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以前の「ひとこと」 : 2020年2月後半



2月16日(日) 伸長四面体を無限に並べる

 1月20日のひとことで、伸長四面体というのをご紹介していました。

 これは立方体の4つの頂点を切り落としたかたちとして作図しています。ということは、平行四辺形の面を貼り合わせて連結してゆくことができるはずです。

 まず、3次元座標の8象限に並べてみました(図1、図2)。面を若干透過させています。

図 1 図 2

 前回ご紹介したように、このかたちはキラルです(=鏡像対称性がない)。なので、図1や図2のものは右手型と左手型を4つずつ使っています。

 この配置を無限に並べてみたイメージ図を作ってみました(図3)。

図 3

 図1、図2は平行投影法ですが、図3は透視投影法で描画しています。

 M.C. Escher の “Cubic Space Division” (1952) を連想します(たとえばこちらをご覧ください)。エッシャーがいかに時代を先取りした天才だったのかよくわかります。

(つづく)



 図書館で秘密基地の作り方(2012年発行:リンク先はイラスト担当の「のりたけ」氏のサイトです)という本を借りてきました。

 部屋のスキマ(室内)から始まって、建物のスキマ(1階のバルコニーの下とか)、都市のスキマ(橋の下とか)、自然のスキマにどうやって場所を見つけるか、どうやって「秘密基地」を作るか、そこで何をするのかといった話が豊富なイラストと共に語られています。また、著者の尾方孝弘氏は建築家で、秘密基地の設計図面が掲載されていたり、本の後半の「応用編:大人の作る秘密基地」に寄稿されている文章と写真は見応えがあります。

 私もご多分に漏れず子供のころは秘密基地を作って遊びました。そのおかげか今でも狭いところが好きです。この本に載っていたいろいろな「秘密基地」の例のうち、心当たりがあるものがたくさんありました。大切なのは想像力だよなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 日曜日の朝刊に載っている歌壇を楽しみにしています。最近は挽歌(人の死を悼む歌)や介護をうたった歌に心を打たれることが多いです。もちろん明るい歌も好きですが。






2月17日(月) 伸長八面体を無限に並べる

 昨日は1月20日のひとことでご紹介した伸長四面体というかたちを無限に並べたCGをご紹介しましたが、今日は同じパターンで伸長八面体バージョンをご紹介します。下の図は伸長八面体と名付けたかたちです。

 台形の面を連結してみます。このかたちは鏡像対称形なので、同じかたちのものを並べてゆくことができます。

 3次元座標の8象限に並べてみました(図1、図2)。

図 1 図 2

 さらに、この配置を無限に並べてみたイメージ図です(図3)。

図 3

 この図を作るために、いろいろな視点や視線、視野角を試しています。楽しいです。



 昨日「秘密基地」の本をご紹介して、「狭いところが好き」という話を書きました。子供たちが巣立って妻と二人暮らしなのですが、昨年、昔息子が使っていて地下室にしまってあったロフトベッドを組み立てたのです。(帰省していた息子に手伝ってもらいました。)

図 4

 ロフトベッドで寝ようと思ったわけではなくて、収納を増やしたかったからなのです。上は図4の写真のようにCD置き場にしました。下は、紙模型の収納とプリンタ置き場にしています(図5)。

図 5

 ベッドの補強用の金属パイプにクリップライトを付けています。普段は図5の写真の左側の机のほうにライトを向けているのですが、机の裏側の収納エリアで作業するときにはクリップライトを移動しています。

 ロフトベッドの上も下も、立ち上がることはできない高さです。狭い部屋をさらに狭くしてどうするんだという感じですが、このレイアウト、気に入っています。紙模型を設計して印刷するたびにロフトの下にもぐりこんでいます。頭をぶつけないようにいつも注意しています。ほこりが溜まりやすいのが欠点です。

<おまけのひとこと>
 このところ、仕事が休みの日は家にこもって紙模型を設計したり制作したりしています。まだご紹介していないモデルがけっこう溜まりました。平和な時間の使い方です。






2月18日(火) 板5枚によるレシプロカル構造(デザイン構想)

 2月14日のひとことで、四角柱7本で組んだレシプロカル構造の模型をご紹介しました。その後、5回回転対称のものを作ってみようと思ってデザインを検討してみましたので、今日はそのご紹介です。

 パーツどうしの噛み合わせを大きくしたいなと思って、パーツの寸法は1×2×6としました。これを図のように用います。図1が全体像で、図2は注目しているパーツ以外は半透明にしてみました。

図 1 図 2

 今回変更してみるパラメータは、パーツの中心からの距離(L:Length)と、法線(図2の赤い軸)回りの回転角(R:rotation)です。これをいろいろと変えてみました。

 図3、図4は L=1.0、R=12°です。

図 3 図 4

 図5、図6は L=0.8、R=24°です。

図 5 図 6

 図7、図8は L=0.6、R=36°です。

図 7 図 8

 図9、図10は L=0.4、R=48°です。

図 9 図 10

 とりあえずこの中から、図7、図8のものの模型を作ってみることにしました。

(つづく)



 週末に久々にピアノを弾いたのですが、バッハの平均律第2巻の17番の変イ長調のフーガがとても面白かったのです。フーガの冒頭、テーマはこんな感じです(譜例1)。どんな和声がはまるメロディーなのか、ちょっとぼんやりした感じです。

図 11:譜例1

 途中、和声が長調、短調がめまぐるしく変わる不思議な曲の進行になります。漫然と聴いているとピンとこない曲だったのですが、弾いてみるととても面白いのです。圧巻は最後に盛り上がる、44小節あたりからのカデンツァのような部分です(譜例2)。

図 12:譜例2

 もともとがフラット4つの調なので、転調して全部の音にフラットが付いて、さらにダブルフラットまで出てきて、「初見派」の(=練習しない、覚えない、いつでも楽譜を見て初見と同じ条件で弾く)私としてはかなり厳しいのですが、この曲がこんなに楽しいのだということに気が付くことができて嬉しいです。

<おまけのひとこと>
 昨日は通勤の車の中で2巻17番のアンジェラ・ヒューイット版とリヒテル版の演奏を聴き比べてみました。つくづく、改めてリヒテルの平均律はいいなあと思いました。平均律全曲はグールドとヒューイットとリヒテルのCDを持っていますが、この3セット12枚をこの1年くらいひたすら繰り返し聴いています。






2月19日(水) 板5枚によるレシプロカル構造(模型の制作)

 昨日、CGで検討したいくつかのモデルのうち、これの模型を作ることにしました。

 1枚の板パーツに注目して、それ以外のパーツを「引き算」したCGを作ります。その輪郭をなぞった図を作ります(図1)。

図 1

 そのデータに基づいてパーツを設計します(図2)。必要なパーツの数は5枚ですが、用紙には6枚分レイアウトして切り抜きました(図3)。

図 2 図 3

 図2の青い太線の部分はスリットですので切り抜きます。私はデザインカッターで太線の両側を切って切り抜いていますが、ひょっとしたら太線の中央を1回だけ切って爪楊枝のようなものでスリットを広げるほうが外れにくくなるかもしれません。パーツの上下の直角台形の部分を軽く接着して板パーツを5つ作って組み立てました。完成です(図4)。

図 4

 対称性が高い方向から見てみることにしました。図5は5回回転対称軸方向から見たものです。板パーツ1枚の木口(こぐち)の部分で立たせるような姿勢です。パーツの長さの関係で、木口は完全には床に接しません。

 図6は、全体の輪郭(シルエット)が左右対称に見える視点からの写真です。この視点から見た画像から、なんとなくですが「本」という漢字を連想しました。「本」の漢字の第一画がかなり右上がりになっていますが。

図 5 図 6

 やっぱり実物の模型はいいなあと思います。ほかのデザインのものも作ってみることにしました。

(つづく)



 本業のほうで約1年間、某企業さんと共同開発をしてきたのですが、昨日がその最終報告会でした。自分の子供たちと近い世代の若い優秀な開発者の方たちと仕事ができて楽しかったのですが、振り返って考えると目標設定がやや楽観的過ぎて、かなりご苦労をかけてしまいました。 驚いたことに、先方のチームのとりまとめを担当して下さっていた方(この方は私よりはだいぶお若いと思いますが、もう少し上の世代の方です)が、今月で先方の会社を退職されるということでした。スタートアップ企業さんなので、そういったこともあるのだろうと思うのですが、技術開発チームと経営側との橋渡し役を担当して下さっていた方なので、さぞかしご苦労が多かったのだろうなと思いました。次のお仕事がうまくいきますように、と祈っています。

<おまけのひとこと>
 今日は3か月に一度の定期通院の日です。いつもならば有給休暇を取得することにしているのですが、今日は朝9時からの会議がどうしても欠席できないため、いったん出社して1時間だけ会議に出てから自宅に戻って病院に行く計画です。






2月20日(木) 正三角形の板の6か所に穴を開けるパターン(その1)

 今日は昨日の続きで、紙の筒のレシプロカル構造の次の試作をご紹介しようと思っていたのですが、別の面白い話題に出会ったのでそちらのご紹介をしたいと思います。



 正三角形の板を考えて、その3つの頂点と3つの辺の中点に穴を開けることを考えます(図1)。

図 1

 全部で6か所の穴があります。穴の個数をゼロから6まで増やしていくときに、異なるパターンは全部でいくつできるでしょうか? 例を挙げます(図2)。

図 2

 正三角形なので、回転させて同じパターンになるものは同じだとみなすことにします。裏返し(鏡像反転)しても良いかどうか(=キラルのものを1つと数えるか2つと数えるか)は後で考えることにします。ちなみに図2の6つの例の中には鏡像対称軸を持たない(キラルな)ものが4つあります。わかりますか?

 まず、穴の数がゼロのものは1種類だけで、穴の数が6個のものも1種類だけです(図3の上の段)。

図 3

 穴の数が1つのものは、穴が辺にあるものと頂点にあるものの2種類だけです。穴の有り無しを反転させると、穴が5個のパターンになります。なので穴が1個のものおよび穴が5個のものはそれぞれ2種類ずつあることになります。ここまではキラルなもの(鏡像対称性がないもの)は登場しません。

 同様に穴が2つのものと4つのものは同じ数だけあるはずです。穴が3つのものは、穴の有り無しを反転させるとやっぱり穴は3つになります。図2の中には穴の有り無しを反転させたペアが2組入っています。(回転しなくてもわかるようにしてあるので、見つけるのは簡単だと思います。)

 というわけで、全部で何通りあるでしょうか? また、このパターンは何かパズルに使えないでしょうか?

(つづく)



 ゾムツールという、玉と棒をつないでゆくブロックがあります。これをパソコンの中で組み立てられるvZome(バーチャルゾムツール、ということだと思います)というソフトウェアがあることを知りました。

図 4

 正百二十胞体のモデルをダウンロードして視点を変えたりして見てみました(図5)。

図 5

 自分でモデルを組み立てるのはまだなかなかうまくできませんが、スクリプトで記述することもできるようです。これは楽しそうです。勉強してみようかなと思いました。

<おまけのひとこと>
 昨日は仕事で自分が主催した会議がうまくいかなくて、ちょっと落ち込んでいます。






2月21日(金) 正三角形の板の6か所に穴を開けるパターン(その2)

 昨日の続きです。正三角形の板の3つの頂点と3つの辺の真ん中の合計6か所に穴を開けたり開けなかったりするときにできるパターンを列挙してみました。6か所の「有り無し」なので、パターンは2の6乗で64通りありますが、そのうち回転して同じになるものは同じだと考えると、パターンは全部で24通りになりました(図1)。

図 1

 ここでは、裏返せば同じになるけれども回転させても同じにならないペアは別なパターンとして両方載せています。そういう互いに鏡像になっているペアを青い両側矢印で示しています。そういうペアが4組あります。

 また、図1では穴の数が同じピースを緑の枠で囲っています。1段目と2段目は、穴の有り無しが逆になっている相補的な関係になるように並べています。3段目は穴の数が3のピースのグループですが、左から2つずつのペアになっていて、左側の2つのペアは相補的、右側の2つのペアは鏡像対称になっています。

 実はこのピースについて知ったのは、娯楽数学(recreational mathematics)では有名なサイトであるMathPuzzle.com/の図を見たのがきっかけです。2020年1月26日に追加されたトピックの中に6-punch Trianglesという項目があって、こんな感じの図が載っていました。(この図は自分で作り直しています。)

図 2

 24枚全部を1つずつ使って、向かい合う辺の穴の有無のパターンを一致させて(マッチングして)並べるというルールで、図2のような美しい正六角形のタイリングパターンが作れるのだそうです。本当に間違いなくこの24枚を1つずつ使っているのか、図1の自作のパーツを使って確認してみたのが図2です。実は1か所だけ、オリジナルの図と意図的にパーツを入れ替えているところがあります。

 さらに、一部のパーツを入れ替えたこんな解も見つかりました。

図 3

 この手の平面のマッチングパズルは最外周の辺はマッチさせる必要がないので制約にならないため、手作業で解を探しているときには逆に解を見つけるのが大変だったりします。箱詰めパズルで、隙間が残るタイプのほうがむしろ難しいというのに似た感覚です。



 さて、MathPuzzle.comにも書かれていますが、裏返しを許すことにして図1の鏡像対称の4組のパーツは同じだとみなすと、ユニークなピースの数は20種類ということになります。正三角形20枚といえば、もちろん正二十面体を連想します。

正二十面体

 ユニークな20種類で、向かい合う辺のパターンを合わせて正二十面体の面を埋めつくすことはできるでしょうか? ちょっと考えてみました。

 まずは感じをつかむために、適当にパーツを入れていってみるということをやってみることにしました。正二十面体の展開図を用意して、穴がゼロのピースと穴が6個のピースは一番離れた面に置くことにして、そこから始めてみます(図4)。

図 4/td>

 しばらくやってみて、この20枚のセットでは無理だということがわかりました。(理由は明日説明します。) 条件を緩めて、裏返すと別なかたちになるものは別だということにして、24枚のうちの任意の20枚で正二十面体を作れるか、という問題に変更して考えることにしてみました。でも、適当にやるのだとなかなかうまくいきません(図5)。

図 5

 感じがわかってきたので、ちゃんと考えることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 娘が親知らずを抜いたら腫れて発熱して大変なようです。心配です。






2月22日(土) 穴開き三角形のマッチングパズル:正二十面体編(その1)

 正三角形の板の3つの頂点と3つの辺の真ん中の合計6か所に穴を開けたり開けなかったりするときにできるパターンによるマッチングパズルについて考えています。昨日、回転及び裏返しを許した時の20種類では正二十面体のマッチングができないということを書きました。その理由を簡単に説明します。

 図1は20種類のタイルを並べてみたところです。この中で、穴が3つ並んでいる辺に注目してみます。マッチングパズルなので、辺を共有するタイルの両側は同じパターンになっていなければなりません。赤い線でマークした穴3つの辺の数を数えてみると、

図 1

 9か所あります。奇数個です。ということはどうがんばってもマッチングはできないということになります。ちょっと試してこれに気が付いたので、早々に諦めました。



 次に、裏返しを許さない24種類のタイルのうち異なる20種類を使って正二十面体のマッチング配置ができないか考えてみました。

 正二十面体には頂点が12あります。1つの頂点には正三角形が5つ集まっています(頂点の次数が5である、と言います)。辺の両側の穴の有無のパターンが同じなので、それぞれの頂点に集まる5つの面の角には、5つとも穴があるか5つとも穴がないかのどちらかになります。タイルの構成から考えて、「穴あり」と「穴なし」の頂点は6つずつと考えるのが妥当です。正二十面体の平面グラフを考えて(図2)、例えば「穴の集まる頂点」の位置を図3のように仮に決めてみることにしました。

図 2 図 3

 このとき、各タイルの3つの頂点に穴がいくつ有ればよいのか、色分けしてみました。これを正二十面体の展開図のかたちに描き直してみました(図4)。頂点穴数がゼロの黄色いタイルが4枚、穴数1の緑のタイルが6枚、穴数2のピンクのタイルが6枚、穴数3の水色のタイルが4枚必要です。

図 4

 昨日は24種類のタイルを穴の数で分類してみましたが、今日は「頂点の穴の数」で分類し直してみました(図5)。

図 5

 ご覧のように頂点穴数が0のタイルが4種類、1のタイルが8種類、2のタイルが8種類、3のタイルが4種類あります。仮に解があるとすれば、穴数0と3の4枚ずつは全て使うことになります。また穴数1と2の8種類ずつのタイルのうち、2つずつ余ります。

 これでだいぶ条件が絞られました。手作業で解を探してみました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この6つ穴三角タイルのマッチングパズルにはまっています。いろいろ試して楽しんでいます。






2月23日(日) テンセグリティの不思議なおもちゃ/器で愉しむ日本酒 諏訪で一献展

 先日、レシプロカル構造について紙模型を作っているという話を書きましたが、そのつながりでテンセグリティ構造についても少し調べています。(昨年12月10日にもちょっとご紹介していました。)調べていたら、こんな面白い動画がありました。

 こちらのTension suspension / tensegrity trick by @physicsfunという動画です。静止画を1枚だけ載せておきます。

図 1

 最初に動画を見たとき、糸で引っ張っているだけなのになんで上のパーツは浮かんでいるんだろう? とびっくりしたのです。面白いなと思いました。自分でも作ってみたくなって、材料になりそうなものを家の中で探してみました。手持ちのブロック玩具の中で何か素材になりそうなものは…と思って、ゾムツールを使うことにしました。こんなものができました。

図 2 図 3

 動きがないと面白さがわからないと思ったので、動画を撮ってYouTubeにあげてみました。Tensegrity Trick using Zome Toolです。1分程度の無駄に長い動画です。

 これが作れて楽しかったです。



 デザイナーの内堀法孝さんから、「器で愉しむ日本酒 諏訪で一献展」という地元の工芸の展覧会の案内をいただきました。酒器の展覧会で、実際にその器でお酒を味わってみる体験もできるようです。詳細はこちら(facebookの諏訪で一献展)です。

【日時】
 新型コロナウイルスの影響で延期になりました
 2月28日(金)13時から19時 特別講演会 15時から会議室3にて
 2月29日(土)10時から17時
 3月 1日(日)10時から16時
【会場】
 上諏訪駅前市民交流テラスすわっチャオ4.5会議室

図 4 図 5

 28日(金)は仕事なので無理ですが、土日のどこかで行ってみようと思いました。

 (2020.02.26 追記:「今週末開催で進めておりましたが、長野県内での新型コロナウィルス 発症が確認されたことから本展の開催を延期することといたします。改めて日程についてはご案内いたしますのでよろしくおねがいいたします。」というご案内をいただきました。)

<おまけのひとこと>
 お休みなので生活のサイクルが乱れています。夕方からお酒を呑んで、日が暮れるころに寝てしまって、日付が変わるころに起きていろいろやっています。超朝型がさらに進んで、これはもはや何型なのかわからなくなってきました。






2月24日(月) 穴開き三角形のマッチングパズル:正二十面体編(その2)

 昨日は一日だけ別な話題をはさみましたが、穴開き三角形のマッチングパズルの話に戻ります。一昨日に検討をしたタイルの分類を活用して、24種類のうち20種類を使った正二十面体を見つけたのでご紹介します(図1)。

図 1

 使わなかったのは以下の4種類です。実は今回、三次元のCGでタイルを描画できるようにしたので、ちょっとだけ重ねてみたりしてみました。図2が真上から見下ろしたところ(平行投影法)で、図3は斜めから見下ろしたところ(透視投影法)です。

図 2 図 3



 せっかくCGで24種類のタイルを作ったので、先日の24枚の六角形のタイリングもCGにしてみました(図4)。

図 4

 図が正確だときれいでいいです。



 正二十面体の解を見つけたので、実物を作ってみたくなりました。丸い穴を正確に開けるのは難しいので、切り抜きやすい正三角形の穴にすることにして、型紙を作りました(図5)。

図 5

 これに「のりしろ」を追加して、切り抜いて組み立ててみました。

(つづく)



 住んでいる地域にお客様としてよそからいらした方の記事を読むのは楽しいです。最近読んだものでは、デイリーポータルZの長野のローカルチェーン「テンホウ」で思った5つのこと(江ノ島茂道さん)とか、まとめサイトに載っていた諏訪に行くよという記事とか、地元民としては面白かったです。ほかの地域の方にも面白いかというと、それはどうかなと思いますが。

<おまけのひとこと>
 今日は振替休日ですが、会社は出勤日の指定になっています。でもそのことに気が付いていなくて予定を入れてしまっていたのでお休みを取りました。私の勤務先では有給休暇は毎年20日ずつ付与されます。数年前に勤続年数25年になったので、累積で500日以上あったはずなのですが、おそらくトータルで200日も取得できていないのではないかと思います。使いきれない分は医療休暇としてストックできるのですが、それも入社後数年で上限に到達してしまいました。考えてみるともったいない話です。 社内ではまだ少数派ですが、徐々に有給休暇を使い切る人も増えてきました。社会全体としてそういう文化になってゆくことは好ましいと思っています。






2月25日(火) 穴開き三角形のマッチングパズル:正二十面体の模型を作る

 昨日の展開図を印刷して切り出して組み立ててみました。まずは一般的な視点から見てみました(図1)。

図 1

 頂点の方向(5回回転対称軸方向)から見たところと(図2)、面の方向(3回回転対称軸方向)から見たところです(図3)。

図 2 図 3

 丸い穴もいいですけれども、三角の穴もいいなあと思いました。



 合同な正三角形だけから成る凸多面体はデルタ多面体といって、全部で8種類あります。四面体、六面体、八面体、十面体、十二面体、十四面体、十六面体、二十面体です。デルタ十八面体は存在しません。(凸多面体でなくても良ければ正三角形18枚で多面体を作ることはできます。デルタ十六面体に正四面体を1つ貼り付ければ、16+4-2=18で、面の数は18になります。)

 今回の6つ穴の三角形24種類全部を使った、対称性の高い多面体のマッチングができないだろうか? と考え始めました。明日からは別な話題をはさみますが、そのあとで続きを書きたいと思います。

(つづく)



 以前、ポップコーンを作るのに新聞紙を針無しホチキスで留めた袋を使っているという話を書きました。最近、ガーリックマーガリンとかを入れてポップコーンを作ったりするのですが、そうすると油が新聞紙に染みてしまってあまりよろしくありません。クッキングシートで袋を作ったらどうだろう? と思ってやってみました。

図 4

 なんだかいい感じでした。ただ、こんなにクッキングシートを使うとけっこうコストがかかってしまいます(1回分で30円くらい)。その点はいまひとつです。

<おまけのひとこと>
 来月で大学を卒業する息子が昨日帰省してきました。といっても泊まるのは昨夜一晩だけで、今日から週末まで友達と旅行に行くのだそうです。レンタカーを借りて関西のほうに行くそうです。本当は海外を検討していたのだそうですが、昨今の新型ウイルスを考慮して国内にしたそうです。気を付けて行ってきてほしいです。






2月26日(水) 「テンセグリティの不思議なおもちゃ」をアルミワイヤーで作る

 先日ご紹介した「テンセグリティの不思議なおもちゃ」は、ゾムツールというブロックを使って試作しましたが、しばらく置いておいたらパーツが反ってきたのです。これは良くないなと思って、別な素材で作り直すことにしました。こんな感じのものができました(図1)。台座にしている黒い板はスマートフォンではなくてタブレットです。

図 1

 太さ3mmのアルミワイヤーを買ってきて、それをニッパーで30cmの長さに切ったものを使いました。(3mmのアルミワイヤーは100円ショップで長さが2.1mのものが買えました。)ワイヤーが通る太さの穴のあいたビーズを8個用意して、普通の縫い糸で長さをそろえて張力材を作ります。簡単な設計図を作ってみました(図2)。

図 2

 最初にアルミワイヤーで2つかたちを作って、それを完成形の位置(空中)に配置してみて、糸の長さを見積もりました。アルミワイヤーの曲げ方は図3のような感じです。空中に浮いているパーツに対して、長いほうの糸3本が下向きの張力、中央の短い糸が上向きの張力を発生させています(図4)。

図 3 図 4

 完成したものの写真を撮ってみました。

図 5 図 6

 図6のように、背景が黒いところで斜め下から見上げてみると、本当に浮かんでいるように見えて楽しいです。

 ちなみに、ビーズの穴が大きすぎて位置が簡単にずれてしまって不安定になってしまったので、テグス糸を短く切ってビーズの穴に差し込んで摩擦を大きくしています。また、長さをそろえて糸を結ぶというのが意外と大変でした。糸の結び目が緩んでこないように接着剤をしみこませています。最後の微調整は糸の長さではなくアルミワイヤーのほうを変形して調整しました。

 このように、材料費は安いのですが作るのは意外と苦労しました。でも、出来上がりのものはとても面白いので作ってみることをお勧めします。



 先日、「器で愉しむ日本酒 諏訪で一献展」という展覧会のご案内をいただいてご紹介しましたが、長野県内での新型コロナウイルス発症が確認されたことにより、延期しますというご連絡をいただきました。(上記の案内にもその旨加筆しました。)いろいろなイベントが影響を受けて大変です。

<おまけのひとこと>
 以前から何度かコメントや情報をいただいているMさんから、誤字のご指摘と、穴開き三角形のパズルの別のアイディアをメールでいただきました。ありがとうございます。大変嬉しく思います。






2月27日(木) 板5枚によるレシプロカル構造の別バージョン(デザイン構想)

 先週、「板5枚によるレシプロカル構造」というのをCGで検討して模型を作った話をご紹介しましたが、同じく板5枚で、もっと平たいかたちを組んでみたいなと思ってデザインを検討してみました。パーツの寸法や位置や傾きを調整して、こんなかたちを作ることに決めました(図1)。パーツの板の寸法は2×5×18です。それぞれの板は、直角の12分の1だけ(=7.5°)回転させています。

図 1

 パーツを設計するため、注目する1枚(白いパーツ)の位置を座標軸に合わせるように平行移動と回転をして、それ以外の4つのパーツの色を変えます(図2)。そして、注目するパーツからそれ以外のパーツを「引き算」すると、パーツのかたちがわかるようになります(図3)。

図 2 図 3

 これは赤い座標軸回りに180°の回転対称性を持っています。なので図3のパーツを回転対称軸方向から見てみるとこんなかたちになっています(図4、図5)。

図 4
図 5

 図4のほうが5つを組んだ外側から見たもの、図5が内側から見たものになります。

 図3のかたちをそのまま作ってしまうと、パーツの共有部分が存在しなくなってしまいます。なので、2つの「切り欠き」のうち、どちらかを凸タイプにして、もうひとつを凹タイプにします。パーツをデザインして、実物を作ってみました。

(つづく)



 偶然、こんな画像を見かけてびっくりしました(図6)。ASOPPA!(子どものあそびがパッとみつかる!)というサイトの、このかたちが つくれるかな?-タングラム(19) というページに出題されていたものです。リボンが付いたプレゼントの箱のデザインのシルエットパズルです。すてきなデザインだと思いました。

図 6

 上のリボンの部分の2つの三角形は、タングラムの一番小さな直角二等辺三角形でしょう。とすると、残りの5パーツで正方形を作らなければなりません。タングラム全体は、一番小さな直角二等辺三角形(これを単位三角形と呼ぶことにします)16枚分の面積があります。ということは、5パーツで作る大きな正方形は、単位三角形14枚分ということになります。単位三角形14枚で正方形が作れるか、というとこれは無理です。

 ということは上のリボンの部分は、単位三角形2個分か? と思いました。でも、仮にそうだとしても残った4パーツで正方形を作るのはやっぱり無理です。とすると下の大きな「箱」の部分は正方形ではないのかな? いやいや、仮に長方形だとしても単位三角形が使えないのにこんなシルエットがどうやってできるんだろう?

 と、ここまで考えて、上のページの「ヒント」を見てみました。 なるほど、やられました(笑)。 楽しかったです。

<おまけのひとこと>
 昨日から花粉症とおぼしき症状が出てしまっています。くしゃみをしたり鼻をかんだり目がかゆかったりして大変です。職場に新しく異動されてくる方の歓迎会が明日の金曜日に計画されていて、出席の予定だったのですが、この状態で出席したら周囲の方に不安や不快なおもいをさせてしまいそうだと思って欠席をさせていただくことにしました。






2月28日(金) 板5枚によるレシプロカル構造の別バージョン(模型)

 昨日、CGでデザインを決めた、板5枚の平たいレシプロカル構造の模型を作ってみました。平べったい感じが出るような視点から写真を撮ってみました(図1)。

図 1

 パーツの型紙は図2のように設計して、これをA4の用紙1ページに6個配置しました。(なので1つ余るのです。)凹凸の凹部は平行四辺形の大きな穴が開きますが、その面を二重にして軽く接着する設計にしました。

図 2 図 3

 ほぼ真上から見下ろしてみました(図4)。

図 4

 無理やり立ててみました。(自立するように、下のカッティングマットを若干傾けています。)

図 5

 作ってみて満足しました。



 昨日の朝の出社時に、少し長い信号待ちで前に止まったトラックのウィンカーの表示パターンをなんとなく見ていたのですが、そのパターンが簡単な周期性のあるものではなかったのです。どういうことかちょっと説明します。

 表示灯は、赤い横長のブレーキランプの内側にウィンカー用の長方形の黄色いランプが3つ並んでいるというデザインでした。この3つの点灯パターンとして、大きく以下の3パターンがあるようでした。以下、右側(右折時)の表示灯の例になります。

 1つ目は、黄色いランプが1つずつ左から右に点灯してゆくパターンです(図6)。点いているのは常に3つのうち1つだけです。

図 6

 2つ目は、左から順に点灯していって、点いている数が1→2→3→2→1と変化するパターンです(図7)。

図 7

 3つ目は、3個の黄色いランプが一斉に点いたり消えたりという点滅をくり返すパターンです(図8)。

図 8

 ウィンカーを出し続けている間は、どうやらこの3つのパターンをランダムに表示しているようなのです。なので、次に何が表示されるのか、パターンを発見できませんでした。

 ちなみにその後、インターチェンジから高速道路に乗るまでずっとそのトラックの後ろでした。車線変更などでウィンカーを出したときは、図6のパターンを2回+図8のパターンを3回という表示になっていました。ウィンカーのスイッチを入れてすぐに戻すと、この定型パターンになるようにプログラムされているようでした。

 私は高速道路では制限速度以下で運転するので、しばらくするとトラックは先に行ってしまったのですが、何度か車線変更して追い越してゆくのを後ろから見ていて、上記の「短時間のウィンカーのパターンは規則的なのだ」ということがわかったのでした。

<おまけのひとこと>
 昨日、お昼を食べながら同僚と雑談をしているときに、「今、日本人の死亡原因で一番高いのは「がん」ですけれども、なんでがんで亡くなる方が増えていると思います?」と尋ねられました。「それ以外の原因で亡くなる人が減っているからでは?」と答えたら、「その通りです。だから医療も進んでいるんですよ。」とコメントされました。彼は数年前に医療関係の会社から転職をしてきた人で、最近よく話をするのですが、今回の新型コロナウイルスの対応に関する雑談の中でそんな話になりました。

 検査というのは残念ながら、常に完璧に正しく検出できる(=感染者は100%「陽性」になって、非感染者は100%「陰性」になる)わけではありません。手間とコストをどれだけかけるかにもよりますが、どうしても「偽陽性」(感染していない人が「感染している」という結果になる)、偽陰性(感染しているのに「ウイルスが検出されない」という結果になる)ということが起こり得ます。

 定期健康診断などで大量の人の検査をする場合、まずコストがかからないことが大切です。(そうでなければ検査が成立しない。)また、「偽陽性」がある程度高くてもいいから(健康な人がひっかかってもいいから)「偽陰性」が低い(病気の人を見逃さない)ことが望まれます。まずは一次スクリーニングをして、もう少し手間とコストと負担が重い、精度の高い検査を受ける人を減らせば良いのです。

 一方、今回の場合はちょっと違う気がします。おそらく偽陰性も偽陽性も困る(=精度は必要)、たくさんの人を検査しなければいけない(=時間もコストもかけられない)、という要求のように見えます。もちろんそれが出来れば一番いいのです。ただ実際にそういう検査を開発し実施するというのは大変だろうなと思います。そういうものが「できて当たり前」とみんな思っているのでしょうか。そういうことができる人や組織、機関を私たちの社会は認めて育ててきているのでしょうか。






2月29日(土) 板5枚によるレシプロカル構造の別バージョン(模型)

 こんな錯視のCGを作ってみたのです。一見、直方体のフレームモデルに見えると思います。が、よく見るとなんだか変です。

図 1 図 2

 図1と図2は同じ構造を別な視点から見たものです。図1は、一番大きな面は正方形っぽく見えると思うのですが、図2は正方形っぽく見える面はないと思います。

 比較のために普通に背の低い正四角柱を描画してみるとこうなります(図3、図4)。

図 3 図 4

 これまでの図は全て平行投影法で描画していますが、図1と図2のものは透視投影のように見えます。また、視点は対象物を回転させたように見えるはずの位置に変えています。小さなアニメーションファイルにしてみました。

図 5 図 6

 図5のほう、なんだか伸び縮みしているように見えませんか。図6のほうは回転しているように見えると思います。でも、交叉している稜のどちらが手前にあるのかを意識して図5を眺めると、ほんとうのかたちが見えてこないでしょうか。



 もう少し極端に透視投影法っぽく見えるように寸法を調整してみました。徐々に視点を変えていっています。右側の列は面を張ってみました。

図 7 図 8
図 9 図 10
図 11 図 12

 実はこんなかたちだったのでした。いかがでしょう、この緑のフレームのCGを見てから改めて図5とかを見直していただくと、伸び縮みではなく回転しているように見えないでしょうか。(そういう風に見えるための意識というか努力が必要かもしれません。)

 ちなみにこのCGは、YouTubeの3D Graffiti という錯視の動画を見て、面白いなと思って作ってみたものです。こんなオブジェクトが壁にくっついていたら、初めて見たらびっくりすると思います。でもすぐに見慣れて気にならなくなるでしょうけれども。

<おまけのひとこと>
 異常に暖かかった2月も終わりです。今日は月末最終日なので、単発の話題にしようと思ってパソコンのファイルを漁ってこのトピックを見つけ出しました。いつもより少し更新の時刻が遅くなってしまいました。

 友達と関西方面に行っていた息子が帰ってきました。お土産に551蓬莱の豚まんと赤福を買ってきてくれました。現地では旅館に宿泊したそうですが、新型コロナウイルスを警戒してお客さんがほとんどいなくてほとんど貸し切り状態だったそうで、「快適だったけれど旅館は本当に大変そうだった」と言っていました。それでも有名なラーメン屋さんとかは夜遅くでも数十人の待ち行列だったそうで(なので諦めた、と言っていました)、それでも混雑するところは混雑しているのだそうです。無事帰ってきてくれてよかったです。






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