[Home]-[以前のひとこと]-[2020年2月前半]

以前の「ひとこと」 : 2020年2月前半



2月1日(土) 紙の筒で組むランダム格子(その1)

 2月になりました。「ペンチリング」(キューブ8個を2段に組んだリングの輪っか)の話題はまだ続きがあるのですが、いったんその話題は中断して別のトピックをご紹介しようと思います。

 1か月前、年末年始休みの最終日、休みが長かったので翌日からの仕事がちょっと憂鬱でした。気分を変えたいと思って、以前から漠然と作ってみたいなあと思っていた、紙の筒でランダムな格子を作る、というのを朝から始めました。午前中にデザインを決めてパーツの設計までやって、午後に印刷と切り出し、組み立てをして完成させることができました。こんなものができました(図1)。

図 1

 窓際に背の高いスツールを持ってきて、その座面に立ててみています。裏側が窓に映っています。

 床(スツールの座面)に接する向きを変えて、見下ろしてみました(図2)。筒の断面は正方形ですが、斜めにカットした構造になっています。

図 2

 カッターマットの上に置いてみました。だいたい20cm×20cmくらいの大きさです。

図 3

 汚れたり傷んだりしないように、少し厚みのあるA4サイズのクリアケースに入れてあります。作ってみて、デザイン上いくつか改善したいと思った点もあるのですが、いったんは満足しました。

(つづく)



 「ちょっとしたおもしろいもの」という観点で、カプセルトイ(ガシャポン)には興味を持っています。もっとも、私が「欲しいなあ」と思うようなものは、カプセルトイマシンが50台並んでいたとしても、その中に1つあれば良いほうで、たいていは興味があるものは見つからないです。 もちろん私はターゲット顧客ではないでしょうし、私が面白がるようなものを作ってもヒットしないでしょうから、それに文句を言うつもりは全くありません。

 そういった(カプセルトイマシンがたくさん並んでいる)コーナーに行くと、「この中だったら、どれだったらやってみてもいいだろう?」と無意識に考えます。先日、例によってお目当てのカプセルトイが見つからなかったときに、「まあこれならやってみてもいいか」と、心の中のしきい値が下がって、ついやってしまったのがこちらです。

図 4

 1/400スケールの山手線です。懐かしい103系と、E231系が出ました。しばらく飾っておこうと思います。

<おまけのひとこと>
 昨日は職場の飲み会がありました。少し早めに退席させていただきました。最年長になるとそういうことが遠慮なくできるようになって(別に若い人がそうしてくれても全然問題ないですけれども)、楽になりました。






2月2日(日) 紙の筒で組むランダム格子(その2):デザイン構想編

 昨日ご紹介した「紙の筒で組むランダム格子」ですが、どんな風にデザインを考えたのか、記録しておきます。

 最初は図1くらいの太さの棒を使うことを考えました。太いほうが密度が高い(隙間が少ない)格子になるかなあと思ったためです。

図 1

 3本が重なると厄介なので、重複は必ず2本分にしたいと思いました。また、棒は枠となる正方形の向かい合う辺どうしをつなぐだけでなく、正方形の隣り合う辺を結ぶ棒も欲しいと思いました。もちろんあんまり本数が少ないのは寂しいので、それなりの本数が欲しいです。さらに、明らかに対称な配置から少しずらしただけというのではなく、ランダムに見えるほうがすてきだなとも思いました。(欲張りです。)

 ところがこの条件を満たす配置を見つけるのがとても大変なのでした。図2、図3は7本を使った例ですが、あんまりランダムっぽくありません。

図 2 図 3

 これも7本の例ですが、かなり左右対称っぽくなってしまいました(図4、図5)。

図 4 図 5

 思い切って棒の一端を正方形の中で留めるパターンも考えてみました(図6、図7)。

図 6 図 7

 こうすると密度が上がります。ランダム性もなかなか良い感じです。でも全体の強度は下がってしまう感じがします。



 結局、正方形の枠に対する棒の太さが太すぎて「3本が重ならない」というのは無理があるということがわかりました。そこで、もっと細い棒で再度デザインを考えてみました。

図 8

図 9 図 10

 これならまあ、だいぶランダムっぽくなったかなと思います。このデザインで紙模型を作ることにしました。

(つづく)



 先日買った“クルリン ミニ”、気に入ったのでもっと買うことにしました。昨日の土曜日、3週間前に買ったお店に行って、カプセルトイマシンがほぼ空っぽになるまで回してきました。

図 11

 別に色をコンプリートしたいとかではなくて(正直、色はどうでもいいです)、職場で興味を持ってくれた人とかにプレゼントしようと思って買ったのです。また、片手で複数個を回してみたいと思ったり、ちょっと汚れてきたので予備が欲しいなと思ったりしたのも理由です。これで安心していろいろ試せます。

<おまけのひとこと>
 カプセルトイの世界は消費税とか関係なく値段が100円単位なので、商品企画が難しいのだろうなあと思います。






2月3日(月) 「おしゃべりな糖」

 今日の更新は「紙の筒で組むランダムな格子」の設計編を予定していたのですが、週末に読んだ本がとても面白かったので、今日はその感想です。

 1/31(金)は職場の飲み会があったのですが、1本早い列車で移動して本屋さんに寄ったのです。そのときに岩波科学ライブラリー290:「おしゃべりな糖」 第三の生命暗号、糖鎖のはなし(笠井献一)という本を見かけました。

 ちょっと興味を惹かれたのですが、そのときは「まあいいか」と思って買わなかったのです。2/1(土)に図書館に行ったら新刊コーナーにこの本があったので借りてきました。そうしたら予想以上に面白くて、買わなかったことを後悔しました。今度見かけたら買います。



 糖というのは基本はこんな六員環のかたちをしていて(「おしゃべりな糖」p.10 図2より引用)、それがいくつもつながったものが「糖鎖」といいます。 このあたりの話は上記の岩波書店のサイトの「試し読み」で読むことができます。

図 2

 この本の副題に「第三の生命暗号」とあるように、糖鎖は細胞が様々な情報をやり取りするために極めて巧妙に使われているということが語られています。「第三」というからには第一と第二があります。第一は有名なDNAやRNAといった遺伝情報を司る核酸、第二は千差万別の多数の機能を実現するタンパク質です。

 現代の分子生物学は1953年のワトソン、クリックによるDNAの二重らせん構造モデルが提唱されたことに始まると言ってよいと思います。たった4種類の塩基から成る鎖が生物の大切な機能分子であるタンパク質の設計図になっています。塩基の3つ並びが1つのアミノ酸を指定します。20種類のアミノ酸が一列に連結されたものがタンパク質です。膨大な種類のあるタンパク質は、特定の温度や pH の環境において、自律的に立体構造が1つに定まります。その特定のかたちがそのタンパク質の機能(お仕事)を決めます。生物の進化の過程で、これほど複雑で精緻な仕組みが出来てきたということは本当に信じられない、驚嘆すべきことです。

 高校の生物の教科書でもこのDNAの解読の仕組みについて図解され、4つの塩基の3つ並び(4の3乗で64通り)のアミノ酸との対応表が載っていた記憶があります。

 「細胞の分子生物学」(Morecular Biology of the Cell) という、分子生物学では最も有名な教科書があります。初版は1983年に出版され、最新のものは2014年の第6版だそうです。もう30年以上前の学生時代、高いこの本を買って一生懸命読んだものです。当時は核酸やタンパク質の話はしっかり記述されていましたが、糖鎖の話はあまり詳しくわかっていなかったと思います。

 今回、この「おしゃべりな糖」を読んで、糖鎖についての研究がとても進んでいることがわかりました。 例えば、すぐ上にも書きましたが、タンパク質は生体内の環境では自動的に折りたたまれて正しく機能する立体構造になる、と学びました。ところが実際にはタンパク質は細胞の中の小胞体の中で形を整えられるのですが、狭くて混雑しているため、うまく立体構造を取れないことがあること、それを助けるためにシャペロンというタンパク質がいること、どうしても失敗したら最後は分解されて再利用されること、などが説明されていました。

 また、昔々の生物学の教科書では様々な細胞内小器官の正確な役割がよくわかっていない(ものもある)という説明だったのですが、それもかなり解き明かされてきていることがわかりました。

 さらに、糖鎖というのは核酸やタンパク質と違って「枝分かれ」することができます。そのため、とても複雑な構造が作れるのですが、核酸やタンパク質と違って若干「いい加減」なところがあり、それがロバスト性や多様性という意味で生物の環境変化に対する生き残り戦略にとって有利に働いているのではないか、といった話など、とても刺激的でした。また、発生学にも糖鎖が重要な役割を果たしているというトピックも面白かったです。

 昔、初めてDNAの仕組みを知ったとき、とても感動したものです。その後タンパク質の凄さを知って、やはりとても感動しました。糖鎖に関するこの本は、それらに匹敵する驚きと感動がありました。なるほど「第三の生命暗号」です。こんなすごいことが自分の身体の中で起こっているのです。様々な環境の変化や目に見えない外敵やトラブルに対して、自分の体内の組織や器官、膨大な細胞や高い機能を持つ分子たちが日々戦い、働いてくれているのです。そして、それをすべてひっくるめたのが「自分」です。

 「おしゃべりな糖」は科学読み物なので、研究の結果現在正しいと思われていることを、まるで見てきたように臨場感たっぷりに説明されていてとてもわかりやすく面白いです。本当は、なぜその解釈が正しいという結論になっているのか、どんな実験をしてその結果がどうだったからそういう結論になったのかが知りたいなあと思いました。でもおそらくそれを理解するには膨大な勉強が必要なので、もはや無理かなと思いました。

 糖鎖生物学の分野での代表的な教科書はEssentials of Glycobiology(第3版)という本なのだそうです。丸善から日本語版(第2版)も出ているそうです。リンク先で本文を参照することができるようです。ちょっとだけ覗いてみようかなと思いました。



 昨日、近所のスーパーで「節分大抽選会」というイベントがありました。1等が2,000円の商品券、2等がカップ麺(緑のたぬき)1ケース(12個)でした。3回、くじを引く権利がありました。「2等があたるといいなあ」と思ってくじを引いたら、2等、5等、5等でした。やった!

<おまけのひとこと>
 ちなみに5等は「うまい棒3本」でした。5等が2つで6本もらってきました。






2月4日(火) 紙の筒で組むランダム格子(その3):設計編

 「紙の筒で組むランダム格子」の話の最終回です。パーツの設計の仕方をご紹介します。

 まず、それぞれの交差の場所で、どちらが上になっているのかを決めます。そのために、パーツを3グループに分けることにしました(図1)。緑(右下がり)が3本、青(左下がり)が4本、赤(上下)が3本です。

再掲図 図 1

 筒は10本あるのですが、それぞれの筒に注目すると、交差場所での上下が必ず交互に「上・下・上・下…」となるようにしました。

 それぞれの筒の台形部分を描画ソフトのオブジェクトにしました(図2)。書き込まれた数字は細長い長方形の回転角を表しています。

図 2

 それぞれの長方形(筒)ごとに台形オブジェクトをグループ化して、水平に並べます(図3)。

図 3

 あとは、いつも通り四角柱のかたちになるようにパーツを設計します。四角柱は1つの面(側面)を重複させて接着しない、両端もふさがないデザインです。最近だと2017年3月3日のひとことで、カゴメ格子のパーツを設計して組み立てているところをご紹介しています。(完成写真は翌週の3月6日に載せています。)

図 4

図 5

図 6

 これを印刷して切り取って組み立てたのが、2月1日にご紹介したこの画像でした。

再掲図

 埃が着いたり傷めたりしないように、A4サイズの透明なケースの中に保存しています。

図 7

 デザインを検討するところから、設計、印刷、折り筋入れ、切り取り、折り曲げ、組み立てでだいたい5〜6時間くらいかかりました。 楽しかったです。



 昨日は糖鎖生物学の本の紹介をしましたが、職場に化学の博士号を持っている人がいて(私と同じく大学での専門とは全然違う仕事をしている人です)、彼と少し糖鎖について雑談をしました。実は彼は学部の卒論はリン糖鎖で書いたそうです。分解性の高い農薬の研究で、六員環ではなく五員環(不安定で分解しやすい)の、リンを含む構造を合成して研究していたそうで、当時の有機合成化学の手法についてひとしきり懐かしい話をしました。雑談とはいえ、職場でよもやこんな話をするとは思いませんでした。

<おまけのひとこと>
 昨日2月3日は節分でした。昨日は少し早めに帰宅できました。お隣の家は三世代同居で、小さな子供のにぎやかな「鬼は外」の声が聞こえました。10年くらい前までは、お隣は我が家と同じく両親と子供二人の4人家族の核家族でした。我が家は子供たちが家を離れて夫婦二人になりましたが、お隣は子供さんが結婚されて孫が生まれ、にぎやかです。そういう家族で祖父母の立場で同居することを今は全くうらやましいとは思わないのですが、あとどれだけ生きられるのかはわかりませんけれども、平均寿命まであと2〜30年、健康寿命はその半分くらいでしょうか、将来は同居がうらやましくなるのかもしれないなあと思いました。






2月5日(水) 平行四辺形3枚を組んだかたち(その1)

 昨年の暮れ、12月30日のひとことで、菱形十二面体の稜を4色で塗分けたときに、同じ色になる相対する稜を結んだ平行四辺形3枚を組み合わせたかたち、というのを紙で作ってみたことをご紹介しました。

 これをスチレンボードで作ってみることにしました。最初に完成写真です(図1)。

図 1

 最初はいつものように3枚にT字型の切り欠きを入れる方法を考えたのですが、うまくいかなかったのでパーツ1つを2つに分けてしまって、スチレンボードの摩擦でかたちを保つという安易な設計に変えました(図2)。

図 2

 使ったスチレンボードが表と裏で色の違うものだったので、反対側からみるとこうなっています(図3)。台にしているカッティングボードをほんの少し傾けて、一本足で立たせてみています(図4)。

図 3 図 4

 これを作ったのも年末年始休みだったのです。図1のかたちで組んでおくのが好きだったので、そのまま飾っていたのですが、今日の更新でパーツをご紹介するために図2の写真を撮りたくて分解しました。そのあとで、CGを見ながらもう一度組み立てようと思ったのですが、ちょっとおかしいということに気が付きました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 私にしては珍しく、今後のファイナンシャルプランを考えるために、過去に何にどのくらいお金を使ってきたのか、今後どんなイベントがありそうなのか、ちょっと書き出して整理をしてみる、というのを始めてみました。子供たちが巣立ったので、今後は収入が減っても自分の時間が増えるような働き方をしてもいいかもしれないと思ったのです。そんなことは会社ではおくびにも出さないでいたつもりだったのですが、昨日、昔から一緒に仕事をしてきて今はかなり偉くなっている方から「今ははっきりは言えないけれど、おそらくもうしばらくするといろいろ変わる可能性があるから、転職とか考えないでね」と声をかけてもらえました。私は、彼のほうこそ偉くなってストレスが増えて昔のように元気な言動を見る機会が少なくなってきているなあと心配していたのですが、そんな風に気にしてもらって、なんだか元気が出ました。






2月6日(木) 平行四辺形3枚を組んだかたち(その2)

 昨日の平行四辺形3枚をいったん分解して組みなおしたのです(図1)。そうしたら、なんだか様子が違います。

図 1

 色が揃っている向き(三回回転対称軸方向)から見てみました(図2、図3)。

図 2 図 3

 ここで、もともとのCGをもう一度確認してみます。便宜上、3枚の平行四辺形の色を変えて、少しだけ光を透過させてみました(図4)。3回回転対称軸方向から見てみます(図5)。

図 4 図 5

 図5だと、ただの正六角形に見えてしまってよくわかりません。少し一般的な視点に変えて、対象を動かしてみました(図6)。

図 6

 今日の写真のかたちのほうが、「菱形十二面体の稜を結んだ平行四辺形3枚組」としては正しい構造だったということがわかりました。でもかたちの好みとしては、昨日の組み方のほうが好きです。



 再掲になりますが、この2つの組み方の関係は、 

 ちょうど鋭角型菱形六面体と鈍角型菱形六面体のような関係になっています。

図 7:鋭角型菱形六面体 図 8:鈍角型菱形六面体

 図7と図8では視点位置を変えています。図7のほうは、菱形の鋭角が3つ集まる頂点を座標軸の原点に置いています。鋭角なので、座標軸のx,y,z軸はこの菱形六面体の中を通りません。一方、図8のほうは菱形の鈍角が3つ集まる頂点を座標軸の原点に置いています。鈍角なので、座標軸はこの菱形六面体の中を貫いています。

 板のかたちや組み合わさり方が直角ではなくなると、とたんにかたちを把握するのがとても難しくなるということを改めて感じました。まあでもそこがおもしろいところです。

<おまけのひとこと>
 通勤で使っている高速道路の区間のうち、半分は制限速度が80km/hでもう半分が制限速度100km/h区間になっています。私は早朝のほとんど車のいない時刻に高速道路を利用しているのですが、全区間をだいたい80km/hで走行しています。いくらでも安全に追い抜いてもらえるので安心です。そうするととても燃費が良いのですが、ここ2週間ほどは通勤時間を短くすることを優先して、もう少しペースをあげて走るようにしています。それでも片道1時間の所要時間が5〜6分短くなるくらいがせいぜいですが…。(理屈の上では80km/h巡行を120km/h巡行に変えれば、時間は3分の2になりますが、それはやりません。) そうしたら燃費がとても悪くなりました。今までは毎週の5往復(550kmくらい)で給油していたのですが、今は4往復(440kmくらい)がぎりぎりになってしまいました。ちなみに軽自動車でタンク容量は27リッターですが、満タン給油で20〜24リッターくらいです。費用と給油の手間を考えると、やっぱり燃費重視で走るほうがいいのかなあと迷っています。






2月7日(金) キューブパズルセット

 昨日は出張でした。ちょっとだけ空いた時間にこんなものを買いました(図1)。税込で550円でした。

図 1

 樹脂製の立体の分解・組立パズルです。同じ商品が店頭に3つあったのですが、パーツの色遣いがみんな違いました。いずれも白・青・赤・黄・緑・橙の6色なのですが、どのかたちのピースがどの色なのかが違っていたのです。たぶんすべてのパーツが一度に作れる金型があって、材料の色を変えながらピースを生産しているのだと思います。

 単色で組めるだけのセットがあれば6セット買ってもいいかなと一瞬思いましたが、幸い(?)3セットしかなかったので、そういうことをせずに済みました。

図 2

 左のものは四角柱が3つ交差しているかたち、中央は正八面体、右は各面が円になるまで角を面取りした立方体です。それぞれのかたちそのものがきれいだなと思います。しばらく飾っておいてもいいかなあと思いました。 この3つの中では正八面体が特に気に入りました。

<おまけのひとこと>
 昨日は東京でもかなり寒かったですが、今朝はさすがこの冬一番、家の外の温度計は今(2月7日(金)朝5時過ぎです)、マイナス13℃を表示しています。






2月8日(土) レシプロカル構造(その1)

 週末なので簡単な更新です。

 昔、自治会の公民館運営委員をやったときに、行事で「わたあめ」を作ったのですが、そのときに余った「一本箸」を捨てるということいなったので、貰って帰ったのです。それを材料にして、こんなものを組んでみました。

図 1

図 2

 積み木のように遊んでいます。きれいにかたちを整えるのは難しくて楽しいです。

(つづく)



 先日、外食をしたときのお店の照明がこんなかたちをしていました。

図 3

 六角の反角錐台ですね。きれいなかたちだと思います。

<おまけのひとこと>
 先日ご紹介したクルリンミニというカプセルトイ、興味を持ってくれそうな人に配っているうちに手持ちが少なくなりました。先日、新宿ヨドバシカメラ西口の「ガシャポン館」をちょっと覗いてみたのですが、やっぱりありませんでした。商品の入れ替わりが早いので、2〜3か月前の新製品はもう見つからないのですね。






2月9日(日) レシプロカル構造(その2)

 昨日の一本箸を使った構造、別な対称性のものも作ってみました。図1は6回回転対称、図2は3回回転対称のものです。

図 1

図 2

 うーむ、いまひとつです。



 このような部材が互いに支えあう構造を「レシプロカル構造」と呼ぶようです。こちらのブログの記事のレシプロカル構造というのがとても参考になりました。「相持ち構造」とか「納まり」という言葉がいいです。

 上記のブログにも紹介されている、清和文楽館の建物に、この相持ち構造が活用されているのだそうです。図3、図4は公式サイトから引用させていただいています。

図 3 図 4

 公式サイトには、図3を「騎馬戦組み手工法」、図4を「バット工法」と説明されています。熊本県、おいそれとは行かれませんが、この建物は一度見てみたいなあと思いました。



 レシプロカル構造について探索されている、こんなページもありました(Reciprocal Frame (RF) Str Exploratory)。著者の方(Olga Popovic Larsen)は本も出版されているようです。この中の、ワークショップで参加者の方が作られたという作品の写真が気に入りました。

図 5

 自分でももう少しこのかたち(レシプロカル構造)を作ってみたくなりました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 高校の同級生から、googleグループを作ったので参加しませんかというご招待をいただきました。承諾して招待状を送っていただいたのですが、アクセスしてみると「アクセスする権限がありません」となってしまいました。とりあえず様子を見ようと思います。






2月10日(月) レシプロカル構造(その3)

 昨日の図を見て、自分でも同じようなものを作ってみたくなりました。こんな図を描いてみました(図1)。図を描くのに使っているツールが上下の重なりの関係を局所的には入れ替えられないため、重なっている部分の上下は適当です。(局所的に上下を入れ替えられるdraw系のツールってあるのでしょうか?)

図 1

 これを実際に作るとしたら素材は何にしようかなと考えました。かなり細長い部材が必要です。また、パーツが重なっているT字型の部分、おそらく何か固定する手段がないと安定しないと思います。適切な材料が思いつきません。竹ひごのような断面が円の素材のほうが良いかもしれません。



 図1のような構造は同じ長さのパーツを使って作るのは難しいです。図1は5回回転対称で、同心円状に4層の構造になっています。最初に、紙の筒でシンプルな1層の構造から作ってみることにしました。今まであまり模型を作ったことのなかった7回回転対称の構造にしたいなと思って、設計のためにCGを作りました(図2)。

図 2

 一般的な視点からだと構造がよくわからないので、上から見下ろしてみました(図3)。

図 3

 横からも見てみました(図4)。

図 4

 パーツの設計のため、どんなふうに交差しているのか、図示してみました。

図 5

 上下2か所に「ほぞ」がありますが、これはどちらか片方だけで良いはずです。ただ、それだと噛み合わせの位置が定まらないです。ジョイント部をどんな設計にしようか、考えてみました。

(つづく)



 七角形のレシプロカル構造の構想を考え始めたときに思い出したのですが、昔このような互いに噛み合わさった構造を作ったことがありました。下の図は2009年7月23日のひとことでご紹介した写真です。3回回転対称の短冊形3枚組です。

 確かこのとき、4回回転対称や5回回転対称のモデルも設計して作った記憶があるのですが、過去のページを探してみても見つかりません。それどころか設計データも見つかりません。うーむ。過去の膨大な模型のストックから探し出してみようかなと思いました。見つかるかどうか不安です。

<おまけのひとこと>
 今日は飛び石連休の谷間の出勤日です。有給休暇を消化するためにお休みを取る人が職場の半分くらいいます。私はこういう日に休むより、可能なら休みのない週の真ん中あたりに休むほうが好みです。3か月に一度、定期的な通院をしているのですが、そのときはできるだけお休みを取るようにしています。できるだけお休みのない週の水曜日に設定するようにしています。






2月11日(火) 紙の筒のジョイント(その1)

 紙の筒を組み合わせる構造、連結部分の設計をどうしようか、考えてみています。本日の更新では、これまではどうやって設計してきたか、というところまでの話を書きたいと思います。



 例として、紙の筒が高さ0.5の位置で直交している状態を考えます(図1)。

図 1

 素朴に考えると、片方を切り欠いて(図2)、もう片方は何もしない(図3)、という組み合わせがまず考えられます。

図 2 図 3

 これを組むとこんな風になります。青い筒は完全に素通しになっていますが(図4)、黄色い筒は青い筒に半分さえぎられています(図5)。

図 4 図 5

 これを紙の筒で組んでみるとすると、型紙はこんな風になります(図6)。いつものように1面を重畳させる設計なので長方形5本の型紙です。

図 6

 ただ、この設計だと上の青い筒の位置が定まりません。上の筒も同じように切り欠きを入れたとすると(図7)、

図 2(再) 図 7

 今度はどちらの筒も素通しになりますが(図8)、

図 8

 その高さでは止まらず、完全に水平面内での交差になります(図9、図10)。

図 9 図 10

 高さが0.5のところで留めるためには、切り欠きの高さを2つの筒に配分する必要があります。例えば2つのパーツが合同になるようにするならば、切り欠きの高さは0.25になります(図11、図12)。

図 11 図 12

 これを組んでみるとこんな風になります(図13〜図15)。

図 13 図 14 図 15

 これはこんな型紙になります(図16)。

図 16

 この設計、切り欠きの高さを2つのパーツに配分するのが面倒なのです。今回のようにシンプルに直交しているような場合はともかく、一般の角度でねじれの位置にある2本の四角柱が部分的に交わっているような場合、設計がとても面倒になります。もっと簡単かつ強度も保てるパーツ設計ができないかなあと考えてみました。

(つづく)



 紙の筒を平面で直交させて作る構造といえば、千鳥格子とか甚五郎格子という構造を作ったことがありました(2014年10月1日のひとこと)。

 これは筒を変形しなくても組めるように、切り欠きは1/2よりも大きくしています。

<おまけのひとこと>
 今朝6時ころ、母の携帯から電話がありました。自分は下の部屋にいたので取り損ねたのですが、こんな時間にどうしたんだろうと思って折り返し電話をしてみると、短縮ダイヤルのボタンがあって、よくわからなくて押してみたら掛かってしまったということでした。
 ものすごく恐縮されてしまったのですが、もう何時間も前から起きているので全然問題はないと伝えて、それから1時間近く話を聞きました。歳を取ると寂しいのだなということがよくわかりました。 私は、80になっても90になっても自分の歳のことなんか忘れて何かに夢中になっていて、もっと時間が欲しいと思っている人を尊敬します。音楽の人でも美術の人でも数学や科学の人でもそういう人がいます。自分がそうなれるかどうかわかりませんが、仮にその歳まで生きられたとしたら、できればそうなりたいなあと思います。






2月12日(水) 紙の筒のジョイント(その2)

 紙の四角柱が「ねじれの位置」で交差しているときの接合部の構造、昨日はこれまでの設計についての説明で図をたくさん使って説明をしました。今日は今回新たに考えた構造について書きたいと思います。

 凹型と凸型の非対称な構造を考えました。図1が凸型、図2が凹型です。

図 1 図 2

 組むときの位置関係にしてみました(図3、図4)。

図 3 図 4

 こんな風に組み合わさります(図5、図6)。

図 5 図 6

 型紙はこんな風になります(図7)。細いスリットを切り抜くのがちょっと大変です。

図 7

 図6のように直交していて共通部分の高さがわかっていれば設計は簡単ですが、例えば図8のように斜めになっているような場合は設計がけっこう面倒なのです。

図 8

 この設計についてはまた今度書きたいと思います。

(つづく)



 新作が公開されるのを楽しみにしている、秘境駅の旅を紹介するシリーズの新作(2019年2月の道北流氷紀行編)の前編後編が先週公開されていて、楽しみに読ませていただきました。

 本来、個々人が自家用車を持つのではなく、公的交通機関が便利になるほうが社会全体としては効率が良いはずです。首都圏などの人口が集中しているところで全員が自家用車で移動しようとしたら、道路や駐車場といったインフラがあっという間に破綻してしまうのは明らかです。バス路線網や鉄道網が昭和のころのように充実していた(それだけ自家用車が普及していなかった)時代のまま進化していたとしたら、例えば地方でも1時間に何本もバスや鉄道が走っていて、車を持たずとも移動にさほど不便がない社会になっていたかもしれません。環境やエネルギー効率を考えるとそのほうが良いはずです。

 ただ、社会が「みんなが自家用車で移動すること」を前提に発達してしまったので、地方では公的交通機関はどんどん駆逐されて寂れてしまいました。この流れを変えることはもはや不可能だろうなと思います。私たちはひとたび便利な環境に慣れてしまうと、それを手放すことはできなくなってしまいます。地方では車のない生活は考えられません。また、経済が発展するために自動車産業が果たした役割もとても大きかったです。なので、何かが悪かったとか言うつもりはありません。みんながより便利で快適な社会を作ろうと努力してきた結果だと思います。

 鉄道発祥の地であるイギリスでは、「保存鉄道」という考え方があるそうです。日本でもSLを走らせたり、もはや昔を懐かしむ観光資源になってきているなあという気もします。そういうかたちでも残ることは良いことだと思いますが、なんだかちょっと寂しい気もします。

 この「自家用車 .vs. 公的交通機関」の関係は、「通販・宅配 .vs. 実店舗での買い物」に似ているなあと思うのです。お店に行って買い物をするなんて面倒だ、時間がない、自宅で商品を選択して届けてもらえるほうが好きな時に好きなものが手に入って楽だ、という感覚です。でも、輸送コストは明らかに個人ごとの宅配よりも実店舗に配送するほうが効率が良いはずです。 私は世の中の主流に逆らって、通販では買い物はしないことにしていますが(ここ20年で3回くらいは通販で買いましたが)、無駄な抵抗だとわかってはいます。(家族が通販で買うのは全く気になりませんし、全く口も出しません。)

 たとえば、本屋さんとかおもちゃ屋さんは街からなくなりました。バスや鉄道が寂れてゆくのと同じです。みんなが使わなくなればそうなります。それが(地方に住む)私たちの選択なんだな、と残念に思っています。

<おまけのひとこと>
 昨日は一日じゅう家にいて、朝から晩まで新しいジョイント構造の模型をいくつも設計して試作していました。楽しいです。






2月13日(木) 紙の筒のジョイント(その3)

 昨日の2本の四角柱を「ねじれの位置」に配置したCGから紙の筒の実物の模型を作ってみました。どうやって作っているのかを記録しておこうと思います。

 昨日は中空の筒のCGを載せましたが、最初にもっと簡単な単なる四角柱の交差モデルを作ります(図1)。

図 1

 CGなので、物体(オブジェクト)の差分をとる(引き算をする)のは簡単です。図2と図3は、それぞれ2本の四角柱の引き算の結果です。

図 2 図 3

 図1〜図3は一般的な視点から見た図でした。これを、四角柱に対して側面の中心の法線方向から同じ距離で描画すると以下のようになります。

 3面分しか描画していませんが、残った1面は単なる長方形です。これを写し取れば、各面のかたちの作図ができます。そうやって作った型紙がこちらになります(図10)。四角柱なので長方形4本分でいいはずですが、5本にしているのは、両端の長方形の面2つを重ねて貼り合わせることを想定しているためです。

図 10

 これを印刷して切り抜きました(図11)。

図 11

 長方形の面を重ねて軽く接着しました(図12)。

図 12

 組んでみました(図13、図14)。

図 13

図 14

 逆さにすれば外れてしまいますが、図14のように横にしたくらいでは外れません。着脱は簡単です。まあ満足できる出来栄えです。このジョイントでいろいろ作ってみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 2月の早朝(4時過ぎ)なのに、気温が氷点下ではありません。雨が降っています。雪でなくて助かりますが、変な感じです。






2月14日(金) レシプロカル構造を紙の筒で組む(その1)

 昨日までに、紙の四角柱2本が「ねじれの位置」で部分的に交叉しているときのジョイント部の設計について細かく説明をしてきました。この手法で、先日CGでご紹介した7本組を作ってみましたので今日はその紹介をします。

 CGと実物を並べてみました(図1)。

再掲図 1 図 1

 上から見下ろしたところです(図2)。

再掲図 2 図 2

 型紙はこんな感じです(図3、図4)。平行四辺形の穴のあいている面(ジョイントの凹部)を重ね合わせて軽く接着する設計です。ジョイントの凸部のスリットはかなり広めにカットしています。

図 3 図 4

 筒を覗いてみました(図5)。噛みあっている様子がわかります。

図 5

 しっかり組めていて「あそび」や「ガタ」はありません。片手で四角柱の端を持って持ち上げても全体の形は安定しています。作ってみて満足しました。実物を手に取ってみることができるのはやっぱり素晴らしいです。いろいろな姿勢、方向から眺めています。



 昨日は展示会に行きました。最寄り駅から始発の特急に乗りました(図6)。画像を縮小してしまったのでよくわかりませんが、雨がひどかったです。妻に駅まで送ってもらいました。助かりました。

図 6

 新宿からりんかい線直通の新木場行きに乗ったのですが、目的の駅の出口の精算が混雑していたら嫌だなあと思って、大崎で下車していったん改札を出てSuicaで再入場しました。大崎駅のホームで列車を待っていると、こんな列車を見かけました(図7)。

図 7

 これは相鉄の12000系ですね(と知っていたかのように書いていますが調べました)。雨のためなんとなくぼんやりした写真になってしまいました。

<おまけのひとこと>
 昨日はビッグサイトの会議棟7Fの国際会議場(座席数1,000)で講演を聴いたのですが、たまたま隣の席に高校の後輩で昔同じ職場だった人が座って、その偶然にお互いびっくりしました。






2月15日(土) ROKRの振り子時計

 二週間前の2月1日(土)に買い物に出かけたとき、文房具や雑貨なども置いている本屋さんにROKRという会社の木製の様々な組立キットが売っていました。サンプルとして飾られていた振り子時計(ROKR Pendulum Clock LK501)というのが気に入って買ってきました。5,600円(税別)でした。

 帰宅して早速作りました。ほぼ3時間、夢中で組み立てました。

図 1 図 2

 説明書には「ゼンマイをいっぱいに巻くと5〜6時間は動き続けます」と書かれていますが、振り子が止まりやすくて、少し調整もしてみたのですが今までで最長の連続稼働時間は20分くらいです。(自分の工作の腕が悪いのかなあと思います。) それでも動いているのを眺めるのは楽しいです。



 昨日、妻からチョコレートを貰いました(図3)。

図 3

 水引の結び目がすてきです(図4)。

図 4

 小さなキューブ状のチョコレートです。フラクタルです(図5)。

図 5

 蛇足ですが、「フラクタル」といったのはこんなイメージからです。

 外側も中身もデザインがとても好みでした。感謝です。

<おまけのひとこと>
 もったいなくてまだ食べていません。






[←2020年1月後半]  [↑表紙へ]  [2020年2月後半→]

[Home]-[以前のひとこと]-[2020年2月前半]
mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
2001-2020 hhase