第10回:4本指の終了処理・輪の入替処理 ケルトのタペストリーを取る

(2025年1月号:通巻759号)

 第1回でご紹介した現代創作あやとり作品の「ケルトのタペストリー」を取るための手法をご紹介する回でした。


「丸太の横たわった沼」

 「ケルトのタペストリー」は、最後に内側2本の指で展開します。この技はガイアナ伝承作品の「丸太の横たわった沼」というあやとりで使われています。4本指の構えから始めて親指・小指の内側の糸を取り合い、内側2本指で展開して仕上げます。この最後の処理を「丸太の沼の終了処理」と呼ぶことにしました。

 私のサイトでは、この作品を長らく「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ」と呼んできました。本連載で「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ」という20文字を使うのはスペース効率が悪いので、「丸太の沼」という4文字で省スペース化をはかりました。

 下図左が通常の整え方、右が中央水平の2本をX字型に広げてみたものです。(下図右は未掲載)

丸太の横たわった沼 同左:整え方を変える

 5本指の構えから始めてみました。

5本指の「丸太の沼」

 丸太が少し太くなります。上図では、少し広げ気味に整えてみました。

5本指の「丸太の沼」→八芒星 八芒星

 12月12日発売の号だったので、なんとなくクリスマスの星をイメージして掲載しました。


4本指の内側の2つの輪を入れ替える

 「ケルトのタペストリー」は5本指の構えから始めて、内側の人差し指と薬指の輪を中指の輪を通して入れ替えるというのが独創的なアイディアです。この、「内側の輪を入れ替える」という技を、まずは4本指の構えからやってみました。

4本指の構え→内側の輪の入替 続いて親指・小指の内側の糸を取り合って
「丸太の沼」の終了処理

 上図左の入替状態から「丸太の沼」の終了処理を行うと上図右になります(これは未掲載です)。


親指・小指の輪をひねる

 4本指の構えから内側の輪を入れ替えて、さらに親指・小指の輪をひねってみました。輪をひねる向きを外側にするか内側にするかで下図のような違いが現れます。

丸太の沼のアレンジ1 丸太の沼のアレンジ2

 上図左が好きな作品です。もちろん右の斜め格子作品も良いです。


さらにアレンジ

 さらにアレンジ作品です。中央に八芒星です。

中央に八芒星

 今回は八芒星にこだわってみました。なかなかかたちが安定しないのが大きな欠点ではあります。

2025.01.02


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2025.01.01 公開
2025.01.02 更新
長谷川 浩(あそびをせんとや)


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