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以前の「ひとこと」 : 2020年1月後半



1月16日(木) at5jP5(その1)

 久しぶりに、George Hart氏のサイトのConway Notation(コンウェイの多面体表記法)のページを訪れました。下のほうに「at5jP5には驚いた」というコメントが書かれていたので、CGにしてみました。

図 1

 座標軸を描いてみて、ちょっと別の視点から見てみました(図2、図3)。

図 2 図 3

 これ、どんなかたちなのかわかりますか?

(つづく)



 お正月に買った新しいノートPCは、軽量化とバッテリー駆動時間の長さにこだわったモデルで、外部インタフェースも、USBソケットは普通に見かけるTypeA は1つしかなくてあとは小さなTypeCがついていたり、メモリカードスロットもSDカードは挿せなくて、microSDカードのスロットがついていたりします。

 この機会にマウスもBluetoothにしました。これは安定して動作してくれていて快適です。デジタルカメラからのデータ転送もWifiで接続する設定にしたのですが、これが不安定で、うまく接続できるときと相手が見つからないときがあります。ちょっと不便…

<おまけのひとこと>
 大相撲初場所、応援している御嶽海は三役から平幕に陥落してしまいました。昨日までで二勝二敗、いつもの星が五分の状態です。なんとか良い成績を残して三役に復帰してほしいなあと思っています。






1月17日(金) at5jP5(その2)

 昨日CGでご紹介したかたちをJOVOブロックで作ってみました。

図 1 図 2


図 3 図 4

 昨日のCGは全体が球に近いように頂点の位置を計算していますが、JOVOブロックは面のかたちが正多角形ですので、少し細長い樽型になっています。これはジョンソンの立体の42番目、同相双五角丸塔柱(elongated pentagonal orthobirotunda)といって、正三角形20枚、正方形10枚、正五角形12枚の42面体です。

 よく知られている多面体である二十面十二面体(図5)

図 5

 を2つに割って、その間を正方形の帯でつないだかたちになっています。

 図1〜図4は、この樽のかたちの多面体を立てた状態から、床に接する面を三角形、側面の五角形、最後に正方形、と変えていった画像です。 今週前半にご紹介した「クルリン」の「樽のせ」からの連想で、そういえばこんな多面体を作っていたなと思ってご紹介したのでした。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 珍しく寝坊してしまいました。目が覚めたら5時20分くらいでした。朝やりたいことをいくつも省略しなければなりません。






1月18日(土) (at5jP5改め)双五角丸塔柱の双対多面体(その1)

 昨日ご紹介したこのかたち(名前がないと不便なので以下「双五角丸塔柱」と呼びます)ですが、すべての頂点に集まる稜の本数が4になっています。

 ということは、この多面体の双対多面体は、すべての面が四角形になっているはずです。

 双五角丸塔柱は、二十面十二面体を二つに分けてその間を正方形でつないだかたちをしていますが、由来となる二十面十二面体の双対多面体は菱形三十面体です。

図 1:二十面十二面体 図 2:菱形三十面体

 二十面十二面体の面の数はその名の通り三角形20枚+五角形12枚=32面です。頂点は30あります。菱形三十面体は頂点が32で面が30です。双五角丸塔柱は面の数が32+10(正方形の枚数)で42面、頂点の数は2つに分けた面が十角形なので10個増えて40個です。

 ということは双対多面体は40面、42頂点になるはずです。CGを作ってみました(図3、図4)。

図 3 図 4

 このCGの各頂点の座標値は、George Hart氏のサイトのConway Notation(コンウェイの多面体表記法)が計算してくれる数値をそのまま利用させていただいているのですが、四角形を構成する4頂点が同一平面上に無いようです。なぜそう考えるかというと、CGを描いているPovRayで4頂点を指定してpolygonを描こうとしても描いてくれないためです。

 こんな風に面の対角線を引いてみます(図5)。この図で見る限り、対角線は交わっているように見えます。

図 5

 図5の向きでみていてもわからないので、視点を変えて拡大してみます。対角線(実は円柱です)も細くしました。図7は2つの交点のうち、上の側の拡大図です。

図 6 図 7

 すると、わずかですが軸の芯はずれていてねじれの関係になっていることがわかります。

 ちゃんと面が張れるように、自分でも計算してみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 書斎として使っているスペースが散らかっていて、妻が片付けようとしてくれています。私が2か月くらい放ってあって、結局年末のお掃除でも片付けませんでした。整理用のケースは買ってきたのですが、まだ空っぽです。今日は片付けようかな。






1月19日(日) 双五角丸塔柱の双対多面体(その2)

 昨日ご紹介した「双五角丸塔柱」の双対多面体、これも名前がないと不便なので仮に「四角四十面体」と呼んでおくことにします。これだと面のかたちの種類(3種類あります)も対称性についても何も述べていない名前ですが、四角形の面が40面あることだけはわかります。

 それぞれの面がきちんと平面になるように頂点座標を計算して、面を張ったCGを描いてみました(図1、図2)。

図 1 図 2

 図1は面を白色にしました。図2は3種類ある面を色分けしてみました。緑色が凧形の面(10面)、青が菱形の面(10面)、赤が不等辺四角形(20面)です。

 この多面体の座標を計算した考え方を少しだけ説明しておきます。

 この多面体は2つのドームを貼り合わせたかたちをしています。ドームの半径を1とします。P1とP4は半径1の正十角形の隣り合う頂点になっています。P2をxy平面上に取ります。P5はy軸と点P4を含む平面上にあります。P1,P2,P5,P4が平面上にあることから、P2を決めるとP5は決まります。同様にP3が決まり、P0が決まります。上の図のP2の座標値だけ赤文字で表記していますが、この2つの数値を決めるとこの四角四十面体のかたちが決まります。

 P2の位置をいろいろ変えてみました(図4〜図6)。

図 4 図 5 図 6

 最初はP2も原点からの距離を1にしてみたのです。そうしたら図4のように上下の面が平らな樽型になってしまいました。なので、それよりも原点に近い座標に変えてみました(図5)。P2の高さを低くしてゆくと、菱形が大きくなり、凧形が細く小さくなってゆきます。

 全体として丸っこくて(=球に近くて)、3種類の面も細長くなくて面積もそこそこ近いかたちがいいいなあと思って少し試行錯誤してできたのが図1、図2のかたちです。これ、実物を作って手に取ってみたくなりました。

(つづく)



 先週、帽子をどこかに置き忘れてしまって、駐車場から職場まで歩くときに頭が寒くてちょっと困りました。妻の車の中かなあと思ったのですが、探し物が上手な妻が探してもなかったというのです。昨日、妻が「あなたの車の中を探してみてもいい?」と言ってくれたので、じゃあ私も念のため妻の車を見てみようと思って探してみたら、妻の車の運転席のシートのヘッドレストにかぶせてありました。そこは盲点だったみたいです。確かに普通はシートの下とかを探しますよね。

 そういう心当たりを伝えなくて悪かったなあと思いましたが、でも見つかってよかったです。

<おまけのひとこと>
 昨日の土曜日は結局どこにも出かけずに家にこもって座標計算をしてCGを描いて模型のパーツを設計して印刷して切り出して組み立てて…といったことをやっていました。唯一玄関の外に出たのが、帽子を探しに車まで行ったときでした。雪の舞う曇り空の一日でした。






1月20日(月) 伸長四面体と伸長八面体(その1)

 双対多面体つながりで、今日は別の多面体の話です。 2016年8月9日から数日間、こんな多面体をご紹介していました。

 当時はこのかたちを「柱補間四面体」と呼んでいたのですが、そのあとにご紹介した八面体と名前をそろえて「伸長四面体」と呼び変えることにします。改めてCGを作り直してみました(図1、図2)。

図 1:伸長四面体 図 2:伸長八面体

 背景を白にして、立方体の枠を外して面の色も白にした図も作ってみました。

図 3 図 4

 それぞれのかたちの平面グラフはこうなっていました。

伸長四面体の平面グラフ 伸長八面体の平面グラフ

 どちらの多面体も八面体で、三角形の面が4つと四角形の面が4つから成っています。また頂点の数も8つで、次数3の頂点が4つ、次数4の頂点が4つです。それぞれの多面体の双対多面体はどんなかたちだと思いますか? 多面体が好きな方にはちょっと面白い問題かなあと思います。 当時はそういう観点での議論はしていませんでした。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日の都道府県対抗男子駅伝、長野県が優勝してちょっと嬉しいです。中学生、高校生が活躍したそうです。特に駅伝の名門の佐久長聖高校のエース級二人が故障で出場できず、補欠の二人が出場したのですが、彼らはそのチャンスを逃さず、7人抜きと5人抜きだったのだそうです。もともと目標が「入賞」で、監督も「まさか優勝するとは!」というコメントだったそうです。

 大相撲初場所、応援している御嶽海は昨日の中日8日目で4勝4敗、いつもの白星黒星が並行する展開です。今場所も最後まで勝ち越せるかハラハラしそうです。






1月21日(火) 伸長四面体と伸長八面体(その2)

 今日は、昨日ご紹介した2つの八面体の双対多面体はどんなかたちでしょうか? という問いの答えを掲載したいと思います。

 伸長四面体の双対多面体はこんなかたちになります。やはり三角形4面、四角形4面の八面体ですが、伸長四面体とも伸長八面体とも異なるかたちです。

再掲図 1:伸長四面体 図 1:その双対

 伸長八面体の双対多面体は伸長八面体それ自身とおなじ構造になります。つまり自己双対です。(ここ、面白いところです。)

再掲図 2:伸長八面体 図 2:自己双対

 上記の4つの多面体の図に、頂点の次数を書き入れてみました。

図 3

 図3左、次数3の頂点は隣り合っていません。すべての隣接頂点の次数は4です。そのため、図3右の多面体において、三角形の面と稜を共有する3つの面は全て四角形になっています。

図 4

 一方こちらは頂点と面を入れ替えても同じ構造になっています。(なんとなく向きを合わせてみました。)

 ご紹介した3種類の八面体は、いずれも三角形4面と四角形4面の多面体で頂点も次数3と次数4が4つずつですが、構造が違うのだなあということが面白かったのです。



 ところで上の緑色の多面体、ほかの2つと雰囲気を合わせたくて四角形としては等脚台形を使っていますが、この構造は正三角形と正方形で組むことができます。

図 5

 これはジョンソンの立体J26そのものです。J26はジョンソンの立体の中で唯一、単独で空間を充填することが知られています。昔、2005年9月16日のひとことあたりでご紹介をしています。

 最近は、昔書いた内容がいつだったのか思い出せないことが多いのですが、この話は子供の小学校の運動会のころに書いたという印象が残っていたので、珍しく探すのは簡単でした。

<おまけのひとこと>
 会社のまだ二十代の若い同僚がお休みをしたのでどうしたのかなと思ったら、なんとお父様が亡くなられたとのこと。彼は私の子供たちと同世代なので、亡くなられた方は自分と同世代なのだろうなと思うと、ご本人やご家族はどんなお気持ちかなあ、となんともやるせなく、とてもお気の毒に思っています。






1月22日(水) 四角四十面体の模型作り(その1)

 先日からご紹介している「双五角丸塔柱」の双対多面体、前回から「四角四十面体」と呼ぶことにした多面体の模型を作ることにしました。

←双対→
再掲図 1:双五角丸塔柱 再掲図 2:四角四十面体

 目的の四角四十面体は、凧形が10面、菱形が10面、不等辺四角形が20面あります。それぞれのかたちは図1のようになりました。

図 1:その双対

 これらのかたちは以下のようにして決めています。まず、CGを描いたときに定義した各点の3次元座標の数値から、それぞれの頂点の間の距離を数値として計算します。この計算にはExcelを使っています。

 私はこの手の作図には PowerPoint を使っているのですが、円にタテヨコの直径を入れたオブジェクトを用意しておいて、描きたい四角形の辺の長さを半径とする寸法にスケーリングします。どの円がどの辺に相当するのか、色を変えて円に名前を付けておくと便利です。

図 3

 この円オブジェクトをコンパス代わりに使って、図3のように四角形の頂点の位置を決めてゆきます。ちなみにこの図ではP1とP4を最初に水平な直線上に取って、半径P1P2の赤い円の中心をP1に、半径P2P4の黄色い円の中心をP4にそれぞれ合わせて、その交点をP2としています。同様にP2P5の円(青)とP4P5の円(緑)の交点としてP5が決まります。残りの2種類の面、凧形と菱形は対称性があるため作図はもう少し易しくなります。

 今回の多面体は全ての面が四辺形なので、面が連なる帯を用意して、それを編む手法で作ることができます。下の図のような帯を設計しました(図4)。

図 4

 図4の上の帯が5本、下の帯が2本で作ることができるはずです。A4サイズの用紙3枚に7本の帯を配置して、印刷して組み立ててみました。

(つづく)



 このサイトの更新は、htmlファイルをテキストエディタで直に書いています。今年の元日にPCを新調してから、htmlファイルの編集に Visual Studio Code を使い始めました。htmlのタグを書くと勝手に閉じるタグを挿入してくれたり、自動的にインデントしてくれたりするのはありがたいです。 おそらく良かれと思って用意されているいくつかの機能にまだ馴染めず、若干違和感を感じたりしていますが、カスタマイズの自由度はとても高そうなので、少しずついじっていこうと思っています。

<おまけのひとこと>
 最近、川中島納豆という納豆にすっかりはまっています。とても美味しいです。






1月23日(木) 四角四十面体の模型作り(その2)

 「四角四十面体」の模型を作りました。写真でご紹介します。

 図1は一般的な視点から見たところ、図2は5回回転対称軸方向から見たところです。

図 1 図 2

 図3、図4は2回回転対称軸方向から見たところです。

図 3 図 4

 この模型は接着をしないで組んでいるため、最後に形を整えやすいです。ただ、頂点の部分が若干隙間ができてしまいました。きつすぎずゆるすぎず、というパーツを設計して切り出すのは難しいです。印刷したパーツの縁の細い線の外側を切るのか、内側を切るのか、それとも線の中心を狙って切るのかで異なってきます。

 手で模型を持ってみて楽しいのは、「あ、この面とこの面は平行なのだな」ということがわかったり、いろいろな面を底にして立ててみたり(立たなかったり)、いろいろと微妙な角度から見てみることが簡単にできたり、というのがとてもいいです。作ってみて良かったです。



 こちらのomocha journal(フォントがいいですね)というブログのマグネットブロックでジョンソンの立体をつくるで、J42の同相双五角丸塔柱を作っていらっしゃいます。このブログ、いろいろ面白いものを作っていらして楽しそうです。自作パターンブロックで平面充填なんてとても素晴らしいです。私はコンピュータの中のCGでおおむね満足していますが(イスラム文様の格子を切り絵の手法で作ったりはしましたが)、マグネットシートをカットしてパーツを量産しているところが素晴らしいです。冷蔵庫とかに貼っておいたりしたらすごくいいなあと思いました。こちらで「あそびをせんとや」にも言及して下さってありがとうございます。



 ところで、この四角四十面体は図5のようなドームを上下に2つ貼り合わせたかたちをしています。

図 5

 図5のドームの底面は正十角形です。なので貼り合わせ方は図6と図7の二通りがあることになります。

図 6 図 7

 上半分を正十角形の辺1つ分、36° 回転させています。こちら(図7)の模型は作らなくてもいいかなあと思いました。

 この四角四十面体の話、思いのほか長引きましたが今日でいったんおしまいにします。

<おまけのひとこと>
 いやしかし今年は暖冬だなあと思います。昨日は昼間、車で隣の事業所まで移動したのですが、まるで春のような暖かい強い風が吹いていました。今年の夏は大丈夫なんだろうかと心配になります。






1月24日(金) Tres Jolie(その1)

 Tres Jolie という組木パズルを知りました。これがとても面白い構造だったので、ご紹介します。

 これは、図1のような3枚の短冊形の組木を互いに直交するように組むというものです。

図 1

 3つのパーツは合同で、7×3×1の板状のピースに、長さが4単位の穴が空いています。これを図2、図3のように組みます。ピースの幅は3なのに穴の長さは4なので、図3のように1単位分の隙間があいてしまいます。

図 2 図 3

 これだけだと特に何も面白いことはありません。 次に、単位立方体30個を環状につないだこんな構造を用意します(図4)。

図 4

 これは立体的に三回回転対称になっていて、幅が1の隙間がx,y,zの3軸方向に構成されています。 驚くべきことに、この環状構造の中にさきほどの3枚組木を組み込むことができるのだそうです。

図 5

 これはとても面白い、美しい構造だと思いました。大変興味深いです。実物を作ってみたくなりました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 Tres Jolie というのはフランス語で、「とてもかわいい」といった意味のようです。確かにかたち、構造、これがちゃんと剛体で組めること全てがとてもすばらしいと思います。






1月25日(土) Tres Jolie(その2)

 昨日ご紹介したTres Jolie という組木パズルですが、オリジナルのサイトは(たぶん)こちらだと思います。組木パズルのデータベースとして著名な、石野恵一郎氏の ちょいとパズルでも にもTres Jolie(Design and Copyright:Yavuz Demirhan(2013))として紹介されています。さらにこちらのCADモデルの共有サイトには、アニメーションで分解手順が公開されています(Tres-Jolie Puzzle)。



 このTres Jolieの外側の枠になっているかたちが面白いなあと思いました。鏡像モデルのCGも作ってみました。

図 1

 鏡像モデルとは、こんな風に組み合わせることができます(図2、図3)。

図 2 図 3

 図2と図3の違いがわかりますでしょうか? サイズを小さくして、交互に表示してみました(図4)。

図 4

 図2のほうは、2つのパーツは接していません。離れています。 図3のほうは、向きは一緒ですが、単位正方形12枚分(単位立方体9個分)が接しています。平行投影法で描画すると違いがわからないので、今日のCGは全て透視投影法で描画しています。

 このパーツは、縦・横・高さの寸法は6(単位立方体6個分)です。なので、サイズ6の立方体に含まれます。図2の2つのパーツは、同じサイズ6の立方体にぴったり含まれている位置関係になっています。図3のほうに同じサイズ6の立方体を重ねて描画すると、パーツの3方向の突起部分が飛び出しているのがわかります(図6)。

図 5 図 6

 一方、図2の位置関係は、サイズ4の立方体に外側から接している状態になっています(図7)。図3の位置関係は、サイズ4の立方体に内側から接する状態になっています(図8)。

図 7 図 8

 この2つの位置関係の違い、わかりますでしょうか。

(つづく)かも

<おまけのひとこと>
 週末はつい更新時刻が遅くなってしまいます。






1月26日(日) Tres Jolie(その3)

 Tres Jolieの外側の枠のかたち、アーテックブロックで作ってみました(図1)。

図 1

 まずは2つを組み合わせてみます(図2)。安定して気持ちがいいです。

図 2

 こんな風にも組み合わせてみました(図3)。

図 3

 CGだとこうなります(図4)。これは1方向の平行移動で組んだり外したりできます。

図 4

 もう1つ、気に入ったのがこの組み合わせ方です(図5)。これも1方向の平行移動で組んだり外したりできます。

図 5

 パーツ片方が完全に床から離れた状態になっているのが気に入っています。一見、浮かんでいる白いパーツ側に倒れてしまいそうに見えますが、安定しています。

 これもCGにしてみました(図6)。こういうのは実物をいじってみて初めて気が付く組み方です。しかもこれがこの姿勢で安定して立てられるというのは作ってみないとわからないことです。

図 6

 横にしてみました(図7)。この、互いに「ひっかかっている」「からんでいる」感じがいいです。

図 7

 これを作ったのは先週で、一週間ほど飾ったりいじったりしていたのですが、わりと場所を取るのです。今日ご紹介できたので、これで分解しようと思います。

 アーテックブロックはこういうときにとても便利なブロックなのですが、いかんせんジョイントの結合強度がそれほど高くないのです。もちろん硬すぎると特に子供には組み立てにくい、扱いにくいブロックになってしまうので、適切な設計だと思います。



 すみません、以下はどうでもいい話です。

 昨日のお昼、珍しく外食に行ってロースかつ定食を食べたのですが、食事中に突然、喉に何かが引っかかった感じがして痛みがありました。水を飲んでみたり、うがいをしてみたりしたのですが違和感がなくなりません。飲み込む動作をすると痛みがあります。とりあえず食事を済ませて、心配してくれた妻の勧めで耳鼻咽喉科に行ってみました。幸い土曜日に15時まで診察をしてくれる個人病院を妻が知っていてくれました。診ていただくと、特に異物もなさそうだし腫れや傷なども見当たらないとのことでした。様子を見て違和感や痛みが続くようだったらまた来てくださいということになりました。

 今朝起きてみたら、相変わらず違和感は残っていますが、痛みは少し治まったようです。まあ病院で診てもらっているのでそんなに心配はないのだろうと思っています。明らかな原因がわかっていれば病院には行かなかったのですが、何が原因なのかわからないのは不安だったため、行って診てもらって不安がなくなって良かったと思いました。この程度のことで病院に行くというのはやや罪悪感があるのですけれども、病院はすいていて、ほかには患者さんはひとりだけで、私が済んだ後は無人になりました。まあいいかなと思うことにしました。

<おまけのひとこと>
 大相撲初場所、今日が千秋楽です。応援している御嶽海、7勝4敗になったときには「これで今場所は勝ち越せるだろう、ひょっとすると2桁勝ち星になったらいいな」と思ったのですが、そこから3連敗して昨日の時点で7勝7敗です。う〜む…。 今日勝ってくれるといいなあと思っています。






1月27日(月) Galaxy Craft 156

 先日の Tres Jolie をきっかけに久々に石野さんのサイトを見ていたら、Galaxy Craft #156(世古口幸康:2010)という、合同な3ピースで結び目のかたちを作るパズルに目がとまりました。完成形はこんなかたちをしています (図1)。

図 1

 1つのピースはこんなかたちをしています(図2)。

図 2

 これは、単位立方体4個をL字型に配置したものを2つ、Lの長い辺の端の立方体で縦に重ねたかたちです。gifアニメーションで1つずつ追加していくCGを作ってみました(図3)。

図 3

 このかたち、なんだかペンチの先のようです(図4)。もっとも、ペンチの先は面どうしが合わさりますが、これははさみのようにすり合わせる構造です。このパーツのことを「ペンチリング」と呼ぶことにします。

図 4

 このペンチリング、厳密には通常の多面体には無いタイプの頂点があります。ペンチの先端です。ここがつながっているとまずいので、ここには微小な隙間があると考えます。(なので「リング」では無いことになります。)また、このかたちは鏡像対称面を持ちません。キラルなかたちです。2回回転対称軸はあります。図4のペンチリングをひっくり返しても、右のLが上にあって、元と同じかたちになります。 右利き用のはさみをひっくり返してもと左利き用のはさみにならないのとおなじです。

 さて、同じものを3つ用意して(図5〜図7)、これを組み合わせると図1のかたちになります。

図 5 図 6 図 7

 このかたち、1つずつ順番に組むことはできなさそうです。例えば赤と青を先に正しい位置関係にしてしまったら(図8)、3つ目のパーツを組むことはできません。

図 8

 またこのかたちは平行移動では組めません。よくあるエクスプロージョン型(3つのパーツを同時に同様な動かし方で組んでゆくタイプ)ともちょっと違います。不思議な感じです。

 写真は載せませんが、アーテックブロックで作って実験してみると、とても面白いパズルだということがわかりました。ブロックではなく、後々までとっておける素材で作ってみたくなりました。

(つづく)



 昨日(1/26)は母の誕生日でした。チョコレートを送っておいたら、お礼の電話をもらいました。特に時間指定はしなかったのですが朝10時前に届いたそうです。ちょうど出かけるタイミングだったらしく、間に合って良かったです。



 御嶽海、負け越してしまいました。三役復帰はなりませんでした。残念…。 でも、幕尻で優勝した徳勝龍、素晴らしかったです。優勝インタビューもとても良かった。

<おまけのひとこと>
 1月28日(火)は更新するのが難しそうなので、2日分まとめて更新します。






1月28日(火) Galaxy Craft 156を試作する

 昨日のGalaxy Craft #156を木製のキューブを接着して作ってみました。まずは組みあがったところの写真です(図1)。

図 1

 これは、100円ショップで昔買った3×3×3の27個の立方体を連結したパズル(図2)を分解して、そこから必要な個数(8個×3組)を接着して作りました。

図 2

 このパズルは立方体の向かい合う面、もしくは隣り合う面をつなぐ穴があいていて(図3)、その中にゴムが通って「ひとつながり」になっています。(これを製造するコストを含めて100円(+消費税)で販売できるというのはとんでもないことです。) この立方体を貼り合わせて目的の「ペンチリング」を作るときにはできるだけ余計な穴が外に見えないようにしたいです。

図 3

 立方体を8個、を木工用ボンドで貼り合わせて3つの合同な「ペンチリング」を作りました(図4)。材料が白黒2色だったので、白黒1つおきです。色に注目すると回転対称性もなくなりました。

図 4

 はやく組んでみたいのを我慢して、しっかり固まるのを待って、図1のかたちに組みました。色が1つおきなので、完成したかたちを見ると、図1のように色が偏っています。写真は載せませんが、裏側は白黒逆の色になっています。作って満足しました。



 ところでこの「ペンチリング」、単独で空間を充填するかたちなのでしょうか? パーツを2つ組み合わせると、3×3の正方形の中央に穴の開いた高さ2の四角柱のかたちに組めます(図5)。これは穴があるので空間充填のユニットにはなり得ません。

図 5

 これは頭の中だけで考えるのでは無理で、アーテックブロックの試作品が大活躍してくれました。

(つづく)



 大人になってからの再学習というブログがありました。いろいろな項目についてきわめてシンプルに要点がまとめられていて、いいなと思いました。

<おまけのひとこと>
 今週は天気が悪くなるようです。心配です。






1月29日(水) 「ペンチリング」による空間充填(その1)

 すみません、28日(火)、29日(水)の朝は更新ができませんでした。30日(木)の朝に29日と30日の2日分を書いています。今回の更新は、前回「ペンチリング」と名付けた単位キューブ8個を連結した外寸3×3×2のリング状のかたちで空間充填ができるか、という話題になります。



 いきなりgifアニメーションですが、パーツをこんな風に並べてみました(図1)。

図 1

 たまたま4個までを表示していますが、これはずっと続けてゆくことができます。これを横に隙間なく並べることができます(図2)。

図 2

 こうすれば、厚みが2の無限に広がる面が作れますから、これを重ねてゆくことで空間を隙間なく充填できることがわかります。

 図2では並べる向きを同じにしていましたが、1つおきに逆にすると、表面に見えるL字型のパターンの模様がジグザグになって面白いです(図3)。

図 3

 前回の更新でご紹介した、木製のキューブを接着したパーツで同じことをしてみました(図4、図5)。

図 4

図 5

 キューブ1つおきに色を変えたツートンカラーだと、出来上がりは単なる市松模様になりました。



 この「ペンチリング」の空間充填、実はもっとシンプルなやり方がありました。たった4つで直方体が組めるのです。わかりますか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 長年使っていた折り畳み傘が、ちょっと風が吹くと裏返ってしまって変だなあと思ってよく見ると、傘の骨の折れ曲がるジョイントの部分のすぐ近くが折れてしまっている骨が2か所ありました。妻にそう伝えておいたら、新しい傘を買っておいてくれました。助かります。






1月30日(木) 「ペンチリング」による空間充填(その2)

 昨日、「ペンチリング」をまっすぐ並べていったものを部品として空間充填できるという話をご紹介しましたが、その両端は2×2の正方形1枚分のかたちになっていて、一方の端が1段目、他方の端が2段目になっています。ということは、単にまっすぐ並べるだけでなく、そこで90度回転させて組むこともできるということに気が付きました。例えばこれは4個を単位とした例です(図1〜図3)。

図 1

図 2

図 3

 こんな風にリング状に組むこともできるのです。ということはいろいろなサイズのリングが組めるということで、同心円状に埋めつくすこともできるということかなあと思いました。

(つづく)



 月曜日は急遽出張で、結局帰れずにホテルに宿泊しました。ホテルの部屋にはこんなアート作品が飾られていました。

図 4

 左側、実物を見ると紙を多層に重ねた疑似3D作品のように見えて面白かったのです。というか最初に実物を見たときにそう思って、近づいてよく見ると単なる平面の作品だったのです。でもうまく写真が撮れなくて、上の画像ではその印象が薄くなっています。



 数学協会の渡邊さんから、昨日(1/29)付の朝日新聞の“ピーター・マクミランの詩歌翻遊”というコラムに、梁塵秘抄の「遊びをせんとや」の英訳が掲載されていました、というメールと記事の写真を送っていただきました。

図 5

 ありがとうございます。感激です。なるほど、勉強になります。詩歌の味わいを翻訳するというのはとても難しいのだろうなあと思います。英語に堪能な方がこの英訳を読んだときにどんな印象が膨らむのかをイメージできるほど私は英語ができないですが…

<おまけのひとこと>
 一年で一番寒いといわれるこの時期とは思えないほど暖かいです。






1月31日(金) 「ペンチリング」による空間充填(その3)

 「ペンチリング」による空間充填の話の3回目です。先日、このピースを組み合わせて直方体が作れるという話をしました。こんな組み方になります。

図 1

 正確ではありませんが、それっぽいgifアニメーションを作ってみました(図2)。

図 2

 実際に組む時には図3のように2つずつ組み合わせておいて、それを組むというのが現実的です。

図 3 図 4

 直方体が組めてしまえば、空間充填できることは自明です。このピースがこんな風に組めるというのは言われてみればその通りなのですが、実物をいじってみて初めて気が付きました。やっぱり実物はだいじです。

 このピースを組み合わせる話、もう少し続きますが、明日はちょっと違う話題に変えようかなと思っています。

(つづく)



 本日ご紹介した4つで直方体を組む組み方、そういえば似たようなキャストパズルがあったような…と思いました。キャストカルテットです。

図 5

 こちらはもう少し細長いので中央に穴があきます。また、わずかに直角ではありません。私がご紹介してきたかたちは単位立方体を連結したかたちになっていますが、キャストカルテットは菱形六面体を連結したかたちになっています。キャストカルテットは難しいですが美しいパズルだと思います。

<おまけのひとこと>
 1月も終わりです。






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