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パターンあやとりの世界というサイトを作っています
2024.05.22 公開
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2025.03.06 更新 new
SUWAプレミアム認定製品のアクリルパズル パズル マスマティカのページを作りました
2024.12.31 公開ひとこと
6月26日(木)
ちょっと体調面で問題があったり、本業のほうがいろいろ忙しかったりでなかなか更新ができないでいます。見に来て下さった皆様にお詫び申し上げます。
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ナゾロジーの育った環境で「見える世界」が違うという記事を見て、元論文のVisual illusions reveal wide range of cross-cultural differences in visual perception(Ivan Kroupin, Helen Elizabeth Davis, Aparicio Jose Paredes Lopes, Talia Konkle, and Michael Muthukrishna) を眺めてみました。
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The Coffer illusion(コファー錯視) これは、2006年の Best Illusion of the Year Contest 2006 で入賞した作品で、米国の Anthony Norcia(アンソニー・ノルシア) 氏が発表されたものです。錯視に興味がある方ならば、見た覚えがある方もいらっしゃるかと思います。(ちなみにこのコンテスト、杉原厚吉先生が確か何度も最優秀賞を獲得されていたような気がします。)
まずこの画像を見てどんなかたちが見えるでしょうか? おそらく、このページをご覧になる方の多くは板チョコのような長方形が規則正しく並んでいるように見えるのではないかと思います。でも実はこの画像、こんな風に作られているのです。下のアニメーション画像のうち1枚はコファー錯視の画像、もう1枚はいろいろな濃度のグレーの横線の画像です。2枚の画像の差は何でしょう?
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2枚の画像で変化している部分、つまり水平だった線が垂直になっている領域があります。この領域のかたちはどんなかたちでしょう? 4×4の16箇所あります。領域をはっきり描いた図も用意しました(こちら)。
この錯視は「多義図形」(ambiguous figure)とか「ゲシュタルト錯視」と呼ばれる錯視現象の一種です。複数の解釈が可能な図で、一方の解釈(見方)をしているときはもう一方の見方はできません。上記の論文は、このコファー錯視を見たときに2つの見方のどちらが見えるかをいろいろな人に尋ねるという心理実験を行っています。直線や直角で構成された家具や建物などの人工物に囲まれた生活をしている人はコファー錯視の画像を見て長方形以外のかたちを認識することが難しく、逆に生まれたときから自然の中で暮らしていて近代の工業製品のような直線や直角を基本とした人工物を見慣れていない人はコファー錯視の画像から長方形を認知することが難しい割合が高いのだそうです。
非常に面白い研究だと思います。
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以下は、病院に行った話です。興味がない方が多いと思うので読み飛ばしてください。自分の記録のために書いておきます。
私は何十年もアトピー性皮膚炎を患っています。季節の変化などで良くなったり悪くなったりしながらこの病気と付き合っているのですが、1カ月半ほど前、5月の中旬ころから過去に経験がないほど悪化してしまいました。全身のいたるところを自分でひっかいてしまって、体中から血がにじむどころが血が垂れるくらいになってしまいました。その傷がカサブタになってくるとそれがまた痒くて、悪循環でどんどんひどくなってしまいました。夜も連続して眠れるのは1時間程度で、一晩の合計で3〜4時間しか眠れませんでした。昼間も油断すると寝てしまいそうになるし、通勤で高速道路を片道50kmくらい運転するのですが、眠くなって困りました。
これまでずっと、ステロイド剤などの効果の高い塗り薬も、効果が強い抗アレルギー剤などの飲み薬も使わず、肌の保湿やせいぜいビタミン剤などでしのいできました。でもさすがに日常生活に支障が出てきたので、ついに思い立って総合病院の皮膚科を受診することにしました。
朝8:30に受付をして、「初診の場合は予約優先なのでかなり待っていただくことになります」と申し訳なさそうに言われたのですが、2時間半待って診ていただけたのが11時くらいでした。(これでも早いほうらしいです。)行ったのは2週間前の火曜日だったのですが、火曜日は唯一常勤の先生に加えて大学病院の先生がいらっしゃる曜日で、二人体制での診察でした。最初に若い先生が診て下さったのですが、処方する薬を選択する段階でベテランの先生に相談に行って下さいました。そうしたらベテランの先生が「これは手ごわそうなので自分が診ましょう」とおっしゃって、常勤の先生が診て下さることになりました。「おくすり手帳」を持って行ってこれまでの治療歴を見ていただいたのですが、「本来は穏やかな治療のほうが望ましいので適切な治療方針だったと思いますが、思った以上に悪化しているようなので、今回は思い切って強い薬を使って症状を改善させましょう」という治療方針を提案していただき、お願いすることにしました。
具体的には、まずは症状を改善するために強めのステロイド剤を処方していただき、合わせて免疫抑制剤を2週間ほど飲んで改善度合いをみてみましょうということになりました。免疫抑制剤は肝臓や腎臓などの代謝系に負担がかかるので、血液検査をしてこれらの臓器の状況を確認しましょうということで、採血をしてもらいに行きました。私は採血が難しいタイプのようで、1回で成功しないことも珍しくありません。今回も1回は失敗して、2回目もけっこう痛かったのですが我慢しました。
血液検査の結果が出るまで45分ほど待って、やや肝機能が異常値だったのですが予定通り免疫抑制剤を処方していただきました。病院から行きつけの薬局に処方箋をFAXで送ってもらい、精算窓口でお金を支払い終えたのが12時半過ぎ、半日がかりになってしまいました。
皮膚科に行ったその日から症状はだいぶ改善され、もう少し長く眠れるようになりました。ここ1か月ほど肌着を着替えるたびに血の跡を手洗いでお洗濯していたのですが、それもやらなくて済むようになりました。(血の跡のお洗濯はお湯を使ったらダメなので、下洗いをしないと跡が残って取れなくなるのです。そうなってしまった肌着が何枚かあります。まあ見えないのでいいのですけれども。)
免疫抑制剤を服用していると感染症の重症化のリスクが高くなるのでそこがいやだなあと思ったのですが、先週の出張も無事行ってきて、今のところは大丈夫なようです。後はうまく薬を減らしていってリバウンドしなければ成功です。診察のたびに採血していただいて、処方する薬をどうするのか先生にご判断いただくことになります。このままおさまってくれるといいなと思っています。
<おまけのひとこと>
稲垣えみ子さんの『家事か地獄か』という本がなかなかいいなあと思っていて、肌着くらい自分で手洗いするのもいいなと思っています。出張でホテルに連泊する時など、肌着を洗って干しておくと加湿効果もあって便利です。2012年から数年間の単身赴任のときにも、けっこう家事をやっていました。
6月27日(金) 日本人は意外と文章が読めないらしい
先日読んで驚いた記事のご紹介です。
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「過半数の大人は新聞記事が読めない…」有名数学者・新井紀子氏が語る日本人の《シン読解力崩壊の驚くべき実態》という記事を興味深く読みました。
Q 次の文を読みなさい。
ガソリン車からEVへの大転換「EVシフト」は、自動車部品の製造に欠かせない工作機械にとって、EV部品の増産に向けた設備投資や、新たな加工に対応するための機械更新といった大きな需要が期待できる機会だ。
この文脈において、次の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちからひとつ選びなさい。
大きな需要を期待できるのは( )である。
@EVシフト A工作機械 BEV部品の増産 C設備投資この問題の答は元記事をご覧いただきたいのですが、中学生の正答率が6.6%、高校生の正答率は20.0%だったのだそうです。さらに、大人の正答率は24.4%で、大人であっても(4択問題なので)ランダムに回答した時の正答率(25%)程度しか正解しなかったそうなのです。びっくりです。
しばらく、X(旧twitter)に投稿してみていたのですが、宣伝・広告が多かったり、声や態度が大きいけれど論理が通じない人を見かけたりするのが嫌になって、ちょっと遠ざかっています。(というかこのサイトすら更新できないでいるので時間がないというのが正しいかもしれません。)
問題文の修飾を取り払ってみると、“「EVシフト」は、工作機械にとって、大きな需要が期待できる機会だ。” となります。これを読み解くのが困難だとすると、論理を積み上げてゆくような本を読むのはつらいだろうなと思いました。
数学者の藤原正彦氏が、最も大切な教科は国語である、数学を学ぶ上でも国語ができなければダメ、というようなことを何度か書かれていた気がします。copilotに尋ねてみたら「学科で言えば、一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下」という対談を見つけてくれました。「国家の品格」とか「数学者の言葉では」などでも類似の内容が繰り返し語られているとコメントしてくれました。
言語モデル系のAIの能力はとても高くなりましたが、chatGPTとかgeminiとかCopilotとかGrokとかを使うときにも、知りたいことは何なのか、前提条件や境界条件は何なのか等をできるだけ解釈の余地が少なくなるように記述することで、欲しい情報が得られやすくなるということは日々感じています。国語力、ますます重要になると思っています。
<おまけのひとこと>
新井先生は2022年ころのChatGPTの登場よりずっと以前から東京大学の入学試験問題をコンピュータに解かせるという研究をやられていて、注目していました。
6月28日(土) 「バタ付きパン」の英語表現
ちょっとした調べ物はまず生成AIに問い合わせてみるようになりました。
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妻が「バタ付きパンって英語ではなんて言うのかな?」 と言うので「わからないけれど butter spletted bread かな?」と答えたのですが、Copilotに尋ねてみました。こんな答が返ってきました。
例として馴染みのある児童文学を挙げてくれたのが嬉しいです。
<おまけのひとこと>
こういう調べ物、生成AIが使えるようになってとても便利になりました。ちゃんと「裏取り」しないと危ないなと思う場面も少なくありませんが。
6月29日(日) 毛玉取り
雑談です。シーツの毛玉を取る話です。ちょっと見苦しい画像を載せます。苦手な方、申し訳ありません。
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夏場はすべすべした布地のシーツを使っています。気持ちが良いのですが、長く使っているとけば立ってきて毛玉ができるのです。こうなるとざらざらして肌触りが良くありません。この毛玉を取りたいのですが、これがなかなか手ごわくて普通の毛玉取り器では歯が立たないのです。
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毛玉がたくさん ふと思い付いて、髭剃り用のカミソリでヒゲを剃るようにシーツを「剃って」みました。
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髭剃り用のカミソリを使ってみた なかなか良い感じです。カミソリの刃に詰まった毛玉というかホコリはセロテープで取り除くのが安全で効率的でした。
作業後、かなりきれいになりました。
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かなりきれいになった
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処理前と処理後 確実にシーツは薄くなるでしょうから、シーツの寿命は短くなるかもしれません。でも肌触りが悪いのは嫌なので処理してよかったと思いました。
<おまけのひとこと>
ここに書きたいちょっとしたトピックは溜まっているのですが、来週(明日)以降、どのくらい更新できるか我ながらちょっと怪しいです。頑張りたいと思っていますが。
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