以前の「ひとこと」 : 2022年4月後半
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4月16日(土) Sternmosaik(その1)
4月後半です。
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このサイトを公開し始めたのは2001年なのですが、初期のコンテンツとしてブロック等の紹介というページを作りました。その最初に載せたのがSternmosaik 1でした。実はこれ、もう一回り大きなものも持っているのです。今日はそれをご紹介しようと思います。
厚紙でできたこんなパッケージに入っています。帆掛け舟や鉢植えの花や足を振り上げて歩く人などのデザインが紹介されていて、このモザイクタイルはきれいに箱詰めするだけでなく、いろいろな図案を作って遊ぶことを意図されている製品なのだということがわかります。
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図 1 ふたを開けてみたら、こんなパターンになっていました。
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図 2 ほとんど規則的なのですが、1か所間違っているところがある、という感じです。赤と黄色は菱形16枚と三角形8枚、青と緑は三角形16枚です。
とりあえず全部出して入れ直してみました。思いの外きれいに色分けするのが難しいです。
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図 3 しばらく出しておいて、いろいろ作ってみようかなと思っています。
(つづく)
<おまけのひとこと>
昨日は妻が一日寝込んでいて、お昼と夕食を作りました。(ものすごく簡単なものだけです。)私は家事の中では料理と食器洗いは苦手ではないほうかなと思います。ちょうど在宅勤務の日で良かったです。妻は今朝はだいぶ元気になってくれてよかったです。
4月17日(日) 立体箱、置時計
日曜日なので軽い話題です。
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先週はこんな「箱の内側の三点透視図法」の話をご紹介しましたが、
展開図 想定視点 そもそもこういう実験をしてみようと思ったきっかけになった、「立体箱」を作ったときの写真がみつかったのでご紹介します。(先週掲載したかったのですが見つけられなかったのです。) Netにあった展開図の画像を印刷して組み立ててみたものです。そのとき使った展開図のデータは見つかりませんでした。写真もトリミングしたものしか残っていませんでした。
下の図1は、完成したものをのぞき穴の方向から箱全体を見てみたものです。箱の内側を見ることが目的なので、のりしろは箱の外側で貼っています。写真のピントが箱の外側に合っているので、箱の内側はボケています。
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図 1 箱に少し近づいて、箱の外と中の両方が見える位置で見てみました。今度は箱の内側にピントを合わせています。
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図 2 カメラをのぞき穴にもっと近づけて、箱の内側だけが見える位置で撮影してみました(図3a)。こうして写真を撮ってしまうと、単なる質の悪い平面の絵でしかありません。実はこれは箱の内側の3つの面にまたがって描かれています。境界線を赤で示してみました(図3b)。
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図 3a 図 3b この写真や赤線を入れた画像を作ったのは2002年の7月でした。その当時なぜこのサイトにこの話を掲載しなかったのだろう、ひょっとして掲載したことを忘れているだけかも、と思って探してみたのですが多分掲載していないと思います。おそらく画像のサイズが大きくて、これ以上縮小したり加工したりすると伝わらなくなると思って断念したのかもしれません。(二十年前の自分はもはや他人で、何を考えていたのかわかりません。)
この箱そのものも当時の工作物の中に埋もれているはずで、捨ててはいないので探せば見つかると思うのですが、探して写真を撮るのも大変なので以前準備してあった画像をそのままご紹介することにしたのでした。
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愛用している置時計が止まってしまったのです。単に電池がなくなったのかなと思って新品に入れ替えてみたのですが動きません。時計は樹脂製の歯車などのメカ部品が何十年もずっと動き続けるので、どうしても摩耗したり劣化してしまいます。
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どうしたものかな、と思っていたのですが、妻が気を利かせて時計屋さんに持って行って修理を頼んでくれました。何十年も前の時計なのですが、時計の「モジュール」と呼ばれる、メカの部分だけを寸法の互換性があるものとそっくり取り替えることができるそうです。1週間ほど預けて、5,000円(税込)で修理をしていただくことができました。
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この時計は、私の父が健在だったころに加入していた上小木材協同組合の記念品で、自然木を輪切りにした中に時計のユニットが組み込まれているものです。我が家のピアノはマホガニー色(赤紫に近い色の木材)で、この時計はその上に置いて使っています。色や風合いが似合っていて気に入っています。父が入院していたころに病院に置いていたこともあって、この時計の土台の板の裏側には母の字で父の名前が書かれています。
組み換え作業のときに文字盤やカバーのガラスの内側もきれいにしてもらったようで、嬉しくなりました。これで多分、私たちよりも時計の寿命のほうが長くなったよね、と妻と話しました。
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昨日は妻がまだ体調が万全ではないということで、私が一人で食品スーパーに買い物に行きました。私はスーパーで「見切り品」と言われるような、少し新鮮さがなくなってきた野菜とか、消費期限が近い食材とかが割引されているものを買ってくるのが好きです。こういうものを勝手に「お店のおすすめ」と呼んでいるのですが、どんなお料理を作るのかをあらかじめ決めないでお店に行って、その日の「お店のおすすめ」を見て、それで何を作ろうかなと考えて買い物をするのが好きなのです。
とはいえ台所を管理してくれているのは妻なので、妻の計画を乱すのは申し訳ないし、迷惑はかけたくありません。なので頼まれたもの以外で「お店のおすすめ」を買うならば、自分ひとりで「晩酌のおつまみ」とかで消費できるものや保存が効いて少しずつ食べられるもの、という条件で買うことになります。(そこまでして「お店のおすすめ」を買わなくてもいいのですが、「食品廃棄を減らして環境にも良いし」などと自分に言い訳をして買い物をします。)
今回は「黒マイタケ」「栃尾の油揚げ」「セロリ」「新ショウガ」「みょうが」が安く買えました。ショウガを断面が5mm角くらいの太めのスティック状に切って、油揚げを刻んで軽く油抜きして、マイタケと油揚げとショウガを和風の味付けで煮物にしました。ショウガの味が良く効いた、日本酒に合うおつまみになりました。セロリはスティック状に切ってマヨネーズをディップにして生で食べました。みょうがは白髪ねぎみたいに切って浅漬けにしてあります。ショウガはたくさんあったので、スライスして味噌漬けも作りました。(それでもまだ未使用のショウガが残っています。これはどうしようかな。)
手の込んだ凝ったお料理はできませんが、ごくごく基本的な技と基本的な調味料を使って、出来上がりの味を想像して組み合わせを考えたり合理的な手順を考えたりするのは化学実験のようでとても楽しいです。
<おまけのひとこと>
昔は私が何も考えずにへんな食材を買ってきて妻の計画が台無しになって困らせてしまうということがよくありました。最近は妻がかなり寛大になってくれて(もしくは諦めの境地に達して)、私が変なものを買ってきて変なものを作りたがっても許してもらえるようになって来た気がします。ごめんなさい。
4月18日(月) 立方体の稜を削る(その1)
多面体のCGの話です。
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昔作ったこんなCGがあったので、gifアニメーションにしてみました。
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図 1 立方体の正方形の面の4つの辺を一定の角度で面取りしてゆきます。
立方体 切稜立方体の一種 立方体の6つの正方形の全ての辺(稜ではなく辺)1回ずつなので、全部で24回切り落とします。(「稜」を切り落とすのであれば12本なので12回になります。)
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出来上がったかたちをゆっくり回転してみました。
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図 2 もともとの立方体の面に由来する、一回り小さな正方形の面が6つ、凧形が24、全部で面の数は30です。
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三面図がわかる配置にしてCGを作ってみました。昔はこの配置のCGが気に入っていました。下の図はクリックすると拡大します。
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これ、図で見ていると割と球に近い多面体のような気がするのですが、手に持ってみると「立方体感」が強いのです。上の図の3面図の影を見ても、シルエットが思いのほか正方形に近いのが見て取れると思います。
(つづく) ○
土曜日に作った「黒マイタケと油揚げとショウガの煮物」、妻に好評でした。昨日は使い切れなかった黒マイタケの残りをどうしようか考えて、ちょうど賞味期限が1日過ぎてしまったベーコンがあったので、ベーコンとジャガイモを炒めたベーコンポテト(ジャーマンポテト)にタマネギの代わりに黒マイタケを入れたものを作ってみました。今回はジャガイモは「ほくほく」ではなく「シャキシャキ」にしようと思ったので、皮をむいてスライスして少し水にさらして電子レンジで2分加熱して(この時間を3分とか長くすると「ほくほく」になります)、その間にベーコンを刻んでフライパンに油(たまたまあったオリーブオイルを使いました)をしいてベーコンとマイタケを入れて炒め、ジャガイモを合わせて塩コショウで少し味を整えて簡単にできました。
フライパンにすぐにふたをすると蒸気が飛ばないので、しばらくの間ふたをせずに放っておきます。その間に使った調理器具は全部洗ってしまいます。大学の学部3年の1年間、毎週月曜から金曜の5日間は13時以降は全て化学実験でした。実験器具の洗浄は基本中の基本で、ガラス器具の「洗い物」をどれだけやったかわかりません。洗浄した器具は乾燥機に入れて完全に水分を飛ばします。これに若干時間がかかるため、少しでも実験を早く終わらせるためには(=少しでも早く帰るためには)使い終わった器具はできるだけはやく洗うことがとても重要なのです。この「使い終わった器具はできるだけ早く洗う」という訓練は今でも役に立っています。ただ、「必要最小限の水しか使わない」という考え方ではなく「可能な限り不純物を器具に残さない」洗い方なので、あまり環境には優しくない方法でした。
<おまけのひとこと>
昨日は、返却期限が過ぎていた図書館の本を返しに行って、また新しく何冊か借りてきました。図書館、ありがたいです。
4月19日(火) 立方体の稜を削る(その2)
多面体のCGの話のつづきです。
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昨日ご紹介したこのかたち、凧形が24面と正方形が6面の三十面体ですが、
以前、2003年11月に紙模型をご紹介したことがありました。
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これはp-立方体です。p-立方体については2003年10月にご紹介しています。この模型の凧形はかなり正方形に近いかたちをしています。CGのほうの凧形はもっと細長いです(凧の尾をつける頂点の角度は60度になるようにしています)。
この、凧形の面にグラデーションを付けた型紙、作った覚えはあるのですが、ファイルを探してみたのですが見つかりません。
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このp-立方体には凧形が3つ集まる次数3の頂点が8つあります。上記の過去のページでも言及していますが、この8つを切り落とすと捩れ立方体になります。そのCGも作ってみました。
p-立方体 捩れ立方体(変形立方体) 上側の4つの頂点を切り落として、ゆっくりひっくり返して、反対側の4つの頂点も切り落とす、というCGアニメーションにしてみました。
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昨日のCGはPovrayの以前のバージョンで描画してあった画像をそのままアニメーションなどに加工したのですが、今日は最近のバージョンで描画し直しました。そうしたらかなり明るめの(白っぽい)画像になってしまいました。(デフォルトのガンマ値が変わっているのか、自分が設定して忘れているのか…)
こうしてみると改めて捩れ立方体というのは美しいかたちだなあと思うのです。
<おまけのひとこと>
昨日の朝、冷蔵庫に煮物の残りをしまってあったのを見て、この御だしで茶碗蒸しを作ってみることを思い立ちました。茶碗蒸しは、だし汁に熱が残っているとうまくいかないのです。卵を1つ、しっかり溶いて器に入れ、冷蔵庫の煮物のだし汁をお玉ですくって入れて、水を足して濃度を調整します。ラップをかけて電子レンジ(500W)で様子を見ながら4〜5分ほど加熱しました。良い塩梅においしい茶碗蒸しができて満足です。(こんなことを朝5時前にやっています。)
4月20日(水) Sternmosaik(その2)
木製のタイルのおもちゃ(パズル)の話のつづきです。
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先日の土曜日にこんな画像をご紹介しました。
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これをベースに、少しずつパターンを変えてみたものをご紹介します。(夜中にあまり明るくない照明のもとで写真を撮ったらひどい画像になってしまいました。若干色調整や画像の加工を行ったのですがうまくいきませんでした。)
図1、赤と黄色の菱形の位置は変えずに直角二等辺三角形のピースだけを入れ替えたり向きを変えたりしてみました。(と思ったら赤と黄色の菱形、入れ替わっていますね。)
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図 1 図1のこの部分(下左)をこのように(下右)入れ替えてみました。
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図 2 全体の中央にあった下図の菱形8つの星型がなくなって、画面を4等分する正方形の中央に1つずつこのかたちができました。
こうなると、赤と黄色の直角二等辺三角形のピースの位置が気に入らなくなったので、配置をこんな風に変えてみました。
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図 3 このパターン、わりと気に入りました。
(つづく) ○
いつもお酒を飲むのに使っている容器の2つの影がきれいだなと思ったので写真を撮ってみました。
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図 4 福音館の「かがくのとも」1970年4月号のかげ(ぶん:中川正文、え:堀内誠一)を思い出します。
「かげ」の面白さを未就学児向けに紹介している絵本で、好きな絵本の1冊でした。途中で光源と影の数の話が出てきて、
ひかりが ひとつだと
かげも ひとつ。(ここはお月様に照らされて、手をつないで歩く親子の絵がありました。)
ひかりが ふたつだと
かげも ふたつ。2つの街灯による2つの影の絵でした。(ここだけは部分的に画像をご紹介します。)
かがくのとも「かげ」堀内誠一(1970)より 体育館とかイベント会場とか、光源が規則正しく並んでいるような場所でグラデーションのような影ができるのを見るのは今でも楽しいです。
<おまけのひとこと>
昨日はリモート会議ばかりでした。最近また自宅のネットワークの通信帯域が極端に狭くなる時間帯があって困っています。昨日は会社のリモート会議で10分ほど説明をしなければならない立場だったのですが、音声は会社貸与のスマートフォンで接続し、画面はPCで共有するというやり方をしました。自宅ではスピーカフォンを使っているのですが、そのときにはスマートフォンとスピーカフォンをBluetooth接続しました。
4月21日(木) SternmosaikのCGを作ってみる
木製のタイルのおもちゃ(パズル)の話のつづきです。
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昨日ご紹介したこのパターンが気に入ったので、
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CGにしてみました。(クリックすると拡大します。あんまり意味がないですが。)
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テキストで記述する盤面定義ファイルの意味がまず思い出せず、少し試行錯誤しました。さらに定義ファイルからCGのシーンファイルに変換するプログラムを改造したくなってソースコードを探して、ビルド環境がおかしかったので環境を整え、等々をやっていたら2時間くらいかかってしまって、今日はこのCGを作っただけで力尽きました。盤面定義ファイルについては2004年3月19日に説明を書いています。この説明を必要とするのは私だけなのですが、書いておいて良かったなあと思っています。
手順としては、盤面定義ファイルをテキストエディタで編集して、自作のコマンドラインツールで盤面定義ファイルからPovrayのシーンファイルに変換し、生成されたシーンファイルをPovrayでレンダリングしてCG画像を作成します。このプロセスが楽しいのです。
<おまけのひとこと>
時間切れで今日は簡単な更新です。
4月22日(金) SternmosaikのCGであそぶ
モザイクタイルのパズルのCGの話のつづきです。
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昨日作ったCGが色鮮やかすぎて、見ていてちょっと疲れる気がします。少し彩度を抑えた画像を生成するように条件を変えてみました。
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図 1a 図 1b 並べてみると図1aのほうがきれいなような気もしますが、以降は図1bのほうの条件で描画することにしました。
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木製の本物のモザイクタイルでは色の差がややわかりにくいのですが、CGにするとはっきり区別されます。緑と青の配置が気になったので、CGでこんな風に変えてみました。
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図 2 ○
妻に「何か作ってみてよ」と頼んだらいろいろ試してくれたのですが、きっちり箱に詰めるのは意外と大変だと言っていました。よくわかります。結果的にこんな配置になっていました。
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図 3 同色の菱形を2つずつ組にしたのですね。これもいいなあと思いました。(我が家の実物のSternmosaikは今このパターンになっています。)
これもちょっと変形してみようと思いました。最初に図4aのCGを作りました。
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図 4a 図 4b 「これが周期的構造だと考えるなら、こちらのほうがきれいではないか」と思って図4bのように変えました。図4aから図4b、どこを変えているのかわかりますか?
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おまけでこんなものも作ってみました。
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図 5a 図 5b あそんでいるときりがありません。
<おまけのひとこと>
今日はもう1つ軽い話題を用意していたのですが、CGで遊んでいたら時間がなくなってしまいました。
4月23日(土) 床の模様、あやとり講習会
すみません、土,日,月の3日分をまとめて月曜日に更新しています。(ワクチン接種で発熱して体調不良でした。)
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モザイクタイルを取り出してきてCGを作ったりして遊んでいるのですが、改めていろいろ検索してみています。Pavement Tessellations(タイル敷の舗装)というページに、世界のいろいろな舗装のタイリングパターンの写真が載っていて面白かったのです。
また、こちらのTiling with Pentagons(五角形によるタイリング)というページに紹介されていたタイリングパターンがとても面白いと思いました。
“Tiling with Pentagons” より この五角形、どんなかたちでしょうか?
(つづく) ○
あやとり協会の吉田さんから あやとり講習会の開催情報を教えていただきました。2022年5月21日(土)だそうです。第30回だそうです。素晴らしいですね。今回はちょっとお伺いするのは難しいかなと思っています。最近はなかなか「あやとり」の更新ができないでいます。ちょうど1年前の5月連休のころに「パターンあやとりの世界」の準備をして公開を始めました。作業中のままで1年近く放ってあります。また手をいれようかなと思っています。
<おまけのひとこと>
4月22日(金)にコロナワクチンの3回目の接種を受けてきました。ワクチンは1回目と2回目はファイザーだったのですが、3回目はモデルナでした。モデルナのほうが抗体の効果が継続して維持される傾向があるそうですが、接種時の副反応も大きい人が多いという説明を受けました。金曜日の午後からなんとなく腕が痛くてだるくなって、土日は37度台の微熱が続いてだるくて何もしないでゴロゴロしていました。接種を金曜日にしておいてよかったと思いました。
4月24日(日) Sternmosaikの別パターン、チェンバロ演奏会
土,日,月の3日分をまとめての更新の2つ目です。
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Sternmosaikを指定の寸法に納めるのはそんなに簡単ではありません。前回までにご紹介したのとは異なる納め方として、昔気に入っていたパターンを思い出して作ってみました。
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これもCGにしてみました。
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これも、どんな対称性にするのが美しいか迷うところです。
(つづく) ○
昔、アンサンブルでご一緒させていただいていたKさんから、チェンバロ演奏会と講習会のイベントの情報を教えていただきました。
繻`亜樹子 チェンバロリサイタル(2022年5月29日(日))だそうです。繻`さんは作曲科のご出身です。古楽の世界には作曲科や楽理科出身の方がけっこういらっしゃいます。バロック時代の音楽というのはパターンや構造がとても面白いので、作曲や楽理の方にとっても面白いのかなと思います。
<おまけのひとこと>
Kさんからいただいたメールに「今は、楽器の演奏はなさっていないのでしょうか?」と書かれていました。不本意ながらその通りです。孔子曰く「七十而従心所欲、不踰矩」(七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず)。まだ「心の欲する所に従うと、矩(のり)を踰(こ)え」てしまうお年頃です。(←「まだ若い」と言いたい(笑))
4月25日(月) この格子パターンは何でしょう?、他
土,日,月の3日分をまとめての更新の3つ目です。
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ワクチン接種の副反応で微熱が出てだるくて、でも眠れなくてぼんやりといろいろなことを考えていると昔言われた嫌なことを思い出したりして気分が沈んでいました。これはいけないなあと思ってベッドの中でタイリングパターンのことを考えたりして(こういうことを考えていると楽しいですし余計なことを考えなくても済むのがいいです)、こんなパターンのことを考えていました。
この図はだいぶ体調が復活してきた昨日の日曜日の午後に作ったものです。本来は直線なっているはずの線がちょっとずれてしまっている箇所があったりしていてすみません。
これはどのようにして作られた図でしょうか?(同じものを描いて下さいと言われたら描けますか?)この図の最小単位になっている三角形は何種類あるでしょうか?
この格子パターンに着色して、いろいろ「塗り絵」をしてみました。
(つづく) ○
「熱量と情報量が凄まじい個人サイトよ、いずこに…」 2000年代にたくさんあった個人ブログ、テキストサイトが消えた理由という記事を興味深く読みました。私はこのサイトをもう20年以上継続していますが、確かにそういうサイトは目立たなくなってきているなと思います。でもこれは自分のためにやっていることなので、まあ満足しています。
<おまけのひとこと>
今朝は霧がすごいです。
4月26日(火) この格子パターンに着色してみる、モザイクタイル
格子パターンの周期性の話です。
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昨日のこの格子パターン
格子パターン どんな繰り返し模様(基本単位)が目に入るでしょうか? まずは直交する正方格子が見えるかなあと思います。この正方格子の中に、一回り小さい内接する正方形があります。
例 1 そもそもこの格子パターンは、昔ご紹介したこんな繰り返し構造を基に作ったのでした。
基本格子 この基本格子は、頂点の周りに正方形(4)と正三角形(3)が、4,3,4,3,3 の順に集まっている構造になっています。この基本格子に着色して遊んだ例をあそびのコラム26:タイリング でご紹介したことがありました。
この基本格子の正三角形と正方形を下図のように分割したものが今回の格子パターンだったのでした。
正三角形と正方形の分割 基本格子の構造がわかるような着色をしてみました。
例 2 正方形と正三角形の中心を結ぶ線が格子パターンとして描かれているので、この基本パターンの相対をとる(面と頂点を入れ替える)操作ができます。
例 3 これは「カイロタイリング」そのものです。
カイロタイリング この着色については、18年7月に言及しています。
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一昨日にご紹介した下左のパターンをちょっと変えてみたくなって、下右のパターンを作ってみました。
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どちらが良いでしょう? (好みの問題です。)
<おまけのひとこと>
図を縮小して載せようかそのままのサイズで載せようか迷ったのですが、縮小しないで載せることにしました。
4月27日(水) 格子パターンに着色してみる(その2)、モザイクタイルの小修整
格子パターンの話のつづきです。
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格子パターンに色を塗るというのはとても楽しいです。実際にペンや色鉛筆などで色を塗る作業は大変ですが、コンピュータの中での着色は、色を指定して1か所クリックするだけで、繋がっている同じ色の領域を一瞬で全て塗りつぶしてくれるのでとても楽ですし、「やり直し(undo)」も簡単なのがとてもいいです。楽しくてついついやってしまいます。
格子パターン(縮小表示) この格子パターンを想像したとき、まず試してみたいと思ったのは下の図のような塗り分けでした。
例 1 これ、どんなふうに見えるでしょう? 赤い菱形が目立つ気がしますがいかがでしょうか。
例1と全く同じ塗り分けを、色だけ変えてみました。
例 2 全く同じ塗り分けパターンなのに、こうすると赤と青の等辺八角形が目立つ気がするのですがいかがでしょうか。(昔、こういう模様のお手玉を小学校の冬休みの宿題で作ったことがありました。最後に留めるところがうまくいかなくて困った覚えがあります。昔から不器用でした。)
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先ほどは凧形と菱形でしたが、別なかたちの凧形と正方形、という塗り分けもしてみました。
例 3 今度は折り紙の「手裏剣」を連想するパターンが目立ちます。でも、折り紙の手裏剣は鏡像対称軸を持ちませんが(回転対称性だけがあります)、この凧形4枚の「手裏剣のようなかたち」は鏡像対称性を持っています。 一方、白い正方形の4辺に接している凧形に注目すると、すべて同じ色になっています。この白い正方形を囲む4つの凧形全部がつくるかたちは鏡像対称軸を持ちません。
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モザイクタイル、さらに小修整してみました。左が昨日のもの、右が今日のものです。
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うーん、今度は青と緑の部分が合っていない気がしてきました。
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妻が玄関にチューリップを生けてくれました。
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花瓶は球根の水栽培用の容器です。有元利夫の絵が春らしい雰囲気です。
<おまけのひとこと>
昨日は、1月のリモートの講演会でお話を伺ったY先生と1時間半ほどリモートで技術的なお話をさせていただく機会がありました。先生は機械材料がご専門で新素材のご研究をされていらっしゃるのですが、1月に伺ったお話の中で、異方性を持つシート状の素材を積層した時の強度などの物性を調べたとき、不思議なことに対称性が高くないパターンのところに最適値があったという結果だったのです。「え?何で?」ととても面白く興奮してお話を伺ったのが強く印象に残っています。
先生は19xx年生まれで、今年xx歳だそうです(これで一意に年齢が決まるはずです)。最初に私のほうから簡単に自己紹介の話をする中で、おそらく同時期に同じ大学の同じキャンパスに学生として在籍していたこと(先生は工学部なので学部は違いますが)、またご出身は東京だそうですがご両親が甲府と松本のご出身だそうで、長野県の松本・諏訪地域には馴染みがあること、など最初にいろいろ雑談をして楽しかったのです。
この2年ほど、業界団体や研究機関などの方とリモートでお話をする機会が増えたのですが、こういう思いがけない巡り合わせがあったりして楽しいです。
4月28日(木) 格子パターンに着色してみる(その3)、3次元のピタゴラスタイリング
格子パターンの話のつづきです。
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今週ご紹介している、下の格子パターンに色を塗る話ですが、
格子パターン(縮小表示) 今日は基本構造がもう少し大きなものをご紹介します。構造が大きいので、画像は全て半分に縮小して表示します。
例 1 例1は「平行八辺形」とでも呼びたくなるようなかたちです。(辺の長さは2種類が交互になっており、内角も2種類が交互に現れ、向かい合う辺は平行で、鏡像対称性はないけれど回転対称性がある、というところが平行四辺形を連想させます。)
次は二等辺三角形の例です。
例 2 青と白の合同な二等辺三角形1つずつで、菱形もしくは平行四辺形の格子になっているとみなすこともできます。
次は等脚台形の例です。
例 3 これも青と白1つずつで、六角形もしくは平行四辺形の格子だとみなすことができます。
別な見方として、大きな正三角形が規則的に並んでいる、という風に見ることもできます。
例 4 パターンのデジタル塗り絵、楽しいです。
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同じ話題ばかり続くと退屈かなあと思って(私は退屈していないのですが)、もう一つ別な話題を。
Filling space with hypercubes of two sizes -- The pythagorean tiling in higher dimensions*1 (Jakob Fuhrer:2022) 「二種類の大きさの高次元立方体による空間充填 〜高次元のピタゴラスタイリング〜」という論文がありました。
「ピタゴラスタイリング」というのは、2種類の正方形による平面充填のことを指す呼び方のようです。適当な図を描いてみました(図1)。
図 1 なぜこれがピタゴラスタイリングと呼ばれるかというと、ピタゴラスの定理の図形的な証明になっているからだと思います。(すみません今日は説明はしません。)
上記の論文のFigure.2 に、“Roger's filling” という名前でこんな図が載っていました。
文献*1 Figure 2. 少し調べてみると、On Filling Sapce with Different Integer Cubes*2(R.J.M. Dawson:1982) という論文があって、そこにはこんな図が載っていました。
文献*2 Figure 7. ちょっと考えてみたいと思いました。
(つづく)
<おまけのひとこと>
こういう図を眺めるだけでワクワクします。
4月29日(金) 3次元のピタゴラスタイリングのCGアニメーション
3次元のピタゴラスタイリングの話のつづきです。お休みなので更新が遅い時間になりました。
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昨日ご紹介した、二種類のサイズの立方体による空間充填がよくわからなかったのでCGを作ってみました。1辺の長さが1の立方体と2の立方体です。
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角を揃えてこんな風に並べてゆきます。
これ、2種類の立方体の辺の長さの比が2:1以外でも成立するでしょうか?
(つづく) ○
昨日まで、塗り絵をしてきた格子パターンですが、最後にこんな二色の塗り分けをご紹介して終わりにします。
この格子に色を塗って遊ぶのは楽しかったです。
<おまけのひとこと>
連休が始まりました。以前と違って連休があんまり楽しみではないと感じている自分に驚いています。別に嫌な予定があるとかでは全くないのですし、やりたいことが何一つ見つからないとかでもないのですが。
4月30日(土) 3次元のピタゴラスタイリング(その2)
3次元のピタゴラスタイリングの話のつづきです。
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昨日は、辺の長さの比が2対1の2種類の立方体による空間充填のしかたをCGでご紹介して、「ほかの比率だとどうでしょう?」という問いかけをしました。これはすでに一昨日の Filling space with hypercubes of two sizes -- The pythagorean tiling in higher dimensions*1 (Jakob Fuhrer:2022) 「二種類の大きさの高次元立方体による空間充填 〜高次元のピタゴラスタイリング〜」という論文に書かれているので尋ねるまでもないのですが、他の例のCGも作ったのでご紹介します。
辺の長さの比が3対1のものです。
図 1a 図 1b 図1a の2次元状に並べたものの上にもう1つを載せるところを図示してみます。
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図 1c 同様に、辺の長さの比が3対2のものです。
図 2a 図 2b 図1a の2次元状に並べたものの上にもう1つを載せるところを図示してみます。
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図 2c これを見ていたら、いろいろ試してみたくなりました。
(つづく) ○
100円ショップのダイソーの「謎解きミステリーボックス」というのを見かけて、6種類全部を買ってきました。
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連休中、妻と毎日1つずつ解いてみようかと思いました。昨日は「白」をやりました。問題A(ランク★)、私も妻もそれぞれ答にたどり着きました。問題B(ランク★★)、私は諦めモードだったのですが、妻が粘って考えてくれて、「こうじゃないかなあ」と提案してくれて、説明のロジックを思い付くことができました。問題C(ランク★★★)、実に良い問題でした。最終問題は比較的素直に解けましたが、唐突な人物の名前のヒントに恥ずかしながらけっこう手こずりました。
今朝は「赤」を解きました。私は最初に問題Bがひらめきました。最終問題からおそらく問題Bの推測した答は正しいだろうと思って、次に問題Aを考えました。いろいろ考えて納得する答を思いついて、これも最終問題からおそらく正しいだろうと思いました。問題C、つかみどころのない問題でしたが、最終問題から考えて、「え、これで正しいの?」とう答だろうと思われました。最終問題の図を見て、いろいろ試したのですがこれは諦めて答を見ました。これは諦めて正解だったかなと思いました。パズルや謎解きは、諦めて答えを見たときに「これならわかったはずだったのに」と悔やまれる場合と、「これは見切りをつけて正解だった」と思える場合がありますが、この問題は後者でした。
「赤」の謎解きは、少なくとも問題A,B,C は楽しめました。全部解いたら自分なりに好みの順番や難易度の順番を付けてみようかなと思ったりしています。
<おまけのひとこと>
昨日は天気が悪かったですが、今日は晴れました。春らしい雰囲気です。