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以前の「ひとこと」 : 2018年3月前半



3月1日(木) 菱形をつないだ帯の結び目:このかたちは何でしょう?

 先日来、対角線比が1:√2の「シルバー菱形」を連結した、断面が正三角形の三角柱を組み合わせた「穴あき多面体」をいくつかご紹介していますが、今回は体積が無い、菱形を辺で連結した「結び目」のかたちをご紹介します。図1〜図4の写真をご覧ください。

図 1 図 2
図 3 図 4

 さてこれはどんなかたちでしょうか?

(つづく)



 ちょっと模型で確かめたいことがあって、妻に立方八面体と正十二面体を作ってもらいました。

図 5

 こういうのをちょっと作ってもらえるとありがたいです。

<おまけのひとこと>
 今回ご紹介した「結び目」は、最近作ったものの中でもお気に入りです。ただ、わかりにくいかなあという気はしています。対称性の高い視点から見るとさらにわかりにくくなると思って、今回は一般的な視点からのみ4枚、画像を載せました。






3月2日(金) 菱形をつないだ帯の結び目:三葉結び目のCG

 今回、厚みを考えない紙の帯の輪を考えたきっかけは、先日のこのかたちでした。

再掲図

 これは断面が三角柱ですが、この表の面だけを考えると、それが三葉結び目になっています。これだけならば正方形でも組めるなあと思って、CGを作ってみました(図1,図2)。

図 1 図 2

 これ、正方形が何枚あるかわかりますか?

 このパターンは、任意の菱形で組むことができます。CGにしてみました。

図 3 図 4

 これは単純に縦軸(Povrayを使っているのでY軸)のスケールを変えるだけでいろいろなパターンが生成できて楽しいです。

(つづく)



 リビングの窓辺でなんとなく育てているミニトマトが、また新しい実をつけています。

図 5

 昨年の秋からトータルでまだ20粒くらいしか収穫していませんが、植物の日々の少しづつの変化が楽しいです。

<おまけのひとこと>
 3月3日(土)の朝に、3/1,3/2の2日分の更新を遅れてしています。昔は平日は毎朝更新して、週末はまとめて更新、というパターンが多かったのですが、ここ数年は週末はこまめに更新して、平日はまとめて更新というパターンがほとんどです。






3月3日(土) 一本の帯を折ってつくる三葉結び目

 昨日CGをご紹介した「正方形をつないだ帯で構成された三葉結び目」ですが、一本の紙の帯を折り曲げて作ってみたくなりました。昨日のCGをちょっと修正して、紙を折ったイメージにしてみました。

図 1

 まあこんな感じかなあと思いました。手元にあった1cmマスが印刷されたA4のレポート用紙から、幅1cmで長さ20cm弱の帯を切り出して、図1を見ながら順に折ってみました。

図 2 図 3

 図3の写真のほうが、図1の視点に近いですね。かなり小さいですし、試作品なので精度も悪いです。帯の両端と、中央で3本が交差するあたりにかるく木工用ボンドを塗ってかたちを安定させています。

 作った結び目を眺めていたら、中央の3つの直交する正方形のところに立方体を作ってみたくなりました。同じ結び目の鏡像体をかぶせれば、中央は6面すべてが正方形で囲われることになります。CGを作ってみました。

図 4

 これを見たら満足して、「まあ模型は作らなくてもいいかな」という気持ちになりました。それよりも菱形をベースとした結び目を作ってみるほうが面白そうだと思いました。

(つづく)



 今年も妻が内裏雛を飾ってくれました。

図 5

 娘が地元を離れてまる6年が経ちました。

<おまけのひとこと>
 3月3日(土)の夕方に、3/3,3/4の週末の2日分の更新の準備をしています。今日3/3は桃の節句です。日中はかなり気温が上がりました。






3月4日(日) 立方八面体魔方陣:補遺

 先月後半に、立方八面体魔方陣というのをご紹介しました。

再掲図

 これは、

  • [1] 中心をはさんで向かい合う頂点(緑の線)と中心の3点の和が等しい(21)
  • [2] 8つの正三角形の面それぞれの3頂点の和が等しい(21)
  • [3] 6つの正方形の面それぞれの4頂点の和が等しい(28)
  • [4] 4つの正六角形の断面のそれぞれの6頂点の和が等しい(42)
  •  という特徴があってとても面白いです、という話を書きました。

     これは使っている数字が1から13なのですが、これを-6から+6を使うように変えたほうがより対称性がはっきりしてきれいなのではないか、と今さらですが思い付きました。さっそく図を描いてみました。

    図 1

     こうしてみると、上記の[1]〜[4]の全ての和はゼロになります。4つの正六角形は、向かい合う数字のペアを3組持っていますから、和がゼロになるのは自明です。絶対値が一番大きな6に隣接する4頂点はすべて符号が逆、次に絶対値が大きな5に隣接する4頂点のうち、符号が同じ頂点は1つだけで、しかもそれは1、とか、眺めていると飽きません。



     昨日の更新で、結び目のパターンの鏡像対称モデルのCGを作りましたが、恥ずかしながら最初「あれ? Povrayで鏡像体ってどうやって定義するんだっけ?」とわからなくなって、検索してみてしまいました。

     例えばこんな正五角柱があったとします。x軸、y軸、z軸をそれぞれ赤・緑・青で示してます(RGB: red, green, blue の順番です)。Povrayなので左手系で、普通のxy面が目の前に垂直に存在して、zは手前から奥行方向に伸びている、という座標系です。

    図 2

     これをyz平面(青と緑の軸で決まる面)で反転させるには、とても単純で

     scale <-1,1,1>

     で良かったのです。scale は図形をx,y,z軸方向それぞれに対して拡大・縮小してくれるのですが、そこでマイナス符号を付ければよかっただけでした。

     元の正五角柱と、yz平面で反転させた正五角柱を両方表示してみました。

    図 3

     とてもレベルの低い話ですみません。

      <おまけのひとこと>
     今年の将棋の名人戦・A級順位戦はまさかの6人によるプレーオフになりました。個人的には三浦弘行九段がA級に残留できたのが良かったなあと思いました。






    3月5日(月) 菱形をつないだ帯の結び目:三葉結び目を作る

     一昨日は、正方形をユニットとした三葉結び目を一本の帯を折り曲げて作りましたが、菱形をユニットにした鈍角型と鋭角型の三葉結び目も作ってみました。まずは写真をご覧ください。

    図 1
    図 2

     図1が表側、図2が裏側です。いかがでしょうか、菱形をユニットとした構造の写真を撮ると、正方形を単位とした構造に見えてしまうのが悩ましいです。日頃見慣れた構造だと認識するのですね。特に写真の右側の鋭角型モデルのほうはとても正方形っぽく見えてしまっています。

     姿勢と視点を変えた写真も撮ってみました(図3、図4)。

    図 3 図 4

     うーむ、やっぱり正方形ユニットに見えますね。図3でカッターマットのマス目と見比べると、明らかに直角ではないのはわかると思うのですが。本物はずっとトゲトゲした印象なのですけれども。

     


     かたちがわかりにくいかなあと思ってgifアニメーションも作ってみました。

    図 5

     ファイルサイズを小さくするために、画像を小さくして色数も削っています。でもイメージは伝わるでしょうか。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     3月4日(日)の夕方に、最近妙に気に入っている「とうがらし梅酒」を舐めながら3/5〜3/7の3日分の更新の原稿を書いています。妻が「『日暮れ時の一杯』だね。サンダウナー(sun downer)って言うんだって」と言うので、「なんでそんなこと知ってるの?」と尋ねたら、最近読んだ「最後の晩餐の作り方」という小説に出てきたとのことでした。






    3月6日(火) 菱形をつないだ帯の結び目:三葉結び目を作る(その2)

     さて、この菱形をつないだ三葉結び目ですが、裏返しても不自然ではないように、「のりしろ」は無しで作りたいなあと思いました。

    図 1

     そこで、図2のように菱形の格子模様を作ってプリンタで印刷して、そこから必要なパーツを切り抜くことにしました。

    図 2 図 3

     図3ではわかりやすいように離して図示していますが、実際に切り抜く際にはもちろん間を開けずに切り取ります。菱形が4枚連結したL字型パーツが3つ、菱形2枚が連結した平行四辺形パーツが3つです。これを、紙の縁に木工用ボンドを塗って貼り合わせて作りました。

     図3は、図1の鈍角型の三葉結び目を作るためのパーツで、L字型のパーツの「かかと」の部分が鈍角ですが、昨日の写真の緑色の鋭角型を作るときには、L字型のパーツの「かかと」は鋭角になっていなければなりません。

     貼り合わせるのが大変ならば、貼った跡が目立たないメンディングテープのような素材で貼ると簡単です。面白いですので作ってみることをお勧めします。



     菱形の用紙(パーツ)というと、昔、2009年にやったリスーピアのワークショップのパーツが手元に残っているのがあるのです。

    再掲図 1

     当時は黄金菱形(対角線比が黄金比になっている菱形)に興味があったのでこんなパーツにしたのですが、結論からするとあまり使い勝手の良いパーツになりませんでした。

     ジョイントの部分を内側に折り込んで作ると、それなりにきれいな菱形六面体はできるのですが(再掲図2:2016年9月14日のひとことより)、特に鈍角型のほうは接着しないと安定しないのです。ジョイントが外側ならかろうじて安定しますが、外れやすいです。

    再掲図 2

     このパーツを9枚使って、三葉結び目を作ってみました。壁のところに妻に吊るしてもらって写真を撮りました。

    図 4

     実はこれ、しばらく壁に貼って飾っておいてみたのですが、あんまり気に入らなくて飾るのをやめてしまいました。

    <おまけのひとこと>
     3月4日(日)に、とんかつ屋さんに「カキフライ定食」を食べに行きました。牡蠣は冬から春先までがシーズンで、昨年も3月下旬に食べに行っています。でも私はいつもとんかつ屋さんに行くと「ロースかつ定食」とかを食べてしまいます。今回も私は「シソ巻きかつ定食」にしてしまいました。カキフライ、嫌いなわけではないですけれども、せっかくとんかつ屋さんならばとんかつのほうがいいかな、といつも思ってしまうのです。






    3月7日(水) イスラム芸術の幾何学

     先日、地元の図書館でアルケミスト双書 イスラム芸術の幾何学 天上の図形を描く(創元社:ダウド・サットン 著 / 武井 摩利 訳 2011年)という本を借りました。

    図 1

     アルケミスト双書は何冊か図書館や本屋さんで手に取ったことがあり、借りたこともありました。「黄金比」「錯視芸術」「シンメトリー」「幾何学の不思議」といった魅力的なタイトルが並ぶシリーズです。でも、不思議と「購入して手元に持っておきたい」という本には出合っていませんでした。

     今回初めて「この本は持っていたいなあ」と思いました。(でもAmazonとかで買うのは嫌いなので、本屋さんで出会うのを待ちます。)

     上記の創元社のサイトからは、「立ち読み」ができます。そこでは読めませんが、p.50の「むすび」のページにこんな文章が書かれていました。ちょっと長いですが引用します。

     イスラムのデザインは、文明化とひきかえに失われた霊的な感覚を、無垢の自然が持つ原初的な美しさを再構築することで補完し、俗世にどっぷり浸かった人間を真剣な熟考へいざなおうとする。

     イスラムのデザインは、一種の“目に見える音楽”だと言ってもよい。モチーフの反復とリズムが内なるバランス感覚を目覚めさせ、神への祈りや神についての思弁を視覚的に展開する役目を果たすのである。
     (『イスラム芸術の幾何学』創元社:p.50より)

     この本は単純なパターンから始まり、複雑なパターンへの展開について簡潔かつわかりやすく語られています。残念ながら私は世界史をまともに勉強したことがなくて、「マムルーク朝」とか「サファヴィー朝」とか言われてもピンとこないのですが、この本をきっかけに少し興味を持ちました。どっちが古いのかすら知らなかったのです。日本史で言えば、「平安時代」と「鎌倉時代」の区別がつかないといった感じでしょうか(ちょっと時代が違いますが)。

     


     「イスラム芸術の幾何学」を見て、こんな図を描いてみました。

    図 2

     四角形(正方形)、五角形、六角形、七角形、八角形が出てくるパターンです。すべての頂点の次数は3です。残念ながらすべての辺の長さが同じにはなっていません。正方形と正八角形は対称性が高いですが、六角形は正六角形をちょっと一方向に潰したかたちで、等辺六角形ではありますが、対称性がやや下がっています。五角形と七角形は鏡像対称軸を1本持っていますが、回転対称性を持ちません。全体として正方形の格子の繰り返しパターンになっています。

     このパターン、適当に「塗り絵」をしてみました(図3)。

    図 3

     妻に見せたら、「イスラム模様っぽくないね」と言われてしまいました。まあそれはそうかもしれませんけれども。

     図3の画像から、色テーブルをいじって、いくつか別バージョンを作ってみました。ますますイスラムっぽさから離れてしまいました。

    図 4 図 5

     図4はパステル調で、一昔前のお風呂場のタイルみたいです。図5のほうは教会のステンドグラスみたいなイメージです。逆にちょっと重苦しくなりすぎました。(図5は、図4の反転をベースにちょっとコントラストとかガンマ特性とかをいじったものです。)

     ファイスサイズを小さくするために、図2〜図5のpngファイルは16色(4bit)カラーで保存しています。もしもこの画像を保存して、Windowsならば「ペイント」とかの画像編集ソフトでいじってみるならば、いったん24bitカラーで保存してから作業を始めると、いろいろな色で塗って遊ぶことができます。図2から始めるのがお勧めかなと思います。

    <おまけのひとこと>
     ペイントソフトで塗り絵をして遊んだり、画像ビューアで色を調整したりして遊んでいると、あっという間に時間が経ってしまいます。






    3月8日(木) 菱形をつないだ帯の結び目:8の字結び目(その1)

     一週間前、3月1日のひとことでこんな紙の帯の結び目をご紹介しました。今日、明日の更新ではこの結び目について解説をしたいと思います。

    再掲図1

     この結び目のCGを作ってみました。図2が、上記の再掲図に近い方向から見た画像になっています。

    図 1 図 2

     このかたちは8の字結び目です。今年の1月27日のひとことで球と棒をつないだCGでご紹介しました。

    再掲図2

     (実はこのご紹介のときにはこの8の字結び目の模型は作ってあったのですが、だいぶ間があいてしまいました。)

     先日のご紹介の際にスティックタイプのgifアニメーションを載せましたが、同様に菱形の帯タイプのCGもgifアニメーションにしてみました。

    再掲図 3 図 3

     いかがでしょうか。ファイルサイズ等の都合で、アニメーションの枚数も速度も違うので、比較しにくくてすみません。

     私としては、このかたちのCGや模型が作れてとても幸せです。面白いし美しいと思うのです。

    (つづく)

     


     3月6日(火)の新聞に載っていた四コママンガで、冬眠から目覚めたカエルが「しまった、ねすごした!」といってテレビをつけながら「今年は早くおきるはずだったのに!!」と言って、最後のコマで「オリンピック見すごした…」と肩を落としていました。これを見て、「見過ごした」とい言葉に引っ掛かりました。

     ここは「見過ごした」ではなくて「見逃した」だろう、と思ったのです。「寝過ごした」「見過ごした」で語呂を合わせたのかなあ、でも違和感があるなあと思って、読書家の妻に聞いてみたのですが、「見過ごした」を「見逃した」の意味で使うこともあると思うから、特に引っ掛からなかった、という意見でした。

     古い手持ちの紙の辞書を引いてみると、私がイメージしたような、「見落とす」「看過する」といった意味が最初に書かれていて、その次に「『見逃す』の意味の老人語」とも書かれていました。

     言葉は変化してゆくので、自分の感覚がずれているのかもしれないなあと思いましたが、でもやっぱり気持ちが悪いです。

    <おまけのひとこと>
     3月7日(水)の早朝に、3/8と3/9の2日分の更新をしています。






    3月9日(金) 菱形をつないだ帯の結び目:8の字結び目(その2)

     昨日に続いて8の字結び目の話です。この構造がどうなっているのか、菱形が何枚つながったパーツをどう連結しているのかを簡単に説明したいと思います。まずは図1のgifアニメーションをご覧ください。

    図 1

     菱形4枚をつないだ「L字型」のパーツと、菱形2枚をつないだ平行四辺形のパーツ、これを4セット連結しているのがわかるでしょうか? つまり全部で24枚の菱形を使っています。

     前回の更新で書いた3月6日のひとことで、菱形18枚の三葉結び目をご紹介しましたが、その時にもL字型パーツと平行四辺形パーツを3つずつ使いました。

    再掲図

     図1のアニメーションで追加していっている部分を、それぞれ別々にCGにしてみました。

    図 2 図 3
    図 4 図 5

     この構造は、菱形の帯どうしが頂点を共有しているところが何カ所かあるのです(図6)。そこも接着することで、この模型は形が定まって安定します。

    図 6

     赤い丸で示した点が菱形の帯の辺どうしが点で接しているところになります。このかたちは面白いです。手に取っていろいろな方向から見てみるのは、コンピュータの画面の中でインタラクティブに動かすよりもわかりやすいなあと思います。

     


     先日、地方のニュースをテレビで見ていたら、左官屋さんが小学校のフェンスとかを無償で修理をしてくれて、左官業という仕事について子供たちに知ってほしい、親しんでほしいといった話が紹介されていました。そのニュースでインタビューを受けていた左官屋さんが左官を「しゃかん」と発音していたのですが、妻に「左官を『しゃかん』って発音する?」と尋ねてみたら、その読み方は生まれて初めて聞いた、と言われて私のほうがびっくりしました。

     私は実家が製材業で建築関係で、左官屋さんともお付き合いがあったため、「しゃかん」と言う言い方に馴染んでいたのですが、妻の発言をきいて「え、『しゃかん』って長野県の方言だったのかな?」とびっくりしたのです。でも、ちょっと検索してみると、それなりに使われている言い方のようでした。まあでも建築関係者でなければ、日常生活で左官屋さんなんて言う機会はないかもしれないなあと思いました。

    <おまけのひとこと>
     4月から始まる2018年度の新年度の会社の新組織体制が決まったそうで、来週(3/12週)までに内示があるそうです。一番の望みはもっと自宅に近い職場になることなのですけれども、それは全く見込みがないので、せめて今のままがいいなあと思うのですが、どうやらそれは叶いそうなのでちょっとほっとしています。






    3月10日(土) このかたちはなんでしょう?(ペーパーモデルの凸多面体)

     こんな多面体を作ってみました。まずは写真をご覧ください。

    図 1 図 2

     この模型は、3種類の正多角形をパーツとして準備して、それを縁で貼り合わせて作ってみたものです。厳密にはすべての辺の長さは同じにはなりません。

     一番大きな面は何角形でしょう? その一番大きな面は何面ありそうでしょうか? この一番大きな面を延長すると、どんな多面体になりそうでしょうか?

    (つづく)

     


     3月10日(土)の朝、会社にPCを取りに行きました。前夜が飲み会だったので、用心してPCを持って帰るのをやめたのです。会社で何通かメールの返信をしてから、さて自宅に移動しようと思って高速道路に乗ったら、岡谷ジャンクションを中心としたY字型の最寄りの3つのインターチェンジの間がすべて路面凍結で通行止めだということでした。

     1つ手前で降りて一般道を走ったのですが、結局国道20号線の峠で渋滞になりました。峠道は登り側はずっと登坂車線があって2車線なのですが、下りは1車線のため、頂上付近から下りがずっと渋滞する、というパターンでした。東京方面、松本方面どちらも渋滞していました。

     峠の途中から裏道に逃げたりいろいろ工夫したのですが、結局通常の倍以上の時間がかかってしまいました。

    <おまけのひとこと>
     今日はお昼過ぎの更新になってしまいましたので、次にご紹介しようと思っていた多面体の写真だけ掲載することにしました。明日、もう少し解説を書こうと思います。






    3月11日(日) 正九角形を含む凸多面体:ほとんどジョンソンの多面体(その1)

     さて、昨日の多面体模型ですが、特徴は正九角形の面を持っていることです。9は3の倍数なので、図1のように正九角形の9つの頂点のうち6つが正三角形の周上に載るように内接させることができます。

    図 1

     正九角形3つの辺が正三角形の辺の上にある、と言ってもいいです。

     図1の青い正三角形の3頂点が、3次元座標のx,y,z軸の上にあるように配置してみます(図2)。

    図 2 図 3

     3次元座標の8つの象限に同様に正三角形を配置すると正八面体になります(図3)。この8枚の正三角形の中に、図1のように正九角形を配置すると図4のようになります。

    図 4

     図4の状態で、正九角形の頂点のうち、隣りの正九角形と隣接していない頂点どうしを結ぶと正方形になります。図5に赤で図示してみました。

    図 5

     この正方形が、x,y,z軸それぞれのプラスマイナスのところに2枚ずつ、計6枚あります。さらにこの正方形の周囲に三角形の隙間があいています。これが6×4=24面あります。

     この三角形の面が正三角形になるならば、これは「すべての面が正N角形の凸多面体」になるので、新しいジョンソンの多面体ということになるのですが…

    (つづく)

     


     確か3月7日(水)の新聞の地方版だったと思うのですが、下記のような記事があって、「ん?」と思いました。

    図 6

     これ、「切り替え」ではなくて「切り返し」ですよね。

     ちなみにこちらが上記の記事のweb版のページです。(おそらくしばらくすると表示できなくなると思います。)

     こちらが下記の超鋭角コーナーの現場の写真のようです。

    図 7

     確かに切り返しが必要になりそうですね。

    <おまけのひとこと>
     すみません新聞の揚げ足取りです。






    3月12日(月) 正九角形を含む凸多面体:ほとんどジョンソンの多面体(その2)

     昨日CGでご紹介した、正九角形の面を8面もっている、正八面体の頂点を切り落としてゆくとできる多面体ですが、骨格をgifアニメーションで表示してみます。

    図 1

     こうしてみると、正方形の周辺を正三角形が囲んでいるパターンが目立ちます。

     このCGですが、こんな風に作っています。

     最初に単位円を9等分する点P0〜P8をxz平面上に定義して、それを細い円柱でつなぎます。P4とP5を結ぶ辺はx軸に垂直なので、その辺がz軸上にくるように平行移動(translate)して、九角形をz軸周りに回転させ、y軸周りに45度回転させて、最後に平行移動すると出来上がりです。

     ちなみに、正九角形の一辺の長さと正方形の一辺の長さは残念ながら違っています。

     途中の計算は説明しませんが(図を描くのが面倒だったのです)、単位円に内接する正九角形の一辺の長さはだいたい0.684くらいですが、正方形の一辺の長さは0.718くらいになって、約5%くらい正方形のほうが大きいのです。

    図 4

     こんな感じになります(図4)。一昨日の更新でご紹介した模型の写真をご覧いただくと、正九角形ののほうがやや「余っている」のが見受けられます。

    再掲図

     これは、この模型の型紙を作った時にはむりやり全部の辺の長さを同じにしていたためです。

     せっかく計算したので、作り直そうかなとも思うのですが、まあこれでもいいかと思ってしばらくは作らないと思います。

    <おまけのひとこと>
     3月12日(月)の早朝というよりは11日(日)の真夜中に、3/12〜3/15の4日分の更新を仕込んでいます。今週は平日の更新は難しいかな…






    3月13日(火) 正九角形を含む凸多面体をブロックで作ってみる

     先月末に、JOVOブロックを使ってこんな「等辺九角形」を作って、それで四面体構造を作ってみたという話を書きました。

    再掲図

     昨日までご紹介してきたかたちも、この九角形で作ってみることにしました。当然、この九角形では平面にならないことは承知の上です。

    図 1 図 2

     こんな感じになりました。そういえば、こんな感じの多面体、昔作ったことがあったような気もします。残念ながらこれも凸多面体ではありません。図1は、この多面体の対称性の元になっている正八面体の頂点の部分に位置する正方形の面で立ててみたところ、図2は「九角形」の中心の三角形の穴を床に接するように置いたところです。

    「九角形」1つあたり三角形パーツが7つ(中央の1つはパーツをはめていません)と正方形が3つ、正八面体の6つの頂点の位置にある黒いパーツは正方形1つと正三角形4つで、これが6組あります。なので、合計で正三角形が80枚、正方形が30枚です。

     同じものを、ちょっと押し込んでかたちを変形してみました(図3,図4)。

    図 3 図 4

     この図3、図4を見ていると、なんだか別の構造が見えてきました。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     週末は持ち帰りの仕事を少しやりました。






    3月14日(水) 切頂菱形十二面体の設計

     昨日のこの構造を見ていると、

    再掲図 1

     意図して色分けした、等辺九角形の構造(下の再掲図2)よりも、図のような等辺八角形のほうが強く意識されると思うのですがいかがでしょうか。

    再掲図 2 図 1

     要は、図1のパターンが平面に近いため、そちらが気になるのです。

    図 2

     これは、菱形十二面体(再掲図3)

    再掲図 3

     の頂点を落としたかたちになっているのですが、わかりますか?

     頂点をどれだけ切り落とせば全ての辺の長さが同じになるのか、計算してみました。

    図 3

     菱形十二面体は対角線の長さの比が1対√2です。とりあえず菱形の中心(直交する対角線の交点)から、近いほうの頂点(鈍角の頂点)までの距離を1、遠いほうの頂点(鋭角の頂点)までの距離を√2として、図のa,bのように切り落とす寸法を決めます。もともとの菱形の辺の上に残るナナメの長さが、切り落としたタテヨコの長さと同じになるようにa,bを決めればよいので、式を立てて計算するとa,bは図3のようになりました。(分母は有理化していません。分母の有理化は桁数の多い割り算の計算が大変だった時代に行われたもので、現在は式がわかりやすければ計算機で計算するので有理化は不要と思っています。もちろん式変形のトレーニングで学校で練習することはとても価値があります。いろいろな気づきもありますし。)

     寸法がわかったので、作図して展開図を作ってみました。

    図 4

     対称性や展開図自体の隙間が少ないことを意図して配置を考えました。なかなかきれいな展開図だと思うのですがいかがでしょうか。(のりしろは省略しています。)

     この展開図を印刷して組み立ててみました。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     カレーを作りました。玉ねぎを細かく切って、ほぼ形がなくなるくらい煮て、そこに肉を入れて煮て、辛いカレーにしました。






    3月15日(木) 切頂菱形十二面体の模型を作った

     昨日の展開図からペーパーモデルを組み立ててみました。

     この多面体は3種類の面を持ちます。立方体に由来する正方形が6枚、正八面体に由来する正三角形が8枚、菱形十二面体に由来する等辺八角形が12枚です。

     図1は菱形の面を床に接しておいたところです。

    図 1

     図2は正方形の面を床に接しておいたところです。

    図 2

     最後に、図3は正三角形の面を床に接しておいたところです。

    図 3

     このかたちの基本になっているのは、斜方立方八面体と呼ばれるかたちです。

     上記のwikipediaにもアニメーションが出ていますが、斜方立方八面体も、立方体に由来する正方形6枚と、正八面体に由来する正三角形8枚、その間をつなぐ正方形が12枚あります。

     実は斜方立方八面体は2001年のころに少しご紹介しただけで、その後はCGなどを作ってありません。最近だと、信州のお土産のパッケージでこんなものがありました。お盆に実家に行ったときに私の母が買ってくれたものです。

    再掲図

     これは昨年の8月17日にご紹介していました。

     この「斜方立方八面体」をさらに広げてゆくと、12枚の斜めの位置にある正方形が細長い八角形になって、切頂菱形十二面体になるのです。そのうちCGも作ってみてもいいかなと思いました。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     先週末は仕事を早上がりして、職場の飲み会に出席しました。






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