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以前の「ひとこと」 : 2020年5月後半



5月16日(土) ダイソーのパズルアート:タングラムの13の凸多角形

 二週間ほど前に、100円ショップのダイソーの「パズルアート」という玩具をご紹介して、「タングラムの凸多角形の全13種類を作ってみたいなあ」ということを書いていたと思います。

"Puzzle Art"

 先日、買い物に出たついでにダイソーに寄って探してみました。ざっと棚をチェックしたところ、見つからなかったのですが、その後、棚にぎっしり吊るされて展示されている別の製品をたまたま手に取ってみたら、奥のほうに隠れていくつかの在庫があるのが見えました。喜んで5セットほど買ってきました。

 それを使って全13種類のタングラムの凸多角形を作ってみました。

Fig.1 : Tangram 13 convex polygon

 画像は若干縮小表示しています。上の画像から元のサイズの画像(といっても 960 x 256 なのでそれほど大きくはありません)にリンクしてあります。

 配置や配色にはそれなりに気を配ったつもりです。気に入って飾ってあります。もともと連結用に空いている穴にひもを通して吊るしていたのですが、ひもが切れてしまいました。いまはその辺に立て掛けてあります。



 イアン・スチュアートの「数学の秘密の本棚」のトピック「白い尾の猫」より改題。

最大20本の鉛筆が入る筆箱があります。今、筆箱の中には黒鉛筆と赤鉛筆が入っています。筆箱の中からランダムに2本の鉛筆を取り出した時、それが両方とも黒鉛筆である確率はちょうど二分の一になっています。黒鉛筆と赤鉛筆はそれぞれ何本ずつ入っているでしょうか?

 これ、なかなか楽しい問題でした。

<おまけのひとこと>
 5月も後半になりました。長い連休明けの一週間が過ぎて、今日はちょっと疲れています。このページの更新が午前11時過ぎになってしまいました。外は雨が降っています。休みの日に雨が降っていて、家に閉じこもっているのは嫌いではありません。






5月17日(日) ケルト文様の絡み目を作ってみる(その1)、他

 Bridges(数学と、芸術や音楽、建築、教育、文化の架け橋、という国際的な集まり)の過去のアーカイブを見ていたら、On the Topology of Celtic Knot Designs(Gwen Fisher and Blake Mellor,Bridges 2004) 「ケルト文様の結び目デザインのトポロジー」という文献があって、興味深く図を眺めました。(本文はまだまともに読んでいません)

 Figure 6 にこんな図がありました。

Figure 6 of "Bridges2004-37"

 これは4成分の交代絡み目(4-component alternaitng link)です。もう少しわかりやすいようにと思って図を作ってみました。

Fig 2 : 4-component alternating link

 「4成分の絡み目」と言っているのは、図の赤・青・黄・緑の4つの輪が絡み合っていることを示しています。「交代絡み目」と言っているのは、どの輪に注目してみても、他の輪と交差する場所で、「上・下・上・下…」と交互になっていることを示しています。

 きれいなパターンだなあと思ったので、自作してみたくなりました。

Fig 3 : design of component

 こんなかたちを4つ、用紙にレイアウトして印刷して切り出して組んでみました。

(つづく)



 昨日ご紹介した問題(再掲します)、この解説を書きます。答えそのものは書きませんが、解説を読んでいただければすぐにわかります。 斜め読みだとおそらく答えそのものはわからないように書いたつもりです。

最大20本の鉛筆が入る筆箱があります。今、筆箱の中には黒鉛筆と赤鉛筆が入っています。筆箱の中からランダムに2本の鉛筆を取り出した時、それが両方とも黒鉛筆である確率はちょうど二分の一になっています。黒鉛筆と赤鉛筆はそれぞれ何本ずつ入っているでしょうか?

 これで本数が一意に決まる、というところが面白いところです。まず、問題文から少なくとも黒鉛筆は2本以上あること、赤鉛筆は1本以上あることがわかります。(黒が1本しかなかったら、2本取ったときに両方黒の確率はゼロになってしまいますし、赤が一本もなければ、確率は100%になってしまいます。)

 黒と赤の本数を (b,r) という表記をすると、(2,1) のときは両方黒の確率は1/3です。では、(2,2) ならどうでしょう? (3,1) ならどうでしょう? と考えてゆくと、すぐに解がわかります。

 もう少しだけシステマティックに解くなら、n本の中から2本を選ぶ組み合わせの数 nC2 を考えると、2C2=1, 3C2=3, 4C2=6, 5C2=10, 6C2=15, 7C2=21, 8C2=28,… となって、この中で組み合わせの数が2対1になっているものを探せば答がわかります。

 ちなみに 15C2=105, 21C2=210 なので、黒鉛筆15本に赤鉛筆6本の合計21本でも、2本取り出した時に両方黒鉛筆である確率は二分の一です。なので解が一意に決まるために「最大20本」という条件が付いています。

<おまけのひとこと>
 霧が深い朝です。






5月18日(月) ケルト文様の絡み目を作ってみる(その2)、他

 昨日のこの4成分絡み目、

4-component alternating link

 実際に紙からユニット(コンポーネント)を切り出して組んでみました。写真でご紹介します。

Fig.1

 4成分のうち、1つを残して他の3つは1か所をカットしています。そうしないと組めないのです。お互いの位置は安定しないため、かたちを整えるのはかなり大変です。

 ようやく位置が決まってきたかなあと思ったところで、たいへんなことに気が付きました。1か所、上下が逆になっていて交代絡み目になっていないのです。Fig.1の写真ではわかりにくいので、視点を下げてみます(Fig.2)。

Fig.2

 この写真の右手前あたりです。がっくり。 でも、面倒なので作り直すのは先送りすることにしました。 今はクリアフォルダに挟んで保存してありますが、すぐにずれてしまうのでどうしたものかと思っています。



 先日のこのかたち

 を眺めていて、ユニットをこんなかたちにしてみたらどうだろう? と考えてみました。単位立方体を5つつないだかたちです。

Fig 3 : five connected cubes

 こんな感じになるかなあと思います。

Fig 4 : step.1 Fig 5 : step.2 Fig 6 : step.3

 これ、わりと隙間が多いのです。安定しない感じです。でも、これも一応ブロックで実物を作ってみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 日曜日の朝刊は「歌壇・俳壇」が楽しみです。自然と常連の方のお名前を覚えます。同世代の老いゆく自分を歌った作品に共感したり、若い世代の作品に感心したりしています。富山県の松田姉妹の作品も掲載されると楽しみに拝見していますが、最近、奈良市の山添姉弟の作品を微笑ましく思っています。昨日の

 新しい国語の教科書帰ったらすぐに読みたい四月の楽しみ(奈良市:山添葵)

にはとても共感しました。国語の教科書には厳選された良い物語や詩歌や随筆が詰まっていて、読み物として本当に優れていると思うのです。






5月19日(火) 直交座標上の4成分絡み目、他

 一昨日にご紹介した On the Topology of Celtic Knot Designs(Gwen Fisher and Blake Mellor,Bridges 2004) 「ケルト文様の結び目デザインのトポロジー」からもう1つ。

 Figure 7 にこんな図がありました。

Figure 7 of "Bridges2004-37"

 これも4成分の交代絡み目(4-component alternaitng link)です。こちらは型紙を設計するのは簡単なので、作ってみることにしました。帯の幅を1としたときの4つの成分の寸法をFig.2のようにしました。

Fig 2 : design of components

 正しい交代絡み目にするためには3つのパーツをカットする必要がありますが、まずはそれっぽいかたちになればよいことにして、正方形のパーツのみをカットして組んでみました(Fig.3)。材料は手元の5mm方眼のレポート用紙です。鉛筆で簡単に下書きしてデザインナイフで切り出しました。

Fig 3 : 4-component link(not alternatied)

 昨日のモデルと同じく、これも隙間があるため各パーツの位置が定まりません。Fig.3の写真を見ると、横長の長方形パーツが若干右上がり(もしくは十字型のパーツが若干右下がり)になってしまっているのがわかります。

 パーツの中心線の寸法は変えずに、帯の幅を2倍にしてみました(Fig.4)。これは3パーツをカットして、交代絡み目になるように編みました。

Fig 4 : 4-component alternating link

 これでパーツの位置は安定しましたが、あんまり面白くないものになってしまいました。 2つ並べて斜めから見てみました。

Fig 5 : 2 models

 いずれにせよ今のままではあまり「素敵」ではないです。気が向いたら改良するかもしれません。



 先日の土曜日にご紹介した、ダイソーの「パズルアート」のタングラム、余ったパーツで「タングラムのパラドックス」シリーズをいくつかレイアウトしてみました。

tangram paradox

 同じパーツセットを使って、見た目としてはほぼ同じサイズの正方形を組んでいるのですけれども、実はタングラムのパーツ1つ分の隙間ができている、というものです。オリジナルの正方形(図の左上)を45°回転させられれば良いのですけれども、それは無理なので、その分「不思議さ」が失われています。

<おまけのひとこと>
 雨が降っています。今日は傘が必要なようです。






5月20日(水) ルーローの三角形の畳紙折り、他

 自分のノートPCの昔のフォルダを見ていたら、こんな画像がありました。

Fig.1

 この画像を見たサイトのリンク先を開くと "404 Not Found" でした。見かけたのは画像だけで、ここから何ができるのか、何も画像も解説もなかったのですが、色の違う線は、それぞれ山折りと谷折りでしょう。ということはおそらくこれは畳紙折りだろうと思われました。

 これを印刷して折り筋を入れて折ってみました。

Fig.2
Fig.3
Fig.4

 最後の写真、敢えて出来上がったものを縁で立ててあります。イメージした通りのものができました。



 一昨日にこんなかたちのCGをご紹介しました。

 これをアーテックブロックで作ってみました。

Fig.5 Fig.6

 色の異なるブロックどうしは敢えてジョイントで連結せず、輪ゴムを掛けて形を保つようにしています。輪ゴムがあるとはいえ隙間が多い構造なので、ちょっと強く握ったり外力を加えると簡単に形が崩れてしまいます。でもそういうところ(本来しっかり形を保てるブロックを使って、敢えて安定性が低いかたちを作っているというところ)もいいなあと思います。

 飽きるまで、もしくはアーテックブロックで何か他の物を作ってみたくなるまではこうして組んで飾っておこうと思います。

<おまけのひとこと>
 仕事で「やらなければいけないこと」がいろいろあるのですが、なかなか追いつきません。






5月21日(木) 2つの多面体(その1)

 多面体の模型を2つ、作りました。

Fig.1 : Two polyhedra

 多面体になじみの深い方でしたら、「ああ、これは正二十面体(regular dodecahedron)と正十二面体(regular icosahedron)ですね」と思って下さると思います。(そう期待しています。)

正二十面体
Regular Icosahedron
正十二面体
Regular Dodecahedron

 でも実は、Fig.1を注意深く見るとちょっと奇妙なことがあります。左側の二十面体、床に接している面と上の面、平行でしょうか?

 今度は真上から見下ろしてみましょう(Fig.2)。左右を入れ替えました。 今度は一番上の面は水平に見えます。でも、多面体の影、ちょっと変だと思いませんか? (特に右側)

Fig.2 : a little strange shadow shape

 さてこれはどんな多面体だと思いますか? 明日は別の視点からの画像を載せたいと思います。

(つづく)



 先日、庭の木を伐採してもらったときに、前庭の生垣に絡まっていたモンタナ系クレマチスの誘引したツルの根元が切られてしまったようで、「いつまでたっても花も葉も出てこないと思ったら、ただの枯れたツルになってしまっていた…」と妻が嘆いています。かわいそうです。

 先日、妻が興奮気味に「モンタナのツルから、大きくていかにもテッセンという感じの花が咲いてる!」と教えてくれました。写真を撮ってみました。

Fig.3 : Old genetic traits appeared ?

 写真の左下のピンクの花びら4枚の花がモンタナです。大きな白い尖った花びら8枚の花が同じツルから咲いているのです。遺伝情報のデコードを間違った、という感じです。先祖返り、なのでしょうか。妻はこの株全部が先祖返りしてしまうのではないか、と心配しています。例えばこちらのサイトなどには、モンタナ系クレマチスはあまり丈夫ではなく、寿命もそれほど長くないので挿し木にして株を増やしておくとよいと書かれています。挿し木に適した季節は5〜6月だそうですから、ちょうどよいタイミングのようです。

<おまけのひとこと>
 昨日は定期通院の日でした。いつもの薬を処方していただいて、いつもの薬局に行くと、「手作りマスク 200円」というのがカゴに入っていました。昨年の冬のシーズンの始めに用意したマスクのストックがまだあるので購入はしませんでしたが、作る手間を考えると、利益を度外視して困っている人のためにやっている、という感じがしました。






5月22日(金) 2つの多面体(その2)

 昨日ご紹介した2つの多面体、

 これを別な方向から見てみると、こんなかたちをしています。Fig.1 は縦に立ててみたところです。

Fig.1 : Two polyhedra

 細長いかたちをしているので、横に寝かせてみました(Fig.2)。

Fig.2 : Two polyhedra

 この状態で写真の右側のほうから見ると、冒頭の写真のように正十二面体と正二十面体っぽく見えるのです。

 実はこれ、http://masterskayamk.blogspot.com/2013/08/blog-post_1383.htmlというロシアのblogを見て作りました。 多面体のかたちをしたローソクやセメントの鉢を手作りする、というのが紹介されているページです。なんとありがたいことに型紙が公開されているのです。8種類あって名前も付けられているのですが、この中でペーパーモデルとして作ってみたいと思ったものを2つ選んで、自分で型紙を作成して模型を作りました。(公開されている型紙はローソクやセメント鉢の「型」を作るためのものなので、一番上の面はありません。)

 これらの多面体、ベースになっている正多面体をどのように変形したかたちになっているのかわかりますか?

(つづく)



 1か月ほど前、通勤途上に高速道路でトラックを追い越したときに飛び石でフロントガラスにキズが出来てしまいました。車屋さんに持ち込んで相談して、修理をお願いしました。「キズを埋める修理は完全には補修しきれないことがあって、運が悪いとキズが広がってしまう可能性はゼロではない、それを避けるにはフロントガラスの交換をするしかない」と説明を受けたのですが、交換だと費用が5倍くらいかかるということだったので、そのときはキズを埋める修理をしてもらいました。

 昨日、会社の駐車場に到着したら、先日補修してもらったキズが一気に15cmくらい広がっていて、ショックを受けました。

Fig.3 : windshield crack

 助手席側の左端、高さは真ん中あたりです(Fig.4の赤い四角)。

Fig.4 : crack location(red rectangle)

 これは交換するしかありません。こんなことなら前回交換しておけばよかった、とがっかりしています。昨日の帰りに車屋さんに寄って、修理(交換)をお願いしてきました。数日かかるということで、代車を出してもらいました。

<おまけのひとこと>
 今日ご紹介したblogはロシアのサイトで、ロシア語で書かれている(らしい)ので、もちろんそのままでは私にはまったく理解できません。でも、画像と図を見れば何をしているのかは理解できます。私のページもそうやって図だけを頼りに日本語がわからない方が見てくださることもたまにはあるのかもしれないと思いました。でもきっと私のページの日本語は、自動翻訳では伝わらないことが多いだろうなと思います。平易でわかりやすいことを目指しているはずなので、「翻訳に不向き」というのは不本意なのですが。






5月23日(土) 2つの多面体(その3)

 もう一日だけ、2つの多面体の話をします。

 最初にこちらのかたちです。これは正十二面体を引き延ばしたかたちをしています。この写真の向きで実物を眺めるのが好きで、机の上に飾ってあります。

Fig.1 : elonged dodecahedron

 上の画像を横方向に圧縮するサイズ変換をすると、こんな画像になります。正十二面体っぽいです。

Fig.2 : Width-compressed image of Fig.1

 昨日のサイトにも展開図がありましたが、よく見かける正十二面体の展開図(Fig.3)

Fig.3 : net drawing of regular dodecahedron

 と同じ配置で伸長十二面体の展開図を描くとこうなります(Fig.4)。

Fig.4 : net drawing of elonged dodecahedron

 正五角形が2面、左右対称な縦長の五角形が10面の十二面体です。



 もう1つのかたち、これもベースは正二十面体なのですが、これの「引き伸ばし方」はさきほどとはちょっと異なります。こちらはCGでご紹介します。

Fig.5 : regular icosahedron

 仮に、さきほどの正十二面体と同じように全体を引き伸ばすとFig.6のようになります。しかしこの多面体はそうやって作ったのではなく、1つの面(三角形)だけを遠ざけたかたちなのです(Fig.7)。

Fig.6 : elonged icosahedron Fig.7 : only one face(triangle) kept away

 正二十面体からこの1面を遠ざけた二十面体の変形過程を小さなアニメーションにしてみました。

Fig.8 : gif animation

 この多面体の展開図もご紹介したいと思います。通常、正二十面体の展開図というとこういう描き方をされることが多いと思います(Fig.9)。

Fig.9 : net drawing of regular icosahedron

 目的のかたちが3回回転対称形なので、展開図もそれに近い配置にしてみます。黄色い色を付けた面が、床に接する面と一番上の水平な面です。

Fig.10 : another expression of net drawing

 Fig.10の展開図の中央の三角形の面を「遠ざける」と、展開図はFig.11のようになります。

Fig.11 : net drawing of icosahedron

 このような変形をすることで、重心が低くて花瓶やローソクとしては使い勝手の良いデザインになっていると思います。

<おまけのひとこと>
 寝室兼書斎にしている部屋にまたアリが出てうんざりしています。






5月24日(日) オベリスクのペーパーモデル、スノーピークランドステーション白馬

 今日は単発の話題です。

 Paper Models of Polyhedraという、多面体のペーパーモデルの型紙をたくさん公開して下さっているサイトがあります。過去にもいくつか作ったものをご紹介したことがありましたが、先日、オベリスクを作ってみました。

 もともとはオベリスクはエジプトのものだそうで、断面が正方形の四角推が基本形だそうですが、今回は断面が正七角形のモデルを作ってみました。まずは立てたところの写真です(ピントが後ろになってしまいました)。

Fig.1 : Heptagonal Obelisk

 A4サイズの用紙で作っているので、それなりに高さがあって良い感じです。 上から見下ろしてみました(Fig.2)。

Fig.2

 横に寝かせて、先端側と根本側から見てみました。

Fig.3 Fig.4

 中に何か「おもり」とかを入れないと安定しないかな、と思ったのですが大丈夫でした。まあ風が強く吹けば倒れてしまうと思いますが、普通に飾っておく分には問題ありません。

 これは比較的簡単に作れるペーパーモデルで、完成品も素敵です。お勧めです。



 スノーピークランドステーション白馬(Snow Peak LAND STATION HAKUBA) というアウトドアの体験型複合施設がオープンしたのだそうです。アウトドアには縁が薄いですが、幾何学的な構造の建築に興味があるので、実物を見てみたいなあと思いました。隈研吾氏の設計だそうです。

Snow Peak LAND STATION HAKUBA

 こんなインタビュー記事もありました。今回、長野県内居住者限定のスモールオープンなのだそうで、応援のためにも行ってあげたほうがいいかなあとも思いました。今日は妻の車の点検の予約をしているので無理ですが…



 先週(5/17(日))の新聞の歌壇に、こんな歌が載っていました。

唐突にコロナ離婚がわかるわとピアノに向かう休日の妻
                (伊賀市) 上門 善和

 寸暇を惜しんで未明からずっと部屋にこもってパズルを調べたり模型を設計して作ったり数学の文献やサイトを見たりして幸せな私は、妻のストレスになかなか気付いてあげられなくて、我がことのようにドキッとした歌でした。

<おまけのひとこと>
 自分が作った模型に囲まれていると幸せです。次に作ってみたいもののことを考えるともっと幸せです。 もちろんいろいろ心配事はあって、たちどころに10や20は挙げられるのですが(今、試しに書き始めたのですがさすがに消しました)、自分の生活の幸せな面、良い面をしっかり自覚することが大事かなと思っています。






5月25日(月) 折り紙建築手法で等高線マップを作る

 折り紙建築の手法でこんなものを作ってみたのです。 作り方をあそびのコラムの新作 No.41 折り紙建築手法で等高線マップを作る に書きました。よろしければご覧ください。

3D map of contour lines
by origamic architecture

 折り紙建築の手法はたいへん面白くていろいろ応用がきいて、広く普及しています。Netでもたくさんの作品を見ることができます。上記のコラムにも書きましたが、私も過去にいくつか設計して作ってみたことがあります。

 たとえば、幾何学的な構造だと、5年ほど前にこんなものを作っていました。

2015/12/21 2015/02/21

 これはいずれも類似のかたちをNetで見かけて、自分でも立体化してみたいと思って作ったものです。実物は二つ折りに畳んでしまってあると思います。

 また、具象物では、プレゼントカードを意識して、こんなものを作ったこともありました。2007年と2009年なので、10年以上前になります。(公開の日付が一緒なのは、バースデーカードとして作ったためです。)

2009/08/21 2007/08/21

 こちらは古すぎて、設計データが残っていません。まあ完成写真を見れば作り直せますが、データを失くしたのは惜しいことをしたなあと残念に思っています。

 等高線マップの全体像も、2方向からの画像を載せておきます。

Whole image of contour map(1)
Whole image of contour map(2)

 もう少し複雑で、知っている人が見れば「あ、これどの山なのかわかる!」と言ってもらえるようなものを作ってみたいなと思うのですが、技法の制約もありますし、ちょっと難しいかな…

 例えば山の北半分と南半分をこの手法で作って、背中合わせにすれば全体を作れます。富士山とかシンプルな山でそれをやってみてもいいかもしれません。



 昨日は妻の車を定期点検に出しました。実はまだ冬タイヤを交換していなくて、このタイミングでようやく夏タイヤに履き替えてもらいました。(おかげで履き替えの費用はかかりませんでした。)1時間ほどだったので店舗で待たせてもらいました。そこで待つ人はほとんどいませんでした。エアコンの設定温度が低くて、じっと座っているだけの私は寒くて参りました。お店の人は出たり入ったり動き回ったりしているので、きっと暑いのだと思うのです。

<おまけのひとこと>
 昨日はコラムの解説の画像を作るのに時間がかかってしまいました。
 今、4時半です。この季節はこの時間には外はすっかり明るいです。窓の外でカッコウが鳴きました。今週も始まります。






5月26日(火) Guy Petzall氏のUllagami(ウラガミ)

 何かおもしろい造形やデザインのアイディアがないかなと思った時など、The Bridges Organization のアーカイブやアートギャラリーを眺めるのが好きです。昨日、折り紙建築の立体地図をご紹介しましたが、紙を切って折りたたむ手法でたいへん美しい抽象的な造形をたくさん発表しているGuy Petzall氏の作品を見て、衝撃を受けました。

 ご自身のサイトUllagami(ウラガミ) は、日本の印章をイメージしたロゴマークがついていて、センスのいいデザインです。まずはgalleryをご覧ください。美しい作品群に圧倒されます。[about] のページを開いたら、なんと等高線マップがあってびっくりしました。ロゴについても説明されていました。

 勉強するために模写させていただく感覚で、私も一つ、真似をして作ってみました。

Fig.1 Fig.2

 これは美しいです。(工作の出来はよくないですがデザインが。)作ってよかったと思える作品です。



 宝島社企業広告が面白かったです。新聞の15段広告(まるまる1ページ)、30段広告(見開き2ページ全面)のpdfが公開されています。2014年、2015年が抜けているのがちょっと気になりました。

<おまけのひとこと>
 今朝はちょっと更新が遅くなってしまいました。雨が降っています。






5月27日(水) 混沌・秩序

 イアン・スチュアートの数学の魔法の宝箱を読んでいたら、「秩序をカオスに」というトピックがありました。文字数が同じ2つの単語が与えられます。1つの単語から出発して、文字を1文字ずつ変えていって、2つ目の単語にする、というパズルです。途中の単語もすべて意味のある言葉になっていなければなりません。

 スチュアートは、このパズルには名前がなく、「一度に一文字ずつ変えるパズル」としか呼ばれていないらしい、と述べていますが、高木茂男氏の著書「パズル遊びへの招待」では、このパズルがダブレット(変形パズル)という名前であること、考案したのがあの(「不思議の国のアリス」の著者で、数学者でもあった)ルイス・キャロルであること、このダブレットというパズルはロンドンの女性週刊誌『ヴァニティ・フェア』の1879年3月から7月まで、懸賞パズルとして連載されたこと、などが述べられています。(リンク先のトリトさんのサイトの「パズル遊びへの招待・オンライン版」は本当にありがたいです。)

 スチュアートの本では2問、SHIPをDOCKに、と ORDERをCHAOSに が解答ともに紹介されています。前者は縁語(これは正確には和歌の用語ですが)、後者は対義語です。解答例を見ると、途中の単語、全く知らないものがたくさんありました。私は英語でこういう遊びをするためには語学力が全く足りていません。自分の英語力を数学(算数)で例えると、掛け算の九九はもちろん知らないし、それどころか足し算・引き算も桁上がりが起こると怪しい、くらいかなあと思います。



 ORDER(秩序)とCHAOS(混沌) といえば、思い出すのはプリゴジンの混沌からの秩序(ORDER out of CHAOS) です。昔、衝撃を受けた本です。



 もう1つ、混沌といえば荘子の「渾沌、七竅に死す」というのも印象深いです。新潟大学の長束・鈴木研究室(糖鎖生物学研究室)の解釈が良かったです。(これは解釈の1つにすぎません。)



 全く別のグラフィックデザイン的なアプローチとして、文字のフォントを徐々に変形して、CHAOS から ORDER に変化させる画像、というのをどこかで見たことがあるなあと思って、検索してみたらいくつか見つかりました。

 まずはこちらです。こちらは(ドイツ語ですが)認知心理学の多義図形など、有名な絵がたくさん並んでいる中に、この図がありました。縮小して引用させていただきます。

 上から見てゆくと3番目くらいまで Chaos と読めるのに、下から見てゆくと3番目(=下から2番目) は Order に見える、というものです。認知というのは単独には成立しない、ということを説明する例として用いられています。ずいぶん昔、数十年前に見たことのある図です。



 こちらはビジネスのプロジェクトの話をしているページのようですが、そこにこんな画像(これもかなり縮小しています)がありました。画像がどなたのデザインなのかは書かれていません。

 これは先ほどのものよりも洗練されていますが、オリジナルは1つ上の認知心理学の多義図形で、それをもとにデザインされているのだと思います。ただ、いつだれがデザインしたのかわかりません。



 上の2つの図はよく似ていますが、もう1つ、雰囲気の違う "Chaos <--> Order" の例です。こちらの、錬金術について書かれている(らしい)ページの冒頭に掲げられていた図です。

 4文字目までの変形の方針は同じですが、最後の5文字目、最初の2例は "S" から小文字の "r" になりましたが、この例では大文字の "R" に変わっています。

 このデザインもいつ誰のものなのか、わかりません。

<おまけのひとこと>
 今朝も3時に起きてこのページを書いています。書き始めるときには今日は全くのノーアイディアでした。こんな内容になるとは思ってもいませんでした。

 今日は午前中にたくさんの打ち合わせや会議があって、その中の1つは自分が主催して人をたくさん集めている会議で、ちょっと気が重いです。






5月28日(木) Microsoft Teamsのチャットの「〇〇さんが入力しています…」のアニメーション

 すみません、今日はわかりにくいタイトルで書き始めました。

 COVID-19による緊急事態宣言を受けて、国内では急激にテレワークが普及したそうです。そんな中でリモートで打ち合わせをしたりファイルや情報を共有したりする道具として、Microsoft Teamsが急激にシェアを伸ばしたそうです。ご多分に漏れず私の職場でも使い始めました。メールよりもチャットを遣う場面も増えてきました。

 チャットの時、相手が入力中に「〇〇さんが入力しています・・・」という表示が出ることがあるのですが、最後の3点リーダ「・・・」のところに、こんなアニメーションが出るのです。こんな感じです。(ブラウザの画像縮小機能を使っているので、意図通りに見えるかどうか、やや不安です。)


〇〇さんが入力しています


 これは、私がオリジナルを見て片手間で真似をして作ってみたアニメーションです。サイズなどはいい加減です。

 オリジナルのTeamsのチャットの入力中のアニメーションを見て、ふと「これはランダムなんだろうか、周期性があるのだろうか?」と疑問に思ったのです。見ると、どうやら周期性がありそうでした。別々のチャットの「〇〇さんが入力中です・・・」を見るたびに確認して、おそらくパターンは1通りしかないだろう、と推測して、そのパターンをアニメーションにしてみました。

keystroke anim.

 このアニメーションを見ていただいてもいいですし、Teamsを使っている方ならばチャットの「入力中です・・・」を実際に見ていただいてもいいのですが、これ、どんなパターンなのかわかりますか?

(つづく)



 このキー入力のアニメーションのパターンに関して、どこかで論じられているところがあるかな、ないだろうな、と思って検索してみたのですが、やっぱり見つかりませんでした。「ないだろう」と思って検索しているからかもしれません。

<おまけのひとこと>
 今日は遅くなってしまいました。もう5時です。急がないと…






5月29日(金) 3状態、周期9のパターン

 昨日、3つの円が並んでいて、その中の1つが下に押し付けられるパターンが繰り返されているアニメーションをご紹介しました。昨日は書きませんでしたが、これは周期が9のパターンでした。

 実際に動作しているアニメーションを見て、それがどんなパターンなのかを読み取るのはそんなに簡単ではないと思うのです。私はこのアニメーションを見たとき、「これは楽器の鍵盤に見立てるとパターンを覚えやすいのではないか」と思いついて、3つの円が「ド」「ミ」「ソ」を表しているとするとどんな旋律になるだろう? と想像してみたのです。

Fig.1

 目の前にものがいくつかあるとき、数えなくてもぱっと見て数がわかるのはせいぜい4つから5つと言われています。9というのはそれよりはるかに大きいので、「1,2,3…」と数えないと数がわかりません。この音の高さの並びだと、こんな風に分けて(カテゴライズして)理解したくなりました。(個人差があると思います。)

Fig.2

 これだと4.5拍ということになっておさまりが悪いです。最後の3つの音符が三連符だと思えば4分の4拍子になって聴きなれた雰囲気になりますが、音符の長さが等価ではなくなってしまいます。

 普通、8分の9拍子といったら、このように3つずつまとめて全体として3拍になるようにリズムを取りますが、この音型の場合、この分け方は不自然です。

Fig.3

 余談ですが、8分の9拍子といったらドビュッシーの「月の光」が有名ですね。



 最初にこのパターンのアニメーションを見たとき、Fig.2 のように 2-2-2-3 のパターンとして理解しました。8分の9拍子を調べていくうちに、こちらのblogに行き着いたのですが、この記事を見るとトルコの民族舞踊のカルシラマというリズムが 2-2-2-3 の9拍子なのだそうです。まさにFig.2のパターンそのものですね。このblogの中にYouTubeの動画が埋め込まれているのですが、これがとても面白いのです。ぜひ聴いてみてください。

 (そもそものこのトピックのきっかけであった) Microsoft Teamsのチャットのキー入力アニメーションパターンをデザインした方は、このカルシラマのリズムをご存じだったのだろうか、それとも偶然だろうか、と思いました。意図してこっそり埋め込んでいたのだとしたら面白いなあと思うのです。



 このリズムパターン、シンプルなこんな和声進行に展開してみました。

Fig.4

 keyptn1.mid というmidiファイルにしてみました。

 1オクターブ下げて、上に適当な旋律を付けてみました。パーセントみたいな記号は楽譜の小節繰り返し記号です。

Fig.5

 この楽譜のmidiデータはこちら keyptn2.mid です。

 上の旋律、敢えて下とリズムを揃えたので「もっさり」した垢ぬけない感じです。本当はもっと下のリズムにとらわれずに自由に動くべきです。これをピアノで弾けと言われると、Jazz系に慣れた人なら苦も無く弾くでしょうけれどもクラシック系の人だと意外と弾きにくいのではないでしょうか。

<おまけのひとこと>
 楽譜や音楽に興味がない方、ごめんなさい。これもパターンの面白さの一環のつもりです。
 もう1点、すみません、midiデータ、このリンクの張り方だとアクセスして下さった方のローカルにダウンロードしてしまうかと思います。サイズはとても小さいですが、ごめんなさい。






5月30日(土) 立方体のフレーム一筆書きモデル

 アーテックブロックでこんなかたちを作ってみました。立方体の各面の正方形の辺を順になぞっていったようなかたちです。コンピュータ関係の企業やCADメーカーのロゴとかで見たことがあるようなかたちです。

 このかたちを立方体だとみなした時に、Fig.1は面が床に接するように置いた写真、Fig.2は稜が床に接するように置いた写真です。

Fig.1 Fig.2

 Fig.3, Fig.4 は頂点が床に接するように置いてみました。

Fig.3 Fig.4

 カメラのオートホワイトバランスが強力で、ブロックの色がかなり違って見えています。Fig.4の写真の影のかたちが気に入っています。

 実際に作ってみることでこのかたちについての理解が深まりました。何かの材料で作ってみると面白いです。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 週末で月末なので簡単な更新です。






5月31日(日) 立方体のフレーム一筆書きモデル(その2)、他

 昨日のモデル、直角に曲がっている部分のパーツを三角形に換えてみました。

Fig.1 Fig.2

 これはこれでなかなか面白いです。内部の空間に金属イオンとかを取り込む有機化合物にこんな構造のものがありそうな感じもします。

 こんな感じの構造をもう少し調べてみることにしました。

(つづく)



 ちなみにこの構造、Infinity Cube Table (Linkはgoogle検索です)という名前でコーヒーテーブルとして販売されているようです。検索して出てきた画像のサムネイルを2つほど紹介させていただきます。

 これ、デザインはとても素敵だと思います。でも、強度的にはかなり厳しいと思います。もちろんちゃんと頑丈に作られているのだと思いますが、ちょっと心配になりそうです。また、よく見ないとどこがどう不思議なのか凄いのか、伝わらない気もします。



 こんなカプセルトイ(ガチャポン)を見つけたので1つ買ってみました。クレーンゲームです。これ自体がカプセルと同じ大きさになっている、カプセルレスのタイプのものです。

Fig.5
Capcel Toy of Crane game
Fig.6
Capcel Toy of Crane game

 アームの根元回転、アームの上下、ハンドの開閉の3自由度です。3つのレバーで操作します。動力はありません。アームの上下レバーが時計の文字盤の12時のあたりにあって、アーム回転のレバーが4時〜5時の約30度くらいの可動範囲ですが、こちらは歯車か何かで増幅されているようで、アーム自体の根元の回転の可動範囲は90度くらいあります。文字盤の7時の方向のあたりにハンドの開閉レバーがあります。よくできていると思いました。

 YouTubeに 「miniクレーンゲーム」を分解 という動画がありました。昨年の12月に公開されたものです。(閲覧数は少ないです。) 今はこうして誰かが分解してくれたものを見たりすることができてありがたいです。

<おまけのひとこと>
 5月も終わりです。通勤に使っている車を車検に出して、それが29日(金)に出来上がってきました。今回は交換部品が多くて、けっこう費用がかかってしまいました。






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