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以前の「ひとこと」 : 2020年8月前半



8月1日(土) 幾何図形の作図パズル

 8月になりました。月初めで週末の今日は何を書こうかと思ったのですが、半月ほど前にはまっていたサイトをご紹介することにしました。



 ANCENT GREEK GEOMETRY(古代ギリシャの幾何学) というページがありました。これがとても面白いのです。ユークリッド幾何学において、定規とコンパスによる作図(LinkはWikipediaです)という概念が重要ですが、それをインタラクティブに簡単に操作できるようになっているサイトです。

 問題が40問用意されていて、目標の操作回数が提示されています。解答する問題を選ぶのではなく、操作していって出題されている問題のいずれかの解の状態になると、図のように目標パターンが塗りつぶされます。

 
 

 一度解けてしまうと、2回目以降はこの「塗りつぶし」は発生しません。

 操作は単純です。

  • 1点を選ぶ。(説明の都合上点Aと呼びます)
  • ポインタを動かすと、点Aを中心に、ポインタを通る円と、点Aとポインタを結ぶ半径の直線が描かれる。
  • ポインタ以外の円周がすでに定まっている点を通る位置になると、半径の直線の描画が消える。ここで手を離すと円周が確定する。
  • ポインタがすでに定まっている点の位置になると、円周の描画が消え、直線だけになる。ここで手を離すと直線が確定する。
  •  ユークリッド幾何学の「コンパス」は、(1).任意の2点の距離を「測り取って」、(2).任意の点を中心として、測り取った距離を半径とした円を描くことができますが、このアプリではその操作はできません。また、平面状上とか円周上とか直線上に新たに任意の点を置いたり、任意の半径の円を描くといったこともできません。

     この制限が、このアプリの幾何学作図問題のパズルとしての面白さを向上していると思います。とても楽しいです。ちょっと大きいですが、最初の正三角形の描画の手順をアニメーションにしてみました。(これは種明かししても許される問題だと判断しました。)

     これは何度目かの作図なので、正三角形は塗りつぶして貰えませんでした。

     なお、Let's Play: Ancient Greek Geometryというページには、操作方法の解説と掲示板があります(英語です)。

     たいへん面白いのでぜひ遊んでみてください。私はPCで遊んでいますが、スマートフォンのブラウザでもちゃんと遊べました。



     今朝、妻が「田んぼに白い鳥がたくさんいる!」と教えてくれたので、カメラを持って見に行きました。(画像をクリックすると大きな画像が開きます。)

    Click on the image to open a large picture

     肉眼ではよく見えない、それぞれの鳥の様子がわかって面白いです。これは光学ズーム20倍のカメラで、さらにデジタルズームも使って53倍という倍率で撮影したものを縮小しています(ややこしい)。大きな画像のほうは、カメラが作ってくれた「絵」をタテヨコ2分の1の画素数にしたものです。

     珍しくあんなに集まってどうしたんだろう、何か彼らの生活圏で困ったことがあったりしたのでなければいいけれど、と思いました。

    <おまけのひとこと>
     土曜日で更新が遅くなりました。1つ目の話題についてはblogの記事の平面図形の作図のパズル、2つ目の話題については田んぼにサギがいた にも書きました。(が、書いている内容はこことほとんど同じです。)

     今、朝の9時過ぎです。外でエンジン草刈り機の派手な音が響き始めました。この時間まで待って作業を始めてくれてありがたいです。きっと本当はもっと早朝の涼しい時間に作業をしたいのでしょうけれども。






    8月2日(日) NICO'S LOGIC GRID(その1)

     昨日、ANCENT GREEK GEOMETRY(古代ギリシャの幾何学) というページをご紹介しましたが、このサイトのトップページSCIENCE VS MAGIC(科学対魔法)には他にも面白いwebアプリがいくつも公開されています。この中で今のところ特に気に入ったのがNICO'S LOGIC GRIDです。

     上のリンクを開いていただければわかりますが、このページに入るとまずはこんな画面が表示されます。

     画面下中央にメニューバーがあります。

     まずは左から2番目の[ RANDOM ]というボタンを押してみてください。押すたびにランダムに画面のパターンが変化します。こんな感じです。(画面はかなり縮小しています。)

    Fig.3:#F10594 Fig.4:#F684028 Fig.5:#E1C969

     それぞれの画像から、“LOGIC GRID” のページにリンクしています。それぞれのパターンは16進数6桁の数字でユニークに定まっています。ここでは割と特徴的なパターンを3つ選んでご紹介していますが、もっとつまらないパターンが生成されることのほうがずっと多いです。

     またこのパターンは拡大縮小機能があります。デフォルトで表示される#382C42は作者の一押しのパターンなのだと思いますが、拡大してミクロに左上隅を見てみるとそんなに複雑でもない感じの構造になっていますが、

    Fig.6

     通常のスケールで見ると、言葉で説明し難い複雑なパターンが見られます。上の辺と左の辺は規則的な「縁取り」のようになっていますが、内側には大小さまざまなかたちの池というか湖というかが現れて、規則性が見出せません。

    Fig.7

     ところがさらに広い範囲を眺めてみると、驚くべきことに「複雑な領域」はある角度の内側に限定して存在しているのだ、ということがわかります。

    Fig.8

     これはwebブラウザを画面最大にして、さらにブラウザの表示倍率を下げて広い範囲を計算してもらっています。なのでしばらく応答しませんでした。この解像度でスクロールしようとするとえらいことになります。

     なるほどこれは一押しの面白いパターンだと頷けます。

     私はこのページが面白すぎて、[ RANDOM ] ボタンを押して、面白いパターンに出会ったら画面キャプチャして保存して、という作業をしていたら、気が付いたら3時間が経過していました。(キャプチャ画像のタイムスタンプを確認したら、最初の画像の保存から最後の画像の保存まで2時間50分くらいでした。) 保存した画像は数十枚ですが、表示したのはおそらく数千枚ではないかと思います。

     明日(以降)、この LOGIC GRID の生成原理と、見つかった面白いパターンをいくつかご紹介しようと思います。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     私の小さな家の小さな庭は小さな谷間に面した擁壁の上にあります。擁壁の下は空地になっていて、勝手に生えてきたらしい木や深い雑草の藪になっています。そこからアレチウリなどのツタが上ってきます。妻から生垣に絡まったツタを取り除いてほしいと言われていたのですが、今朝ようやく重い腰を上げて、生垣の剪定をしつつツタの駆除をしました。擁壁の外側に幅10cmくらいのキャットウォークがあって、そこを伝いながらフェンスの外まではみ出している枝の剪定をしました。必ず片手はフェンスを掴み、空いたほうの手で園芸用のノコギリやハサミを使います。(本当は安全帯をすべきです。)

     優先順位は 1.自分が転落しないこと、2.道具などで怪我をしないこと、3.道具(ノコギリやハサミ)を下に落とさないこと、その上で初めて 4.枝を切ってきれいにすること、です。1時間も作業していると、だんだん握力がなくなってくるのがわかります(最初は簡単に切れたはずの太さの枝が切りにくくなる)。そうなると危ないので作業を終わりにしました。

     私はノコギリもハサミも左手でも右手でも同じように使えるので(というか上手な人から見ると多分どっちも不器用で下手)、場所によって身体を支える手と作業をする手を入れ替えながら仕事をしました。終わってからシャワーを浴びて、ようやくこのページの更新作業に取り掛かることができました。






    8月3日(月) NICO'S LOGIC GRID(その2)

     昨日からNICO'S LOGIC GRIDというwebアプリをご紹介しています。これはセル・オートマトンの一種なのですが、今日はまずそれについてご説明して、ここから生成されるパターンのうち、シェルピンスキーの三角形のパターンをいくつかご紹介します。



     セル・オートマトンというのは、格子状のセルがあって、単純な規則によって次の状態が決まるという計算モデルです。コンウェイのライフゲームが有名ですが、これは2次元のセルのパターンが入力で、次の時刻のセルの状態が、隣接する8つのセルの状態によって決まるというものでした。確かマーティン・ガードナーの「数学ゲーム」の連載で紹介されていたので知ったのが最初だと思うのですが、「こんなに面白いものがあるのか!」と思いました。

     また、ウォルフラムが1983年に発表したCellular Automata(Wolfram) では、1次元のセル・オートマトンが研究されています。(私はこの数年後、大学4年のときに配属された研究室で Wolfram の Cellular Automata の分厚い本を見せていただいてとても興奮したのを覚えています。)

     さて、NICO'S LOGIC GRID の入力ダイアログを見ると、このように8つの正方形が並んでいて、何やらタテヨコ斜めに線が描かれています。薄い線と濃い線があります。

     これは、図のように (1).上、(2).左上、(3).左 の3つがセルに対する入力を表しています。

     それらの入力がある(on)場合と無い(off)場合がありますから、全部で入力のパターンは 23 = 8通りあることになります。それを並べてみるとこんな表になります。

     (すみません、順番が本家のサイトとは違ってしまいました。)この8つの正方形には、右、右下、下の3方向に薄い線が描かれています。ここをマウスでクリックすると、線を太くすることができます。そうすると、その方向の出力有りという意味になります。

     たとえばNICO'S LOGIC GRIDのデフォルトの初期値 #382C42 では、出力はこのように定義されていました。

     赤い矢印の意味は、注目しているセルの上・左上・左からの入力(線)のパターンがこの状態だったら次にどんな出力を出すのか、を示している(定義している)のです。この定義に従って描画してゆく様子をアニメーションにしてみました。

     表の中から注目するセルの入力条件になっているものを選んで、それを次々と置いてゆくことでパターンが形成されます。

     表の赤い矢印の有無のパターンは1マスあたり3bit なので、8マスで24bitあることになります。なので、このオートマトンの規則の総数は 224 あるので、約1,6000万通りということになります。(ちなみに24bit なので16進数6桁で表現できます。URLの末尾の6桁が、規則の24bitを表しているのだと思います。)



     Wolframの一次元セル・オートマトンでは、単純な周期的なパターンになる場合、フラクタルになる場合、不規則なパターンになる場合があることが述べられていて、それを自動で分類するための検討が議論されていました。(1600万通りを逐一人間が見て分類するのは馬鹿げていますが、いったいどんな統計量・特徴量を計算すれば、それがどんなパターンなのかを決められるでしょう?)

     今回はその話には立ち入りませんが、見つかるパターンの中で特徴的で美しいのはフラクタル図形が現れる場合だと思います。シェルピンスキーのギャスケットと呼ばれるパターンが何種類も観察できました。

    Fig.5 : #282800

     一番基本的な直角二等辺三角形のパターンです。パターンの成長方向である右斜め下の対角線に対して対称です。

    Fig.6 : #403838

     直角三角形。タテヨコの比が変わりました。また、左下だけのパターンになっています。

    Fig.7 : #684028

     同じシェルピンスキーの三角形でも、こんな向き、比率のものや

    Fig.8 : #765E68

     こんな向き、比率のものも見られました。

    Fig.9 : #871297

     濃い色(線の密度が高い部分)と薄い色(線の密度が低い部分)が逆転しているものもありました。

     明日(以降)、もう少し複雑なパターンもご紹介します。

    (つづく)



     昨日は風が強くて、窓を開けて風を通していると気持ちが良かったです。ただ、軽い紙の模型は風で動いてしまいました。

    arrangement has changed by the wind

     風が作ったこの配置、美しいなあと思いました。(たまたま後ろにスネークキューブの結び目の模型を飾ってあったので、そのおかげで崩れずに支えられています。)

    <おまけのひとこと>
     妻から、「セル・オートマトンの画像、なんだかちょっと怖い、気持ちが悪い」という感想をもらいました。確かにそうかもしれません。今日の画像も気持ちが悪いでしょうか。申し訳ありません。 






    8月4日(火) NICO'S LOGIC GRID(その3)

     NICO'S LOGIC GRIDというwebアプリで生成できる、セル・オートマトンのパターンをご紹介しています。昨日は主にシェルピンスキーの三角形と呼ばれるフラクタル図形のパターンが現れる例をいくつかご紹介しました。今日はもう少し言葉で表現しにくいパターンをいくつかご紹介します。



     一見「シェルピンスキーの三角形」かと思いきや、そうではないもの。相似な三角形がちりばめられていますが、ルールがよくわかりません(Fig.1)。

    Fig.1 : #400858

     これはシェルピンスキーの三角形の一種のように見えますが、ちょっと違うようにも見えます(Fig.2)。

    Fig.2 : #E1C97D

     これもフラクタルっぽく見えますが、シェルピンスキーの三角形とはちょっと違います(Fig.3)。

    Fig.3 : #2D0F8C

     これも、一見「シェルピンスキーの三角形」の一種のように見えますが、よく見ると違います(Fig.4)。

    Fig.4 : #818102

     上記の図のオートマトンの規則を1か所だけ変えると、こんなマクロなV字型のパターンが現れます(Fig.5)。

    Fig.5 : #818103

     こんな風に、「現れたパターンを見て、規則のマスの出力部分のon/off を切り替えてみて、パターンがどのように変わるか、変わらないかを試してみる」のもとても面白いのです。お勧めです。



     セル・オートマトンといえば、コンウェイのライフゲームが有名です。その名の通り、セル・オートマトンで生命現象を模擬できないか、ということを考えたモデルです。

     「セル・オートマトン」は、空間的にも離散(セルは格子状)、各セルが取る値も離散値(一番シンプルなものは0,1の二値)です。これを空間的にも状態値も連続量にしたらどうなるだろう? という研究があるのだそうです。YouTube に Lenia-Mathematical Life Forms (Bert Chan) という3分半くらいの動画がありました。

    Leina - Mathematical Life Forms (Bert Chan)

     まるで顕微鏡で微生物を観察しているような動画が見られます。途中、ちょっと「気持ちが悪い」と感じるような場面もあるかもしれません。動画の後半、2分くらいのところから原理が説明されています。

     なるほど。こんな風に近傍の影響を定義して(Circular Kernel)、それをこんな風に畳み込みで計算して、その結果をこんな風に更新しているのですね。連続量の世界のセル・オートマトンの定義がよくわかります。

     …時間切れで、これ以上解説が書けません。こちら https://arxiv.org/abs/1812.05433に論文も出ています。 いろいろ想像が膨らみます。



     朝4時半、まだ真っ暗なうちから小鳥がこんな歌をさえずっていました。

    Birs's Song

     3連符のあたりを何度も繰り返しています。面白い。

    <おまけのひとこと>
     時間切れです。






    8月5日(水) 100円ショップの玩具「ブロックビルディング」(その1)

     今日は新しい話題です。サーバのファイルサイズを節約するために圧縮率を上げた画像にしているため画像が見ずらいと思うので、blog のほうに大きなサイズの画像を置きました。各画像からリンクしています。(大きいサイズの画像のほうは、背景を敢えてトリミングせずに残しているものもあります。)



     先日来、100円ショップに足しげく通って、スネークキューブ(もどき)を買い集めています。 ダイソーではなく Can☆do に行ったとき、「ブロックビルディング」というバランスゲームがあったので、とりあえず2つ買いました。

    Fig.1 : package of "The Block Building"

     パッケージを見ると、5種類のテトロミノ × 4色(赤・青・黄・緑) の20ピースと、載せてバランスさせる舟のようなかたちの台のセットのようです。単位正方形の一辺の長さは 8mm のようです。けっこう小さくて、バランスゲームとして遊ぶのは大変そうです。

    Fig.2 : size of pieces

     テトロミノについては過去に何度か話題にしていますが、最近ですと6月25日に「非接触パッキング」の話題の時に書いていました。(この話題もとても面白い続きがあるのですがご紹介できていません…)

    Tetromino

     5種類のテトロミノは、1種類を除いて4個で 4 x 4 に組むことができます(Fig.3)。パッケージを開けて、まず最初に並べてみたのがこのパターンでした。

    Fig.3 : 4x4 packing

     テトロミノなので1ピースあたり4単位×5種類×4色で、全部で80単位あります。まずこれを 5 x 4 x 4 の直方体(正四角柱)に組んでみました。それこそ解はいくらでもあるので簡単ですが、「できるだけ同じ色のピースが接しないように」という条件で組んでみました。

    Fig.4 : 5x4x4 packing

     続いて、 2 x 5 x 8 に組んでみました。これもできるだけ同じ色が接しないようにしてみたのですが、2か所失敗しています。(わかりますか?)

    Fig.5 : 2x5x8 packing

     これを斜めから写真を撮ってみたら、カッティングマットの方眼が二点透視図法のお手本のように見えて面白かったのです。

    Fig.6 : 2x5x8 packing

     Netで検索してみると、動画などでこの「ブロックビルディング」を紹介されている方が何人かいらっしゃいました。「一人遊びモード」で全部のピースを載せてバランスさせた画像もありました(すごい!)。私はバランスゲームには目もくれずにテトロミノのピースとして遊んでいます。でも、バランスゲームも嫌いではないのでそのうちチャレンジしてみるかもしれません。

    (つづく)



     Netを見ていたら、Build Math Patterns with LEGO Bricks(レゴブロックで数学のパターンを作る)というページがありました。このサイトには、他にもMake a LEGO Mechanical Puzzle(レゴでメカニカルパズルを作る) とか、LEGO Building Challenge for Kids: Brain Puzzles(LEGOこどもチャレンジ:頭脳パズル)とか、Do a LEGO Bridge Building Challenge!(LEGOで橋を作ってみよう!)とか、子供向けのトピックがいろいろ紹介されています。



     LEGOといえば、Lego Penrose triangle(レゴでペンローズの三角形=不可能物体をつくる) というページがありました。ジョークのページですね。それらしい実物の写真を撮るのではなく、あくまでもレゴの作り方のイラストを用いた表現で感心しました。

    <おまけのひとこと>
     朝4時ごろ、まだ真っ暗な窓の外で盛んに鈴の音がしていました。猫が通って行ったようです。
     「気が付いたらもう8月なんだねー」と妻と話しました。多分今が一番暑い時期です。昨日、地元のトウモロコシを妻が2本買ってきてくれました。朝採れたものをすぐにふかして食べるととても美味しいです。






    8月6日(木) 100円ショップの玩具「ブロックビルディング」(その2)

     今日は時間がなくて簡単な更新です。昨日の続きです。今日はサイズの大きな画像はありません。



     「ブロックビルディング」のテトロミノのピースで遊んでいます。平面上に長方形になるように並べてみました。同じ色が辺を共有しない、という条件です。まずは 8 x 10 です(Fig.1)。 (追記:実は2か所、同じ色が接していることがわかりました。恥ずかしい…)

    Fig.1 : 8 x 10

     真上から見下ろすと色が若干わかりにくいところもあるので、斜めからも見てみました(Fig.2)。

    Fig.2 : 8 x 10

     4 x 20 です(Fig.3)。同じかたちのピース4つで 4 x 4 ができるものは、極力そのまま崩さずに利用しています。

    Fig.3 : 4 x 20

     ごく簡単なパズルですが、なんとなくやってしまいます。



     先日購入したPC用のビデオケーブルの透明なケースがあったので、入れてみました。昔流行った“テトリス”というゲームをイメージしています。

    Fig.4 : Casing like "TETRIS"

     上の写真はケースの反射で少し白っぽくなってしまいました。斜めから見てみました。

    Fig.5 : Casing like "TETRIS"

     こうやって遊んでいる人をNetで見かけないのはなぜだろう… この値段(100円+税)なので、1セット買って、テトリスのゲームの状況に接着して飾ってもいいような気もします。今もこのケースに入れた状態で飾ってあります。



     先日「おまけのひとこと」に書いた生垣の剪定の話、写真を撮ってblog のほうに書きました。よろしければご覧ください。

    <おまけのひとこと>
     また野菜を頂いてしまいました。






    8月7日(金) Le saturne, 他

     先日、こんな画像を見かけました(fig.1)。

    Fig.1 : Le saturne

     情報源のサイトは明日ご紹介しますが(パーツの構造はおろか、組み立て方の途中図や、組立の動画まで載っているのです)、これを見て自分でも紙模型で作ってみたくなりました。さっそくいつもの紙の筒を組む手法で作ってみました。

     Fig.1 の写真をよく観察すると、これは1 x 3 x 6 の短冊形のパーツが6枚使われていることがわかります。これを座標軸とみなすと、xy平面、yz平面、zx平面に2枚ずつ、1単位分だけずれて配置されています。xyz軸をイメージすると、この6枚組は3次元の8つの象限方向から見ることができます。

     Fig.2 は冒頭の写真と同じく対称性が高い視点から見たところです。8象限のうち、この3回回転対称の視点は2つあって、(+,+,+) と(-,-,-)でちょうど反対側から見ても同じに見えます。

     それ以外の6つの象限方向から見ると、(長、長、短) になっています(fig.3)。

    Fig.2 Fig.3

     1つの筒の中が見える視点から見ると、このように隙間が見えます(Fig.4)。

    Fig.4

     これは剛体のパーツでも組めるので、紙の筒で組むのは簡単でした。パーツについては明日ご紹介しますが、どんなかたちなのか想像できますか? 6つとも合同なパーツなのが美しいと思います。

    (つづく)



     今日の更新はここで終わりにしても良かったのですが、スネークキューブでちょっとだけ似たかたちを組んでみたのを思い出しましたので写真を紹介します。

     スネークキューブ1つを長方形の「枠」のかたちにします。同じものを3つ作って、ボロメオの輪の構造をにしてみました。

    Fig.5 Fig.6

     ボロメオの輪なので、3つのリング(枠)を接着してしまったら、組んだりばらしたりできません。パーツどうしの位置は摩擦だけで支えられているので、きちんと決まりません。ものすごく単純なかたちですが、これはこれで悪くないな、と思っています。(とはいえ、とうの昔に別な形に変えてしまいましたが。これならいつでもすぐに作れるので。)

    <おまけのひとこと>
     昨日は珍しく妻が午後に外出していて、帰宅が一緒の時間でした。帰宅してから家の中の窓を開け放ったのですがなかなか室温が下がらず、いったん就寝したものの、夜中に暑くて目が覚めました。(寝室にはエアコンはありません。) 夜中になると外気温は20度くらいになるので、窓を開けて寝るのはエアコンの設定温度を20度にして寝るようなもので、風邪をひくリスクが高いのです。なので窓は閉めて寝ているのですが(ときどき酔っぱらって窓を開けっぱなしで寝ることがあって、そういう時は妻が閉めてくれることが多いです)、暑くて目が覚めると、1〜2時間くらい窓を開けて室内の温度を下げてからもう一度寝るようにしています。そうすると、もう一度起きる時間がいつもより少し遅くなってしまいます。今朝も少し遅くなってしまいました。






    8月8日(土) Le saturneのページ、ブロックビルディングで遊ぶ

     昨日ご紹介したこのかたちですが、

    Le saturne

    これはLe saturneというページで紹介されているパズルなのです。図面やパーツの写真、組み立て方、さらには動画まで掲載されています。

     これを紙で作るにあたって、こんなパーツを設計しました。折り曲げて四角柱のかたちにします。Fig.1 の左端と右端は重ね合わせて軽く接着します。これを6本作って組み立てると、“Le sature” を作ることができます。

    Fig.1: Paper part of "Le saturne"

     このhttps://puzzles-et-casse-tete.blog4ever.com/というサイトは非常に面白い情報がたくさん載っています。お勧めです。



     一昨日、ブロックビルディングというテトロミノの玩具を使って、同じ色が接しないように8x10に組んでみました、という画像をご紹介しました。

     すみません、同じ色が接しているところが2か所ありました。いつもコメント下さるMさんから、「2か所接していますよ」というご指摘と、全ての色が辺を共有しない例の画像を頂きました。ありがとうございます。

    Fig.2: 8 x 10 solution by Mr.M.

     いただいた解は、4色いずれも辺だけでなく頂点も共有がありません。それぞれの色に注目してみると、その離れ具合が美しいです。



     いただいた解の図を作ってみました(Fig.3)。この図を眺めていたら、8 x 10 の長方形が、いくつかの長方形のエリアに分かれていることに気が付きました(Fig.4)。

    Fig.3 Fig.4

     特に赤い線、もともとの長方形を2つに分断しています。こういう(新聞のレイアウトで言うところの「腹切り線」のような)分断する線がない、また部分的な長方形が無い配置ができないかな、と思ってちょっとやってみました。

    Fig.5

     うーむ、分断線や部分的な長方形は(多分)ないですが、辺が1か所共有されてしまっています。難しい…

    (つづく)



     全然違う遊び方として、7つのパーツで3 x 3 x 3 の立方体にできるだけ近いかたちが作れないだろうか? ということを考えてみました。ピースはテトロミノ(単位立方体が4つ)なので、ピース7個で28単位です。相似比3倍の立方体を作ると1つ余ります。

     余ったキューブの位置は、下のFig.6〜Fig.8 の3パターンが考えられます。立方体の面の中心、立方体の稜、立方体の頂点にはみ出すパターンです。

    Fig.6 : Face Fig.7 : Edge Fig.8 : Vertex

     5種類あるテトロミノのうち、同じかたちのパーツ7個でこれらの形が作れるでしょうか? 少なくとも テトロミノO (2x2の田んぼの田の字のかたち)は不可能なのは明らかです。また、テトロミノI (1x4) もダメなのは明らかです。(そもそもたった1本しか入れられない。)残りの3種類(L,N,T)はどうでしょう?

    tetromino

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     いつも野菜を頂く前の畑の方にお礼を言おうと思って、朝7時半くらいから1時間ほど、玄関の前のインターロッキング舗装の草取りとコケ取りをしていました。作業に夢中になっていて、目的を忘れてしまいました。
     今日は私の誕生日で、ちょうど注文していたテーブルが午前中に届きました。明日、おまけのトピックとしてご紹介しようと思っています。






    8月9日(日) ブロックビルディングで遊ぶ(その2)、三角形のテーブル

     「ブロックビルディング」という、テトロミノ5種類×4色のピースのバランス玩具を買ってきて、いろいろ遊んでみています。昨日、全20ピースを8 x 10に収める、というパッキングパズルの遊び方をして、「同じ色のピースが接しないように」とか「部分的な長方形ができないように」とか条件を付けて遊んでみるという話をご紹介しました。

     そもそも、最初にご紹介した写真では、同じ色が接していたり、しかもそれが複数個所あったり、ひどい間違いを平気で載せてしまって恥ずかしかったです。いつも情報を下さるMさんが、「同じ色が接していますよ」とメールで教えて下さって、あわてて「同じ色が接しているところが1か所ありました」と表記を修正したら、「同じ色が接しているところは2箇所ですよ」と重ねてメールを頂きました。もう大馬鹿です、私。(まあ今初めてそれに気が付いたわけではないですけれども。)

     で、机の上のカッターマットの上に散らばっている「ブロックビルディング」をいじって再度チャレンジしてみました。その結果、今度こそ条件を満たすものが見つかった(と思う)ので写真を載せておきます(Fig.1)。

    Fig.1 : 8 x 10

     テトロミノ5種類×4色の 8 x 10 のレイアウトで、同じ色は頂点も含めて接しておらず、部分的な長方形ができていないパターン(のつもり)です。

     嬉しくて立ててみました(Fig.2)。ピースが小さくて軽いので、きちんと積むのはけっこう大変です。2組あるので、1組を平面上に組んでお手本にしてもう1組を立てました。

    Fig.2 : standing state

     分断する線がないこと、色が固まらずに分散していることが美しいと思うのです。ただ今度は 1x4 の I型ピースが全て外周にあることが気になり始めました。逆に、2x2 の O型ピースは全て内側にあって外周には接していません。同じ条件(同じ色のピースは離れていて、部分的な長方形が存在しない)で、5種類すべてのタイプが内側のものも外側のものもあるようにできるかなあと思いました。気が向いたら探してみようかと思います。



     この「5種類×4色のテトロミノで 8x10 の配置を作るとき、同じ色が接しないという条件の解の数」をプログラムで探索を試みてみました、というメールを京都のUさんからいただきました。1分ほどの計算時間で3万の解が出てきたこと、この段階で探索は全体の1%程度しか終わっていないこと、この段階で出てきた解はO型(2x2の正方形)のピースが上段に並んでいる解だったこと、が述べられていました。

     ありがとうございます。なんとなく「解はとてもたくさんありそうだな」と思っていたのですが、こうして教えていただけるととてもありがたいですし嬉しいです。

     実はUさんからは全く別の数学(算数?)の問題とそれを一般化した考察のレポートもいただいていて、これがまたものすごく面白そうなのです。自分で考えてみてからご紹介したいと思います。重ね重ねありがとうございました。



     さて、昨日書いていたもう1つの話題、3x3x3の立方体から1か所飛び出たかたちを5種類の形状のテトロミノのうち1種類だけを使って構成することができるでしょうか? という問いかけをしていました。結論は以下の表のようになりました。

    Is it possible to make the left solid with 7 single tetrominoes?

     L型テトロミノは面の中心に突起のあるかたちと頂点に突起のあるかたちが作れました。T型テトロミノは辺の中心に突起があるかたちだけが作れました。それ以外は全滅でした。表の中の小さな数字は、プログラム(BurrTools)が見つけてくれた解の数です。

     昨日のこの図が緑色のものと黄色のものがあったのは、BurrToolsで、L型テトロミノを緑、T型テトロミノを黄色でモデリングしたためだったのでした。

     実際に「ブロックビルディング」で作ってみました。

    Fig.4 : seven L-tetrominoes Fig.5 : seven T-tetrominoes

     このくらいでしたら簡単ですし楽しいです。「ブロックビルディング」2セット(220円)で遊べます。お勧めです。



     ちなみに、単一のテトロミノ4つで 4x4x1 に組むことは、N型テトロミノ以外の4種類で可能でした。では、単一のテトロミノ8つで 4x4x2 に組めるでしょうか? もちろん N型以外は同じものを2段重ねにすれば可能ですが、N型テトロミノ8個で 4x4x2 は作れるでしょうか?

     さらに、単一のテトロミノ15個で、3x4x5 に組めるでしょうか? I型ならば可能なのは自明ですが、それ以外の4種類ではどうでしょうか?

    (つづく)



     子供たちが巣立って我が家は妻と二人暮らしなのですが、座卓よりも椅子に座る生活のほうが良いということになって、適切なサイズのテーブルを探していました。2か月ほどかけて県内の家具屋さんを何か所か回っていたのですが、2週間ほど前に「これだ!」というのに出会いました。ルーローの三角形のようなテーブルです。取り寄せに2週間ほどかかるということで、昨日届きました。配送と組立はお願いしました。

     届いたテーブルです。3本の脚はそれぞれ4本ずつのネジ止めです。テーブル板を補強する桟(さん)が三角形のかたちに入っています。

    Fig.6 : back of table board

     こんな感じになりました。(左側にちらっと見えている緑色はCloudsです。当時は濃い色のほうを表にしていましたが、先日裏返しました。)

    Fig.7 : triangle table

     このテーブル、とても気に入りました。二人でルーローの三角形の2つの辺ところに座ると、完全に真正面に向き合うわけでもなく、横向きになるわけでもなく、絶妙な角度です。お料理や飲み物や調味料などを並べても余裕があります。机の回りを歩くのに狭い感じがしません。脚は金属製で強度は十分で、なおかつ細くてすっきりしていて邪魔になりません。もちろん何よりこのかたちが素晴らしいです。

    <おまけのひとこと>
     以前だったら数日にわたって書いていたような内容を一日で書いているので、過去のページが大きくなってしまって今一つだな、と思っています。でも最近は特に、覚えているうちに書かないと詳細を忘れるのです。






    8月10日(月) ブロックビルディングで遊ぶ(その3)、他

     「ブロックビルディング」という、テトロミノ5種類×4色のバランス玩具のピースを使って遊んでいます。昨日、3x3x3+1 の3通りの立体を単一のテトロミノ7個で組めるか調べた結果を載せました。この3つのかたちを、今度は5種類のテトロミノ全てを必ず用いて組む、というのをやってみました。テトロミノがもう2つ必要ですが、それはどれを使ってもよいことにします。ただし追加の2つのピースの種類は変えることにします。

     とりあえず3つの形状に対して、1つずつ解がみつかりました。まず、I型テトロミノ(1x4)があるので、その位置が一意に決まります。あとは様子を見ながら組んでみました(Fig.1)。

    Fig.1 : 3x3x3+1

     作ってみたのは写真左の面モデルがL,Tを追加したもの、中央の稜モデルがL,Nを追加したもの、右の頂点モデルがN,Tを追加したものです。

     プログラムで全部のパターンを調べてみると、下の表のようになりました。

     この表の見方ですが、上の青い5種類のテトロミノ1つずつに、表の上段の緑のテトロミノ2種類を追加したもので指定の形状が作れるか、作れる場合は何通りのパターンがあるかを書いています。

     これは手で実物をいじって遊んでみるには適度な難易度だと思います。



     5種類×4色のテトロミノのピース全部を使って、色に注目してきれいな対称性のあるかたちが作れないだろうか、とちょっと考えてみました。テトロミノ20個なので80単位です。80 = 9x9-1 ですから、9×9の正方形に並べて、ど真ん中のマスだけを抜いた形状を考えます(Fig.3)。

    Fig.3 : 9x9-1=80

     理想的なのはこんなパターンですが(Fig.4)、5種類のテトロミノ1つずつでは4x5の長方形は作れません。

    Fig.4 : ideal division (impossible)

     なので、この長方形を崩して、できるだけ対称性を維持するようなかたちを手で探してみました。最初に作ったのがこんなかたちでした。

    Fig.5

     うーむ、気に入りません。もう少しがんばってみました。

    (つづく)



     昨日の日曜日に図書館に行ったのですが、図書館の2階にある富士見町高原ミュージアムというところで、篠崎均氏の「紙使いの匠 篠崎均の世界」という個展をやっていました。期間は8月9日(日)〜9月6日(日)の4週間ということで、初日でした。web上には情報がほぼ全くありませんでした。入場料は大人300円、小中学生は150円で、この地方の市・郡の小中学生は無料ということでした。

     常設展示がほとんどで、一番奥の一角の中央にダンボール製の恐竜の大きな骨格モデルが飾られており、その周囲のガラスの陳列棚にはたくさんのペーパークラフトが飾られていました。ほとんどが車のモデルでした。受付で検温をして入場しました。20分くらい見学しましたが、その間私と妻以外誰もいませんでした。

     恐竜の骨格モデルだけは撮影OKとのことだったので、写真を撮ってみました。

     富士見町高原ミュージアムは、町にゆかりのある文学者やその作品を紹介するのが常設展示の内容ですが、一番奥だけは科学館のような雰囲気になって素敵でした。

    <おまけのひとこと>
     私は買い物はできるだけ自分の住む地域の実店舗で買うようにしています。多くの場合、ネット通販のほうが安いですし自宅まで届けてもらって楽なのだと思います。買い物というのはその販売サービスに対する応援だと思っていて、地域の実店舗が寂れてしまったら、地域が支えられる人口も減ると思いますし、雰囲気も悪くなると思うのです。私が贔屓にしているこの地域の小さな街の本屋さんがいくつかあるのですが、いずれも品揃えが独特で、がんばっています。本だけでなく家具(昨日ご紹介したテーブルとか)なども、地域のお店の応援のために地元で買いたいと思っています。おそらく無駄な抵抗なのだろうと思いますが。

     今日は祝日ですが、私の勤務先は振替で操業日(営業日)なので今日は仕事です。なのでいつもの平日と同じく早朝(未明)の更新です。






    8月11日(火) ブロックビルディングで遊ぶ(その4)、スネークキューブによるボロメオの輪の変形

     「ブロックビルディング」(テトロミノ5種類×4色のバランス玩具)のピースを使って、中央に1つだけ穴のあいた正方形のかたちで対称性を持つパターンが作りたいと思ってチャレンジしてみました。こんなかたち(Fig.1)か、もしくはこんなかたち(Fig.2)が作れたらいいなあと思ったのですが、これらはいずれも不可能です。

    Fig.1 : 4 rectangle (impossible) Fig.2 : 4 triangle (impossible)

     注) 手元にある2セットを好きなように使ってよければ、Fig.1もFig.2も作ることができます。Fig.1なら例えば各色 I,L,L,O,O の5ピース、Fig.2なら例えばO,I,I,T,T の5ピースで作れます。(他にも解はあります。)

     実際に作れたのはこんなパターンでした(Fig.3-Fig.5)。いずれも2回回転対称です。赤と青、黄色と緑が同じかたちをしていますが、4つすべてが同じパターンは見つけられませんでした。

    Fig.3 Fig.4 Fig.5

     Fig.3は中央の空きマスに接しているのが赤と青だけです。Fig.4は逆に緑と黄色だけが中央に接しています。Fig.5でようやく4つの色が中央に接するパターンになりましたが、隣接する色への突起の位置が最外周かその1つ内側かの違いがあります。

     とりあえず平面上にきれいに並べるのはいったんここまでにして、全く別の遊びに挑戦してみました。もともとの「バランス玩具」としての遊び方に近い遊びです。

    (つづく)



     8月7日にスネークキューブ3つで長方形の枠を作って「ボロメオの輪」にしてみました、というのをご紹介しました。それを少し変形してみました。

    Fig.6 Fig.7 Fig.8

     Fig.6 は長方形の輪を片側にぎりぎりまで寄せたものです。そうすることで一番手前の角を内側に折り返すことができます(Fig.7)。同じものを逆側から見てみたところです(Fig.8)。

     もっと面白い、きれいな「ボロメオの輪」が作れないかなと思って、ユニットになる1つの輪のかたちをいくつか試してみました。

    Fig.9 Fig.10

     Fig.9 も Fig.10 も単独で見るとおもしろいかたちですが、ボロメオの輪にならないか、できてもおもしろいかたちになりません。(「おもしろい」を定義しないといけない気がしますが、「おもしろい」と思ったものに後付けで理由を考えるほうが現実的だと思っています。)

     ようやく「ボロメオの輪」としておもしろい(きれいな)パターンになるものを見つけました。

    Fig.11

     “&” みたいなかたちです。意外なことに対称性が高くありません。これを3つ組むとどんなかたちになるでしょう?

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     もっと「小ネタ」も書こうかと思ったのですが、トピックを2つ書いているので今日はこのくらいにしようと思います。






    8月12日(水) スネークキューブによるボロメオの輪(その3)、猫の本2冊

     昨日ご紹介したスネークキューブによる“&”のようなかたち3つを「ボロメオの輪」のように構成してみました。まずは一般的な視点から見たところです(Fig.1)。

    Fig.1

     表側(“&” の頭が集まっている側)と裏側(その反対側)では印象が異なります。

    Fig.2 Fig.3

     これはかたちは安定しません。「あそび」「ガタ」があるので、持ち上げるとかたちが崩れます。でも、平面の上に置いた姿勢がきれいだと思ってしばらく飾っておきました。今はもう別のかたちに組み替えてしまいました。



     先日「富士見町高原のミュージアム」に行ったとき、その建物の1階にある図書館がそもそもの目的地でした。数学や自然科学の本の棚はもはや自宅のほうが充実しているので(若いころはそんなことはなく、ありがたく何度も借りたものです)、今回は猫の本を2冊ほど借りてみました。

     猫にGPSをつけてみた 夜の森 半径2キロの大冒険(高橋のら 雷鳥社 2018年)。リンク先で、冒頭の「本書に登場する猫の紹介」「もくじ」最初の2ページが読めます。写真が多く、そこに淡々としたテキストで語られる作者夫婦と猫たちの物語が素敵です。周囲にほとんど人家のない、国東半島(九州の大分県)の瀬戸内を臨む、冬はしっかり雪が降るような山の中の生活は、本で読む限りは素晴らしいです。

     小さな二間だけの家に6匹の猫を飼うことになるのですが、猫のエサのあるレンジ台に著者が近づくたびに猫たちが著者のからだに駆け上ってエサをねだるのが大変なので、オルゴール演奏の「犬のおまわりさん」の着メロを携帯に入れて、エサの時だけ聴かせるようにしたら、1週間ほどでしっかり「条件付け」に成功して、それ以降はコーヒーを飲むためにレンジ台に近づいても猫が寄ってこなくなったのだそうです。

     それだけでも面白い話なのに、あるとき著者の奥さんがピアノでモーツァルトのソナタを弾いているときに、ふと「犬のおまわりさん」を弾いてみたら猫たちが「エサだ!」と思って集まってきたのだそうです。音源がオルゴールからピアノに変わっても曲を認識していた、というのはすごいことです。

     でも、著者が歌で「犬のおまわりさん」を歌ってみても反応はなし。さらに、ピアノで「犬のおまわりさん」を弾くとき、条件付けしたオルゴール演奏の曲と同じ調で弾かないと反応なしなのだそうです。この実験結果をみる限りでは、「猫は絶対音感がある!」ことになって、これは非常に興味深い話でした。

     タイトルになっている「GPS」の話もとても面白かったです。街灯もない真っ暗な山の中で、猫は午前2時くらいに家を抜け出して、往復で4キロほどの「夜のお出かけ」をするようなのですが、午前5時の朝ご飯の時間の30分〜15分前にはちゃんと帰ってきているのだそうです。行きと帰りの経路が違うことも多く、夜行性とはいえ暗闇の中で2キロも離れたところから迷わずに自宅に帰れること、時計もないのに正確に朝ご飯の時間に合わせて帰れることがすごいです。

     猫が好きな人ならば読む価値があるのではないかと思いました。



     もう1冊は図書館ねこデューイ──町を幸せにしたトラねこの物語(マイロン・ヴィッキー著 羽田詩津子訳 早川書房 2010年)です。これは有名な本のようです。私もなんとなくタイトルは聞いたことがあるような気がしたのですが、読んだことがなかったので借りてきました。

     大変賢くて素敵な猫の物語としても、繁栄と衰退を繰り返しながら頑張る地方都市の物語としても、若いころから数々の不幸を経験しながらも常に前向きに努力して成功する女性の物語としても、とても面白く読みました。また、図書館が地域に貢献する姿が良かったです。



     昨日、自動車運転免許の更新のため、朝から地元の警察署に行ってきました。交通安全センターに行けば新しい免許証は即日交付になるのですが、今回は警察署に行くことにしました。8:30受付開始なのですが、10分ほど前に行ったらまだ誰もいませんでした。待っている間、いつもなら携帯端末や持参した本などを見るのですが、視力検査に備えて目を休めることにして、窓から遠くの山を眺めたりしていました。

     時間になってロールスクリーンが上げられ、持参したはがきと旧い免許証と写真を出して、最初に視力検査をしました。この日のために2週間前に新調した眼鏡をかけて検査をしました。問題なく合格して(やった!)、「条件の確認のため、裸眼でも視力検査しますので眼鏡をはずして下さい」と言われて検査を始めました。両眼視、右目は問題なく通過し、左目の検査の時、マスクから上に漏れる息のせいで視力検査機の接眼レンズ側が曇ってしまったので「拭いてもいいですか」と確認してハンカチで拭いました。そして改めて左目の視力を確認してもらったところ、「裸眼でも合格なので、眼鏡等の条件を外しますね」と言われました。やった!

     車を運転するようになって35年以上になります。最初は「眼鏡等」の条件が付いていたのですが、30代くらいのころは一時期この条件が外れた時期がありました。裸眼OKは久しぶりです。といっても私はものごころついてから、寝るときと入浴時以外は必ず眼鏡をかけているので、外して運転することはあり得ないのですが、それでもなんとなく嬉しいです。

     しかし、眼鏡を新調したのは一体…とは思いました。

    <おまけのひとこと>
     昨日は暑かったです。






    8月13日(木) Coffinの3ピースブロックパズル(その1)、他

     先日、この組木

     をご紹介したサイトにla pyramide de cubes en 3piecesというページがあって、立方体を連結した3ピースのパズルのパーツ紹介と組み方の動画が載っていました。ん、このパズルは見たことがあるな、誰だっけ、確か Coffin氏の Puzzle World じゃなかったっけ? と思って見てみたら、ありました。こちらの The Three-Piece Block Puzzleです。 冒頭の文章がふるっています。一応、拙訳を載せておきます。

    Challenge: join just 10 cubic blocks together to make three puzzle pieces that interlock to form a puzzle having threefold axial symmetry. Impossible? Of course, if you assume that the blocks are joined face-to-face. But when cubic blocks are joined by their half-faces or quarter-faces, many new possibilities arise, as well as hopeless confusion! (“The Puzzling World of Polyhedral Dissections” Section 4:Interlocking block Puzzles by Stewart T. Coffin)
    (チャレンジ:ちょうど10個の立方体を連結して、3ピースの立体構成パズルを作ります。目的のかたちは3回回転対称です。不可能ですって? もちろん、立方体をつなぐのが「面どうしを完全に貼り合わせる」だけだとしたら、おっしゃる通りです。でも、立方体をつなぐときにちょうど面の半分だけもしくは面の4分の1だけ貼り合わせても良いことにしましょう。そうするとたくさんの新しい可能性と、絶望的な混乱が生まれるのです!)

     hopeless confusion(絶望的な混乱)というのがいいですね。本当にこのかたちを理解するのは大変です。

     そうして提案された「目標のかたち」は、こんな形状でした。(Fig.1とFig.2は画像をクリックすると別画面でアニメーションファイルが開きます。)

    Fig.1 Fig.2
    Click on the image to open an animation-gif.

     どうでしょう、どんなかたちなのかイメージが湧きますか?



     視点を変えてみたCGと、その視点で立方体を半透明にして中心を結んだ骨格画像を重ねたCGを作ってみました。完全に3回回転対称が見える対称軸方向から見たもの(Fig.3, Fig.4)と、

    Fig.3 Fig.4

     もう少し一般的な視点から見たものです。

    Fig.5 Fig.6

     初めてこのパズルを知ったのは、もう10年以上前だと思います。そのころはとにかく紙で幾何学的な美しいかたちを作りたくて、これは正直「なんだかよくわからないかたち」だし、紙で作るのにはあんまり向いていなさそうだなあと思って、よく考えてみるということをしませんでした。

     このかたちの構造について、明日(以降)もう少し説明したいと思います。(一応blogのほうには透明度が変わるアニメーションも置いておきました。)

    (つづく)



     地元の本屋さんに地形図でたどる長野県の100年(長野県地理学会 編 信濃毎日新聞社 2020年)という本があったので買ってきました。(こちらのblogに本を開いたところの写真や、記載されている内容に関して詳細に説明されていました。)

     この本のページをめくっていたら、久しぶりに長野市と松本市を結ぶ国道19号線を車で走ってみたくなって昨日の早朝に出かけてきました。いつも通勤で使っているICから中央道に乗って岡谷JCTで長野道に入り、梓川SAで朝ご飯を食べた後、梓川SAのスマートインターでそのまま高速を降りて国道19号に入りました。途中、生坂村の山清路(さんせいじ)のあたり(という地名は後からわかったのですが)に展望台が見えたので、車を停めて見に行きました。

     持参したデジカメのパノラマ撮影機能を使って展望台から下流側と上流側のパノラマ写真を撮ってみました。(画像をクリックすると別画面で大きな画像が開きます。)

    downstream direction of the Saigawa-river

    upstream direction of the Saigawa-river

     他の写真などはblogのほうに載せました。よろしければご覧ください。

     その後、国道19号の道の駅に寄り道して「にらせんべい」と「ジャンボにんにく」を買ってきました。帰り(といっても午前10時ころですが)は更埴ICから長野道に乗って、妻が行きたいと言っていた塩尻市の家具インテリアのお店に寄って、お昼には帰宅しました。

    <おまけのひとこと>
     カメラの「パノラマ撮影」が気に入って、帰宅した後でいろいろ撮影の実験をしてみました。なかなか上手に撮れませんが楽しいです。






    8月14日(金) Coffinの3ピースブロックパズル(その2)、他

     昨日ご紹介したCoffinのパズルの骨格構造をちゃんと考えてみました。これは、こんな系列の四面体の稜構造を単位立方体を並べて作っているものだということがわかりました。

    Fig.1 : 4 cube (2x2x2) Fig.2 : 10 cube (3x3x3)
    Fig.3 : 16 cube (4x4x4) Fig.4 : 22 cube (5x5x5)
    Fig.5 : 28 cube (6x6x6) Fig.6 : 34 cube (7x7x7)

     Coffinの3ピースのパズルは Fig.2 の形状でした。このかたちは中心に単位立方体の半分(体積比8分の1)の小さな立方体の空間が残っています。今回ご紹介した系列は四面体の稜モデルでしたが、中身が詰まった系列を考えることもできます。



     ところでこの四面体骨格は四面体ではありません。どんな寸法でしょうか?

     単位立方体がつながって伸びてゆく方向を考えると明らかですが、骨格はFig.7のようになっています。四面体の4頂点は、1つが白い立方体の頂点、残りの3つが立方体の稜の中点になっています。白い立方体の1辺が2だとすると、四面体の6つの稜のうち、立方体の頂点から出ている3本が√5、残りの3本が√6の長さになっています。

    Fig.7 Fig.8

     稜の上にある3頂点の位置を動かしたアニメーションを作ってみました(Fig.8)。

     このかたち、面白いです。ブロックで模型を作ってみることにしました。

    (つづく)



     一昨日の半日ドライブで立ち寄った山清路峡が気に入ったので、国土地理院の地図で3Dマップにして眺めてみました。(画像をクリックすると別画面で大きな画像が開きます。)

    3D map of "Sanseiji-Canyon"

     blogのほうにあと何枚か3Dマップを載せて、簡単な解説を書きました。よろしければご覧ください。

    <おまけのひとこと>
     前回いただいた野菜の御礼を言えていないのに、昨日の午前中、気が付いたら家の前にきゅうりと枝豆が置かれていました。採れたての枝豆をすぐに茹でて食べるとものすごくおいしいのです。昨日のお昼と夜にありがたくいただきました。大きな鍋にいっぱいあったので、まだかなり残っています。今朝はこの更新が終わったら家の前の草取りをしながら御礼を言うチャンスを待ちたいと思います。






    8月15日(土) 一種類だけのテトロミノによる4x4x2と3x4x5、他

     先週、一種類だけのテトロミノを用いた直方体について、具体的には 4x4x2 と 3x4x5 の直方体についての問いかけをしていました。その続きを書き洩らしていたので、本日はそれについて書きたいと思います。



     何度かご紹介していますが、5種類のテトロミノのうち I型、L型、O型、T型は4つで 4x4 を作れます。でもN型だけはできません。

    Build 4x4x1 with four Tetrominos of the same species.
    Only N type Tetromino is impossible.

     それでは、厚みを2として4x4x2はどうでしょうか? 4x4x1 が作れる4種類は、単に2枚重ねにすればいいので自明です。ではN型はどうでしょう?

     答えを言うと、N型テトロミノ8つで 4x4x2 を組むことは可能です。N型4つで Fig.1のかたちを作ります。(わかりますか?) これを2つ組み合わせることで 4x4x2 が作れます。

    Fig.1 : half of 4x4x2 by four N-tetrominos



     次に、3x4x5 を単一の種類のテトロミノ15個で組むことを考えます。すぐに思いつくのはI型15本を縦に3x5に並べる方法です。

    Fig.2 : 15 I-tetrominos (3x4x5)

     I型テトロミノ15個で3x4x5を構成する方法は他にもないでしょうか? 全部で何通りあるでしょうか?(これは本日の更新の後半で解説します。)



     I型以外のテトロミノ4種類のうち、単独で3x4x5を構成できるのは実はL型だけでした。計算機で探索してみると、解の数は23,1153となりました。

     これだけ解があると、たぶん適当にやっても簡単にできるはずです。ただ、I型のように「直感的に明らか」という自明な解は無いのではないかと思います。解の一例の途中図を載せておきます。

    Fig.3 : 15 L-tetrominos (3x4x5)



     I型テトロミノ15個で3x4x5を作る別解の解説の前に、別のトピックをはさみます。

     このところ家にいる時間が長くなって、インスタントコーヒーを飲む機会が増えました。いくつかの種類を買って飲んでみたのですが、私の味覚がおおざっぱなせいか、値段差がある製品のものでも明確な味の違いがわかりません。でももしかしたら「これが好き」というのに出会えるかもしれないと思って、都度別の製品を買ってみたりしています。

     先日買ったのがこんな製品でした。

    Instant coffee in a bottle

     飲み終わってしまったので、妻が詰め替え用のパックを探して、こんなパッケージのものを買ってきてくれました。

    coffee package

     空になったびんに、妻が上記のパッケージから中身を移し替えてくれたのですが、その作業の最中に「あれ、これインスタントコーヒーじゃない、コーヒー豆を挽いた粉だった!」と叫びました。ボトルのラベルのデザインとパッケージのデザインが同じなので、よもやインスタントコーヒーではないとは思わなかったそうです。

     ちなみにネットで検索してみると、インスタントコーヒーの詰め替え用パッケージはこんなデザインのようでした。

    instant coffee refill package

     なるほど。これは間違えるのも無理はないと思いました。



     さて、I型テトロミノ15個で3x4x5を構成する解の数についての話に戻ります。この解の数を数え上げるのは、多分小学生でもできるのではないかなあと思います。良い問題になるのではないでしょうか?

     まず、自明な解ではI型の方向は15本すべてが 3x4x5 の4の軸方向でした。これ以外の方向はあり得るかというと、3の軸方向には入りませんから、可能性があるとすれば 5の軸方向ということになります。ということは、4x5 の面内で考えると、パターンは以下の2通りがあるということになります。

    Fig.4 : 2 type of 4x5 by five I-tetromino

     全部そろっているほうをU配置、偏っているほうをB配置と呼ぶことにしましょう。3x4x5 は、4x5の3枚重ねなので、組み合わせは U3, U2B1, U1B2, B3 の4種類考えられます。U3 は自明な解で1通りしかありませんが、U2B1 はBが3枚重ねのサンドイッチの中身なのか、外側なのかの2通りあります。U1B2はUが内側・外側の2通りあり、さらにBの向きが揃っているか逆なのかによってそれぞれ2通りあるので、全部で4通りあります。最後にB3は偏り方が3枚とも揃っている場合、真ん中だけが違う場合、外側の一方だけが違う場合の3通りが考えられます。

     以上より、1+2+4+3=10 で10通りのパターンが存在します。(プログラムも解の種類は10解と出てきたので、多分合っていると思います。)

    Fig.5 : another type of 15 I-tetrominos (3x4x5)

     「数え上げる」というのは一般的に言って簡単ではないことが多いです。今回は比較的簡単に考察できましたが、「これで正しい、見落としはない」と言い切れないところが不安です。

    <おまけのひとこと>
     本日8月15日は、例年ですと諏訪湖花火大会が大々的に開催される日です。この地域に暮らすようになって30年近くなりますが、毎年この地域の人口の倍以上の人が集まるイベントで、下手に出かけると渋滞やら交通規制やらで帰宅できなくなるため、いつも自宅に閉じこもっていることにしています。今年はこの花火大会も中止になってしまったため、例年のようには混雑しないだろうと思います。地域にとっては残念なことだと思います。






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