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以前の「ひとこと」 : 2026年3月後半


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3月16日(月) 凸多面体には必ず辺の数が同じ面が存在する(出題編)、ほか

 3月も後半になりました。だんだん春めいてきましたが、まだ油断できません。



 とても面白い多面体の問題を知りました。


  任意の凸多面体には、辺の数が等しい面が少なくとも2つ(一組)は存在することを示せ  
 

 考えてみてください。私は正攻法で解いてみましたが、とてもエレガントな示し方があります。

(つづく)



 いつも「数学セミナー」の「あやとりの楽しみ」の感想を送って下さるあやとり協会の吉田さんから、4月号(三手のあやとり)の感想のメールをいただきました。本当にありがとうございます。あやとりの対称性について、「あやとりは、右手から取ること自体からして、完全な左右対称はありえないのですか?」というコメントをいただいてとても嬉しくなっています。「人差し指の構え」は、右手の人差し指で先に取るか、左手の人差し指で先に取るかによって、紐の交差の上下が変わります。

右手が先 左手が先

 なので、最初の「人差し指の構え」の時点での中央の2つの交差が完成形まで残るあやとり作品は、交差の上下も含めた厳密な意味での「左右対称」にはならないのです。

 では、「人差し指の構え」から始めるのだけれども完成形が左右対称になる作品が存在しないか、というとそんなことはないのです。私がすぐに思いつくのは2本の木(クワクワカワク族)という伝承作品です(リンクは石野さんの「あやとりしてみよう」です)。「2本の木」は あやとりの楽しみ:第21回でも取り上げています。

 この伝承作品は以下のような完成形なのですが、ご覧の通り左手側と右手側に対称なおなじかたちができるのです。交差も含めて厳密に対称になっていることを確かめるために、図を左右反転したものをすぐ下に掲載しました。比べてみてください。

あやとり「2本の木」
左右反転画像

 なぜ、左右対称ではない「人差し指の構え」から取り始めるのに完成形が左右対称になるのかというと、実は人差し指の輪は、最後に外すまで一切操作されないのです。最初の「人差し指の構え」で取って、最後に外すのです。なので完成形には影響しないのです。

 なんでわざわざ人差し指の輪を作るのかというと、それによって「親指の向こうの糸」「小指の手前の糸」を操作しやすくするためなのです。シャーマン氏の論文 (Rationally-designed String Figures : Variations of the Kwakiutl figures “Two Trees” :M. Sherman (BSFA 17)1991, pp. 29-106)にも、実は最初に人差し指で取る必要はなくて、たとえば「はじめの構え」から掌の糸を下図のFig.43のように中央でクリップ(輪っか)で止めておいて、そこから「2本の木」を取る操作を行い、最後に中央で止めていたクリップを外しても同じ結果が得られるということが記載されています。

上記論文の Fig.43

 この論文は本当に素晴らしくて、読み甲斐があるのです。お勧めです。



 在宅勤務の日には、その日のリモート会議の予定を書いてリビングに置くようにしています。その時間は声をかけるときにはちょっと気を付けて欲しい、くらいの意味合いです。今日は今の家に引っ越してきた日なので、冒頭にこんな絵と文字を入れました。

 昨年10月にご紹介したネコのテンプレート定規を相変わらず使っています。

ネコのテンプレート定規

 テンプレートというのは、筆記用具があれば同じ絵をたくさん作ることができて楽しいです。昔、35年くらい前に職場でオブジェクト指向言語の勉強会をやったときに、「クラスというのはテンプレート(型)で、インスタンスというのはそのテンプレートから作られる実体のことです。クラスがたい焼きの金型だとすると、インスタンスはその金型で焼いたたい焼きそのものです。」という説明を聞いて「わかりやすいなあ」と感心したのを思い出します。


<おまけのひとこと>
 冬場の電気代、灯油代が高くて大変です。暖房用の灯油タンク、もう一度給油が必要なのですが、価格が急騰しているので、いつもなら一緒にお願いする灯油缶への給油は見送ろうかなあと思っています。






3月17日(火) 凸多面体には必ず辺の数が同じ面が存在する(解説編)

 昨日の問題の解説です。



 昨日ご紹介したこの問題ですが、


  任意の凸多面体には、辺の数が等しい面が少なくとも2つ(一組)は存在することを示せ  
 

 素直に考えると、背理法(すべての面が異なる辺の数になっている多面体の存在を仮定して矛盾を導く)を使うのだろうと思います。ここでおそらく「オイラーの多面体定理」(頂点数V、辺の数E、面の数Fの凸多面体において、V - E + F = 2 が成り立つ)を使うのだろうと思いました。矛盾を導くまでにけっこう手間がかかりました。式を含めてhtml形式にするのが面倒だったので、chatGPTに方針を伝えて文書にしてもらいました。背理法:オイラーの多面体定理利用をご覧ください。

 この問題はもっとシンプルに解けるのです。こちらに解説を準備しました。式も使わず、言葉だけで説明できます。おそらく口頭で話してもわかってもらえると思います。



 紐の画像から生成AIで線画を作る実験をしています。下の2つの線画は、同じあやとり紐の写真から描画してもらったものです。

真上から撮った写真から
斜めから撮った写真から

 上の線画は紐の交差の上下が間違ってしまいました。下が正しいです。下の図が「自明な結び目」であることは目で追うだけで確認ができると思います。



 あやとり協会の吉田さんから 死人 という伝承作品が(名前は縁起が悪いけれど)面白いです、というコメントをいただきました。ありがとうございます。私もこの作品はおもしろいと思っていました。はじめの構えから人差し指に輪を巻き付けて始めるのが独特です。これを、普通の「人差し指の構え」から始めたのが鳥の群れという伝承作品で、「死人」の冒頭の、両手の人差し指を結ぶ三重の輪が最後に残るのが面白いですね。

 これを、例えば5本指の構えを作って、中央の3つの輪を人差し指に集めてから「鳥の群れ」の手順(「ギルバート展開」と呼ぶようです)を行うと、うまくいきませんでした。こういうのを試すのも面白いです。


<おまけのひとこと>
 今朝は忙しいです。






3月18日(水) 伝承あやとり作品「死人」

 あやとりの話です。(3/19(木)に18日と19日の二日分の更新です。)



 昨日、タイトルだけご紹介した「死人」という伝承作品ですが、実はこの作品、左右を横切る糸を分離してかたちを整えてみるとこんな風になっているのです。

伝承あやとり作品 死人 (ティコピア島、リフ島など)
整え方を変えてみた

 「あやとりの楽しみ」2025年1月号で、こんな作品をご紹介しました。

伝承作品「丸太の横たわった沼」(ガイアナ)を5本指に拡張してみた

 なんだか似ていると思いませんか。



 上の写真をgeminiで線画にしてもらってみたのです。「紐の内部は白で」とお願いしたのですが、元の紐の色に近い色で描画されてしまいました。それより問題なのは紐の交差の上下が逆になってしまっているところがあったのです。

上の写真を線画にしてみた

 斜めから撮った写真のほうが紐の交差の上下がわかりやすいかなと思ってこんな写真も撮ってみました。

同じ作品の斜めからの写真

 全く同じプロンプトで出力された線画がこちらです。

geminiによる線画

 今度は四隅をとめているマグネットは描かれませんでした。線は希望通り白になりました。特に頼んでいないのに、真上から見た画像のように外周が台形ではなく長方形に近いかたちにバランスが調整されています。それは良いのですが、外周の左右のそれぞれの掌の2本の紐が1本として描画されていたり、交差の上下が逆になっているところが増えてしまったりしています。

間違っていると思われる箇所(もっとあるかもしれません)

 残念ながら、出力された図がそのまま使えるというわけではないようです。


<おまけのひとこと>
 間違ってはいますけれども、線画にした図、なかなか魅力的だなあと思うのです。今回はたまたまあやとり紐を輪にしたときの結び目が写真左上のマグネット付近でうまく隠れたので、結び目の描画もされていなかったのも良かったです。それだけに交差が間違ったところがあったのが残念です。






3月19日(木) 「格子点を通る線の数」

 数学のパズルというか問題です。



 与えられたすべての格子点を何本かの直線で通過しなさい、というタイプの問題(パズル)があります。有名なのは「3×3の9個の点を何本かの直線で通るようにしてください、ただしすべての直線は一筆書きでつながっていなければいけません」という問題だと思います。

 普通に考えるとどうやっても5本になりそうなのです。これを4本でやってくださいというのがこの問題です。

 今回知った問題は10×10の100点のすべての格子点を直線で通るようにしてください、というものです。ただし先ほどの9点の問題とは違って線は一筆書きになっている必要はありません。全部バラバラで良いのです。ただし、正方形の辺に平行な直線は使ってはいけません


  10×10の正方格子のすべての頂点を正方形の辺に平行でない線で覆う場合、何本の線が必要ですか?  
 

10×10の格子点 10本の水平な直線

 必要な直線の本数の最小値は何本でしょうか。その値が最小だ、となぜ言えるのでしょうか。

(つづく)



 先日の「任意の凸多面体には、辺の数が等しい面が少なくとも2つ(一組)は存在することを示せ」という問題に関して、X(twitter)やメールでいくつかコメントをいただきました。ありがとうございます。解説のページの記載誤りや言葉が足りていない点に関してご指摘いただいて感謝しています。修正しました。この問題についてAIと対話してみた、という話を伺っています。私も正攻法の解答例を作るのにchatGPTを利用させてもらいました。

 AIに関しては様々な技術やサービスがどんどん進化しています。 1月に発表された claude cowork が一般企業のオフィスワークの自動化にとても役に立つのだそうで、2月にはSaaSpocalypse(サースポカリプス:リンクはgoogle検索です)と名付けられたソフトウェア業界の構造転換が発生し、巨額の株価の時価総額の暴落が起こったのだそうです。

 今も、勤務先のメールアドレスには「生成AI活用講座」みたいな案内メールがたくさん来ます。こういう講座を受講するような方というのは、その時点で利用できるサービスを最大限活用してやりたいことを上手に効率的にやりたい、ということなのだと思います。一方で、その時点で学んだスキルが陳腐化するのもあっという間なのだろうな、とも思います。大切なのは論理的に考えて読み書きできることなのかなあと思ったりしています。


<おまけのひとこと>
 雨が降っています。水不足が厳しいようですが、少しでもその解消につながるといいなと思います。困っているところに降水があるのか、確認していませんが。






3月20日(金) あやとり「死人の開始処理から」(その1)

 春分の日です。あやとりの話です。



 あやとり協会の吉田さんから、伝承作品「死人」のオープニングを開始状態として「テントの幕」を取ったらとても良かったと教えていただきました。私もやってみました。

「死人」の開始処理→「テントの幕」

 ちょっとかたちが整いにくいですが、出来上がりはすばらしいと思います。教えていただいてありがとうございます。

線画にしてみた

 「死人」の開始処理、いろいろ調べてみる価値があるかもしれないと思いました。ありがとうございます。



 昨日ご紹介したこの問題、まだ解説を準備できていません。


  10×10の正方格子のすべての頂点を正方形の辺に平行でない線で覆う場合、何本の線が必要ですか?  
 

 水平と垂直な直線は使えないので、とりあえず斜めの線を引いてみましょう。何本必要でしょうか? もっと減らせないでしょうか? それが最小であることはどうすればわかるでしょうか?

(つづく)



 今日3月20日は安野光雅の生誕100年の日なのですね(1926年3月20日生まれ)。調べてみたら、立川で生誕100周年記念 安野光雅展(3月4日〜5月10日)というのが開催中なのですね。知らなかったです。行かれる機会が作れるといいなあと思いました。


<おまけのひとこと>
 お休みの日で更新がお昼近くになってしまいました。






3月21日(土) 階乗の和の分数

 連休二日目です。



 X(twitter)で、以下のような式が紹介されていました(https://x.com/pickover/status/2034752867463000271)。

 3つの数字の階乗の和の分数の値が、その3つの数字を並べた3桁の数字の分数の値と等しいというのです。面白いなあ、ほんとかな、と思って検算してみました。

 なるほどおもしろいです。その投稿のリプライ投稿に、さらに4の階乗を加えた4桁の例が出ていました。

 これも同様に計算できます。面白いです。



 今週ご紹介した2つの問題ですが(2つ目はまだ解説を書いていませんが)、これはいずれも Moscow Maths Olympiads(モスクワ数学オリンピック) の問題です。いずれも Peter Winkler のパズルの本で紹介されていたものです。


  任意の凸多面体には、辺の数が等しい面が少なくとも2つ(一組)は存在することを示せ  
 
                       (1973年 Moscow Maths Olymiads)

 この問題(上記リンク先のpdfの115ページにあります)、模範解答はオイラーの多面体定理を使ったものだったのだそうです。でも、もっと簡単に示せるよね、ということで紹介されていました。では、凸でない多面体とかトーラス多面体のようなものではどうなるのか、という発展が考えられますが、それについて考察している文献などはちょっと調べた範囲では見つけられませんでした。


  10×10の正方格子のすべての頂点を正方形の辺に平行でない線で覆う場合、何本の線が必要ですか?  
 
                             (1996年 Moscow Maths Olymiads)

 この問題(上記リンク先のpdfの152ページにあります)、それほど苦労せずに例は思い付くと思うのですが、それが最小解である(それ以上必要な線の本数を減らせない)ことを示すロジックが面白いのです。



 東京・ミュージアム ぐるっとパスというのがあるのですね。2026年度も4月1日から購入できるのだそうです。東京に数日滞在して、いろいろなミュージアムを回ったりしたら楽しそうです。私は自分の家が好きで、今の居住地に満足していますが、こういうのを見ると東京もいいなあと思います。


<おまけのひとこと>
 あやとりをいろいろ試してみています。楽しい…






3月22日(日) 「二人のランナー」の問題

 今日も簡単なパズル風の問題のご紹介です。



 これも Peter Winkler の本に紹介されていた問題です。出典は Hess のパズルの本だそうです。


  2人のランナーが円形のトラックで同時にスタートし、それぞれ異なる一定の速度で走ります。  
  反対方向に走ると1分後に出会い、同じ方向に走ると1時間後に出会います。
  2人の速度の比はいくつでしょうか?  
 
        (Golf on the Moon Entertaining Mathematical Paradoxes and Puzzles By Dick Hess)
 

 距離、時間、速さの関係を問う問題はたくさんありますが、こういう具体的な数字が出てこない問題がちゃんと解けるかを問うと、「速度」とは何かを理解できているかがわかるような気がします。良い問題だと思いました。



 先日ご紹介したこの問題、ようやく解答のページを作りました。


  10×10の正方格子のすべての頂点を正方形の辺に平行でない線で覆う場合、何本の線が必要ですか?  
 
                             (1996年 Moscow Maths Olymiads)

 こちらです。



 1坪で「年間32品目」の野菜を収穫できるミニ家庭菜園の栽培プラン。2×2mの土地で春夏16種、秋冬16種を育てる“1坪菜園”の楽しみ/和田義弥さん という記事がありました。イラストで説明されているのがいいなと思いました。


<おまけのひとこと>
 この1年くらいで急激に太ってしまって、これまでだましだまし着てきたスーツが着られなくなりました。着られるスーツがないと何かの時に困るので、昨日思い立って紳士服屋さんに行って新調してきました。痛い出費です。






3月23日(月) 不定方程式

 簡単な問題のご紹介です。



 こんな問題を思い付きました。


  x,y,z が 1以上の自然数の時、不定方程式 29x+30y+31z=366 は解をもつでしょうか?  
  

 最初、x,y,z が 1以上の自然数の時、不定方程式 9x+10y+11z=94 は解をもつでしょうか? という問題を「問1」にして、上の枠内の問題を「問2」にしようかなあと思ったのですが、上の問題だけにすることにしました。

(つづく)



 昨日のこの問題の解説ページを作りました。


  2人のランナーが円形のトラックで同時にスタートし、それぞれ異なる一定の速度で走ります。  
  反対方向に走ると1分後に出会い、同じ方向に走ると1時間後に出会います。
  2人の速度の比はいくつでしょうか?  
 
        (Golf on the Moon Entertaining Mathematical Paradoxes and Puzzles By Dick Hess)
 

 こちらです。

 この問題を copilot, chatGPT, Claude, gemini に解いてみてもらったのです。gemini だけが上記のリンク先の私が用意した解答と全く同じロジックの解を生成してくれました。あとの3つの生成AIは、「相対速度の問題」だと解釈した解法になっていました。


<おまけのひとこと>
 大学の恩師の先生が2月に亡くなられて、「お別れの会」がひらかれるというご案内をいただきました。ちょっと迷うところですが、都合がある日なので参加は見送ろうと思っています。なつかしい、当時の方にお目にかかれる最後の機会になるかもしれないなあと思いつつ、過去よりも現在や未来のほうを重視すべきかなあと思ったりもしています。






3月24日(火) あやとりの線画

 あやとりの線画の話です。あと、昨日の不定方程式について少しだけ。



 「数学セミナー」に連載させていただいている「あやとりの楽しみ」ですが、最新号の4月号では三手のあやとり(その1)ということで、3つの手のための「人差し指の構え」を試行錯誤してみた例を載せました。

 上のリンク先のサポートページでは、記事で用いた画像のカラー版の写真を載せていますが、この記事の〆切前(2月)に、生成AIに線画にしてもらうことも試みていたのでした。ただ、当時は使えるレベルの線画を生成することができませんでした。

 今、4月発売の5月号の校正をしているのですが、そこでも線画の生成を試みています。使える図もあれば、やっぱり使えるレベルの線画が得られない図もあります。写真より図のほうがわかりやすい場合が多いので、できれば図を使いたいのですが、自分で作図するととても時間がかかるので、お手本の写真から線画を生成してもらえるとありがたいのです。

 公開済みの4月号の「3つの左手による人差し指の構え」を、改めてgeminiに線画にしてもらいました。もとにする写真は下のものです。敢えてヒストグラム補正やガンマ補正などの画像処理をせず、カメラが撮影したデータそのままを入力にしました。そのほうが結果が良い場合が多いように思います。

ハンドモデル3つによる「人差し指の構え」

 この例ではかなり良い結果が得られました(下図)。

上の写真をgeminiで線画にしてもらったもの

 これなら使えるレベルです。そもそも、このハンドモデルは人間が手の作画をするためのポーズを取るというのが目的の製品なので、まさにその目的のために使っているのだなあと思っています。ただ、このハンドモデルを製品化して下さった方は、人間ではなくてAIの作画のモデルとして使われることは想定されていなかったかもしれないなあと思います。



 不定方程式の解説を書いているので、もう1つ別の話題をはさんで「場所稼ぎ」をしておきます。

 毎年、なんとなく集めてみている「ヤマザキ春のパン祭り」のシールですが、30点までたまったことがほとんどありません。昔、2回くらいは30点に到達してお皿をもらったことがあるのですが、今年は本腰を入れて集めてみようと思ったのです。

30点に到達しました

 シールの台紙に貼るとき、点数がバラバラだと計算がしにくくて大変、という話を聞いたので、簡単に?離できる別のシール台紙を用意しておいて(会社で資産棚卸をやったときにシールを貼るのですが、その台紙を廃棄せずにもらってきていたのです)、そこにシールを貯めておいたのです。昨日30点を突破したことがわかったので、改めて計算しやすいように2.5点を4枚ずつ貼ってゆきました。



 昨日の不定方程式の問題、「x,y,z が 1以上の自然数の時、不定方程式 29x+30y+31z=366 は解をもつでしょうか?」ですが、これは解があります。一例を示すと(x,y,z)=(1,4,7)です。まともに取り組んでもそんなに難しくはありませんが、「うるう年のカレンダー」を連想していただければ解があることはすぐにわかります。「解をすべて求めよ」ではなくて「解を持つか?」と尋ねているのはそのためです。丁寧に言えば「解があるなら一例を示せ。解がないのであればそれを証明せよ。」という問いかけでした。

 X(twitter)で「うるう年ですね」というコメントを下さった方がいらして嬉しいです。ありがとうございます。


<おまけのひとこと>
 今日は忙しいです。






3月25日(水) 平面上の点の配置の問題

 点の配置の問題です。



 こんな問題がありました。


  任意の正の整数 n に対して、平面上の有限個の点からなる空でない配置であって、  
  その配置内のすべての点がちょうど n 個の他の点から距離 1 にあるという性質を  
  持つものは存在するでしょうか?
  

 何を問われているのかよくわからないかもしれませんが(元の問題は英文なのですが、翻訳が上手ではなくてすみません)、平面上に必要なだけ点を打って、その点のどれを選んでも、選んだ点から距離1にある点がちょうどn個あるようにしてください、という問題です。どんなnを与えられてもこの条件を満たす有限個の点の配置を作ることができるでしょうか? ということです。 「平面上に、n個の点を互いに距離1になるように配置してください」という問題ではありません。(これだとn=2とn=3しか解がありません。)

(つづく)



 国立科学博物館で 生誕100年記念 「かこさとしの科学絵本」という企画展が始まったようです。

 これはファンとしては行ってみたいです。


<おまけのひとこと>
 職場で、1年年上の方が退職されました。彼は「年金を受け取れる65歳までは契約社員として働くつもり」と言っていたのですが、2026年度の契約更新はせずに退職を選択したそうです。確かに、自分に残された健康寿命があとどのくらいあるのかわからない中で、フルタイムで働き続けることが本当に自分がやりたいことなのだろうか、と考えるとちょっと悩ましいです。






3月26日(木) 六角形を分割する

 ちょっとトリッキーな図形の問題です。



 ユークリッド幾何学の平面図形の問題です。


  一本の直線で4つの合同な三角形に分割できる自己交差のない六角形は存在するでしょうか?  
  

 ぜひ考えてみてください。

 六角形に直線を1本引く問題と言うと、ネットで見かけて腹が立った問題がありました。「正六角形に直線を1本引いて三角形を2つ作って下さい」というものです。その答えとして用意されていたのが下の図の右だったのです。

 「直線には幅があるということを発想できないとこの問題は解けない。先入観や思い込みを無くす、柔軟な発想がビジネスでは有効なのです」というような解説が書かれていて唖然としたものでした。「パソコンなどの描画機能を使って、六角形に直線オブジェクトを1つ描き加えて三角形を2つ作って下さい」というのであれば問題として成立するでしょうか。

 本日の問題はそんな数学の定義を無視したひどい話ではありません。すぐに気が付くことですが、凸六角形に直線を1本引いても2つの部分にしか分かれません。なので凸六角形を考えていてもダメです。

(つづく)



 昨日の問題


  任意の正の整数 n に対して、平面上の有限個の点からなる空でない配置であって、  
  その配置内のすべての点がちょうど n 個の他の点から距離 1 にあるという性質を  
  持つものは存在するでしょうか?
  

 ですが、2019年8月に、マッチ棒グラフというトピックを紹介したことがありました。それが今回の問題の考察に役に立ちました。(解説はまだ用意できていません。)結論を述べると「存在します」。上のリンク先を見ていただければそれ以上の解説は不要な気もします。


<おまけのひとこと>
 最近、なかなかうまく話が通じない人に自分が考えていることを説明するときに、「頑張って一生懸命伝わるように説明しよう」という意欲が減退してきているのを自覚しています。「通じないならもういいや」とあきらめてしまうのです。以前だったら自分の損得勘定は抜きにしても「相手の考えを自分が受け入れた」と思われるのが不本意な内容だった場合は多少は食い下がってみたりもするタイプだったのですが、最近は「まあ別に自分のことをどう思われても(相手の意見に特に反対ではないと思われても)別にいいか」と思うようになってきています。これは良いことなのか悪いことなのか…






3月27日(金) 首飾りの分割の問題

 いろいろな数学(っぽい)パズルを調べてみています。



 今日ご紹介するのはこんな問題です。


  二人の泥棒が、金の紐に任意の順序で取り付けられた、赤いルビー10個とピンクのダイヤモンド14個からなるネックレスを盗んだ。  
  二人がネックレスを2箇所で切断し、それぞれが切り取った断片を1つずつ取ったときに、ルビーとダイヤモンドが半分ずつ手に入る  
  ようにできることを示せ。  
  

 単に紐を通してあるのではなく、鎖のように切り離すのが難しい構造なのでしょう。なので、平等に2分割するときに切断する箇所をできるだけ減らしたい、というのがこの問題の目的です。24カ所切断して全部をバラバラにすれば確実に平等に山分けできますが、二種類の宝石がどんな順番になっていたとしても、たった2ヶ所を切るだけで必ず等分できる、というのです。 有名な問題のようなのですが、私は知りませんでした。考えてみたらとても面白かったのです。

(つづく)



 昨日のこの問題ですが、


  一本の直線で4つの合同な三角形に分割できる自己交差のない六角形は存在するでしょうか?  
  

 過去に何度もメールでコメント下っている大阪のKさんから解答を送っていただきました。Kさんの流儀で、いつも図形の問題を言葉だけで説明されるのですが、これが見事なのです。いただいたメールのテキストの解の部分を画像にしたものをこちらに置きました。(言葉による説明なので、開いたとたんに解が目に入ってわかってしまう、というわけではないです。)

 私が最初考えたのはこんな図形でした。これを見ていただくと、かなりおおきなヒントになると思います。ここから解に至るのはそれほど大変ではありませんでした。

 ちなみに、いくつかの生成AIに尋ねてみたところ、どれも正解を出力してくれませんでした。興味深いのは、いずれも最初は「可能です」と言うのです。そして、かなりそれっぽい解を返してくるのですが、説明を丁寧に読んでみると破綻しているのです。誤りを指摘したり、図示してもらったり、座標系を導入して六角形の頂点の座標を示してもらったりしたのですがそれでもダメでした。凸六角形を提案してくるものもありました。「あなたの例は凸六角形ですが、凸六角形を直線で分割する場合、最大でも2つの領域にしか分けられないのでは?」と指摘すると「その通りでした、この問題には解はありません」と言ってくる始末でした。

 「私が用意していたのはこんな解です」と、6頂点の座標値と分割する直線の式を入れてみたら、それを図示してくれました。こちらに画像を置きました。これは開いたとたんに解の図が見えるので、ご自分で考えたい方は開かないでください。


<おまけのひとこと>
 ちなみに今日の首飾りをの分割の問題は見事にこたえてくれました。






3月28日(土) 4つのスイッチの問題

 週末ですが、数学パズルの話を続けます。



 これもどこかできいたことがある問題です。

 
 同一のラベルなしスイッチ4個が電球に直列に接続されています。スイッチは単純なボタンで、状態を直接観察することはできませんが、押すことで変更できます。スイッチは回転可能な正方形の四隅に取り付けられています。4つのスイッチを見分けることはできません。あなたは任意の時点で任意のボタンを同時に押すことができますが、あなたがスイッチを操作するたびに、正方形はルーレットのようにランダムに回転されてしまいます。ある一定の回数以下のスイッチ操作(およびそれに続く回転)で電球を確実に点灯できるアルゴリズムは存在するでしょうか?
  

 「直列に配線されている」ということは、4つのスイッチの状態がすべてオンの時に限り電球が点くということです。スイッチが4つなので、状態の数は24で16通りありますが、最初から点いていたら問題にならないので、初期状態は全部がオン以外の15通りのいずれか、ということになります。もちろんそのうちのどの状態なのかはわかりませんし、スイッチ操作の結果わかることは「4つすべてオンになって電球が点いた」か、「点かなかった」かどちらかです。それ以上の情報は得られません。

 「スイッチにこっそり印をつける」とかは反則です。4つのスイッチが位置をランダムに変えられてしまうのではなくて、あくまでも「4つ一緒に回転する」のです。(その結果たまたま回転前と同じ状態になっているかもしれません。)これもつかみどころのない問題ですが、「問題を単純化する」例で考えてみるのがお勧めです。スイッチがたった1つしかなければ、今電球が点いていなければ、スイッチを入れれば電球は点きます。「ランダムに回転」の出番はありません。ではスイッチが2個だったら…

(つづく)



 25日(水)にご紹介した以下の問題ですが、


  任意の正の整数 n に対して、平面上の有限個の点からなる空でない配置であって、  
  その配置内のすべての点がちょうど n 個の他の点から距離 1 にあるという性質を  
  持つものは存在するでしょうか?
  

 マッチ棒グラフの話をヒントとしてご紹介したのでもういいかなと思ったのですが、一応こちらに説明抜きで結論だけ簡単に用意してみました。興味がある方はご覧ください。



 昨日の首飾りを公平に分ける問題、私は「ハムサンドイッチ定理」を思い出して、首飾りをきれいな円のかたちにして(正二十四角形の頂点にルビーとダイヤモンドが存在するようにして)、仮にルビーとダイヤモンドはすべて同じ重さだと仮定して(少なくとも2つのルビーや2つのダイヤモンドの重さが違っていたら数が同じになるように分配しても公平ではないので、重さが同じというのは妥当な仮説のような気がしました)、ルビー10個の重心とダイヤモンド14個の重心をそれぞれ求めて、その2つの重心を結ぶ線で分けたらどうだろう?と思ったのです。24個の宝石の重さがすべて等しければ、全体の重心は円の中心になるので、ルビーの重心とダイヤモンドの重心を、それぞれの重さの総和の比で内分した点が中心になるはずです。なので2つの重心を通る直線は円の直径になるはずです。

 でもこれだとちょうどぴったり宝石のある頂点を通る直径が出てくる場合もあるだろうか、その場合は宝石の間になるように直径をちょっと動かしたらどうだろうか…と考えたら、そもそもそんな重心とかおおげさなことを考える必要はなかったのだ、ということに思い至りました。


<おまけのひとこと>
 昔、「ハムサンドイッチ定理」についてこのサイトで書いたことがあるのですが、どこに書いたのか見つけられませんでした。






3月29日(日) バラクラ イングリッシュガーデン

 29日(日)は更新をしませんでした。30日(月)の早朝に2日分を書いています。



 ケイ山田さんに英勲章、英国庭園の日本での普及・発展を評価という記事がありました。これは近所のバラクライングリッシュガーデンのことだなあと思って読んでみると、記事の最後に「受章を記念して、これまでの地元からの支援に感謝しようと、蓼科高原バラクラ イングリッシュガーデンでは4月5日まで「長野県民入園無料デー」を開いている。」とありました。土曜日は天気が良かったので行ってみることにしました。

 記事には「長野県民」が無料の対象と書かれていましたが、実際には「長野県および近隣の県」が対象だそうで、私の前に受付に並んだ家族連れは愛知県からいらしたそうですが、無料になりますとのことでした。長野県は8つの県と隣接していますから、隣接県ということであれば対象範囲は広いです。

 受付では自動車運転免許証を提示して、「地元です」と伝えました。ここ30年近く、ほぼ毎年複数回は来ている気がします。

 庭園はこれからようやく春を迎えるところで、クロッカスとかクリスマスローズとか咲いていました。チューリップやヒヤシンスなどの球根が芽吹いていました。

 日時計がありました。15分単位くらいなら時間を読めそうでした。腕時計と比べてみました。

日時計 腕時計と比べる

 庭の一部に「アリスガーデン」という一角があって、不思議の国のアリスをモチーフにしたオブジェなどが飾られています。チェシャ猫がいました。

チェシャ猫

 観光スポットとして定着してくれているようです。地元としてはたいへんありがたいです。



 「以前ご紹介したことがあったはずのハムサンドイッチ定理、いつだったのか見つからないのです」と書きましたがみつけました。2016年6月3日でした。いつごろ何を書いたのか、最近はかなりあやふやです。


<おまけのひとこと>
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3月30日(月) パズルの本

 月曜日です。天気があまりよくないみたいです。



 ここ半月ほど、いろいろなパズルをご紹介しています。すでに何回か触れていますが、これは Peter Winkler の Mathematical Puzzles からのご紹介なのでした。

 3月は第2週と第3週に東京に出張があって、そのときに新宿の紀伊國屋書店の洋書フロアでこの本を見かけて、悩んだ挙句購入したのでした。(かなり高かったです。)

 この本の中身はweb上でも参照できるようなのですが、紙の本を持っていたくて買ってしまいました。知っている問題、聞いたことがある問題がたくさんありました。まだ未紹介なのですが、「これ知ってる」と思ったもののなかに、日経サイエンスに掲載された記事をまとめた「パズルの国のアリス」にあったはず、と思ったものがあって、本棚から下の2冊を取り出してみてみました。

 そうしたら、まえがきに「この連載のパズルの多くがウィンクラー(Peter Winkler)のMathemateical Puzzlesの中の問題を種にして、ときにはほとんどそのまま、ときにはアレンジして紹介している」と書かれていました。そうか、そもそもウィンクラーのほうが元ネタだったのですね。

 改めて調べてみると、この連載はまだ継続していて、日経サイエンスに隔月で掲載されており、問題はwebで公開されているようです。さらに、上記の2冊は2014年と2016年に刊行されているのですが(手元の本はどちらも初版です)、すでに5冊目が出ているみたいです。気付いていませんでした。3巻〜5巻も入手したいと思います。


<おまけのひとこと>
 ちなみに私が買ったウィンクラーの原書の買い値は「パズルの国のアリス」シリーズ5冊の合計金額よりも値段が高かったです。通販で買ったり電子書籍で買ったりすればもっと安かったと思いますし、なんならpdfをダウンロードすることもできるようです。電子データのほうが検索も楽だし自動翻訳もできるし良いことはたくさんありますが、でも、店頭でこの本に出会って自腹を切って購入したからこそ、中身を一生懸命読んでこんなに楽しい問題を真剣に考えることができたのです。買って良かったと思っています。






3月31日(火) カレンダー

 本屋さんのカレンダーです。



 「パズルの国のアリス」の3〜5巻を本屋さんに取り寄せをお願いに行きました。そうしたら、こんなカレンダーをもらいました。4月はじまりの縦に細長いカレンダーです。

 ちゃんと1カ月ごとになっています。ドアと収納の扉の間の狭い壁にぴったりでした。ありがたく使わせていただきます。


<おまけのひとこと>
 また2日分まとめて更新になってしまいました。






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