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以前の「ひとこと」 : 2016年6月後半



6月16日(木) テトロミノ(その1)

 正方形を4つつないだ形を「テトロミノ」と言います。昔流行ったテトリスというゲームがありますが、そこで使われているパーツです。

図 1

 それぞれのパーツには、かたちから連想されるアルファベットの名前が付けられています。

図 2

 2×4=8の枠を考えてみます。テトロミノのL,I,Oは2つでこの2×4ぴったりにおさめることができます(図3)。 

図 3

 では、枠を4×4にしたらどうでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 同じような図を毎回描き直している気がします。






6月17日(金) テトロミノ(その2)

 昨日の2×4を2つ並べれば4×4になりますから、5種類のテトロミノのうち、L,I,Oは4×4にぴったり入ることは明らかです。4×4にすると、それに加えてTテトロミノもぴったり入れられます(図1)。

図 1

 Lテトロミノも4回回転対称の形にすることもできます。でも、Nテトロミノだけは4×4におさめることができません。

 というわけで問題です。5種類のテトロミノのうち、どの形であっても、その形だけで埋め尽くすことができる形はどんなかたちでしょうか? (長方形である必要はありません。)

(つづく)

<おまけのひとこと>
 6月13日(月)はお休みをとらせてもらって、車を1年点検に出しています。






6月18日(土) ちょうど3つの正方形に辺で接する

 「すべての正方形が、ちょうど3つの正方形と互いに辺(の一部)を共有して接しているようにしなさい」という問題を知りました。

 接する相手が3つではなく2つなら簡単です(図1)。

図 1

 図1を眺めて、ちょっとアレンジすると、こんな解があることがわかります。

図 2

 ただ、これだと正方形の大きさが違ってしまうところが美しくありません。

 「すべての正方形が、ちょうど3つの正方形と互いに辺(の一部)を共有して接しているようにしなさい。ただし用いる正方形はすべて同じ大きさとする。」だったら、正方形はいくつ必要でしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 6/18〜6/24の一週間分の更新を、6/21(火)の早朝にやっています。今回はちょっと遅くなりました。






6月19日(日) 連続する自然数の平方和の話(その1)

 3つの連続する自然数の平方和が、続く2つの連続する自然数の平方和に等しい場合、その和はいくつでしょうか?

図 1

 式変形と因数分解の練習問題レベルの問題です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 久々にガードナーの「数学ゲーム III」を取り出してみたら出てきた式です。






6月20日(月)  ポリオミノのインターロック(その1)

 前回、正方形が4つ、辺を共有して連結したテトロミノの話をしました。このように正方形を連結したかたちを、4個ならテトロミノ、5個ならペントミノ、6個ならヘキソミノ、7個ならヘプトミノ、8個ならオクトミノ、と言います。これらの総称としてポリオミノという言い方をします。

 このポリオミノのピースをいくつか組合せて、「外せないかたち」を作ることを考えます。例えば図1は、2つのヘキソミノ(水色と緑)と、2つの12-オミノ(ドデカオミノ?)で6×6=36単位を覆った例です。

図 1

 これらが厚みのあるパーツだったとすると、平面上を平行・回転移動するだけではこれらは組立・分解がができなくて、必ず平面から持ち上げてはめ込む作業が必要になります。別な言い方をすると、どのパーツをどちら向きに引っ張っても、全体がその方向に一緒に動きます。

 図1から緑のパーツを取り除いたとします。そうすると、図2のように平面上の平行移動だけで残り3つのパーツはばらばらにすることができます。

図 2

 図1の場合は、12-オミノを使いました。このように、全体がロックされたかたちを作るために、できるだけ小さいポリオミノで構成するとしたら、正方形をいくつ連携したポリオミノが必要でしょうか?

 ゲーム「テトリス」で登場するテトロミノではロック構造はできないことは比較的簡単に示せるそうです。また、オクトミノ(8-オミノ)があれば、ロック構造ができることは示せます(考えてみてください)。

 では、この中間の 5, 6, 7 ではロック構造はできるのでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 最近また皮膚がかゆくてよく眠れません。






6月21日(火) 連続する自然数の平方和の話(その2)

 先日のこの式、

 まずは展開して整理してみます。

図 1

 なので、n=-2とn=10の2つの根があることがわかります。もとの式に代入してみます。

図 2

 1つ目は自明で面白くないですが、2つめ、なかなか面白い等式だなあと思いませんか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 最近、暗算に凝っている私は、この式を暗算で解いて「あ、本当に等しい」と感動しました。






6月22日(水) 連続する自然数の平方和の話(その3)

 昨日の式、実はこれを一般化できるのです。どういう方向に一般化できるかというと、「連続するk+1個の自然数の平方和が、それに続く連続するk個の自然数の平方和に等しい」という一般化です。昨日の例ならば、「連続する3個の自然数の平方和が、それに続く連続する2個の平方和に等しい」(k=2)です。

 昨日はnを一番小さい自然数と置きましたが、計算を簡単にするために、まんなかの自然数をnと置くことにします。

図 1

 この式を一般化して整理するとどうなるでしょうか?

 ちなみに、k=1のときには、おなじみの3,4,5の式になります。

図 2

(つづく)

(このつづきを書いていなかったことに気が付いたので書きました。2021年7月25日追記) <おまけのひとこと>
 夜、暑くてだいぶ寝苦しくなってきました。






6月23日(木) ポリオミノのインターロック(その2)

 ポリオミノでロック構造をつくる話です。図1は失敗例です。

図 1

 黄色とピンクが正方形6つのヘキソミノ、緑が正方形5つのペントミノです。なんとなくしっかりかみ合っているように見えなくもないですが、たとえば一番上の緑のパーツを上に引っ張ると、図1右のように6個のパーツは一緒につながって外れてしまいます。

 実はこの図1がヒントなのですが、図2のように組むと、完全にロックさせることができるのだそうです。("Complexity of Interlocking Polyominoes", Sidharth Dhawan, Zachary Abel.)

図 2

 感動しました。

<おまけのひとこと>
 これ、実物で組んでいじってみたら面白そうです。






6月24日(金) 庭仕事、スーパームーン

 6月18日(土)は早朝に起きて、庭仕事をしました。家の玄関の脇に植えている木が成長して軒下に届いてしまっていたので、家が傷まないように刈り揃えました。

図 1

 裏庭の木の枝やバラの枝も、家にかかっている部分を切り落としました。園芸ごみとして袋に3つ、いっぱいになりました。これを、自宅から車で10分程度のところにある清掃センターに持ち込んで、庭がたいへんすっきりしました。久々に木に登ったのですが、自分の体が重くてかたくて大変でした。

 6月20日(月)の夜7時半過ぎに職場を出て駐車場に向かって歩いている途中で、向こうの山の稜線の上になんだかぼんやり広がった光が見えました。私は目が悪いので、なんだかよくわからなかったので、とりあえずカメラで写真を撮ってみました(図2)。

図 2

 写真で見ると雲の向こうの月だということがわかりました。後で聞くとこの日はスーパームーン(いつもより大きく見える)だったのだそうです。

<おまけのひとこと>
 「数学セミナー」2016年7月号の「森毅の主題による変奏曲 番外編(2)」梅田亨 が読み物としてとても面白かったです。特に数学になじみがない方でも面白く読めるのではないかと思います。






6月25日(土) Animal Balance(その1)

 週末、妻と雑貨屋さんをちょっとのぞいたのですが、処分品として値引きされているワゴンの中をみていたら、「Animal Balance」という消しゴムのおもちゃがあったので買ってしまいました。(購入価格は税別350円でした。)

図 1

 この手の積木やパズルは好きなので、以前からこの製品は知っていました。ただ、木製のパズルと違って消しゴム素材は経年劣化がありそうで、購入をためらっていたのですが、安くなっていたので買ってしまいました。

図 2

 かたちのデザインはシンプルで素敵です。動物は12種類、そのうち同じ色のペアが3組あります。全部違う色のほうがいいような気もしますが、製造上の都合でしょうか。色遣いにデザイン上の意味があるのかどうか、わかりません。

図 3

 題意通り、黒い土台の上に積み上げてみました。作った時に「わに」の存在を見落としていて(土台の裏側の死角になっているところにあったのです)、写真を撮るときに気が付いて一番上に載せました。なのでちょっと全体のバランスがよくないです。

 とりあえずこだわりとしては、できるだけ普通の姿勢(逆さになったりしない)で積むことを心がけました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 すみません、更新を2週間分溜めてしまいました。定期的に見に来て下さる皆様、ありがとうございます。6/25〜7/8の2週間分の更新を、7/3(日)にやっています。今回は一日分の記事は短めにするつもりです。






6月26日(日) Animal Balance(その2)

 昨日のものは縦長になってしまったので、もう少し横に広がったかたちはできないかなあと思って積んでみました。

図 1

 左側が高く、右側が張り出した非対称のかたちになってしまいました。もう少し工夫ができそうです。

 やってみて、各ピースがもう少し大きいといいなあと思いました。また、重さや手触りが、やっぱり木製の積木のほうが好みです。消しゴムなので、摩擦が大きいので、ちょっと全体をずらすとか整えるというのが難しいです。ただ、この大きさ(小ささ)、この値段で実現できているということがこの製品の魅力だなあとも思いました。木製の積木で12ピースのセットといったら、一桁高くなるでしょう。それでは多くの方は購入しないでしょう。こういう、バランス積木の面白さを体験していただくために、こういう素材でこういう値段の製品も有りだなあと思います。

<おまけのひとこと>
 パッケージに戻してしまってあります。場所を取らないのも魅力的です。でも、数年後に取り出してみたら消しゴムが劣化したり融けて貼りついていたりしたら悲しいなあと思いました。






6月27日(月) 古楽コンサートの曲選び(その1)

 今年も10月に古楽コンサートを計画しています。今年は10月29日(土)に、昨年と同じ「風我」という会場でやることに決まりました。練習はせいぜい1ヵ月に1度しか集まれないので、あと4〜5回しかありません。今月の練習(6/25)に、ようやくトリオソナタの曲を決めました。

 今年のフルート2本のトリオソナタは、テレマンのターフェルムジークの二長調のトリオソナタをやることになりました。いい曲です。

譜例 1

 譜例1は最初の楽章です。昨年に続いて長調の曲になりました。速い楽章がとても難しいです。練習しないと…

<おまけのひとこと>
 前回の練習(5月)まで、クヴァンツやドルネルや、いくつも候補曲をやってみたのですが、今月初めてやった曲がいきなり選ばれました。






6月28日(火) 古楽コンサートの曲選び(その2)

 コンサートでは例年通り妻のソプラノの伴奏をします。今年はヘンデルのオペラ「シローエ」からのアリアを歌うことになりました。伴奏が華やかで美しいです。

譜例 1

 ヘンデル自身は、オブリガート楽器(ここではヴァイオリン)と通奏低音(バス)を書いているだけですが、実際に演奏されるときには和声や対旋律を加えて演奏します。ピアノで演奏することを前提に書かれている鍵盤の伴奏譜があるので、それをベースに演奏しようと思っています。

 昨年から使っている会場は以前の会場より響きは少ないのですが、逆にチェンバロは華やかに聴こえます。以前の会場だと音が多いとうるさい感じがしたのですが、今回の会場は音が少ないと寂しい感じがします。そこで、音を増やして演奏したいと思っています(練習しないと…)。

 また、せっかくなので、オペラ「シローエ」の序曲を鍵盤で演奏させてもらおうかなあと思っています。

譜例 2

 フランス風の、ゆったりした4拍子(譜例2)に続いて速い3拍子のフーガで構成される、とても美しい序曲です。アリアとは調が違うのですが、続けて演奏しようかなあと思っています。

<おまけのひとこと>
 この曲を、これまた毎年やっている妻の東京での発表会に、ピアノで演奏しようかという話をしています。古楽コンサートではバロックピッチ(A=415)で演奏しますが、ピアノでは約半音高くなります。移調して演奏するのも大変なので、楽譜通りの調でということにさせてもらっています。






6月29日(水) 「オイレ夫人の深夜画廊」

 図書館に行って本を借りたのですが、借りる手続きが終わったとたんに妻が「これ、あったよ」といって持ってきてくれたのが、斉藤洋「オイレ夫人の深夜画廊」でした。表紙を見た瞬間に、「アルフレートの時計台」の続編だということがわかりました。喜んで受付に引き返して、もう1冊追加で借りました。

図 1

 斉藤洋の本は好きなお話が多くてファンなのですが、その中でも「ドローセルマイヤーの人形劇場」「アルフレートの時計台」は好きです。この2つは舞台となる町が一緒で、1作目「ドローセルマイヤーの人形劇場」の登場人物が2作目「アルフレートの時計台」にも少し登場しますが、基本的にはつながりのない話です。今回の3作目「オイレ夫人の深夜画廊」も同じように前作の主要人物が登場します。

 たいへん楽しく読ませていただきました。イラストもとても素敵です。しいて言えば2作目が一番好きかなあと思いました。またゆっくり読み返したいと思います。

<おまけのひとこと>
 図書館はありがたいです。






6月30日(木) 自動車の任意保険

 月末なので、雑談です。

 今年の春から東京で大学に通っている息子が、アルバイトをしてお金をためて、夏休みに車の免許を取るそうです。いろいろ考えたのだが、オートマ限定免許にするらしいということを妻からききました。

 家に帰った時に自宅の車を運転する機会もあるだろうということで、ちょうど7月に保険の見直しのタイミングになるため、保険屋さんに相談してみました。今までは35歳以上の家族限定という契約だったので、まだ二十歳未満の運転者を対象に入れたら、さぞかし金額が高くなるのだろうな、と思っていました。

 ところが、相談してみると「別居で未婚のお子さんなら、年間で保険料が2,000円程度上がるだけですよ」とのことでした。ほっとしました。「同居」ならばもっと値段が高いのだそうですが、「別居」だと必然的に運転する機会は少ないだろうということで、あまり値段がかからないのだそうです。また、「結婚されたら別世帯ということになるので保険は適応外になるので注意してください」と言われました。なるほど。

<おまけのひとこと>
 7月1日付けで会社で組織変更があって、これまで私の直属の上司だった方が管理職をおりることになりました。






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