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以前の「ひとこと」 : 2003年1月前半




1月1日(水) 2003年元旦

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年に続いて、今年も初日の出の写真を載せたいと思っていたのですが、今年は珍しく曇っていてお日様が見えません。そのかわり、毎年この季節に玄関飾りとして出す千代紙の折り紙の写真を載せることにしました。

 中央にあるのが正方形4枚組みの八角箱、左上がその箱にぴったり合う、同じく4枚組みの八角箱のふたです。八角箱の中には、いわゆる「紙風船」を5つ、いろいろな模様の千代紙で作って入れました。右側の2つは「たとう」です。ちょっと大き目のきれいな千代紙で折ると、お年玉を入れたりするのにも使えます。こんなものでも漆のお盆に並べたりすると、意外とお正月の雰囲気になります。

 八角箱は布施知子さんのデザインのもの、紙風船は伝承作品、「たとう」の1つもおそらく伝承作品、もう1つはオリジナル(というか適当、というかデタラメ、というか…)です。左下の6枚組みの立方体はどなたのデザインのものか忘れました。実はこの写真の折り紙は、どれもかなり昔に作ったものです。 今年は少し折り紙の話も書こうかと思っています。

 <おまけのひとこと>
 今は積雪は3cmくらいで、また少し雪が舞っています。




1月2日(木) Hausbau(家の積み木)

 先日、12月25日のひとことでご紹介した、マッチ箱の入れ物に入った木のおもちゃシリーズの1つ、Hausbau で、ちょっとした情景を作ってみました。これで、ちょうどぴったり1セット全部を使っています。

 家の1フロア分の壁の高さが6mmくらいですから、とても小さな模型です。パーツが軽いので、ほんの少し触っただけでずれてしまって、形を整えるのが大変です。

 <おまけのひとこと>
 昨夜から今朝にかけて、また10cmほど雪が積もりました。下の子と二人で、1時間くらい雪かきをしました。それが終わって、子供の書初めを見てやったり、プラレールで新しいレイアウトを工夫したりしていたら、更新が午後になってしまいました。




1月3日(金) 紙テープを編む

 布施知子さんの『折り紙デザイン』(筑摩書房 1,300円 ISBN4-480-87264-7)という折り紙の本を見ていたら、ジグザグ編みという多面体モデルの技法が紹介されていました。

図 1

 基本的にはこの図1のように、長いテープ状の紙を直角二等辺三角形が連続するように折って、それを組み合わせて多面体を織るというものです。45度の斜辺を全て山折りにしたら、テープに直角の折り目は全て谷折りにします。3本のテープで、側面が直角二等辺三角形の正三角錐を作ってゆく構成になります。作る多面体によって、テープの長さや本数はいろいろ異なります。

 布施さんの本にはテープの幅は3〜5cmがお勧めと書かれていたのですが、そんなに幅の広いテープだと、長さも長くなりますし用意が大変です。それならば市販の紙テープを使えばよいのではないかと思って、さっそく買ってきて試してみました。紙テープは幅が18mmくらいのものが5色(5巻)で200円ほどでした。

写真 1

 写真は、立方八面体です。正方形6面と正三角形3面からなる立体です。正三角形の面は3本の帯で三角錐の形状に編まれていますが、正方形の面は4本の帯で平面状に編まれています。そのため、図2のように、正方形の面を構成する部分は縦に折り目を入れる必要がありません。

図 2

 なお、この模型では三角錐が立体の内部にめり込むように組んでありますが、逆に外側に飛び出すように編むこともできます。

 やってみて、なぜ3〜5cmがお勧めなのかよくわかりました。小さいと大変組みにくいのです。また、使っている紙テープの材質の問題で、しっかり折り目がつきにくく、重ねてもすべりやすくて安定しないため、不安定で美しくない模型になってしまいました。

 すでに幅が決まっている紙テープを45度に折ってゆくだけならば、パーツを作るのが楽でいいだろうと思ったのですが、そのメリットを簡単に帳消しにしてしまってお釣りがくるほど組みにくくて、ほかの立体を作ろうという気力がなくなりました。

 <おまけのひとこと>
 お正月なので、子供たちに百人一首と花合わせ(花札)を教えてみました。




1月4日(土) 新幹線

 子供の興味が、機関車トーマスから実際の鉄道車両に徐々に移ってきています。最近は新幹線がお気に入りで、特に500系のぞみが好きなようです。本人はE2系にしか乗ったことはありません。

 お正月ということで特別に小さなおもちゃを買いました。ぜんまいを巻いて走る、ちいさなブリキの「こまち」と「つばさ」です。 おみせにはこの2つと、あと2階建てのMAXがありました。

 ぜんまいを巻く大きなねじがついています。外せません。ねじを除く本体の部分の大きさが、長さ5cm、幅が3cmくらいです。子供がひとしきり走らせて遊んだ後、飾ってあります。

 このおもちゃ、しばらく直進した後で勝手に方向転換します。どうやって方向制御しているんだろうと思ったら、実はこのおおきなねじの羽根が真下に来たとき、ちょうど杖のように車輪の片方を持ち上げて空転させるため、ねじの羽根の支点にくるっと回転するのです。そのため、ちょうど★の形を描くような軌跡になります。

 本体には何も書いてありませんが、店頭で展示されていた箱には、ツクダオリジナルと書かれていました。ツクダオリジナルといえば、かのルービックキューブが有名です。ツクダオリジナルは中堅のオモチャメーカーで、個性的な製品があって面白かったのですが、昨年バンダイに買収統合されたそうです。

 <おまけのひとこと>
 今朝も雪かきでした。早朝の雪かき放送は12/9、12/22に続いてこれで今シーズン3回目です。雪かき、というのが特別な話題ではなくなってしまいました。例年はこんなに降らないのですが。




1月5日(日) 折り紙の箱

 久々に折り紙をしました。子供のころ覚えていた折り紙というのは忘れないものなのですが、大人になってから覚えた折り紙というのはすぐ折り方を忘れてしまいます。しばらく前に夢中になっていたあやとりもそうで、子供のころに覚えたものは思い出せるのですが、大人になって覚えたものは、しばらくやらないでいると完全に忘れてしまいます。

 布施知子さんの折り紙の箱の中でも、特に気に入っている長方形一枚折の菱形の箱があります。手元の本を探したのですが(布施さんの本はたくさん持っています)、この折り方が出ている本が見当たりません。今回はかろうじて折り方を思い出せたのですが、記録しておかないと忘れそうです。

 というわけで、途中経過を写真にとってまとめてみました。昨年の8月以来の「あそびのコラム」の新作、「菱形の箱」です。(上の写真からも同じページにリンクしています。)

 <おまけのひとこと>
 以前この折り紙を実家に紹介したら、次に行った時に、段ボール箱一杯にチラシ広告の紙で菱形箱を作ってありました。 なんというか、血筋というものを感じました。




1月6日(月) 折り紙の箱:正三角形

 布施知子さんの本をちょっと検索してみました。 昨日ご紹介した菱形の一枚折りは、こちらの「一枚折りの箱」(筑摩書房 1,200円)だったか、「プレゼントの箱」(筑摩書房 1,400円)だったかに載っていたと思ったのですが確信がもてません。確かずいぶん前に近所の図書館で借りて折り方を覚えたのですが、昨日図書館に行ってみたのですが、貸し出し中だったのか見当たりませんでした。

 今日は、長方形の紙1枚から折る正三角形の箱をご紹介します。用紙のへりがどんな風に現れるのかわかるように、例によってグラフ用紙で折ってあります。こちらの箱は菱形箱と比べて折り方が難しいこと、箱の内側の底のパターンがちょっと不安定なことが若干気になりますが、一枚の用紙を最大限利用した、大変巧妙なデザインだと思います。

 ボール紙などで正三角形を切り抜いて内側の底にはめてやると丈夫になりそうです。

 <おまけのひとこと>
 昨日は最高気温がマイナス6度くらい、とても寒い一日でした。




1月7日(火) 折り紙の箱:トキ・エンさんの内外箱

 パズルショップのトリトのページを見ていたら、Box in Boxという製品が出ていました。同じ大きさの2つの箱のうちどちらを選んでも、もう一方の中にすっぽりと収めることができるというものです。これを見て、以前同じものを折り紙で作ったことを思い出しました。

 これもやはり布施知子さんの本に掲載されていたものです。これは手元の本に載っていました。「まんぷくBOX」(筑摩書房 1,300円)という本です。本は布施さんの本なのですが、作者はトキ・エン(Thoki Yenn)という方なのだそうです。

 今回はB5の紙で折ってみました。淡い水色の紙2枚で箱本体とふた、同じく白い紙2枚で箱本体とふたを折っています。(色の区別がつきにくくてすみません。)

写真 1 写真 2

 写真1がそれぞれの色の本体とふたで、写真2がふたをかぶせたところです。全く同じ箱ですから、ふたを交換することもできます。

写真 3 写真 4

 写真3。まず、白い箱の中に水色の箱を入れて、写真4のようにふたをしてみました。

写真 5 写真 6

 逆に、水色の箱の中に白い箱を入れて(写真5)、ふたをしてみました(写真6)。

 この作品は、箱の側面も底面も何枚かの紙が重なって丈夫ですし、重なっているがために弾力もあります。この弾力と紙の摩擦によって、箱本体とふたも、内側の箱と外側の箱も、ゆるすぎずきつすぎず適度にはまってくれて、とてもできのよい作品だと思います。

 <おまけのひとこと>
 学校や保育園がはじまりました。子供が日記に溶連菌のことを書いていたのですが、「ようれいきん」と書いてあります。違うよ、「ようれんきん」だよ、と言ったら、次に見ると「ろうれんきん」と書いてあります。どういう漢字を書くんだろう、どういう菌なんだろう、と思わず想像してしまいました。




1月8日(水) 折り紙の箱:まんぷくBOXの箱など

 昨日ご紹介した布施知子さんの「まんぷくBOX」(筑摩書房 1,300円)という本に主に載っている立体を折り紙でたくさん作ってみました。

写真

 それぞれの形を簡単に説明します。便宜上立方体の一辺の長さを1として形状を説明しますが、同じ大きさの折り紙から折ると、違った尺度のものができてくるものがあります。

A. 底面が1辺1の正方形で、高さが1の四角錐です。頂点は底面の正方形の頂点の1つの真上にあります。この四角錐は体積は1/3ですが、これを3つでちょうど立方体を作ることができます。写真には、赤・青・黄色の同じ四角錐が3つ写っています。

B. これは直角二等辺三角形の箱(お皿)です。「まんぷくBOX」には折り方は載っていません。

C. 立方体の4分の1の体積の三角柱。底面が1:1:ルート2の直角二等辺三角形、高さが2分の1です。4つ集めると立方体になります。

D. 立方体の2分の1の三角柱。側面の2つが正方形で、底面はその半分の直角二等辺三角形です。同じ大きさの折り紙から折っているので、Cの4分の1立方体とは直角二等辺三角形のサイズが違います。

E. 立方体の4分の1の体積の三角柱ですが、今度は底面の直角二等辺三角形の斜辺が1で、高さが1のタイプです。写真で、机の面に張り付いている面が正方形です。

F. ふたが開いてしまっていてわかりにくいですが、立方体を2個くっつけた形の細長い正四角柱です。これが4本で立方体になります。これも、一枚折のふた付きの箱としてもきれいな折り紙です。

G. 正方形の折り紙から折る長方形の箱です。これも「まんぷくBOX」には折り方は載っていません。

H. 2分の1の立方体。底面が1辺1の正方形で高さが2分の1です。これは、ふたの部分が「たとう折り」になっています。

I. 2分の1の正四面体。切り口が正方形になるように2つに切った正四面体です。

 <おまけのひとこと>
 何度も加工したら、とても汚い写真になってしまいました。記号の入っていない画像を分室に置きたいと思います。(思うだけかも)
 冬はこたつで折り紙が楽しいです。今日載せた写真も、実は数年前の冬の雪の日曜日の午後に折ったもので、写真だけが残っていました。




1月9日(木) たとう折り

 段ボール箱のふたを、ガムテープなどを使わないで閉じておきたいとき、下の図のようにふたを一定の方向に順番に閉めていって、最後のふたを最初に閉じたふたの下に入れてとめるというやり方があります。

図 1

 こういった折り方、とめ方を「たとう折」といいます。「たとう紙」という折り紙の分野があります。平面的に畳まれた紙が、図1と同じ原理で互いに押さえあっているもので、何かちょっとしたものを包んだりするのに使う、実用的で美しい折り紙です。「たとう紙」という呼び名は、「畳み紙」が変化したものなのだそうです。伝承作品にもいろいろあるようですし、新しいものもいろいろ発表されています。

 とりあえず素朴にこれを折り紙で折ってみることを考えましょう。まず、下の図2のように2つの長方形に2等分する折り方を繰り返して、正方形を16等分する折筋をつけます。

図 2 図 3 図 4

 ここで、図3のように四隅の正方形を切り取ってしまったとすると、これは段ボール箱のふたと同じになりますから同じ原理で畳めます。でもそうするとふたとして弱くなりますし、何より切り取って正方形ではなくしてしまうというところが気に入りません。

 これは実は切り取らなくても、図4のように4箇所を山折りすると(一点鎖線が山折りです)、下の図5のように畳み込むことができます。(図5は、重なり具合などがわかるように大げさに描いています。また図2〜図4とは図の寸法が違って拡大されています。)

図 5

 さて、どのような図形であればこのような「たとう折り」が可能なのでしょうか。

 <おまけのひとこと>
 通勤に使っている車の冬タイヤがだいぶ劣化しているようで、昨日下りの交差点のところが凍結した場所でなかなか止まれなくて困りました。かなり手前から減速して、十分車間距離をとっていたので問題はなかったのですが、車が30度くらい右を向いてしまいました。昨日は昼間多少は暖かかったために雪が解けて、それが夜凍ったため、とても危険な箇所ができていました。今朝も道が大変そうです。




1月10日(金) 筒折りの箱(1)

 細長いリボン状の紙に、下の図1のように正方形とその対角線の折り線をつけて、それを自然に畳むことを考えます。

図 1

 例によって点線は谷折り、一点鎖線は山折りとします。(紙を裏返してしまえば山折りと谷折りは逆転しますから、この場合は折る方向が反対であるということが大事です。)対角線の折り線がありますから、それぞれの正方形は半分に畳まれて、直角二等辺三角形になります。この三角形はどのように連なることになるでしょうか?

図 2

 とりあえず、折りたたんだときに上に来る面だけに色をつけてみました(図2)。これを左から順に畳んで、平面状に重ねてゆくと、図3のようにかさなってゆきます。わかりやすいように大げさに描いてあります。

図 3

 このように、三角形が90度ずつ回転しながら重なってゆくという螺旋状の形ができます。実際には紙の厚さと折り目の弾力で、平面に落ち着かずにバネのようにふくらんでしまいます。ここで、一番上の三角形を、一番下の三角形の下に押し込めば安定するのではないか、と思いつきます。やってみるとちょっと膨らみますが、まあ一応安定します。

 今度は、同じことを正方形5枚分の長さのテープでやってみます。

図 4

 やはりこれを同じように折り目をつけるのですが、今度は最初の正方形と最後の正方形を重ねて、図5のように筒(正四角柱)を作ります。

図 5

 これを、対角線の折り目を利用して、四角柱の上の面のへりの4辺を回転させるようにして、一気に平面状に畳みます。こうすると、最初から互いに押さえ合った構造ができます。

図 6

 これを、下の図7のような紙から折ったらどうなるでしょうか? 横長の長方形の一番下の部分に、図4と同じ正方形5つの折り線をつけておいて、用紙そのものは縦に5つに谷折りしておきます。(注:この場合、下の正方形の部分の山折と谷折りが、これまでの説明と反対になっています。)

図 7

 最初に、正方形5つの上辺に相当する水平線で谷折りして折り畳んでおいて、その状態のまま図5のように筒状に重ねます。このとき、畳んだ正方形の部分は筒の内側になっています。そして正方形部分を図5から図6のように折ると、ちょうど牛乳パックのように深い四角柱の容器が出来上がります。

 これも布施知子さんの、確か一枚折りの箱を集めた本に載っていた折り方だったと思います。実際にやってみるとこの折り方は簡単ではありません。

 <おまけのひとこと>
 ノートパソコンのタッチパッドにもだいぶ慣れてきて、例えば今日の図6のような絵ならば簡単に描けるようになりました。
 昨日の「たとう折りはどういった形状の紙ならば可能でしょうか?」というのは、問題としてあまりにあいまいです。きちんと定義しないと問題として成立しません。ということでこの話題はしばらく寝かせます。




1月11日(土) 筒折りの箱(2)

 昨日に続いて、長方形一枚折りの角柱タイプの箱です。今日は六角形の箱を作ってみます。原理などに関しては昨日のひとことを見てください。

 最初に、横長の長方形を等間隔に七つに折ります。といってもこれは巾を決めるのが大変ですので、私は8つ折りにしてから最後の1本を切り取るという方法を使っています。(端の1本だけは重なって隠れるので、正確に同じ巾である必要はありません。)

 巾が決まったら、図1のように30度、60度の折り出しをします。これは箱の底の部分の長さを決めるための工程です。

図 1

 今折った三角形の頂点の高さで谷折りします(図2)。

図 2

 高さを決めた三角形を開いて、図3のように、各長方形の片側の対角線の折り目を谷折りでつけます。

図 3

 昨日の四角箱では説明しませんでしたが、強度を増すためと、重なり部分をしっかりとめるため、また、底の部分が盛り上がってくるのを押さえるために、箱の側面に相当する部分を図4のように2つ折します。

図 4

 ここで、箱の底の部分をもう一度上に折り上げます(図5)。そしてこの状態でもう一度、縦の谷折りの線をしっかり折り直します。これによって、図4まででは底になる部分の垂直線の山と谷が逆に折り直されることになります。また、図4まででは谷折りの点線で描かれていた対角線は、紙の逆側から見るので山折り(一点鎖線)になっています。

図 5

 底になる部分が内側になるようにして、筒状に丸め、巾1つ分を重ねます。そして底の部分をひねるようにして広げると、六角箱の出来上がりです。

図 6

 図6はチラシ広告で折ってみたものです。普通の紙で折るとかなり縦長の筒状の箱になってしまうので、この写真のものはあらかじめ紙をかなり細長く切って使っています。

 この原理で正N角形の箱を折るにはどうしたらいいか考えているのですが、紙だけを使って(つまり定規とかを使わないで)、その紙を折るだけで寸法や角度を決めて折り出すのはなかなか大変です。出来上がりの美しさと簡単さのバランスという点で、この六角箱がとても気に入っています。

付記:折り方の山と谷が一部間違っていたので図3,4と説明の一部を修正しました。(2003年1月12日修正)

 <おまけのひとこと>
 この折り図は描くのがとても簡単でした。(全部で15〜20分くらいでした。)




1月12日(日) 筒折りの箱(3)

 昨日に続いて、長方形一枚折りの角柱タイプの箱です。四角箱、六角箱を作りましたが、今日は八角箱を簡単に説明します。なお、昨日の六角箱の折り方の説明が一部間違っておりましたので修正しました。(四角箱の図も1つ逆だったので直しました。)昨日の図に従って折ろうとして苦労された方がいらしたら、大変申し訳ありませんでした。

 八角形の場合は底になる部分の長さをどのように決めたらよいでしょうか? 正八角形の1つの内角は135度ですから、図1の赤い部分の角度はその半分、つまり90度の4分の3ということになります。これを折り出すのはとても簡単で、90度の半分の半分、という風に折ると望みの角度(青線)が得られます。

図 1

 というわけで、八角箱の折り方は次の図2のようになります。

図 2

 最初に何らかの方法で長方形を9等分します。(私は適当に目星をつけて、およそ9分の1と思われる巾だけ残して紙を2つ折りにして、その折り線をベースに8等分して、その後で最初に残した巾を合わせます。足りなければ足りないでいいですし、余れば切ります。 3等分を2回繰り返す、という方法でもよいでしょう。) そうしたら図2のように45度、22.5度を折り出して、それによって箱の底になる部分の高さを決めます。あとは六角箱と同じように、同じ向きに対角線に折り目を入れて、ねじるように組めばOKです。

図 3 図 4

 図3は、箱の底面になる部分のみを切り取って折ってみたものです。(例によって新聞の折込チラシ広告の紙を利用しています。今日は家具屋さんのチラシです。)図2のヨコの点線で切り取った下の部分だけを折っているということです。このように、砂時計のように真ん中が絞られたような形状になります。床に接している八角形と、その上に浮き上がっている八角形が見えると思います。

 安定した箱にするためには、この2つの八角形のうち、床に接している八角形の辺の部分から箱の側面が立ち上がる必要があるのですが、底の部分の折り方山折り・谷折りが逆になってしまうと、上に浮かんでいる八角形の辺から側面が伸びてしまって、このふわふわのバネのような部分が箱の裏側にできてしまうのです。

 図4は正しく折った場合にできた箱の写真です。箱の底の部分は図3と同じ構造なのですが、しっかり折って、さらに箱の側面が内側に折り返されていることによって押さえられて安定します。

 <おまけのひとこと>
 なぜ、四角、六角、八角の順に説明しているかというと、これらは箱の底の部分の高さを決めるのが易しいからです。
 今日の図3のものは、使い捨ての(汚れたら捨てるという意味です)コースターにしようと思っています。




1月13日(月) 筒折りの箱(4)

 筒折りの箱で、四角箱・六角箱・八角箱の説明をしましたが、飛ばした五角箱と七角箱についてちょっと考えてみています。

 正偶数角形の場合は対辺が平行ですから、その長方形の寸法が箱の底の部分の高さになって、対角線が折り線になりました。ところが正奇数角形の場合はそうはなりません。下の正五角形の例をご覧ください。

図 1 図 2

 図1は、これまでと同じ原理で箱の底を折ろうとした場合にどう折ることになるのかを、隣り合う二辺のみについて描いてみたものです。これを順に折ってゆくと、図2のように組めるはずです。(図2は、煩雑になりすぎないように一部の線を省略しています。)問題は、この底の部分の高さと、54度になる角度の部分をどのように折り出すかなのですが、まだよいアイディアがありません。

 図3は正七角形の場合の例です。この場合も下の図のような高さ、角度を折り出さなければいけなくなって、これも大変そうです。

図 3

 プリンタで展開図を印刷して、その線に沿って折って組んでみようかとも思っているのですが、そうなるとそれはすでに折り紙ではないですね。ただ、この技法を認めれば、今まで寸法や角度を決めるためだけに折っていた「余計な」折り線をつけなくて済むことになるので、出来上がりはすっきりするでしょう。

 <おまけのひとこと>
 昨日は幟建てでした。




1月14日(火) 氷燈祭

 近所でやっている氷燈祭というものに行って来ました。今年で6回目だそうです。毎年行こうと思っていながらなんとなく機会を逃していて、初めて行きました。とてもきれいでした。

 <おまけのひとこと>
 この、1月14日分の「ひとこと」を、ホームページの表紙からこちらに移動するときに間違えて消してしまいました。表紙を書き換えてサーバに転送した後で気が付いたのですが、後の祭りでした。まあ幸運にもたいしたことを書いていなかった回なのでよかったです。




1月15日(水) 正六角形

 折り紙を折るとき、正方形1枚にいっさい切り込みを入れずに折る、そして折り線を決めるための補助線なども全てその紙を折ることだけによって決める、というこだわりを持つ折り紙作家の人が多いと思います。この制約を満たしつつ、非常に精妙な折り紙がたくさん作られていてとても感心します。

 ただ、正方形とは異なった対称性を持つようなものを折ろうとすると、紙に無駄な部分が出てきたり、重なりが厚くなって折りにくくなったりすることがあります。個人的には、たとえば正五角形とか正六角形を出発点とする不切正多角形折り紙というのがもっとあってもよいのではないかと思っています。

 とりあえず、多面体の一枚折りなどをしようとすると、正六角形からスタートすると都合のよいものがあります。正六角形は長方形から切り出しても無駄も少ないですし形を決めるのも簡単なので、正六角形をスタートにいくつか折り紙を折ってみました。今日は正六角形の切り出し方の図を載せておきます。

1.
 縦長の長方形を縦に4等分に谷折りします。
2.
 長方形の右下・左下の頂点を、4等分の折り線にあわせるように折ります。
(30度-60度折りです)
3.
 今折り返した直角三角形の短い辺にあわせて谷折りしていきます。最後に余ったところをカットします。

 図は適当に描いたら、なんだかとても都合のよい高さの長方形になってしまいましたが、普通の身の回りにある1対ルート2の比率の長方形から折ると、上がもっと余ります。

 こうして作った六角形から適当に箱を折ってみました。底がうまくまとまりませんでした。もうちょっとちゃんと設計(デザイン)してやる必要がありそうです。

 <おまけのひとこと>
 昨夜は「どんど焼き」でした。昨日の日中は妙に暖かくて、夕方の気温がプラス4度もありました。でも今日は予想気温が最高気温がマイナス2、最低気温がマイナス7だそうです。



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