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以前の「ひとこと」 : 2014年5月後半



5月16日(金) リスーピアワークショップ

 すみません宣伝です。今度の週末(5/24-25)に、リスーピアでワークショップをやります。昨年度(2013年度)は1月にやったのですが、今年度(2014年度)は5月ということで、ちょっと間が短いです。これでそろそろ10回目くらいになります。

 今回は「紙の鎖で作る多面体パズル」と題して、立方体と菱形六面体を作るワークショップをやる予定です。

立方体(白)と2種類の菱形六面体(赤)

 今回はまだ空席が多いなあと思っているのですが、どうやら今年は小中学校のお子さんがいらっしゃらないと原則申し込めないようなのです。「宣伝」とか書きながら、大変申し訳ありません。以前はお子さんがいらっしゃらなくても、大人の方だけでの参加をしていただいた方もいらしたのですが。次回(来年度?)以降、もし継続してワークショップをやらせていただけるようであれば、以前のように大人だけでの参加も認めていただけないかどうか、今回行ったときに相談してみたいと思っています。

<おまけのひとこと>
 先週末に続き、今週末も仕事です。週末にまとめての更新になってしまって不本意です。でも、まったく更新できないよりはましかなあと思っています。
 今日(5/16)は本業のほうでアメリカの拠点のマネージャの方と1時間ほど打ち合わせをする機会がありました。私は英語はとても苦手で、言いたいことがうまく言葉にできなくてもどかしい思いをします。幸い、相手の方は英語が得意でない日本人と仕事をすることに慣れていて、こちらが発するたどたどしい英語(ほとんど単語だけとか)に対して、「それはこういうことか、でなければこういうことか」と、どんどん推測して話をしてくれるので、こちらはそれをきいて、“Y-Yes”とか“NO,no”とか“That's right.”とか“Oh! that's what I want to say, thank you!” とか言って、かろうじてコミュニケーションがとれるという状態でした。






5月17日(土) ドミノ・パズル(畳敷きのパズル)

 正方形が2枚つながった長方形を敷き詰めるパズルがあります。西洋ではドミノパズルと言われたり、日本では畳敷きのパズルと言われたりします。

 先日ご紹介した「ポリオミノの宇宙」を見ていて、そんな話題があったのでちょっとご紹介しようと思って図を用意しました。そうしたらほぼ同じ問題が「数学セミナー」の5月号の「エレガントな解答を求む:解答編」に出ていたのですが、まあいいかと思って紹介することにします。

図 1

 例えば、図1のような8×8の正方形のエリアを、1×2のタイルで覆うことは簡単です。32畳の正方形の部屋に畳を敷くと思ってください。

図 2

 例えばお寺などでは、図2のような畳の敷き方をしますね。

 では、この32畳の部屋の対角線のマスに相当する半畳ずつが、柱等の都合で畳が敷けないとしましょう。すると全部で31畳ということになります。この部屋に畳を敷くことはできるでしょうか?

図 3

 これは有名なパズルだと思うので、答えを書くと、





















一応ちょっとだけ間をあけましょうか…





















図 4

 これは畳31枚では覆うことができません。なぜならば、図4のように市松模様に色を付けてみると、青いマスは30マスしかありませんが、白いマスは32マスあります。1枚の畳は必ず青と白のマスを1つずつ覆いますから、青と白の色が違うと、たとえマスの数が偶数でも畳を敷くことはできません。

 つまり、両すみに限らず、市松模様に塗り分けたときに同じ色になる2マスを取り除いたら、畳は敷けなくなるということです(図5)。

図 5

 ここまでが前置きです。それでは、8×8の正方形を市松模様に塗り分けたとき、色の異なる2マスを取り除いたら、必ず畳を敷き詰めることができるでしょうか? それとも、色が違う2マスでも、畳を敷けないパターンは存在するでしょうか?

図 6

(つづく)

<おまけのひとこと>
 以前ここに書いたかどうか忘れましたが、このページに書いているメールアドレスは、今は週末しかチェックができていません。メールのお返事等がとても遅れることが多くて申し訳ありません。
 次の週末はリスーピアのワークショップに行くので、更新ができるかどうかやや不安です。(できれば初日の土曜日の夜には何か書きたいと思っていますが。)






5月17日(日) ドミノ・パズル(畳敷きのパズル)その2:ゴモリーの定理

 正方形が2枚つながった長方形を敷き詰めるパズルで、敷き詰めが可能かどうか判断するために、エリアを市松模様に塗り分けて、白と黒の色が違っていたら敷けないという判断ができるという話をしました。では、白と黒の色が同じなら、必ず畳敷きできるのでしょうか?





















ちょっと間をあけて…





















 色の数が同じであっても、それだけでは畳敷きができる十分な条件とは言えません。 しかし、8×8マスの正方形のエリアであれば、任意の白マスと黒マスを取り除いた62マスは、31枚の畳で覆うことができます。これは以下のように示すことができます。

図 1

 8×8の正方形のエリアを、図1の赤い線のような「壁」で区切ってみます。そうすると、それぞれのマスは外周と赤い壁以外で、必ず2つのマスとつながっていることがわかります。64マスを1回だけ訪れて元のマスに戻ってくる閉路が存在するのがわかりますか?

 ここまでくると話は簡単で、取り除いた青と白のマスは、この閉路を2つに分断します。(特別な場合として、取り除いた青と白のマスが閉路に沿って隣り合っていることもありますが、その場合は畳敷きできることは自明だと思います。)分断されたそれぞれの部分は、閉路ではなくなりますが、道(ルート)に沿ってかならず青と白が交互に存在し、その数は同じです。畳が敷けるのは明らかだと思います。

 非常に鮮やかな証明だと思います。これは、先日ご紹介した「ポリオミノの宇宙」に紹介されていたもので、かつてIBMの研究担当副社長だったラルフ・ゴモリー氏による証明だそうです。このような閉路は図1に限らずたくさんあります。

 このようにエリアの全マスを1度だけ訪れる閉路を作る、というのを見ると、ニコリという雑誌に紹介されていた「壁作」というパズルを思い出します。私はこのパズルが好きでしたが、あまりバリエーションや発展性がなかったようで、すたれてしまいました。

<おまけのひとこと>
 このところ本業がとても忙しい、というか、なかなか思うように進まなくて、精神的にこたえています。パズルや音楽はそんな時、慰めになります。直接の助けにはなりませんけれども。






5月19日(月) 2048

 2048という、たいへん中毒性の高いパズルゲームを知りました。

図 1 図 2

 4×4マスのエリアの中に、2または4のタイルが1手ごとにランダムに1つ増えます。1手の操作は、盤面上の数字のタイルを上下左右の4方向のどれか1方向に移動させるだけです。ちょうど、4つの方向のどこかに傾ける感じです。その結果、同じ数字どうしがぶつかったら、その数字は合計されて1つのタイルになります。例えば図2で、全体を左に傾けると、右の下から2番目の[2]のタイルが[4]の横に来ます。その結果その下の[2]と並びますが、この2つの[2]は合体しません。([2]どうしがぶつからないので。)

 数字同士が合体すればタイルの数は減りますが、合体しなければ空きマスは1手ごとに少なくなって、いっぱいになってしまったらゲームオーバーです。このゲームの目的は、2048を作ることです。

 このゲーム、iOSやAndroid用のものも出ていたり、コンピュータに解かせるのを眺めているだけ、というサイトがあったりします。このパズルは情報完全公開型ではなく、運の要素もあります。どんな戦略が最適なのか、考えるのは面白そうです。

<おまけのひとこと>
 でもそんな時間がないのです。
 実は今週末(5/18)は久しぶりにアンサンブルの練習を予定していたのですが、私だけは仕事で参加できなくなってしまいました。1か月に1度の練習もあやしくなってきています。














5月24日(土) 紙の鎖でつくる菱形六面体のパズル

 この週末、5月24日(土)、25日(日)に、リスーピアでワークショップをやりました。(このページは25日の夜に更新しています。) 

写真 1

 今回はA4サイズの用紙に、赤いパーツ3つと青いパーツ3つを配置していただきました。なのでやや小さなモデルになっています。

写真 2

 写真2のように配置して組むことで、全面が青の鋭角型菱形六面体と鈍角型の菱形六面体が組めるというのをやっていただきました。かなり難しかったかなあと思っていたのですが、けっこう多くの方が楽しんで作って下さったようで、ほっとしています。ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。(ご参加下さった方のなかで、ここを読んで下さる方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんけれども。)

 今回は満席になったあとで空席が増えたりしていたので、キャンセルされた方が多いのかなと思っていたのですが、会場でスタッフの方に尋ねると、早く満席になったので急遽定員を増やすという対応をしていただいたのだそうです。特に2日目の日曜日は、当初6人掛けのテーブルが20テーブルあったのですが、開始直前に3テーブル増やすという対応もしていただきました。

 また今回、お子さんがいらっしゃらない、大人だけでの参加申し込みはお断りするといった対応をされていたようなのですが、今後はそういうことはないようになるそうです。今後も機会をいただけるようであれば、ワークショップは続けてゆきたいと思っています。

<おまけのひとこと>
 実は今回、パズル懇話会の幹事をされている方がご参加くださいました。パズルに関する知識がものすごくて、いろいろお話を伺えて、とても楽しかったです。ありがとうございました。






5月25日(日) モノレール

 リスーピアのワークショップでは、ご参加いただいた方に、ご家族(グループ)ごとにアンケートをお願いしています。アンケート用紙をスキャンしてpdfにしたファイルを送っていただきました。今回はご参加いただいた方々が多くて、100組以上のご家族からアンケートにご協力をいただきました。ありがとうございます。

 幸いにして大部分の方々は、「難しかったけれどもとても楽しかった、またぜひ参加したい」とおっしゃって下さいました。ありがとうございます。(お子さんの字で「先生がとても楽しそうだった」と書いていただいたアンケートがありました。はい、楽しかったです。)

 今回はリスーピアのある国際展示場駅付近ではなく、りんかい線で数駅離れたところに宿をとりました。窓からの景色がよかったです。朝、ホテルを出る前に窓から景色を眺めていたら、たまたまモノレールが通ったので写真を撮ってみました。

写真 1

写真 2

<おまけのひとこと>
 充実していた週末も終わり、明日からはまたとても忙しい日常に戻ります。








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