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以前の「ひとこと」 : 2020年10月後半



10月16日(金) 「くねくねチェーン」による8の字結び目

 10月後半になりました。今日は「くねくねチェーン」の8の字結び目のご紹介です。こんなかたちを作ってみました。

Fig.1 : figure eight knot

 8の字結び目は41と表記される、交点数が4の唯一の結び目です。代表的な表示のされ方として下の図のようなパターンがありますが、今回は対称性が高い右側をお手本に作っています。

2 expressions of "figure eight knot"

 少し視点を変えてみました。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 このブロックならではの8の字結び目の表現ができないかなと思って試してみたのですが気に入ったかたちが見つからず、今はこのかたちで飾ってあります。

(つづく)



 今年の3月に、こんなタイリングパターンをご紹介したことがありました。

 当時も書きましたが、これはThe Unusual Properties of Tricurves(Tim Lexen:2017)という論文を見て、とても面白いなあと思って自分でも図を作っていろいろ調べてみたのでした。

 昨日なんと著者のTim Lexen氏からメールをいただいて、いくつか画像を送っていただきました。大感激です。許諾を頂けたらここでもご紹介したいと思います。

<おまけのひとこと>
 昨日は久々に在社時間+通勤時間が15時間を超えて、かなり疲れていたのですが、思いがけない嬉しいメールを頂いてとても元気が出ました。






10月17日(土) 円弧三角形による規則性のないタイリング

 昨日、円弧三角形によるタイリングについての記事を公開されているTim Lexen氏からメールを頂いたということを書きましたが、早速再度メールを頂き、図を公開することを快諾頂いただけでなく、他の情報源についても教えていただきました。とても嬉しいです。ありがとうございます。

 こちらのBending the Law of Sines(Tim Lexen:2018)、Combining Tricurves(Tim Lexen:2018)、Phantom Tiling(Tim Lexen:2018)など、いずれもとても面白いです。

 "Bending the Law of Sines" の最初のほうにあるこの図、

 中央にある6回回転対称の星型のようなかたち

の周りに同じ円弧三角形を配置していっているのですが、これが非周期的かつ対称性を持たせずにタイリングされていて、とても面白いのです。円弧三角形によるタイリングに慣れていないとよくわからないかもしれないので、鏡像対称になっているものを色分けしてみました。

 いかがでしょうか。色分けしてみると、この不規則性がよくわかると思います。この外側にどんなふうにピースがはまってゆくのかを考えるとさらに楽しいです。

(つづく)



 100円ショップでこんなランプを買いました。

 ランプシェードの部分は手毬(てまり)のように糸で形作られています。LEDのランプとボタン電池や電源も含めてこれが100円なんて、製造業に勤務する者として、空恐ろしいです。

<おまけのひとこと>
 図はblogのほうに置かせてもらっているので、そちらのほうにも簡単な記事を書きました。






10月18日(日) 覆面算

 タブレット端末でニュースを見ていたら、覆面算を解くらしい動画の宣伝がありました。こういうのを動画で見るのは好きではないので、問題だけ記憶して、自分で考えてみることにしました。

 紹介されていたのは確かこんな問題でした。(オリジナルとアルファベットの順番は違うかもしれません。)

 割り算の覆面算の筆算です。9個の異なる数字が1回ずつ使われています。数字は0〜9のいずれかです。二桁の数字の十の位は0にはなりません。

 小学校で習う書き方をするとこんな風にも書けます。

 これはこういうことです。

 10分〜15分くらいのんびり試行錯誤すると答が見つかりました。途中の考え方をblogのほうに載せてみました。答は書いていません。

 10種類の数字のうち1つだけ使わないものが出てくるのが残念です。小学生くらいが、根気よく場合分けして考えるのに向いている良い問題のような気がします。小学生のころの自分がどのくらいの時間で解けるのか、昔の自分にやらせてみたいです。



 昨日の朝は1か月ぶりの通院でした。帰りに食品スーパーで買い物をするつもり、と言ったら、妻から「カカオ86%? 88%?のいつも買っているチョコレートを買ってきてほしい」といわれて、こんな感じのリーフレットを手渡されました。

 私はとにかくカカオ86%?88%?の製品を買って帰ればいいのね、と思って、買ってきたのはこれでした。

 実は妻に頼まれたのは「カレ・ド・ショコラ」という製品だった(らしい)のですが、製品名を言われなかったので、この製品の存在を認識できていませんでした。妻に「リーフレット渡したのに…」とあきれられました。妻は「これ(チョコレート効果)でもいいよ」と言ってはくれましたが、「おつかい」も満足にできなかった自分が恥ずかしくて、もう一度車に乗ってお店に行って「カレ・ド・ショコラ」を買いに行きました。ところがちょうどパッケージデザインを更新するタイミングだったらしく、おそらく今までのデザインの製品が1つと、新しいデザインの製品が5〜6個陳列されていました。(消費期限が違うのでわかりました。)

 一度「おつかい」に失敗した直後なので、慎重にパッケージの栄養成分表示を見比べて違いがないことを確認し、「中身はどっちでも同じだよ」と言えることを確かめて、新しいほうのデザインのパッケージを買ってきました。間違って買ってしまった「チョコレート効果」のほうは私の「おやつ」にすることにしました。

 こちらに女性が選ぶ「機能性チョコレート」ランキングという記事がありました。利用率1位は「チョコレート効果」、満足度1位は「カレ・ド・ショコラ」でした。なるほど。



 馴染みのない製品を買うのは悩ましいです。「おつかい」のもう1つは「豆乳ヨーグルト」だったのですが、「豆乳グルト」という製品名のものしかなくて、それでいいのか悩みました。確か同じパッケージが冷蔵庫に入っていたのを見たことがあるよなあと思って買ったら、それは正解でした。

<おまけのひとこと>
 実は代々のお墓がある墓地の石垣が危険な状態になってきていて、その工事に関して相談しなければならない状況になっていて気が重いのです。そんな心配事を抱えていて、ちょっとぼんやりしていて買い物に失敗してしまいました。(こんなことこそblogに書けばいいのかな、と思いつつここに書いてしまいました。)






10月19日(月) PSYCHO-CHESS

 昨日の日曜日、ちょっと出かけたときにリサイクルショップに寄ったら、こんな古いボードゲームが330円(3$くらい)で売っていたので、喜んで買ってきました。

package of "PSYCHO-CHESS"

 「アノア」という会社の製品のようです。日本で考案されたゲームで、日本の将棋のルールを完全に理解していることを前提としています。将棋と同じく9x9の81マスの盤を使い、コマも将棋と同じくそれぞれ8種類20個を使います。ただし、コマの種類は相手からは見えません。また、相手の陣地に侵入したときに「成る」(promote)という概念はありません。

 最初に、自分の陣地(手前の3行)に、20個の将棋の駒を好きな配置で並べます。並べ方は自由です。「2歩」(同じ列に2つの歩(pawn)を置いてはいけない、という日本の将棋の独特のルール)はこのゲームでは適用されません。

initial state

 コマの動きは、全てのコマは単なる移動の時はチェスのクイーンと同じくタテヨコ斜めにいくらでも進めます。飛び越すことはできません。ただし、相手のコマを「取る」(capture)動作の時には、本来のそのコマの動きでしか取れません。「取る」ときには相手にコマを見せて、その動きが正しいことを示します。(ここでそのコマの正体がわかります。)取ったコマは普通の将棋と同じく、自分の手番の時に好きな場所に「打つ」ことができます。通常は許されない、行き場のない場所に打つこともできます。(キャプチャしないときにはクイーンの動きができるので問題ありません。)

 今回は妻がテストプレイの相手をしてくれたのですが、いきなり妻の「王」(king)の位置がわかってしまって、私の側にとても大きなアドバンテージになりました。

 ゲーム終盤です。

final state

 盤面の右上のあたりはこうなっています。相手側の記号が書かれているのは、キャプチャした結果、コマの種類がわかっているものです。自分の「桂」(knight)と「角」(bishop)は相手にはまだ知られていません。「桂」で王手をかけました。

 一応チェスの表記で同じ図を作りました。

 狙い通り、「飛」(rook)で「桂」(knight)を取ってくれたので、私が勝ちました。



 このゲームは日本の将棋をモチーフとした「フェアリーチェス」の1つです。ネットで検索してみたのですが、ほとんど情報はありませんでした。古いゲームだからだと思います。でも、こちらのサイコ・ゲームというサイトには、ゲームのレビューとルールブックの画像のキャプチャデータが公開されていて、とても素晴らしいです。

<おまけのひとこと>
 今朝は遅くなってしまいました。






10月20日(火) くねくねチェーン:三葉結び目の別表現

 ちょっと違う話題をはさみましたが、もう少し「くねくねチェーン」の話題を続けます。また三葉結び目に戻ります。

 三葉結び目には、以下のような代表的な2種類の表現方法があります。一見まるで違った結び目に見えますが、交点数が3で、これらは互いに行き来させることができます。

2 expressions of "trefoil knot"

 これまでは上の図の左の3回回転対称になったかたちばかり作ってみましたが、右側のパターンを作ってみることにしました。まずはピースの角度は直角かまっすぐだけを使うことにして、厚みが2のものを途中まで作ってみたところです(Fig.1)。

Fig.1

 パーツをたくさん使っている割にはあんまりおもしろくありません。パーツを減らして、なめらかなかたちのものに変えてみました(Fig.2)。これは3回回転対称のかたちと行き来させることができることを確かめてみました(Fig.3)。

<--->
Fig.2 Fig.3

 これは手先のパズルとして面白いです。きれいに形を整えるのが楽しいです。

 ちなみに8月にはスネークキューブでこの2種類の三葉結び目の表現を作ってみたのをご紹介しています。

 結び目の模型を作ってみるのは面白いです。

<おまけのひとこと>
 昨日は帰りが遅くなってしまったので、今朝は簡単な更新です。覆面算に関してメールをいただきました。ありがとうございます。ちゃんと理解してからお返事させていただきます。






10月21日(水) 立方体をつないだ三葉結び目の別表現

 昨日、「くねくねチェーン」で三葉結び目の右側の表現がうまく作れなかったという話を書きました。

 基本に立ち返って、目標となるかたちはどんなかたちで、立方体はいくつ必要なのか、考えてみることにしました。CGを作ってみました。(gifアニメーションで視点を交互に変えて立体的に見えるようにしています。)

Fig.1

 こんなかたちかなあと思います。でも、おそらくこれだと「どこが三葉結び目なの?」と思われるでしょう。そこで、立方体をどのように繋いでいるか、中心を結んだ図を作ってみました。

Fig.2

 外側の立方体と黄色い骨格部分を重複して、外側の立方体を徐々に透明にしてゆく図を作ってみました。(なお、以下の4つの図はクリックすると別フレームで大きな画像を表示します。)

transmittance 0 transmittance 0.5
transmittance 0.8 transmittance 0.9

 ここまで図を作った後で、「これ、対称性が低い!」と気が付いてがっくりしています。でも今朝はもう図を作り直す時間がないので、このまま掲載します。後で図を作り直します。どこをどのように変更するともっと対称性が高くなるかわかりますか?

(つづく)



 昨日は在宅勤務で、業界団体のweb会議に終日参加していました。最初の2つの会議は発言のチャンスがほとんどありませんでした。3つ目の会議は発言する機会がありました。昨日は自宅のNetの状態が良くて快適でした。前回はこちらの発言が途切れてしまってとても申し訳なかったのです。(通信のパケットをモニタしながら会話しています。)

<おまけのひとこと>
 本当は今日は「くねくねチェーン」の実物の写真を載せようと思っていたのですが、解説用のCGが必要だと思って、早朝に1時間ほどかけて作りました。図を作ったところで立方体の位置が2か所間違っていることに気が付いたのですが、図を作り直すと15分くらいかかってしまうので(その15分が今朝はもう捻出できない)、開き直ってこのまま掲載します。






10月22日(木) 立方体をつないだ三葉結び目の別表現(その2)

 昨日のCG、対称性が低かったので修正しました。

-->
Fig.1 Fig.2

 静止画像を2つ並べても、どこがどう変わっているのかわかりにくいかもしれないので交互に表示してみます。

Fig.3

 骨格としてはこんなかたちになります(Fig.4)。これだと、ひっくりかえしても同じかたちになっているのです。

Fig.4

 さてこれで目標のかたちは説明できました。



 このかたちを「くねくねチェーン」で作ってみようと思いました。簡単にできそうな気がしました。ところが、ジョイントが合わないのです。

 ピースを16個使って、下の写真の左側の緑色のような構造を作ります。これを2つ(赤と青)組み合わせると、右側のようになります。きれいな構造です。

Fig.5
Fig.6

 ところが両端を接合できるパーツがないのです。むりやりはめるとこんなことになります(Fig.7)。

Fig.7

 このかたちは気に入りません。写真だけ撮ったらさっさと分解しました。つくづくブロック玩具というのは万能のものはないなあと思います。

<おまけのひとこと>
 30年くらい前に卒業した大学の研究室の恩師の教授が米寿(88歳)になられたということで、お祝いと記念品を取りまとめるというメールをいただきました。若いころに同じ研究室で議論していた方々の多くがアカデミックな世界で活躍されていて、ちょっと羨ましくなりました。私はパズルや音楽や数学をアマチュアとして楽しんでいる日々の自分の生活に満足しているので、この歳になってまだこんな気持ちが自分に残っていたのか、と我ながらちょっとびっくりしています。






10月23日(金) 円弧三角形による中心に穴のあいたタイリング(その1)

 円弧三角形によるタイリングを発明したTim Leven氏から、こんな画像をいただいたのです。

Tricurves Tiling by Tim Leven

 中心にぽっかりと空いた円が強い印象を与えてくれています。周囲は敢えて規則的でない配置になっています。それがまた、たまらなく魅力的です。

 そもそも中心に丸い穴をあけてみる、という発想が素晴らしいです。穴のまわりに規則的にピースを配置する方法はたくさんありそうです。この1枚の画像から、そういったたくさんの連想が引き出されます。本当に魅力的な画像です。



 こういうのは自分で真似してみるといろいろな発見や気付きがあって面白いのです。また、出来上がる図そのものが喜びです(きれいな図が描ければ)。

 まずは手作業で、円弧三角形を30度ずつ回転させたもの、およびその鏡像対称のオブジェクトを用意します。

Fig.1

 この24のピースのうち、必要な向きのものをコピーして配置しながら図を作ってゆきます。(下のFig.2のそれぞれの円弧三角形が上のFig.1のどの向きのものなのか、すぐにわかりますか? 私は時々選び間違って、「あ、合わない、間違えた」ということが作業中に何度かありました。)この作業が楽しいのです。まず、頂いた画像の中心の円の周囲を並べてゆきます。

Fig.2

 あれ、なんだか変…

(つづく)

<おまけのひとこと>
 頂いた写真(画像をクリックすると拡大します)と私が作った図(Fig.2)を見比べてみてください。何が違うのでしょうか?






10月24日(土) 円弧三角形による中心に穴のあいたタイリング(その2)

 昨日、Tim Leven氏からいただいたこの画像を真似して作ろうとしたらうまくいかなかった、という話を書き始めました。

Tricurves Tiling by Tim Leven

 私は、3月24日にご紹介した、3つの円弧の長さの比が1:2:3になっている、頂角が30-60-90の円弧三角形(tricurves)でこの写真のタイリングパターンを真似しようとしていました。

30-60-90

 そして、「あれ、この写真の中央の丸い穴は、10単位の円弧で囲まれている!」と気が付いたのです。

surrounded by 10-unit arcs

 私が使おうとしていた30-60-90の円弧三角形は、12単位の円弧でちょうど円が完成します。なので「数が合わない!」と思ったのでした。



 これを、tricurvesを考案されて研究されているTim Leven氏にメールで尋ねたところ、「tricurves は一種類ではないのですよ」と、こちらのページを改めて教えていただきました。確かに、以前教えていただいたページを見ると、同じ半径の円弧で囲まれたいろいろな形状の図形によるタイリングが紹介されていたのを見ていたはずなのですが、こんなに形状が似ているものがあったということを見落としていました。

2 examples of tricurves

 今回見せていただいた画像は上の右のタイプの(36-72-72)円弧三角形によるタイリングパターンだったのに、私が間違って左のタイプの(30-60-90)円弧三角形でパターンを作ろうとしてしまったのが誤りの原因でした。



 というわけで改めて自分でも部品を用意しました。36-72-72の円弧三角形とその鏡像反転を10方向の向きにしたものを準備して(Fig.2)、

Fig.2

 それをコピーしながら、いただいた画像のパターンを途中までトレースしてみました。

Fig.3

 これは面白いです。新たに5回回転対称、10回回転対称の規則的なパターンや、中央に円のある規則的なパターンなど、いろいろ図を作ってみたくなりました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 covid-19 の対策のために年末年始休暇をどうするのかという議論が国や政府で始まっているようです。ここ数年、年賀状には「その1年で一番おもしろかったパズルや数学や音楽などの話題」をシンプルな図で紹介するようにしています。今年も新たな面白いことにたくさん出会いましたが、この円弧三角形(tricurves)によるタイリングというのはその中でも群を抜いているかなあと思いました。






10月25日(日) 36-72-72の円弧三角形による規則的なタイリング(その1)

 昨日までの話題の続きです。改めて円弧三角形による5回回転対称、10回回転対称の規則的なパターンを作ってみることにしました。

 以前もご紹介しましたが、円弧三角形はこんな風に(日本の古典的な文様の)「青海波」のように並べることができます。

similar to the traditional Japanese pattern "Seigaiha"

 鏡像対称モデルを好きなように混ぜて重ねることもできます。

randomly arranged pattern of mirror image tiles



 今回の36-72-72の円弧三角形も同様に重ねてみます。ただし全体として凧形になるようにします。

kite shaped arrangement

 この凧形を部品として、回転させて組み合わせることを考えます。

5-rotational symmetry 10-rotational symmetry

 こんな感じになります。

5-rotational symmetry

10-rotational symmetry

 もちろんこれは隙間なくずっと無限に広げてゆくことができます。

(つづく)



 私がこれらの絵をどうやって描いているかというと、下のような背景を透過色に設定したgif画像ファイルを用意しておいて、それをPowerPointとかExcelとかで読み込んで、必要に応じて回転させたりコピーしたりしながら絵を作っています。

 上の画像を「名前を付けて保存」していただくと、同じことができると思います。色を変えたければPaint系のソフトで編集してください。ピースをグループ化して回転させたりコピーしたりするとさらに便利です。これだけでも何時間も遊べます。

<おまけのひとこと>
 昨日の土曜日、今日ご紹介した図を始めとしていくつかの図を一生懸命作っていました。その作業の最中に妻がやってきて何か大事なことを話してくれたようなおぼろげな記憶があるような無いような気がしたのですが、後で妻に尋ねてみたところ、案の定、話をしたそうです。「あなたはちゃんと返事をしていた」と妻は言うのですが、ごめんなさい、上の空でした。






10月26日(月) 36-72-72の円弧三角形による規則的なタイリング(その2)

 ここ数日、36-72-72の円弧三角形のタイリングを試しています。昨日の5回回転対称のパターンをすこし変えてみました。

 昨日はこんな五芒星のパターンをご紹介しましたが、

5 pointed star

 隙間の部分をもう少し埋めて、正五角形のようなかたちにしてみました。(縁はギザギザしています。)

regular pentagon

 次の図は一見10回回転対称のように見えますが、これも中心を見ていただくとわかるように5回回転対称なのです。

5-rotational symmetry

 この図だけで円弧三角形を200ピース近く使っています。実物で作ったら大変そうです。コンピュータで図で描くことの良い点は、ピースがたくさん必要なパターンでも問題ないこと、作ったデザインを簡単に保存しておくことができることかなあと思います。また、いったん作ったものを読みだして、それに手を加えたりすることも簡単です。

(つづく)



 私の祖先の先祖代々の墓地は、少なくとも400年くらい前から続いているらしいです。おそらく日本には、もっと昔からの農村が全国津々浦々にあって、そういうとても古い墓地が数限りなく存在していると思います。

 おそらく遥か昔は墓地の管理というのは集落でみんなでやっていたのだと思います。村の中のお互いの顔も名前ももちろん知っていて、それどころか何世代も前にはどの家にはどんな人がいたのかも含めてみんなが知っている、そんな社会だったはずです。新たに人が他所からはいってきたり、どこかに出て行ったりするというのはおそらく大事件で、めったにあることではなかったのだろうと思います。

 今は私自身のように墓地がある集落からはかなり離れたところで暮らしている人も増え、墓地の管理はとても難しくなっています。墓地管理組合の会費はささやかで、その会費だけで通路の補修や育ちすぎた木の伐採などをするのは難しく、そういった問題が生じたときにどうするのか、意見をまとめるのがとても難しくなっています。

 今回、そういった補修が必要な箇所が私の家の墓地のすぐ近くで出てきて、それをどうするのか、昨日の日曜日に現場を見に行ってきました。それこそ車が買えてしまうくらいの費用がかかってしまうような工事が必要らしいのです。それを放置して大きな被害が出たらどうするのか、でも費用をかけて補修するとしたらその費用負担はどうするのか、頭の痛い問題です。

<おまけのひとこと>
 できれば自分の子供の代に負担になるようなことは最小限にしておきたいと思うのです。ただ、私の両親も同じことを考えてくれていたのですが、なかなかそう簡単にはいかないようです。






10月27日(火) 「くねくねチェーン」の平面的な(二層構造の)三葉結び目

 すみません、「くねくねチェーン」の結び目の話に戻ります。(今日は時間がないので写真のご紹介だけです。)



 先日、こんな三葉結び目をご紹介して、ピースどうしの角度が90度になっていなくて歪んでいてあまり好きではない、という話を書きました。

 中央の3か所の交差の構造は残したまま、うまく結び目として連結できないかなと思って少し試してみました。

Fig.1 : trefoil knot

 一応、ピースの寸法2単位分の高さにはなっています。でも、あまり気に入った構造にはたどり着けませんでした。



 3回回転対称で、2単位分の高さになっている構造を作ってみました。

Fig.2 Fig.3

 こっちのほうが好みかな、と思いました。これは分解せずに保存してあります。

(つづく)



 毎年、勤務先で健康診断を受診しているのですが、昨日はその結果の説明があるということで呼び出されました。健康管理センターに行くと、いきなり「突然ですが内臓脂肪を測ってみましょう」と言われて、シャツをめくっておなかを出して、こんな装置(panasonic EW-FA90)で計測してもらってきました。

 この計測装置は100万円くらいするのだそうで、人間ドックとかでも計測してもらうと数千円のオプション費用が必要なのだそうですが、会社の健康保険のコスト削減のための施策の一環で、この計測器をレンタルして、健康診断の結果、やや問題がありそうな人を呼び出して計測してくれているのだそうです。

 また3か月後に計測してもらえるのだそうで、少しは数値が改善しているようにしないといけないな、と思いました。計測して定量化する、ということは意識づけのために大切なことだと思います。

 技術者としては、これがどんな原理で計測されているのか、繰り返し計測したときのばらつきはどのくらいあるのか、信頼性はどのくらいあるのか、などが気になりますが、きちんと管理医療機器として認可を受けている製品なので、そのあたりはものすごくしっかり審査されているはずだと思います。

<おまけのひとこと>
 昨日の朝、通勤のための車の窓がしっかり凍っていて、窓用のスクレーパーで削り取りました。車外温度計は1℃でした。今週末、早々に冬タイヤに交換してしまおうと思っています。






10月28日(水) 「くねくねチェーン」のボロメアンリング、他

 「くねくねチェーン」のボロメオの輪、机の上に飾っていて時々いじってみています。こんなかたちができました。

Fig.1

 一見不安定そうで、でも自立しているのがいいなあと思います。

 3つの「環」が絡まっていますが、1つはこんなかたちです。

Fig.2

 実はこれも「鋭角型菱形六面体」のような組み方と、「鈍角型菱形六面体」のような組み方の2種類の異性体構造があるということに気が付きました。今日の写真は鈍角型のほうです。(すみません、説明が不親切で「何を言っているのかわからない」かと思います。)

(つづく)



 先日、リサイクルショップに行ったときに、ブロックの万年カレンダーがあったので買ってしまいました。

Fig.3

 以前から雑貨屋さんなどで見かけて、買おうかどうしようかと迷って、結局買ったことのないものでした。パズルっぽい万年カレンダーをいくつか持っていますが、いずれも楽しいです。



 先日、母に「般若心経」を1枚の葉書に書くというのをやってみたら? と勧めたところ、毎日書いてみてくれているようで、週に一度くらいまとめて届くようになりました。

 雨に当たって滲んでしまっているところがあります。これもまた「味」だと思いました。

 何かそういう「やること」があるということは母にとって良いことになっているといいなあと思っています。ただ、まとめて送るなら封書にしたほうが安いと思います。(消印を見ると、まとめて投函しているみたいです。)せっかく「葉書」なので、運動も兼ねて毎日投函しに最寄りのポストまで歩いたらどうだろう? と今度提案してみようかなと思いました。

<おまけのひとこと>
 今日はちょっと仕事の山場です。
 秋になってだいぶ気温が下がったせいか、夜、いままでよりもよく眠れるようになった気がします。夜中に目が覚めても、もう一度寝付くことができるようになりました。良かったです。






10月29日(木) カプレカ操作(その1)

 カプレカ操作(Kaprekar process)という数字の遊びを知りました。4桁の数字を考えます。例えば今日は10月29日なので、1029にしましょうか。この4桁を構成する4つの数字 1, 0, 2, 9 を大きい順に並べた数9210と、小さい順に並べた数0129を考えて、大きいほうから小さいほうを引き算します。そうすると答は 9081になります。以下、この操作を続けてみます。

"1029"
9210 - 0129 = 9081
9810 - 0189 = 9621
9621 - 1269 = 8352
8532 - 2358 = 6174
7641 - 1467 = 6174

 となって、6174 が固定点(fixed point)になっていることがわかりました。 4桁の数字がすべて同じ、例えば 1111, 2222, 3333,…などは大きい順も小さい順も同じなので引き算するとゼロになりますが、それ以外の数から始めたらどうなるでしょう? 適当な4桁の数から始めて、どうなるか試してみてください。他にも固定点はあるでしょうか? 周期解はあるでしょうか?

(つづく)



 サイエンス社の「数理科学」という雑誌があります。昨日の帰りに珍しく本屋さんに寄り道したのですが、そのときに店頭で見かけた2020年11月号

 を衝動買いしてきました。「情報幾何学の探求」という特集で、甘利俊一先生の記事が読みたかったのです。私は前回、前々回のニューラルネットワークのブームのときに勉強していたことがあるのですが、当時も(今もですが)理論的なアプローチが難しすぎて不足している中、甘利先生の考察はとても面白くて刺激的でした。

 これから楽しみに読んでみたいと思っています。(少しでも「わかった気になれる」「イメージがつかめる」といいなあと思っています。)

<おまけのひとこと>
 今日の午後はとても楽しみなNetイベントがあります。ネットワークの状態が良いといいなあと思っています。






10月30日(金) Z型リングによるボロメオの輪(その1)

 先日「くねくねチェーン」でこんな構造を作ってみました、という写真をご紹介しました。

 このかたち、なかなか面白いのです。少し考察してみました。



 まず、それぞの輪はこんなかたちをしています。これをZ型リングと呼ぶことにします。

Fig.1

 このリングを、3次元空間の3つの座標軸方向に向けた姿勢にしてみます。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 この3つを重ねてみると、こうなります。「ボロメオの輪」が完成します。

Fig.5

 さて、ここでZ型リングを1つだけ向きを変えてみましょう。わかりにくいので3つのリングにそれぞれ別の色を付けて、座標軸は消します。

Fig.6 Fig.7

 青いピースだけが向きが変わっています。さて上の2つの「ボロメオの輪」、仮にピースの色が全部同じだとしたら、この2つは同じ立体でしょうか、異なる立体でしょうか。異なるとしたら何がどう違うのでしょうか。どちらがより対称性が高いとか、対称性の構造が違うとか、ということはあるのでしょうか?

(つづく)



 ちょうど1か月ほど前に、自宅に棚を施工してもらう相談をしました。(こちらのblogに簡単に書きました。)

 こんな感じに作ってもらうことを正式に依頼していたのですが、「今は冬を迎えて窓の二重化とかの工事が立て込んでいて、まあなんとか年内にはできるようにしますが、ちょっと待ってください」と言われていました。ところが昨日突然、この週末に工事ができそうだが可能ですか? という連絡がありました。

 まあ早いほうがありがたいのでお願いすることにしたのですが、いったん部屋を空っぽにしなければなりません。昨夜は大急ぎで施工予定の一角を片付けました。大変でしたがなんとか準備ができました。

<おまけのひとこと>
 いつもの仕事の後で、思いがけず肉体労働になってしまって大変でした。でも良い運動になったのでよく眠れるかなと思ったのですが、いつも通り4時間くらいで目が覚めて眠れなくなって、そのまま起きて今日ご紹介したCGを作ったりしていました。






10月31日(土) 「電子レンジでポップコーン」の経験値が上がってきた

 週末で、のんびりしていたら更新がお昼になってしまいました。月末最終日で週末なので軽い話題です。



 ちょうど2年ほど前、「電子レンジでポップコーン」という話を書きました。新聞紙と「針無しホチキス」を使って、こんな容器を作って電子レンジでポップコーンを作るという話です。

 あれから2年、業務用の1kg入りのポップコーンの大袋を一袋完全に消費して、2袋目を買って、それを8割くらい消費しました。順調にノウハウを蓄積しています。

 最近は同じ大きさの紙でちょっと深い箱を折って、炒ったポップコーンをその中に入れるようにしています。

 テトラパックのような容器から中身をぜんぶ四角い箱にあけて、

 爆ぜずに(はぜずに)残っているコーンをもう一度加熱用の袋に戻して、

 電子レンジで600Wで90秒、というのを3〜4回繰り返します。

 食べ終わった後は、四角い袋は使い捨ての小さなごみ箱として活用しています。楽しい…



 先日、webの対談会を聴いたのですが、開始前に通信のテストを兼ねた雑談をきいていたら、面白い話がありました。

 今、COVID-19 でリモート会議が盛んに行われるようになって、それでも十分会議が成立する、と認識している方が多いと思う。でもそれはリモートではない面前での会議の経験があるので、リモートであってもある程度状況を推察したりできることが大きいのではないか。例えば電卓を使って計算をする場合、筆算やソロバンなどで計算をした経験が豊富であれば、電卓を上手に使えるが、そういう経験が全くないと、電卓の打ち間違いや操作ミスでとんでもない結果が出てきても気が付かない。リモート会議もそれと同じではないか。

 …という話でした。説得力があるような気もしますし、ちょっと違うのでは、という気もします。いずれにせよ、リモート会議しか知らない人はリアルな面前での会議の心理的な敷居が高くなるのではないか、とは思いました。

<おまけのひとこと>
 棚の造作工事、昨日あっという間に終わったそうで、帰宅したときには仕上がっていました。ちょっと疑問点があって、少し追加加工を依頼しました。
 今日は早々に冬タイヤに交換してしまいます。






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