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以前の「ひとこと」 : 2018年8月後半



8月16日(木) Sixes(その1)

 IPP:International Puzzle Partyというパズル愛好家の集まりがあって、そこで毎年パズルデザインのコンペが行われているそうです。ここで発表された作品が、例えばハナヤマからキャストパズルとして後に発売されたりします。

 上記のサイトには過去のデザインコンペのエントリー作品の名前、作者、完成形の画像などが公開されていて、大変ありがたいのです。時々眺めて自分の紙模型創作の参考にさせていただいたりしています。

 その中の1つ、2004年のエントリーの中に、Sixes(無理やりニュアンスを訳そうとすると“6つのパーツたち”というような語感になるでしょうか)という作品がありました(図 1)。

図 1: Sixes
by Vaclav Obsivac

 作者は Vaclav Obsivac氏。ウォルナットとカエデとアカシア材で作られており、バラバラにしてまた元通り組み立てるというパズルです。作者の方のHand crafted wooden puzzles(手作り木工パズル)というサイトから購入できるそうです。(日本から購入できるのかどうかはわかりません。)

 この形にとても興味を惹かれました。最初にアーテックブロックで完成形を組んでみようと思いました。アーテックブロックの直角二等辺三角柱のパーツはこんな構造をしています(図2)。

図 2

 裏側のオスメスのジョイントの位置がわかりにくいのですが、このパーツ、図3のようには連結できるのですが、図4のようには連結できないのです。実に残念です。

図 3 : 組める 図 4 : 組めない

 アーテックブロックは三次元的に自然にパーツを連結してゆくことができるすばらしいブロックで、パズル研究の素材としても、特に単位立方体(ボクセル)を連結した構造の研究には最適なブロックです。多面体やパズルに興味がある方ならば持っている価値がある、すばらしい製品です。ただ、直角二等辺三角柱のパーツに関しては、もう少し連結の自由度が高かったらなあ…という「ないものねだり」をしたくなります。(わがままですね。すみません。)

 でも、こういうかたち(図5)が組めるブロックだと、作れるかたちの自由度が俄然上がります。

図 5

 …まあ、ブロックで手軽に作れないことはわかったので、とりあえずCGを作ってみることにしました。

図 6

 美しいかたちだと思います。いろいろな方向から見てみたくなったので、回転するgifアニメーションを作ってみました(図7)。ファイルサイズを小さくするために、フレーム数や色数を絞っているので、粗いアニメーションですみません。

図 7

 さて、これはどんなかたちのパーツをどのように組んでいるのでしょうか?

(つづく)



 息子が熱を出して寝込んでしまいました。確か昨年のお盆休みもそうでした。帰省してくると気が緩んで風邪をひくようです。良いことだと思います。一人暮らしで体調を崩すより、親が面倒をみてやれるこちらで風邪をひくほうが安心です。良く休んで体調を整えて、また元気に戻って行ってほしいです。

<おまけのひとこと>
 お盆休みも今日で終わりです。






8月17日(金) Sixes(その2)

 昨日のこのかたち、まずは素直に6本組でどんなパーツなのか考えてみました。

再掲図

 厚さが1の、図1のようなかたちが基本になっていると思われます。

図 1

 ただし、このかたちをそのまま6つ用意して組もうとすると、3つのパーツの集まる先端付近で干渉してしまいます(図2)。

図 2

 ちょうど単位立方体のところに3パーツが集まっているので、その部分を3等分するかたちを考えます(図3)。

図 3

 この四角錐3つで立方体になっています(図4)。

図 4

 四角錐の体積は底面と高さが同じ四角柱の3分の1、というわかりやすい例になっていますね。

 さて、というわけで干渉する部分を加工したパーツを考えました。図5が加工前、図6が加工後、です。

図 5 : 加工前 図 6 : 加工後

 このかたち、実物を作って組んでも、安定しないような気がします。どうしようかなあと思ったのですが、まずはペーパーモデルとして設計はすることにしました。

(つづく)



 昨日(8/16)は送り盆でお墓に行ってきました。結局今年は私が一人でまわりました。最初に実家に移動して(1時間半)、お提灯を一緒に片付けて、お仏壇に供えられていたお花を受け取って、実家のお墓、45年前に亡くなった母方の祖母のお墓、74年前に亡くなった母方の祖父のお墓、と回ってきました(4時間)。実家への往復も含めると、途中で峠を4つ越えます。そのうち3つは雨でした。雨の峠は気温が18℃とかで、涼しいを通り越して肌寒いくらいでした。これでお盆休みも終わりです。

<おまけのひとこと>
 さて今日から仕事です。






8月18日(土) Sixes(その3)

 一昨日からご紹介しているSixes、ペーパーモデルでパーツを作って組み立ててみました。まずは写真からご紹介します。

 このかたちは、6本のパーツの位置関係がちょうど正四面体の稜の位置に相当しています。図1はその正四面体構造の頂点方向から見た写真で、図2は反対側の正四面体構造の面の方向から見た写真になります。

図 1 図 2

 図3は1つのパーツの長い平面の法線方向から見た写真です。6本の中心に、長さ1の立方体の部屋(空間)が残っており、6つのパーツが中央の立方体に1面ずつ接している構造になっています。図4は一般的な視点から見たところです。

図 3 図 4

 パーツを1つ外したところです(図5)。今回は完全に面をふさぐ、一般的なペーパークラフトの手法でパーツを作っています。

図 5

 すでにお気づきかと思いますが、3つのパーツが集まる部分4カ所を、透明な輪ゴムでとめています。そうしないとかたちを保てないのです。最初は普通の輪ゴムで留めていたのですが、妻がそれを見て、「100均ショップに髪を止める透明なゴムが確か売っていたと思うので、それのほうが素敵かも」と提案してくれたのです。さっそく買って来て取り替えてみたら、なるほどすっきりして目立たなくなり、とても印象が良くなりました。嬉しいです。

 ちなみに、パーツの型紙は図6のように設計しました。濃い色の部分がパーツの表面、薄い色の部分がのりしろです。最後に両端の正方形を「ふた」として接着する手順をイメージしてのりしろのレイアウトを決めました。

図 6

 これ、折り筋を入れて切り抜いて組み立てるのがけっこう大変です。このパーツの設計は7月の10日過ぎにしてあって、A4の用紙1枚にパーツ3つを配置して、用紙を2枚印刷してあったのですが、7月中旬に用紙1枚からパーツを3個組み立てて、3パーツが集まる頂点の噛み合わせが想定通りであることを確認した後は、面倒でほったらかしにしていました。

 パーツを作ったところ、やはり思った通りこの設計では6パーツを組んだかたちが安定しないということもわかりました。なのでますます残りの3つを組む気力がなくなって、1ヶ月ほど放置していたのですが、このお盆休みにそうは言っても完成させておこうと思って残り3つを組み立てました。

 組んでみて、やっぱり実物を手に取ってみることができるのはいいなあ、作ってよかったなあと思っています。



 ところで、オリジナルの“Sixes”はどんなパーツのデザインなんだろう、どうやって「ほどけてしまう」ことを防止しているんだろう? と疑問に思いました。

 オリジナルのデザイナーのVaclav Obsivac氏のサイトSixesを拝見したら、驚いたことにpieces:4、パーツの数は4だというのです(注意! このリンク先には4つに分解されたパーツの写真も載っています)。 なのに命名は Sixes なんですね。

 これは初めてこのパズルを手にする人に、このパズルがどのように分解されるのか、すぐにわからないようにということまで考えた命名であり、再度組み立てるときの目標のかたちをイメージしやすいように、という点でも役に立っている名前だと思いました。

 でも、個人的には自分で今回作った素直なパーツ構成も好きです。輪ゴムで留めないと安定しないというのはものすごく大きな欠点ではありますが。



 8月16日の送り盆で、ちょうど正午くらいに湯の丸高原の地蔵峠を越えました。トイレを借りようと思って車から外に出て周辺をちょっと歩いてみたのですが、霧が出始めて雨が降り始めたのであわてて車に退散しました。

 エリア案内の国立公園の看板を見て、懐かしく思いました。

図 7

 図8はその拡大図なのですが、左下に「烏帽子岳」、中央左に(等高線の色が濃くて見えにくいですが)「湯の丸山」が見えています。

図 8

 小学校5年生の学校登山では、ここ地蔵峠の湯の丸高原キャンプ場から烏帽子岳に登りました。確か日帰りだったような気がします。烏帽子からは角間のほうに抜けたような気がかすかにします。途中、天気が悪くなって雨具を使った覚えがあります。

 中学2年の学校登山では、やはり湯の丸高原キャンプ場から烏帽子岳に登って、引き返して湯の丸山に登って、キャンプ場に戻ってバンガローのようなところに泊ったような気がします。

 高校1年?の学校登山は夏休み中(といっても夏休みは20日弱しかないのですが)でテント泊でした。8月上旬だというのにとても寒くて、夏山用の簡易寝袋を持って行ったのですが、現地で借りた毛布と持参した冬用の厚手のセーターを動員しても寒かった記憶があります。どの山に登ったのか、記憶があいまいです。

 そんなことを思い出しながら案内板を眺めました。

<おまけのひとこと>
 今日8/18(土)は出勤日なのですが、歯医者さんの予約があったので会社はお休みさせていただくことにしました。






8月19日(日) 3 Pieces 9 Symmetric Shapes(Emrehan Halici)

 IPP:International Puzzle Party の2017年のデザインコンペのエントリを眺めていたら、シンプルなシルエットパズルに目が留まりました。

 トルコのEmrehan Halici氏がデザインした、“3 Pieces 9 Symmetric”というシルエットパズルです。3つのピースを並べて対称なかたち(おそらく線対称=鏡像対称のことだと思います)を作りなさい、というパズルです。ピースを裏返すのはOKで、全部で9つの解があるそうです。

 ピースの画像はこちらのページにあったものを引用させていただきました(図1)。

図 1

 この、わずか3ピースを使って対称なかたちが9種類!、これはやってみたいなあと思いました。画像から推測して、こんなパーツデザインなのかなあと思って試してみました。三角形が1:2:√5の比率のものです。

図 2: correct ?

 パソコンの画面の中でいじってみて、とりあえず凸多角形のパターンを2つ、凸でないパターンを3つみつけましたがそこで手が止まりました。(とりあえず今のところパーツは90度を単位とした回転と上下・左右反転以外の向きにはしていません。つまりパーツの頂点は正方格子の頂点上に乗ったままの移動です。)

 うーむ、ひょっとして三角形の比率が違うのかなあと思って、1:2:√3のパターンを試してみようと思いました。(進まなくなったので逃避行動です。)

図 3: not correct !

 三角格子の上に絵を描いてみたのですが、図1のようなピース構成にはできませんでした。

 これをいじっていて、以前(2015年11月7日のひとことで)ご紹介した“Formidable”という、3つの直角三角形のシルエットパズルを思い出しました。

Constantin氏のFormidable

 こういう、ピースの数が少なくてごくごく単純なかたちをしているシルエットパズルは好きです。もう少しいじってみたいと思いました。



 この“3 Pieces 9 Symmetric Shapes”をデザインされた Emrehan HALICI氏の経歴がこちらにありました。私より10歳ほど年上の方で、トルコのパズルや娯楽数学系の大御所のような存在の方のようです。ご自身のwebサイトで問題を出題し続けていらして、回答者がポイントが加算されて、高いポイントを獲得された読者のリストが公開されたりしています。 このページももう少し中身を見てみたいなあと思いました。



 お盆休み明け、我が家の娘と息子宛てに10年前の本人からのハガキが届きました。こちらこちらに記事がありました。webのニュースはすぐに閲覧できなくなることが多いので、一部を引用させていただきます。

 茅野市は8日、市制施行50周年を記念して2008年に市運動公園の時計塔に「タイムカプセル」として収めた段ボール箱14個を取り出した。中身は、小中学生らに10年後の自分宛てに書いてもらったはがき約4900通と50周年記念のアルバム、DVD、新聞記事など約100点。はがきは本人に郵送し、他は市役所1階ロビーに展示した。(信濃毎日新聞 2018年8月9日の記事より)

 当時の子供たちの筆跡や書いてある内容が楽しかったです。(なんというか、あんまり変わっていないような気がします。)

 ハガキの額面は50円で、それぞれのハガキには10円切手と2円切手が貼られていました。その手間だけでも大変だなあと思います。市役所の担当の方、ありがとうございます。

<おまけのひとこと>
 帰省してきている息子が、結局体調が完全には復活せず、ちょっと心配です。






8月20日(月) コースター

 なんとなくパズルっぽいコースターがあったのでつい買ってしまいました。シリコンゴムのような素材で、1辺が4の六角形の格子点に突起とくぼみがあるものです(図1)。

図 1

 左側が凹型で右側が凸型です。2つ一組で360円くらいだったと思います。

 この一組は位置を合わせるとちゃんと噛み合います(図2)。

図 2

 かみ合っていないときの写真も撮ったのですが、画像だけだと差があまりよくわからないので載せるのをやめました。実際にいじってみると、ちょうどはまったときの感触が気持ちがいいです。

 このコースターを買ったときに、凹型のほうを何かのパズルかゲームの盤に利用できないかな、と思ったのです。例えば“ペグ・ソリティア”とか。

 手持ちのビーズを並べてみました(図3)。

図 3

 パズルやゲーム盤として使うには、残念ながら小さすぎました。ピンセットとかお箸の練習にはいいかもしれません。

 同じお店に、三角格子のタイプのものもあって、どちらを買おうか悩んだのですが、六角格子のほうにしました。両方買っておいてもよかったかもしれないなあ、なんて思っています。

<おまけのひとこと>
 8/20(月)の朝に、8/20と8/21の2日分の更新をしています。昨日の夜中からずっとおなかが痛くて1時間おきくらいにトイレに行っていて、眠れませんでした。今週は交替してもらえない仕事が火曜日と木曜日にあるので、なんとかそれまでに体調を整えておかないといけないです。






8月21日(火) 2048 パズル

 しばらく前に流行った「2048パズル」をこのお盆休みにやってみました。

図 1

 これ、中毒性がありますね。解けるまでにたぶん半日くらい費やしてしまいました。完成できたのでやめることができました。テトリスとかと同じく、運の要素もあるパズルですが、これはやっていると上達するパズルですね。

<おまけのひとこと>
 体調不良なので簡単な更新です。(2048パズルをやっていたのは数日前なので、体調不良とは無関係だと思います。)






8月22日(水) ランダムな平行凸多面体のCG(その1)

 多面体をいろいろ調べたり作ったりしていると、だんだん対称性の低いかたちに興味を持つようになってきました。適当な平行凸多面体を作ってみたいなあと思って、CGをつくってみました。

図 1

 適当といっても完全にランダムにするのはやめて、断面が正方形の四角柱を何本か交差させた共通部分を描いてみました。(この条件がついているのに「ランダム」というのは不適切な気もしますが。)図1で、同じ色の面は同じ四角柱の表面になっている部分です。これを積み木のようにたくさん作ったとすれば、タテヨコに規則正しく並べて積み上げることができるはずです。

 図1の多面体をある軸回りに回転させて、いろいろな方向から見てみました(図2)。ファイルサイズを小さくするため表面の色を白にしています。

図 2

 これを紙模型で作るのはとても面倒くさいです。3Dプリンタとかで作ってみたい気がします。でも当てがありません。

<おまけのひとこと>
 今日は定期通院です。






8月23日(木) 正三角柱12本を組む

 先日、そのままでは安定しない6本組木を透明輪ゴムで留めてみたら意外と印象が良かったという話を書きましたが、昔から作りたかった正三角柱12本組を同様にゴムで留めたらどうだろう?と思い付て作ってみることにしました。

 この4方向に3本ずつの12本組はいろいろなパターンをたくさん作っていますが、シンプルな正三角柱のものは、2008年9月に失敗談をご紹介しています。

再掲図

 (上記の画像は2008年10月2日のものです。今年の5月連休に模様替えしてしまいましたが、それ以前はリビングに自分の作業スペースを設けていて、そこに参考文献を並べていました。今見ると懐かしいです。)

 今回、三角柱をもっと細長くして、12本をゴムで留めるという手法を試してみました。完成品の写真をご紹介します。

図 1 図 2

 図1は一般的な視点から見たところ、図2はある1方向の3本の三角柱の中をのぞいたところです。

図 3 図 4

 図3は4回回転対称軸方向からみたところ、図4は2回回転対称軸方向からみたところです。

 これはゴムで留めているので、ゴムが劣化すると分解してしまうだろうことが予想されます。10年くらいは持つかなあ、それとももっと早くダメになるかなあ、と思っています。

 ちなみに図1〜図4は夜に撮った写真で、若干コントラスト強調しています。朝の明るい太陽の光で写真を撮ったほうがいいかなあと思って撮り直してみました。

図 5

 これは明暗のコントラストがきつすぎて模型のかたちがよくわかりません。

 このかたちも久々に作ったら楽しかったです。



 2048パズル(リンクはPC版です)がようやく解けましたという記事を書きましたが、2014年5月19日のひとことでちょっと書いていたことがわかりました。

 4年もほったらかしにしていたのですね。最近やっているのは、こんな風にできるだけ対角線方向に単調になるように、小さい数字が大きい数字の裏側に入らないようにしながら進める戦略です。

図 6 図 7 図 8

 図6〜図8は、同じプレイの途中経過を時間順に見たものです。基本的には下方向と右方向の移動しかしません。どちらにも動かせないときに限って左か上に動かします。そうすると連続してたくさん消せる配置になることが多いのですが、それをやってしまうと小さな数字が盤面の至るところに散りばめられてしまってすぐに手詰まりになるので、いよいよというときまでは、左に動かしたら右に戻す、上に動かしたら直後に下に戻す、という操作をします。

 そのときに運が悪いと数字の逆転が発生しますが、その後の数手でその逆転を解消するように操作します。こんな感じのプレイスタイルがわかってきたら、だいたいコンスタントに1024は作れるようになりました。

<おまけのひとこと>
 今週、来週とまた日帰りの国内出張があるのですが、移動中に読む文献を選んだりする準備が楽しいです。






8月24日(金) ランダムな平行凸多面体のCG(その2)

 先日の、四角柱の交差の共通部分の多面体(再掲図)ですが、これを積み上げたCGを作ってみました。

再掲図

 まず、全部同じ向きで積んでみたもの(図1)、

図 1

 一つおきに向きを変えてみたもの(図2)、

図 2

 向きのバリエーションを増やしてみたもの(図3)、

図 3

をCGにしてみました。いかがでしょうか。図3とかを見ると、これがすべて同一の多面体だとは思えないのではないでしょうか。

 CGを作ったら満足はしましたが、ランダムにいろいろなパターンの同様な多面体を生成するプログラムを作って、さらにその向きもランダムに積み上げるようにしたら面白いかなあとも思いました。

<おまけのひとこと>
 今週後半は更新ができませんでした。8月25日(土)の朝に、8/24(金)、8/25(土)の2日分の更新をしています。






8月25日(土) 番外編:大阪日帰り

 8月23日(木)、台風20号が接近する中、大阪大学豊中キャンパスに日帰りで行ってきました。だいたい片道5時間程度かかります。 長野県はもう夏休みが終わっている学校がほとんどですが、大多数の都府県ではまだ夏休み終盤ということのようで、帰省先から自宅に戻るお母さんと子供たちとか(駅で見送りの祖父母と大きな声で話をしているのが耳に入るのです)、家族旅行中の両親と子供たち、といったグループを駅や列車で見かけました。

 千里中央で北大阪急行(御堂筋線直通)から大阪モノレールに乗り換えるとき、こんなオブジェを見かけたので喜んで写真を撮りました。 暑い中、こんな日なたにわざわざ出てくる人がいるはずもなく、あたりにはまったく人影はありません。

図 1 図 2 図 3

 「結び目」ではなく、シンプルな輪っかです。細長い長円をひねって球面の表面に沿わせたようなかたちをしています。こういうのはどうやって作っているんだろう、ステンレスのような素材に見えるけれど、雨ざらしでどのくらいの年月、かたちをとどめているんだろう、と思いました。



 大阪モノレール、実は乗るのは初めてな気がします。千里中央から柴原までの2区間だけ乗りました。

図 4 図 5

 図4は行きの千里中央駅ホームから行き先の大阪空港方面を見たところです。モノレールは起伏が大きくても走れるのがすごいですね。なんだかわくわくします。図5は帰りに反対方向に移動中に窓から写真を撮ったものです。駅に到着する直前で、反対方向からもモノレールの列車が駅に入ってくるのが見えます。

 先日の地震のときに、大阪モノレールは全線復旧までに少し時間がかかったと思いますが、このような起伏が激しい高架なのですから、保線作業や点検が大変なのはよくわかります。



 この日は台風が近づいていて、鉄道やお店、会社なども早じまいするところが出ているというニュースが流れていて、帰れないと困るなあと思ってややあせりました。

 目的の打ち合わせはほぼ順調に終わって、少し早目の列車で帰ることができました。

 私の行程の中では帰りの名古屋駅あたりが一番悪天候でした(図6)。

図 6

 並走する列車を撮ったのですが、激しい風雨で窓には雨が叩き付けられていて、外がほとんど見えませんでした。その後、暴風雨圏から離れるについれて雨が小降りになり、最後には雨も上がって、無事帰ることができました。今回は建物等の被害はあったようですが、大きな人的な被害はなかったようで、それだけでも良かったです。

<おまけのひとこと>
 せっかく大阪に行ったのですが、目的地以外はほとんどどこにも寄らずにとんぼ返りしました。11時くらいに名古屋駅で乗り換えたときに、乗換時間17分あったので在来線ホームで「きしめん」を食べました。帰り、そうは言っても新大阪か名古屋で何か食べるか駅弁等を買おうかとも思っていたのですが、新大阪も名古屋も売店等はとても混雑していて長蛇の列で、何か買う時間もなかったので、自販機で飲み物だけ買って列車に乗りました。そのためお昼のきしめん以外、結局帰り着くまで何も食べませんでした。






8月26日(日) 3 Pieces 9 Symmetric Shapesを自作する

 ちょうど一週間前にご紹介した、「3つのピースで9つの対称なパターンを作る」というパズル、スチレンボードで自作してみることにしました。正しい寸法がわかっていませんが、いったんこの図のようなピースで作りました。

再掲図

 手持ちのスチレンボードの在庫で、表と裏の色が同じで厚みが5mmのものが黄色しかなかったので、それで作りました(図1)。パーツの幅は4cmです。

図 1

 実物をいじってみても、すでに思いついていた5種類以外の解は見つけられていません。 平行四辺形を作ってみました(図2)。これは鏡像対称ではないので、9つの解の1つではないのだろうな、と思っています。(仮にこれをカウントしてよいとしても、残りあと3つあります。)

図 2

 これも実物を作る前に気が付いていたパターンなのですが、一見鏡像対称に見えるかたちです(図3)。残念ながらこれは対称ではありません。

図 3

 パソコンの画面の中で図形を回転したり裏返したり移動したりするよりも、現物を動かすほうが圧倒的に楽です。



 朝5時過ぎに外を見たらきれいな朝焼けでした。

図 4

 今日も暑くなりそうです。



 昨日は地区の集まりがあって、今年度2期目の区費を支払ってきました。昨日は大変驚いたことに、5軒の家から自治会の退会願が出ている、という話がありました。正直、自治会活動は経済的にも負担は大きいですし、役員が回ってくるととても大変です。昔、人が多かった時代と同じことをやろうというのはだんだん難しくなってきていると思います。

 一方で、今まで当たり前にやっていたことをやめる、というのは、昔からずっと暮らしている方にとってはとても抵抗が大きいのはわかります。また、例えば通学路の雪かきなど、子供がいる・いないに関わらず地域の全戸が協力してやっている活動などは、続けたほうが良いと思うのです。これを行政で税金で賄おうとすると、それこそ負担がもっと大きくなります。

 難しい問題だと思います。



 出張の移動中、同じ車両で大きな声で話をしたりしているグループがいるときの自衛用に携帯オーディオプレーヤーを持参しています。今回は久しぶりにベートーヴェンやブラームスのヴァイオリンソナタのフルート版を聴いたのですが、なんだか自分でも吹いてみたくなって、昨日の土曜日は久々にモダンフルートを出してきて、楽譜を探し出して吹いてみました。

 夕方、妻にピアノを弾いてもらってちょっと合わせてみました。古楽の通奏低音と違って、ブラームスやベートーヴェンのピアノパートはがっつり書き込まれているので初見演奏は非常に厳しいですが、さすが雰囲気は壊さずにそれっぽく弾いてくれました。

 モダンフルートは音は出しやすいですが、指が難しいです。でも、こういう曲も楽しいです。

<おまけのひとこと>
 妻は昨日は指導している小さな合唱のグループの慰問演奏会があって出かけていました。女性合唱で歌うのは4名、妻が伴奏を弾いて、お客様は100名くらいはいらしたそうです。






8月27日(月) ジグザグチェアの模型を作ってみる(その1)

 こんな紙模型を作ってみました。

図 1

 これを作った経緯をお話します。



 7月に妻と高山に家具を見に行ったのですが、そのときに有名なジグザグチェア(Zig-Zag chair)の木製の模型が売っているのを見かけました。結局その椅子の模型は買わずに、立方八面体の一輪挿しを2つ買ってきたのですが、

再掲図

ジグザグチェアの模型が妙に印象に残って、帰宅してから紙で模型を作ってみようかなと思ったのです。

 先日も椅子の折り紙をご紹介しましたが(7月12日のひとこと)、

再掲図

椅子というのは本当に様々なデザインのものがあって、有名な椅子はインテリアとしてミニチュアが売っていたりして大変興味深いのですが、椅子のミニチュアを集めよう、と思ったことはありませんでした。でも、このジグザグチェア(の模型)は気になりました。

 家に帰ってすぐ、自分の印象を図面に落としてみようと思って、こんな風に図を描き始めました(図2)。 素材の厚みと長さ、4つの組み合わさる角度など、記憶があいまいでしたが、いったんこんな感じで作ってみることにしました。

図 2

 これで椅子の側面のかたちは決まりました。あとは椅子の幅です。この寸法もよくわからないので、これも適当にサイズを決めて、下の図のような型紙を作りました(図3)。

図 3

 パーツを切り離すと、側面のジグザグなパーツはわかりやすいのですが、座面のパーツはどっちが前でどっちが後ろなのか、どちらが上でどちらが下なのかわからなくなります。なので模型の内側になる部分に前後・上下がわかるような記載をしておくことが大事です。(実は1回間違えて接着して貼り直しました。)

 これを印刷して組み立ててみます。


(つづく)



 高山には新安房トンネルを抜けて行ったのですが、岐阜県側を下ってゆく途中にある飛騨大鍾乳洞というところにちょっと寄ってみました。外は30℃くらいの気温なのに、洞内は12℃くらいで肌寒いくらいでした。30分くらいで一通り中を歩きました。なかなか楽しかったです。

<おまけのひとこと>
 8/27(月)の朝に、8/27,8/28の2日分の更新をしています。

 ジグザグチェアの模型は10,000円くらいでした。ジョイント部の接合の仕組み等を含めて本物と同じデザインで丁寧に作られた模型の手間と出来栄え、またそのデザイン性の高さを考えると納得のできる価格でしたが、自分にとってそれを持っている価値を考えると、「まあ買わなくていいかな」という結論になりました。






8月28日(火) ジグザグチェアの模型を作ってみる(その2)

 さて、昨日の型紙を切り抜いて組み立てます。まず、前後の座面の上下を接着して、「輪っか」にします。そこに側面のジグザグパーツを貼るのですが、側面パーツを切り抜いた後の用紙を「型」として利用することにしました(図1)。

図 1

 こうすることでかたちが安定するので、側面を貼りやすくなります。

 完成したものをいろいろな方向から見てみました。

再掲図

 昨日も掲載した、本来の椅子の置き方の写真です。

図 2

 伏せてみました。背もたれの側面にやや「隙間」ができてしまいました。

図 3

 仰向けに置いてみました。前後のパーツを間違えて接着してしまって剥がして貼り直したので、椅子の床に接するパーツのフロントの細長い面が「しわしわ」になっています。

 妻に見せたら、「ちょっと横幅が広すぎない?」と言われました。検索してみると、こちら(英語のWikipediaです)とかこちら(googleの画像検索です)とか、確かにもっと横幅が細いですし、背もたれの角度ももっと立っていますし長さの比率も違います。座面から下の、Z字の部分も本物はもっと縦長でした。

 この椅子は1934年にオランダのデザイナーのヘーリット・トーマス・リートフェルトの作品なのだそうですが、こちらとかで復刻版が購入できるようです。でも、おいそれと購入できる金額ではないなあと思いました。

 自分がぼんやりした記憶で作った模型がいかに本物とはかたちが違っているかよくわかりました。本物の側面の写真とかもあったので、改めて設計し直してみようかなあと思っています。

<おまけのひとこと>
 土曜日に床屋さんに行ったのですが、ものすごく短くされてしまいました。いつも行っている床屋さんで「普通で」と言ったのですが、「普通」といのは危険な言葉だなあと思いました。まあ短い分には暑くなくていいですし、少なくとも不衛生な印象にはならないのではないかなあと思うので、まあいいか、と思っています。






8月29日(水) 石取りゲーム:約数版

 「石取りゲーム」という二人でやる対戦ゲームがあります。碁石など、たくさんの石を用意して、プレーヤーは自分の手番のときに1個か2個か3個、石を取ります。最後の1個を取らされた人が負けです。 このゲームは、最初の石の数によって、先手必勝なのか後手必勝なのかが決まっています。有名なゲームなので必勝法は書きませんが、もし必勝法をご存知ない方でも、しばらくやってみると気が付くのではないかと思います。

 このゲームのルールを若干変えた「石取りゲーム:約数版」というのを知りました。自分の手番の時に取れる石の数は、そのときの石の数の約数である、というのがこのゲームのルールです。最後の1個を取らされた人が負け、というところはオリジナルと同じです。(最後の1個を取った人が勝ちというルールにすると、手番のときには石は常に全部取れますから、先手必勝の無意味なゲームになってしまいます。)

 例えば石の数の初期値が29だとします。先手は1個取ります。残りは28個です。後手は4個取るとします。残りは24個です。先手は一挙に12個取ることにしました。残りは12個です。…というようにゲームが進みます。

 さて、このゲームに必勝法はあるでしょうか。あるとしたらどんな方法でしょうか? 初期値の石の数を与えられたら、それが先手必勝なのか後手必勝なのかどうしたらわかるでしょうか?


(つづく)

<おまけのひとこと>
 今日は簡単な更新です。






8月30日(木) “Puzzles & Paradoxes”

 昨日8月29日は出張で池袋と大手町に行ったのですが、帰りに新宿で紀伊國屋をちょっとだけ見に寄って、“Puzzles & Paradoxes”T.H.O'Beirneという本を買ってきました。

図 1:Puzzles & Paradoxes

 これは、New Scientistという科学雑誌に、1961年〜1962年に掲載された連載記事を本にまとめたもので、1965年に出版されたものを2016年に再販された本のようです。DOVERから出ていて、購入価格は1,566円(税別)でした。

 中身は全部で12章あるのですが、各章ごとに「川渡りのパズル」「偽物のコインを当てる」「油分け算」など、有名なパズルのジャンルに関していろいろと議論されていて、とても面白です。(もとい、とても面白そうです。まだちゃんと読んでいないので。)

 たとえば最初の章の“One More River to Cross”では、様々なパターンの川渡りのパズルについて論じられています。パズル好きの方ならば、このパターンは「オオカミとヤギと干し草」とか、「嫉妬深い夫とその妻の3組の夫婦」とか、いろいろなパターンをご存知だと思います。

 また、4章の“Jug and Bottle Department”では、様々なタイプの「液体の計り分け」のパズルについて論じられています。高木茂男氏の古典的な名著「パズル遊びへの招待」のオンライン版の1-7.油分け算でもシステマティックに解く方法が紹介されていますが、それを詳しく議論されている章で、これもまたとても面白いです。上記の本の表紙がこの章の図です。

 これは持っている価値があるかなあと思って買いました。おいおい読んでみたいと思います。



 出張の帰りの列車の中で、ふとパズル「2048」を始めたら、止まらなくなってしまいました。

図 2

 わりといい感じに続いていて、4096ができて、2048もその隣に準備できていて、下から2段目の32を64→128まで育てられればすぐに512を1024にすることができます。このままミスがなければ8192までは作れそうな雰囲気です。

 時間がもったいないのでやめることにしました。

<おまけのひとこと>
 いつもとても早く寝てしまうのですが、昨夜は最寄り駅に着いたのが21時半くらい、そこから駐車場まで歩いて車を運転して帰宅して、それからようやく夕ご飯にしたので、珍しく遅く寝ました。






8月31日(金) ヴァイオリンソナタのフルート版

 月末(過去のページの最下段)で週末なので、音楽の話を書くことにします。



 先週末(8/25(土)〜8/26(日))、久しぶりにモダンフルートを吹いたという話を書きましたが、ヴァイオリン版の楽譜を見ながらその場で適当にオクターブを変えたりして吹くのはかなり厳しいなあと思って、先日の出張の際、わずかな空き時間を使って新宿の村松フルートに行って楽譜を見てきました。

 事前にホームページでブラームスのヴァイオリンソナタ第1番のフルート版は在庫があることを確認していたので、現物を見て気に入ったら買おうと思って行きました。

 お店に入ってすぐ左手の、いちばん広いコーナーであるフルート独奏+鍵盤の、ブラームスの表示のところに直行して、棚の楽譜を確認したのですが、作品120のクラリネットソナタのフルート版、作品38のチェロソナタのフルート版はあったのですが、お目当てのヴァイオリンソナタの楽譜がありません。

 時間が無いのでカウンターに行って、店員さんに探している楽譜が棚になかったこと、ホームページでは在庫有りになっていたことを伝え、ありませんかと尋ねてみました。お探しの楽譜は何ですかと聞かれたので、ブラームスのソナタ作品78と、できれば作品100も(これは「在庫わずか」でした)、とお願いしました。

 カウンター内の在庫棚を見ていただいて、作品78のほうを出してもらいました。作品100は大阪店にしかないこと、取り寄せは可能なことを教えていただきました。ぱらぱらと楽譜をめくってみたのですが、調が原曲とは違いました。原曲はト長調(シャープ1つ)なのですが(図1)、この編曲版は変ロ長調(フラット2つ)です(図2)。

図 1

図 2

 これはまあ、理解できます。冒頭の大変印象的なピアノの和音に乗って流れる美しい旋律は、6小節目でヴァイオリンの最低音に近いAの音まで下がります。フルートは最低音はCなので、この旋律はそのままでは演奏できません。原調で演奏しようとすると、どこかで1オクターブ上げる必要があります。それはかなり曲の雰囲気を変えてしまいます。

図 3

 ページをめくっていって、第二楽章、第三楽章の楽譜を見てびっくりしました。原曲に対して、第一楽章とは異なる移調になっているのです。それぞれの楽章でフルートにとって最適な調を選択したということのようです。しかも終楽章はフラット6つ、いくらモダン楽器は古楽器とは違って調が変わっても雰囲気は変わりにくいとはいえ、原曲では冒頭の調と最後の調は同じなのに、それが違ってしまうというのは個人的にはちょっと受け入れがたいなあ思いました。

 というわけで、せっかく探し出していただいた店員さんには御礼を言って、イメージしていたのと違う編曲なので購入はしないことにしましたと伝えました。

 でも、せっかく来たのだから、何かモダンフルートの楽譜を買って帰りたいと思って、フランクのヴァイオリンソナタのフルート版の楽譜をみてみました。こちらは棚に4種類くらいの版があって、2,500円くらいから4,000円くらいまでと値段もまちまちでした。

 一通り見て、こちらのBREITKOPF(ブライトコプフ)版を買ってきました。

図 4

 選んだ決め手は、楽譜が見やすいこと、ソロのパート譜に影譜(長いお休みの後に入るところで、他の楽器の旋律が小さな音符で書かれているもの)がちゃんと入っていることや、ページめくりなどを意識したレイアウトになっていること、などです。

 帰りの特急の中で、ヴァイオリン版を聴きながら楽譜を眺めました。第一楽章と終楽章をやってみたいなあと思っています。



 フルートはバロック時代にはすばらしい名曲がたくさんあるのですが、ベートーヴェン以降、多くの作曲家はフルートのための独奏曲はほとんど作曲してくれませんでした。ヴァイオリンはいつの時代にもすばらしい独奏曲があるし、木管楽器では歴史の新しいクラリネットはすばらしい独奏曲や室内楽曲がたくさんあるのに…

<おまけのひとこと>
 9月1日(土)の朝に、8/31と9/2の2日分の更新をしています。夜半から明け方にかけて、かなり雨が降りました。






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