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以前の「ひとこと」 : 2020年9月前半



9月1日(火) テトロミノの橋の物理シミュレーション(その3)、他

 昨日は雷の影響で、予定していた内容の更新ができませんでした。いつもは月初めは話題を変えることが多いのですが、今日は8/31用に準備していた内容を書くことにします。



 Algodooという物理シミュレーション環境で、テトロミノのピースを積み上げて橋を作るということをやっています。もう少しアーチ構造っぽいかたちができないかなと思って、こんなものを組んでみました(Fig.1)。

Fig.1

 この構造、「ブロックビルディング」のピースで作ったら崩れてしまいそうです。実物ではもう少し外側のピースを増やして作ってみることにしました。また、一番上の真ん中のアーチの「要石」は、上のシミュレーション環境ではI型テトロミノを使いましたが、これもT型テトロミノにすることにしました。



 実際のアーチ構造を作るときと同様に、要石を入れるまでは支柱を立てて崩れないように支えながら作りました(Fig.2)。

Fig.2

 この構造から、内側の支えを慎重に外してゆきます。まず右側の支えを外しました(Fig.3)。

Fig.3

 次に、左側の支えを外します(Fig.4)。

Fig.4

 思ったよりしっかり立っています。ずれてしまっているピースの相対位置関係を直したいのですが、下手に触ると崩れてしまうので、難しいです。

 真上から見てみても、ずれて波打ってしまっているのがわかります(Fig.5)。

Fig.5

 これを組んだ後に用事があって2時間ほど外出したのですが、帰ってきてもまだちゃんと立っていました。さすがアーチ構造、堅牢です。

 そうは言っても机の上の真ん中にこれを飾り続けておくわけにもいかないので、崩すことにしました。意を決して中央の要石を抜いてみました。

Fig.6/td>

 全体が崩壊すると思いきや、ピースが2つ傾いただけで止まりました。思ったよりも頑丈で感心しました。



 本日ご紹介したこのアーチ構造、先にシミュレーション環境で作ってみていなければ作らなかったと思います。支柱を立てて施工して最後に支えを外すという工法は、目的の構造の設計図がなければ難しいです。適当に積み上げて内部のピースを外しても、まず失敗するでしょう。シミュレータと現実の世界を行き来しつつこういう構造を作ってみる、というのはとても楽しかったです。お勧めです。



 日曜日の朝、家の外で喚き声のようなものが聴こえました。窓から見下ろしてみると、猫が叫び合っています。「ゥワーオゥ、ゥワーオゥ」というような声です。

two cats fight 15 minuites later

 茶色いトラ猫と、白いフェンスの向こうに黒猫がいます。互いに大声で叫びながら、トラ猫は15分くらいかけて慎重に接近しました。

5 more minuites later

 さらに5分後、ついに黒猫がじりじりと後ずさりして、車の下に逃げ込みました。車の下でも二匹はうなり合っています。(それを20分くらい、ずっと上から見ていた私もどうかと思うのですが) 

 自分の車の下や自宅の庭で戦いが始まって、どちらかが大けがをしてしまったりしても困るので、玄関から出て近づいてみました。あっという間に黒猫がダッシュして、その後をトラ猫が追っかけてゆきました。その後も10分ほど、少し遠くからうなり合っているのが聞こえましたが、その後は静かになりました。

<おまけのひとこと>
 雷で電話とネットワークが使えなくなってしまったので、昨日、サービスを提供している会社に電話をして(なかなかつながらなくて大変でした)修理を依頼しました。午後3時くらいには来てくれたそうです。家の無線ルーターも壊れてしまっていたようで、それは昨日の帰宅時に買って帰って設定しました。今は快適に使えています。復旧して良かったです。
 昨夜も雷が鳴っていて、またトラブルがあったら嫌だなあと思いましたが幸い何もありませんでした。なんというか、気候が激しくなっている気がします。






9月2日(水) 正五角形-正六角形-正十角形(その2)、他

 先日、文字だけでご紹介していた幾何の問題 「単位円に内接する正五角形A、正六角形B、正十角形Cを考えます。それぞれの辺の長さをa,b,c とすると、a,b,cを三辺とする三角形はどんな三角形でしょうか?」 ですが、図形の問題の基本としてまず作図してみることにしました。

Fig.1 : regular pentagon, regular hexagon, regular decagon

 同じ大きさの円を3つ描いて、そこに内接する正五角形A、正六角形B、正十角形Cを描きます。それぞれの辺の長さをa,b,cとします。

 a,b,c が三辺になるように、正五角形、正六角形、正十角形の位置と向きを調整してみました。

Fig.2 : triangle abc

 どうやら直角三角形になるみたいです。

(つづく)



 100円ショップの「シルク」のお店を回って集めてきた「くねくねリング」

Kune-kune Ring

 そのまま保存するとかさばるので、全部バラバラにして、色ごとに分けて収納することにしました。

Fig.3 : disassembled, sorted and stored.

 右下は「ブロックビルディング」のパーツです。

 同じケースがもう一つあって、そこにはすでに作った結び目の模型をいくつか収納しています。これを明日以降ご紹介する予定です。(幾何の問題の解説の後か、もしくは並行してご紹介します。)

(つづく)



 昨日は自宅で仕事をしていたのですが、朝10時過ぎにコーヒーを飲みながら休憩していたら、妻が「猫がうちの車の下でくつろいでいる!」と教えてくれました。先日、20分以上のにらみ合いを制して黒猫を追い払ったトラ猫でした。家の中から写真を撮ってみました。

10:30

 お昼過ぎ、さすがにもういなくなったかなと思って見てみると、場所と姿勢をちょっと変えてあいかわらず寝ています。

12:30

 さらに1時間後、そろそろ日が当たってくる時間なのでさすがにいなくなっただろうと思って午後1時半くらいに見てみたら、顔と前足に日を浴びながら無防備な姿勢でのびていました。わりと肉付きが良い感じです。我が家は一切餌付けをしないのですが、いったいどこで何を食べているんだろうと思いました。どこかの飼い猫かな。

13:30

 これは完全に「ここは自分の縄張り」という認識なんだろうなと思いました。まだ日向ぼっこをする季節ではないと思うので(暑い)、ちょっと心配になりましたがまあ大丈夫でしょう。

<おまけのひとこと>
 ここに住みようになって20年以上になります。猫はよく見かけますが、もう何度も代替わりしています。

 猫の写真はfc2のblogのほうに置かせてもらっています。






9月3日(木) 正五角形-正六角形-正十角形(その3)、タングルの結び目

 「単位円に内接する正五角形A、正六角形B、正十角形Cを考えます。それぞれの辺の長さをa,b,c とすると、a,b,cを三辺とする三角形はどんな三角形でしょうか?」という問題ですが、作図してみると直角三角形のようでした。数値計算して確かめてみることにしました。(なぜそっち(数値計算)へ行くんだ? と驚かれた方、すみません。)

 計算は余弦定理(a2=b2+c2-2bc cos(A))を使います。

Fig.1 : regular pentagon, regular decagon

 上の図の青い三角形と赤い三角形にそれぞれ余弦定理を適用します。単位円に内接する正六角形の1辺の長さは1なので計算しなくても大丈夫です。

 Excelに入力してみました。a,b,c はそれぞれ正五角形、正六角形、正十角形の1辺の長さです。

Fig.2

 このように、a2=b2+c2になっていることが数値として確かめられます。ただこれはもちろん「数値計算の精度の範囲内では成立しているように見える」というだけであって、証明にはなっていません。

 実はこの問題、初等幾何と比の関係を使ってきれいに示せるのです。ユークリッドの原論の最終巻(13巻)が5つの正多面体に関する巻ですが、その中に出てくるそうです(ちゃんと確認できていないですが)。

(つづく)



 2年ほど前、“Tangle” のような玩具をカプセルトイでたくさん入手したとき、三葉結び目をこんな風に作ってみたことがありました。

trifoil knot using 12 pieces of "tangle" like toys

 今回、100円ショップでさらに安価な“Tanlge”もどきを手に入れたので、また遊び始めました。手始めにやってみたのが三葉結び目をもっと少ないピース数で作れないか?という試みです。対称性は減って(無くなって)しまってかまいません。上記の写真は12ピース使っていますが、これが最小値でしょうか? もっと減らせるでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 幾何の問題、引っ張ってしまってすみません。
 タングルのような玩具、見かけたら購入されることをお勧めします。1つあるだけで今日のようなトライアル(三葉結び目を構成するピースの最小値はいくつか)のようなことをいろいろやってみることができます。そもそも、12ピースで三葉結び目を作るということ自体、そんなに簡単ではありません。写真で見ると簡単そうに見えると思いますが…






9月4日(金) 正五角形-正六角形-正十角形(その4)

 「単位円に内接する正五角形A、正六角形B、正十角形Cを考えます。それぞれの辺の長さをa,b,c とすると、a,b,cを三辺とする三角形はどんな三角形でしょうか?」という問題、今日で最終回です。数値計算でこれは直角三角形になりそうだ、というあたりを付けました。今日はそれを初等幾何的に示したいと思います。

 今日の説明では、正五角形の1辺を赤もしくは赤に類する色、正六角形の1辺を青、正十角形の1辺を緑、でできるだけ表すようにします。

Fig.1 : regular pentagon, regular hexagon, regular decagon

 単位円を20等分する点を考えて、黒い太線で表せるいくつかの三角形を考えます(Fig.2左)。赤い線は正五角形の1辺、緑の線は正十角形の1辺になっています。また、正六角形の1辺は半径と同じですから、青い半径が正六角形の1辺です(Fig.2右)。

Fig.2

 単位円とか余計な線を取り除いて、Fig.2の太線の部分だけを取り出してみます(Fig.3)。実は、Fig.3左に示した3か所ずつの角度は等しくなっています。(これは後で示します。)

Fig.3

 そのため、Fig.3右に示したように、同じ色、同じ記号で表した辺の長さがそれぞれ等しくなっています。(昨日までとa,b,c の意味が違っていて申し訳ありません。)この図に現れる鈍角二等辺三角形と鋭角二等辺三角形それぞれについて、相似な三角形を比で表してみましょう。

 まず上側の鈍角二等辺三角形のほうです。斜辺:底辺の比です。

Fig.4

 次に下側の鈍角二等辺三角形のほうです。これも斜辺:底辺の比の式を作ってみました。

Fig.5

 この2つの式を足し算すると、このようになります。

 このように、三平方の定理が成り立っていることがわかります。これで直角三角形であることを示すことができました。ただし、Fig.3 の3つずつの角度が等しければ、です。



 3か所ずつの角度が等しいことを示しておきます。まず、上側の鈍角二等辺三角形のほうです。

 Fig.7左の赤い三角形が二等辺三角形であるのは自明です。なぜならこれは正十角形の2辺だからです。では、Fig.7中央の青い小さな三角形はなぜ二等辺三角形だと言えるのでしょうか?

Fig.7

 これは、Fig.7右の黄色と緑色に色付けした2つの三角形が合同であることからわかります(2つの辺の長さと、その間の角度が等しい)。以上により、Fig.3の上側の3つの角度が等しいことが示せました。



 次にFig.3の下側の3つの角度が等しいことを示します。Fig.8左をご覧ください。もともと、黒い点は円周を20等分していました。なので赤い部分の角度は円周の20分の6です。Fig.8左の青い部分の角度は、中心角と円周角の関係から、赤い角度の半分になります。

Fig.8

 一方、Fig.8中央の角度は円周の20分の3です。従ってさきほどの青い角度と同じです。さらに、Fig.8右は二等辺三角形ですから、この2つの角度が等しいのは明らかです。

 以上のように、この3つの角度が等しいことも示すことができました。



 この解き方、昨日も最後にちょっと書きましたがユークリッドの原論の13巻で示されている方法だそうで、この結果も5つの正多面体を導く論理につながっているそうです。検索すると、幾何の証明の作法に従って点に名前を付けて、ユークリッドの原論の記述を忠実に解説しているらしいページ(たとえばこちら)がありますが、今回は敢えて直感的な説明にしてみました。いかがでしたでしょうか。

 正五角形や正十角形は定木とコンパスで作図できますので、四則演算と平方根の組み合わせで1辺の長さを表すことができます。なので、今日ご紹介したような幾何学的な考察をせずに式変形だけで(力技で)三平方の定理が成り立っていることを導くこともできます。それはそれで楽しいのですが、幾何的に解くのはやっぱり美しいと思います。

<おまけのひとこと>
 夜中(日付が変わるころ)に目が覚めて、2時間ほどかけて今日の更新の図を作って解説を書きました。朝までもうひと眠りします。






9月5日(土) ペンローズの三角形の絵を描く(その1)

 週末なので軽い話題です。



 ペンローズの三角形の絵を描いてみました。

Fig.1

 赤と青の図を作って、互いにひっかけてみました。絡み目表記ならば221、ホップ絡み目です。(不可能図形ですが…)

Fig.2

 もうちょっと深く絡ませてみました。絡み目としては同じ221です。

Fig.3

 さらに絡ませてみました。絡み目表記としては621です。6交差2成分の絡み目は全部で3種類ありますが、その中でもっとも対称性が高い絡み目です。

Fig.4

 実はこのFig.4のような図をどこかで見かけて、自分でも図を作ってみたくなったのでした。

(つづく)



 「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」という文庫本を買いました。この本を読んで、ジュール・ヴェルヌの「神秘の島」という冒険小説を連想しました。19世紀に書かれたこの本は、人間の頭の中にある知識だけで、その当時の文明社会のかなりのものを再度作り上げることができるということを(創作ですが)語っていて、子供のころに読んでとても刺激を受けました。こんな風に、仮に何もない状況になってしまっても博識(知恵と工夫)で対処できるような大人になれるのだろうか、と思ったものです。

 そういう観点でこの本はとても面白かったです。今は技術があまりにも高度化・細分化されすぎていて、身の回りにあるものを自然界から作り出せと言われても、一人の知識でそれができる人はもはや誰もいないと思います。情報も紙の本から電子化が進み、そもそもこの「この世界が消えたあとの…」という本も電子書籍で読んでいる人も多いそうです。そうなると、そういった情報インフラが失われてしまったら、再び人口が増えて科学研究や技術開発に時間を割ける人が増えない限り、科学文明の再構築は難しいだろうな、と思います。



 図書館で「牧野富太郎 日本植物学の父 はじめて読む 科学者の伝記」(清水洋美)という本を借りました。面白くて一気に読んでしまいました。

Fig.5

 土佐の裕福な家に生まれ育ったこと、若くして両親や兄弟を失くし、唯一の血縁の祖母がとても大切にしてくれたこと、家業が傾いても経済的に支援をしてくれたこと。普通の高等教育を受けていなかったため、最初は歓迎された東大の植物学教室で、後には出入りを禁じられるといったひどい仕打ちを受けたこと。妻や子供たちが牧野富太郎の研究に全面的な理解と支援をしてくれて、「高貴な研究のための貧乏生活は全く恥ずかしくない」と生涯支えてくれたこと。

 このような偉大な研究者が日本にいたことは本当に誇らしいことだと思いました。

<おまけのひとこと>
 週末、何を書こうか考えていたら、お昼前になってしまいました。






9月6日(日) ペンローズの三角形の絵を描く(その2)

 昨日のペンローズの三角形の絵の話の続きです。まず、こんな風に赤と青を3つずつ並べてみました。

Fig.1

 この6つの向きは変えず、位置だけ変えて順に鎖のように絡まった状態を作ってみたいと思ったのです。でも、Fig.1のパーツの太さではうまくいかなかったので、パーツを長くして、Fig.2のような絵を描いてみました。

Fig.2

 これは(不可能図形であることをとりあえず無視すると)鎖の輪のようになっています。このパターン、ずっと広げてゆくことができるなあと思って、手作業で図を作ってみました。

Fig.3

 ご紹介したかったのはこのパターンです。もうすでにどこかで誰かがやっていそうなパターンですけれども。単純にカゴメ格子を二重化した平面のパターンとみなして見ても面白いですし、ペンローズの三角形が鎖のように平面状に絡み合っているとみなしても面白いです。気に入りました。。

 この、カゴメ格子のように絡まったパターン、不可能図形ではなくて実際に実現できるかたちで作ろうとしたらどうなるでしょう?

(つづく)つもり



 昨日、牧野富太郎の伝記をご紹介しました。私は理系科目はなんでも好きでしたが、生物だけは昔は比較的興味がありませんでした。ただ、子供のころから愛読している「草花のさいばい」という本があって、多分何十回も読み返したと思います。

 初版は1971年(昭和46年)5月、ポプラ社です。著者は奥山貞男(1910年生まれ)ですから、出版の時点で還暦くらいの年代の方です。「理科の実験観察シリーズ12」と書かれていますので、シリーズもののようですが、これ1冊しか手元にはありません。検索してみても、こちらくらいしか情報がありません。(CiNiiというのは全国の大学図書館等が所蔵する1億冊くらいの本のデータベースだそうで、上記のサイトを見ると岩手大、岡山大、神戸大の図書館には所蔵されているようです。)

 この本は、お父さんの指導で小学校5年生と3年生の男の子の兄弟が花壇を作って春・夏・秋の花を育てる、という設定で1年間の物語として書かれています。小学校低学年でも読みやすい内容になっていて面白いのです。

 そして、何と言っても図が素晴らしいのです。おそらく図は100近くあると思います。すみません、読めないくらい小さな図ですが、2つご紹介します。

ダリアの球根の植え方 球根のほりあげとかんり

 この本に書かれていることは、これらの図を含めて自分の中にしみ込んでいるなあと思います。植物の背丈が低いものを「わい性」というのだということもこの本で知りましたし、さし木やとり木という言葉、株分けということばもこの本から知りました。鉢植えの植物に水をやるとき、少なすぎるとどうなるか、多すぎるとどうなるかということもこの本で学びました。

 もちろん今はもっと良い本があるのだと思うのですが、写真や動画よりも、上手に描かれた図というのは、図を描く人の解釈や意図が反映されているのでとてもわかりやすく情報が伝わりやすいと思います。

 牧野富太郎博士は、標本や図が学術的にとても価値が高く、とりわけ描かれた図が素晴らしかったといいます。図って大事だなあと思った次第です。



 先日の落雷で、テレビ番組を録画しているハードディスクドライブ(HDD)の電源が入らなくなりました。ちょっと古い、ACアダプタで電源を供給するタイプのHDDなのです。どの部分が壊れたのか問題を切り分けるために、まずACアダプタから電圧が出ているか、テスターを持ってきて調べてみました。

 私は一応情報関連機器メーカーのソフトウェア系の技術者で、組込みシステムのファームウェアなども書いたりすることがありましたので、多少はエレキの知識と経験はあります。はんだごてやニッパ、ラジオペンチ、テスターや安定化電源など、最低限の電気工作をする道具は一応持っています。ただ、前回テスターを使ったのはもう10年近く前かもしれません。(自宅の)はんだごてはもっと前かもしれません。

 テスターであたってみると、ACアダプタから出力が出ていないようです。テスターそのものが正しく動作していない可能性もあるので、他の使えている機器のACアダプタで確認してみると、ちゃんとアダプタに書かれている定格の電圧が出ていることが確認できました。テスターは大丈夫です。

 次に、HDDユニットそのものが大丈夫かを確認するため、電源を供給してみることにしました。でも、安定化電源が地下室の奥深くに眠っていて発掘できませんでした。でも、たまたま先日壊れてしまった無線LANのルータのACアダプタが同じ供給電圧だということがわかりました。供給できる電流は若干違いますが、とりあえずつないでみることにしました。ただ、残念ながら機器側のコネクタの形状が異なります。そのままでは挿せません。仕方がないので両方のACアダプタのコネクタ部を切って、付け替えることにしました。

 熱収縮チューブは手元になかったのですが、被覆をむいて極性を確認し、はんだ付けして絶縁して、正しい電圧が正しい極性でプラグに出ていることをテスターで確認して、HDDユニットに給電してみました。青いLEDが光ってハードディスクにアクセスする音が聞こえてきました。やった、復旧できたようです。

 ところが、かっこん、かっこん、という、いかにもHDDが不調の時の嫌な音が聞こえます。USBケーブルを接続してみたのですが、HDDを認識してくれません。苦労して電源を復旧してみたのですが、本体のHDDもダメなようでした。

 ちなみにHDDのユニットのケースは表面にネジ等がなにも見当たらないのです。マイナスドライバーを使ってこじってケースを外してみました。Seagateの1TBの大きなHDDでした(いったいいつのものでしょう?)。 そのHDDをPCにつないで様子を見てみたのですが、やっぱり認識しません。ダメです。これ以上は素人には無理です。大金を積んでHDDの復旧サービスに依頼したいほど大切な情報が入っているわけではないので、諦めることにしました。

<おまけのひとこと>
 このところよく眠れなくて、昨日はちょっと疲れていたので珍しくお酒を飲むのをやめてみたのです。そうしたら睡眠不足なのに夜中の12時過ぎくらいになっても眠れなくて、ようやく浅い眠りに入ったと思ったら2時間後くらいには目が覚めてしまいました。目が覚めたので起き出してきて、木製立方体を接着してパズルを作る、というちまちました作業を始めてしまいました。思った以上に気に入ったものができたので、明日(以降)ご紹介しようと思います。






9月7日(月) 木製立方体のテトロミノ4セット(その1)

 先月から何度かご紹介していますが、100円ショップで購入した「ブロックビルディング」という玩具が気に入っていろいろ遊びました。ただ、特にアーチ構造などを作ってみるときに、小さくて軽くてちょっと(かなり)遊びにくいな、と思ったので、5月にまとめ買いした木製立方体で作ってみることにしました。

Fig.1

 立方体を1つずつ木工用ボンドで貼って、マジックでテトロミノの面だけに色を塗りました。もちろん両面に塗っています。

 地下室からマジックの8色セットを持ってきて、赤・青・黄・緑の4色で塗りました。

Fig.2

 多分息子が学校のイベントの準備とかに持って行ったことがあるのではないかと思います。それぞれのバーコードのところにカタカナで名前が書かれていました。



 先週、シミュレータでこんな構造を試してみたということをご紹介しました。

 これ、プラスチックのパーツの「ブロックビルディング」では同じものが作れなかったのですが、まずこれに挑戦してみると、

Fig.3

 ちゃんとできました! 嬉しい…  ちなみにこれを作るときには、別のパーツで仮の支えを作って、アーチが完成したところでその支えを外す、という風に作っています。

 これを見ていると、土台になっているの2x2のO型ピース(緑と青)の上に載っている黄色と緑のL型ピース、無くてもいいんじゃないかと思いました。そっと外してみました。

Fig.4

 やっぱり! 大丈夫です。これがバランスして自立しているというのは美しいと思いました。

 上から見下ろすとこんな感じです。

Fig.5

 少し大きくて重さもあり、摩擦も大きいため位置や姿勢を整えやすいです。とても楽しい…

 とりあえず収納時はこんな風にして、ケースを用意しようかなあと思っています。

Fig.6

 この、どの色も接しない配置、気に入っています。

(つづく)



 地元ネタです。

 Newsweek日本語版のサイトのコラム日本横断徒歩の旅(内村コースケ)という連載を見つけて、バックナンバーから一通り読んでみました。

 著者の方は東京から八ヶ岳山麓(おそらく我が家と同じ中学校の校区内)に10年ほど前に越してこられた方のようです。ただ、別荘地にお住まいで、地元のコミュニティとは少し距離を置く生活スタイルを選択されているようです。第17回がご自宅をスタート地点とした回で、その冒頭に地方に移住された経緯やご自宅の様子などが描写されています。

 読んでいて面白く、いろいろ共感するところもありました。良く知っている地域の話でもあり、写真などを見ていても、「あ、ここ知っている」というところがたくさんありました。

<おまけのひとこと>
 昨夜はよく眠れました。少し涼しくなってきたので、これまでは夏の部屋着(Tシャツと短パン)だったのが、上半身も下半身も長くして、秋の部屋着に変えました。大きな台風10号が九州のほうに接近してきているようです。被害がないことを祈ります。






9月8日(火) 木製立方体のテトロミノ4セット(その2)、ペントミノ

 昨日に続いて、テトロミノを木製立方体で作ったもので橋を作ってみています。今日は先日シミュレータで試したこのパターン

 を作ってみることにしました。シミュレーションでもこのパターンの片方は安定しているとは言い難く、カタカタとずれていってしまっていました。本物はといえば、片側だけだとずれるのではなく倒れました。そこで、別用途で作っていたパズルのピース(ちょうど高さが3のものがあったのです)を臨時の支えにして、まずはシミュレーションと色を揃えて同じかたちになるように組んでみました。

Fig.1

 そうっと支えを外しました。左右の橋桁が互いに押し合って、なんとか崩れずにとまっています。

Fig.2

 5セット×4色すべてを使い切って、全ての色は離れていて、いい感じです。ただ、飾っておくにはかなり不安定です。

 楽しくなって、またいろいろ実験してみることにしました。なんといってもシミュレータがある程度使い物になるというところがいいです。

(つづく)



 今日の更新はここで止めても良かったのですが、もう1つ簡単なトピックを。

 ポリオミノ(正方形をつないだかたち)つながりで、テトロミノ(正方形4つ)ではなくペントミノ(正方形5つ)の話です。最近のパズルの世界で流行りの、「複数のピースを組み合わせて鏡像対称なかたちを作る」という概念をペントミノでやってみる、というのを考えてみることにしました。

 一応念のため、ペントミノの12種類のパターンのかたちと名前をおさらいしておきます。

 以下のような、面積が10の左右対称なパターンを考えます。これらを、上記のペントミノ2つを使って作ってください。すごく簡単だと思います。

Pattern A Pattern B Pattern C Pattern D Pattern E

 パターンAは4通り、パターンBからEは2通りの解があります。(別の解は選択するピースの種類が違います。全体を鏡像反転させたものは別解ではありません。)わかりますか?

(つづく)



 週末に、タブレット端末で “Flow Water 3D fountain puzzle” というのを1時間ほど遊んでしまいました。

 パズルとしてはシンプルですが、3Dなので設定を把握しにくいのと、若干操作性が悪いと感じました。また、水が漏れてしまう配置や、単に漏れるだけでなく、本来は混ざってはいけない色違いの水路に水が漏れてしまうような配置であっても、とにかく目的のゴール(噴水)まで水が導ければ「完成」と判断されるのは、パズルとしていかがなものかと思いました。(賛否両論あると思います。)

 でも、3Dらしくきれいなのが良いと思いました。これからもたまにやってみるかもしれません。

<おまけのひとこと>
 最初のテトロミノの橋で臨時の支えに使っていたパーツ、実は組み立てるときに固すぎてうまく組めなかったのです。2時くらいに目が覚めて、今日の更新に取り掛かる前にそのピースをやすりでごりごり削って、スムースに組み立てられるようにしました。1時間くらいかかりました。満足です。

 昨日は、勤務先の下期(10月1日)からの新しい組織体制について、今の上司(私より1回り以上若い方です)と夕方1時間半くらいいろいろと話をしました。私にとって有意義な時間でした。最近は朝7時に職場に到着して、夕方5時半の定時には退社するという生活なのですが、珍しく夜7時過ぎまで職場にいました。こういう理由で長く残るなら大歓迎です。






9月9日(水) 木製立方体のテトロミノ4セット(その3)、ペントミノで対称図形

 5種類のテトロミノの4色セットを使って橋を作ってみるという遊びをもう少しやってみています。シミュレータと現物を行ったり来たりしながら、橋の構造を試してみています。少ないピースで長い橋がかけられると嬉しい、というのと、アーチ構造の「要石」のようなピースがあると嬉しい、というところに注目しています。

 パーツ7個で長さ7の橋を作ってみました。崩壊寸前です。背景に、PCのシミュレータ画面を表示しています。

Fig.1

 これではあまりに不安定なので、2x2のO型ピースを重石として載せてみました。残った2色が赤と青だったので、どちらに載せても赤がつながってしまうため、全体の色を見直しました。

Fig.2

 だいぶしっかりしました。



 次に、長さ10の橋です。赤と青のI型ピースがかなり危ういです。

Fig.3

 今日ご紹介したものは、要石を入れて安定する、いわゆるアーチ構造のものではありませんでした。 明日はピースの数を減らして、もう少しプリミティブなアーチ構造について試した結果をご紹介する予定です。

(つづく)



 昨日からちょっとご紹介している、ごく簡単なパズル(?)の話題の続きです。ペントミノ2つで鏡像対称な図形を作る、ただし必ず複数解があるようにしてください、という問題です。

 昨日は正方形の格子の方向に鏡像対称線があるパターン5種類をご紹介しましたが、今日は対角線方向に鏡像対称線があるパターン6種類をご紹介します。最初に穴のないパターンを3つ。

Diag Pattern A Diag Pattern B Diag Pattern C

 次に、穴のあいたパターンが3つ、です。

Diag Pattern D Diag Pattern E Diag Pattern F

 いずれも解は2種類ずつあります。ちょっと慣れた方でしたら、見たらすぐに「最初の解はあれとあれ、別の解はあれとあれ」とすらすらと解が思い浮かぶのではないかと思います。 

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日は珍しく会議や打ち合わせの予定が全くなかったので、有給休暇を消化することにしました。お昼は外食をしました。某レストランでハンバーグとチキングリルのランチセットを頼んだのですが、500円アップで(これで倍近い値段になります)ハンバーグとチキンをそれぞれ100gから200gに2倍にできる、というサービスがあって、つい頼んでしまいました。とてもおいしく全部いただいたのですが、夕食が食べられませんでした。
 最近はウォッカやジン、ホワイトラムの炭酸割を飲むのですが、小さな小皿にほんの少しだけきゅうり・アボカド・トマトのサラダを盛って、それだけをおつまみにお酒は5杯ほど飲みました。(お酒1杯あたり野菜を2かけくらい)






9月10日(木) 木製立方体のテトロミノによるアーチ

 昨日予告したように、テトロミノを4セット使ったアーチ構造を簡単なものから順に大きくしていってみました。注目するパラメータは「使っているピースの数」「橋の長さ」です。また、きれいなアーチ構造になっていてほしいので、左右対称であること、中央に「要石」があって、それを外すとそれ以外のピースは内側に崩れることが条件です。

 たとえば、I型ピース3つでこんなゲートのようなものを作るのは簡単です(Fig.1)。これは黄色のピースを外しても赤と青のピースは立ったままですので、「アーチ構造」ではありません。

Fig.1

 ピース数5、橋の長さ5のアーチです(Fig.2)。ちょっと背が高い(高さ4)です。

Fig.2

 ピース数は同じく5ですが、長さを7にしてみました。こちらのほうがアーチっぽいです(Fig.3)。

Fig.3

 さらにもう1つピースの数を増やしてみました(Fig.4)。偶数個なので赤と青のL型ピース2個が要石の役割をしています。ちょっとルール違反かな。

Fig.4

 ルール違反を解消するために、さらに中央にT型テトロミノを入れてみました。ピースの数が7、橋の長さが9です(Fig.5)。これは安定しています。アーチ構造としてはこれが一番素直かもしれません。

Fig.5

 2x2のO型テトロミノを要石にする、というのをやってみました(Fig.6)。橋の長さは10です。ピースの数は7、と言いたいところだったのですが、床面との摩擦が足りなくて、横に広がって崩壊してしまいました。そこで、左右にL型テトロミノを重石として置いて、水平方向の力を受けることにしました。

Fig.6

 このかたちが崩れないのが不思議です。このアーチの上にピースを増やしてゆけば、ピースが回転しにくくなってゆくためこの構造は頑丈になってゆきます。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 もうそろそろ朝5時になるのですが、外は真っ暗です。しばらく前だったらもうすっかり明るい時間でした。気が付くと季節が進んでいます。






9月11日(金) 木製立方体のテトロミノによるアーチ(最終回)、ペントミノをある規則で並べる

 木の立方体を接着して作ったテトロミノ5種類×4色の20ピースの手製のキットを使って橋を作る、という遊びをご紹介してきました。今日が最終回です。今日はちょうどぴったり20ピースを使い切った門のようなデザインをご紹介します。

 昨日、アーチ構造の上にピースを増やしてゆくことでピースが動きにくくなって安定するという話を書きましたが、その実例です。こんなものを作ってみました。

Fig.1

 このかたちがアーチ構造でかなり安定していること、全部のピースを使い切っていること、シルエットがなかなか美しいこと(これは主観ですが)、が気に入っている理由です。また、このかたちはこの20ピースそのものと素手だけで、他に道具や作業中の臨時の支柱などは一切用いずに作ることができました。その工程そのものも楽しいです。(要はアーチ構造の外側のピースを最初は支柱として使います。)お勧めです。



 シミュレータで安定性を試してみました。初期状態と時間が経過した後の状態をgifアニメーションで交互に表示しています。

Fig.2

 実は Fig.1 の配色、中央上の赤いピースが頂点を共有してしまったのが気に入らなかったので(作り直すのは面倒だったのでそのまま写真を撮りました)、シミュレータでは1か所色を入れ替えています。これでどの色のピースも接触せずに分散しました。



 このテトロミノ5種類×4色のセット、作ってみて本当に良かったと思いました。(もはやパズルというよりは積み木として遊んでいますが。) 材料を揃えるところから始めるとハードルが高いですが、お勧めです。




 テトロミノ(正方形4つ)ではなくペントミノ(正方形5つ)の話です。火曜日と水曜日にペントミノの話をしましたが、ペントミノでこんな図を作ってみました。

Fig.3

 ペントミノ12種類のうち11種類を使っています(残念…)。これ、どんな規則で作られているでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 上期末、いろいろと仕事が間に合っていなくて大変です。






9月12日(土) 都道府県マグネットシート、各都道府県第3位の都市

 週末なので単発の話題です。

 100円ショップで「フレークマグネット」というシリーズが売っていました。数字やアルファベットや平仮名、といった文字のシリーズや、国旗、食べ物(お寿司とか)などがありましたが、気に入ったのが都道府県別になったマグネットシートのセットでした。1つ買ってきました。

Fig.1

 家の中でマグネットシートを貼れるそれなりの面積のあるところといったら冷蔵庫しかありません。袋から取り出しながら、冷蔵庫の扉に日本地図を作りました。

Fig.2

 時間は見ていませんでしたが、10分弱くらいでしょうか。とても楽しかったです。「とやま」のピースがちょっと反り癖がついてしまっていました。

Fig.3 Fig.4

 こうしてみると北海道と青森の位置関係が変だったり、沖縄が妙に近かったり、四国の位置もちょっとおかしかったりしているなあと思いました。淡路島が欲しくなりました。

 地方別に色分けされていたり、ひらがなで都道府県名が入っていたり、その文字の向きが東西南北の方向のヒントになっていたり、よく配慮された製品だと思いました。これが100円(+税)で買えてしまうなんて、消費者にとってはとてもありがたい、生産する側にとってはとても厳しい時代だなあと思います。

 検索してみると、この「フレークマグネット にほん」を紹介しているblogがいくつかありました。(こちらとかこちらとかこちらとか。)確かに教育用に良いかもしれません。

 そういえば昔、何かで入手した大きな日本の都道府県のはめ絵パズルを持っていたような気がします。地下室を探してみようかな。

ひょっとしたら (つづく) かも…



 日本地図つながりでもう1つトピックを。 YouTube に各都道府県の人口3番目の都市という動画がupされていました。自分の住んでいる県以外はほとんどわかりませんでした。そもそも人口何番目以前に、その県にある市の名前を3つ上げることが難しい県もいくつもありました。答えを見る前にその県の都市名を思い浮かべて、「1位はここ、2位はここ、3位はここ」と自分の中で解答案を決めてから答えを見るのが楽しかったです。(ぜんぜん当たりませんでした。)ぜひやってみることをお勧めします。



 昨日ご紹介したこの「門」のような構造ですが、これは実は先週末に作ったものです。

 妻がこれを見て「ブランデンブルク門みたいだね」とコメントしてくれました。確かに言い得て妙だと思いました。ブランデンブルク門で検索してみると、実物は縦の柱(間柱みたいなもの)が何本もあるのですが、でもぱっと見た印象が「似ている」と思いました。

<おまけのひとこと>
 週末、嬉しいです。「やりたいこと」のストックを忘れないうちに、熱が冷めないうちにやらないと「冷静に考えたらあんまり面白くないかも」「よく考えたらやる必要がないかも」「なんか面白いと思ったことがあったのだけれど何だっけ?」とかなってしまうのです。






9月13日(日) ミュルス・ガリカス、他

 ミュルス・ガリカス(Murus Gallicus)というアブストラクトゲームを知りました。情報完全公開型で運の要素のない二人ゲームです。スペインのネスターゲームスというボードゲームの会社の製品だそうです。ここでは200種類近くのボードゲームが販売されているそうです。

 面白そうなゲームがたくさんあって、ルールを少しずつ読んでみています。その中からミュルス・ガリカスというゲームをご紹介します。公式サイトのページはこちらです。ありがたいことにルールが日本語化されたものが公開されています。こちらです。

 あとはもうリンク先をご覧ください、で終わりにしてもいいのですが、一応簡単にご紹介しておきます。8×7マスの正方格子のゲームボードを使います。互いに向き合って座り、横が8、縦が7になるようにゲームボードを置いて、それぞれ一番手前の8マスにコマを2つずつ積み上げて置きます。(自分のコマは全部で16個です。)

 コマが2つ積まれたものを(tower)と呼び、コマが1つだけの状態を(wall)と呼びます。壁の状態ではコマは動かせません。塔の状態のときは、8方向のうちいずれか一方向に、塔を分解して1つずつのコマにして動かすことができます(Fig.1)。

Fig.1

 塔を動かしたときに、移動先に自分の壁(1個だけのコマ)があれば、その上にコマを乗せて新しい塔を作ることができます(Fig.2)。相手のコマに乗ることはできません。また、自分の塔の高さが3になるような移動もできません。

Fig.2

 自分の手番のときにもう1つできることとして、自分の塔が相手の壁に(タテヨコ斜めの8方向のいずれかが)隣接しているとき、犠牲(sacrifice)と言って、自分の塔の1つのコマと、相手の壁のコマの両方を盤面から取り除くことができます。

 塔を作りながら盤面にコマを展開し、ときにはサクリファイスで相手の危ないコマを取り除きながら、相手の陣地(初期配置で相手のコマが置かれていた、自分からは一番遠い段)に自分のコマを入れるか、相手が動けなくなったら勝ちです。

 YouTubeにプレイの例が2つほど公開されていました。こちらとかこちらとかです。いずれも初心者っぽいプレイに見えますが、コマの動かし方やルールを知る上で参考になりました。



 サクリファイス、という言葉から思い出すのは映画「ピアノ・レッスン」のピアノ曲 “The Sacrifice” です。(今、頭の中で鳴っています。)カードゲームのコントラクトブリッジにもサクリファイスという用語がありました。思い出したので、久しぶりに日本コントラクトブリッジ連盟のサイトに行って、ブリッジ用語集を読んでしまいました。懐かしい…



 このゲームをご紹介してきたのは、このゲームの移動ルールを用いたこんなパズルを知ったためです(Fig.3)。5x5マスのボードで、中央のマスは取り除かれた24マスを考えます。ボードの四隅に3つずつを置きます。これが初期配置です。ミュルス・ガリカスのコマの移動ルールに従って、全てのマスがになるようにしてください。

Fig.3

 これ、盤面のかたちや初期配置、ゴールのパターンをいろいろと変えた一連のパズルを作ることができそうですね。楽しそうです。

 ちなみにFig.3のパズルはこちらのThe World of Abstract Gamesというとんでもなく素晴らしいサイトの中の、MurusGallicus.pdfの最後に載っている問題でした。このドキュメントは単なるルール説明だけでなく、基本的な手筋や考え方なども紹介されていて、とても参考になりました。

 このゲーム、オセロゲームのボードとコマがあれば、代用して遊べそうです。もちろん本物を入手できればそれが一番いいですが。

 また、もっと盤面を小さくして、コンピュータで解析してみても面白そうだな、と思いました。(でもたぶん自分ではやらないかな)



 図書館で、あいまいな会話はなぜ成立するのか(時本 真吾:岩波書店)を借りて、ざっと読みました。

 リンク先の岩波書店のサイトで冒頭の数ページが読めます。とても面白かったです。本文中で引用されていた、The four elementary forms of sociality: Framework for a unified theory of social relations(Alan P Fiske, 1992)という論文が面白そうでした。(図やグラフや数式などがない、馴染みのない分野の英語の論文はとても読める気がしません。)普遍的な人間関係を3つ+1つの4つに分類して論じているもの(のよう)です。

 3つというのは「共同的分かち合いの関係(財産を共有管理している夫婦のような関係)」、「権威的序列化の関係(権力や地位による上下関係)」、「応報的等価交換の関係(相互依存、交換、構成さがある関係、あなたかしてくれたので私もお返しにおなじことをしてあげる)」だそうで、もう1つが「市場価値決定の関係(市場原理に基づいて対価を支払う関係)」で、最後の1つが最初の3つと相反することも多いと論じられているようです。

 うーん、ちゃんと理解してみたいなあと思いましたが、専門外の30ページ以上の論文を読める気がしません。(専門に近い分野の論文ですら、基本は斜め読み、拾い読みで「わかったつもりになる」のが得意技です。)

<おまけのひとこと>
 昨日は朝、定期通院で病院に行って、その後食品スーパーを2軒、本屋さん2軒、100円ショップ1軒、ドラッグストア1軒を回ってお昼に帰宅しました。いろいろ収穫がありました。(100円ショップだけはハズレでした。)お休みだしと思ってお昼に調子に乗って日本酒の4合瓶を開封したら、ほとんど飲んでしまって椅子で寝てしまい、派手に転げ落ちました。幸い怪我はありませんでした。(馬鹿…) 夜はほとんど食べず、夜中までずっとアブストラクトゲームのルールを調べたり読んだりしていました。今日は元気です。






9月14日(月) Coffinの連結キューブのピラミッド構造をアーテックブロックで作ってみる(その1)

 ちょうど1か月前、8月14日のひとことで、Coffinの3ピースブロックパズルの三角錐構造のCGをいくつかご紹介して、

 「このかたち、面白いです。ブロックで模型を作ってみることにしました。」(つづく)と書いていました。他の話題に埋もれて、この続きを書いていなかったと思うので、今日はその写真をいくつかご紹介します。



 最初に、パズルとして遊べるように3ピースのブロックを3色で色分けしたもの(Fig.1左)と、完成形の見本として分解はできない単色(白)の同じ構造(Fig.1右)を作ってみました。

Fig.1

 Coffinのパズルのピースはこんなかたちです(Fig.2)。実は黄色のピースはアーテックブロックの突起が1つ、飛び出してしまっています。(この写真ではそれがわからない姿勢にしています。)単位立方体の4分の1しか隣のキューブに接していないので、3つの突起のうち1つはどうしても余ってしまいます。残念です。

Fig.2

 完成形の別な方向からの画像です(Fig.3)。これ、たった3ピースなのに難しいです。なぜ難しいかというと、完成形の構造がわかりにくいためだと思います。

Fig.3

 冒頭のCGの2つ目の、一辺が4の三角錐の模型も作ってみました。これはパズルのように遊ぶことを想定していません。

Fig.4 Fig.5

 この構造、もう少し派生するかたちを作ってみました。

(つづく)



 ふとしたきっかけで、昔の吹奏楽コンクールの課題曲をYouTubeで聴きました。1978年度課題曲(A)のジュビラーテ。1979年度課題曲(A)のフェリスタス。1980年度課題曲(B)の吹奏楽のための序曲「南の島から」。人数が足りなくて、いきなり1年生の夏からコンクールに出場させてもらいました。トロンボーンとユーフォニウムを掛け持ちしていました。コンクールの会場はいつも同じ市内の中学校だったのですが、学校から徒歩で1時間以上かかる距離で、ティンパニとかチューバとかコントラバスなどの大きな楽器は車で運んでもらえるのですが、一番悲惨なのがトロンボーンやユーフォニウムくらいの大きさの楽器で、これは自分で運ばなければなりません。これがとても大変でした。県大会に行ったときにはバスで移動だったので楽器を運ばなくて済んだのが助かりました。

 特にフェリスタスは好きで、コンダクタースコア(大譜表に全パートが書かれているもの)を書き写させてもらった気がします。楽譜、まだあるかな…

<おまけのひとこと>
 遅くなってしまいました。急がないと。






9月15日(火) Coffinの連結キューブのピラミッド構造の派生、他

 昨日の続きです。アーテックブロックで、立方体を1辺の半分だけずらして連結する手法で、こんなかたちを作ってみました。

Fig.1 Fig.2

 3色を使っています。いちばんてっぺんだけはグレーのピースにしました。

 これは「ひとつながり」になっているのではなくて、三角形の「輪っか」の構造を作って、それをブロックのように積み重ねているのです。

Fig.3

 上の写真の左から2番目と右から2番目は同じかたちです。一番左はパーツ4個の四面体構造ですが、一番右はパーツ3個の三角形の構造です。この2つを合同な構造にすると、Fig.1やFig.2のように立てることができないため、一番右は3個にしました。緑のピースの突起が見えています。これは、理想的には隣のピースに差し込めるはずなのですが、3次元空間内では不可能です。隣の6個のものも、全部の突起を隣のピースに差し込むのはちょっと無理がかかるのですが、これはピースの弾性変形の範囲で組むことができました。

 一番大きい三角形をベースに(Fig.4)、パーツを積み上げてみました(Fig.5)。よく見ると向きが逆でした。

Fig.4 Fig.5

 こんな風に机の上に平面的に並べて組み合わせることもできます。

Fig.6

 面白いです。これは分解するのがもったいなくて、机の上に Fig.1 の状態で飾ってあります。(そのうち飽きたら片付けると思います。)

(つづく)



 ここ一週間ほど、朝食にポーチドエッグを作ってみています。毎朝作ってみて、食べてみて、翌朝はまた少し条件を変えて作ってみて、食べてみて…というのを繰り返しています。一日1回だけの気の長い実験ですが、だいぶ自分好みの作り方がわかってきました。

 どんなふうに条件を変えながら作っているのかをblogのほうに書きました。よろしければご覧ください。

<おまけのひとこと>
 写真、あんまり美味しそうではないですね。「ポーチドエッグ、電子レンジ」なんていうキーワードで検索すると、いろいろ情報が出てきます。まあでも自分で試行錯誤してみるのは楽しいです。卵なので、もともと生でも食べられるので、気楽に実験しています。楽しい…






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