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以前の「ひとこと」 : 2018年10月後半



10月16日(火) 回転対称な結び目(その1)

 タングルのパーツを使った回転対称の結び目を作って、回転対称数を4→5→6と上げてゆくとどうなるか、という試みをしてみています。改めてこれを図示してみます。

図 1

 三角形、四角形、五角形、六角形を用意して、それぞれの頂点に柱を立ててみます。そして、その柱に最初の場所に戻るまで規則的にひもを巻き付けていく操作を考えます。最初の場所に戻ったところでひもは「輪っか」になります。最初は交点の部分の上下については議論しないことにして、必要なひもの本数(輪っかの数)だけを考えることにしましょう。

 てっぺんの頂点の外側からひもをかけ始めることにしましょう。ひものかけ方の規則は、下の図2のように、

図 2

(1).1つ隣の柱にかける場合 (赤)
(2).2つ隣の柱にかける場合 (青)
(3).3つ隣の柱にかける場合 (黄)
(4).4つ隣の柱にかける場合 (緑)

 と言うパターンがあるでしょう。

 以前、こんなシリーズをご紹介しました。

5回回転対称 7回回転対称 9回回転対称

 実物はこんな感じでした。

再掲図(2018年5月12日)

 これ、なぜ奇数の回転対称しか作らなかったかというと、偶数だと1本の輪にならないからなのです。

図 2

 このように、偶数だと輪が2つ、2成分の絡み目になります。もちろんそれはそれできれいなのですけれども。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 10月17日(水)の朝に、10/16、10/17の2日分の更新をしています。今週はこの後は毎日更新できるといいなあと思っています。






10月17日(水) 回転対称な結び目(その2)

 回転対称な結び目の話の続きです。昨日は、下図の(2)の、1つおきにひもをかけてゆくパターンの話をしました。

 先日ご紹介したのは上図の(3)、2つおきにひもをかけてゆくパターンだったのです。これは、4と5は回転対称な結び目(ひもは1本)になりましたが(下図)、

 6にすると3成分の絡み目になってしまいました(下図)。

 まあこれは考えてみると当たり前で、2つおきにひもを掛けてゆけば、頂点の数が3の倍数なら1周するだけで出発点の頂点に戻るのは明らかです。

図 1

 つまり、こうしてひもをかけてゆく手順で作る「輪っか」は、多角形の頂点の数が素数であれば、いくつ飛ばしでやったとしてもかならず成分数は1で、複数の輪が必要になることはないのです。

 「そんなの当たり前じゃないか」と思われると思いますが、自分は結び目の模型を作りながらあっさりだまされた(回転対称数が6の同様な結び目が作れるのかな?と思って実際に作ってしまってから気が付いた)ので、一応ご紹介しておこうと思ったのでした。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 会社に届け出ている自分の家族の情報が間違っていて、修正に苦労しています(システムがうまく反応してくれなくてエラーになってしまう)。面倒です。






10月18日(木) 7回回転対称な結び目

 回転対称な結び目の話の続きです。今日は7角形を考えて、その頂点を1つ、2つ、3つおきに結んでゆくかたちを考えてみました。

図 1

 これらはいずれも1本の輪になります。図1の左から、交差数は7、14(=7×2)、21(=7×3)になっています。

 図1は交点の上下を示していませんので、結び目の射影図らしく、交点の上下を決めた図にしてみることにしました(図2)。

図 2

 このようにこれらは回転対称を維持しつつ、「交代結び目」(alternating knot)として描くことができます。交代結び目というのは交差が必ず「上・下・上・下…」と交互に現れる結び目のことです。

 交点数が21の、図2の右のかたちを実際に作ってみたくなりました。でも、タングルの部品のストックも残り少ないですし、これはもう別の素材で作ろうかなと思い始めました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨夜は久しぶりによく寝た気がします。睡眠というのは記憶が整理される時間だと言われますが、眠れるとすっきりする気がします。今日も頑張らないと。






10月19日(金) タングルの結び目のCG

 回転対称なタングルの結び目のCG、以前は交差数がNのN回回転対称なものを作ってみましたが、交差数が2NのN回回転対称なものを作ってみたいと思いました。

図 1 図 2

 4回回転対称と5回回転対称のモデルです。それぞれ8交差、10交差になっています。これらはタングルのパーツ6個を単位として構成されるため、角度の自由度が6つあります。今は極めて原始的な手法でCGを作っていて、実物の模型の写真(下の再掲図)を見ながら角度を手で入力して調整して描いています。なのでまだ不完全で、特に図2のほうは自己交差してしまっています。

 そのうち、数値計算できれいなモデルを作れるようなプログラムを書きたいなあと思っています。これは解析的に解くのは無理な気がしますが、近似的にヤコビアンとかを使って数値計算はできるはずだなあと思っています。ただ、解は一意には決まらないはずなので、何か拘束条件を決めないといけないです。ロボットアームの逆運動学(インバースキネマ:ロボットの手先の位置を決めて、各関節の角度を求めること)の、冗長自由度問題を解くのと同じ考え方です。

<おまけのひとこと>
 昨日は出張でした。先週と今週で3回、東京に日帰りしています。






10月20日(土) 7回回転対称の結び目をひもで作る

 一昨日にご紹介した7回回転対称の結び目の図を見ていたら実物を作ってみたくなって、地下室の工作材料のストックの中からひもを見つけ出しました。そのひもを使って、こんな風に平らな結び目を作ってみました(図1)。

図 1

 正確には両端はつないでいないので、現時点では「結び目」ではなくて単なるからまったひもです。もっと絞って結び目を小さく固くしてゆくと良いのかもしれません。(良くないかもしれません。)

 これ、簡単そうに見えると思いますが、両手とひもだけで何にもなしで作ったらかなりむつかしいと思います。私は最初、工作用のスチレンボードに爪楊枝か何かを刺してガイドにしたらいいかな、でもそれだと強度が足りなくて結び目を作っている途中で爪楊枝を倒してしまったりするかな、でも板に釘を打つというのも大袈裟だな、どうしようか…と思っていたのです。

 厚紙に穴を開けて、結束バンドでひもを留める、という手も考えました。ハナヤマのキャストパズルが、パッケージの中でそうやって固定されています。これも最後に結び目を外すのは簡単そうです。

 でも、最終的に使った道具は、昨日の出張で行った展示会でもらったノベルティグッズのコースターでした。

図 2 図 3

 途中の写真は撮り忘れたのでないのですが、この歯車にひもをひっかけながら編むように結び目を作ってゆきました。これ、面白いです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 週末です。だいぶ寒くなりました。今朝は地区の小学校のファミリーリサイクル(廃品回収)で、朝8時までに玄関先に収集物を出しておくといことで、その準備をしていて更新データのサーバへの転送が遅くなってしまいました。






10月21日(日) 諏訪圏工業メッセ2018

 昨日はプライベートで諏訪圏工業メッセ2018を見学してきました(図1)。妻が一緒に行ってくれました。9:30開場ということでその5分前くらいに行ったのですが、かなりの行列ができていました。

図 1

 本業のほうの話もいろいろきいたのですが、それは割愛して、個人的な興味のほうの話をご紹介します。

 日本の文様を打ち抜いた正十二面体がありました。きれいです。

図 2

 会場を歩いていたら、昔の同僚から声を掛けられました。エクシンテックという会社を興したそうです。

 ジオラマや模型向けのLED照明、陸上競技やモータースポーツで使われる時間計測器、子供向けのロボット・プログラミング教育などをやっているそうです。特にLED照明がすばらしいです(図3)。

図 3

 自動車のテールランプやヘッドライトの色や大きさ、コンビニの店内の蛍光灯や店頭の明るいライト、ガソリンスタンドの天井照明など、非常にリアルで雰囲気があります。喜んでたくさん写真を撮ってしまいました。

 ちなみに、LEDユニットとしても販売されているそうですが、セブンイレブンとかガソリンスタンドは完成品も受注製作されているようで、制作時間などを考えると極めてリーズナブルな価格だと思います。模型が好きな方には訴求するのではないかと思いました。

 Nゲージとかの鉄道模型のお店などでも販売されているようで、検索してみるといろいろなユーザーさんが嬉しそうに自分の模型やジオラマに組み込んでいるのがわかります。すばらしいです。



 レーザカッターの製品を展示しているところもあって、価格や、紙をカットする業務を請け負ってくれるところなどを相談してみました。すぐにはわかりませんでしたが、また情報をいただけそうです。

 以前お世話になっていためぶき国際特許業務法人のブースもあって、ご挨拶させていただきました。(残念ながら松尾先生はいらっしゃいませんでした。)

<おまけのひとこと>
 自分の会社のブースもあって、お仕事としてアテンドしている人たちもいて、ご挨拶しました。私はプライベートで行っているので、報告書は書かなくていいので楽だなと思ったのですが、逆に報告を書きたくなるトピックがあったので、簡単にまとめようと思っています。木曜日に行った東京の展示会とは規模も全然違いますが、逆にいろいろなことを気軽に話ができて、とても良かったです。






10月22日(月) 11回回転対称の結び目を作りたい(その1)

 結び目の話に戻ります。先日ご紹介したこの結び目

を絞ってみました(図1)。

図 1

 このほうがきれいかなと思います。



 さて、7の次の素数は11なので、次は11回回転対称の結び目を作ってみたいなあと思いました。まずは図を描いてみます。

図 2

 ちょっとつなぎ目が目立ちますが、まあこんな感じですね。

 この図を眺めながら、展示会でもらった歯車型のコースターにひもをかけて、結び目を作ってみようと思いました(図3)。

図 3

 でもちょっとやってみて、この図を見ながらこの手法で組むのは無理そうだ(少なくとも私には)、とわかりました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 まる6年の単身赴任生活を終えて、今週からは毎日自宅から通勤することにしました。勤務地が変わったわけではないのですが、以前よりも仕事の負荷が若干下がったということもあって、自己都合で引っ越しをすることにしたのです。このところ週末ごとに単身赴任先の住まいの撤収作業をしていて、忙しかったです。退去の立ち合いは今週末なので、もう一息です。






10月23日(火) 11回回転対称の結び目の図を描く

 昨日の結び目の図ですが(再掲)、

 交差している点が中心付近に集中していて、実物のお手本としてはわかりにくいです。また、それぞれの交差点で、どちらの線が上なのか、いちいち考えないとわかりません。

 なので、ちゃんとした結び目の射影図らしい図を作ることにしました。最初に作ったのがこちらです。

図 1

 まんなか付近の混雑はあまり解消できませんでしたが、少なくとも線の上下はわかるようになりました。あれ、でもよく見ると結び目の交差数が減ってしまっています。もともと意図したのは、内側から外側に向かって5回交差する、交差数が5×11=55の結び目でしたが、図1のものは4×11=44交差の結び目になってしまいました。



 というわけで図を作り直しました。交差数55です。交差する点も、できるだけ散らばるように工夫してみました。

図 2

 ちなみにこの調整をどうやってやっているかというと、こんな図を描いて基本になる線分の形を決めています。

図 3 図 4

 こんな風に同心円状の補助線と、11方向に放射状の補助線を用意します(図3)。結び目の線がそれぞれの交点に近いところを通るようにかたちを調整します(図4)。

 あとはこれを左右対称にして(図5)、同じものを10個コピーして回転させて並べます(図6)。

図 5 図 6

 この図を見ていると、昔作ったトーラスの模型を連想しました(2014年12月8日のひとこと)。

2014年12月8日

 さて、お手本の図もできたので、もう一度結び目づくりに挑戦です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 会社の食堂が今週から改修工事に入って、今週からはお昼ご飯は予約したお弁当になりました。お昼にお蕎麦とかラーメンとかを食べるのが好きな私は、これから半年はそういったメニューが選べないのが残念です。






10月24日(水) 11回回転対称の結び目をつくる

 結び目の射影図もできたので、実際に作ることにしました。

 まず、図を拡大して厚紙に印刷し、丸く切り取ります(図1)。

図 1

 これが「型紙」になります。この上に重ねて結び目を作ってゆきます。

図 2

 ポイントは、図2のように縁の部分をクリップで固定してゆくことです。こうすることでひもが動きにくくなります。交代結び目なので、ひもは最終的には上下交互になるのですが、途中の段階では上側が続いたり、下側が続くこともあります。そのあたりを型紙を確認しながら編むようにひもの上下を決めてゆきます。 すでにあるひもの下をくぐらせるときには、通しているひも以外の部分を手で押さえてかたちが崩れないようにします。

 こうして一巡して出来上がったのが図3です。

図 3

 これをつくる作業はとても楽しかったです。

 クリップを取り除いて型紙から外して、絞り込んでみました(図4)。右側は前回作った7回回転対称の結び目です。

図 4

 絞り込まない図3のほうがきれいかなあと思いました。でもそれだとかたちが安定しにくいです。どうしようかな…

(つづく)



 通勤で、朝6時台のFMを聴いています。今週はフランソワ・クープランの特集で、クラヴザン曲集や、王宮のコンセールなどが放送されています。聴いていると幸せな気持ちになります。久しぶりに自分でもチェンバロを弾きたくなりました。おかげでなかなか思考が「仕事モード」に切り替わらないので、会社に着く10分前くらいにはラジオを止めるようにしています。

<おまけのひとこと>
 遠距離通勤になったので、ガソリンの消費量が増えています。






10月25日(木) 7回回転対称の結び目をつくる

 結び目の型紙を作って、その上に本物のひもで同じ結び目を構成してゆくという作り方が面白くて、別な型紙も作ることにしました。今回用意したのは図1のような7回回転対称の交代結び目です(図1)。先日ご紹介した7回回転対称結び目よりも交差数を増やしています。

図 1

 ちなみにこの型紙は、古くなったクリアフォルダに両面テープで貼り付けて、クリアフォルダごとハサミで丸く切り取っています。そのため何度も使えるだけの強度があります。

 昨日と同様にダブルクリップで留めながら結び目を作ってゆきます(図2)。

図 2

 今回は図のように太いタコ糸を使ってみました。

 図3、一巡しました。必要なひもの長さを見積もって、ひもをカットして、ひもの両端をほつれてこないようにテープで仮にまとめて、クリップで留めながら図3の状態に持ってくるまでに作業時間は15分くらいだったかなと思います。

図 3

 最後に、クリップを取り除いて型紙から外してみました(図4)。今回は結び目を絞って小さくすることはやめて、作ったそのままです。

図 4

 ちょっとひずんでいますが、実物はやっぱりいいです。でもこれどうやって保管しようかな…

(つづく)

<おまけのひとこと>
 来週月曜日の出張の予定がまだ確定しなくて困っています。






10月26日(金) KnotPlot(その1)

 The KnotPlot Siteという、数学の結び目(knot)を描いた(plot)美しい図をたくさん公開されているすばらしいサイトがあります。以前から何度も参照させていただいている結び目の一覧のページであるA Knot Zoo(結び目の動物園)も、このサイトの中の1ページです。

 このサイトから、その名もKnotPlot(ノットプロット)というソフトウエアをダウンロードすることができます(ダウンロードのページ)。すべての機能を利用するためには購入する必要があるようですが、無償の評価版の状態でも、かなりのことができます。とりあえず、用意されているいろいろな結び目を表示してみて、大きさや太さ、向きなどをいろいろ変えて遊んでみています。

図 1

 カーペットのような結び目です。(これはAshley knot と呼ばれる一群の結び目の1つのようです。) 昔、こんなものを作ったこともありました(2002年12月4日のひとことより)。

 4回回転対称な結び目(図2)と、7回回転対称な結び目(図3)です。

図 2 図 3

 図2のほうは交代結び目ではありません。いっぺんに2本をまたいだり、2本の下をくぐったりしています。図3のほうは交差ごとに上下が入れ替わる交代結び目ですが、このところ作っていた交代結び目とは構造が違います。

 図4と図5はとてもよく似ています。もしも色を単色にしてしまったら、パッと見て区別するのは難しいと思います。

図 4 図 5

 この2つ、何が同じで何が違うのでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 KnotPlot、おもしろすぎてずっといじって遊んでしまいます。






10月27日(土) KnotPlot(その2)

 The KnotPlot SiteからダウンロードできるKnotPlotという結び目を描画できるソフトウェアの話の続きです。

 昨日の最後に、かたちが似ている2つの図を提示して、「何が違うでしょうか?」という問いかけをしました。これ以外にも類似のペアのデータが用意されていたので、並べてみます。下の右の再掲図は昨日の図3です。

図 1:bain6a.k 再掲:bain6b.k

 図1は6回回転対称、再掲図のほうは7回回転対称です。また、図1のほうは3成分の絡み目(ひもの輪っかが3つ絡み合っている状態)ですが、再掲図のほうは1成分の結び目(輪っかは1つだけ)です。 昨日の図4と図5も、まずは成分数(輪っかの数)を調べてみて、なぜそのような差が生ずるのかを考えてみてください。



 ちなみに、図に bain6a.k とか書いてありますが、これは KnotPlot の中の結び目のデータファイル名です。コマンドウィンドウから load コマンドを入力すると、呼び出して表示することができます(図2)。

図 2

 表示した結び目の図は、向きや大きさを変えたり、太さを変えたりできます。



 上記のサイトの中のDecorative knots(装飾的な結び目)というのがきれいなのですが、上段中央の 10sep03c と書かれている結び目が気に入りました(図3)。

図 3 図 4

 6回回転対称な交代結び目です。これ、作ってみたくなりました。図4のように交差の上下がわかりやすい図を作って、これをお手本に作ってみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 このところ、夕食後にすぐ寝てしまって、3〜4時間後の午前零時とか午前一時くらいに目が覚めて、そのまま明け方まで起きていて、会社の仕事を少しやったり、このページの更新の材料になる図を描いてみたり何か作ってみたりして、明け方にもう一度寝る、というサイクルが定着しつつあります。






10月28日(日) C6の結び目を作ってみる

 昨日ご紹介した6回回転対称(面倒なのでC6と表記します)の結び目を作ってみることにしました。

 先日、展示会でもらった歯数が12の歯車のコースターを活用することにしました(図1)。 こんな風にひも(タコ糸)をかけて結んでいって、最後に外してかたちを整えました(図2)。

図 1 図 2

 この結び目、部分的に小さな三葉結び目のパターンが並んでいるのが素敵だと思います。

図 3

 実物はなかなかきれいにかたちを整えられないのですが、でも楽しいです。



 KnotPlotという結び目描画ソフトのデータフォルダに用意されている結び目を表示してみているのですが、こんなペアがありました。

図 4 : True Love Knot 図 5 : False Love Knot

 図4が“True Love Knot”(真実の愛の結び目)、図5が“False Love Knot”(偽りの愛の結び目)だそうです。ハテ、なんでそんな名前が付いているんだろう?と思いました。

 図4、図5の図の上では、どちらの結び目も交差数は8です。2か所、交差の上下が入れ替わっています。 KnotPlot のデータを信じるならば(そして私がコピーし間違えていないならば)、Falseのほうは交代結び目ですが、Trueのほうはそうではありません。ひも等で実物を作るならば、交代結び目のほうがかたちが変わりにくい気がします。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日の土曜日、6年間住んだ単身赴任先の住まいを引き払ってきました。特に追加の費用が発生するような破損等はないですね、と言っていただけました。これからは会社の飲み会が大変になります。






10月29日(月) True Love Knot:真実の愛の結び目(その1)

 昨日、“True Love Knot”もしくは“True Lover's Knot”と呼ばれる結び目があるらしいということをご紹介しました。少し調べてみたのですが、この結び目がなぜそのように呼ばれているのか、まだよくわかっていません。また、どのくらい浸透している名称なのかもよくわかりません。

図 1:True Love Knot(部分)

 わかったのは、1944年に出版されたThe Ashley Book of Knots(リンクは英語のwikipediaです)という本に記載があるようだ、ということです。



 とりあえずタングルのパーツで、この結び目を作ってみました(図2)。

図 2

 なんというかまあ、対称性は感じられるので、それなりの美しさがあるのですが(余ったパーツで作っているので色遣いはむちゃくちゃですが)、「真実の愛」を名乗る理由がよくわかりません。いくつか調べてみても、「装飾用の結び目であり、実用性はない」みたいな記述があったりとかして、でも装飾用の結び目として飛びぬけて美しいか、と言われると、正直疑問です。



 画像検索をしていたら、こんな指輪の画像がありました。こちらのサイト(英語です)には、一組の平行なワイヤーの結び目が互いに絡み合っていることから、永遠に一緒にいて決して別れないことの象徴、といった説明が書かれていました。

図 3

 また、日本の通販のサイトにも、もう少し太い素材で作られた同じ指輪がありました。こちらこちらです。

図 4 図 5

 どちらのサイトにも「真実の愛の象徴」といった解説は一切ありません。そういう説明を付けたほうが売れるんじゃないかなあと思ったりします。

 結び目ファンとしては、1つ持っていてもいいかなあと思ったりしますが、まあでも使い道もないし、結び目の模型はひもやロープで作っているからいいかな…

(つづく)

<おまけのひとこと>
 毎日の更新を復活して2週間くらいになります。やっぱり毎日書けるのはいいなあとか思ったりしています。






10月30日(火) True Love Knot:真実の愛の結び目(その2)

 “True Love Knot”を調べていて、The Ashley Book of Knotsという、第二次世界大戦のころに出版された結び目の古典のような本に記載があるらしいということがわかったので検索してみたところ、そのあたりのページを閲覧することができました。

 638ページもある大著なのですが、その387ページ目にこんな図が載っていました。

図 1:The Ashley Book of Knotより引用

 なるほど、結び目を絞るとこんな風になるのですね。(数学の)結び目の模型ばかり作っていたので、絞ることは考えませんでした。

 同じページのすぐ次の図に、この結び目から十字型を作る手順が説明されていました(図2)。

図 2:The Ashley Book of Knotより引用

 本によると、これは「船乗りの十字架」(Sailor's Cross)とか、「南十字星」(Southern Cross)とか呼ばれるそうです。これはきれいですね。

 なお、本にはちゃんと“False Love Knot”(偽りの愛の結び目)も載っていました。

図 3:The Ashley Book of Knotより引用

 確かに美しい十字模様にならないのですね。なんだか少し納得しました。

 それにしても何千枚もある図を手描きして作られたこの本は本当に大変な労作だと思いました。



 True Love Knot の十字架、作ってみたくなりました。まず、結び目を作って(図4)、

図 4

 2か所をひっぱり出してそれらしいかたちにします(図5)。

図 5

 なかなかいい感じです。もうちょっとかたちを整えたいかな…

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日は出張でした。






10月31日(水) スタンド式ゴミ入れ

 月末なので単独の軽い話題です。

 先日、図書館でリサイクル折り紙 新聞紙で折る兜(加藤幸吉 誠文堂新光社)という本を借りてきました。

図 1

 兜とかこいのぼりの折り紙が紹介されていたのですが、興味を持ったのは鍋敷きとかゴミ箱とかシンプルな幾何学的な構造のものです。それを作ってみようと思って借りました。

 一番後ろに折り図が載っていた「スタンド式ゴミ入れ」というのを作りました。一番「ゴミ入れ」として機能しそうだったのは、先日見学した展示会の会場案内図の大きくて丈夫な用紙で作ったものです(図2)。他にも、普通のA4のサイズの紙とか、15cm角の普通の正方形の折り紙とかでも同じものを折ってみました(図3)。

図 2 図 3

 A4から折っても小さすぎます。ましてや折り紙で折ったものはちょっと太いペンを挿すくらいのサイズになってしまいました。

 新聞の折り込みチラシでも折ってみました。

図 4

 折っていてなかなか楽しいのは確かなのですが、実用性を考えると若干疑問かな…とも思いました。これは定番としては定着しないかな、と思いました。



 月曜日に出張に行きました。栃木県の小山市で午前10時、東京駅付近で午後3時半、という2つの打合せが目的です。普通に行くと、朝10時に小山には着かないので、長野新幹線(という名称はなくなってしまいましたが)沿線の実家に車で移動して、そこから新幹線で大宮に出て、東北新幹線で一駅の小山駅に行く、というルートで行きました。

朝7時前に実家に到着する直前の写真です(図5)。真田の六文銭がラッピングされた赤い路線バスの後ろになりました。バスのナンバーがこの市の郵便番号と同じなのも面白いなあと思って写真を撮りました。右側に見えているのは繭蔵(まゆぐら)です。昔、このあたりも製糸業が盛んだったのです。

図 5

 大宮からは新幹線「なすの」に乗ったのですが、自由席は満席でデッキに立っている人もたくさんいました。月曜日の朝9時の下りの東北新幹線郡山行きがこんなに混雑するとは予想外でした。この車両(E3系)に乗るのはたぶん初めてだったと思います。

 北陸新幹線に1時間ほど乗って、折り返すように東北新幹線に15分ほど乗って、さらに折り返して普通列車に5分ほど乗って目的地の最寄り駅に到着したのですが、なんとなく目的地に収束する減衰振動とか螺旋軌道をイメージしました。

 午後は普通列車で東京駅まで移動しました。久しぶりに尾久駅に停まりました。いろいろな列車に乗れて楽しかったです。

<おまけのひとこと>
 今年もあと2ヶ月です。






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