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以前の「ひとこと」 : 2020年11月前半



11月1日(日) 円弧三角形による中央に丸い穴の空いたタイリング(その1)

 11月になりました。tricurves(円弧三角形)のタイリングの話の続きを書こうと思います。



 先日のTim Leven氏のこのパターンがとても印象に残っていて、自分でも中心に丸い穴のあいたタイリングをしてみたいと思ったのです。

 まずは規則的な、回転対称形のパターンを考えることにしました。こんな風に始めることもできそうですし、

Fig.1

 こんな風に始めることもできそうです。

Fig.2

 また、こんな風に始めることもできそうです。

Fig.3

 これらは先日ご紹介した以下の2つのgif画像を読み込んで、コピーしたり回転したりして作っている画像です。

 もちろん、(厚紙に印刷して切り抜いたりして)本物を手に取って並べてみるのがいちばん楽しいのは間違いありません。でも、こうして画像でパソコンの中で絵を作ると、正確に36°単位で回転させることができたり、グループ化してまとめて部品として扱ったり、できた画像をそのまま保存したりできます。これは楽しいです。

(つづく)



 昨日の土曜日に続いて、また更新がお昼過ぎになってしまいました。今朝はバリカンで自分で自分の髪をカットしたり、その後でけっこう険しい山に山登りしたりしてきました。登ったのは仏岩というところです。こちらの山の記録のサイトの仏岩 (^^♪長和町大門峠ステキな看板に魅せられてという記事が地図も写真もあってわかりやすいです。

 棚の造作工事の話とか、上記のささやかな山登りの話とか、blogのほうに書こうかなと思っていますが(まだ書いていませんが)、そんなことをしていたら午後になってしまいました。

<おまけのひとこと>
 東京で就職して今年から働いている息子から連絡があって、中学校のときの同級生が亡くなったのでお通夜に参列するため明後日日帰りで帰ってくるというのです。そんなに若くして亡くなるなんて、ご本人はもちろんご家族もさぞかし無念だろうと思います。






11月2日(月) 円弧三角形による中央に丸い穴の空いたタイリング(その2)

 昨日の3つのパターンを回転対称なかたちに完成させてみました。最初のこのパターンを5つ配置すると

 こうなりました。(一応、画像をクリックすると拡大します。)

 このパターンからは

 こんなかたちが、

 また、こパターンからは

 こんなかたちができました。

 最後のパターンだけは10回回転対称です。



 同じことを30°-60°系の円弧三角形でもやってみることにしました。

 こちらのほうは円周が12単位に分割されるので、対称性のあるパターンのバリエーションは豊富になりそうです。

(つづく)



 ハワイ語のアルファベットは、母音が5つ(a,e,i,o,u)と子音が7つ(h,k,l,m,n,p,w)の全部で12しかないのだそうです。なので、Halloween Pumpkinと綴ると、この12のアルファベットが全て使われ、かつそれ以外の文字は現れないのだそうです。すごい。

 ハロウィンは終わってしまったのでタイミングを逃した話題ですが…



 リスーピアワークショップを担当させていただいて10年以上になりましたが、今年はワークショップができませんでした。もともとオリンピックの開催に合わせて今年度はワークショップは「無し」だったのですが、COVID-19で今年はオリンピックが開催されなくなっても(当然ですが)通常のワークショップは復活せず、リスーピアのスタッフによるオンラインのワークショップが実施をされているようでした。

 今後はどうなるのかなと思っていたのですが、昨日久々に連絡をいただいて、従来の形式のワークショップはもう行われないことになったということのようでした。ただ、最後に1回だけ従来形式のワークショップを行うかもしれないということで、そのご連絡でした。まだ何もわかりませんが、もし実施をするなら講師を担当できると思います、と伝えておきました。従来通りの対面での実施なのだとすると、感染のリスクは怖いですが。

<おまけのひとこと>
 明日11月3日(火)は祝日なので、今日11月2日(月)を「お休み」にすると、10月31日(土)から11月3日(火)まで4連休になる人もいるのだそうです。そのせいかこの週末は自宅周辺では車やオートバイがたくさん走っていて、渋滞が酷かったです。(私は観光地の近くに住んでいます。) 今日は仕事に行きますが、おそらく会社を休んでいる人もけっこういるのではないかと予想しています。






11月3日(火) 凸多角形の対角線による三角形分割

 今日の話はご存じの方も多い、有名な話かもしれません。



 凸多角形に対角線を引いて、三角形に分割することを考えてみます。何通りのやり方があるでしょうか。順に考えてみます。

 後々の一般化のために、n+2角形の三角形分割数をCnと表記することにします。n=1 のときが三角形、n=2 のときが四角形になります。三角形それ自身は対角線が引けないので、C1=1 です。四角形の場合は、対角線で2つの三角形に分割する方法は二通りありますから、C2=2 となります。

 次に五角形を考えます。五角形の場合は各頂点から2本の対角線を引いて三角形分割することができます。これ以外の方法はありません。C3=5 です。

 六角形の場合はどうでしょう? 今度は全部描き並べることはせずに、パターンに分けて考えます。

 五角形のときのように1つの頂点から3本の対角線を引くパターンが6通り、アルファベットのN字型になるパターンが6通り(対角線を引かない頂点は向かい合うペアになるのですが、そのペアの選び方が3通りあって、それぞれでNの斜めの対角線の引きかたが2通りずつあります)、一つ置きに頂点を結ぶパターンが2通りで、全部で14通りになります。

 では次に七角形だったらどうでしょう? 普通に場合分けするととても大変です。

 実はこれは漸化式で表すことができて、こんな風になります。(便宜上、C0=1 とします。)

 この漸化式は、ある辺 e とそれ以外の多角形の頂点を結ぶ三角形を考えて、その三角形を含む分割の数は、上下の小さくなった多角形の三角形分割数の掛け算になっていることから理解できます(すみません説明が不親切です)。

 この漸化式を解くのは厄介なのですが、数列の母関数から求めるのが一般的だそうで、こうなります。

 というわけで、七角形の三角形分割数 C5=42 です。



 ちなみに母関数(ぼかんすう)、使っている「かな漢字変換」では候補に出てきませんでした。英語ではgenerating function(生成関数)と呼ぶそうです。mother function とは呼ばないようです。ちなみにparent functionという数学用語はあるみたいで、これは微積分で出てくる原始関数(primitive function)のことのようです。

 原始関数はantiderivarive(逆導関数)とも呼ばれるようで、これは「微分の逆だよ」ということを強調した言い方ですね。



 同じものに「原始関数」と「逆導関数」と2種類の名前がある、というと連想するのは(以前も書きましたが)「正則行列:regular matrix」と「可逆行列:invertible matrix」という2つの名前です。昔、大学の教養の線形代数の講義で服部晶夫先生が「可逆行列という名前のほうが好きだ」と言われていたのを覚えています。(そういうしょうもないことばかり覚えています。)

<おまけのひとこと>
 いろいろやりたいことがあるのですが時間がない…






11月4日(水) Set Square Cubed

 すみません、いくつか「つづき」の話題をすっ飛ばして別の話題です。



 デザイナー(作家)のEaniel Eatock氏のサイトのSet Square Cubedという作品が素敵だな、と思ったのです。小さな写真を載せさせていただきます。

Set Square Cubed
6 plastic 45° set squares, blue tack
Daniel Eatock (2011)

 これはいったいどういうかたちだろうと思って、まずはCGを作ってみました。

 使われているのは直角二等辺三角形の三角定規が6つです。これが立方体の各面に1枚ずつ配置されています。言い換えると、立方体の6つの正方形の面が対角線で2分割されていて、そのうちの片方の直角二等辺三角形の部分に三角定規が配置されています。

 これと同じことを別なかたちの三角形でやることはできるのでしょうか? たとえばこれと同じことを、三角定規のもう片方のかたちである30°-60°-90°の直角三角形(正三角形の半分) で作ることはできるでしょうか? または、同じことを正三角形でやることはできるでしょうか?その場合、出来上がりのかたちはどうなるでしょうか?

 同じことというのを定義しないといけないですね。これも含めて考えてよいことにしましょう。どんな条件が考えられるでしょうか?

(つづく)



 昨日は祝日で休日だったので、お昼に地元のローカルチェーンのテンホウに行きました。 以前から気になっていた「野沢菜ぎょうざ」というのを頼んでみました。

 とても美味しかったです。色もきれいです。メニューに載っている写真よりももっと緑色が鮮やかでした。ただ、後で気が付いたのですが「お醤油など何もつけずにお召し上がりください」と書かれていましたが、「テンホウ特性の餃子用のお酢」を付けてしまいました。今度行ったときには何もつけずに食べようと思います。

<おまけのひとこと>
 冒頭にご紹介した Daniel Eatock 氏のサイト、面白いです。






11月5日(木) Set Square Cubedからの派生

 昨日の“Set Square Cubed”、立方体の各面に半分の直角二等辺三角形を頂点だけが連結するように配置したモデルについて考察してみました。

 まず、この構造の対称性を考えてみます。立方体の6つの面の構造は、全て同じに見えます。では、8つの頂点の部分の構造はどうでしょうか?

Set Square Cubed Fig.1

 実は頂点は2種類あって、直角二等辺三角形の45°の鋭角が3つ集まっている赤い頂点が2つと、直角と鋭角が接している青い頂点が6つあるのです。なのでこのかたちは、立方体に比べるとだいぶ対称性が低い構造になっています。

 これは、同じことを他の三角形でやろうとしたときに大きなヒントになります。例えば30°-60°-90°の直角三角形6枚で類似の構造を作ってみましょう。こんなアイディアが浮かびました。

Fig.2 Fig.3

 先ほどは骨格は立方体でしたが、今度は骨格はデルタ六面体(双三角錐)です。正四面体を2つ貼り合わせたかたちです。Fig.1 と Fig.3 を見比べてみてください。

  • 元になる凸多面体が等面六面体であること
  • 各面を二等分した三角形6枚(合同な6つの三角形)から構成されていること
  • 次数6の頂点が2つ(赤い頂点)と、次数4の頂点が6つ(青い頂点)があること
  • は同じです。この、全ての頂点の次数が偶数であるということが重要です。

     実は、直角二等辺三角形でもFig.2、Fig.3 と同じように双三角錐の構造に組むこともできるのです。

    Fig.4 Fig.5

     ということは、直角三角形であれば合同な6つで同様の構造を作ることができる、ということです。

    (つづく)



     この“Set Square Cubed”(以下 SSCと略します)というかたちを見ていて、昔作った前川淳さんの立方体に内接する正四面体という折り紙作品を思い出しました。

     でも、これとSSCは構造が違います。SSCで追加された6本の稜は単連結になっていなくて、2つのつながっていないグループに分かれています。

    <おまけのひとこと>
     SSCは柔軟性を持つのではないかと思ったのですがそうではなさそうです。でも、無限小柔軟性を持つのではないかと思って調べています。言葉の意味も含めていずれ何か書きたいと思っています。






    11月6日(金) Set Square Cubedからの派生(その2)

     直角二等辺三角形の三角定規6枚を、頂点だけをつないで立方体の骨格を作るという作品“Set Square Cubed” (SSC) の三角形の形状を変えたらどうなるだろう? という検討をしてみています。昨日は(二等辺三角形ではない普通の)直角三角形で同じことができないか、検討してみました。直角三角形からは立方体ではなく双三角錐の骨格ができるということがわかりました。

     でも、立方体と双三角錐は、面の数が6つという点は同じですが、一方は面の形は正方形、もう一方は三角形です。

    Cube(square x 6) and Bipyramid(triangle x 6)

     「この2つは全く違うかたちなのだから、同じことになっていないのではないか?」という意見もあるかと思います。そこで、もう少し自然な変形を考えてみることにしました。



     稜の長さを変えずに立方体を変形するといえば、過去にも何度もご紹介している菱形六面体です。

     菱形六面体には鈍角型と鋭角型があります。

    立方体
    cube

    鈍角型菱形六面体
    obtuse rhombic hexahedron
    鋭角型菱形六面体
    acute rhombic hexahedron

     (これらのCGは2018年12月12日にご紹介したものです。)

     SCCの骨格を立方体から菱形六面体に変えてみました。

    Set Square Cubed Fig.2

     視点を変えてみます。

    Fig.3

     昨日は直角二等辺三角形から「2つの辺の長さが等しい」という条件を外して、一般の直角三角形について考察しました。今日は「直角」のほうの条件を外して、一般の二等辺三角形について考えることになります。

     連続して変化させて、だんだん正三角形に近づけてみました。

     なるほど、正三角形でSSCと同じ構造を作ろうとするとまっ平な正六角形になってしまうのですね。ようやくこのかたちを理解できた気がします。



     そういえば火曜日の更新で「凸多角形の対角線による三角形分割」という話を書きましたが、肝心なことを書きそびれていました。一般解であるこの数列、

     これはカタラン数(Catalan number)と呼ばれます。解説が書かれているところがたくさんありますので検索してみてください。

    <おまけのひとこと>
     昨日の朝、通勤のために車に乗ったら、車外温度計がマイナス3℃と表示されました。窓はしっかり凍っていて、霜を削り取らないと前が見えないので走り出せません。そろそろ路面の凍結も心配しなければいけない季節になってきました。今年はもうタイヤを冬用に交換済みなので気持ちに余裕があります。妻の車のタイヤも来週には交換する予定です。






    11月7日(土) Set Square Cubedからの派生(その3)

     週末で、ちょっと遅い時間の簡単な更新です。



     多面体の面を三角形に分割して、その一部の三角形を、全て頂点だけが共有されている状態にするということを考えています。立方体、菱形六面体を考えたので、次は菱形十二面体を考えるのが自然な流れです。

    Rhombic dodecahedron

     12枚の菱形の、短いほうの対角線を全部追加します。新たに追加された12本は立方体の稜になっています。

    Rhombic dodecahedron and Cube

     これまで次数(頂点に集まる稜の数)が3だった8つの頂点が、すべて次数が6になっています。というわけで、同じように三角形を頂点で連結した構造にすることができます。

    twelve triangles

     ここまでを頭の中で考えてみて、図を作って納得しました。(過去にも同じような図を何度もご紹介している気がします。)

    (つづく)



     先日来ご紹介しているこの構造、

    Set Square Cubed

     これは三角形が集まる頂点が自在接手だったとしたら安定なのだろうか? 変形できてしまうのではなかろうか? と思ったのです。 でも、調べてゆくと「凸多面体の骨格は、筋交い(補強材)を追加して全ての面が三角形から構成されるようにすれば無限小剛体にすることができる」という定理があるようなのです。もう少し詳しく知りたいのですが、情報を追い切れていません。もう少し調べてみます。

    <おまけのひとこと>
     棚の造作工事、追加でお願いした工事を今朝8時半からやってもらいました。それが終わってからこのページの更新を始めたので今日は遅くなってしまいました。






    11月8日(日) ガビチョウ(画眉鳥)

     棚の造作工事が終わって、本を並べ始めました。楽しいのですが疲れます。今日は週末なのでいつもの数学やパズルの関係の話題はお休みです。



     昨日、CGを作ったりしてこのページの更新の準備をしていたら、妻が「見たことのない鳥が来ている!」と興奮気味に知らせに来てくれました。カメラを持って行ってみました。

     ちょうど今、作り付けの棚の工事をしてもらった小さな部屋の窓のすぐ外のハナミズキの木の枝に、確かに見慣れない鳥が二羽とまってさかんにさえずっています。望遠にして何枚か写真を撮ってみました。狙ったところにピントが合わず、何枚も失敗写真が撮れましたが、比較的被写体がわかりやすく撮れたものを掲載します。

     家の中から南向きの窓のすぐ外を撮っているので、被写体が暗くて色もよくわからない写真になってしまいました。(一応、上の3枚の画像はクリックすると大きな画像を表示します。)まあでも図鑑を眺めながら探すのには十分かなと思って、昔もご紹介した日本の野鳥 山渓ハンディ図鑑 を取り出してきて、ページをめくってみました。

    Japanese wild bird pictorial book

     ところが、いくら探してみても見当たらないのです。なぜだろうと思ってgoogleで「野鳥 冬鳥 目の回りが白い くちばしがオレンジ」というキーワードで画像検索してみました。すると、それらしい鳥の画像がみつかりました。YouTubeなどの動画で鳴き声を聴くこともできました。

     この鳥はどうやらガビチョウと呼ばれる鳥のようです。調べてみると、こちらの(野鳥とは全く関係のないC.E.C.という会社のコラムの)徒然野鳥記第124回ガビチョウというページがとても詳しかったです。

     この鳥は「特定外来生物」に指定されているのだそうです。つまりもともとが海外の起源の種で日本には野生では存在しなかった鳥であり、日本の生態系や人間の健康や営み(農林水産業など)に悪い影響を与える可能性があるのだそうです。環境省の特定外来生物の解説:ガビチョウのページを見ると、確かに定着実績の中に長野と書かれています。

     この鳥のせいで在来種の生存が危ぶまれるのはとても悲しいことだと思います。一方で、新たに増えている鳥の一羽一羽の個体には罪はないよな、とも感じます。本来その種が住んでいた地域とは全く異なるところで生まれてしまったのは、その個体の責任ではないはずです。なんだか移民の子孫のようです。これが植物だと、例えば「アレチウリ」などは容赦なく退治してほしいとか思ってしまうのですが。

     「じゃあタンポポは?」「ブラックバスは?」と考えると、自分の中でも何か明確な論理的な基準があるわけではないと改めて思います。

    <おまけのひとこと>
     棚を作って本を整理するとき、最初にやったのが雑誌「数学セミナー」を並べ直すことでした。実は最近は毎号欠かさず買っているわけではなくて、興味がある特集の時だけ買うようになってしまいました。2002年くらいから2017年くらいまでは全部買っています。それをきれいに並べてみました。今みると、当時はあまり興味がなかったことが「おもしろい」と思えることもあって楽しいです。でもそんなことをしているとますます整理の作業が進みません。






    11月9日(月) 円弧三角形による中央に丸い穴の空いたタイリング(その3)

     一週間前に(つづく)として続きを書いていなかった円弧三角形によるタイリングの話です。30°-60°-90°の円弧三角形による中央に丸い穴の空いたタイリングの一部をご紹介したところで、話がとまっていました。その完成図をご紹介します。

     下の図の左が完成図です。(クリックすると2倍に拡大された画像を別フレームで表示します。)

     でも、右のようにタイリングすることもできます。これらを混在させることもできます。

     上の2パターンを作ってみながら、「実は中央の丸い穴の回りのパターンさえ決めてしまえば、後はその外側に広げてゆくピースの位置・かたちは一意に決まってしまうのだろうか?」という疑問が浮かびました。いくつかの例を試してみることにしました。

    (つづく)



     日本の山岳民・信州人はなぜ自宅や職場の“標高”を語るのか?という記事を面白く読みました。この記事の中に「県庁所在地は長野市が371.3mで日本一標高が高い」と書かれています。私の住むC市は市役所の標高が801mで、市役所としては日本一標高が高いです。

    <おまけのひとこと>
     先週末は本の整理をしたり、車のタイヤ交換をしたりで体力と気力を使って、昨夜は体調を崩してしまったのですが、早く寝たおかげで今朝は回復しています。体温も平熱でした。良かった。






    11月10日(火) Gourds(ひょうたん)というスライドパズル、他

     Gourds: a sliding-block puzzle with turning(J.Hamersma, M.Kreveld, Y.Uno, T.vanderZanden, 2020) という論文がありました。まだちゃんと読んでいませんが、15パズルのようなスライディングブロックパズルに回転の要素を加えたパズルについての分析のようです。

     こんな風に、六角格子のゲーム盤の上に2つの球がつながって真ん中がくびれた「ひょうたん」(Gourd)のようなかたちのコマを配置します。空きマスは盤面で1か所です。

    Figure 3 of the paper by J.Hamersma et al.

     コマは、空きマスを利用して、スライド(slide)、ターン(turn)、ピボット(pivot)の3通りの動かし方が可能です。

    Figure 2 of the paper by J.Hamersma et al.

     これで、全てのコマを指定された位置に配置するというのがこのパズルのゴールです。面白そうですね。

    (つづく)



     昨日、円弧三角形による中央に丸い穴の空いたタイリングの話で、中央の穴の周辺の2周目くらいまでのタイルの位置を決めてしまったら、その外側のタイルの位置と姿勢は一意に決まってしまうのだろうか、という疑問を書きましたが、この疑問は否定的な例を思いつきました。

     このパターンの切り替えは任意の階層のところで行うことができるので、中央の穴の周辺のパターンが決まったからと言って、その外側は一意には決まるわけではないということがわかりました。

    (つづく)



     昨日の日本の山岳民・信州人はなぜ自宅や職場の“標高”を語るのか?という記事を職場の社内SNSの「雑談」チャネルに投稿してみたら盛り上がりました。

    <おまけのひとこと>
     今朝は時間が無くて自分の机(PC)から離れられないでいたら、妻がパンとコーヒーを仕事部屋まで持ってきてくれました。こういうのは嬉しいです。

     最近インスタントコーヒーも飲むことも多いのですが、以前妻がインスタントコーヒーだと思い込んで間違って購入したコーヒー豆を挽いた粉がビンに少し残っていたのです。一昨日、妻がそのことをすっかり忘れて、古いビンを処分しようとして少しだけ残っていた(コーヒー豆を挽いた)粉末をインスタントコーヒーの粉末だと勘違いして、私のために入れてくれたインスタントコーヒーにその粉末を混ぜてしまったのだそうです。なんだかお湯に溶けない黒い粒がたくさん入っているなあと思って飲みながらびっくりしたのです。平謝りされましたが、まあ笑い話の類です。






    11月11日(水) Gourds(ひょうたん)というスライドパズル(その2)

     昨日のGourdsというスライドパズル、プレイした感覚はどんな感じなのか知りたくて、図を描きながら試行錯誤してみました。

     たとえばこんな初期状態から、盤面の背景の色と同じ位置になるように動かしてみましょう。

    Initial state Target state

     こんな手順になりました(gifアニメーションです)。

     次に、こんな風に色の入れ替えをやってみました。

     これはこんな風になりました。

     チェッカーのように移動、飛び越しをしてコマを入れ替えるという有名なパズルがあります。、その2次元版や3次元版をJavaアプレットで作ってご紹介したことがあります(2003年)。最近はJavaアプレット(Java scriptではないです)はほとんど使われなくなって、私も昔のプログラムをメンテナンスしていないので遊べる環境がないのですが、色の入れ替えパズルというとこれを思い出します。

     「飛び越し・入れ替えパズル」のほうは後戻りができないので、下手な動きをするとデッドロックして動けなくなってしまいますが、このGourds(ひょうたん)パズルは後戻りができるのでごく簡単な部類のパズルだと思います。

    (つづく)



     「9坪ハウス」の住み心地。4人家族+猫2匹で20年住んだ感想は?という記事を興味深く読みました。9坪ハウスというのは建築家の増沢洵が1952年に建てたとても小さな住宅で、日本の住宅建築の歴史に名前を残す名建築と言われています。

    <おまけのひとこと>
     少しずつ本の整理を進めていて、楽しいです。






    11月12日(木) スライドパズルGourds(ひょうたん)のルールで対戦ゲームを考えてみる

     一昨日からご紹介しているGourdsというスライドパズルですが、動きの自由度が高いのでパズルとしては難易度はあまり高くない気がしました。なので、このコマの動かし方を活用した対戦ゲームを考えられないだろうか? と思って少し考えてみています。

     思い付いたのは、「二人のプレーヤーが交互に自分の色のピースを動かしていって、動かせなくなったら負け」というルールです。例としてこんな盤とピースのセットを考えてみました。

    Fig.1

     19マスの六角形の盤に、白-白のコマ3つ、赤-赤のコマ3つ、赤-白のコマ3つ(18マス分)を用意します。初期配置は赤と白が等価になるように、こんな配置を考えてみました。

    Fig.2 Fig.3

     Fig.3を初期配置とします。二人のプレーヤーはそれぞれ自分の「色」を決めます。自分の手番の時に、Gourdsの動かし方のルールで空きマスに自分の色を入れる動きをします。空きマスの周囲に自分の色が1つも無ければ「負け」です。

     試してみたのですが、うーむ、普通にプレイしていると終わらないですね。(無理やり負けてみました。)

     盤のかたち、ピースのセットとして何を使うか(赤-赤と白-白だけを使うか、逆に赤-白だけを使うか、とか)など、研究の余地はありそうです。一度の手番で2手動かしてよいことにすると、先読みが難しくなってゲームらしくなるかもしれません(まだ試していませんが)。

     詰将棋の「協力詰」(バカ詰め)のように、空きマスの周囲を指定した色だけにしてくださいというパズルだ、と考えることもできそうです。二人で遊ぶ対戦ゲームを考えていたつもりが一人で遊ぶパズルに戻ってきました。



     改めて、今日のセット(19マスの六角形の盤、3種類×3個のコマ)を用意します。

     以下のようなルールのパズルはいかがでしょうか。

  • 空きマスの周囲がすべてになるように9個のコマを配置してください。空きマスの位置は問いません。
  • 次に、Gourdsのコマの動きで、空きマスの周囲がすべてになるようにしてください。空きマスの位置は同じでも違ってもかまいません。
  •  できるだけ少ない手数で、とかするとパズルっぽいかもしれません。空きマスの位置は最初も最後も必ず中央にする、とするのが一番手数がかかりそうな気がします。手数を問わなければ一人遊びとして単純に楽しめるような気もします。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     このパズルを自作するとしたら、100円ショップに売っているピンポン球(白とオレンジがあったと思う)を短い棒でつなぐのがいいかなと思いました。さらに、転がらないように凹ませると良いかもしれません。もっと良い材料はないかな、と考えてみています。こういうのを考えるのも楽しいです。






    11月13日(金) 円弧三角形によるタイリングパターンのバリエーション

     今日は火曜日に書いた、回転対称なタイリングパターンは「中央部分を決めれば周囲がすべて一意に決まる」というわけではない、という話に戻ります。



     30°-60°-90°系の円弧三角形による4回回転対称なタイリングパターンを考えます。一番素朴なパターンとしては、こんな風になりました(今年の3月下旬にご紹介したCGの再掲です)。

     色が違っていて恐縮ですが、同じピースによる4回回転対称のパターンとして、こんなバリエーションを作ることができます。(以下の図はクリックすると拡大できます。)

     これらを組み合わせると、こんな「対称ではない」パターンを無理やり作ることもできます。

     それぞれ、どんな規則になっているかわかりますか?

    (つづく)



     昨日のGourdsパズル、例えばこんな初期状態からピースを背景色の位置まで移動してください、なんていうパズルは易しくていいかなあなどと考えてみたりしました。

     移動の自由度が高いので、難しくて面白いパズルを作るのには向かないかもしれませんが、単純に動かして楽しい気がします。

    <おまけのひとこと>
     ちょっとマニアックすぎて、興味を持って読んで下さる方がいらっしゃるのか心配です。






    11月14日(土) 猫の折り紙作品を折ってみた

     今日と明日の週末は、この記事は過去のページの最下段になるので、独立した話題にしようと思います。



     先週の日曜日に、図書館であっぱれ折り紙(切らずに1枚で折る十二支と日本を楽しむ折り紙:フチモトムネジ)という折り紙の本を借りてきました。(linkはアマゾンです。) この本に折り方が載っている「猫」と「丸くなった猫」を折ってみました。

     まずは「猫」です。本に表示されている難易度は ★★★★★☆☆ で、7ランクのうちの難易度5という作品です。

     胴体の部分は平面的ですが、頭部は立体的で雰囲気があります。折るのに30分くらいかかりました。



     次に「丸くなった猫」です。こちらは難易度は ★★★☆☆☆☆ で、若干易しいです。こちらはさらに平面的な作品ですが、でも自立させることができます。

     こちらのほうが易しい、という感じはしませんでした。やっぱり30分くらいかかったと思います。

     いかにも「折り紙作品」らしい、対象物の特徴を上手にデフォルメして直線でシンプルにモデル化されている造形で、とても気に入りました。飾っておいて、視点をちょっと変えてみてもちゃんと表情があって楽しいです。

     折り紙はここ40年くらいでものすごく進化しました。伝承折り紙と比べて、折り図を読み解くのはかなり難しくなっていると思います。ときどき「子供にせがまれてお父さんやお母さんが折り紙の本を見て恐竜とかの折り紙を折ろうとしても難しくて折れなかった」という話を聞きます。YouTubeなどには動画もたくさん紹介されています。(以前にも書きましたが、伝承折り紙以外の折り紙作品で、自分が創作した作品以外のものの折り方を動画で勝手に公開するのはルール違反だと思います。そういうことをちゃんと意識されていると良いのですが。)

     折り紙の本を見ながらそこに記されている情報を読み解いて折り紙作品を手元で再現するというのはとても楽しいパズルです。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     週末です。嬉しい…






    11月15日(日) 猫の折り紙作品を折ってみた(その2)

     昨日に続いて猫の折り紙です。



     もう1つ、猫の折り紙作品を折ってみました。こちらは折り紙王子の凄ワザ!折り紙(有澤 悠河:2020)という本に載っていた折り図です。この本は先日本屋さんで見かけて買いました。

     作品名は「仔猫」。仰向けになって四本足を上にあげてじゃれついている感じが表現された作品です。

     平面的な作品ではなく、お椀のようなかたちをしています。途中、かなり難しい工程がありました。平らなところに置くと不自然な姿勢になってしまうので、同じく折り紙で折ったトレイに寝かせてみました。

     この正三角形のお皿は、昨年ご紹介したものです。気に入って1年以上飾ってあったものを「ちょうどいい」と思って持ってきて使いました。



     昨日の二匹の猫を並べて写真を撮ってみました。

     さらに、「仔猫」を囲んでみました。

     うーむ、スケールが合わないですね。仔猫、大きすぎます。



     昨日のフチモトムネジさんの本からもう1つ、「鯛」を折ってみました。縁起物の鯛の折り紙です。

     写真の角度が良くないですね。もうちょっと回転させたほうが縁起物の鯛らしい感じになったと思います。

    <おまけのひとこと>
     「鯛」はすっかりお正月の雰囲気の作品ですが、その前にクリスマスの折り紙を折りたいと思いました。






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