入らなかったので、もうすこしいじってみました。こんなものができました(Fig.1)。

    Fig.1 : figure eight knot

     これは、8の字結び目のこんな表現をイメージして作っています。(この Fig.2 の図を描くのに意外と時間がかかってしまいました。)

    Fig.2

     図を描きながら、「これ、ちゃんと8の字結び目になっているよね?」とちょっと不安になりました。交点が4であること、結び目をたどって「交代結び目」(交差するところが交互に上・下・上・下…となっている結び目)になっていることを確かめました。

     裏返してみました(Fig.3)。この面は横方向に延びるパーツで埋めつくされた感じです。

    Fig.3 : back side

     すべて直角で作ろうと思ったのですが、そうするとかなり大きくなってしまうので妥協しました。でも、あんまりかっこよくないです。

     遠近感を強調したような写真を撮ってみました。

    Fig.4

     これはちょっと楽しい…

     たかが(交点数4の、自明でない結び目としては2番目に簡単な)8の字結び目でこれだけパーツを使って、しかもあまり気に入ったかたちがつくれませんでした。ちょっと違う方向に行ってみようかなと思いました。

    (つづく)



     写真といえば、デイリーポータルZの本当に買ってよかった機材 〜明るいレンズ編〜という記事が面白かったです。

    <おまけのひとこと>
     このページを公開させてもらっているサービスがファイルサイズの上限が100MBしかなくて、いじましくデータサイズを削っているため、著しく品質の低い画像になっていて残念です。まるでフロッピーディスクの時代のようです。いい加減考えないといけないなあと思っていますが…






    10月9日(金) くねくねチェーンの自明に見えない自明な結び目

     昔、こんな結び目について調べたことがありました(2005年3月18日)。

     実はこれは自明な結び目なので、鎖の輪から変形して作ってみたり(2005年4月10日)、

     1枚の紙から切り出した輪から変形して作ってみたり(2005年5月8日)

    しました。

     これを「くねくねチェーン」で作ってほどいてみたら面白いかな、と思って作ってみました。

    Fig.1 : a trivial knot
    that doesn't trivial at first glance

     パーツが足りなくて色が混ざっています。斜めからも見てみました。

    Fig.2

     こちらの視点のほうがかっこいいかなと思いました。

     で、肝心の「これをほどいて輪っかにするのは楽しいか」ですが、簡単すぎてあっというまにできてしまって楽しいと思う間もありませんでした。しかも、これはブロックのチェーンなので、自明であっても自明でなくても結び目が作れるのはあたりまえです。もう一度Fig.1,Fig.2の状態に戻そうという気になれませんでした。

    (つづく)



     1年のうちで、日の出、日の入が一番早い日(遅い日) はいつ?というページがありました。夕方いちばんはやく暗くなるのは冬至の半月ほど前ということなので、12月初旬ということだそうです。また、日の出が最も遅くなるのは冬至の半月ほど後ということなので、実は元旦の初日の出というのは一年で一番日の出が遅いころなのだということですね。

    <おまけのひとこと>
     昨日、通勤の車の中でラジオを聴いていたら、「10月8日は木の日です」というのをやっていました。昔、私の父の代には上小木材協同組合というのに入っていて、昔そんなポスターがあったなと懐かしく思い出しました。






    10月10日(土) くねくねチェーンの三葉結び目の色をシフトさせる、他

     くねくねチェーンの結び目、再び三葉結び目に戻ってきました。ピースの連結はまっすぐか直角かどちらかだけにして、ピースの数を減らしてみました。表側と裏側です。

    Fig.1 : trefoil knot "front side" Fig.2 : trefoil knot "back side"

     Fig.1 の表側の中心に集まっている3つのピースの色は「青」です(もう一度Fig.1を載せます)。これを Fig.3 のように中心の色を緑にしたいのです。

    Fig.1 : the center color is blue Fig.3 : the center color is green

     どんな操作をするのが簡単でしょうか?

    (つづく)



     もう1つ、こんなリングを作ってみました。

    Fig.4 : front side Fig.5 : back side

     たくさん作ったら面白いことができないかなと思ったのですがあんまりでした。



     The Empirical Metamathematics of Euclid and Beyond(Stephen Wolfram Sep.28,2020)という数学の記事を(ブラウザの翻訳機能を使って)読んでみました。「ユークリッドとその先の経験的超数学」です。

     ユークリッドの原論は、5つの公準からたくさんの結果(定理)が導かれます。それぞれの定理は、最初の前提である公準およびそれ以前に示されている定理を根拠として証明されます。その定理の因果関係というかネットワークを分析し、図示し、そういった定理のネットワークそのものを扱う方法論について論じようという文章です。まだちゃんと読めていませんが、とても面白そうです。

    <おまけのひとこと>
     台風14号、上陸はなさそうですが雨は心配です。ちょうど1年前、台風の大きな災害がありました。まさかこの1年でこれほど世の中が変わるとは想像もしていませんでした。今日・明日は終日Netに接続してリモートでイベントに参加する予定です。






    10月11日(日) 切り絵の紫陽花

     日曜日なので単発の話題にします。



     1か月ほど前、本屋さんで 自律神経が整う 美しい切り絵(小林弘幸/監 藤野ひろのぶ/切り絵) という本を見つけて買ってきました。こちらに「立ち読み」のコンテンツが用意されています。

     この本を買ってみようと思ったのは、ページを切り取ってすぐに切り絵を始められる印刷済みのシートがたくさん添付されているのが気に入ったためです。黒い画用紙のようなシートに、切り抜く部分は銀色の印刷がされています。これがありがたくて買うことにしました。

     この本、電子書籍としても販売されているようですが、電子書籍だと購入する価値がものすごく下がる気がします。電子書籍で買う人はどのくらいいるんだろう…と思いました。

     ぺらぺらとページをめくってみて、紫陽花の花の図案を切ってみることにしました。朝食前に2時間、午前中に2時間、お昼を食べて午後に2時間、合計6時間くらいかかったでしょうか。出来上がったものをこんな感じにクリアフォルダにはさんで仮に窓に貼ってみました。(写真をクリックすると少し大きな画像をご覧いただけます。)

    Fig.1

     少し離れて斜めから見てみました。

    Fig.2

     立ち読みコンテンツの15ページ目にこの紫陽花の図案があります。紫陽花の1つ1つの小さな花の中心の星形に尖った部分を少し大きめに強調することを意識して切ってみました。そのほうが切り絵らしく、よりくっきりした絵になるかなあと思ったためです。

     これを切ってみたのは9月下旬の4連休の確か2日目くらいだったかと思います。早く完成させたものを眺めてみたくて、がんばって一日で仕上げました。本を見ると「1日10分くらい、最大でも30分以上はやらないようにしましょう」などと書かれています。(妻がそれに気が付いてくれました。)私は解説の部分などは一切読まず、自己流で切っていたので気が付きませんでした。



     切り絵といえば、以前こんなイスラム文様をいくつか切ってみたことがありました。

    2017年4月2日

    2017年4月16日

     黒い紙のほうがかっこいいなあと思いました。黒い紙で切り絵をするときは黒い用紙にスプレー糊などで型紙を貼り付けるらしいのですが、ずれてしまったりカットしにくかったりするのではないだろうか、という気がします。

     これらのイスラム文様のデザインは直線で構成されています。(そういう風に自分でデザインしました。) なのでカットするのは楽なのです。これまで何十年もの間、たくさんの多面体系の紙模型を作っているので、直線をカットするのは得意になったのでした。

     ところが今回の紫陽花のような自然物をデザインしたものだと、曲線が多用されます。私は曲線をカットする技術がないものですから、誤ってデザインナイフの先端を折ってしまうことが多くて、ナイフの替え刃をたくさん消費してしまいました。経験を積んでゆくと曲線もうまく切れるようになってゆくのだろうと思います。(でもそこまで経験を積むほど切り絵をやらない気がする)



     この「自律神経が整う切り絵」のシリーズ、他にも2冊ほどあるらしいのですが(店頭でも見かけました)、買うのはまあこれ1冊でいいかなと思っています。自律神経が整う美しい切り絵 花曼荼羅 というのもあって、これは一見自分の好みに近いかなと思ったのですが、ちょっと違いました。(もちろんこれはこれで美しいと思います。)

    <おまけのひとこと>
     霧が深い朝です。いつもならよく見える八ヶ岳がまったく見えません。それどころかいつもなら見えている数百メートル先の信号機すら見えません。今日まで3日間、10/9(金)〜10/11(日)のオンライン開催されているイベントを聴講しているのですが、初日、2日目の朝9時からの特別公演がものすごく面白くて大変刺激を受けました。今日の特別講演も面白いといいなと思っています。ただ、自宅のネットワーク環境が不安定になることがあって、それが残念です。






    10月12日(月) くねくねチェーンの三葉結び目の色をシフトさせる(解説編)、他

     一昨日、「くねくねチェーン」の三葉結び目の色をずらす、というのをご紹介しました。今日はその解説です。

     中心が青のパターンと中心が緑のパターンを簡単に入れ替えるにはどうすればよいでしょうか、という話です。実はこれは、コの字型の部分を直角に折り曲げたり伸ばしたりする動作をすることで入れ替えることができるのです。連続写真でご紹介します。



     中心が緑の状態から始めてみます(Fig.1)。写真の左側に伸びている部分を90度上に折り上げます(Fig.2)。

    Fig.1 Fig.2

     次に、右側に伸びている部分を手前に90度折ります(Fig.3)。さらに上に伸びている部分を90度右に折り曲げます(Fig.4)。中央の緑の3つのピースがほとんど隠れてしまいました。

    Fig.3 Fig.4

     次にこれをひっくり返します。するとこうなっています(Fig.5)。

    Fig.5

     これはFig.4とまったくおなじかたちで、ただし色が逆になっています。今度は90度折り曲がった部分をまっすぐに伸ばしてやれば、再び三葉結び目のかたちに戻ります。ただし色が入れ替わっています。

     このカチカチとシステマティックに色を入れ替える手順が気持ちがよくて何度もやってしまいました。楽しいです。



     ご紹介した三葉結び目と一見よく似たこんなかたちも作ってみました(Fig.6)。これ、どんなかたちでしょう?

    Fig.6

    (つづく)



     地元のニュースを見ていたら、松本駅6番線の駅蕎麦のお店が先月末、9月30日に閉店したのだということがわかって残念に思っています。こちらの【惜別】国鉄ポスターも見納め、松本駅6番線の駅そばが閉店という記事が良かったです。

     松本駅は、現在の勤務先の事業所から県内の最大の事業所まで公的交通機関で行こうとすると乗換駅になります。たいていは自分の車で移動するのですが、駐車場が予約できなかったり、社内の大きなイベントで自家用車での移動が認められない場合など、ごくまれに鉄道で移動することがあります。直通の列車がある場合もあるのですが、乗り換えの場合、田舎なので下手をすると1時間近く待ち時間があったりします。しかも距離が短いので途中下車はできません。駅構内にいることになります。そんな時に、少し離れた6番線のホームまで行って蕎麦を食べたりすることが何度かありました。好きなお店だったので残念です。

    <おまけのひとこと>
     この週末はオンラインのイベントにずっと参加していたので、なんとなく休んだ気がしません。楽しかったですし大いに刺激も受けて有益だったのですが、今週はちょっとつらいかも。
     webで聴講しながら、「くねくねチェーン」をいじったりしていました。(自宅からの参加ならではです。)指先が痛くなりました。






    10月13日(火) くねくねチェーンのボロメオの輪

     昨日の「くねくねチェーン」のこのかたちですが、

     これは実は「結び目」ではなく3要素の「絡み目」のボロメオの輪なのでした。わかりやすいように色分けしてみました。

    Fig.1

     1つのリングはピース16個で作ってあります。

    Fig.2

     絡み合う3つのリングのかたちをいろいろ変えてみると面白いのです。

    Fig.3 Fig.4 Fig.5

    (つづく)



     この「くねくねチェーン」、昔何かで似たようなものを見たことがあったような、と思って少し探してみたら、思い出しました。

    M-TRAN:合体変形ロボットという、モジュール単位の機能ブロックが組み合わさっていろいろなマクロな形状と動きを生成する、という群ロボットがありました。「くねくねチェーン」、このM-TRANに似ているなと思ったのです。

    <おまけのひとこと>
     妻が偏頭痛がするというので心配しています。私は幸い、この歳になるまで頭痛で辛かったという経験がほぼ全くありません。頭痛って何が痛いんだろう、脳組織そのものには痛覚はないと言いますし、頭蓋骨を覆う皮膚や筋組織や血管などが痛いのかな? 末梢の毛細血管の拡張作用がある薬が頭痛には効くと言いますが…






    10月14日(水) くねくねチェーンの結び目74、奇数ユニットの環

     今月前半はほとんど「くねくねチェーン」の結び目・絡み目の話を書いています。あんまり興味がない方はすみません。もう少しだけ続けます。



     結び目の中でも割と好きなのが74です。

     これを「くねくねチェーン」で作ってみました。

    Fig.1 : 74

     とりあえず「かたちにしてみました」という状態です。このブロックならではというかたちには全くなっていません。これはすぐ分解してしまいました。

     そういえば74の図は作ったことがなかったかも、と思って15分くらいかけてこの図を作ってみました。

    Fig.2

     アルファベットのJのようなかたちが4か所、Lのかたちが2か所、そして中央にIのかたちが1か所あります。最初にドロー系のツールでそれぞれの部分を作図して必要に応じてコピーして回転して組み合わせて、最後に45度回転させて枠線だけの図を作ります。その後でペイント系のツールで色を塗りました。黒い枠線の内側に白っぽい縁ができているのはそのためです。



     この「くねくねチェーン」のパーツ、偶数個だと平面的な環を作るのは簡単ですが(平面の環状構造は8個以上の偶数でできます)、奇数個のピースだと平面の環にはなりません。それぞれのジョイントも45度刻みで安定するようなパーツの設計になっているのですが、そういったきれいな角度の解も一般にありません。そこを敢えて無理やり奇数個の環にしていろいろといじってみると、意外と面白いのです。

    Fig.3 : 11 pieces Fig.3 : 13 pieces

     ピースの数がわかるように、また目印になるように、敢えて色違いのピースを少し混ぜて環にしてみています。なんとなく有機化学で分子模型を作って立体構造を調べているような感覚に近いです。面白い。

    (つづく)



     先日、会社で災害発生時用に備蓄されている非常用の食料品の期限が近いものが希望者に配布されたものを貰ってきました。保存期間5年間のものが、期限があと1か月程度というものでした。こういうものを製造し販売できるというのは品質管理の観点ですごいことだと思います。この製造方法で5年後にもちゃんと衛生的な食品を提供できることを保証するということは大変なことだと思うのです。きっと、5年を保証するということは、実力値としてはもっと長い時間が経過しても大丈夫なものがほとんどなのだろうな、とも想像します。万一不具合があった場合、それがわかるのは販売後かなりの時間が経過した後でしょうから、そのサポートも大変だと思います。

     そんな話を妻としていたら、市内の何かのお店だったか公的機関だったかで年に1度くらい、各家庭の備蓄食料(缶詰とかカップ麺とかレトルト食品とか)を持ち寄って提供するみたいなイベントがあるらしいという話になりました。妻によると、思いのほかたくさん集まるのだそうです。私も備蓄食料はある程度ないと不安になるほうです。何かの時に買い物ができない、食べるものがない、ということになるのが怖いのです。一方妻は冷蔵庫も食料品の棚も空っぽの状態が好きで、「買ったものを無駄にせずちゃんと使い切った」という達成感、満足感が好きなのだそうです。

     想像ですが、地方で生活していると相対的に自宅の保管スペースのコストは安く、かつ(昔は)買い物はしにくかったと思うのです。一方で特に東京圏など、居住スペースは地方と比べて狭いことが多く、自宅の保管スペースにモノを置いておくことは保管コストがかかる。そのかわりいつでも簡単に買い物ができるので、極力手元には持たずに必要な時に必要なだけ買ってくるのがスペース効率が良いということなのかな、と思いました。

    <おまけのひとこと>
     最近、このサイトに書こうと思うトピックが、すでに紹介済みなのかまだなのか、自信がないことが増えてきました。「この話、もう書いたんだっけ?」と確かめることが多いです。






    10月15日(木) 誤った約分が偶然正解になる

     過去のページの最下段の日なので、単発の話題にします。



     分数というのは小学校の算数の中でも最初の大きな山場になるところなのかなあと思います。割と有名な話で、約分をしようとして誤って分子と分母にある同じ数字を消してしまったら、偶然正解になってしまった、という例があります。(26/65 = 2/5, 19/95 = 1/5.)

    Fig.1 : Wrong reduction happens to be correct.

     もう少し桁数の多いものだと、こんな例があるそうです。(545/654 = 5/6, 42424/74242 = 4/7.)

    Fig.2 : Wrong reduction happens to be correct.

     さらに桁数が多いものとして、こんなのがあるのだそうです。(7903225806451612/9032258064516128 = 7/8.)

    Fig.3

     もはや「消している数字の並び」が同じであることが直感的に認識できない長さになっています。これはすごい、と思いました。一応念のため、電卓ソフトで検算してみました。

    Fig.4 : tried to check

     どうやら合っているようです。検算のために正しく入力できているかを確認するのも大変でした。



     でも、これで驚くのはまだ早かったのです。こんなものすごい例が紹介されていました。

    173365326934613077384523095380923815236952609478104379124175164967006598680263947210557888422315
    536892621475704859028194361127774445110977804439112177564487102579484103179364127174565086982603
    479304139172165566886622675464907018596280743851229754049190161967606478704259148170365926814637
    072585482903419316136772645470905818836232753449310137972405518896220755848830233953209358128374
    325134973005398920215956808638272345530893821235752849430113977204559088182363527294541091781643
    671265746850629874025194961007798440311937612477504499100179964007198560287942411517696460707858
    428314337132573485302939412117576484703059388122375524895020995800839832033593281343731253749250
    149970005998800239952009598080383923215356928614277144571085782843431313737252549490101979604079
    1841631673665266946610677864427114577084583083383323335332933413317

    336532693461307738452309538092381523695260947810437912417516496700659868026394721055788842231553
    689262147570485902819436112777444511097780443911217756448710257948410317936412717456508698260347
    930413917216556688662267546490701859628074385122975404919016196760647870425914817036592681463707
    258548290341931613677264547090581883623275344931013797240551889622075584883023395320935812837432
    513497300539892021595680863827234553089382123575284943011397720455908818236352729454109178164367
    126574685062987402519496100779844031193761247750449910017996400719856028794241151769646070785842
    831433713257348530293941211757648470305938812237552489502099580083983203359328134373125374925014
    997000599880023995200959808038392321535692861427714457108578284343131373725254949010197960407918
    4163167366526694661067786442711457708458308338332333533293341331733
    = 17/33.

     bold(太文字)の分子の17と分母の33以外の数字の並びは同じ(らしい)です。そして、この膨大な桁の2つの数の割り算の答が17/33になっている(らしい)のです。

     情報源はDongkyu Han氏のFacebookです。脱帽です。ここまでくると、正しいのかどうか確かめる気力すら湧きません。いや素晴らしい。



     デイリーポータルZの千葉の県境を一周して実物大のチーバくんをえがくという記事が楽しかったのです。冒頭の、

    「千葉県は島である」という。これは、千葉県の県境がすべて川の上にあり、隣の都県と地上で接している県境がないから……というのがそのわけだ。

     という記述に「なるほど!」と思いました。この発想はなかったです。

    <おまけのひとこと>
     今日の更新は意外と時間がかかってしまいました。何を書くかを朝起きてから決めて、検算とかしていました。長い桁数の数字の表記をどうするか、図にするかテキストにするかの試行錯誤にもちょっと手間がかかりました。






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