[Home]-[以前のひとこと]-[2020年8月後半]

以前の「ひとこと」 : 2020年8月後半



8月16日(日) タングルとスネークキューブによる74の結び目

 先日、スネークキューブのパーツを用いた三葉結び目と8の字結び目をご紹介しました。

Trifoil knot, Figure 8 knot

 対称性が高くて美しい、別なタイプの結び目の模型も作ってみたいなと思って、こんなときにはいつも眺めるA Knot Zooを見てみました。スネークキューブでは比較的作りやすそうな74の結び目を作ってみることにしました。

 74の結び目というのはこんなかたちをしています(Fig.1)。

Fig.1 : 74 knot by "Tangle" parts.

 2年ほど前、このタングルのパーツを用いた結び目模型を盛んに作っていたころがありました。確かこの74 はご紹介していなかったような気がします。今日の更新のために 74 の図を作ろうかなと思ったのですが、この際タングルの模型の写真にしてしまおうと思って先ほど撮影しました。

 保存してあるケースを出してきたので、その写真も撮りました。(blogのほうにも簡単な解説を書きました。)

Tangle knots collection

 このコレクションも気に入っています。



 というわけで、スネークキューブでこの74を作ってみました。試作なので、青1本と赤3本で作りました。

Fig.2 : 74 knot by Four "SnakeCube"

 写真右側は余った部分を折り返しているのでカッコ悪いですが、本来は写真左側と同等な構造になるはずです。

 こんな状態から作り始めました(Fig.3)。

Fig.3

 2本の状態と4本の完成形の状態を、視点を下げて長手方向から見てみました(Fig.4, Fig.5)。

Fig.4 Fig.5

 余った部分が気に入りません。でも、スネークキューブをばらして接着してこの模型を作りたいか、というと、ちょっと違う気がします。まずはCGを作ることにしました。

(つづく)



 アサガオが咲きました。

Fig.6 : bud
Fig.7 : flower

 妻が「青いアサガオ、という触れ込みで苗を買ったんだけど、イメージしていた青いアサガオとちょっと違う」と言っています。でも、ちゃんと咲いてくれて嬉しいです。

<おまけのひとこと>
 今日でお盆休みも終わりです。今日は送り盆です。明日からいきなりエンジン全開で仕事です。






8月17日(月) スネークキューブの74の結び目のCG

 昨日ご紹介したスネークキューブによる74の結び目のCGを作ってみました。Fig.1 は平行投影法による一般的な視点からの画像、Fig.2は透視投影法による一般的な視点からの画像です。(Fig.1をクリックすると、回転するアニメーションが表示されます。)

Fig.1 Fig.2

 使っているユニットの数は88です。真上から見下ろしてみました。

Fig.3

 Fig.1をクリックすると表示されるアニメーションをご覧いただくとわかりやすいと思うのですが、この結び目モデルは二層構造になっていて、全体として「平べったい」かたちをしています。もともと結び目の射影図というのは交点での上下関係が表現されているので、結び目の模型は二層で表現できるのはとても自然です。これまでは立体的な対称性が高い形状を作ってみていましたが、素直に射影図を立体化した、二層構造の結び目模型をスネークキューブで作るというのも面白そうだなと思いました。

 そもそも、任意の結び目の射影図をスネークキューブで二層構造で実現できるのでしょうか?(これを示すのはそんなに難しくなさそうです。)

(つづく)



 昨日(8/16)は送り盆で墓参りに行ったのですが(ちなみに外出自粛の折ですが、お墓も実家も同じ県内で、日々通勤している勤務先よりも近いくらいです)、実家の母の部屋に窓用のエアコンを設置してきました。何年も前から「年配者には近年の夏の暑さは本当に危険だから、お願いだからエアコンを設置しよう」と言っていたのですが、旧い土壁の土蔵を改造した建物なので配管を通すのが心配とか、いろいろと工事をしたくない理由を並べて、「エアコンなくても大丈夫だよ(工事したくない)」という主張にずっと折れてきました。

 昨日、「さすがに今年は暑いし、窓用のエアコンなら(工事業者の人ではなくて)自分(=息子である私)が設置できるよ」と言ったら、「そうだね、じゃあ悪いけどお願いしようかな」ということになったので、すぐに電気屋さんに行って、1台だけ残っていた在庫を買ってきて設置しました。とても喜んでもらえてほっとしました。まだ暑い日が続きそうで、うまくエアコンを活用して欲しいと思っています。



 せっかく実家に行ったので、100円ショップのダイソーに寄ってスネークキューブがあったら買ってこようと思っていたのですが、車で10分〜15分くらい走らないとお店がなかったのです。暑い中でのお墓のお掃除をして、その後でエアコンを買ってきて設置するという作業でかなり体力を使ったので、翌日からの仕事のことを考えて寄り道や遠回りをするのはやめました。

 そのかわり、帰り道の途中にある100円ショップ「シルク」のお店にちょっと立ち寄ったのです。そうしたらなんと、「タングル」(もどき)があったのです。

Fig.4 Fig.5

 昨日の更新で、ちょうどカプセルトイでたくさん買った「タングル」(もどき)で作った結び目の模型をご紹介したところだったのでタイムリーで本当にびっくりしました。カプセルトイのほうは200円でしたが、こちらは100円ショップなので、税込み110円です。とりあえず店頭にあった6セットを買い占めてきました(660円)。株式会社成近屋という大阪の会社の製品のようですが、ホームページには製品情報は見当たりませんでした。きっと商品の回転がはやいのだろうなと思いました。

 さっそくいろいろと作ってみています。作るのはやっぱり結び目モデルなのですが、前回とは違うアプローチで考え始めました。面白いです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日作ったタングル(もどき)の小さな結び目モデルをほれぼれと眺めていたら、遅い時間になってしまいました。そろそろ5時です。急がないと。






8月18日(火) スネークキューブで平面的な三葉結び目を作ってみる

 結び目の射影図を描くときは交点の上下がわかるような描画をします。その構造をスネークキューブで忠実に再現すれば、二層構造の平面的な結び目の模型が作れるということに気が付きました。まずは一番シンプルな31の結び目である三葉結び目を作ってみることにしました。

 三葉結び目は、その名の通りFig.1 の左のように表現されることが多いですが、右のような表現もあります。この2つは図としては全く異なりますが、結び目としては同じ31なのです。

Fig.1 : two types of trifoil konts

 机の上に置いて写真を撮ってみました。

Fig.2 Fig.3

 Fig.2の模型、交差している3か所以外では、パーツ同士が面が接触しているところがないのがいいなあと思っています。Fig.3の模型は、以前ご紹介した2本のスネークキューブののらせん構造の両端をつないだかたちになっています。

 これらはこうやって立てることもできます。

Fig.4

 こんな角度にしてみると、また印象が変わります。

Fig.5



 以前ご紹介した三葉結び目のモデルはこんな構造でした。

 これは42単位を使っていました。なので、通常の24単位のセットに加えて18単位分を接着する必要があって、作業はけっこう大変でした。

 今回ご紹介した平面的な三葉結び目のモデルはいずれも48単位で、スネークキューブの通常のセット24単位をちょうど2つ使っています。そのため作るのがとても簡単です。また、平面的な構造のおかげで収納が楽なのです。少し厚手の透明な書類ケースに楽々おさまるため、ケースに入れて積み上げても場所を取りません。その点もすばらしいです。(今度ケースを買ってこないと…)

 本日ご紹介した2つのモデルは、スネークキューブが2つあれば作ってみることができます。100円ショップなどで安価に入手できる(こともある)ので、ぜひお試しください。腕に覚えのある方でしたら、完成品の写真は見ずに射影図だけを見て(もしくは何も見ないで)作ってみることをお勧めします。意外と発見がありますよ。

(つづく)



 結び目の模型の場合、少し複雑な結び目になってくると、出来上がったかたちから結び目の種類(タイプ)を判別するのはけっこう大変です。しばらく前に作った結び目の模型、すでにどれがどれなのかあやふやになってきています。模型にラベルか何かを付けておかないとまずいな、と思いました。

 今作っている“タングル”を使った結び目の模型はもっと小さいのですが、これこそなんの結び目なのかすぐにわからなくなりそうです。これもラベルが必要です。



 先日ご紹介した山清路(linkはwikipediaです)について、その後も少し調べてみています。ここはどうやら信濃十名所とか信濃十名勝とか言われるところの1つらしいのですが、検索してみても、その10箇所のリストが見つかりません。山清路峡と、蓼科の杜鵑峡(とけんきょう) (余談ですがここは我が家から車で5分くらい、最寄り駅に行くよりも近い場所でしたが今まで聞いたこともありませんでした)くらいしか「信濃十名所」を名乗っていないのです。

 どうやら昭和3年(100年近く前!)に、当時の中部地方の新聞社が読者投票で選定したらしいのです。ところがその結果を発表した当該記事が見つからないのだそうです。こちらのレファレンス協同データベースという、国会図書館が構築している調べ物のデータベースに問い合わせがあったようで、調査結果がこちらに載っていました。

【質問】 昭和3年に新聞『新愛知』が読者投票により「信濃十名所」を選定したらしい。このうち5か所は、木曽駒ヶ岳、杜鵑峡(とけんきょう)、山清路峡(さんせいじきょう)、鳥居峠、塩尻峠御野立所と分かったのだが、他の5か所を知りたい。

 結論(回答)は「不明」とのことですが、回答プロセスがすばらしいです。こういう調査、おもしろいですね。県立長野図書館がこの調査を行ったようなのですが、こういった記録を辿れるということが重要なのだと思いました。

<おまけのひとこと>
 昨日、個人携帯に妻から「(100円ショップの)シルク で、くねくねリングを4つ買いました」という連絡が入ってびっくりしました。その前日に買った6つはすでに半分くらい使ってしまったので、とてもありがたかったです。






8月19日(水) スネークキューブの平面的な三葉結び目のCG、他

 昨日ご紹介した、スネークキューブ2つ分で作れる三葉結び目の2種類の表現、

かたちが気に入ったのでCGも作ってみました。画像をクリックすると、少し大きなアニメーションを別窓で表示します。

Fig.1 Fig.2

 アニメーションファイル、最初は180度回転で(元に戻るので)十分かなあと思ったのですが、それだと色が反転してしまうので、360度回転のアニメーションを作りました。

 この2つの「三葉結び目の表現」、私としては「スネークキューブ2セットあったらぜひ作ってみたいもの」の上位に入るかたちかなあと思いました。(おそらく世の中的には少数意見。)

 そのほかの結び目についても試してみたくなりました。

(つづく)



 結び目について検索していたら、結び目理論を応用した領域選択ゲーム(河内明夫, 清水理佳, 岸本健吾)というページがありました。特許も出願されているそうです。htmlのクリッカブルマップによる画面遷移を利用して、実際にブラウザで遊べるようになっています。(すごい)

 実際にいじってみるのがいちばんわかりやすいので、上記のページに行って試していただきたいのですが、たとえばこんな問題などが用意されています。(これは単なる画像です。)

Fig.3 Fig.4

 ライツアウトというパズルゲームがありますが、操作性や目的などはこのライツアウトと似た感じです。

 発明者のお一人の清水理佳氏の結び目理論から生まれたゲーム「領域選択ゲーム」というページに、この「領域選択ゲーム」の理論的背景と攻略法について書かれています。お勧めです。

 「どんな結び目のどんな初期状態からでも、この領域選択ゲームは解くことができる」というのはとても面白いと思います。



 上の Fig.4 は交差数が3なので、交差の上下のパターンは23=8通りあります。この8通りのうち、いくつかは自明な結び目で、いくつかは31の三葉結び目になるはずです。

 Fig.3のほうは交差数が6なので、交差の上下を入れ替えてできる結び目の数は26=64通りあるはずです。交差数6までの結び目は、01(自明な結び目)、31(三葉結び目)、41(8の字結び目)、51、52、61、62、63の8通りありますが、これ全部できるのかな、できそうだな、と思いました。

 「与えられた射影図の交点の上下を適切に入れ替えることで、その結び目の交差数以下の任意の結び目を作れるか?」という疑問が浮かびました。専門家なら一発で答えてくれそうです。

<おまけのひとこと>
 昨日はほぼ丸一日じゅう社外とのweb会議で、かなり大変でした。






8月20日(木) 回文素数

 今日はちょっと更新の準備の時間が取れなくて簡単な内容です。



 言葉遊びのジャンルに「回文」(palindrome)といのがあります。「とまと」「しんぶんし」「たけやぶやけた」の類の、前から読んでも後ろから読んでも同じになる言葉(文)です。数字でも575とか2002とか、同じように対称になっている数字というのはいくらでも考えられて、これは「回文数」(palindrome number)と呼ばれます。たとえば回文数と196(西山豊:2013)という小論は大変興味深いです。

 なんの条件も付けなければ、回文数はいくらでも作れますし見つけられます。そこで、何か条件を満たす回文数が調べられています。たとえば平方数やN乗数になっているもの、素数になっているもの、などです。また十進法だけでなく基数を変えた自然数についても調べられていたりするようです。

 例えば素数の回文数(回文素数)は、小さいほうから

2, 3, 5, 7, 11, 101, 131, 151, 181, 191, 313, 353, 373, 383, 727, 757, 787, 797, 919, 929, 10301, 10501, 10601, 11311, 11411, 12421, 12721, 12821, 13331, 13831, 13931, 14341, 14741, 15451, 15551, 16061, 16361, 16561, 16661, 17471, 17971, 18181…

 これらが知られているそうです。(A002385:palindromic primes( The On-Line Encyclopedia of Integer Sequences:オンライン整数列百科より)

 現時点で知られている回文素数のうち最大のものは474,501桁あって、両端が1、中央に9が3つ、それ以外は全てゼロ、という数だそうです。2014年に発見されたらしいです。

The largest known decimal palindromic prime

 情報源はこちらのAntipalindromic numbersという論文です。肝心のこの論文の主張していることはまだちゃんと読めていないのですが、冒頭の 1.Introduction に紹介されていたこの数字が面白くて、今日はそれだけのご紹介でした。



 デイリーポータルZの京都のギリギリ駐車コレクションという記事がすごかったです。我が家の駐車場も決して広いとは言い難く、車庫入れをする前に助手席側の人には降りてもらわないと体格によっては降りるのが困難になるくらいなのですが、ちょっとレベルが違うと思いました。

<おまけのひとこと>
 お盆を過ぎて朝夕はだいぶ涼しくなってきました。昨日の朝の出勤時に車に乗ったときの外気温は18℃と表示されました。昼間は相変わらずものすごく暑いですが。母から「エアコンがものすごく快適」という連絡があって、良かったと思っています。






8月21日(金) スネークキューブのSolomon's Link

 スネークキューブちょうど2つで三葉結び目の2種類の表現を作れます、というのをご紹介しましたが、

 絡み目についても考えてみました。Fig.1 は2成分絡み目(link)のうち、簡単なほうから3種類を示しています。この3つにはそれぞれホップの絡み目(Hopf Link)、ソロモンの絡み目(Solomon's Link)、ホワイトヘッドの絡み目(Whitehead Link)という名前がついています。

Fig.1

 それぞれの図の上に、上付き、下付きの添え字が書かれた数字がありますが、これが絡み目の分類名称になります。たとえばホワイトヘッドの絡み目521 ならば、5は交差数を示し、上付き添え字の2は絡み目の成分の数を示し、下付き添え字の1が通し番号を示しています。



 ホップの絡み目はあんまりおもしろくないので、ソロモンの絡み目を作ってみました。1つの成分の輪っかを1つのスネークキューブで作ること、それぞれの成分のかたちは同じであること、対称性が高いこと、を目指しました。こんなかたちができました。

Fig.2
Fig.3
Fig.4

 ほかにも何例か作ってみましたが、これが一番気に入っています。色違いで作るとわかりやすいです。これも「スネークキューブが2セットあったら作ってみるのにお勧めなかたち」です。

<おまけのひとこと>
 7月に受診した健康診断の結果が出てきたのですが、これがかなり悪かったのです。うーむ。






8月22日(土) 排他的論理和によるセル・オートマトンの三角形

 計算機のビット演算の基礎として、論理和(OR)、論理積(AND)、排他的論理和(XOR)、論理否定(NOT)の4種類の論理演算があります。最初の3つは二項演算子、最後のNOTだけが単項演算子です。このうち、二項演算子であるXORを使ってセル・オートマトンをいろいろ調べてみたという論文があって、とても面白かったのです。

 具体例で説明します。下のFig.1 をご覧ください。下向きの三角形のかたちに白マル、黒マルが並んでいます。一番上の行に黒 白 白 黒 黒 黒が並んでいて、2行目は、1行目の2つのマルの間に白マルか黒マルが描かれています。これは、上の行の隣り合うマルの排他的論理和の演算結果になっています。排他的論理和なので、黒黒→白、白白→白、黒白→黒、白黒→黒 です。それ以降の行もそうなっているのを確かめてみてください。

Fig.1 Fig.2

 Fig.1 は 39、Fig.2は101、と書かれていますが、これはそれぞれの行の初期値を二進数として読んだときの値になります。

 うまい初期値から始めると、このXOR演算による三角形は美しい3回回転対称のパターンになるのです。もう2つほど例を挙げておきます。

Fig.3 Fig.4

 こちらのCentral zero-triangles in rotationally symmetrical XOR-Triangles.(Michael Thomas De Vlieger, St. Louis, Missouri. 2020)をご覧いただくと、もっとはるかに複雑で美しい回転対称のパターンがたくさん紹介されています。ぜひご覧ください。



 先日、店頭で見かけたフリトレーの「激辛マニア:デスソース コーンスナック」というのを面白がって買ってしまいました。

 辛い物は好きなほうですが、でもちょっと辛すぎて「痛い」感じでした。もう若くないので内臓に無駄な負担をかけるのもよくないなと思ったので、そのまま大量に食べるのは控えることにしました。

 別の日に、とある食品スーパーのワゴンセールで「淡路島産玉ねぎスープ」(味源)というのを見つけて、これは試してみたいなと思って買ってあったのです。

 このスープの中に、デスソースコーンスナックを3つほど入れてみました。あっという間に溶けて、辛そうなオレンジ色のオイルが浮かんできました。スープを飲んでみると、なかなか合っていて良い感じでした。残りはこうやって消費しようと思っています。

 この「玉ねぎスープ」、朝ご飯にクラッカーと一緒に飲んだりしているのですが、おつまみ用のベビーサラミを2mm厚くらいにスライスして入れたりしてみています。すごく簡単で手軽なところが気に入っています。

<おまけのひとこと>
 週末なので簡単な更新です。今日はこれから定期通院です。






8月23日(日) Altekruse

 昨日、定期的に通院している病院で診察をしていただいた後(ちょうど9時くらいに終わりました)、100円ショップの「シルク」の開店時間(10時)までどうしようかなと思って、その付近でこの時間に開いているところを調べてみたら、蔦屋書店が9時開店だったのでちょっと寄らせてもらいました。

 楽しみにしていた4コママンガの「OL進化論」の40巻が出ていたので買ったのですが、店内の文房具やボードゲーム、パズルなどのコーナーを見ていたら、いろいろと魅力的なものが置かれていて、「ああやっぱり実店舗はいいなあ」と思いました。

 パズルコーナーの一角に「木製立体パズル」というパッケージが並んでいました。パズルは6種類くらいあって、いずれも有名なもので既に持っているものがほとんどだったのですが、有名なのに今まで持っていなかったパズルが1種類だけあって、大喜びで買ってきました。(ちなみにそれだけが最後の1つでした。)

 商品名は木製立体パズル チェッカーキューブというもので、日販アイ・ピー・エスが2020年4月から発売しているようです。全部で6種類あるようですが、欲しかったのはこれでした。

Fig.1

 箱の中には透明なビニールで包装された完成形のパズルと、簡単な小冊子が入っていました。包装を取り除いた状態で写真を撮ってみました(Fig.2)。

Fig.2

 これは、Altekruse というパズルの、Coffin氏による14本組のパズルそのものです。昔からこのパズルはとても興味がありました。20年越しくらいで本物を手に入れることができました。

 ちなみに2003年11月に、このAltekruseの12本組を紙の筒で作ってみています。

 12本組に組み替えてみようと思って、分解しようとしたのですがこれがなかなか手ごわいのです。このパズルのパーツの精度があまり良くなくて、正しい方向にパーツを動かそうとしてもかなり強い抵抗があるのです。力をかけている方向が正しいのか間違っているのかがわからないので、パーツを折ってしまわないように気遣いながら分解しました。

Fig.3

 完全に合同なパーツが14本です。カットした木口の面がそのままなので、けば立っています。

 より対称性が高い12本組に組み替えてみました(Fig.4)。

Fig.4

 このかたちのほうが好みです。

 これに「チェッカーキューブ」という名前を付けて、創作者の情報が全くなしで販売されているのは残念に思います。また、せっかくこのパーツを使って12本組ができるのに、その情報も全くありません。たいへんもったいない話です。

 パーツの精度も出来栄えも今一つで、そこは値段との兼ね合いでやむを得ない部分もあるかと思いますが、このパズルを知らない人にはとても遊びにくいのではないかと心配になってしまいます。

 それでもまあ私は20年越しの欲しかったパズルが手に入って満足しました。



 アサガオの花がいくつも咲くようになってきました。

Fig.5

 花の根元を見てみたら、こんな、花の直前のところで枝分かれしていました。

Fig.6

 アサガオってこんな風に咲くのでしたっけ? これが当たり前のことなのか、珍しいことなのか、それとも品種によるのか、そういった知識がないのでわかりませんが、面白いなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 週末なので単発の話題にしました。






8月24日(月) テトロミノ4セットによる橋(その1)

 今日から新しい話題を始めます。



 8月5日のひとことから何日か、「ブロックビルディング」という100円ショップの玩具をご紹介しました。

 これは下の写真のように、5種類のテトロミノ×4色の20ピースのセットでした。

 これを使って橋を作るという遊び(パズル)を考えて、実際にやってみました。

 橋というのはこんなものです。

Fig.1

 これは、橋脚の間が2単位なので、長さ2の橋です。橋は物理的に安定でなければいけません。

Fig.2

 パーツ3つで、長さ4の橋を作ることもできました(Fig.3)。

Fig.3

 このパズルのルールをもうすこしちゃんと書いておきます。

橋を作るパズル
 ・テトロミノ5種類×4個で橋を作る
 ・ピースは横から見たときに単位格子に乗っていなければならない(微妙にずらすのはNG)
 ・橋の「幅」はちょうど1単位分(ピースを鉛直軸回りに90度回転させるのはNG)
 ・物理的に安定でなければならない

 最後の条件は、例えばFig.4 のような橋は真ん中が重くて崩れてしまうのでダメ、ということを言っています。実際のピースで作って、それが安定していなければなりません。

Fig.4

 以上の条件で、できるだけ長い橋を作ってください、という遊びです。例えば人数分だけこの「ブロックビルディング」を用意しておいて、決められた時間(例えば5分とか)で一斉に橋を作って、一番長い橋を作った人が勝ち、とかすると面白いかもしれません。でも周りの人の試行錯誤が見えてしまうとダメですね。

 ひとりで遊んでみてもとても楽しいです。この「ブロックビルディング」、先日ご紹介したように平面的に並べてパターンや色分けを楽しむこともできますし、直方体に積んで遊ぶこともできますし、こうして橋を作って遊ぶこともできます。これは買ってよかったと思いました。(今手元に4セット分あります。そのうち2セットは未開封です。)

 明日(以降)、私が作ってみた橋をいくつかご紹介しようと思います。また、この「ペントミノのセットで橋を作る」というアイディアのオリジナルもちょっとご紹介します。(パズルが好きな、私と同世代以上の方ならご存じだと思います。)

(つづく)



 100円ショップの「シルク」が扱っている「くねくねリング」という玩具

でいろいろ結び目の模型を作っていたら、手元の10個(ピースの数は180個ということになります)では足りなくなって、もっと欲しいなと思いました。県内の「シルク」のお店の所在を調べてみると、既に訪問した2か所以外に4店舗あって、そのうち3店舗は県の東側の比較的近いところのにあることがわかりました。(最後の1か所は勤務先の地域でした。) 昨日の日曜日の午前中にその3店舗を回って「くねくねリング」を集めてきました。

 それで何を作っているかはまた後日ご紹介するとして、珍しくいろいろ雑貨なども買ってしまいました。ベッドのわきに置いている小さな四角い机の角が尖っていてちょっと怖いなと思っていたのですが、そこを保護する「コーナーガード」を買ってきて取り付けました。

Fig.5

 直角の3面に両面テープで貼り付けるのですが、2面は4分の1の円で残りの1面が直角二等辺三角形になっています。なぜ全部同じではないのだろう? とちょっと不思議です。

 1つのコーナーあたり3面あって、両面テープの片面の保護シートを外して、コーナーガードの内側に貼り付けて、その後で保護シートを外して机の角にしっかり押し付けて貼り付ける、という作業は意外と時間がかかりました。保護シートを剥がすのにデザインナイフを使いました。便利でした。

 でもこの作業をするときにちょっと目の焦点が合いにくくて、我ながら歳だなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 今朝は平日としては更新が少し遅くなってしまいました。まずい…






8月25日(火) ペントミノによる橋:『数学パズルの世界』より

 昨日、テトロミノを用いて「橋」を作ってみるという遊びをご紹介しました。この考え方のオリジナルは、『数学パズルの世界 考える楽しみ、解く喜び』藤村幸三郎、小林茂太郎:ブルーバックスB372 講談社(1978年初版) の、第一章:小品集の7番目のトピック“FACOMの橋” です。

Fig.1

 以降の4つの図(Fig.2〜Fig.5)はこの本からの引用です。

 “FACOM” というのは、厚みが1の立体的なペントミノ(正方形5つをつないでできる12種類のかたち)の玩具だそうで、著者らはこれを使って橋を作ってみるということを検討しています。パーツは均質であるとみなし、実際に重力を考慮して、倒れてしまうような構造はNGです。

Fig.2

 パーツは必ず単位立方体の格子に合わせて揃えて配置しなければならず、下の図7(Fig.3)のようにちょっとずらして重心の位置を調整するのはルール違反ですし、図8(Fig.4)のようにパーツの向きを変えると橋の幅が3単位になってしまうので、これもダメです。

Fig.3 Fig.4

 ただしこの本のルールでは、橋桁として用いるI型テトロミノ(5x1のピース)だけは頂点でギリギリ支えられる置き方をしてもOKということにして、橋の長さを定義しています。

 例えば、6ピースを使って高さ3、長さ9の橋ができます。

Fig.5

 本では、用いるテトロミノのピースの数、橋の長さ、橋の高さを指定した問題と解答例が8種類ほど紹介されています。紹介されている橋の長さの最長は13です。

 私はこの本は初版のものを持っていて、多分何度も読みました。他にも面白い問題がたくさん議論されています。今は絶版なのだと思いますが、お勧めのパズルの本です。



 …と、これが昨日ご紹介した「テトロミノ5種類×4セットによる橋のパズル」の元ネタでした。それでは、テトロミノの橋の場合、実際に作れる橋の長さはどのくらいでしょうか? とりあえず私が試したところ、長さが10というのは複数パターン作れました。(上記のような橋桁だけは頂点で支えられる、という例外は無しです。)明日(以降)、実際に作ってみた写真でご紹介したいと思います。

(つづく)



 日曜日に100円ショップの「シルク」巡りをしたときに、400円の撮影ボックスというのがあったので買ってきました。USBケーブルで給電するLED照明付きです。

Fig.6

 撮影した例を2枚ほど載せます。カメラのお任せモードで撮った画像そのままを縮小してトリミングしています。

Fig.7

Fig.8

 全体に少し暗くて、コントラストがやや低い画像です。光源がたくさんあるので、影がたくさん重なっているのが見えます。(画像をかなり圧縮しているのであまりきれいでなくてすみません。)画像処理でコントラストを上げてガンマをいじると、もっとはっきりくっきりした画像になります。

 ちょっとサイズが小さくて撮影できるものの大きさは限られますが、なかなか便利そうです。今は(別に買ってあった)A4サイズの書類入れの中に畳んでしまってあります。今後活用したいと思います。

<おまけのひとこと>
 日本数学協会の機関誌「数学文化 vol.34」が届きました。甘利俊一先生の「AIと数理−事始め、そしてこれから」という記事が面白かったです。






8月26日(水) テトロミノ4セットによる橋(その2)

 さて、実際にテトロミノでもう少し長い橋を作ることに挑戦してみました。昨日のペントミノ1セットの橋では、同じピースは1回しか使えないので橋は左右対称ではありませんでしたが、4セット(4色)で作るので、左右の橋脚は同じ構造になるという限定をかけることにしました。(そのほうが作りやすい)

 まず、片側の張り出し長さが2になるパターンを作ってみました。これを素直に2つ作って並べると、橋の長さは4になります。

Fig.1 : overhang length 2 Fig.2 : bridge length 4

 この片方の橋脚、実物では「片持ち張り出し架設工法」、俗に「やじろべえ工法」と呼ばれる工法で左右に伸ばしながら作ったりするようです。やじろべえ工法っぽく、左右に橋桁を伸ばしたイメージを作ってみました(Fig.3)。

Fig.3

 これだと張り出し長さは3です。でも、2x2のO型テトロミノを4つ全て使ってしまったので、同じものをもう1つ作れません。(上に積むピースを1つ減らすと崩れてしまいます。)

 3つ張り出させるなら、こんな構造で十分です(Fig.4)。これで、長さ6の橋を作ることができました(Fig.5)。

Fig.4 : overhang length 3 Fig.5 : bridge length 6



 別のアプローチとして、昔から橋を作るときに(も)使われる丈夫な構造として、「アーチ構造」というのがあります。要石(かなめいし)、楔石(くさびいし)などと呼ばれるピースを入れることで強固に安定する構造です。

Fig.6 : Arch structure

 中央の青いT型テトロミノが「要石」(キーストーン:key stone)です。これがあることで、左右から押し合った力が釣り合って安定します。赤と黄色の2x2のO型テトロミノが回転して転がり落ちるのを、青いT型テトロミノの下向きの突起が防いでいます。



 さきほどの長さ6の橋の中央に、T型テトロミノをむりやりはめてみました(Fig.7)。

Fig.7 : unstable

 これは不安定です。左の橋脚(赤いO型テトロミノ)の上の緑のL型テトロミノの位置が少しずれてしまって、それでぎりぎりバランスを保っていますが、ルール通りピースの面を合わせるように置くと、この橋は崩れてしまいました。

 そこで、もう少し橋脚を安定させるため、重心の位置を橋の外側になるように工夫してみました(Fig.8)。

Fig.7 : bridge length 7

 長さ7の橋ができました。

(つづく)



 このピース、ご覧のように「中抜き」された構造になっているので、実際にやってみないとその姿勢がバランスして安定してくれるのかわかりません。もともとが小さくて軽いので、きちんと位置決めするのは簡単ではありません。上の写真でも、ちょっとずれているところが随所にあります。定規などを当てて、面を揃えてやると少しましになりますが、「素手でやる」「与えられたピース以外の道具は使ってはいけない」というルールにしておくと、ゲームとしては良いと思いました。

 たとえばアーチ構造を作るとき、実際には下に支えの足場を作っておいて、要石を入れた後で足場を外すといったやり方をします。「与えられたピース」は使って良いので、上手く途中の支えを作って、最後に除去するといった手を使うと面白いかもしれません。でも、これを素手でやるというのはなかなか大変です。

 この「ブロックビルディング」、100円なのに驚くほど遊べます。例えば今日ご紹介した写真の構造を作ってみるだけでも、小さくて軽いパーツなのできれいに作るのは簡単ではないと思います。こういったかたちを作ってみたり、オリジナルの橋に挑戦してみたりするととても楽しいです。今朝もちょっと説明用の絵が欲しいと思って、このセットを取り出して組んでみたらいろいろ発想が広がって、結局今日の写真のほとんどは今朝撮ったものになりました。(おかげで今日も更新に2時間近くかかってしまいました。)

<おまけのひとこと>
 webサーバのファイル容量の制限がきつくて(今時100MBしかありません)、それを気にして画像を小さく圧縮しているため、画像がきれいでなくて悲しいです。いちいち別サーバにリンクするのも面倒だし、別サーバのサービスが終わったらこのページから参照できなくなるし、悩ましいです。






8月27日(木) テトロミノ4セットによる橋(その3)

 テトロミノ5種類4セットを使って、長い橋を作ってみようという遊びをしています。今日がいったん最終回です。

 5種類7ピースを使って、片側の張り出し長さが4になるパターンを作ってみました。

Fig.1 : overhang length 4

 これなら同じものを作れるので、橋の長さが8のものができました。

Fig.2 : bridge length 8

 ちなみに、どのかたちのピースを使っているのかがわかりやすいように、同じ色のピースは接触しないようにピースの色を選んで作っています。(これも自分で決めたルールの1つです。)



 別なアプローチで長さ8の橋を作ってみようとしたものです。これは、ルール通りに頂点を合わせた置き方ができていないのでダメです。

Fig.3

 もっと縦に積み上げることで強度を上げれば、長さ8にできるかもしれませんが、バランスを取って立てるのがとても難しいのです。しかも、左右の橋脚の位置を微調整しようとすると、崩壊してしまったりして、この方針で長さ8を作るのは断念しました。



 作った中で、今のところ一番長い橋が長さ10のものです。

Fig.4 : bridge length 10

 ちょっと「垂れて」しまっているのが気に入らないのですが、橋脚どうしをもう少しだけ近づければ、互いに寄りかかり合ってもっとしゃきっとするはずです。でもそうすると橋が崩れそうで(実際崩れた)、写真が撮れたのはこれが限界でした。

 これは18ピースを使っていて、残りはL型テトロミノ2つだけです。橋脚の一番上に載せれば全部使ったことになるのですが、残りの色が黄色と緑で、緑はどこに置いても色が接触してしまうので、配色が美しくありませんでした。



 5種類×4色=20ピースの制限を外して、I型テトロミノを1つ余計に使った長さ10の橋にしてみました。

Fig.5 : bridge length 10

 使ってよいピースの数を増やせば、もう少し長い橋もできそうではありますが、作るのがますます難しくなります。「ブロックビルディング」1セットというのは絶妙な制限だと思いました。とても面白いのでやってみることをお勧めします。(100円ショップの Can☆do と シルク ではこの製品を見かけました。機会があったら1セット買ってみることをお勧めします。)



 これ、テトロミノを木製立方体で5種類×4組作って同じことをやったら、もっと精度が高いので良くも悪くも作りやすくなるのかな、と思いました。作ってみたくなりました。問題は、「どのピースをどういう姿勢で組んでいるのか」見ただけではわからなくなることですが、それは逆に良い面もあるかもしれないと思いました。

<おまけのひとこと>
 「時間があったら作りたいもの」のリストにまた1つ候補が追加になりました。うーむ時間が欲しい。






8月28日(金) ペンギンの数学、Hex-a-Huddleゲーム

 今日は単発の話題です。



 Math of the Penguins(ペンギンの数学)という記事を面白く読みました。(最近はブラウザの自動翻訳機能がだいぶ性能が良くなってきたので、自動翻訳の日本語で概要を理解してから英語を見るようにしています。)氷点下の気温と強い風にさらされているペンギンは、一羽では耐えられない環境に対して密集して群れをなすことで熱エネルギーを効率的に保って生き延びているのだそうです。

 その群れの陣形が、見事にハチの巣のような六角格子になっているのだそうです。さらに、群れの内部はとても暖かく、外部、特に風が当たる面は非常に寒いので、風に直接あたっているペンギンは風下側に避難するのだそうで、そうするとそれまで暖かい環境にいて体力を温存していた個体が風にさらされ、体温が下がってきて耐えられなくなるとその個体も風下側に移動する、ということを群れ全体として繰り返しているのだそうです。(上記の記事から図を引用します。)

 その結果群れ全体として負荷が分散されて、みんなが生き延びることができるのだそうです。仮に、弱い個体が群れの内部に入れないような仕組みになってしまうとその個体は死んでしまうので、結果的に群れの個体数が減り、安全な内部にいられる個体数は減ってしまいます。各個体が「辛くなってきたら比較的安全な側に逃げる」という行動をしているだけで、全体にとって利益があるようなシステムになっているのがとても面白いです。



 この記事を読んで、このペンギンの群れの行動をボードゲームにしてみた、という記事があったのです。Hex-a-Huddle Board Gameというblogです。六角格子のゲーム盤の上に六角形のペンギンのコマを並べて遊ぶゲームです。写真を引用させていただきます。

Hex-a-Huddle Board Game

 ゲームのルールやバランスをいろいろ研究されたそうですが、現時点で公開されているルールを簡単に要約すると以下の通りです。(たぶんだいたい合っていると思います。)詳しくは上記のblogの記事を読んでください。

Hex-a-Huddle

準備(プレーヤー1人分)
 ・ペンギンのコマ13個:各コマは、ペンギンの現在の体力(0,1,2,3のいずれか)を表示できるようになっている。
 ・六角格子のボード1枚
 ・1〜4の四面体サイコロ1つ
 ・六角形の「風向きコマ」1つ
 ・状態シート

ゲームの目的
 ・生き残ったペンギンの体力の合計値をできるだけ大きくする

最初にやること
 ・13のペンギンのコマをボード上に配置する。「ひとつながり」になっていなければいけない。

1ターンでやること
 1.風が当たっている全てのペンギンの体力を1つ減らす。体力ゼロになってしまったペンギンがいたら、そのコマを取り除く。
 2.風向きコマを60度回して、そのターンの風向きを決める。
 3.四面体サイコロを1つ振り、出た目に5を掛けた数値の数だけペンギンを移動する。移動時は常に他のペンギンに接していなければいけない。
   移動数は、複数のペンギンに好きなように割り振れる。例えば「2」が出たら、移動回数は10。このとき1羽が10回動いてもよいし、3羽が4,3,3回ずつ動いてもよい。
 4.移動が終わった後、外部に露出していない(6面ともペンギンに囲まれた)ペンギンの体力は、一気に最大値の3に回復させる。

ターン数
 ショートゲーム:風向きを順番に6方向に変えて6ターンプレイしたらゲーム終了。
 ロングゲーム:風向きを2周する。12ターン

 いろいろとルールを工夫する余地はありそうなのですが、テストプレイを繰り返してこのルールがバランスが良い、ということなので、きっとそうなのだろうと思います。

 これ、今後の風向きの変化が全てわかっているというルールです。運の要素はさいころで決まる移動数だけ、ということになります。仮に移動数を固定にしてしまえば、純粋に運の要素のないパズルとしても遊べそうです。

<おまけのひとこと>
 ゲームのルールを記述した部分の書式が気に入らないですが、時間がないのでこれで公開します。






8月29日(土) テトロミノの橋を物理シミュレーションしてみる(その1)

 一昨日、「テトロミノのピースを使って橋を作る」という遊びをご紹介しましたが、理想的な系においてその橋が安定なのか安定ではないのかを判定するのは一般的には簡単ではありません。なので実物を作って試してみるというのは「論より証拠」、説得力があります。

 一方で「単位立方体の正方形の面どうしが本当にルール通り正確に位置が合っているのか」は、実物ではかなり微妙です。特に今回のような肉抜きされたスカスカの軽い樹脂製のテトロミノのピースだと、簡単にずれてしまいます。表面の摩擦の問題もあります。またT型テトロミノなどは中まで詰まっている構造と中が空洞の構造とでは重心の位置が変わりそうです。等々、実物は実物でいろいろ課題があります。そこで、何かお手軽にシミュレーションできる環境はないだろうか? と思って探してみました。

 すぐに見つかったのがAlgodoo という二次元の物理シミュレーション環境です。いろいろ凝ったことができるようなのですが、まずは素朴にテトロミノを定義して積み上げてみて、それが倒れる様子を作ってみました。

 Windows10 は標準の環境でアプリケーションの動画キャプチャができたり、時間軸方向のトリミングができたりして便利になりました。(「今さら何を改めて言っているんだ」と呆れられそうですが。)



 こんな風に積み上げると、上の動画のように崩れてしまいます。 

initial state to finished state

 一方で、今回のシミュレーションの条件では、上の構造を鏡像反転して互いに寄りかからせると崩れずに止まっていることがわかりました。

initial state to finished state

 初期状態と終了状態の差がほとんどわからないと思うので、2つを交互に表示するgifアニメーションを作ってみました。

animation

 シミュレータの中で、先日までご紹介したいろいろな橋のパターンを作ってみているのですが、デフォルトのパラメータでは振る舞いが現実のテトロミノのピースとは全然違うということがわかりました。実物のほうが安定させるのがずっと困難です。

(つづく)



 物理シミュレーションといえば、ダイヤモンドより軽く強靭な炭素結晶、筑波大学が存在を予言という発表がありました。Gigazineでもあのダイヤモンドよりもさらに硬い「ペンタダイヤモンド」の存在が予言されるという記事で紹介されています。Pentadiamond: A Hard Carbon Allotrope of a Pentagonal Network of sp2 and sp3 C Atoms で、アブストラクトと図だけは見ることができました。

 美しい構造です。世の中でもっとも硬いと言われているダイアモンドよりも1.5倍くらい硬いと予測されているそうです。

<おまけのひとこと>
 シミュレーション環境をいろいろいじって遊んでいたら、更新が遅い時刻になってしまいました。






8月30日(日) テトロミノの橋の物理シミュレーション(その2)、「よあけ」マグ

 昨日ご紹介したAlgodoo という二次元の物理シミュレーション環境を用いて、テトロミノ5種類×4セットの範囲内でできるだけ長い橋を作ってみよう、という話の続きです。

 シミュレーション環境では、様々な物理定数を設定・変更することができるのですが、まずはインストール直後のデフォルトの状態から変更せずに遊んでみています。そのため、実物とはかなり異なる振る舞いをします。ここを合わせこむのもゲームとしてとても楽しいですが(仕事でやると大変ですが)、そちら方向には進まないことにしました。



 テトロミノ5種類の4色セットで長い橋を作ろう、ということで、シミュレータの中でこんな橋を考えてみました。左右の橋脚からバランスを取ながら橋桁を伸ばしています。隙間を開けているのは、単独で(橋桁の先端を接触させて互いに支え合うことをしないで)自立できるかを試したかったためです。左右の2つの橋脚と橋桁で、4色それぞれ5ピースを全て使っていること、同じ色が頂点も含めて接していないことをご確認ください。

 下の図の左がシミュレーション開始前で、右が時間が経って平衡状態に落ち着いたと思われる状態です。

initial state to finished state

 このシミュレーション環境ではなんとか自立できそうだということ、また、このシミュレーション条件では勝手に微小な振動や回転によってピースの位置関係がずれていっていることがわかります。実物の小さくて軽い樹脂製のピースではこういうことは起こらず、あっという間に崩壊します。これはもっと大きくて重たいものの振る舞いです。



 上の橋(隙間が空いていましたが)の真ん中に、1x4 のI型テトロミノを1つ載せてみました。崩れてしまいました。ただし、このシミュレーション環境のパラメータは対象物(オブジェクト)が大きくて重たい設定になっているので、崩れるのに数十秒かかりました。動画でご紹介します。

 崩れ始めたところからトリミングしています。ものの数秒で、I型テトロミノの橋桁が落ちます。その後、落ちた橋桁がドミノ倒しのように右側の橋脚に力を加えます。その小さな力によってじわじわと右の橋脚が傾き始め、20秒くらいかけてゆっくりと崩落しました。左の橋脚は、動画の5秒くらいのところではかなり左に傾いていますが、その後ゆっくりと元に戻りました。(背景に雲が流れているのは、「シミュレーション動作中ですよ」ということをわかりやすく示しているのだと思います。)

 このシミュレーションの初期位置は完全にグリッドに合わせてありますので左右対称です。このシミュレータはシミュレーション時の(おそらく)微小な振る舞いのところで乱数を使っているらしく、シミュレーションを実行するごとに崩れる方向や崩れ方が異なります。崩落した側の橋脚の一番上のL型テトロミノがもっと遠くまで飛ばされてしまうこともありました。毎回異なる崩れ方を眺めているだけでもなんだか楽しいのです。

(つづく)かも



 8月は私と妻、子供たちの誕生日のある月です。子供たちは巣立ちましたが、今年は子供たちからペアのマグカップの誕生日プレゼントが送られてきました。(最初、ミスがあって容量110mlの小さなカップが送られてきたのですが、本来の320mlのものを再度送ってもらいました。)

“Yoake” : before dawn “Akebono” : dawn/Rising sun

 このカップに「よあけ」と「あけぼの」と妻が命名して、二人で愛用しています。「よあけ」と名付けたのは、有名な(と思います)絵本「よあけ」のイメージからです。

Picture book “Dawn”

 この絵本、30年くらい前に家の事情で大学院を中退しなければならなくなったとき、1学年上の先輩から「これ、いい本なんだ」と言ってプレゼントされたのです。研究室には自然とたくさんの本や文献のコピーがたまるのですが、大学の近くのヤマト運輸に段ボールを買いに行って、自分の本などをそこに詰めて、台車に載せて運んで送ったのですが、その段ボールにさりげなく入れてくれたのです。

 大学の研究室のメンバーとは同期以外は年賀状のやり取り等もなく、今やどこで何をされているのか、それどころかフルネームすら思い出せない(苗字は覚えています)のですが、この本の良さを語ってくれのをよく覚えています。「長谷川君もこれから大変だろうけど」みたいなことは一切言わず、ただ単に、本そのものには何も物語性がないこと、孫とおじいさんが朝起きて湖にボートを漕ぎ出すだけの話(表紙がそれです)なんだけれど、絵がとにかく美しいことを話してくれて、「いい本だから持って行って」と言って、段ボールの本の隙間に差し込んでくれたのです。とても感謝しています。励まされました。

 その本そのものは多分実家に埋もれているのではないかと思うのですが、手元に欲しくなって昨日本屋さんで買いました。ロングセラーの絵本なのですが、地方の小さな本屋さんにちゃんと置かれていて嬉しくなりました。本屋さんへの応援と感謝の気持ちもあって、すぐに買いました。



 これまで使っていたのは、学生時代に妻から(もちろん当時はまだ結婚していませんでした)プレゼントされた小鳥のマグカップでした。

Two little birds 1 Two little birds 2

 左の黄色いほう、ふちが欠けてしまったのでしばらく前から使っていませんでしたが、右のほうは私が愛用していて、ずっと(30年くらい)使っていました。今は食器棚に飾ってあります。「よあけ」「あけぼの」マグカップはこれから長く活躍してくれるといいなと思っています。

<おまけのひとこと>
 ニュートンの逸話で、懐中時計で時間を測って茹で卵を作ろうとして、気が付いたら卵を握っていて懐中時計を煮てしまったという話があります。妻にこの逸話を知っている?と尋ねたら初耳、といわれました。そうかあ、有名な話だと思ったのですが、そうでもないのか。






8月31日(月) 落雷、幾何の問題

 昨晩、夜8時ごろにひどい雷があって、家のすぐ近くに落ちたようでした。すごい光と音がしたと思ったら家じゅうが真っ暗になりました。でも、外の街灯は点灯していましたし、窓から外を見ても、他の家は明かりが灯っているようでした。分電盤を見に行くと、ブレーカが落ちていたのでonにしたら明かりがつきました。ブレーカが保護してくれたおかげで、いろいろな電化製品は無事でした。ところがネットワークがつながらないのです。地下室に設置してあるレンタルのケーブルモデムが、全てのインジケータが消えたままなのです。電源を入れ直してもうんともすんともいいません。現時点ではケーブルモデムの問題なのか、それより外側の問題なのか、よくわかりませんが困ったことになりました。

 停電が続いているわけでもなければ家電製品が壊れたわけでもないので被害はほとんど無くて済んだのはありがたいのですが、ネットワークが使えないのは困ります。(今は暫定的にモバイルルータで接続しています。)ケーブルモデムに貼られているシールにある電話番号に電話してみたのですが、「営業時間は朝9時から夕方6時までです。」というメッセージが流れるだけでした。困ったものです…



 これだけではさみしいので、1つだけ図形の問題を紹介しておきます。(言葉だけで)

 単位円に内接する正五角形A、正六角形B、正十角形Cを考えます。それぞれの辺の長さをa,b,c とすると、a,b,cを三辺とする三角形はどんな三角形でしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この問題、いつかはご紹介したいと思っていましたが、思いがけないタイミングになりました。






[←2020年8月前半]  [↑表紙へ] [2020年9月前半→]

[Home]-[以前のひとこと]-[2020年8月後半]
mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
2001-2020 hhase