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以前の「ひとこと」 : 2020年5月前半



5月1日(金) Nova Plexus の模型を作る(その1)、図形の問題、他

 5月になりました。時間があるので、先日もご紹介した、以前から作りたかった Nova Plexus の模型を紙で作ってみることにしました。

Nova Plexus

 まず、かたちを理解するために、濱中さんのNova Plexus 再考 をテキストに、自分でもCGを作ってみました。紙模型を作ることを目標にしているので、円柱ではなくて四角柱でモデリングしています。

図 1

 最初は、三角形を構成する3本の四角柱が同じ平面上にあるようにして設計してみました。 かたちのイメージがつかみにくいので、いろいろな方向からのCGを作ってみました(図2〜図5)。

図 2 図 3

 図2は、図1と同じく緑の三角形の面の法線方向から見たところですが、視点は反対側になっています。図3は、赤と黄色の三角形が乗っている平面の交線の方向から見たところです。

 図4と図5は、また異なる対称性が感じられる視点から見たところです。

図 4 図 5

 実に面白いかたちです。まずはこのCGをお手本に、紙模型を作ることにしました。

(つづく)



 こんな図形の問題を知りました。

図6:AEの長さは?

 1辺の長さが1の正方形ABCDの辺CDを直径とした半円を正方形の内側に描きます。点Aを通って半円に接する接線と辺BCの交点をEとしたとき、AEの長さを求めなさい、という問題です。

 シンプルで良い問題だと思いました。

(つづく)



 今朝の更新は遅くなってしまったのですが、Google Doodle アーカイブのコーディングというのをむきになってやっていたせいなのです。Googleが提供している視覚的なプログラミング言語のブロックリー(Blockly)というのがありますが、その入門編という感じのゲームです。全部で6ステージの簡単なパズルなのですが、「そのステージを解くために用いるプログラムの部品が最小でいくつ必要か」という目標値が与えられているのです。ついそれに挑戦してみたくなったのでした。

 最後の6ステージ目はこんな配置でした。中央にいるウサギの動作をプログラムで指令して、12本あるニンジンのあるマス全てを通りなさい、というパズルです。同じマスを何度通ってもいいですし、ニンジンがないマスは通っても通らなくてもかまいません。最後のニンジンのマスに到達したところで「成功」で終了です。

図 7

 ウサギに動作を指令するために使えるプログラムの基本部品は「1歩前進」「右を向く」「左を向く」の3種類です。これだけだと、全部のニンジンのマスに移動するためには30部品以上が必要になります。これを間違いなく並べるのはとても面倒です。

 これを避けるために「繰り返し」の部品が用意されています。この部品を使うと、1つまたは複数の命令の並びを指定回数だけ繰り返すことができます。「繰り返し」はネストする(入れ子構造にする)こともできます。繰り返し回数は自由に設定できます(数字部分をクリックしてキーボードから数字を入力)。この「繰り返し」を上手に活用することで、このステージはたった6部品で解くことができる、と示されていました。

 何度かやってみるうちに、これは部品4個で解けるのではないか、と気が付きました。途中経過のキャプチャ画像をこちらに置きました。プログラムも見えているので、見たくない方はご注意ください。ついでに、プログラム部分そのものの画像も用意しました。ご覧になりたい方はどうぞ。

 この解はおそらく邪道かもしれません。でも、このパターンの描くルートはとても楽しいです。

<おまけのひとこと>
 この4個解を見つけたら幸せな気分になりました。私は閉じこもっていてもこういう楽しみがたくさんあるのですが、妻はいろいろ不安もあってストレスが多いようでかわいそうです。私が気が利かなくて無神経なのも事態を悪くしている気がします。ごめんなさい。

 なんだかんだで今朝は更新がだいぶ遅い時間(午前8時半過ぎ)になってしまいました。






5月2日(土) 鉄道駅の発車音楽、図形の問題の解答、他

 連休中なのであまり曜日の感覚がないのですが、土曜日なのでちょっと別な話題にします。こんなデータ(楽譜)を作って遊んでみました。

JRE-Station1.mid (作曲:塩塚博)

 すみません、これは地域限定で、「ああ、知ってる!」という方と「何これ、知らない」という方に分かれるのかなあと思います。JR東日本の山手線などの主要駅でよく聞く列車の発車音楽です。これは素直な調だと思います。

JRE-Station2.mid (作曲:塩塚博)

 これも、その地域で鉄道を利用される方ならよく聞くと思います。1小節目と2小節目の調性が違っていて、かつ音型は同じになっているところが面白いです。でも、この二小節のつながり具合は自然な感じがします。楽譜を見るとますます面白いと思うのですがいかがでしょうか。

JRE-Station3.mid (作曲:塩塚博)

 これも1小節ごとに調性が変わってゆくところが面白いです。こちらは1小節目と2小節目の音型が違います。1小節目と2小節目の調性の関係は先ほどと同じで、シャープが3つ減っています。(同主調の平行調です。パターンや規則性が好きなので、こういう解釈が楽しいです。)

 これらの駅の音楽(駅メロ)を作曲されたのは塩塚博という音楽家なのだそうです。こちらに10秒の駅メロに音楽家としての個性と技術を光らせるというインタビュー記事がありました。

 駅の発車メロディーというのは、出始めのころは賛否両論があった気がします。でも今はすっかり定着して、駅のいろいろな風景の記憶と分かちがたい存在になっていると思います。ピアノの一発芸とかでこういうのを覚えておくと、相手によっては面白がってくれるかもしれません。



 昨日、こんな図形の問題をご紹介しました。

AEの長さは?

 この答えを説明した図をこちらに用意しました。ご覧になりたい方はどうぞ。



 もう1つ、軽い話題を。こちらの twitter が情報源です。

 7658は、5,6,7,8 を1つずつ用いた4桁の数です。この数を3乗すると、4491億313万4312 という12桁の数になりますが、この12桁を構成する数字は、0,1,2,3,4,9 の6種類で構成されていて、もともとの5,6,7,8を使っていません。

76583 =449,103,134,312

 7658というのはこういう性質を持っている数(3乗した結果の値で使われている数字が、もともと使っている数字と重なっていない数)のうち、知られている中では最大なのだそうです。

<おまけのひとこと>
 閉じこもっているので運動不足です。少しでも解消しようと思って、Netにアクセスしているときのちょっとした待ち時間、例えば楽譜のサイトのimslp.orgでpdfの楽譜をダウンロードするときの待ち時間の20秒とか、YouTubeの広告の時間とかに足上げの腹筋をするようにしています。何にもやらないよりは若干ましかなあと思っています。






5月3日(日) Laszlo Molnar 氏の“777”パズル

 石野恵一郎氏のちょいとパズルでもは、たくさんのパズルのデザインが公開されているすばらしいサイトで、しかも頻繁に新しい作品が公開されています。つい最近公開されたLaszlo Molnar 氏の 777 という作品がとても面白かったのでご紹介をさせていただきます。

 このパズルは、単位となる立方体を図1のように7つ連結したかたちのピースを3つ組み合わせて、3×3×3の立方体の中に納めるのが目的です。

図 1

 体積7の合同なピース3つを用いるので、777 という名前が付けられているのだと思います。そもそもこのパーツそのものをちょうど包含する直方体(CGなどの世界ではバウンディングボックス:bounding box と呼ばれる概念です)が3×3×3になっています。

 このピースを3×3×3の立方体に納めたとき、4つのピースが見えている面が2つあることになりますが、片方がL型テトロミノ、もう片方がN型テトロミノのかたちをしています。

テトロミノ

(この図は2016年6月16日にご紹介したものです。)

 果たしてこのかたち、この3次元空間の中で組んだりばらしたり本当にできるんだろうか? と思ったのです。そこで、手持ちのアーテックブロックでパーツを作って実験してみました。

図 2

 はっきりした色のパーツは別の用途で使っていたので、淡い色のパーツで作りました。他人様のデザインなので、組み上がりや途中経過の写真は載せませんが、これ、とても面白いパズルだということがわかりました。今は組立途中(分解途中)の位置関係にした状態で飾ってあります。

 あまり意味はないですが、最近お気に入りの Burr Tools で、解がユニークであることを確かめました。

図 3 図 4

 通常の平行移動ではピースの位置関係は変えられないことも確認しました。(コンピュータに確かめてもらうまでもなく自明ですが…)

 このパズル、ぜひ何らかの材料で作ってみることをお勧めします。この面白さは実物を手にしていじってみないと本当にはわからないと思うのです。私は、こういう単位立方体を繋いだパズルを試作するときには100円ショップで購入してあったこのパズル

頭の体操[9]

を分解して材料にするということを何度かやっているのですが、そろそろ上記のパズルの手持ちのストックがなくなるので、今回はどうしようかな…と思っています。(こんな用途に使ってしまってごめんなさい…)

 今回、途中経過の写真やCGも用意したのですが、パズルの答を明かすのはルール違反なので載せません。「ぜひ作って楽しんでみてください」とお伝えするに留めます(がまんします)。



 昨日ご紹介したこちらの twitter をちょっとさかのぼっていったら、こんな割り算の話が出ていました。

1÷37=0.027027027…
1÷27=0.037037037…

 循環小数を分数に直す計算のやり方をご存じでしたら試してみてください。そうすると、なぜこの2つの分数の関係がこうなっているのかが納得できます。それがわかると、例えばこんなパターンにも気が付きます。

1÷369=0.002710027100271…
1÷271=0.003690036900369…

 ついでにこんなのも。

1÷366663=0.00000272730000027273…
1÷ 27273=0.00003666630000366663…

 27と37に近い数字のペアを探したつもりだったのですが、一桁違ってしまいました。桁が多くなると、だんだん面白さが薄らぐ感じがしますね。27と37というのが絶妙だと思いました。

<おまけのひとこと>
 昨日は夏日でした。いきなり暑くなりました。昨夜、気持ちよくお酒を呑みながらアーテックブロックで “777” をいじっていたのですが、気が付いたら窓を開けたままで寝ていました。寒くて目が覚めました。この新型ウイルス蔓延の事態の中で風邪をひくような行動はもってのほかでした。幸い今朝起きたときにはそれほど体調に違和感は感じていません。気温が上がったからといって油断禁物でした。






5月4日(月) William Hu 氏の Co-Mo Cubeをアーテックブロックで

 昨日ご紹介した、Laszlo Molnar 氏の 777 という作品とよく似た作品として、William Hu 氏のCo-Mo Cube というのがありました。同様に、合同な3パーツで 3×3×3 を組みなさいというパズルです。(777は2020年の作品ですが、Co-Mo Cubeは6年前、2014年の作品です。)

 パーツのかたちを比べてみます。

図 1:Co-Mo Cube 図 2:777

 Co-Mo Cube のパーツは、単位立方体7つに加えて、その半分の直角二等辺三角柱が2個で、体積は8です。この三角のパーツのおかげで、組んだりばらしたりするのはかなり簡単です。

 これも(当然)アーテックブロックで試作してみようと思いました。アーテックブロックにはちょうどおあつらえ向きの三角のパーツがあるのです。

図 3

 ところが、残念なことにこれが組めなかったのです。例によって突起の位置の問題でした。仕方なく、厚みが半分のパーツで代用しました。

図 4

 Co-Mo Cubeのパーツはキラルなので、鏡像体のほうを作れば組めるのではないか?と一瞬思ったのですがダメでした。うーむ残念…



 アーテックブロックの三角のパーツ、たくさん持っているのですが、あまり使い勝手がよくないのです。とりあえずこんな風にらせん状に繋いでみました。

図 5

 土台を作って立ててみました(図6)。

図 6

 この「らせん」を、空間内に対称的に配置できないでしょうか?

(つづく)



 直角二等辺三角形つながりで、こんな図を思い出しました。

図 7

 i2+12 
=(-1)+1 = 0

<おまけのひとこと>
 駅の発車メロディの楽譜を作ってみたりして遊んだついでに、数年前に買ったブルース・ハノンジャズ・ハノンの楽譜を出してきて、遊んでみました。どちらもページにして半分くらい(40ページの手前あたり)までざっと弾いてみました。楽しいです。






5月5日(火) 創作折り紙:長六角形の飾り鉢、他

 今日は昨日の続きとして、直角二等辺三角形のピースを連結したらせんの空間配置の話を書く予定だったのですが、たまたま昨日なんとなく折った折り紙が気に入って、折り方を忘れないように折り図を作ったのです。今日はそれをご紹介することにしました。



 作ったのはA4サイズの長方形から折る、多面体っぽい容器の折り紙です(図1)。真上から中を見下ろしてみました。

図 1:長六角形の飾り鉢

 斜め横から見たところです(図2)。

図 2:長六角形の飾り鉢

 自分用に折り図を作ったので、載せておきます。用紙の片面をクリーム色、反対の面を薄緑色で表してあります。完成品は薄水色の面は完全に隠れてしまいます。

工程1:平面工程

(1).長方形を二等分するように折ります。最終的に外側になる面を上にして折ります。
(2).さらに半分に折ります。
(3).戻します。反対側も同じに折ります。
(4).今折った線を目印に、45°に折ります。
(5).もう一度半分に折ります。
(6).反対側も同じに折ります。
(7).かなり分厚い、舟のようなかたちができました。
(8).目分量でいいので、だいたい3分の1のところでしっかり折り筋を付けます。分厚いですが、重なっている全てに折り筋を付けます。

 次に立体的な工程です。少し図を拡大します。

工程2:立体工程

(9).前の工程で付けた折り筋を手掛かりに、立体的に広げながら、(10)a や (10)b のようなかたちに折ります。多分ここが一番わかりにくいと思います。
(10).側面が、正方形の角を45°に切り落とした五角形になるように整えます。
(11).真横から見たところです。工程(8)で付けた約1/3の折り筋の交点に、正方形の頂点を合わせるように折ります。
(12).さらに、今折った辺の中点と、左右の頂点を結ぶ線で折ります。パーツがかなり分厚くなってきているはずなので、折るのはちょっと大変です。
(13).反対側の側面も工程(11)、(12)と同じように折ります。
(14).最後、広げて形を整えて完成!です。

 ちなみに裏側はこんな風になっています(図5)。紙が厚いため、隙間が大きくなっています。

図 5

 正方形の用紙から折り始めると、もっと細長いかたちができます(図6)。

図 6

 これも悪くないですが、でも長方形から折るかたちのほうが好みです。



 解き方ではなく結果が面白かった図形の問題を1つご紹介します。

図 7:x の長さは?

 円に内接する正三角形ABCを考えます。辺AB、ACの中点を結ぶ水平な線を円と交わる点まで延長します。そうするとその長さが1になりました。このとき、中点を結ぶ長さ x はいくらになるでしょう?

 特に工夫もなく普通に計算をして求めましたが、答は私にとっては意外でした。面白かったです。

(つづく) つづかないかも

<おまけのひとこと>
 家の中でできる運動として、仰向けに寝て足を床からほんの少し浮かせるという腹筋運動をやっています。30秒間足を上げて30秒間休む、というのを15回〜20回程度繰り返します。それを午前と午後に1セットずつやっています。暇なのは苦手なので、タブレット端末でパズルなどをやりながら運動しています。15本目くらいになるとだいぶ息が上がってきて、若干汗ばむくらいになります。だんだん慣れてきたので、回数を増やそうかなと思っています。






5月6日(水) ダイソーのパズルアート

 お休みで家にいると次々と新しいものができるので、ついつい新しい話題を優先して書きたくなります。今日も別の話題になります。



 プリンタのインクがなくなったので、ストックを出そうと思って押し入れを開けたら、以前100円ショップで買った「パズルアート」という箱に目がとまりました。

図 1

 これ、店頭で見かけたときに何か面白いことができそうな気がして購入したのですが、具体的なイメージが浮かばなくてしまい込んだまま存在を忘れていました。この箱を見た途端、先月にご紹介した「直角台形2つを連結したタイルによるパッキング」を思い出しました。

DRT(2つの直角台形のタイル)

 さっそく作ってみることにしました。ベースの板が10×10マス分あるので、6×4マスの長方形に配置するパターンを作ることにしました。パーツが見分けられるように、同じ色が隣接しないように作りました。余ったパーツは前日に作った長六角形の飾り鉢に入れてみました。

図 2

 組んだ部分を真上から見てみました(図3)。

図 3:DRT8ピースによる箱詰め

 この「パズルアート」、平面のパッキングやシルエットパズルを作るという用途に使えるのだと気が付いたので、まずはタングラムを作ってみました。

図 4:タングラム

 この「パズルアート」はイルカやクジラのような図案を作ることを想定していて、青、灰色、水色のパーツはそれなりに数があるのですが、それ以外の色のパーツは少ししか入っていません。でも、ちょうどぎりぎり7色で図4のパターンが作れました。感動です。

 ただ、本来のタングラムは7つのピースを任意の位置や角度で配置して楽しむものなので、この「パズルアート」のように配置できる場所や向きが格子に制限されていると、作れるものはかなり限定されます。

 以前(2018年3月29日)も書きましたが、タングラムのピースで凸多角形は13種類作れることが知られています。

再掲図:タングラムによる13の凸多角形

 これならば各ピースは単位格子に沿った位置にありますから、「パズルアート」で作ることができるはずです。サイズも図4の半分にすれば、1セットで2パターンを作ることができます。やってみました(図5)。

図 5

 うーむ、こうなると13種類全部を作ってみたくなります。手元には2セットしかありません。色を妥協しながらがんばって7種類まで作ってみました(図6)。

図 6

 立体なので、斜めから見るとこんな感じです。

図 7

 とても気に入りました。しばらく飾っておこうと思います。できればあと数セットどこかで見つけて購入して、全13種類を同時に作って飾りたいなあと思いました。



 昨夜、「紙の結び目を3種類くらい作ってみたのだが、もし型紙があったら貰えないか」というメールがドイツから届きました。びっくりしました。おそらくこのあたり(紙の結び目)の記事の図を見ていただいたのだと思いますが、喜んでデータを差し上げました。内容の要約だけでも英語のページを作りたいなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 「パズルアート」、ああやっぱりもっとたくさん買っておくんだった、と後悔しています。(我が家にはそうやって私が集めてしまった「いつか何かに使うかもしれないガラクタ」がたくさんあります。)

 そもそもなんでダイソーの「パズルアート」で遊び始めたかというと、プリンタのインクカートリッジを交換するためでした。なぜプリンタで印刷したいと思ったかというと、作りたい紙模型を設計したからでした。でもそのことはすっかり頭から抜けてしまって、まだカートリッジ交換をしていません。






5月7日(木) 数字のかたちのピースの箱詰めパズルをデザインしてみる

 後々紹介しそびれるのを避けるため、新しい話題をどんどん書いてゆくことにしました。



 いかにもありそうなパズルですが、数字のかたちをしたピースを使った箱詰めパズルを考えてみました。この手のパズルを最初に考案されたのはどなたなのか、すみません、知見がありません。

 一応、実物を作って手で解くことも想定して、各パーツは辺でつながっていること、全てのピースが異なること(例えば2と5、6と9は違うデザインにする、8と0も外周のかたちが異なるようにする)を意識しています。それぞれのピースは5×3マスのなかに収まっています(Fig.1)。

Fig.1 : 15 x 10

 図1は、10個のピースを15×10(150マス)の中に収めたところです。各ピースが5×3に完全に包含されるので、これは自明です。ご覧になってすぐにわかるように、これを13×10(130マス)に縮めるのは簡単です(Fig.2)。

Fig.2 : 13 x 10

 さて、この10ピースを詰められる箱(長方形)をどれだけ小さくできるでしょうか? 各ピースを構成している単位正方形を数えてみました(Fig.3)。 

Fig.3 : total 103 unit

 穴のあいた数字である6,8,9,0は、その穴もその数字に含まれるものとして計算しています。合計で103ユニットになりました。

 そこでまず、11x10(110ユニット) を試してみることにしました(Fig.4)。これは一応手作業でも解が見つかりました。計算機で探索してみたら、58解出てきました。

Fig.4 : 11 x 10 (58 solution)

 次に、12x9(108ユニット) を試してみました(Fig.5)。こちらは手作業では諦めました。計算機はたった1つだけ解を見つけてくれました。

Fig.5 : 12 x 9 (only 1 solution)

 …すみません、正直に告白します。さも偶然ユニーク解が見つかったかのように書いてしまいましたが、本当は解がユニークになるように、数字の1のピースのデザインを1か所だけ変更したのです。

 解の図は明日までに準備しようと思います。直接トップページからは見えないようにしますので、解を見てしまいたくない方も大丈夫です。

(つづく)



 一昨日の更新で、こんな器の折り紙をご紹介しました。

 この折り図を作成するとき、途中経過の立体的な視点の図が欲しくなって、最初は適当にフリーハンドで描いてみたのです。そうしたらあまりにもカッコ悪くて、参考にならないどころか理解できない、罪深い図になってしまいました。仕方がないのでパーツの寸法を計算してCGを作ったのです。

Fig.6 Fig.7

 この図をトレースして、一昨日の折り図を作ったのでした。正確な図は美しいなあと思うのです。

<おまけのひとこと>
 以前、一緒に古楽のアンサンブルをやっていた方から久しぶりにメールをいただきました。なんとお返事を書こうかなあと思いながら、まだ返信できていません。






5月8日(金) 共有点を持たない格子上のポリオミノ(その1)

 正方形を連結した「ポリオミノ」と呼ばれるかたちを用いたパズルは盛んに研究されていて、新しい概念がどんどん出てきます。ポリオミノの箱詰めで、各ピースをを格子上に配置するというのは最も基本的なルールですが、このときに「互いに接しない」「頂点すら共有してはいけない」という条件でポリオミノのパッキングを行うというパズルが提案されているということを知りました。

 例えば簡単な例で、5種類のテトロミノを考えてみましょう。

Tetromino

 これを、「接触しない箱詰め」(untouched packing) してみましょう。7x6 と 8x5 の例を挙げておきます。これは簡単なので例題としていきなり解を載せておきます。

Fig.1 : 7 x 6 Fig.2 : 8 x 5

 この「非接触箱詰め」を、昨日デザインしてみた数字のかたちのピースでもやってみました。わざわざ解いてみようという奇特な方はいらっしゃらないと思うので、これも例を挙げてしまいます。これは 14 x 14 の枠に収めてみたものです。

Fig.3 : 14 x 14

 ご覧のように、数字の 8 は上下に1単位分動く余地があります。また、そもそも「非接触箱詰め」ルールでは、数字の 8 と 9 は入れ替え可能で、あまり面白くありません。

 探索してみると、14 x 13 に詰めることができました。一応、解を見るためにはひと手間かけていただくようにしました。(下記リンクを開いてください。)

数字ピースの非接触箱詰めの解:14 x 13 answer of digit-tyle_UNTOUCHED_packing : 14 x 13

 この解のほうが自明でなく、ピースのかたちをうまく活用した非接触箱詰めになっていて気持ちがいいです。

 この、ポリオミノの非接触箱詰め、面白そうなのでいろいろ試してみることにしました。

(つづく)



 そういえば、忘れないうちに、昨日の数字のかたちのピースの通常の条件での箱詰めの解の例の図を載せておきます。

数字ピースの箱詰めの解:11 x 10 answer of digit-tyle-packing : 11 x 10
数字ピースの箱詰めの解:12 x 9 answer of digit-tyle-packing : 12 x 9

 この無駄のなさ、絶妙な感じがなかなか面白かったです(自画自賛)。



 もう一つ別な話題です。 Donald Osselaer 氏がデザインされたというLithiumという名前の3枚の板状の組木をスチレンボードを切って作ってみました。

Fig.4 : Lithium

 1枚のパーツは 7 x 5 x 1 で、3つとも異なる切り欠きが入っています。いちばん見栄えの良い方向から撮った写真です。

<おまけのひとこと>
 つい数日前は30度近くまで気温が上がってとても暑かったのですが、昨日はあまり気温が上がらず、今朝は遅霜の予報も出るくらいで寒い朝です。体調がおかしくなっています。机の下の足元にパネルヒーターを置いて温めています。いい感じです。






5月9日(土) 教材用 木工屋さん (株)吉理

 先日、「手持ちの立方体の材料が底をつきかけている」という話を書いたら、いつもたいへん有用な情報を下さるMさんから、教材用 木工屋さん 株式会社吉理 というところの製品がお勧めですよ、と教えていただきました。Mさんも、あの葉樹林さんから教えていただいたのだそうです。

 教えていただいたホームページをよくよく拝見して、5月4日(月)の朝に、15mm角(在来工法の木造建築の世界でいう五分角ですね)の立方体の「選別白木材」をとりあえず1,000個欲しいのですが、とメールを差し上げました。特にメールのお返事とかはなくて、「これは連休中だからなのかなあ」と勝手に想像していたのですが、昨日の午後、突然宅急便が届いて納品されました。たいへんびっくりしました。すぐに郵便局に行って支払いを済ませてきました。

 梱包を開けると納品書と請求書、振込用紙が入っていて、その下にぎっしりと立方体が詰まっていました。1段あたり 10 x 15 = 150個、一番上の段は100個なのでしょう、ばらっとした感じでした。写真1は、すでに試作して1段目をほぼ使い切ったところで撮ったものです。(使った数と残っている数を足すと1段目は100個以上入っていたみたいです。ありがとうございます。)

Fig.1 : 1,000 wooden cubes, 15mm square

 さっそくいくつか試作をしてみました。まずは、つい先日もご紹介した777のパーツと、 1月下旬にご紹介したGalaxy Craft #156を作ってみました。いずれも高精度で作ってみたかったパズルです。

"777" "GalaxyCraft #156"

 どちらも合同なものを3つ、作りました。気持ちよくしっかり組める、たいへん美しいパズルを作ることができました。感激です。

 GalaxyCraft #156 のほうは、互いに鏡像対称になっている2セット分をつくって、2つ重ねにして6本組木風にして飾ってあります。下の写真は片方だけ組んだところです。

Fig.2 : GalaxyCraft #156 (2 sets of mirror image symmetry)

 ちなみに777のほうは、実際に組んだりばらしたりするために若干の面取りが必要で、どこをどう削ろうかというのを試行錯誤するのも楽しかったです。

 石野さんのサイトのPut-Together (polyomino : 3×3×3)を見ると、たくさんの3x3x3を構成できるピースのセットが、いつ、誰がデザインしたのかを含めて紹介されています。これを端から作って試してみたくなりました。とりあえず1つ作ってみたものです。

Fig.3 : sample of 3x3x3

 この精度の高さがすばらしいです。新しいブロックをたくさん手に入れて、「さあ何を作ろうか」と思っているときのわくわく感に通じる楽しさがあります。自分で接着しなければいけないという手間と、接着したら分解できないという点ではブロック玩具のほうが使い勝手が良いですが、木製立方体は余計な凹凸がないこと、必要に応じて面取りなどの後加工もできること、自分で自由に着色などもできること、そしてコストが安いことが大変魅力的です。



 朝4時ごろ、まだ暗い窓の外を見たら、谷の向こうに見えている街灯の列の様子がいつもとちょっと違うのです。写真を撮ってみました。

 真っ暗なので、ガンマ補正をかけてみました。

Fig.4 : original picture
Fig.5 : Gamma correction 2.0
Fig.6 : Gamma correction 3.0

 水が張られた田んぼに街灯が映っていました。ここに住み始めた二十数年前は、この時期は一面の田んぼで、田植え前は湖の上にいるようでした。今は休耕田も増え、太陽光発電システムが随所に作られ、稲作をしている田んぼは少なくなりました。

<おまけのひとこと>
 昨日の朝、庭の雑草を取りました。もうそんな季節です。






5月10日(日) パズルGELO-440、他

 木製立方体をたくさん手に入れたので、いろいろ作ってみたいなと思って調べています。石野さんのサイトを眺める中で、GELO-440(Oleg Smol'yakov 2015)というのが目に留まりました。これは組木パズルというよりはキャストパズルのような「知恵の輪」的な動きをするもののように見えます。面白そうです。

 検索してみるとGELO-440というページがありました。

Fig.1 : GELO-440

 こんなパーツ(Fig.2)を組むもののようです。青と緑は合同で、11個の単位立方体から成るかたちです。(例によって BurrToolsを使って調べています。)

Fig.2

 よくわからないのですが、裏も表も同じになるように組むようです。

Fig.3

 アーテックブロックで実物を作って研究してみました。両面が同じになるようにします。

fig.4 fig.5

 組立・分解のことを考えなければ、2つのピースの配置は以下の3通りが考えられるはずです。

fig.6 : center fig.7 : apart fig.8 : bias

 板パーツとの相対位置関係がわかるように簡単なアニメーションを作ってみました。

Fig.9

 これ以上は書きませんが、これはとても面白いパズルでした。よくできています。

 これを木製立方体で作るなら、パーツを色分けしたいなあと思うのです。なのでとりあえず製作は保留しています。



 昨日の更新で、街灯が田んぼに映っている写真を載せましたが、同じ時刻に撮った月の写真です。

Fig.10

 これは撮影条件はフルオートで、単に縮小しただけで載せています。リサイズ以外の画像処理は行っていません。こういう写真が手軽に撮れるようになったというのは感慨深いです。(そんなに良い写真ではないことはもちろん自覚していますけれども、でも、こんな雰囲気の写真を昔の銀塩カメラで撮ろうとすると大変でした。



 昨日、庭に小鳥が来て、さかんにさえずっていました。むりやり楽譜で表すとこんな感じでした。本物はこんなにピッチ感はないですが、リズムと音の上下する感じはこんな雰囲気でした。テンポは160くらい、かなり速いです。何度も繰り返してさえずっていました。

Fig.11: bird song

 こういう楽譜は私はPCでしか作れません。スマートフォンやタブレット端末で便利なソフトがあるに決まっていると思っているのですが、探してみてもしっくりくるものがないのです。自分が新しいユーザインタフェースに乗り遅れているのかなあと思います。

<おまけのひとこと>
 明日は久しぶりに普通に出社します。ここ2週間ほどはこのページのコンテンツは、従来と比べて充実していたのではないかと勝手に思っています。(逆に雑多な話題が多すぎて読みにくかったかもしれないです。) 明日からも継続して更新してゆく予定ですのでよろしくお願いいたします。






5月11日(月) 直角二等辺三角形のらせんの空間配置(その1)、アプリ「まぷすた!」

 ちょうど一週間前のひとことで、アーテックブロックの直角二等辺三角形パーツを連結した「らせん」構造をご紹介して、これを空間内に対称的に配置できないか考えてみていると書きました。今日はその続きの話です。

Helix of triangle parts of "artec block"

 実物を作ってみたり、いろいろCGを作ってみたりした結果、こんな配置ができるということがわかりました。今日は図のみご紹介します。

 配置がどうなっているのかわかりにくいので、らせんの方向ごとに色を変えています。それでもわからないので、パーツの透明度を上げた図を用意してみました。透明度ゼロ(Fig.1)から、0.5(Fig.2)、0.7(Fig.3)にしてみました。

Fig.1 : transparency 0.0 Fig.2 : transparency 0.5 Fig.3 : transparency 0.8

 でも、ごちゃごちゃしてわかりにくいですね。それぞれの色だけに注目する図も作ってみました。

Fig.4 : Blue Fig.5 : Green
Fig.6 : Red Fig.7 : Yellow

 うーむ、これでもまだよくわからないですね。解説はまた明日。

(つづく)



 ふとしたきっかけで、タブレット端末に【令和対応】まぷすた!という都道府県+市町村のパズルをインストールしたのです。軽い気持ちで「全市町村パズル」というのをちょっと始めてみたら、3時間くらいどっぷりはまってしまいました。

 とりあえず自治体名だけから「このあたりにあるはず」というのが想像できるものだけを配置して、全1747ピースのうち、いくつまで入れられるかやってみようと思ったのです。多分1割は行けるだろう、でも半分は絶対無理だろうな、と思って始めたのですが、ランダムに提示される自治体のリストを一通り最後までやって、600くらいは入れられました。長野県、まさか見落としがあるとは思いませんでした。提示される市町村を選択してそれを地図上にドロップすると、リストが更新されてスクロールするようなのですが、その時に先に進んで隠れてしまう項目があるようなのです。いずれにせよ自分は、日本の自治体といっても3分の2くらいは名前を聞いてもそれがどの都道府県のどのあたりなのか全く想像もつかないのだ、ということがわかって面白かったです。

 せっかくなので、都道府県別の市町村パズルを端からやってみることにしました。たいていの都道府県は数分でできるのですが、北海道と沖縄はてこずりました。さっぱりわからないのです。でも、これを何度かやっているとそれなりに頭に入りそうだなと思いました。どうせ勉強するならほかにもやることがあるだろう、という気もしますが、これ、楽しいのです。

Fig.8 : Japan map puzzle

 これをやっていて、おそらく平成の大合併で生まれたと思われる新しい市町村名や、飛び地になった自治体がけっこうあるのだな、と気が付きました。いちばんびっくりしたのが、青森県の津軽半島の五所川原市(Fig.9 赤)、中泊町(Fig.9 緑)、外ヶ浜町(Fig.9 青)の3つの自治体が全て飛び地になっていることを知ったことでした。

Fig.9 : Three enclave municipalities in Aomori-Pref. Japan

 きっと関係者のいろいろな思いや複雑な経緯があるのだろうな、と想像します。

 このアプリ、検索してみると難易度MAXも暇つぶしに最適と評判、全1747ピースでできた「全市町村パズル」アプリ(2020年4月20日)という紹介記事がありました。時間があって地理が好きな方にはお勧めです。

<おまけのひとこと>
 昨日は母の日で、お菓子を送りました。お昼過ぎに「届いた、ありがとう」という電話がありました。体調は悪くないようでほっとしています。






5月12日(火) 直角二等辺三角形のらせんの空間配置(その2)、松本バッハの会活動終了

 昨日CGでご紹介した直角二等辺三角形のらせんの空間配置ですが、下から順に積んでゆくCGを作ってみました。

 Fig.1は最初の3段階、Fig.2は次の3段階です。

Fig.1 : first 3-step Fig.2 : next 3-step

 1つずつ三角柱を足してゆくアニメーションも作ってみました。

Fig.3 : animation

 この配置のうち、一部を取り出すとこんな状態になっているということに気が付きました。

Fig.4 : subset of spacial placement Fig.5 : translusent image

 なかなかきれいなかたちだと思います。これは、各色のらせんの長さ(使っている三角柱のピースの数)と本数はどうなっているでしょうか?

(つづく)



 10年ほど前から、「松本バッハの会」が主催する講演会や演奏会を時々聴講させていただいていました。松本にご縁のある故・礒山雅先生をお招きしての会でした。一昨年の2月に、東京の大雪の際に転倒されたのが原因で亡くなられて、大変残念に思っていました。

 先週、「松本バッハの会」の事務局から24ページの中綴じの立派な冊子が送られてきました。

Activity record of
Bach study group in Matsumoto

 松本バッハの会の活動を終了します、という言葉とともに、かつての講演会や演奏会のチラシや写真、紹介記事などをまとめた活動記録の冊子になっていました。

 礒山先生の連続講演会の最後にバッハのカンタータのアリアの演奏会を聴かせていただいたこと、ロ短調ミサ曲の講演の後にスコアを持って行って細かい質問をさせていただいたことなどを思い出しました。若手の古楽の演奏家を応援されていて、「彼らをよろしくお願いします」とおっしゃられていたのが強く印象に残っています。

 活動終了というのは大変残念なことですが、このような記録を残して配布していただいたことは感謝しています。

<おまけのひとこと>
 昨日は久々の出社でした。事業所の中を歩き回ったおかげで昨日は一万歩近く歩きました。






5月13日(水) 直角二等辺三角形のらせんの空間配置(その3)

 昨日ご紹介したかたちを見ていると、なんとなく斜方立方八面体(rhombicuboctahedron)を連想します。

rhombicuboctahedron

(2018年3月16日のひとことより)

 これがどんなふうに構成されているのか、段階を追って図を作ってみました。

Fig.1 Fig.2 Fig.4 of Yesterdy

 各色、部品となる二等辺三角柱7個を繋いだらせんを3本ずつ使っています。



 さて、同じ色の3本のらせんの位置関係はどうなっているでしょうか? ここまでの図は透視投影法で描画していましたので、手前が大きく、遠くに行くと少し小さくなる画法で、平行な線も平行にはなっていませんでした。改めてこのモデルを、対称性が高い視点から平行投影法で描画してみました。

 まず、このモデルを包含する立方体の面の方向(真横)から見てみました(Fig.3)。正方形の穴が見えています。1色だけ(黄色)を描画してみました(Fig.4)。

Fig.3 Fig.4

 次に、このモデルを包含する立方体の頂点の方向から見てみました。すると面白いことに気が付きました。

Fig.5 Fig.6 Fig.7

 Fig.5は全部のパーツを描画したところです。中心に正六角形の穴が見えています。Fig.6で、黄色のパーツだけ取り除きました。見事に正三角形の穴が3つ空いています。Fig.7、逆に黄色のパーツだけを描画してみました。正三角形のシルエットになっています。

 ということは、これは見かけは全然違いますが、正三角柱12本組と同じ構造だ、ということです。

Twelve Prisms
4 times rotation symmetry
Twelve Prisms
3 times rotation symmetry

(2018年9月1日のひとことより)

 大変面白いと思いました。これ、実物を作ってみたくなりました。

(つづく)



 正三角柱12本組といえば、先日こんな写真もご紹介したことがありました。

Twelve Prisms

 作ってみたくなるかたちだと思うのです。

<おまけのひとこと>
 久々に出社するにあたって、カミソリでひげをそっていたらあごに傷をつけてしまいました。ちょっと出血があって、シャツを汚すといけないと思って絆創膏を貼ったのです。ところがシャツのえりに血が付いてしまいました。よく見えないのですが、どうやら傷とはずれた位置に絆創膏を貼ってしまったようでした。血液のシミはすぐに水洗いしないとダメなので、シャツを脱いでシミの部分を手洗いして干しました。鏡をよく見て絆創膏を貼り直して、ティッシュで押さえてみて血が付かないことを確認して、恐る恐る新しいシャツを着てみました。今度は大丈夫そうでした。
 いったん傷ができてしまうと、その周辺のひげそりが面倒なのです。やれやれ。まあ今はマスク必須なので、けがをした付近は若干そり残しがあってもいいかなと思っていますが。






5月14日(木) 直角二等辺三角形のらせんの空間配置(その4)

 昨日のこのかたち

を、アーテックブロックの直角二等辺三角形パーツを組み合わせて作ってみることにしました。 下の写真では6個を連結していますが、実際には各色ごとに7連結のものが3本必要です。

connected triangle parts
of Artec Block

 この写真では見えていないですが、連結用の突起が片側に出てしまうのが残念です。

 部品を12本分用意して、組み合わせてみました(Fig.1)。 実は手持ちのパーツは、赤・黄・緑は20個ずつしかなかったのです。(3×7=21個必要なので1個足りない。) 仕方がないので組んだ時に内側になる、比較的目立ちにくいパーツは黒で代用している箇所があります。

Fig.1

 すでに検討してわかっている通り、このパーツの凸包(convex hull:与えられた点を全て含む最小の凸多面体)は細長い正三角柱になりますから、各パーツの位置は互いに決まりません。パーツはそれぞれ滑らかに平行移動が可能です。また、そもそもこれは互いにロックしていないので、手を離すとバラバラになってしまいます。なのでゴムで止めています。

 対称性が高い視点からも見てみました(Fig.2, Fig.3)。

Fig.2 Fig.3

 ちなみにこのかたちを組むのはちょっと大変でした。ブロックのジョイント機能は使えないので、4つ組ごとに輪ゴムで留めてゆくのですが、すぐにずれてしまうのです。最初は4つの位置を安定させるために立方体のピースを中心に置いて(連結はしない)、最後にそれを外す、というやり方をしました。

 実物を作って手に取っていろいろな方向から眺めてみたりしていると、また発想が広がります。作る前はそれほど魅力的なかたちでもないかなあと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。

(つづく)



 正三角柱12本をゴムで留める、という模型は自分でも過去に作っているはず、と思って探してみたら、こちらでご紹介していました。

twelve prizms

(2018年8月23日のひとことより)

 これはパーツ3本ずつをゴムで留めているので、全部で8本の輪ゴムを使っています。アーテックブロックのほうはパーツ4本ずつを留めているので輪ゴムは6本です。

 この12本組の三角柱ですが、他のパーツとの位置が決まるように、Fig.4のような菱形の「窓」を2つ開けています。これを組むのも確かかなり苦労した覚えがあります。

Fig.4 : template of prizm

 久々に模型を取り出してみたのですが、まだゴムは劣化しておらず、しっかりしていました。

<おまけのひとこと>
 この季節、庭のアリの活動が活発になって困ります。家の前のインターロッキング舗装の縁の部分に、手のひら一杯分くらいの砂の山が気が付くといくつかできています。これを一粒一粒アリが運んだと思うと数の力に驚きます。庭にいるくらいなら害は少ないのですが、一部のアリが家の中まで入ってくるので困ります。家の中に侵入してきたアリは容赦なく退治しています。全くでない年もあるのですが、今年は2〜3日、見かけて退治しました。






5月15日(金) 直角二等辺三角形のらせんの空間配置(その5)

 今日はCGだけのご紹介です。



 今週ご紹介しているこのかたち、

 各パーツの凸包は正三角柱になっているので自由にスライドできてしまう、という話を昨日書きました。それでは凸包はどんなかたちなんだろう?と思いました。 あ、三角柱なのはわかっているのですけれども、両端を切り落とした多面体はどんな多面体なのかな、ということです。

 というわけで凸包の多面体のCGを作ってみました。凸包なので、もちろん凸多面体です。

Fig.1

 これは七面体です。六角形の面が1つ、合同な五角形の面が2つ、合同な四角形(直角台形)の面が2つ、合同な直角二等辺三角形の面が2つ、から構成されています。

 三角柱の側面に相当する面が3つあります。1つは六角形で、向かい合う辺が平行で長さが等しい「平行六辺形」です。あとの2つは合同な五角形です。この五角形は平行で長さが異なる辺のペアを二組持っています。

 ちなみにもとの「直角二等辺三角柱7つ」のパーツを3方向から見たところです。(Fig.2-4)。

Fig.2 Fig.3 Fig.4

 さて、この凸包の七面体12個を組んでみることにしましょう。同色のパーツの配置はこんな風になります。

Fig.5 Fig.6

 なんだか「かつお節」みたいですね…

 さて、この七面体を下から順に配置してみました(Fig.7-9)。

Fig.7 Fig.8 Fig.9

 Fig.7 と Fig.8 を見ると、内部の空洞が菱形十二面体になっているのが伺われます。

 最後に、対称性が高い視点からのCGも作ってみました。

Fig.10 Fig.11

 これは、仮に実物を作ったとしてもそのままでは組んで安定しないです。これは紙模型を作らなくてもいいかな、でも「かつお節」みたいな七面体は1つ2つ作ってみてもいいかな、などと思っています。



 そういえば1年ほど前、よく似た七面体を検討して作っていたのを思い出しました。

(2019年6月19日のひとことより)

 これ、ちゃんと模型まで作っていました。2個だけですが。

<おまけのひとこと>
 上記の昨年の6月のページを見返していたら、昨年はたくさん国内出張に行っていたなあと思い出しました。このところは出張どころか別事業所への外出もなくなりました。






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