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以前の「ひとこと」 : 2020年7月後半



7月16日(木) 4L CO-MO を紙で作る(その1)

 例年より長く自宅に引きこもっていた今年の五月連休に、4L CO-MO(Johan Heyns:2011) (リンクは石野恵一郎さんのサイトです) というパズルを知って、実物を手に取ってみたくて、がんばって紙で作ってみました。今日は完成写真を載せます。

 この“4L CO-MO”はパズルとしての難易度は高くありませんが、美しくて面白い構造を味わうパズルだと思います。なので分解する様子の写真も載せてしまいます。らせん構造をモチーフとした、合同な3つのピースによる六角柱の構造になっています。

Fig.1 Fig.2

 Fig.1 の完全に組み上がった状態よりも、Fig.2の少し広がった状態が美しいと思います。なのでこの状態にしてずっと飾ってありました。

Fig.3 Fig.4

 完全にバラバラにしたところ(Fig.3)と、2つだけを完成位置に組んでみたところ(Fig.4)です。この状態で3つ目を組み入れることはできなくて、3つを同時に組んでいかないと組めません。

 真上から覗き込んでみました(Fig.5)。菱形がらせん状に積み上がっている様子がわかります。

Fig.5

 中を明るくしようとすると、照明の位置とカメラの位置が干渉するので苦労しました。(こういうときに同軸落射照明があると良いのですねきっと。)

 実物をいろいろな向きや姿勢にして眺めているととても楽しいです。Fig.2のような半分だけ噛み合った状態の構造にして、これが建築物だったら面白いだろうなあなどと想像したりします。写真だとどうしても限界があります。(もちろん写真撮影の技術が低い、ということもありますが。)



 この紙模型を作るにあたって、どうやって作ろうか考えました。多分簡単なのは、桃の節句の菱餅みたいな菱形柱を4個作って接着する方法だと思います。でもそれだとせっかく紙で作る面白味が無いよなあと思って、「のりしろ」のある通常のペーパークラフトの手法で作ることにしました。このかたちは凸多面体ではないので、展開図が平面上で重ならずにひとつながりになるという保証はありません。展開図を考えるとき、同じ形状の面がたくさんあるのでけっこう混乱します。

 試行錯誤した結果、ちゃんとひとつながりになる展開図がみつかりました。今日ご紹介した完成写真はその展開図から作っています。いったいどんなかたちになると思いますか?

(つづく)



 4L CO-MO Johan Heyns で検索してみると、いくつかのページがヒットします。例えばJerry's Mechanical Puzzle & Brain Teaser Collection とか、Puzzling Times とか、Puzzle Place とかです。これらのサイトを見ると、完成形は必ずしも六角柱ではなく、円環柱だったり三角柱だったりする凝ったデザインのものもあるようです。いずれにせよ組んだり分解したりして、らせん状の構造の美しさを楽しむものだと思います。

<おまけのひとこと>
 7月も後半になりました。今日は何をご紹介しようか、候補は5〜6種類あったのですが、心が決まるまでに1時間くらいかかりました。 






7月17日(金) 4L CO-MO を紙で作る(その2)、正方形の幾何の類題

 昨日ご紹介した 4L CO-MO、実は最初は JOVO blockで作ってみたのです(Fig.1)。正方形と正三角形のパーツを使って作ったらかなり縦長になりました。

 一応立てることができました(Fig.1)。

Fig.1

 普通に床面に面を接するように置いたところと(Fig.2)、逆さにして稜2本が接するように置いたところです(Fig.3)。

Fig.2 Fig.3

 パーツ2つを並べて置いてみました。

Fig.4

 2つを 4L CO-MO のように組み合わせてみました。

Fig.5

 パーツ(ブロック)の厚みの分があるので、同じものを3つ作っても組めません。組んでみたくて紙模型を設計することにしたのでした。

(つづく)



 4月にも情報をいただいた satie さんから、先日ご紹介したこの問題

 と考え方がよく似た問題が、Catriona Shearer氏のtwitter のこちらに数日前に掲載されていた、という情報をいただきました。(リンク先には解と詳しい議論が掲載されているので、見たくない方はご注意ください。)

3つの正方形が図のような位置関係になっています。
緑の正方形の面積が16のとき、青の正方形の面積は?

 ありがとうございます。この twitter は、手描きの味のある図でたくさんの幾何の問題が出題されいて、こういった問題を愛好される方にとってはすばらしい情報源だと思います。 satie さんからは、2段組のpdf 1ページでこの2つの問題の類似性について論じたレポートをいただきました。感激です。ありがとうございます。

<おまけのひとこと>
 朝、外が明るくなるのがだんだん遅くなってきました。ついひと月前くらいは、朝4時を過ぎるとカッコウが鳴き始めてそとが明るくなってきていたのですが、今日は4時半過ぎにカーテンを開けてみたら、まだほとんど真っ暗と言っていいくらいでした。






7月18日(土) 4L CO-MO を紙で作る(その3)、UnpuzzleX

 一昨日からご紹介している、紙で作った 4L CO-MO ですが、これは

4L CO-MO

 こんな展開図から作りました(Fig.1)。

Fig.1

 青い太線はカットします。山折り、谷折りは描いてありませんが、こんな感じになります(Fig.2)。

Fig.2

 この写真はFig.1と向きがだいたい合っています。見ている側が内側になります。

 この工作はちょっと面倒くさくて、1つ目は楽しいのですが2つ目、3つ目になるとだんだん気が重くなってきます。でも3つを組み合わせるかたちを実現したくてがんばって作りました。出来上がったものはかなり気に入って、1か月ほど飾っておきました。



 ふとTablet端末でUnpuzzleXというゲームをダウンロードしたら、面白くて2時間くらい遊んでしまいました。(せっかく早起きしたのにもったいない…)

UnpuzzleX

 ジグソーパズルのピースのような突起のある正方形のタイルを、基本は1つずつ、上下左右方向に飛ばして消していって、全部を消せたら成功、というパズルです。進行方向に別のピースがあったらダメですし、進行方向に直交する方向に突起が噛み合っていてもダメです。青い大きな△が描かれているピースは、そちら方向にしか動かせないことを示しています。中央下付近に、黄色い色が着いたピースが3つありますが、これは動かすことができない代わりに、この黄色いピースに他のピースをぶつけて消すことができます。

 先の面に進むと、だんだんと新しいギミック(仕掛け)が増えてきますが、新しいギミックが出てくるときには、その仕組みが理解できるシンプルなチュートリアル(個別指導)が出てきて、理解することができます。言葉を一切使わないチュートリアルで、よくできていると感心しました。

 パソコンで実行できるサイトもこちらにありましたが、スワイプができるタッチパネルのUIのほうが遊びやすいかなと思いました。

<おまけのひとこと>
 昨日の夕方、仕事を早上がりして眼科を受診してきました。自動車の免許更新のための眼鏡の処方箋を出していただくためです。今日は眼鏡屋さんに行って眼鏡を作ってもらう予定です。今かけている眼鏡は35年前くらいに作ったもので、我ながらよく使っていると思います。この眼鏡では矯正視力が出ないので、やはり車の免許更新のために20年ほど前に度の強い眼鏡を作りました。新しいほう(といっても20年前)の眼鏡は毎年の健康診断のときと数年ごとの免許更新の時に活躍してくれましたが、おそらくトータルでも10時間もかけていないと思います。。
 日常的に使っている眼鏡は実はかけても外しても視力はあまり変わりません。でも、3歳のころから寝るときとお風呂以外はずっと眼鏡生活なので、もはや身体の一部のようなものでかけていないと落ち着きません。何か飛沫を防護するという意味でもずっとかけています。
 度の強い眼鏡を日常的に使ってしまうと、度が進んで眼鏡を外すと見えなくなってしまうのが怖くて、視力検査用に眼鏡を作っても前回同様日常的には今の眼鏡をかけ続けるつもりです。






7月19日(日) L型hexiamondの積み木(その1)、他

 先日、こちらのArt Splash ~contemporary art~ というスタイリッシュなサイトで、こんな画像を見たのです。

ply : Matt Calderwood

 北アイルランドのアーティストのMatt Calderwood氏(1975- ) の plyという作品のようです。幾何学的なオブジェが好きな私としては見逃せない作品でした。

 これは、ヘキサモンドのかたちのブロックのようです。正方形を連結したかたちはポリオミノと言いますが、正三角形を連結したかたちをポリアモンドといいます。 語源はもちろんダイアモンドで、三角形2つ(d-)をダイアモンドd-iamond と呼ぶならば、3つならtr-iamond、4つならtetr-iamond、5つならpent-iamond、6つならhex-iamond、というわけです。

追記:私はこの命名規則の語尾を -amond だと誤解していたのですが、私のサイトの誤りを時々教えてくださるMさんが、「語尾は-iamond ですよ」と教えて下さいました。ありがとうございました。修正しました。

polyiamonds

 ポリオミノ(正方形の連結)が、ドミノ(正方形2つ)を語源に、語尾が -omino (オミノ) となったのと同じです。



 さて、Matt Calderwood氏の ply ですが、何かで模型を作って積み木として遊んでみたいと思いました。こんな風に展開図を設計して、これをA4の用紙に4つレイアウトしました。

 L-hexiamond が上下に2面、側面は正方形4枚と幅が2倍の長方形が2枚です。「のりしろ」は、最初に長方形の長い辺を接着して筒状にして、最後にのりしろのない正方形で蓋をして仕上げるイメージでレイアウトしました。

 出来上がりを積んだり並べたりした写真です。

Fig.4
Fig.5

 実はこの「紙の積み木」、組み立てた記憶がないのです。どいういうことかというと、日曜日の夕食前(晩酌前)に展開図を設計してA4用紙に入るようにレイアウトして印刷したところまでは記憶にあるのです。その後お酒をたくさん呑んで、気が付いたら翌朝(というか深夜)だったのですが、机の上を見たらこの4個の「紙の積み木」が完成していました。(昔ならばこういうのは笑い話だったのですが、あと数年で還暦という年齢になってくると、ちょっと不安になります。)

 しっかり酔った状態で折り筋を付け、デザインナイフでカットし、折り曲げて木工用ボンドで接着して作ったらしいです。そのせいか若干品質は不満がありますが、面倒な作業の記憶がないというのはありがたいことかもしれません。

 ここ1か月ほど、机の上にこのL-hexiamondが置いてあって、気が向くと積み方を変えています。明日以降、その日のおまけのトピックとして、何日かかけて少しずつ写真を紹介してゆこうと思っています。



 金曜日にご紹介したこの問題ですが、

 その前の問題にも解答を送って下さった京都のUさんから、美しい図の解答と証明を送っていただきました。ありがとうございます。また、この問題は青と緑の正方形の角度についての情報が全くないのですが、条件を満たしながら位置関係を変えていった図も送っていただきました。(下の図をクリックすると大きな図が開きます。)

 大変興味深いと思います。これらの図を描くのは手間がかかっていると思います。(日々このサイトを更新している私は、短時間で納得ができる図を描こうと努力していますが、時間切れで妥協することも多いです。) 本当にありがとうございました。(こちらのblogの方にも載せました。)

<おまけのひとこと>
 昨日は眼鏡屋さんに行って、視力検査用の眼鏡を注文してきました。眼科で出していただいた処方箋と一緒に、日々かけている35年前の眼鏡と今持っている視力検査用の20年前の眼鏡を持っていきました。それらの眼鏡を調べてクリーニングもしていただいて、「どちらもガラスレンズですね」と言われました。ガラスレンズは重たいですが、キズがつきにくくて熱にも強いのが気に入っています。物心ついたころからずっとガラスレンズの眼鏡をかけているので(50年前はまだプラスチックレンズはあまり品質がよくありませんでした)、重さは気になりません。今回もガラスレンズで発注してきました。2〜3日で仕上がるそうです。






7月20日(月) スネークキューブのパーツで8の字結び目を作る(その1)、他

 このところ、100円ショップで買ってきた「くねくね立体パズル」というスネークキューブのような玩具を使っていろいろな幾何学造形を作って楽しんでいます。

June 22,2020 July 1,2020

 なんとか8の字結び目が作れないかなと思っていたのですが、昨日、一応それらしいかたちのものができたので、記録のためにCGを作りました。まずは速報ということで、今日はそのCGをご紹介します。



 これがスネークキューブのパーツで作った8の字結び目(のCG)です。画像をクリックすると大きなアニメーションが開きます。

Click on the image to open a large animation

 静止画像の中では8の字結び目であることがわかりやすいと思われるものを選んだつもりですが、それでもわかりにくいかもしれません。

 このCGを作ったときには、こんな視点で設計しました。これも画像をクリックすると大きなアニメーションが開きます。

Click on the image to open a large animation

 この図のほうが8の字結び目の構造であることは理解しやすいかもしれません。ただ、この図では対称性は感じられないと思います。

 CGを作って、blogにアップして、このサイトからリンクして…等の作業をしていたら時間切れです。このかたちの詳細は明日以降改めて説明します。

(つづく)



 L-hexiamond (昨日は表記を間違っていて、Mさんからご指摘いただいたので修正しました。失礼しました。)の積み木のご紹介の1回目です。3つをこのかたちに組んでおくのが好きで、今もこのかたちで机の上に飾ってあります。

 余った1個を適当に転がしておくのがまたいいのです。



 今朝は朝焼けがきれいだったので、写真を撮ってみました。(画像クリックで拡大)

 作業をしている机のすぐ左脇の窓から見える景色です。



 昨日の更新は、お昼過ぎになってしまいました。そのせいかカウンタの数字の伸びがいつもより多くて、ひょっとして何度か見に来て下さった方がいらしたのかな、と申し訳なく思っています。(自意識過剰かも)

 polyiamonds を誤って polyamonds と表記してしまっていたり、幾何の問題の解を送って下さった京都のUさんを「大阪のUさん」と誤って表記してしまったり、ミスの多い日で大変申し訳ありませんでした。(昨夜慌てて修正しました。)

<おまけのひとこと>
 さぁ仕事仕事。






7月21日(火) スネークキューブのパーツで8の字結び目を作る(その2)、他

 昨日のスネークキューブのパーツで作った8の字結び目、もう少し対称性が高い構造が作りたいと思いました。以前ご紹介したこの図

 の対称性のものが作れるはずだ、と思ったのです。途中経緯は今日は説明しませんが、こんなかたちが見つかりました。 (画像をクリックすると大きなアニメーションが開きます。) 

Fig.1: figure 8 knot Click on the image to open a large animation

 このかたちを真上から見たところと真横からみたところです。

Fig.2 : top view Fig.3 : side view

 このかたちが見つけられてとても嬉しいです。昨日も会社帰りに100円ショップに寄って、「くねくね立体パズル」10個(棚にあった全部)を買ってきました。近々作ってみたいと思っています。

(つづく)



 L-hexiamond の積み木シリーズです。今日は対称的なパターン2つをご紹介します。

Fig.4

Fig.5

 これはこれで面白いです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 ほかにも書きたいトピックがあるのですが、今日は時間切れです。blogのほうにはもう少しだけ情報を書きました。






7月22日(水) スネークキューブのパーツでの8の字結び目の設計(その1)、他

 一昨日にご紹介したこのかたちですが、

figure 8 knot by the parts of "MagicSnake"

 やみくもに作ったわけではありません。どうやってこのパターンにたどり着いたのか、簡単にご紹介しようと思います。



 直角二等辺三角柱を組み合わせて作っているので、頂点は3次元正方格子に乗っているはずです。3次元正方格子の8の字結び目といえば、濱中さんの過去の表紙28:cubic lattice knot(figure 8 knot) を思い出しました。まずこれを手元のブロックで作ってみることにしました。

Fig.1 : figure 8 knot Fig.2 : figure 8 knot

 ブロックの連結強度が足りないため、自重で垂れてジョイントが外れてしまったりするので、何か所か白と黒のパーツで脚を追加して補強しています。また、x,y,z 方向ごとに色を揃えようかと思ったのですが、そうすると使うピースの偏りがひどいのでピースが足りなくなったため、「曲がったら色を変える」というだけのルールで使うピースの色を平準化しています。これはこれで美しい構造だと思います。



 この結び目を ball & stick model (玉と棒のモデル)にしてみました。 (画像をクリックすると大きなアニメーションが開きます。)  辺を青と黄色の2色で塗り分けています。それぞれ7本ずつの辺になっていて、この2つは同じかたちです。

Fig.3: ball & stick model of figure 8 knot
Click on the image to open an animation

 スネークキューブのパーツで組むためには、線分は直交格子に対して45度の角度になるはずです。それをイメージして、まずは上記の ball & stick モデルの双対(dual)を取ることにしました。双対というのはこの場合は頂点と線分(辺)を入れ替えることです。具体的には各辺の中点を新たな頂点として順に結んだものになります。

Fig.4 : "dual" of Fig.3 Fig.5 : erace the original knot

 この構造はかなり細長くて、それぞれの辺の向きも格子に対して45度になっていないところだらけです。ほんの少しだけ調整してみました。長手方向を垂直にして、回転するアニメーション(画像をクリックすると開きます)にしてみました。

Fig.6: the "dual" of the original cube lattice knot
Click on the image to open an animation

 Fig.6の静止画を見ていてもよくわからないと思うのですが、回転するアニメーションを見ると、この構造の美しさがよくわかります。(と思います。コレクターが自慢のコレクションを眺めてニヤニヤするように、うっとりと眺めてしまいます。) このイメージのものを、スネークキューブ(のパーツ)で作ってみることにしました。

(つづく)



 L-hexiamond の積み木シリーズです。平面上に3個を回転対称形に並べてみました。

Fig.7 Fig.8 Fig.9

 これらはもちろん立てられませんが、こうやって平面上に並べてパターンを作るだけでも楽しいですね。

<おまけのひとこと>
 blogのほうには Fig.4 のアニメーションも載せてありますので興味があったらご覧ください。






7月23日(木) スネークキューブのパーツで8の字結び目を作る(その1)、Geomagic Squares

 スネークキューブのパーツを使った8の字結び目、実際に作ってみました。

figure 8 knot by the parts of "MagicSnake"

 これ、ピースが98個必要です。通常のスネークキューブは24個なので、24×4=96で2ピース足りません。以前、三葉結び目を作ったときに分解した残りがあったので、そこから2ピース拾って作りました。これはセロハンテープで繋いだ仮組みモデルです。対称性がわかりやすい向きにしたくて、ひもで吊ってみました。

 表側と裏側です。

Fig.2 : figure 8 knot Fig.3 : figure 8 knot

 画像はかなり縮小していますが、赤と青の色が変わる部分でセロテープでつないでいるのが見えると思います。「仮組み」と言いながら、このかたちは気に入ったのでそのまま飾ってあります。

(つづく)



 L-hexiamond の積み木シリーズです。積み上げてみました。気が向くと組み方を変えています。

Fig.4

 背景左側に武純也さんの紙鎖多面体の菱形十二面体、その下に7月4日にご紹介した Double Cross Puzzle、その右は1月27日にご紹介した Galaxy Craft #156 2セット組、右は6月8日にご紹介した2つの斜六角環柱の絡み目構造です。(カメラの視野には入っていませんが、さらにその右側にはまだご紹介していない紙模型が2種類ほど飾ってあります。)



 日本数学協会の渡邊さんから、上記の Double Cross Puzzle を見て、ご自身のfacebookのトップ画像になんだか似ているなと思いました、というメールをいただきました。ありがとうございます。

Top image of Watanabe's facebook

 とても小さな画像でご紹介させていただきましたが、渡邊さんのfacebookにはもっと大きな画像があります。

 これは 3×3 にレイアウトされていて、それぞれに立方体を連結したかたちが写っています。この 3x3 のうち、タテヨコどの行、どの列の3つを選んでも、その3つで 3x3x3の立方体を組むことができる!(ついでに言うと2本の対角線上の3個を選んでも立方体が組める)、という大変おもしろいセットなのです。

 これは、2015年12月にご紹介したことがありましたが、幾何魔方陣(Geomagic Squares) と命名された大変興味深い一連のセットのうちの1つです。こちらのGeometric Magic Squares(Lee Sallows)という論文の、Figure 3. にこの立方体の図が載っています。

A 3-D geomagic square of order 3.(Lee Sallows)

 もう少し大きくて綺麗な図が、Geomagic Squares Gallery 61にもありました。 5月連休に木製立方体を千個買ってあるのがまだたくさん残っているので、私も作ってみたくなりました。情報ありがとうございました。

<おまけのひとこと>
 世間は今日から4連休ですが、私の勤務先は4月の最終週が臨時でお休みになった振替ということで、今日明日は出勤日です。






7月24日(金) スネークキューブのパーツを使った8の字結び目の設計(その1)

 昨日まではこのかたち

 を出発点とした8の字結び目をご紹介してきました。別のかたちを出発点とした結び目を検討するプロセスが楽しかったのでご紹介したいと思います。



 今回の出発点はこのかたちです。

Fig.1

 双対を取ります(=各辺の中点を新しい頂点として、それを順番に結ぶ)。

Fig.2

 これは4本の辺を単位とした4回の繰り返し構造になっています。立体なのでわかりにくいですが、一般的な視点から見たところと(Fig.3)、真上から見下ろしたところ(Fig.4)の図を載せておきます。美しい構造だと思います。

Fig.3 Fig.4

 残念ながらこれは格子に対して45度になっているわけではありません。そこで、格子に対して45度の線分を4本、それらしい向きにつないでみました。

Fig.5

 わかりにくいので、それぞれの辺(線分)が載っている正方形に色を付けてみました。2つの異なる方向から見た画像を載せておきます。

Fig.6 Fig.7

 さて、この構造を4つつなげれば8の字結び目になるだろうか、とワクワクしながら2つ目を描画してみたのです。その結果がこちらです。

Fig.8 Fig.9

 なんと、2セット目で出発点に戻ってきてしまいました。8の字結び目ではなく、「自明な結び目」(=単なる輪っか)になってしまいました。失敗…

(つづく)



 L-hexiamond の積み木シリーズです。珍しく具象物ができました。

Fig.10

 動物です。何に見えますか? 妻は「犬」と答えてくれました。

<おまけのひとこと>
 今日の更新はここで力尽きました。






7月25日(土) スネークキューブのパーツを使った8の字結び目の設計(その2)

 昨日の続きです。昨日、格子の対角線の長さの線分を図のように4本つないだものをユニットとして、これ4セットで8の字結び目ができるのではないか?と思ったら、2セットで出発点に戻ってきてしまった、というところまでお話しました。

 それではそれぞれの線分の方向は変えずに長さだけを変えたらどうだろう? と思いました。もともとの目的がスネークキューブのパーツで作ることですので、長さは奇数にすることにしました。

 いろいろな長さを試せるように、各点の座標を差分として表現することにします。ここでは4つの線分の長さを(3,5,5,3)にしています。

 これで、いろいろなパターンの8の字結び目を作ってみました。



 最初に(3,5,5,3)です。真上から見たところと、一般的な視点から見たところです。4本の線分によるユニットの色を黄・青・黄・青と変えています。

Fig.2 Fig.3

 次に、(5,7,7,5) です。比率が1に近づくぶんだけ、線分でつながっていないのに距離が近くなってしまう点があります。

Fig.4 Fig.5

 逆に、(3,9,9,3) にしてみました。こうすると頂点はかなり「離ればなれ」になります。

Fig.6 Fig.7

 これで、おそらくスネークキューブのパーツで組むことができそうだということがわかりました。

(つづく)



 おまけです。本日ご紹介したいくつかの ball & stick モデルの8の字結び目、横から見たところと真上から見たところの関係がわかりにくいと思いました。 blog のほうに、徐々に視点が変わるアニメーションを置きましたのでご覧ください。(5,7,7,5) モデルを4色で塗り分けたCGです。



 L-hexiamond の積み木シリーズは一休みして、今朝折ってみた折り紙のご紹介です。YouTubeのOrigami Grand Piano by Patricia Crawford TUTORIALを見て、こんなものを折ってみました。

Fig.8 Fig.9

 動画では「30cm四方の用紙から折る」ことを推奨していましたが、手元の15cm四方の普通の折り紙で折ってみました。そのためちょっと大変でした。不切正方形一枚折りです。接着剤などを使わなくても、一応形を保って自立しています。遠めに見たシルエットはそれっぽいですが、ちょっと見ると粗が目立ちます。特に、最後の工程で折った、グランドピアノのふたを支える棒の出来の悪さと言ったら…(最後はめんどくさくなっていい加減に折ったのです)

 でも折って楽しかったです。



 もう1つおまけ。Nikolaus Weiler Skulpturen という、幾何学的な彫刻がたくさん掲載されているサイトがありました。好みではないものもありましたが、興味深い作品もありました。

 サイトのトップページに飾られているのが、ueberschwuenge(google翻訳によると「熱気」)という作品です。小さな画像を置かせていただきました。

ueberschwuenge : Nikolaus Weiler

 これ、結ばれているのかな、どんな結び目だろう? と思って興味深く見てみました。

<おまけのひとこと>
 妻から「あなたは stay home の申し子だね」と言われました。家にずっと居るのは大得意で、今年の長かった五月連休も3日おきに近所に食材を買いに行く以外はずっと家にいましたが、全く苦痛ではありませんでした。






7月26日(日) サイトのレイアウト変更、他

 この「あそびをせんとや」というサイトを公開してからすでに20年、ずっと同じデザインでした。でも、改めて従来のトップページを見ると、すでに動作環境の無い java applet のパズルのページを始めとして、まるで更新していないコンテンツへのリンクがほったらかしになっていました。

 この週末、思い立ってトップページは日々更新している「ひとこと」(という割には長いですが)だけにして、左に簡単なメニューを作ることにしました。

 ただ、過去の互換性を考えて、URLがhttp://www.lcv.ne.jp/~hhase/ で表示されるページはフレーム無しのページにすることにして、トップページの上下のバナー画像

からフレーム有りの表示にリンクするようにしてみました。しばらくいろいろ実験してみようと思います。



 トップページのレイアウトをいろいろ試していたら、時間がなくなってしまったので、今日は簡単な画像だけのご紹介です。

 スネークキューブ、たくさん買ってきたのでいろいろ試しています。手前の青は、先日ご紹介した三葉結び目、二重らせんと正八面体の骨格モデルはそれぞれスネークキューブを2セット使って作っています。

Fig.1 Fig.2

 2セットによるらせん(Fig.3)と、4セットによるらせん(Fig.4)です。

Fig.3 Fig.4

 らせん、楽しいです。

(つづく)



 L-hexiamond の積み木シリーズです。今日は比較的対称性の高いかたちをご紹介します。

Fig.5 Fig.6

 これらはちゃんと立った状態で安定しています。これもしばらく気に入って飾っていたかたちでした。



 姉から「こんなページを作りました」という連絡をもらいました。上田 子どもの本研究所 と、おはなし ざしきわらしの会 です。 私もごくまれに斉藤洋とか岡田淳一とかの児童文学を紹介していますが、こちらは本職です。まだこれからというサイトですが、ご紹介しておきます。

<おまけのひとこと>
 トップページのレイアウトを更新した機会に、古いリンク集を更新したいと思っているのですが、今日は力尽きました。近々更新したいと思います。






7月27日(月) スネークキューブによる8の字結び目の試作

 フレームキューブによる8の字結び目にどのように到達したかを説明する話の続きです。一昨日、4線分のユニットの4回繰り返しで8の字結び目が作れることをご覧いただきました。それを実物で組んでみました。



 線分を格子の中にこんな風に配置し、それを 3-5-5-3 の長さの比率にすると8の字結び目ができることを確認しました。

 これを実物で試してみることにしました。

Fig.1 : unit Fig.2 : 3-6-5-3 !

 あれ? すべて奇数 (3-5-5-3) だと所望の位置関係になりません。1か所は偶数(3-6-5-3)にしないとダメです。

 セロテープで仮止めしながら、8の字結び目ができることを確認しました(Fig.3)。うーむ、このかたち、良いです。CGも良いけれど、やっぱり実物は良い。

Fig.1 Fig.3

 このユニットを4回伸ばして出発点に戻ってくるアニメーションCGを作ってみました(Fig.4)。上の写真と視点を合わせたつもりです。

Fig.4 : (3-6-5-3) x 4

 この構造も回転するアニメーションを作ってみました。下の画像をクリックしてみてください。(blogに置きました。)

Fig.5: figure 8 knot
Click on the image to open an animation

 これは、(3+6+5+3) x 4 = 17 x 4 = 68 単位で作ることができます。 スネークキューブ1つあたり24単位なので、スネークキューブ3つ(24x3=72) を使うと6単位余ることになります。 ということは接着回数は、バラバラにした20個プラス分解しないスネークキューブの完成品2個なので22回ということになります。うーむちょっと回数が多いな、と思いました。それぞれの部分の長さを調節して、もう少し接着回数を減らせないでしょうか。

(つづく)



 さて、L-hexiamond の積み木シリーズです。今日は背の高い、チャレンジングなかたちです。

Fig.6 Fig.7

 何かの拍子に夜中とかに崩れたりするとびっくりするので、こういう崩れやすいかたちでずっと飾っておくことは避けています。ただ、軽いペーパーモデルでもこんなふうに組むことができて楽しいです。

 次に作るときには(そんな時があるとも思えないですが)コインのような平たい「重り」を中に封じ込めてみたいなあと思いました。そうすれば、ピースを傾けたりゆすったりすることでそのコインの位置を変えて重心の位置をコントロールすることで、もっと危ういかたちで積み上げても安定してくれそうです。



 夜中に音がしてびっくりするといえば、つい先日こんなことがありました。

 いつも夜8時〜9時くらいには寝てしまうのですが、そうすると午前0時とか1時に目が覚めることが多いのです。せっかくなので起き上がってPCを起動してこのサイトの更新をしたりすることが多いのですが、先日の暑い夜に窓を開けて作業していたら、午前2時過ぎ(草木も眠る丑三つ時…)に、「チリン・チリン」という鈴の音が聴こえました。「なんだろう、どこか近所の家に風鈴でも下げてあるのかな?」と思ったのですが、その音がだんだん大きく、近くなってくるのです。田舎なので外は真っ暗です。ぎょっとしました。

 間もなくその音は再び小さく遠くなって聴こえなくなりました。昔々小さな子供だったころ、夜に暗闇が訳もなく怖かった感覚がよみがえりました。「わからない」というのは不安なものですね。

 数日後、妻と話をしていて音の正体がわかりました。近所の飼い猫が鈴のついた首輪をしていて、その音が聴こえたのでした。この連休はずっと部屋に閉じこもっていたのですが、昼間とか夕方にもその鈴の音を聴くことができました。理由がわかって一安心です。

<おまけのひとこと>
 昨日は家で散髪をしました。5月連休に電動バリカンを買って、これで使うのは3回目です。だいたい自分でやって、最後の仕上げだけ妻に手直ししてもらっています。






7月28日(火) スネークキューブによる8の字結び目の設計

 この「スネークキューブのピースで8の字結び目を作る」話、興味を持って下さる方がどのくらいいらっしゃるのかなあとやや不安に思いつつ、もう少しだけこの話題を続けます。



 4本の線分を繋いだユニットを4回繰り返すことで8の字結び目を作ることができること、ユニットの数は「奇数-偶数-奇数-奇数」(odd-even-odd-odd)であると良いこと、を確かめました。まずは各線分の長さを変えたモデルをCGで作ってみることにしました。

 Fig.1 は4線分の長さが 3-8-9-3 のモデルです。全部で23 x 4 = 92個のユニットです。1つのスネークキューブのユニットは24個ですから、92 = 24 x 3 + 20 で、接着回数が23回です。

Fig.1 : 3-8-9-3(23) Fig.2 : 3-6-7-3(19)

 Fig.2 は少し数を減らしてみようということで、3-6-7-3 のモデルです。 ユニット数は 19 x 4 = 76、接着回数は 76 = 24 x 3 + 4 なので 7回、これはだいぶ好ましいです。よし、Fig.2は製作する候補です。



 もう少しパーツの数を減らせないでしょうか? 3-4-5-3 のモデルをCGで作ってみました(Fig.3)。

Fig.3 : 3-4-5-3(15) -> NG Fig.4 : 3-4-5-3(15) Self-interference

 一見良さそうなのですが、よく見ると自己干渉してしまっています(Fig.4)。これはダメです。

 逆に数を増やしてみました。 5-8-7-5のモデルです(Fig.5)。これはピースがちょうど100個なので、24 x 4 + 4 で接着回数は8回です。

Fig.5 : 5-8-7-5(25) 5-8-7-5(25)

 これはなかなか良いのではないか? と思って、先日このモデルをblogに載せて、回転するアニメーションをご紹介したのでした。

 でも、これを実際に作るとそれなりの大きさになってしまいます。もっとコンパクトにならないでしょうか?

(つづく)



 L-hexiamond の積み木シリーズです。今はこんなかたちで飾ってあります。

Fig.6

 気が向くと積み方を変えて遊んでいます。面白い。



 信州・長野のお土産ならスーパー「ツルヤ(TSURUYA)」オリジナル商品が絶対おすすめ! という記事があって、共感しつつ読みました。地元のスーパーマーケットの「ツルヤ」の紹介記事です。特に地方では、お店の存続というのは深刻な問題です。買い物というのはその店舗を応援する、贔屓する行為だと思っています。我が家が一番贔屓にしているのは自宅から一番近い農協系のA-coopのスーパーマーケットです。もしもここが無くなってしまったらダメージが大きいので、このお店で買えるものはできるだけここで買うことを心がけています。

 一方でツルヤは、上記の記事にもありますがここでしか買えないものが充実していて、時々お世話になっています。こういったお店もぜひ存続してほしいので応援の対象です。

<おまけのひとこと>
 実家の隣に住む90歳を過ぎた伯母が救急車で搬送されたという連絡をもらいました。心配です。






7月29日(水) スネークキューブによる8の字結び目の設計(その2)

 昨日、セロテープで仮止めしながら実物の8の字結び目を作ってみました。そうしたら、一番短い線分の長さは3ではなく1にすればもっとコンパクトなモデルができそうな気がしました。まずはCGで試してみることにしました。

 Fig.1 は4線分の長さが 5-6-7-1 のモデルです。全部で19 x 4 = 76個(分解しないスネークキューブ3組+4個)です。Fig.2 は 5-4-7-1 で68個(2組+20個)です。

Fig.1 : 5-6-7-1(19) Fig.2 : 5-4-7-1(17)

 さらに減らしてみました。3-4-5-1 で、13 x 4 = 52個、2組+4個です。これは良いです。blogのほうにアニメーションも載せました。

Fig.3 : 3-4-5-1(13) Click on the image to open an animation

 上から見たところと横から見たところです。

Fig.4 Fig.5

 これの実物を作ることにしました。

(つづく)



 ちなみに、さらにピースを減らそうと思ってやってみた失敗例をいくつかご紹介しておきます。これらは全て11x4=44個のものです。いずれも自分自身と干渉してしまっているので、作ることはできません。

Fig.6 : 1-4-5-1(11) Fig.7 : 3-2-5-1(11)
Fig.8 : 3-4-3-1(11) Fig.9 : 3-6-1-1(11)

 ダメだとわかっていて、さらに数を減らしたCGを作ってみました。3-2-1-1の7個×4=28個のモデルと、1-2-1-1の5x4=20個のモデルです。

Fig.10 : 3-2-1-1(7) Fig.11 : 1-2-1-1(5)

 Fig.10 の 3-2-1-1 のモデル、もちろん作れないのですがこの形は好みです。



 もう1つおまけです。妻が「一人掛けのソファ」というのを創作してくれました。同じものをもう1つ作って、さらにそれに合わせてテーブルも作ってみました。

Fig.12 : sofa and table

 テーブルはガラステーブルのつもりで、そのガラスが見えない、という想定です。(かなり無理があるな…) なんだか折り紙作品のような、シンプルな線で対象物の特徴を表現する感じがいいなあと思います。

<おまけのひとこと>
 CGでいろいろなバリエーションを検討して、実物を作ってみて検証して、そこで生まれたアイディアをまたCGで検討して…というサイクルが楽しいです。CGはいったん汎用的なテンプレートを作ってしまえばいろいろなパターンを作り放題ですが、実物を手に取っていじってみると、ちょっとしたアイディアがいろいろ生まれます。スネークキューブがたくさんあるとこんなに楽しいとは… (近所の100円ショップにあったものは全て買い尽くしました。といっても全部で30個くらいですが。)






7月30日(木) スネークキューブによる8の字結び目の製作

 昨日ご紹介したこのかたち

Figure 8 knot 3-4-5-1(13)
Click on the image to open an animation

 を実際に作ることにしました。最初に完成写真を載せておきます。

Fig.1 : Trifoil knot, Figure 8 knot

 三葉結び目のようなわかりやすい美しさはないですが、とても気に入ったモデルができました。



 これは、スネークキューブ2組と、バラバラにしたピース4個を使って組んでいます。材料はこうしてたくさん買っています。

Fig.2

 1つをバラバラにします(Fig.3)。

Fig.3

 完成写真です。この向きが好きなので、この向きの写真が多いです。

Fig.4

 横倒しにして、異なる方向から見てみました。

Fig.5 Fig.6

 ここ数日では一番お気に入りのかたちです。



 Net会議システム、気が付くといろいろなものを使うようになってきました。10年くらい前はGoToMeeting というのを使っていたのですが、会社でWeb会議システムが指定され(最初のものはあまりに品質が悪くてほとんど使い物にならず、名前も忘れました)、Business Skypeになり、WebEXになり、このところは Microsoft Teamsをよく使っています。先日、社外の方とのミーティングで Google Meet を使いましたが、これはかなり品質が良かったです。

<おまけのひとこと>
 御嶽海、3敗目です。悲しい…






7月31日(金) フィボナッチ数列のべき級数式の無限積の展開

 月末なので単発の話題にします。



 昨日https://arxiv.org/で公開された、Robbins and Ardila meet Berstel(Jeffrey Shallit) という論文があります。こういう、中身がまったく想像できないタイトルの論文は、私のようなアマチュア娯楽数学愛好家の好みに合うような内容のことがしばしばあります。これは何の話だ? と思って覗いてみました。

 これは、(1 - xFn)を次々と無限に掛け算してゆく無限積を考えて、それを展開したら何が起こるだろう?という話でした。ここで Fn はフィボナッチ数列で、直前の2つの値を足し算して次の値を決めるという有名な数列です。

 これが何が面白いかというと、この無限積を展開した多項式の係数は、1か0か-1しか現れないのです。これを最初に証明したのがNeville Robbins のFIBONACCI PARTITIONS(1996)という論文でlinkはここでいいのかな?、その後、もっとシンプルな証明をしたのが Federico Ardila THE COEFFICIENTS OF A FIBONACCI POWER SERIES(2004) ということのようなのです。タイトルの主語の二人の名前は、この2つの論文を指しています。

 これに関連するノートとして、Yufei Zhao のTHE COEFFICIENTS OF A TRUNCATED FIBONACCI POWER SERIES なんていうのもありました。



 これを知ってまず連想したのは、「フィボナッチ数列のべき級数以外に、同様に多項式の係数が限定されるものはないだろうか?」ということでした。これは翌日に引っ張る話ではないと思うので書いてしまいますが、連想したのは2のべき級数でした。

 この場合は、展開した多項式の係数には1か-1しか現れないはずです。展開したxNの項の係数がプラスになるのか、マイナスになるのかは、N を二進数で表した時、使われている1の数の偶奇で決まります。(一応念のため、expand-calculator という、オンラインで多項式展開をしてくれるサイトで確かめてみています。)

 これもとても面白いと思うのですが、いかがでしょうか。「そんなの自明、面白くない」とい方もいらっしゃるかなあとちょっと心配です。



 スネークキューブ(もどき)で八分音符を作ってみました。一応これはオリジナルのつもりですが、すでに誰か作っていそうです。斜めになってしまっていますが、自立しているところが気に入っています。

eighth note(musical note)

 なんとなく「折り紙」っぽいです。ということで折り紙でも八分音符を折ってみました。

eighth note(Origami)

 これは、YouTubeにあった折り紙「音符」の折り方というのをベースにアレンジしています。



 スネークキューブの八分音符、今日の更新の内容を確かめようと思ってブラウザで表示してみたら、一瞬「ハイヒール」に見えました。その方向のアレンジもしてみようかな。

<おまけのひとこと>
 昨日、大相撲7月場所で御嶽海が負けてしまったことを嘆きましたが、今日はなんと横綱白鵬に勝ってしまいました。昨日負けた、かど番だった大関貴景勝が勝ち越したのに休場になりましたが、「貴景勝勝ち越して安心して休場できるように御嶽海は星を譲ったのかな」と一瞬考えてしまいました。結果的にそういうかたちになってしまいましたが、そんなことを一瞬でも意識したら上位に生き残れない世界なのだろうなと思います。






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