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以前の「ひとこと」 : 2020年7月前半



7月1日(水) 直角二等辺三角柱を繋いだ三葉結び目(その1)、他

 結び目、というのは大変魅力的なかたちをしていると思うのです。20年くらい昔、この「あそびをせんとや」というサイトを初めて公開したころ、ホームページを個人で作ることが流行した時代には、バナーと呼ばれる小さな画像を用意するのがなんとなくマナーのようになっていました。私もこんなバナー画像

を作ったものでした。(今でもトップページの一番右下の隅っこに置いてあります。)限られた画素数でどんなデザインにしようか悩んだのですが、ご覧のように立方体を連結した結び目の立体の構造を選んだのでした。そのくらい結び目には昔から興味がありました。

 さて本日ご紹介するのは、同じく三葉結び目の立体構造です。「マジックスネーク」という、かたちをいろいろと変えて遊ぶ玩具がありますが、それの廉価版を活用して作ったものです。まずは画像をご覧ください。

Fig.1

 Fig.1 の姿勢での置き方が一番好きですが、もっと重心が低くなる、3回回転対称軸が垂直になるような置き方をして、ほぼ真上から見下ろしてみました(Fig.2, Fig.3)。Fig.2 が上の図と同じに見える方向から見たもの、Fig.3 は裏返して反対側を見たものです。

Fig.2 Fig.3

 さらに、置き方を変えながらもう少し一般的な視点から見てみました。

Fig.4 Fig.5

 もう1枚、置き方と照明の位置を変えて撮ってみた写真です(Fig.6)。

Fig.6

 同じような写真が続いて申し訳ありません。目下のところ大変気に入って飾っている模型なのです。

 さてこのかたち、立方体を断面積が最大になるように二分割した “直角二等辺三角柱” が単位になっていることは明らかだと思うのですが、この基本単位がいくつ使われているでしょうか? 通常のマジックスネークは24単位分ですが、それでは足りません。

(つづく)



 2003年4月に、平面多角形リングモデル:10個の正六角形というのをご紹介したことがありました。そのとき、gifアニメーションのCGを、当時 geocities というサービスが提供してくれていた無料ホームページに載せていました。そのサービスが終了してしまったので、T科日記のほうに掲載させてもらうことにしました。

 そのアニメーションをここからもリンクして表示をさせてもらいます。

Structure that combines 10 regular hexagonal rings

 自分が作る多くのものは、CGにせよ実物の模型にせよ、昔作ったものよりも最近作ったもののほうが好みなのですが、このかたちは今見ても美しいと思うのです。(自分が作ったCGを「美しい」と自画自賛しているわけではなくて、このかたちの概念そのものが美しいと思うのです。「正多面体が美しい」と言っているのと同じ感じです。)



 20年前は、自分のサイトを見てくださる方のデータ伝送量を少しでも小さくしたくて、大きなファイルは載せませんでした。最近は動画とかも当たり前になって、いろいろなサイトを開くと広告のためのデータ通信が勝手に大量に発生します。もちろん、通信帯域のことなど何もユーザに意識させずに使ってもらえるサービスが望ましいのですけれども、そうは言っても現実の通信インフラは有限なわけで、最近の「コンテンツは無料なんだけれどもユーザはたくさんの広告を見なければいけない」ビジネスモデルは釈然としないものを感じます。

<おまけのひとこと>
 7月になりました。2020年も今日から後半です。






7月2日(木) 直角二等辺三角柱を繋いだ三葉結び目(その2)、他

 昨日のスネークキューブもどきで作った三葉結び目をCGにしてみました。

Fig.1 Fig.2

 Fig.1 は平行投影法での描画、Fig.2 は透視投影法での描画になります。色数を減らしているのでドットが見える粗い画像になってしまっていてすみません。(いずれも4bitカラー、16色で、ファイルサイズは8kbyteくらいです。この色数でもそこそこの絵になっているのが逆に驚きです。)



 さてこのかたち、三葉結び目ですから3回回転対称なかたちをしています。三葉のうちの一葉のかたちはこんなかたちです。(減色しているので背景のグラデーションに疑似輪郭が出てしまっています。)

Fig.3

 これは 3 + 3 + 3 + 3 + 2 で、14個のユニットを使っています。このユニットを一葉ずつ追加していってみましょう。

 どんなふうに結び目になっているのか、こうしてみると少しわかりやすいかなあと思います。(このファイルは容量に余裕のある別サーバに置かせてもらっているので、色数が多くて比較的きれいな画像になっていると思います。)

 というわけで、このかたちを作るためには 14 x 3 = 42 ユニット必要なのです。通常のスネークキューブは24ユニットなので、2セットだと6個余ります。今回、模型を作るのに使った材料は、100円ショップで購入したスネークキューブの廉価版のような製品を使ったのですが、これが1本の丈夫なテグス糸で全パーツを繋いだ構造になっていて、このテグスを切断すると全てのピースがバラバラになるのです。

 1セット24個はそのまま使って、もう1セットを分解して、ピースを1つずつ瞬間接着剤でくっつけて模型を作りました。これが期待以上に気に入った模型になったので、紙模型を作るのはやめにしました。これはお勧めです。

(つづく)



 先月、スネークキューブ3セット分(ユニット72個)でこんな構造ができるということをご紹介しました。

 幸いこれは24の倍数だったので、分解せずに済んだため、接着はわずか3か所で済みました。

 このCGもご紹介していましたが、回転するアニメーションを作ってみてあったので、それもご紹介することにしました。

Hamilton Cycle on Truncated Octahedron

 私の場合、このように等角速度で回転させるとどんなかたちなのかよくわかる気がするのです。

 このアニメーションファイルもT科日記のほうに置かせてもらっています。影がちょうど輪になるように見える瞬間があって、

Fig.4

影のかたちの変化に注目してアニメーションを眺めています。

<おまけのひとこと>
 昨日は(仕事中に)PowerPoint vba をいろいろいじっていたのですが、ほんとうにつまらないミスをしてしまって意図通りに動作せず、その理由がなかなかわからなくて苦労しました。最近ついに目が悪くなってきたのを実感しています。






7月3日(金) 直角二等辺三角柱を繋いだ三葉結び目(その3)、他

 昨日のスネークキューブのパーツによる三葉結び目を眺めていたら、少し変形できることに気が付きました。CGで試してみました。下の左のFig.1が変形してみたもの、右の昨日の図が変形前です。見る向きは大きく変えています。

Fig.1 : modified Yesterday's Fig.1: orininal

 この2つ、どこをどう変えたのかわかりますか? パーツの数は同じです。三葉結び目であることも同じです。 単に青と白の色を入れ替えたわけではありません。



 変形前と変形後の視点を合わせてみました(Fig.2, Fig.3)。こうすると、オリジナルのどこをどう変形したのか、だいぶわかりやすいかなあと思います。

Fig.2 : original Fig.3 : modified

 とはいえ、横に並べてみるとどこがどう動いたのかが少しわかりにくいかもしれません。連続で変化するCGをこちらのblog のほうに置きました。(昨日まではgifアニメーションのファイルを直接このサイトに埋め込んでいたのですが、毎日そんなことをしていたら、過去のページ(半月分の記事を並べています)を開くのにとんでもなく重くなってしまうということに思い至ったので、興味がある方はblogのほうを見に行っていただくように方針を変えました。)興味がある方はご覧ください。



 さて、また別の方向にこの三葉結び目を変化させてみることにしました。三葉結び目の「葉」を伸ばしてみました。Fig.4 がオリジナルで使用ピース数42個です。Fig.5 は葉を伸ばしたもので、使用ピース数54個です。

Fig.4 : short leaf Fig.5 : long leaf

 これはどんどん伸ばしてゆくことができますが、まあ1ステップやってみれば十分かなと思いました。実物も多分作りません。ただ、このFig.5 を眺めていたら、また別の変形をしてみたくなりました。

(つづく)



 ほぼ毎朝、数学検定協会の「算数検定カレンダー」「数学検定カレンダー」を暗算で解くのが日課です。先週だったか、こんな問題がありました。(すみません、テキストではなくて画像です。)

 長さが整数の8本の棒があって、全て長さが異なります。8本のうち、どの3本を選んでも三角形を作ることはできません。短い順に並べると、最初が長さ1、次が長さ2で、一番長いのが34でした。二番目に長い棒の長さは? という問題です。

 これ、とても面白い問題です。私は恥ずかしながらこの数列がこんな性質を持っているということを意識したことがありませんでした。「あっ! なるほど、そうか」と思った瞬間はとても楽しかったです。

<おまけのひとこと>
 今日は朝8時半から30分間、会社の偉い人の時間をいただいていて、報告をすることになっています。昨日は上司(私より一回り以上若い方ですが、尊敬できる方です)に事前確認をしてもらって、指摘してもらった修正事項は対応済みです。今日は夜にもwebのイベントがあってそれに参加する予定なので、長い一日になりそうです。






7月4日(土) Double Cross Puzzle、他

 スネークキューブのピースを用いた造形の話はちょっと中断して、別の軽い話題にします。



 木製の小さな立方体をたくさん入手したので、何か美しいかたちを作ってみたいなと思ってちょいとパズルでも を眺めていたのですが、その膨大なパズル情報の中から Double Cross Puzzle(Min S. Shih:2009) を作ってみることにしました。

 木工用ボンドでキューブをせっせと接着して、合同なピースを8つ用意します(Fig.1)。

Fig.1 : Parts of Double Cross Puzzle(DCP)

 この8つをうまいこと組み合わせると、こんなかたちを作ることができます(Fig.2)。

Fig.2 : completed DCP

 これ、気に入って机の上に飾ってあります。合同なピースなので、積み木として遊んでみても楽しいです。



 昨年の8月に、こんな「ランダムっぽい多面体」をご紹介したことがありました。

pseudo-random dodecahedron

 上記の、ファイルサイズを小さくしようと思って涙ぐましい努力をした、ちょっと情けないgifアニメーションファイルを掲載していました。

 最近、大きなファイルはT科日記 という blog のほうに置くことを覚えました。ランダムな多面体という記事を書いて、もっと大きくて滑らかなアニメーションを置きました。よろしければご覧ください。

 この「あそびをせんとや」は、数学や多面体などの前提知識がない方でも興味を持っていただきたいと思って、中学生くらいの前提知識を想定して説明をするように心がけています。 一方、blog のほうはそういった前提を置かず、用語の説明は特にしないですしリンクも張らない、不親切な記事にしています。そのかわり思いついたことやこれから考えてみたいことなどもメモ代わりに書いておこうと思っています。文体も「ですます調」ではなく「である調」で書いているので、別人のように思われるかもしれません。



 奈良県の宇陀市ということろに(といっても奈良県のどのあたりなのか、調べないと私はわからなかったのですが)、室生山上公園 芸術の森 というのがあるのだそうです。こちらの るるぶ&more の「室生山上公園 芸術の森」は青空と山、水が織りなすフォトジェニック空間! という記事を見ると、幾何学的な現代アートがある公園のようで、これはぜひ一度訪問したいな、と思いました。車なら一応日帰り圏内です。かなりハードですが…

<おまけのひとこと>
 今日は天気が悪いです。妻が膝が悪くなってしまって、座卓では不便になってしまったので、今は仮の小さなテーブルを食卓にしているのですが、もっとまともなテーブルを買おうか、という話をしています。本当は今日はそれを探しに行きたかったのですが、この天気ではちょっと難しいかな…






7月5日(日) シェークスピアの論理回路、「ルドルフとのらねこブッチー」

 シェークスピアの論理回路、というのを知りました。こんな回路です。

 これは上手い!と思いました。この発想はありませんでした。

 ちなみに、論理回路記号に馴染みがない方もいらっしゃるかと思いますので一覧の図を載せておきます。

logic circuit symbols

 冒頭のシェークスピアの論理回路では、notor が使われています。ちなみに元ネタはこちらのFacebookです。ポルトガル語(?)でたくさんコメントが付いています。(読めない…)

 アニメやマンガの雰囲気を感じる絵です。(嫌いではありません。)



 この論理回路を見て、なんとなく “To be, to be, ten made to be.” というのを連想しました。40年前、中学一年の最初の英語の授業の最後に先生が黒板に書いてくれました。 種明かしはしませんが、検索してみるとこれは日本語がわかる人にしか通じない、年配の人しか知らないジョークのようです。

 シェークスピアの論理回路と、変な英文(?)の野暮な解説をこちらの blog のほうに書きました。「論理回路、知りません」という方、よろしければ解説をご覧ください。



 7月2日(木)だったかの新聞の一面の一番下の新刊書籍の広告の欄に、「ルドルフとイッパイアッテナ」のシリーズの最新刊、「ルドルフとのらねこブッチー」(斉藤洋)が出版されたというのが出ていたので、この週末に買ってきました。例によって一気に読みました。とても面白かったです。

 帯には「シリーズ最高傑作」と書かれています。「作者は一番最近の作品を一番気に入っている」の法則が成り立つとすれば、少なくとも著者は「シリーズ最高」と思っていらっしゃるのかなと思いました。(もちろん「以前の作品には及ばないものの最新刊もなかなか面白いですよ」とは宣伝できないのは明らかですが。)個人的には「最高傑作」かどうかはわからないけれど、新刊(5冊目)が出てくれて本当に嬉しいし、過去の登場人物(というか猫や犬)がたくさん出てきたのも、それぞれのキャラクターがぶれていないのも、とても良かったです。

 何を書いてもネタばれになるのでほとんど何も感想は書けないですが、このシリーズは少年マンガの王道のようなプロット(強敵が頼もしい味方になったり、個性豊かな仲間がそれぞれの得意技を発揮して活躍したり、経験を積んで成長していったり)が描かれているのが大変魅力的です。ただ、5冊目ともなると登場人物(猫や犬)も増えて、みんなが存分に活躍するというわけにはいかないところがやや残念ではありました。

 今本棚を確認しに行ったら、あろうことか4冊目の「ルドルフとスノーホワイト」を買っていませんでした。もちろん読んでいるのですが、今回、詳細を確認しようと思ったのにできませんでした。私としたことが…



 この、「私としたことが」「自分ともあろう者が」といったニュアンスの漢語があったような気がするのですが、思い出せないのです。「不覚」はちょっとニュアンスが違う気がするのでそれ以外の言葉なのですが、「不届き」は全然違うし、「怠慢」も違うし…。ダメだ、日本語すら不自由です。

<おまけのひとこと>
 今日は天気が悪いです。朝4時過ぎ、まだ暗いうちからカッコウが鳴きました。小さな地震がありました。岐阜県の飛騨地方が震源の、4月くらいから続いている群発地震の一つのようです。大きな地震が発生せずに減衰してくれるといいなと思っています。(でも希望的観測に頼ってはいけない、油断は禁物ですね。) 勤務先の職場は自宅よりも震源にずっと近いロケーションです。万一おおきな地震が発生したとしたら(「万一」と書いていますが、実は1万分の1よりもずっと大きな確率なのではないかと思います)建物の中は危険で入れないかもしれないということで、テント型の簡易トイレが食堂の近くに展示されていて、「掲示されている使い方を読んでおくように」という通達がありました。そういう用心や準備が大切だと思いました。

 熊本県の豪雨災害、胸が痛みます。2016年に大きな地震(熊本地震)もありました。もはや日本中、災害と無縁な地域はあり得ないのですね。そういうつもりで暮さなければいけないのだ、と改めて思いました。






7月6日(月) Xリング3つを絡ませた模型、7要素のベン図

 少し間が空いてしまいましたが、6月20日のひとことでご紹介した、Xリングと名付けた構造を3つ絡ませた模型をアーテックブロックで作ってみました。

Fig.1

 パーツの数の都合で、三角のパーツで角を面取りしたかたちにしています。目立たないところに「脚」を付けて立てています。

 Fig.1 は対称性が高い三回回転対称軸方向から見たところでしたが、少し視点を下げてみました(Fig.2)。

Fig.2

 面白いです。3つのXリングの「絡んでいない側」も、同様に3つのリングを絡ませることができるはずです。実物はパーツが足りないので作りませんが、CGを作ってみることにしました。

(つづく)



 ずっと以前に、ベン図について書いたことがあります。(2003年6月29日)

 この図は3要素の集合のベン図ですが、7要素の図がありました。

Andreas Gammel
(図をクリックすると大きなサイズの画像が開きます。)

 大きな画像はblogのほうに載せています。

 これは美しい図だと思います。



 さらに、こんな図もありました。

Fig.4: 11-Venn diagram

 A New Rose : The First Simple Symmetric 11-Venn Diagram (Khalegh Mamakani and Frank Ruskey:2012)という論文です。11要素のベン図です。11要素ということは、 211ですから2048の領域にエリアを分割しているはずです。すごい。

<おまけのひとこと>
 今日は健康診断を受診します。毎年、健康診断の日は受診できる最初の時間枠に予約をするようにしています。「朝食抜き」なので、できるだけはやく終わって食事をするようにしているのです。いつも朝7時半の受診開始に合わせて、その10分前には受付に行くようにしています。
 ところが今年は胃検診がなくて、さらに受診者の密度を下げるために午後の部まで設定されています。午後だと朝食・昼食は食べてもOKということなので、午後の受診にしてみました。ただこれだと採血データの中に正常値を外れるものがあった場合、食事の後だからなのか、それとも空腹時でも高い数値が出てしまうのか、判断が難しい(できない)ものもあるはずです。少なくともお昼は軽い食事にしようと思っています。






7月7日(火) Xリング3つを絡ませたCG

 昨日のXリング3つを絡ませた構造をCGにしてみました。

Fig.1: three X-rings

 これは「ボロメオの輪」のように1つを外すと全部がバラバラになるような構造ではなく、任意の2つが鎖のようにからんだ構造になっています。3つのXリングのうちの1つずつを消して、2つずつがどのように絡まっているのかを図示してみました。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 CGは位置精度は完璧ですが、それゆえに形を把握するのが意外と難しかったりする気がします。



 というわけでアニメーションで少し動かしてみました。blogのほうにも記事を書いて載せています。

three X-rings (animation)

 少しはどういうかたちなのかわかりやすくなったでしょうか?

(つづく)



 今日は「3つのXリングのCG」について書くと決めていました。今日はいつもより起きる時間が遅くて、3時前くらいでした。事前に書く内容を決めていても、実際に解説や説明を書きながら図を作り直したくなることはよくあります。今日も図は全部作り直したのですが、その作業の最中に、もともと準備いていた図が間違っていたということがわかって青ざめました。意気揚々とこんな図を用意していたのでした。

3 X-rings with one piece in wrong position

 この図のどのパーツがどのように間違った位置になっているのかわかりますか? Fig.1 と比べていただければわかると思います。

 最初、この配置でアニメーションファイルを作ってしまったのでした。気が付いて直せてよかったです。

<おまけのひとこと>
 昨日は健康診断でした。体重は少し増えているし、視力は悪くなっているし、あまりよくありませんでした。自動車の運転免許証の更新のタイミングなのですが、今回の視力検査の結果ではギリギリ不合格のレベルで、困ったなと思っています。視力検査用の度の強いメガネを持って行ったのですが…(とはいえそれもかなり昔に作ったものですが)






7月8日(水) Xリング12個を絡ませたCG

 昨日はXリングを3つ絡ませた構造をCGでご紹介しました。これは、3つのXリングの片側だけが絡んでいて、同じ構造である反対側はフリーでした。反対側も同じように3つが絡んだかたちにしたくなりました。実物はもちろんそんなに用意できないので、CGにしてみました。

Fig.1: 12 X-rings

 ちょっと色を変えました。同じ色のXリングだけを別々に表示してみます。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 ちょっと画像が小さくてよくわからないかもしれません。



 というわけで大きな画像を例によってblogのほうに載せました。(これは昨日の色遣いに近い色です。)

Click on the image to see a larger image.

 上の画像から、大きなサイズ(640x480)のgifアニメーションファイルにリンクしています。視点と投影法を変えた3枚の画像を切り替えるファイルです。見てみてください。

 この図を見ていると、12個のうち、外側の6つのXリングの外側がフリーになっているのが気になります。ここも同様に3つを絡ませることができるはずです…

(つづく)

<おまけのひとこと>
 なかなか連続して長く眠ることができなくて、だいたい2時間ごとに目が覚めます。頑張って23時や24時まで起きていたとしても、午前1時くらいには目が覚めてしまいます。翌日が辛いので無理やりもう一度眠るのですが、続けて眠れるのはせいぜい1〜2時間で、だいたい2時か3時にはあきらめて起きてしまって、このページの更新などをしています。
 今朝は2時に無理やりもう一度寝たら、次に気が付いたら4時前でした。慌てて起きようとしたら足がつって、あまりの痛さに悶絶しました。今日は不自然に足を引きずって歩くことになりそうです。やれやれ…






7月9日(木) Xリングを絡ませたシート状の構造(CG)

 このところ気に入ってご紹介してきたXリングを絡ませた構造の最終回です。今日はXリングを無限に絡ませた構造のCGをご紹介します。(ページ内のレイアウトが毎日ほとんど同じで楽です←手抜き)

 最初に、少しだけ大きな画像でのご紹介です。(後でもっと大きな画像を見ていただくように用意しています)

Fig.1: X-rings

 局所的には凹凸があってでこぼこしていますが、全体としては平面状のシートの構造になっています。2色ずつ取り出して(=1色ずつ消して)表示してみました。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 丈夫な「くさりかたびら」のようなシートになっているのがわかりますでしょうか。



 こういう構造はもっと大きくてシャープな画像で見たいですね。と思ってblogのほうに載せました。

xrings_infinity-1(XGA).png xrings_infinity-2(XGA).png xrings_infinity-3(XGA).png
Click on the image to see a larger image.

 上の3つの画像それぞれをクリックしていただくと、別ウィンドウでXGA(1024 x 768)のサイズの画像が開きます。ぜひご覧ください。毎度のことながら、とても手作業では描けないような図が簡単に描けて感激です。



 昨日の夕方、自宅の窓から見た八ヶ岳が、まるで燃えるような夕焼けでした。

Click on the image to see a larger image.

 画像をクリックすると大きな画像が開きます。これは東の空の夕焼けですので、山の後ろに太陽があるわけではなくて、視点の後ろ、背中側にあたる西側に太陽はあります。こんな風に見えていたのは短時間でしたが、美しい夕焼けでした。

 昨日はいつもより少し遅い、朝6時過ぎに自宅を出たのですが、雨がどんどん強くなって、高速道路を走行中にラジオでニュースを聴いていたら、岐阜県と長野県の一部に大雨特別警報が発令されました。幸い、7時過ぎに会社の駐車場に着いた時には一時的に雨は弱まっていて、傘をさせばほとんど濡れずに済みましたが、しばらく後から来た人は、傘があっても下半身はずぶぬれになってしまったようでした。

 午後は各自の判断で、上司が許可すれば在宅勤務に切り替えてもよいということになったので、お昼休みに自宅に移動して(雨は上がっていました)、午後は自宅で仕事をしました。そのおかげで夕焼けを見ることができました。

<おまけのひとこと>
 最近はblogのほうに大きな画像を置くことにすっかり頼ってしまっています。将来、blogのサービスが終了したら困ったことになるなあと思っています。どうしようか…






7月10日(金) 正三・四・五角形にみえる立体(その1)

 日本テセレーションデザイン協会というサイトを見ていたら、正三・四・五角形にみえる立体というのが紹介されていたので早速作ってみました。(作ったのは確か今年の長い5月連休のときだったと思います。)

 まずは一般的な視点から見た画像です(Fig.1)。

Fig.1

 次に、タイトルの通り「正三角形」「正方形」「正五角形」に見えるであろう方向から見た写真を撮ってみました。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 どうもFig.2の「正三角形に見える方向」は間違っていたようです。一応、意図しているシルエットを示した図も作ってみました(Fig.5)。

Fig.5

 実物を手に取って眺めると面白いです。特に「正五角形に見える方向」から眺めると、その美しさにほれぼれします。

 さて、この多面体、面の数はいくつあるでしょう? どんな対称性を持った多面体でしょう? 面の形はどんなかたちでしょう?

(つづく)



 今年の3月に、穴開き三角形のマッチングパズル:四方六面体というのをご紹介したことがありました。そのときにこんな画像で解をご紹介していました。

 これ、本当は回転するアニメーションを載せたかったのです。そのためにファイルサイズをなんとか小さくできないか、試行錯誤をしていました。結局満足する品質とサイズが実現できなかったのでアニメーションを載せるのは諦めたのですが、blogのほうに載せてみましたのでよろしければご覧ください。

<おまけのひとこと>
 今日は本社部門の偉い人に急遽説明をすることになっていて、昨日は一日かけてその準備をしていました。例によって昨日の朝の段階では頭の中に報告のイメージは完成していたものの、資料そのものは白紙でした。昨日は運悪く会議が5つあって、その合間を縫って20ページほどの報告資料を作りました。今日の朝9時からの説明なのですが、どんな反応になるのか楽しみです。

 このページのトピック、昨日でXリングの話が一段落して、今日は何を書こうか起きてから考えました。以前作ったシルエットが正多角形になる多面体にしようと決めて(写真だけは撮ってありました)、写真のリサイズとトリミング、説明用の図の作成、blogの側に置くアニメーションファイルの作り直しとblogの記事を書く、といった作業をしてだいたい2時間弱かかりました。毎日こういう趣味のドキュメント(web)作成をしていると、本業のドキュメント作成の速度も上がるような気がしています。大切なのは「楽しい」と思えることだなあと思います。






7月11日(土) 正三・四・五角形にみえる立体(その2)、四角柱を組む検討

 昨日ご紹介した「正三・四・五角形にみえる立体」ですが、日本テセレーションデザイン協会の中の実験算数プリント2020の下のほうに展開図が掲載されています。また、荒木 義明氏のfacebookに、CG動画などが公開されています。



 今年の2月ころ、紙の四角柱の筒を組むモデルのジョイントの改良を試みていた時に、何か目新しい構造を作ってみたいなと思って、こんなかたちを検討してみたのです。

Fig.1 Fig.2

 同じものを視点を変えてみています。双三角錐の稜の構造のつもりです。これを紙模型で作ってみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日は仕事の報告が上手くいって胸をなでおろしました。今日はこれから定期通院です。(最近にしてはシンプルな更新です。今日はblogのほうもお休みです。)






7月12日(日) 四角柱で組む双三角錐の稜構造の設計

 昨日CGで紙の筒をイメージした双三角錐の稜の構造をご紹介しました。デザインが固まったら、紙の筒のパーツの設計をします。

Fig.1

 注目しているパーツから、それ以外のパーツ全てを引き算する演算をCGで実行します。引き算するほうの色を変えておくと、切り口にその色が残るのでわかりやすいです(povrayの場合)。全体像をイメージしながら、噛み合っている部分を凸にするのか凹にするのかを決めます。

Fig.2 Fig.3

 こんな風にメモしておくと間違えにくくなります。(一生懸命折り筋を入れて切り抜いて折り目を入れて立体の筒にして、「さあ組もう」というときに誤りを見つけるとダメージが大きいです。)

 凹凸をどちらにするのかを決めたら、Fig.2 や Fig.3 のパーツを4つの側面の法線方向から見たCGを描画し、作図で切り欠きの位置を決めます。そうやって作った型紙がこちらです(Fig.4)。

Fig.4

 これをA4の用紙1枚に入るように工夫して、印刷して組み立ててみました。

(つづく)



 以前(2018年1月27日)、三次元の格子点を直線で結んで8の字結び目の構造のCGを作ったことがありました。

figure-eight knot

 これは2枚のgif画像を切り替える「ぷるぷる立体表示」の手法でご紹介していますが、本当は滑らかに回転するアニメーションを載せたかったのです。例によってblogのほうに載せました。よろしければご覧ください。アニメーションをずっと眺めていると、8の字結び目のかたちが頭にしみこんでくる感じがします。美しい対称性だと思います。改めて、これも何かで作ってみたいなと思いました。

<おまけのひとこと>
 今日はだいぶ遅い時刻の更新になってしまいました。(近々ご紹介するつもりですが、いろいろ実験ができるとあるwebサイトにはまっていたのです。)そこで遊んだ結果を数十枚、画面キャプチャしてあります。今のトピックのご紹介が終わったら(明日で終わる予定です)、来週はこの話かな、と思っています。

 今日はだいぶ遅い更新になってしまいました。(今、午前9時半くらいです。) ここ一週間は九州の豪雨災害、岐阜県・長野県の特別警戒警報、と恐ろしい雨が続いていますが、今朝は雨が上がっています。その機会を逃さないようにということでしょう、8時半くらいから近くで草刈り機の音がにぎやかです。






7月13日(月) 四角柱で組む双三角錐の稜構造の模型・「三体 第2部」

 昨日の型紙から作った模型です。

Fig.1 Fig.2
Fig.3 Fig.4

 良くも悪くもCGで検討した通りのものができました。実物を見ても思ったほど良いと思えませんでした。まあでも作れたことで納得しました。



 この週末、「三体 II 黒暗森林」(劉 慈欣:りゅう じきん)上・下を買って、一気に読んでしまいました。(最初の巻は昨年読んで、感想を書いていました。)いったいどういう結末になるのか、最後の最後まで物語に引き込まれました。お昼過ぎに読み始めて、夕食を10分間食べた時間以外は7時間くらい読みっぱなしでした。何を書いてもネタばれになりそうなので、内容とは無関係な感想を書いておきます。

 良質のSFというのは、その国のその時代の科学技術のレベルの高さと関係が深いのではないかと思っています。網羅性は全くないですが、SFの始祖といえば、ジュール・ヴェルヌ(仏)やH・G・ウェルズ(英)で、ちょうど江戸時代が終わって明治が始まるころに最初のSF作品が書かれています。この時代にはヨーロッパが科学技術やその応用に関して最も進んでいたのではないかと思います。

 大正から昭和のはじめくらいのころには、「スペースオペラ」(宇宙活劇)といわれるジャンルが流行したようですが、この時代のSFはほとんど知りません。大きく時代が下って第二次世界大戦後になると、SF文化の中心はアメリカに移っていった印象があります。アーサー・C・クラークはイギリスですけれども、アシモフ、ハインラインなど、主にアメリカで活躍するSF作家が時代を築きました。(この時代のSFは大好きでした。)このころのアメリカは科学技術でも文化の面でも明らかに世界をリードしていました。(もちろん現時点でもそうだと思いますが。)

 日本でも戦後の高度成長期に、日本製の工業製品の品質が少しずつ世界に認められ始めたころに、優れたSF作家が何人も登場しました。小松左京、筒井康隆、光瀬龍、平井和正、眉村卓、星新一とか、好きな作品がたくさんありました。この時代に研究された成果が、近年のノーベル賞ラッシュにつながっていると思います。

 そして2000年を過ぎるころから中国のSF作品を目にすることが増えてきました。これは、中国の社会全体の科学技術に関する知識と理解の水準が上がったということを意味すると思っています。この「三体」シリーズも中国の国内だけでも2,000万部以上売れたそうですが、いくら人口が多いとはいえ、この作品を書ける作家が現れて、それを買う人が数千万人もいるというのは、改めて中国恐るべしと思いました。



 先日、奈良県の宇陀市というところに行ってみたいということをちょっと書きましたが、以前にも何度かメールを頂いている京都のUさんから、宇陀市に関するメールをいただきました。宇陀市は2006年に、当時の宇陀郡菟田野町・大宇陀町・榛原町・室生村が合併して発足した新しい自治体だそうで、Uさんは合併前の榛原町(はいばらちょう)のご出身なのだそうです。

 頂いたメールは、その土地にゆかりのある方ならではの丁寧なご紹介で、万葉のこと、宇陀市の墨坂神社と長野県の須坂のゆかりの話、「大宇陀は、古代には阿騎野(あきの)と呼ばれ、朝廷の薬猟(くすりがり)の地」であり、そのため創業者が宇陀市出身の大きな製薬会社がいくつもあること(ロート製薬、津村順天堂、藤沢薬品(アステラス薬品)、笹岡薬品)など、たいへん興味深く読ませていただきました。

 本当にありがとうございます。宇陀市、ますます行ってみたくなりました。国内移動はまだリスクがありそうなのでしばらく先になりそうですが、必ずや訪問したいと思いました。

<おまけのひとこと>
 本にはまってしまったため、生活のサイクルが乱れています。でも楽しかったからいいのです。






7月14日(火) 幾何の問題:出題編

 正方形ABCDの辺BCの中点をEとします。対角線AC上に点Pを取ります。角DPEがちょうど直角になるとき、APとCPの長さの比はいくつになるでしょうか?

 解いていて楽しい問題だったのでご紹介しました。

(つづく)



 日本評論社の雑誌「数学セミナー」の最新号(2020年8月号)の特集が特集◎数“楽”の巨星たちなのです。

                        マーティン・ガードナー◎有澤 誠

                        バーレキャンプ博士のこと◎小谷善行
                        
                        コクセター/万華鏡の中のザ・幾何学者◎宮崎興二
                        
                        ソロモン・ゴロム◎島直昭
                        
                        レイモンド・スマリヤンの論理パズル◎川辺治之
                        
                        リチャード・ガイ/数楽と整数論◎一松 信
                    

 上記の特集記事に加えて、今年の6月4日に亡くなられた中村義作先生が「数学セミナー」1975年2月号に書かれた記事「デュードニーの円卓問題と完全グラフの色分け」という記事が再録されています。

 娯楽数学愛好家にとってなじみ深い20世紀の偉大な数学者が近年亡くなっていてとても残念です。特集記事は、それぞれの方の「凄さ」がわかるように短い記事の中で生涯や仕事について工夫して紹介されています。いずれも非常に面白かったです。いつもの数学セミナーの記事よりもずっと親しみやすく読みやすかったです。普段この雑誌を読まない方でも、ぜひ目を通してみていただきたいなと思いました。

<おまけのひとこと>
 この「数学セミナー」最新号も「三体 II 黒暗森林(上・下)」と一緒に買ってきたのでした。






7月15日(水) 幾何の問題:解答編

 昨日、こんな幾何の問題をご紹介しました。

正方形ABCDの辺BCの中点をEとします。
対角線AC上に点Pを取ります。
角DPEが直角になるとき、APとCPの比は?

 たいへん嬉しいことに、解答を2通、メールで頂きました。ありがとうございます。(後ほどご紹介させていただきます。)

 私は実はこんなバカな解き方をしたのでした。(説明は不親切です。一応、見た瞬間に答がわからないようにしたいと思ってちょっとだけ工夫をしたつもりです。)

 (a). DEを結ぶと、1:2:√5 の直角三角形になります。

 (b). 正方形の1辺の長さを2とすると、赤い直角三角形の面積は1、黄色の直角二等辺三角形の面積は5/4になります。

 (c). 辺DEは2:1で分割されているので、赤と黄色の三角形の面積は、それぞれ2/3と5/6になります。

 (d). ということはこの図の黄色い三角形の面積は3/2になります。

 (e). ところで、正方形の1辺は2だったので、この図の灰色の直角二等辺三角形の面積は(正方形の半分ですから) 2 になります。

 (f). ということは、引き算すると紫色の鈍角三角形の面積は 1/2 ということになって、求める a:b がわかります。

 ちょっと待て。 図(b)の黄色い三角形(△DPE) が直角二等辺三角形だということはどうしてわかるんだ? 実は私、恥ずかしながらその答えがしばらく見つからなくて悩んだのでした。



 私が今のところ一番シンプルかなと思っている解き方はこちらです(別ページで図が開きます)。解を送って下さったお一人目である大阪のKさんの解がこれに近かったです。テキストだけで簡潔に数行で説明をしてくださっていました。ありがとうございます。

 ただ、シンプルなテキストだけの表記なので、「△PBEが二等辺三角形」ということが説明なしで語られていました。私が「△DPEが直角二等辺三角形」ということを(最初は)説明なしで使ってしまったのと同じです。そこだけちょっと引っかかりました。



 いただいた解の2通目は、つい先日、宇陀市についてメールを頂いた京都のUさんからでした。Uさんの解はこちらです。美しい図と丁寧な説明をpdfで作成して下さいました。(が、サーバのファイルサイズを節約するために、図にさせていただきました。)この解は四角形DPECが円に内接することを利用されていて(これを使うことで私の「△DPEが直角二等辺三角形である」ことが円周角の定理から導けます)、立派な幾何の証明になっています。ありがとうございます。

 Uさんからは、3月にご紹介した「4分の1の円の問題」に関しても、丁寧な分析のpdfを合わせて送っていただきました。感激です。ありがとうございました。

<おまけのひとこと>
 今日の更新は簡単に済まそうと思っていたのですが、幾何の問題に反響があったのが嬉しくて自分が最初にはまり込んだ変な解法を説明するための図を作ったりしていたら2時間くらい使ってしまいました。そろそろ時間切れです。






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