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以前の「ひとこと」 : 2005年5月前半



5月1日(日) ヘンデル:60の序曲集(鍵盤用)

 今日も楽譜の話です。これは先日ご紹介した、DOVERの60 Handel Overtures Arranged for Solo Keyboardです。

図 1

 ヘンデルの序曲は管弦楽のものも鍵盤のものもいい曲が多いのですが、この本は、ヘンデルのオラトリオやイタリアオペラの序曲を鍵盤用に編曲した楽譜集で、弾き甲斐があります。 私はピアノでも交響曲や室内楽の編曲版の楽譜が好きで、そういった楽譜を時々弾いてみています。 現代のように気軽に大編成の音楽を録音媒体で好きなときに聴ける時代と違って、昔は家庭では、ピアノで(もっと昔はチェンバロやクラヴィコードなどで)管弦楽のための曲を演奏して楽しんでいたのだそうです。 一旦便利になったものは、それがなかった昔には戻れないものですが、現在のように「一度お金を払って購入した音楽は、いつでも何度でも好きなときに好きなだけ聴ける権利があるのが当たり前」という時代に聴く音楽と、昔のように、日常は大規模な音楽に触れる機会がほとんどない生活をしていて、ごくたまに生演奏の音楽を聴くというのと、どちらがより感動できるんだろうか、どちらが幸せなんだろうか、と考えてしまいます。

 この本の楽譜は、古いスタイルの手描きの楽譜をそのまま印刷した形式になっています。(図2)。 こういう楽譜もすいすい弾けるようになりたいものだと思うのですが、やっぱり普通の楽譜よりも難しいです。

図 2

 図2の上の段の最後の小節のところで、左手がヘ音記号からハ音記号(テノール記号)に変わっています。ハ音記号も単旋律ならまだなんとかなるのですが、初見で鍵盤で両手で・・・というと、まだまだ修行が足りなくて、ぜんぜん弾けません。(でもこの譜例、ト音記号で十分じゃないかと思うのですがだめですか。)

 <おまけのひとこと>
 ゴールデンウィークにやろうと思っていたことがたくさんあるのですが、ぜんぜん進んでいません。それどころか3日ぶりに更新したら、休みでなまっているせいか、たったこれだけ書くだけで2時間くらいかかりました。何をやっているんだか。
 今日は下の子が学校の「うさぎ当番」で、これから一緒に世話をしにいってきます。




5月2日(月) ガリレオ式温度計

 温度による比重の変化を利用した「ガリレオ式温度計」というのがあります。以前から欲しいなと思っていたのですが、値段もそれなりにしますし、大きさもけっこうあるので、倒して壊したりしたら厄介ですし、買わないでいました。

 先日、とある雑貨屋さんで、小型で比較的安価なガリレオ式温度計が売られているのを見つけて、つい買ってしまいました。

図 1

 お店にあったのは、高さ20cmくらいのものと15cmくらいのもので、確か背が高いほうが1,600円くらい、低いほうが1,200円くらいで、いずれも3℃刻みの浮沈子が5つ入っているものでした。背が高いほうが動きの幅が大きくて面白そうでしたが、少しでも小さくて安定がいいほうがいいなと思って、安いほうを買いました。

 浮沈子は、18℃、21℃、24℃、27℃、30℃のタグがついていて、写真では18℃の赤い浮沈子だけが沈んでいます。ということで現在の温度は18℃〜21℃ということです。 数日前のちょっと暑い日には、ゆっくりと浮沈子が動くのが見られました。見ていて楽しいです。でもこの温度範囲だと、我が家は冬のヒーターの温度設定はいつも18℃なので、冬場はほとんど変化はなさそうです。

 <おまけのひとこと>
 いつも見せていただいているペンタトニックの筒ペンタトニックの筒の徒然:20050424で、「ブラームスの音符たち」について、4月24日のひとことで書いたのをご紹介いただいていました。ありがとうございます。 私はブラームスの室内楽が好きで、なぜかヴァイオリンソナタ3曲ととチェロソナタ1番の楽譜は、ピアノパートを弾いてみたいというだけの理由で持っています。 合わせる機会は一生ないだろうなと思っていますけれども。




5月3日(火) ヘンデルの序曲をリコーダー三重奏で(その1)

 ゴールデンウィーク後半の3連休(5月3日〜5日)は、先日ご紹介したヘンデルの60の序曲集の鍵盤用楽譜から、何曲かリコーダー三重奏の楽譜を作っていました。

 この「60の序曲集」は本当に宝の山で、ヘンデルの音楽がお好きな方ならば、「いかにもヘンデル」という曲が次々と続いて、本当に楽しいです。また、鍵盤用のアレンジが、思い切って音や声部を省いてあって演奏が比較的易しいにもかかわらず、ちゃんとヘンデルらしさを保っていて、参考になります。

 いろいろ弾いてみているうちに、「これはリコーダーアンサンブルに向いているかも」と思った曲がいくつもありました。MIDIデータでご紹介してみようと思います。

G.F.Handel Overture in Siroe ov_siroe.mid(10kB) A,T,B

 最初は、ヘンデルの歌劇「ペルシャ王シローエ」HWV.24 の序曲です。Alt, Tennor, Bassの3本のリコーダー用に直してみました。調はオリジナルのままです。 前半の4拍子のゆったりしたシンフォニアと、後半のインテンポの3拍子のフーガ、どちらもヘンデルらしいとても美しい音楽だと思います。 最近はうちのアンサンブルは人が少なくて、三重奏すら今度はいつできるかわかりません。これはぜひいつかやってみたいです。

 <おまけのひとこと>
 この連休は、楽器をいじったり楽譜を書いたり(正確にはMIDIデータを作ったり)するのに時間を使うことができました。




5月4日(水) ヘンデルの序曲をリコーダー三重奏で(その2)

 昨日に続いて、ヘンデルの鍵盤用60の序曲集から、オラトリオ「ヨシュア」HWV.64 の序曲の前半です。「前半」なので、半終止形で終わっています。この後に続く部分はうまく三声にアレンジできなかったので、ここで止めました。最後を完全終止形にしてもよかったのですが、一応オリジナルのままにしました。

G.F.Handel Overture in Joshua ov_jsha1.mid(3kB) S,A,B

 今度は昨日のものよりちょっと音が高くて、Sop,Alto,Bassの3本編成です。 この曲は、私が持っているトン・コープマンのヘンデルのオルガン協奏曲のCDで、間奏曲としてオルガンソロで演奏されているのですが、ずっと楽譜が欲しいなと思っていた曲でした。 買ってきた楽譜の中からこの曲をみつけたときには、とても得をしたように思ってうれしかったです。

 この曲はチェンバロよりもオルガンの音のほうが合っていると思いました。リコーダーアンサンブルはオルガンに近い響きを作ることもできるので、うまくやればきれいだろうなと想像しています。

 <おまけのひとこと>
 小淵沢のフィリア美術館というところで、5月14日(土)の夜に、小林道夫さんのチェンバロコンサートがあるのだそうです。行かれれば行きたいなと思います。




5月5日(木) ヘンデルの序曲をリコーダー三重奏で(その3)

 ヘンデルの序曲シリーズ3回目です。今日は緩急の長調の曲にしようと思って、歌劇「ゴールのアマディージ」(Amadigi di Gaula)HWV.11 の序曲です。

G.F.Handel Second Overture in Amadis ov_Amds2.mid(17kB) A,T,B

 前半のゆったりした部分が好きです。後半のフーガは器楽的な面白さはあると思っているのですが、ヘンデルにしてはちょっと魅力に乏しいかなと思います。



 この連休中に、また少しいろいろご紹介したいもののストックが増えました。しばらくご紹介を休止していたカーペンターブロックの多面体も、新しいものが増えています。明日からはまたカーペンターブロックシリーズに戻ろうかと思っています。

 <おまけのひとこと>
 今日は資源ごみの収集日です。月に2回しかないので、祭日に重なってもお休みにはなりません。今日は年に一度の当番なので、朝6時から1時間、収集場所に行きます。寝坊するのが心配で、極端に早起きしてしまいました。最近また身体が痒いのがひどくなっていて、夜中に何度か目が覚めるのですが、朝の4時前に目が覚めたタイミングで、そのまま起きてしまうことにしました。




5月6日(金) カーペンターブロックによる多面体:紡錘型稜モデルの正四面体

 しばらくお休みしていたカーペンターブロックによる多面体構造の話の続きをはじめたいと思います。

 3月24日のひとことで、カーペンターブロックの単色セットで作る正四面体の骨格構造(テトラポッドのようなかたち)をご紹介しました。

再掲図

 このときには、4つの頂点をTREEのパーツ3つの三角錐のかたちにして、間をUFOのパーツでつなぐという方法を採用しました。ただし単色セット1セットにはUFOは4つしか入っていないので、2箇所は SQUAREで代用しました。なぜ全部 SQUAREにしないかというと、SQUAREパーツは幅があるため、三角錐の頂点のところで隣と干渉してしまうため組めないのでした。

 そこで、頂点の構造を三角錐から六角錐にしてやれば、SQUAREでも干渉しなくなるでしょう。そう思ってさっそく作ってみました。

図 1 図 2 図 3

 再掲図の構造に比べると、かなり正四面体の骨格に近づいたと思います。かなりきれいな構造だと思います。使用パーツは、TREEが24個、SQUAREが6個です。TREEが24個必要になるため、単色のセットでは組めません。色使いもいろいろ工夫できると思います。

(つづく)





 木工で多面体を製作されている積み木インテリアギャラリーいたち丸のページのトップに、「今月の新作」として、驚異的な作品が掲載されています。写真のコメントにも書かれていますが、四次元の正多面体構造である正多胞体の1つである、正百二十胞体の模型です。三次元の正十二面体に相当するものです。これを木工で作ってしまうという技量に感服します。ぜひご覧ください。大変お勧めです。

 <おまけのひとこと>
 お休みが終わって今日から仕事です。今日は上の子が修学旅行の荷物検査です。




5月7日(土) カーペンターブロックによる多面体:紡錘型稜モデルの立方体

 3月下旬から4月中旬にかけて、カーペンターブロックというブロックで幾何学構造を作る話をご紹介してきました。そのときには単色のセットや4色セットの1セットだけでどんな形ができるだろうか、ということを紹介してきました。昨日からまたカーペンターブロックで作った造形の紹介を再開したのですが、今度はあまりパーツの数にはとらわれずに、手持ちのピースでできた形をご紹介してゆこうと思っています。

 さて、昨日はSQUAREパーツの向かい合う2辺にTREEパーツを立てた細長い六角形のような形を稜として使う正四面体をご紹介しました。この手法で、原理的には正多面体をはじめとしたさまざまな一様多面体の稜モデルを作ることができるはずです。とりあえず今日は立方体の構造をご紹介します。

図 1 図 2
図 3 図 4

 図1、図2は頂点で立ててみたところ、図3、図4は面を下にして置いたところです。頂点が尖っているので、頂点で立てると、あまり立方体という印象はないかもしれません。

 立方体は頂点が8つ、稜が12ありますから、使用パーツはTREEが6×8=48、SQUAREが12です。今回はTREEが赤8個、黄色8個、オレンジ8個、白24個、SQUAREは3色それぞれ4個ずつです。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 今日は土曜日ですが仕事です。




5月8日(日) 紙の結び目

 今日もカーペンターブロックの多面体をご紹介する予定だったのですが、いつも楽しみに見せていただいている濱中さんのページの表紙の画像を見て、自分でも作りたくなって作ってみたので、今日は割り込みでその話を書きます。

 3月18日のひとことで、結び目の図を2つ載せて、ほどける(=自明な結び目である)のはどちらでしょう? という問題を出しました。また、4月10日のひとことでは、そのかたちを「知恵の輪」の鎖の輪を使って実際に作ってみました。

3月18日の再掲 4月10日の再掲

 濱中さんのページの画像は、この形および交差の上下がちょっと違ったかたちを紙で作っておられるようです。実は濱中さんから、「これは紙で作れるんじゃないか」というアイディアを教えていただいていたのですが、ちょっと試したところうまく行かなくて放ってありました。今回、濱中さんの画像をお手本に、改めて型紙を作ってみて、私も同じ結び目を1枚の紙から編んでみました。

図 1

 うーむ面白いです。折り目が全部45度になるように若干長さを調節したので、水平のパーツの中央のものが、左右に飛び出してしまいました。でも一応これはこれでバランスがとれた形になったかな、と思っています。

 これが面白かったので、もう1つ、ほどくのがもっと難しい「自明な結び目」をご紹介しようと思います。

図 2

 これがほどけることを確認できますか? 私は最初に頭の中だけで解こうとして挫折して、つぎに紙と鉛筆で図を書き始めてそれでも面倒で、その辺に転がっていた、ステレオヘッドフォン用のステレオミニプラグの延長ケーブルを使って、この結び目を作ってみました。

図 3

 図3の写真は、これでも図2とできるだけ同じかたちになるように努力した結果です。 最初はジャックを外して、端から順に図2の通りに上下に通していって、最後にジャックを差し込みます。あとはこの結合部を抜かずに1つの輪っかにほどけるかどうか試します。 写真では交差している部分の上下がわかりにくいですが、これを実際にほぐしてみると、確かにほどけることがわかりました。

 一度ほどき方がわかると、一応図を見て「ここをこうしてこうしてこうすれば・・・」というのがわかるようになってきました。 これも紙で作ってみようかと思っているのですが、設計も組むのもかなり大変そうです。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 カーペンターブロックといえば、SOZ Corporationのページに、福岡天神のデザイニング展の写真が出ていました。大きなブロックが面白そうです。また、08の写真に、正十二面体構造のモデルが飾られていて、見て嬉しくなりました。




5月9日(月) 紙の結び目(その2)

 昨日ご紹介した自明な結び目(輪ゴムのように、自分自身と一箇所も重ならないで平面上に「輪」のかたち置けるようにほどくことができる結び目)、これも紙で作ってみたくなって、まず設計してみました。

再掲図 図 1

 いろいろ長さを調節して、うまいこと1枚の紙の上で輪になるように考えたところ、上の図1のような寸法にしてやればよさそうだ、ということがわかりました。早速印刷して切り取って、四苦八苦してなんとか図1と同じ重なりになる形をつくってみました(図2)。

図 2

 いかがでしょうか。これは、知恵の輪がお好きな方ならば、なかなか楽しめるパズルではないかと思います。

 図1、もしくは図2をご覧いただけば、これがほどけたときにどんな形になるのかわかると思うので、型紙の様子も掲載してしまうことにしました。

図 3

 実際の結び目と、ほどいたときの(型紙の)輪と、どの部分がどのように対応しているのかご覧いただいて、一体これをどのようにひねくって、45度の折り線をどちらに折ってゆけばうまいこと図1の結び目になるのかわかりますか? 私は図1の目標の結び目を変形した途中経過の図を3つくらい作って、それを順にたどってゆくことでなんとか結ぶことができました。

 図2の写真は、図3の型紙をA4のサイズの紙に印刷して作ったものです。 図3はpdfファイルにしてあります。35kbyteくらいですので、興味がある方はご連絡ください。

 <おまけのひとこと>
 昨日は大変風の強い日でした。




5月10日(火) 紙の結び目(その3) : Goeritzの結び目

 紙の結び目、すっかり趣味になってしまいました。もっときれいな、もっとおもしろい自明な結び目はないかなといろいろと探索してみたら、Goeritzの結び目、というのを見つけました。(参照させていただいたページはこちらです。参照ページの“A Nasty Unknot”というのは、濱中さんのページ過去の表紙109:紙の結び目の結び目ですね。)

 下の図1が Goeritzの結び目の図です。これが1本のひとつながりの帯になっていることを、目で追って確かめてみてください。ちょっと油断して漫然と眺めていると、右側と左側の2つの8の字の輪が中央で絡まっているように見えたりしませんか?

図 1:Goeritzの結び目

 この Goeritz の結び目 というのは、1934年に発表されているもののようです。普通は一番外側が長方形になるように図示されるようですが、紙で作りやすいように、ちょっとだけ形を変えています。また、図1で、図の中央に縦に帯が絡まっている部分が上下にありますが、この絡まりの数はもっと多くすることもできるようです。

 これも紙で作ろうと思って設計してみました。 このような紙の輪がちゃんと結べるかどうかを判定する方法が濱中さんの過去の表紙122:紙の結び目2に書かれていて、大変参考になりました。ありがとうございました。

 今日のものは対称性が高い形なので、設計は簡単でした。型紙を縮小して載せておきます。

図 2

 この図2を切り取って、斜めの線のところで適切に山折、谷折してうまいことやると、図1と同じ重なり具合の結び目を作ることができます。もちろん切り抜いた図2の輪を切ったり張ったりはしません。実際に作ってみたものの写真を載せておきます。

図 3

 この結び目には帯が交差している場所が11箇所ありますが、そのいずれも帯は表と裏になっていて、重なり具合がわかりやすくて気に入っています。

 実は、型紙を2つ印刷してこしらえて、1つ目はラフに練習用にして、うまくできたら2つ目はきれいに切り取ってきれいに完成させようともくろんでいました。図3は練習用で最初に作った結び目の写真です。そのためきれいに形が整っていません。

 で、きれいに作ろうと思って気負って切り出した2つ目、無駄な反り癖などが極力つかないように、と丁寧に作ろうと思ったら、1つ目の倍以上の時間をかけても作れなくなってしまいました。完成見本が目の前にあるのに・・・。結局2つ目の紙は、1つ目以上によれよれになってしまいました。おかしいなあ。

 <おまけのひとこと>
 良い季節になってきました。




5月11日(水) 紙の結び目(その4) : Nemesis

 紙の結び目の続きです。 昨日ご紹介したUnknot Equivalenceというページにあった“Nemesis”という結び目、これも作ってみることにしました。このページにはご親切にも「ほどきかた」が図示されているので、困ったらそれも参考にできるだろうと考えました。

 図1が Nemesisの結び目の図です。いかがでしょうか、これをどうやってほどいたらいいかわかりますか?

図 1:Nemesis

 図1で、角が直角になっているところと斜め45度に落としてあるところと2種類ありますが、45度のほうは紙を折り曲げるところです。上下どちらに折り曲げるのかは、実際にやってみながら決めます。

 今日のものはこんな型紙になりました。

図 2

 この図2を切り取って作ってみたものが図3です。これを作るのは非常に厄介でした。最初は上記の“Unknot Equivalence”のほどきかたを逆にたどればすぐできるかなと思ったのですが、結局自前で途中経過の図を作りました。

図 3

 これを、「破らないでほどいてね」というのも、そんなに易しいパズルではないのではないかと思います。結ぶのとどちらが難しいでしょうか。

 <おまけのひとこと>
 今日・明日と、上の子が修学旅行です。学校に朝5時半に集合で、「学校まで送ってください」とのことだったので、送ってきました。朝は4時過ぎから起きていました。無事楽しんできて欲しいと思っています。
 昨夜、このページのアクセスカウンタが19万を越えたようです。いつもご覧いただいてありがとうございます。




5月12日(木) カーペンターブロックによる多面体:紡錘型稜モデルの正八面体

 紙の結び目の話をご紹介していて、少し間があきました。先週の金曜日と土曜日に、カーペンターブロックを使って紡錘型稜モデルと名づけた方法で正四面体と立方体を作ったものをご紹介しましたが、その続きで正八面体をご覧いただきます。

 紡錘型というのは、カーペンターブロックのSQUAREパーツの向かい合う2辺にTREEパーツを立てた細長い六角形のような形を便宜上そのように呼んでみたものです。

図 1 図 2
図 3 図 4

 図1は頂点で立てて一般的な視点から見たところ、図2は頂点方向からみたところ、図3は面を下にして置いて、別の面方向からみたところ、そして図4はまた頂点で立てて、稜の方向から見たところです。先日の立方体の写真と比べてみてください。

 使用パーツの数は、先日の立方体とまったく同じです。これは立方体と正八面体が互いに双対の関係になっているためです。具体的には TREEが48、SQUAREが12です。今回は立方体のときとまったく同じ配色で、TREEが赤8個、黄色8個、オレンジ8個、白24個、SQUAREは3色それぞれ4個ずつです。

 写真でみると、パーツ1つ1つのぎざぎざの形が目に付いてちょっとごつごつした印象になるかもしれませんが、実物を手にとって見ると、なめらかな曲線が感じられて美しいと思います。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 昨夜ちょっとはやめに家に帰ると、珍しくテレビで野球のナイター中継がついていました。修学旅行で東京に行っている上の子が、東京ドームで巨人戦を観戦するスケジュールになっていたので、その試合を見ていたのでした。




5月13日(金) カーペンターブロックによる多面体:紡錘型稜モデルの正二十面体

 カーペンターブロックを使って、「紡錘型稜モデル」と名づけた方法で、正四面体、立方体、正八面体とご紹介してきました。この3つのモデルも、それ以前にこれまで3月下旬から4月中旬にかけてカーペンターブロックで作れる幾何学形状のモデルにしても、カーペンターブロックの4色セットで作ることができるものでした。今日は初めてその制約を外して、4色セット1組では組めない形をご覧いただこうと思います。

 正四面体→立方体→正八面体とくれば普通は次は正十二面体になるのですが、この手法はデルタ多面体(三角形の面のみを持つ多面体)のほうが似合っている気がして、正二十面体を作ってみました。写真をご覧ください。

図 1 図 2 図 3

 今日の写真は全て頂点で立ててみたものです。図1一般的な視点から見たところ、図2は面方向からみたところ、図3は頂点方向からみたところです。正二十面体の1つの頂点には5つの稜が集まります。それを5色を1色ずつ使うことにして、12ある頂点のいずれにも5色が1回ずつ現れるようにしました。使った色は赤・青・黄・緑・橙の5色です。使用パーツは、白のTREEが60個(!)、赤・青・黄・緑・橙の5色は、それぞれTREEが12個とSQUAREが6個ずつになります。

 実は4月11日にご紹介した「ハイビスカス」、これが今日ご紹介した正二十面体の一部分になっています。

再掲図:ハイビスカス

 この「紡錘型稜モデル」を思いついたときに、たまたまそのタイミングでは部品としてばらばらになっていた「赤・黄・橙」の3色で、思いついた手法の正二十面体の1つの頂点の周りの構造だけを配色は無視して作ってみたのです。(でもよくご覧いただくと、稜の部分は必ずSQUAREの両側に同じ色のTREEがはまっているのがお分かりいただけると思います。)そうしたら思いのほか花っぽかったので、ちょっとアレンジしてみたのでした。

 カーペンターブロックのオフィシャルサイトであるSOZ CORPORATIONで、4月1日にご紹介したカーペンターブロックによる正五角柱を利用した正十二面体を図案化した壁紙を公開しましたとご連絡いただきました。大変うれしく思います。

 こちらです。(上の画像からも同じページにリンクしています。)よろしかったらご覧ください。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 昨夜、子供の学校まで、修学旅行のお迎えに行ってきました。とても楽しかったようで、話をきいていると、はるか昔の自分の修学旅行のことなど思い出しました。




5月14日(土) カーペンターブロックによる多面体:紡錘型稜モデルの正十二面体(内向き)

 カーペンターブロックの「紡錘型稜モデル」、最後に残った5つ目の正多面体である正十二面体を組んでみようと思ったのですが、やはりこれはきれいに安定させることができませんでした。そこで、頂点の正六角錐の部分を内側に凸になるようにして組み直してみました。それでも形を整えるのは難しかったのですが、一応写真を撮ってみました。

図 1 図 2 図 3

 いかがでしょうか。これは昨日の正二十面体と使用パーツの数はまったく同じです。

 <おまけのひとこと>
 昨夜は職場の飲み会がありました。地元の普通の居酒屋だったのですが、「野沢菜のてんぷら」というメニューがおいしかったです。




5月15日(日) NHK-FM

 本日、5月15日(日)の午後3時から、NHK-FMの海外クラシックコンサートで、“ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭2004”からというプログラムで、ヘンデルの“マカベウスのユダ”をやるそうなのですが(プログラムはこちら)、その解説が、大学の頃のサークルで一緒だった三ヶ尻正さんという方なのです。残念ながら私はその時刻はちょうど都合が悪くて聴けないのですが、よろしかったらお聴きください。



 先月の甲府の古楽フェスティバルで買ってきた楽譜は、まだまだ一度も鳴らしてみていないものがたくさん残ってしまっていますが、昨日ちょっと、その中の1冊を弾いてみました。テレマンの鍵盤のための36のファンタジアという楽譜です(図1)。

図 1

 国産の楽譜では音楽の友社から、バロック作品集「テレマン集」というのが出ていて、その中にもこの「ファンタジア」から何曲か入っているのですが、一通りそろっている楽譜が欲しくて買いました。DOVERの0-486-25365-1 という番号で、“Georg Philipp Telemann THE 36 FANTASIAS FOR KEYBOARD”という名前です。値段は1890円でした。

 さて、この楽譜の表紙の鍵盤の絵をよく見ると、一番低い位置の黒鍵2つ、なんだか盛り上がったところがあります(図2)。この絵そのものは1677年に描かれたものらしいのですが(それを写真に撮って表紙にしている)、これは、用意された普通の鍵盤の範囲よりも低い音が必要な曲の場合に、必要に応じて調律して使うための鍵だと思います。

図 2

 この曲集は、完全な2声の曲として書かれたものもたくさんあって弾きやすいのですが、たとえばヴァイオリンとチェロとか、ソプラノリコーダーとバスリコーダーとか、同種の楽器の二重奏でやっても面白そうな曲がいくつもありました。

 <おまけのひとこと>
 今日は雨が降って寒いです。




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