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以前の「ひとこと」 : 2018年3月後半



3月16日(金) 斜方立方八面体から切頂菱形十二面体

 前回の更新で、切頂菱形十二面体は斜方立方八面体を「ふくらます」操作でできる、ということをお話して、斜方立方八面体のかたちのお菓子のパッケージをご紹介しました。

 せっかくなので斜方立方八面体のCGを作ることにしました。

図 1

 斜方立方八面体は、立方体に由来する正方形が6枚(黄色)と、正八面体に由来する正三角形8枚(緑)と、その間をむすぶ12枚の正方形(図1では面を張っていません)の面を持ちます。この多面体の稜に注目すると、正八角形6つから成ることがわかります。

 そういえば昔、こんな正八角形のカード6枚を組む模型を作ってみたことがありました。(2003年2月3日のひとこと参照)

 ×6 ⇒ 

 このように、6つの正八角形の頂点になっているということを利用すると、この多面体の頂点の座標はとてもシンプルに求まります。使う値はたった2つで、cos( 22.5°)とsin( 22.5°)です。( 22.5°は直角の4分の1です。)

 変数名を打つ手間を節約するため、とても短い変数名になっていてすみません。(悪いプログラムの見本です。)

 ここで定義した、黄色い正方形 Sq1 と緑の三角形 Tr1 を座標軸を含めて描画するとこうなります。

図 3

 図1の斜方立方八面体を「ふくらます」、つまり6枚の正方形と8枚の正三角形を中心から遠ざけると、切頂菱形十二面体になるのです。

図 4

 gifアニメーションで連続的に変化させてみました。

図 5

 いかがでしょうか。

(つづく)



 大相撲3月場所、東関脇の御嶽海は4勝2敗です。うーむ。

<おまけのひとこと>
 3月17日(土)の朝に、3/16,3/17の2日分の更新をしています。






3月17日(土) 切頂菱形十二面体のCG

 切頂菱形十二面体のCGもいろいろ作ってみました。まずはgifアニメーションです。

図 1

 こちらは、斜方立方八面体をふくらますのではなく、先日計算したこの図に基づいて

 等辺八角形から描画しました。

 八角形の面を張って、正方形と三角形は張っていないモデルです。

図 3 図 4

 図3は正方形の面を下にしたもの、図4は正三角形の面を下にしたものです。

(つづく)



 とある講習会で、アメリカの金星探査機マリナー1号(1962年ですから56年前です)が発射わずか5分後くらいでFORTRANプログラムの不具合(バグ)で自爆した、という説明をききました。ただ、そこに載っていたプログラムの例とその解説が納得できないものでした。(講師の方は技術的には電子回路がご専門ということで、FORTRANのような大昔のコンピュータ言語についてはほとんどご存じないようだったので、質問はしませんでした。)

 この話確か昔きいたことがあると思って少し調べてみました。このページの説明がわかりやすかったです。

 この金星探査機マリナー1号のプロジェクトにかかったコストは1,850万ドルだそうです。この金額がソフトウェアのバグで失われてしまったということで、とてもインパクトがある話なのですが、広まってしまっている「ピリオド」と「カンマ」の違いとは別の誤りだったようです。

<おまけのひとこと>
 先週は気温の変化が激しい一週間でした。






3月18日(日) 菱形十二面体から斜方立方八面体へ

 昨日の更新で、斜方立方八面体をふくらませてゆくことで切頂菱形十二面体になります、というご紹介をしましたが、逆に、菱形十二面体の頂点を切り落としてゆくことで、切頂菱形十二面体、さらに斜方立方八面体になる様子をCGでご紹介したいと思います。

図 1 図 2

 図1は菱形十二面体です。図2は次数3と次数4の頂点をほんの少し切り落とした状態です。

図 3 図 4

 図3はかなり切り進んだ状態、図4はゴールの斜方立方八面体に到達したところです。

 菱形の面を張ったgifアニメーションも作ってみました。

図 5

 いかがでしょうか。



 今回の、正九角形の面を持つ多面体に端を発した切頂菱形十二面体の話はいったんここまでで終わりです。最後にこの2つの模型を一緒に撮った写真を載せて、このシリーズは終了としたいと思います。

図 6

 いろいろ計算して寸法を求めたり、模型を作ったり、CGを作ったりして楽しかったです。



 自宅では主暖房は「温水ルームヒーター」を使っています。屋外で熱媒体である不凍液を灯油のボイラーで加熱し、それを室内機まで循環させ、室内機でファンでその熱を室内に放出するという原理の暖房です。温まってくるのに時間がかかるというのが弱点ですが、空気は汚れないし、屋内の湿度も変化させないし、やけどの危険もないし、灯油なので電気よりはランニングコストも安いだろう、ということで選択しました。室内機は1階と2階の広い部屋に1台ずつ設置してあります。

 以前から室内機のファンからひどい金属音がして困っていました。分解して軸にグリスを塗ってみたりしたのですが、あまり効果が続かなくて、鳴ったり鳴らなかったりしていたのですが、最近はとくにひどくなってきていました。いい加減交換の時期かなあと思って調べてみると、なんとすでに生産終了になっていることがわかりました。やはりずっと生き残る製品ではなかったのか…と思いました。

 来シーズンまでには主暖房をどうするのか考えないといけないなあと思っています。だましだまし使うのか、思い切って何かここでリフォームするのか、いずれにせよ大変でため息が出ます。

<おまけのひとこと>
 春のお彼岸の時季になりました。春分の日の3/21は天気予報によると雪のようです。天気がよさそうな今日(3/18)、お墓参りに行っておこうと思っています。(今、3/18の朝4時にこの更新をしています。)






3月19日(月) 三本組木の先端を尖らせたかたち(その1)

 立方体には8つの頂点があります。頂点のうち、一番遠い2点どうしを結ぶと立方体の対角線になりますが、頂点が8つあるので、対角線は4本引けます。4本の対角線は立方体の中心で交わりますが、立方体の中心と1つの面の4つの頂点を結ぶと、底面が正方形の四角錐のかたちになります。4つの二等辺三角形は正三角形ではありません。

図 1

 この四角錐を立方体の6つの面の外側に貼り付けてみます。図2が上下の2面、図3が左右の2面、そして図4がちょっとわかりにくいですが前後の2面に貼り付けたところです。

図 2 図 3
図 4 図 5

 全部貼り付けると、おなじみの菱形十二面体になります。この菱形十二面体はいろいろ面白い性質を持っていますが、そのうちの1つに「菱形十二面体は単独で空間を充填する」という性質があります。

 次に、図6のように、立方体の上下左右前後の6つの面に、同じ大きさの立方体を貼り付けたかたちを考えます。ちょうど三本組木でこんな寸法のものを作ることがあります。

図 6 図 7

 さて、この三本組木のかたちの6つの端面に、図2〜図5と同様に、図1の四角錐を貼り付けたかたちを考えてみましょう(図7)。

 実は、このかたちも隙間なく空間を充填することができるのです。どうやったら充填できるかわかりますか?

(つづく)



 昨日は春のお彼岸で、妻と二人でお墓参りに行きました。9時半過ぎに私の実家に寄って、母と1時間ほどお茶を飲みながらおしゃべりしました。朝は寒かったのですが、11時くらいにお墓に着いて、冬の間に積もった枯葉や枝をせっせと片付けていたら汗をかきました。

 今日(3/19(月))は天気が悪い予報です。

<おまけのひとこと>
 今週は日帰り出張があったり祝日があったりで、次の週末の前にも更新ができる日がありそうです。






3月20日(火) 三本組木の先端を尖らせたかたちの空間充填

 昨日のこのかたち(図1:色を変えました)がどのように空間を充填するのか、CGで説明してみたいと思います。

図 1

 十字型の立体の上下・左右・前後の面に四角錐が付いているかたちになっていますが、この四角錐がもともと立方体の中心を頂点とし、1つの面を底面とする四角錐ですから、図2のように上下・左右・前後からこの立体を連結することができます。

図 2

 これをずっとつなげてゆくと、単位立方体をつなげた3次元の網目の構造になります。いわゆるコクセター・ペトリーの多面体の(4,6)です。(佐藤郁郎さんのページにリンクさせていただいています。) (4,6)の4は正方形を表し、6は1つの頂点に正方形が6つ集まっていることを表しています。「スポンジ構造」などと呼ばれます。

 1階層目は黄色と緑で敷き詰めてみました(図3、図4)。

図 3 図 4
図 5 図 6

 その上に、もう2色使って2階層目を重ねてみました(図5、図6)。あんまりわかりやすい図ではないですね…。こうしてできる構造は「スポンジ」なので、穴だらけです。このままでは空間を充填するとは言えません。

 たいへん面白いことに、この(4,6)スポンジ構造は、空間を合同な2つの領域に分割しているのです。つまり、「隙間」の部分もこの多面体の連結された構造とまったく同じなのです。

 ずっとつながっている状態だとわかりにくいので、ごく一部分だけを取り出して説明します。図7のgifアニメーションのように、この構造はx,y,z軸方向に単位立方体1つ分だけ動かすと完全に重なるのです。

図 7

 ちなみに図7の黄色や水色の部分、「ボイドキューブ」というルービックキューブ系のパズルを思い出します(図8)。

図 8

 これは大変巧妙な構造で気に入っています。特に、このパズルは面の中心が「見えない」ため、エッジピース1つだけの向きを変えることができるのが面白いです。

(つづく)



 昨日(3/19(月))の朝、会社に行くために玄関を出たら、前に止めてある自分の車のバックドアが上がっているのです。なんと前日に閉め忘れたようです。カギをかけ忘れるならまだしも、ドアを開けたままというのはいくらなんでもひどすぎます。

 幸い車は無事でした。雨が降らなくてよかったです。

<おまけのひとこと>
 今朝も3時過ぎくらいから起きてしまったので、今日の更新のためのCGを作ったりしていました。明治生まれの私の祖母も、55歳で定年になった後、夜は8時くらいに寝てしまって、朝は3時くらいに起きていろいろやっていました。私も今、同じような生活サイクルになっています。 違いは、私はまだ当分の間は定年にならないことと、早起きしてやったことをwebで公開できることです。






3月21日(水) 立体十字型の空間充填(その1)

 昨日、下左の再掲図のかたちが空間を充填します、という説明をしました。それでは、下右の図1のかたちは空間を充填するでしょうか?

再掲図 図 1

 もともと、昨日の「尖り三本組木」のかたちは、立方体の6分の1の四角錐を6つ貼り付けてありますから、ちょうど立方体1つ分だけ体積が増えています。なので上の2つの立体の体積は同じです。

 もちろん、体積が同じであることと、空間を充填する性質があることは全く関係はありませんが…

 図1とは向きが違いますが、6つの四角錐を順に貼り付けて立方体1つ分だけ増えている様子をgifアニメーションにしてみました。

図 2

 昨日と同様の格子構造を、このかたちで作ることはできるでしょうか?

 ちなみに、この図1や図2のかたち(仮に「立体十字型」と呼びましたが)、ちょっと特別なかたちなのです。ご存知でしょうか、四次元の超立方体に関係があるのですが…

(つづく)



 昨日は出張で名古屋に行きました。朝、塩尻駅で乗り換えのために列車を降りて跨線橋の階段を上り始めたときに振り返ってみると、1番線から4番線まですべてに列車が停車していました。(田舎だと珍しいのです。)

図 3

 この写真を撮り終わって振り返ったら、これから会社に出社するという、昔から一緒に仕事をしている方に会いました。次の列車が5分後ということで、少し立ち話をしました。

 今日は「みどり湖」のほうから来て、「洗馬(せば)」のほうに向かいます。

図 4

 塩尻駅のホームは、東側から1,2番線の島、3,4番線の島、5,6番線の島の3つの島型ホームから構成されています。真ん中の3,4番線の島のホームはいろいろな方面に発着する列車に活用されているため、駅名標には上の写真のように4方向すべての方向に矢印が描かれています。

 一方、5番線は中央西線に向かう列車しか停まりませんので、駅名標もシンプルです(図5)。

図 5

 図4は5番線ホームから撮っているので、余計な電線が写ってしまっています。図5は5番線ホームで見上げて撮っているので、台形に写っています。

図 6

 そんな写真を撮っていたら、乗車する特急がやってきました。

 昨日の出張は、11時45分に名古屋駅集合でした。

→ 08:13 塩尻 08:17 → 10:14 中津川 10:20 → 11:35 名古屋

 というのがぴったりだったのですが、何かの都合で列車が遅延したりすると困るので、たっぷり余裕のある

→ 08:13 塩尻 08:46 ― 特急「しなの4号」 → 10:52 名古屋

 で行きました。そのため乗換も30分以上あったので、写真を撮ったりしていたのでした。名古屋に着いてから、「きしめん」も食べる時間がありました。

<おまけのひとこと>
 今、朝7時です。雪が舞い始めました。






3月22日(木) 立体十字型の空間充填(その2)

 さて、昨日のこのかたちですが、これは四次元立方体(超立方体)の三次元展開図なのです。

再掲図

 検索してみると、四次元立方体の展開図に関するページはたくさん存在するようです。なぜこのかたちが 四次元立方体の展開図なのかは、そういったページにお任せすることにします。(たとえばこちらとかこちらとか。)

 普通の三次元の立方体の展開図は、ご存知のようにこんなかたちをしています。

図 1

 もちろんこれ以外のかたちもあります(全部で11種類あることが知られています)。これを立方体にするには、こんな風に折り曲げてゆきます。

図 2

 このかたちは、平面を隙間なくうめつくすことができます。

図 3

 11種類すべての展開図がタイリング(=平面を埋め尽くすことが)できます。

 では、この四次元立方体の展開図のかたちは、空間を埋め尽くすことができるのでしょうか?

再掲図

 さらに、これ以外の四次元立方体の展開図は、三次元空間を埋め尽くせるのでしょうか? さらにさらに、N次元超立方体の(N-1)次元展開図は、(N-1)次元のタイリングは可能なのでしょうか?

 (すみません、少なくとも現時点では私はこの問いの答を知りません。)

(つづく)



 昨日(3/21)は一日中雪が降っていました。朝9時過ぎに軽く雪かきして車を家の前に移動して(そのほうが雪かきが楽になるのです)、午後3時過ぎに10cmくらい積もった雪をかきました。運動不足の私は軽く筋肉痛です。

 昨日(3/21)の日中は、高速道路が積雪で単独事故が3件ほどあったとかで通行止めになっていましたが、午後には解除されたようでした。この更新をしている3/22(木)の早朝(今、4時半です)は、チェーン規制はしているものの普通に通れるようです。朝の通勤で交通量が増えたところで通行止めになるといやだなあと思っています。

<おまけのひとこと>
 3/22(木)の早朝に、3/22,23の2日分の更新をしています。






3月23日(金) コルクボードを敷く

 今日はタイリングの話を書きます。それも、リアルに自宅の床にコルクボードを張った作業の話です。

 妻が、フローリングの床が寒いのでなんとかしたいといって、ジョイント式の30cm角のコルクボードを買ってきました。自分で施工してみると言うのですが、寸法を測ってカッターでカットして…という作業はおそらく私のほうが得意なのではないかと思ったので、21日(水)の雪の降った祝日に、3時間ほどかけてコルクボードを敷き詰めてみました。

図 1

 作業開始してしばらくしたところで写真を撮ってみました(図1)。カッターマットは普段ペーパーモデルの作成に使っているものをそのまま流用しましたが、カッターはさすがにデザインナイフというわけにいかないので、刃がロックできる作業用の大きなものを使いました。

図 2

 若干精度が不満ですが、まあこんなもんかなという感じです。楽しい作業でした。

<おまけのひとこと>
 実はパーツが足りなくて、作業はまだ途中です。この週末は続きをやることになると思います。






3月24日(土) 「足の下ステキな床」

 昨日の更新となんとなく関係した話題です。先日、「足の下のステキな床」(グラフィック社)という本を買いました。ほぼ正方形でオールカラーのきれいな本です。

図 1

 読書メーターにもたくさん感想があって驚きました。床、面白いですね。最後の見開きに、採用された写真の都道府県別の分布が載っていましたが、かなり偏っていました。3名の撮影者の方が行く機会が多かったところが自然に多くなっているとのことです。床の観察は楽しいですね。

<おまけのひとこと>
 今日は時間がないので簡単な更新です。






3月25日(日) 四次元立方体の展開図を三次元空間に隙間なく並べる

 3月20日のひとことでご紹介している、立方体を単位とした三次元の網目の構造を、四次元立方体の展開図で作る話です。

 こんな風に並べます。視点を2か所に固定して、パーツを1つずつ増やしてみています。

図 1 図 2
図 3 図 4
図 5 図 6
図 7 図 8

 こうすると、立方体構造の8つの頂点のうち、1つおきに「トゲトゲ」(凸部)が出ているかたちになっているのがわかるでしょうか?

図 9 図 10

 これは、食塩(塩化ナトリウム:Na+ Cl-)のイオン結晶構造と同じパターンです。これが無限に連続することで、三次元の格子構造になります。さらにそれが単位立方体1つ分シフトすることで、空間全体を覆いつくすことができるのです。

<おまけのひとこと>
 本日3月25日(日)は、小平奈緒選手の祝賀パレードが地元の茅野市で開催されます。






3月26日(月) マルコフ方程式(その1)

 マルコフ方程式 〜方程式から読み解く美しい数学〜小林 吹代 著(技術評論社:2017年7月)という本を買いました。これが非常に面白かったのです。

 マルコフ方程式というのは、こんなかたちをしています。

 この方程式を満たす3つの自然数(1以上の整数)の組を考えます。試行錯誤で素朴に考えると、まずは(1,1,1)というのがこの式を満たすことがわかります(左辺=右辺=3です)。

 いろいろやっていると、(1,2,5)というのも解だということがわかりました。

 さて、この方程式は無限に解を持つのでしょうか? それとも解の個数は有限でしょうか?

(つづく)



 2月下旬から4週間、短期の語学留学に行っていた大学2年生の息子が、昨日(3/25(日))の早朝に帰国しました。朝6時前に妻の携帯に電話がかかってきて、私も少し話をしました。元気そうで安心しました。



 以下は自分のための日記というか覚書です。

 昨日、土曜日の朝に床屋さんに行きました。「若干短めに」とお願いしたら、今までで一番短い感じにカットされてしまいました。短いのは嫌いではないのですが、まだちょっと寒いかなあと思います。

 朝9時半前に駅ビルの床屋さんに行ったのですが、駅前のバス停に、おそらく始発の特急あずさで到着したと思われる登山者が20人くらいバスを待っていました。「3月は冬山」ですから、皆さんちゃんと装備をしている様子でした。すごいなあと思いながら見送ったのですが、今朝3/25(日)の朝8時半ころ、八ヶ岳で7人のパーティ滑落事故があったそうです。3名が亡くなったというニュースを見ました。山、特に冬山は恐ろしいと改めて思います。

 その後、妻と買い物に行って、私は木製のパズルを買ったり、本を何冊か買ったりしました。そのうちの1冊が上記の「マルコフ方程式」です。これはお勧めの本です。パズルはそのうちご紹介しようと思います。

 日曜日は朝から(本業のほうの)仕事をして、妻に伴奏してもらって久々にトラヴェルソを吹きました。バッハのヴァイオリンソナタBWV1014,15あたりをフルートで無理やりやったあと、ヘンデルのソナタop.1-1b (e-moll) をやりました。

 午後は「ゴミ捨て」に行った後で断熱材を買って来て、玄関の扉に貼る作業をしました。私の見積もりが甘くて材料が若干足りず、買い足しに行きました。

<おまけのひとこと>
 3月25日の夜に、3/26〜3/28の3日分の更新の準備をしています。サーバに転送するのは3/26(月)の朝の予定です。
 昨日が千秋楽だった大相撲春場所、東関脇の御嶽海は8場所ぶりに負け越してしまいました(7勝8敗)。残念…






3月27日(火) 「世界一長い炭素-炭素結合」

 北海道大学のプレスリリースによると、「有機化学第一研究室の鈴木教授、石垣助教らは、炭素―炭素単結合の標準結合長(1.54 A)よりも17%も長い結合を有する有機化合物が存在することを実験的に証明しました。」なのだそうです。

 こんな構造の化合物なのだそうです。

図 1

 これが共有結合として安定している、というのは純粋にとても面白いと思いました。ただ、これを「超結合:hyper covalent bond」と呼ぶ、と提唱されているということなのですが、それにはちょっと違和感を感じます。(まあ私がこんなところにそんな意見表明を書いたところで何も意味はないですが。)

 純粋に、通常よりも距離が離れている化学結合というものが存在するということはとても面白いと思います。しかも、「そんなに長い距離の炭素-炭素単結合は存在しない」という予想を覆した分子を実際に合成して示したというのはとても痛快だと思います。

 一方で、この結合は距離が非常識に長いことから、結合エネルギーは通常よりも非常に小さく、この結合を保護する外殻構造があるがゆえに安定して存在している、と説明されています。であるならば、「新素材の創出」という方向の応用が期待できる、という点に関して、ただちに納得できるとは言いかねるかなあと感じました。なぜなら、この結合を保護する構造を周囲に作ることで安定させているわけで、この結合の特徴を生かしたポリマー等が作れるのか、というと、まるで想像がつかないです。(だからこそ、もし出来たらすごいのでしょうけれども。)

 「で、それが何の役に立つの?」という問いに答えるために「新規材料の開発」という可能性を語っているならば、むしろ同情したいところではあります。「今までにないものを作ったんだ、どうだすごいだろう」で充分だと思うのですが、そうではないのかな、と思いました。



 今月の市の広報の表紙から5ページ目まで、小平奈緒選手の特集ページでした。

図 2

 日曜日の祝賀パレードは大変な人出だったようです。全国ニュースで放映されていました。夜には地区の公民館で祝賀パーティがありました。(ちょうど地区の月次の定例会もあり、参加はしませんでしたが。)

<おまけのひとこと>
 カレーハウスCOCO壱番屋の創業者の宗次徳二氏が私財で建設した宗次ホールの話が新聞に紹介されていました。一度行ってみたいです。






3月28日(水) マルコフ方程式(その2)

 マルコフ方程式の話の続きです。前回、(1,2,5)というのが解の1つだという話を書きました。ここから別の解を派生させる方法をご紹介します。

 3つの数字のうち、2つを選んでマルコフ方程式そのものに代入します。(1,2,5)ですから、選び方は3通りあって、(1,2)、(1,5)、(2,5)です。残りの1つを変数として、マルコフ方程式に代入すると1変数の二次方程式が得られます。

 上記の1行目を見てみましょう。1と2を代入して、zの二次方程式が得られています。この二次方程式の根の1つは、もちろん5です。なぜなら、(1,2,5)がマルコフ方程式を満たしているからです。ではもう1つの解は何かというと、1行目の二次方程式を因数分解するとわかるように、1がもう1つの解になっています。

 同様に(1,5)を代入すると(2行目)、根としては2と13が得られますし、(2,5)を代入すると(3行目)、1と29が得られます。つまり、1つのマルコフ方程式の解の周辺には、3個のうち2つの数字が共通の解が3つ存在することになるのです。これを図示するとこんな木構造になります。

図 2

 ここで、いろいろな疑問が出てくると思います。「次々に2つに分岐する木構造になっているけれども、同じ解が別のところに現れたりしないのか?」「この木構造に所属しない別の解は存在しないのか?」「こうして得られる解が必ず正の整数になる保証はあるのか?」 …等、いろいろな疑問が湧いてきます。

 「マルコフ方程式」という本の第1章は、これらの疑問に対する答を解説しています。ここまででこの本の2割くらいで、この先にはもっと面白い話がいろいろ語られています。

 おそらく中学生や高校生の数学ファン、パズルファンが読んでも充分に楽しめるのではないかと思います。自分がその世代のころにこんな本があったら幸せだったろうなと思わせるすばらしい本でした。



 先日の四次元立方体の展開図の話ですが、検索してみると、四次元立方体の展開図をすべて木工模型で作成しようとしているtwitterがあってびっくりしました。また、こちらのルドルフ・シュタイナー 〜「四次元」〜 数学と現実も面白そうです。

<おまけのひとこと>
 今週は久々に「きらクラDon!」に応募してみようかなあと思っているのですが、また応募を忘れてしまうかもしれません。






3月29日(木) タングラムによる凸多角形

 タングラム、という有名なパズルがあります。図1のように正方形を7つのピースに切り分けて、それを並べて指定の形をつくる、というパズルです。

図 1

 7つのピースを全部使うこと、重なった部分があってはいけないこと、という条件がついています。

 このタングラムで作れる凸多角形は13種類あることが知られています(図2)。

図 2

 それでは、正方形を7つの多角形に切り分けて、できるだけたくさんの凸多角形を作るにはどんな切り分け方をしたらよいか、ということを考えた人がいるのだそうです。たとえばこんな風に切ると

図 3

 100種類を超える凸多角形を作ることができるらしいです。ちょっと考えてみようかな、と思いました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 3月28日(水)の夜明け前に、2時間くらいかけてタングラムの図をいろいろ作って遊んでしまいました。3/28の朝に、3/29,3/30の2日分の更新をしています。






3月30日(金) タングラムによる「猫」

 タングラムは、いろいろな具象物のシルエットを作って遊ぶ、という遊び方が一般的だと思います。たくさんの素敵なデザインが公開されています。最近見て気に入ったのがこの「猫」のシリーズです。以前もいくつかご紹介したことがありましたが、10種類というのは圧巻です。

図 1

 これは、シルエットの絵にしたくて自分で図を作ってみたものですが、オリジナルはこちらのページにある図をそのままお手本として使わせていただいています。

図 2

 シルエットもいいですが、パーツの輪郭線が入っている図2の表現も面白くていいですね。

 図案としてとても優れているのではないかと感心しました。ポスターにしても、ハンカチやTシャツにしても面白そうです。

<おまけのひとこと>
 きらクラDON!に応募してみました。メッセージを読んでもらえるでしょうか。週末の放送が楽しみです。






3月31日(土) いろいろ

 今日は3月最終日なので、簡単な更新にします。ここ1ヶ月ほどの間にカメラで撮った写真を2枚ほど載せます。(たいした内容ではありません。)

 某コーヒーのお店でコーヒー豆を買うとサービスでコーヒーをいただけるのですが、それを飲んだ時に紙カップの影が2つ、きれいに見えたので写真を撮りました。(飲む前に撮ればよかったと思いました。)

図 1

 複数の光源で複数の影が見えるのが好きです。でも光源がありすぎてうすい影がたくさん見えるのはあんまり好きではありません。2つか3つくらいがちょうどいい感じです。視点の関係で、カップのふちよりも影のほうが丸く見えるのも、あたりまえなのですがちょっと面白いと思いました。



 もう1枚、これは確か先日床屋さんに行った帰りに、駅の脇の踏切で数分間足止めされたときの写真です。今まで気にしたことがなかったのですが、この踏切、警報機の赤い警告灯の高さが妙に低いのです。隣の遮断機のバーの高さの2倍くらいしかありません。

図 2

 なぜこんなに低いんだろう?と不思議に思いました。

<おまけのひとこと>
 今日で今年度もおわりです。明日からの2018年度は忙しくなりそうです。






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