以前の「ひとこと」 : 2022年5月後半
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5月16日(月) 11角形のイスラム文様を切り絵で
5月も後半になりました。
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昨日ご紹介したこのパターン、
これをプリンタで印刷して、デザインナイフで切り出してみました。印刷するときはインクがもったいないのでパターンの色をかなり淡いグレーにしました。
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図 1 横幅が19cmくらい、高さが12.5cmくらいです。パターンを形成する帯の幅は3mmくらいです。デザインナイフで丁寧に切ってゆきます。だいたい1時間くらいかかりました。設計データがあるので、カッティングプロッタとかがあれば簡単に量産できるはずなのですが、手作業で切るのが楽しいです。
黒いノートパソコンの上に置いてみました。
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図 2 写真というより図面のようにも見えます。斜めから見てみました。
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図 3 これが作れて嬉しかったです。
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私は庭仕事は「通路担当」です。ガーデンレーキ(園芸用の熊手)で表面を引っ掻いて簡単に除去できるものは取り除いて、丈夫なほうきで掃いて、残った雑草を取り除く、という作業を丁寧にやってゆきます。通路以外の部分は妻の領域なので手は出しません。間違って抜いてはいけない植物を抜いてしまったりしないためです。(前科があります。)
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庭の小道 通路の脇は、丸っこい自然石を並べています。石が足りないので、石の列は途中で途切れています。昔、祖母が庭の小道のわきをこんな風に自然石で仕切っていました。まだ小学校に上がる前くらいのころ、それをがんばってひっくり返して、その下にいる虫を眺めたりするのが好きでした。
<おまけのひとこと>
プリンタを久しぶりに使いました。黒インクがなくなっていて、カラーインクで代替しました(プリンタにそういう動作モードがあります)。
5月17日(火) イスラム文様を比べてみる、他
イスラム文様の話です。
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Bridgesには模様やパターンに関する発表もたくさんあります。昨日までご紹介してきた、11角形と9角形のイスラム文様風のパターンがいかに巧妙なのもなのかを示すために、もっとシンプルなイスラム文様風パターンもご紹介することにしました。
Hankin's "Polygons in Contact" Grid Method for Recreating a Decagonal Star Polygon Design(B. Lynn Bodner:2008)より。
Fig.16 of above paper これは、五角形や十角形を用いたパターンです。正五角形は平面をタイリングできないので、隙間や重なりが生じます。それをどのように処理するのかが工夫のしどころです。
Some Girihs and Puzzles from the Interlocks of Similar or Complementary Figures Treatise(Reza Sarhangi:2016)より。
Fig.12 of above paper これは10角形と12角形です。昨日までご紹介していた9角形と11角形のパターンと比べると、周期性がシンプルなことがわかると思います。
9角形と11角形 本日ご紹介した過去のBridgesの論文には、これらのパターンをどのようにデザインしているのかが解説されています。まずはそっくり真似をして自分でも描いてみて、それから少しずつ工夫をしたり変化させてみたりすると楽しいです。
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前の月のカレンダーを細長く切って、こんなことをしてみました。
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写真 1 写真 2 帯にスリットを入れて、そこを通しています。どうでしょう、あんまり面白くないかな。
<おまけのひとこと>
岡田淳の「こそあどの森」シリーズ、全12巻のうち2冊だけ未購入だったのです。妻が本屋さんで取り寄せを依頼してくれました。今時、街の本屋さんで本の取り寄せを頼む人も少ないだろうなと思います。通販で自宅に配送してもらうほうが圧倒的に楽なのはわかっていますが、緊急性が高いものでないならば手間をかける楽しみというのもあるような気がしています。
5月18日(水) イスラム文様の帯の上下を加筆してみる
イスラム文様の話のつづきです。
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先日来ご紹介しているこのパターンが気に入って、いろいろ試したくなっています。(今日の図はいずれもクリックすると拡大します。)
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図 1 これを、黒い帯が編まれているのだとみなして、(結び目理論の交代結び目のように)1本の帯が交差する箇所で上・下・上・下…と交互に上下を繰り返しているのだと想定して、帯の上下がわかるように縁を描画してみました(図2)。
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図 2 Draw系の描画ソフトで、局所的に上下を入れ替えられるものがあると便利なのですが、これはそういう手法ではなくPaint系のソフトで手作業で描画しました。先日の切り絵で実物の紙をデザインナイフで切り抜くよりも時間がかかってしまいました。図1と図2、印象がまるで違ってしまっているのが面白いです。
さらに、白黒反転してみました(図3)。
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図 3 これも美しいです。この模様の手ぬぐいとか作ったら素敵そうです。
…と思って図2や図3を眺めていたら、交差しているところのなかで縁取りをやり忘れているところがありました。(わかりますか?)今から図を作り直して差し替える時間がありません。明日修正します。
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最近、具を入れない茶碗蒸しが気に入って良く作るのですが、昨日の朝はふと思い立って「そうめん」を半分に折って底に沈めて加熱してみました。そうめんの茹で時間は2〜3分なので、十分に火は通るはずです。どうなるだろう? と思って食べてみました。結果はほぐしていないえのきだけみたいに束になってくっついていました。えのきだけと同じく、食べるときにほぐせば分離できます。普通に冷やして食べるそうめんは茹でた後に水でさらしてぬめりを取ってツルツルした食感にしますが、単に加熱したままだとちょっともちもちした感じです。
「極力調理器具の洗い物は出さない」というのがコンセプトの調理なので、これ以上はどうしようもないかなと思いました。(あえて試すとすれば、加熱前のそうめんを水洗いする、という手段は残っていますが、あまりやってみようとは思えないです。)実験としては面白かったのですが、もう一度作って食べようという感じではありませんでした。別に「がまんして食べた」というほどまずかったわけではありませんが。
<おまけのひとこと>
今朝は図を作るのに時間を使ってしまったため簡単な更新です。
5月19日(木) 3次元のピタゴラスタイリング(その3)
3次元のピタゴラスタイリングの話のつづきです。
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先月末、ピタゴラスタイリングという、2種類のサイズの正方形による平面の埋めつくしパターンの話をご紹介して、それが3次元やさらにもっと高次元でも成立するという文献をご紹介しました。
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これを、格子の中に視点を置いて、小さいほうの立方体だけを描画してみたらどんなふうに見えるのだろう? と思ったのです。試してみました。
図1は、上のCGアニメーションで描画した部分の立方体だけを格子の中に置いてみたもの、図2はもっとたくさんの立方体を置いてみたものです。立方体の青い色は若干光を透過する条件にしてみました。
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図 1 図 2 数が多くなるとなんだかよくわからなくなりました。
視点を変えてみました(図3、図4)。
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図 3 図 4 こういう図が簡単に描画できるのは楽しいしありがたいのですが、この図のおかげで小立方体の配置が直感的に理解しやすくなったかというとそういうわけでもないかなと思いました。ちなみにこれらの図は透視投影法で描画しています(遠くになるほど小さくなる)。平行投影法で描画するとあんまり面白い図になりませんでした。
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昨日の格子パターンの帯の上下がわかるように加筆した図、不完全でした。2か所、作業し忘れたところがあったので直しました。どこが変わったかわかりますか?
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修正前 修正後
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修正前(白黒反転) 修正後(白黒反転) 白黒反転したパターンの帯の部分に色付けしてみたら面白いかなと思いました。
(つづく) ○
Windows 10 から 11 にアップグレードしたら、それまで問題なく動作していた Bluetooth 接続のマウスのボタンが勝手にダブルクリックになってしまって困っている、ということを以前書きました。USB接続の無線マウスを使うと問題が発生しません。OS側のマウスの設定でダブルクリックの速度を上げると改善するという情報があったので、試してみました。少し良くなった気がします。
<おまけのひとこと>
今週は在宅勤務の日が多いのですが、リモート会議がたくさんあって、白熱する議論をたくさんしています。1対1の二人での議論というのがけっこうあるのですが、PCの画面を共有しながら話をするので非常にやりやすいです。誰かと真剣に議論をすると、それぞれ一人だけで考えていた時には思い浮かばなかった発想が出てきたりするのがとてもありがたいです。
5月20日(金) 3次元のピタゴラスタイリングからのパズル設計案
3次元のピタゴラスタイリングの話のつづきです。
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このところご紹介している3次元のピタゴラスタイリング
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ですが、この繰り返し構造の一部分を切り取って立体箱詰めパズルにできないだろうか? と思ったのです。こんな感じです(図1)。
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図 1 これは周期構造から5×5×5の立方体を切り出してみたものです。大きい立方体のほうを透明にしてみると、小さい立方体が規則的に並んでいるのがわかります(図2)。
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図 2 完成したパズルの状態の大きな立方体の各面に注目すると、青い小立方体が2つずつ見える状態になります。鉛直軸の周りに90度ずつ回転してみました。
図 3a 図 3b 図 3c 図 3d 床に接している面は見えませんが、同様に青い小立方体が桂馬の配置になっています。たいへん美しいと思うのですがいかがでしょうか。
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古本屋さんのチェーン店の book-off で、「読鉄全書」(池内 紀・松本典久/編著:2018)という本を買いました(220円でした)。
読鉄全書 厳選されたすばらしい内容です。まだ拾い読みをしている段階ですが、楽しみに読んでいます。「読み鉄」と言ったら元祖の内田百閧フ阿房列車は「房総阿房列車」が取り上げられています。宮脇俊三の「夢の山岳鉄道」の仮想の上高地線の路線とダイヤの案をじっくり眺めて感心しています。鉄道の短編として忘れられない芥川龍之介の「蜜柑」も載っています。九州の鉄道の個性的なデザインで有名な水戸岡鋭治の「鉄道をデザインする」も見逃せません。この本を入手できてうれしいです。
<おまけのひとこと>
本を買うのはやっぱり店頭で偶然出会って買うのが好きです。
5月21日(土) 3次元のピタゴラスタイリングからのパズル設計案(その2)
3次元のピタゴラスタイリングの話のつづきです。
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昨日、3次元のピタゴラスタイリングの中から 5×5×5の立方体を切り出したら面白い、という話をしました。小立方体の位置がわかりやすいように1段ずつ積んでゆくCGを作りました。
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図 1 これを眺めながら、3×3×3の立方体の各面に2つずつ単位立方体の突起が桂馬の位置に飛び出しているという構造はどうだろう? と思ったのです(図1)。 プログラムで解析するために、BurrToolsでもかたちを作ってみました。このかたちがちょうどぴったりおさまるような、突起の立方体のところに穴があいたケースとかがあるときれいかなと思いました。
図 1 図 2 この形、中に空洞はないものとして単位立方体がいくつあるでしょうか?
3×3×3=27 の立方体の6つの面に2つずつ単位立方体があるので、27+(6×2) = 39 個ということになります。とりあえずはキューブ3個を繋いだトロミノ13個でこのかたちを作ることを考えることにしました。
トロミノというと、下の図のL-トロミノとI-トロミノの2種類があります。これに加えて、本来の意味でのトロミノではありませんが、3つの単位立方体が頂点を共有して一直線に並んだかたち(頂点だけで接続しているので、仮にV-トロミノと呼ぶことにします)も加えて考察してみることにしました。
L-トロミノ I-トロミノ (V-トロミノ) L-トロミノ13個で目的のかたちは作れると思いますか? 対称性が高くて美しい解にするためには、上の3種類のトロミノをいくつずつ使うのが良いでしょうか?
(つづく) ○
「音楽史を変えた五つの発明」(ハワード・グッドール 著、松村 哲哉 訳:白水社(2011))という本を図書館で借りて読みました。
音楽史を変えた五つの発明 音楽史の中で、「音楽」のあり方を変えた5つの大きな出来事を取り上げ、それぞれに関して論ずるというスタイルの本です。その5つとは、「記譜法の発明」「オペラの発明」「平均律の発明」「ピアノの発明」「録音技術の発明」です。いずれも、誰が主に貢献したのかという定説が定まっており、長い時間をかけて世の中全体でゆっくりと進化したというものではないもの、という観点で選ばれています。例えば「誰がヴァイオリンを発明したか」はわかっていませんし、「ハイドンが交響曲の父」などと呼ばれることがありますが、交響曲というジャンルはその時代に多くの作曲家によって作り上げられていったスタイルで、ハイドン以前に全くなかったわけではありません。
木管楽器などにも明確な発明者がわかっているものもありますが、ピアノほど音楽全体に影響を及ぼした楽器ではないと言えるでしょう。ギターやその祖先のリュートも非常に重要な楽器ですが、こちらは考案者はわかりません(という定説だと思います)。
非常に面白い本でした。まあでも購入して持っていなくてもいいかなと思いました。
<おまけのひとこと>
今日はお休みなので更新がお昼になってしまいました。
5月22日(日) 3次元のピタゴラスタイリングからのパズル設計案(その2)
3次元のピタゴラスタイリングから発想した立体パズルの検討の話です。
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3×3×3=27 の立方体の6つの面に単位立方体を2つずつ、桂馬の位置に配置した39単位のかたちを考えてみました。
この形を、以下の3種類のトロミノで作ってみることを考えてみました。(V-トロミノは本来の意味でのポリオミノではありません。立方体3つによるポリオミノ(トロミノ)はL型とI型の2種類だけです。)
L-トロミノ I-トロミノ (V-トロミノ) まずはL-トロミノ13個でこのかたちが作れるのか解析してみました。BurrTools によると、解は2種類ということでした。全部のピースを色分けしたものを載せておきます。
図 1 突起が全部で12あって、それは全て異なるピースになります。1つだけ、3x3x3の立方体からはみ出さないピースがあるはずで、それが図1の赤いピース(3x3x3の立方体の手前の面と右の面の中央に見えている面)です。
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それでは、この(外側に飛び出さない)特別なピースをL-トロミノからI-トロミノに変えてみたらどうなるだろう? と思って実験してみました。図2のようにI-トロミノが3x3x3立方体から飛び出す解が4種類、図3のように飛び出さない解(濃い青のI-トロミノの頭しか見えていませんが)が2種類、全部で6通りの解がありました。
図 2 図 3 L-トロミノを1つずつI-トロミノに置き換えていったとすると、I-トロミノの数をいくつまで増やせるでしょうか。3x3x3立方体の面の端の突起をI-トロミノにすることはできない(そうすると隣の面の突起が孤立してしまう)ので、最大でも6つか7つかなあと思います。調べてみようと思います。
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さらに、本来の意味でのポリオミノではありませんが、上で「V-トロミノ」と仮に呼んだパターンを1つ混ぜて解を調べてみました。これも2つの解が出てきました。
図 4a 図 4b 手前のL-トロミノをいくつか透明にして、V-トロミノを確かめてみました(図4b)。
アーテックブロックとかで遊んでみようかなと思いました。
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「憂鬱」という漢字を書けと言われても自分は書けないです。この「鬱」の漢字の覚え方、というのがこちらの漢字の「鬱」は一瞬で覚えられる!? 試験から仕事まで、一生役立つ暗記テクニックという記事で紹介されていました。面白かったので自分でも図を作ってみました。
オリジナルの書籍『最強の暗記術』(本山勝寛/大和書房)は見ていないのでどのようなかたちで紹介されているのかはわかりません。
最近ますます覚えるのが苦手になってきました。(わかっています。年齢のせいです。)
<おまけのひとこと>
昨日は「あやとり会」が開催されたそうです。盛況だったそうで、とても良かったと思いました。今回はお伺いできませんでしたが、また機会があったら参加をさせていただけたらと思っています。
5月23日(月) 3次元のピタゴラスタイリングからのパズル設計案(その3)
3次元のピタゴラスタイリングから発想した立体パズルの検討の話です。
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このところ、パズルのゴールの形として注目しているこのかたち、
おそらくどんな対称性なのか、なぜ私が面白いと思っているのか、わかりにくいと思います。今日はこのかたちについて説明をしてみようと思います。
このかたちは 3×3×3=27 の立方体の6つの面に単位立方体を2つずつ、桂馬の位置に配置した39単位のものです。以下、左側が一般的な視点からの図、右側が対称性が高い視点からの図になります。(上の黄色い図とは向きが異なりますが同じかたちです。)
図 1a 図 1b 3x3x3の立方体から飛び出しているところの色を変えてみました。
図 2a 図 2b 6つの面に2つずつの単位立方体が付いています。これが、3x3の面のどこに付いているかで色分けしてみます。ルービックキューブで「コーナーキューブ」と呼ばれる3x3の正方形の面の角(かど)に付いているものを赤に、ルービックキューブで「エッジキューブ」と呼ばれる、3x3の正方形の辺に付いているものを青にしてみました。
図 3a 図 3b さらに、3x3x3の白い立方体に隠されている向こう側も見えるようにするため、骨組みだけにしてみました。
図 4a 図 4b たいへんきれいな対称性になっているのがわかりますでしょうか。
ゆっくり回転するアニメーションにしてみました。
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図 5 回転対称軸の周りに回転してみました(回転軸と対称軸の間にちょっと誤差がありました)。
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図 6 とてもきれいな対称性を持っているということがおわかり頂けたでしょうか。
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私の勤務先は、給料日が毎月28日です。(今月は28日が土曜日なので27日になります。)生活にメリハリをつけるためや節約の意識を持つため、また健康も考慮して、毎月給料日前の1週間は食事は質素なものにするというルールを妻が考案して、ここ何年か継続しています。
21日(土)に買い物に行ったとき、セロリと茎ミョウガがとても安かったので喜んで買ってきました。セロリもミョウガも私は好物なのですが妻は苦手です。なので自分で洗って刻んで漬物にしたり、たくさんある茎ミョウガはネギと同じように細かく輪切りにしてみそ汁や蕎麦などの薬味にしたり、喜んで消費しています。浅漬けはお酒のおつまみとしてもとても良いです。
また、その前に買ってあった新ショウガがまだ残っていたので、5mm角くらいの棒状にざっと切って、片栗粉をまぶしてフライパンにうっすら油をひいて揚げ焼きにしてみました。これも蕎麦に入れたり、塩でおつまみにしたりしてとても良かったです。基本、自分でお料理っぽいことをしたときには、使った調理器具や食器などは全部自分で洗って片付けるのですが(理想は食べ始めるときには調理器具は洗い終わっていて、食べ終わってすぐに食器を洗ってしまうことです)、このフライパンだけは「冷めてから片付けよう」と思っていたら妻が片付けてくれてしまいました。申し訳ないです。
<おまけのひとこと>
誰かに振る舞えるようなまともな(普通の)お料理はできませんが、たまたまあるものを適当に焼くだけとか煮るだけとか炒めるだけとか蒸すだけとか漬けるだけとか、そういうのを思い付きで適当に試してみるのは好きです。もちろん失敗することもあります。
5月24日(火) 立体パズルの試作
3次元のピタゴラスタイリングから発想した立体パズルからの派生の話です。
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昨日CGでご紹介したかたちをアーテックブロックで作ってみようと思ったのです。完成品が安定するように少し構造を変えました。まずは出来上がりの写真です(図1)。今日の写真もクリックすると拡大します。
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図 1 これは3つのピースに分解できるように設計しました。同系色の黄色とクリーム色、青と水色、緑と薄緑色は繋がっています。安定するようにグレーの単位立方体を追加しています。中央の3x3x3立方体の対角線の3つの単位立方体は取り除いてあります。
図2のように回転対称軸が鉛直になるような置き方もできます。今回の3つの合同なピースの設計だと、この向きだと崩れませんが、全体を上下ひっくり返すと安定せず勝手に3つの部分に分解して崩れてしまいます。
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図 2 このパズルは「爆発型」ではなく、1つずつを平行移動で動かして組んだり外したりできますが、3つのピースを一斉に少しずつずらすこともできます。図3は単位立方体の半分の長さだけずらしてみたものです。
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図 3 分解して向きを揃えてみました(図4)。14単位の立方体から成る合同な3つのかたちです。
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図 4 向きをバラバラにしてみました(図5)。これを3つ組んで、図1のようなかたちにするのはちょっと難しいかもしれません。
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図 5 そもそも、目標のかたちがわかりにくいですよね。きれいな対称性があるのですが、わかりにくいのが欠点です。その割には簡単に分解できてしまって、パズルとしてもいまひとつです。何かもう一工夫したいところです。
<おまけのひとこと>
時間が無くて簡単な更新です。
5月25日(水) 閂(かんぬき)パズル(その1)
3x3x3の立体パズルの話です。
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久々にアーテックブロックを出してきていじっていたら、1つ思い付いたものがありました。3x3x3の中におさまる2つのピースです。こんな構造です。
図 1 見えない部分がどうなっているかわからないと思うので、1段ずつ積み上げる画像を作ってみました。
1段目 2段目 3段目 2つのパーツを片方ずつ表示してみました。向きは図1や上の「3段目」の図と同じです。
パーツA パーツB パーツAを鉛直軸回りに90度、パーツBは逆方向に90度回してみたところです。
パーツA パーツB パーツAのほうは単位立方体13個、パーツBのほうは単位立方体9個です。実はこの2つのパーツはいずれも対称性を持ちます。どんな対称性なのかわかりますか?
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3x3x3=27 ですから、パーツAとBを組むと十字型の5単位分の隙間が残っています(図3)。十字型のピースをここに置くとすると、3つのピースは噛み合って外れなくなります(図4)。
図 3 図 4 AとBの2つのピースは単位格子に沿った方向に平行移動することで組んだりばらしたりすることができます。(アニメーションにしてみました:図5)。
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図 5 この分解ができなくなるようにロックしたいのです。単位立方体3個を直線状に並べた I-トリキューブを差し込むと、2つのパーツはロックされます。差し込む方向は2方向ありますが(図6aと図6b)、どちらに挿してもロックされます。
図 6a 図 6b 分解するのはすごく簡単な、でも組み立てるのはちょっとだけ大変な3ピースのパズルになりました。閂(かんぬき)パズルです。
3x3x3を基本としたパズルはたくさん考案されているので、これもすでに既出かもしれません。
<おまけのひとこと>
図を作るのが楽しかったです。
5月26日(木) 閂(かんぬき)パズル(その2)
3x3x3の立体パズルの話のつづきです。
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昨日、「閂(かんぬき)パズル」という名前を付けてご紹介したこのパズルですが(「かんぬき」のピースが通り抜けるイメージをアニメーションにしてみました)、
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2種類のピースは対称性を持っています、という話をしました。
パーツA パーツB これらはいずれも2回回転対称軸を持っているのです。お気づきになりましたでしょうか。
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パーツA パーツB これが面白いと思ったのでした。
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国際あやとり協会(日本)の会員のあやとり研究のページに、パターンあやとりの研究という資料を公開していただきました。
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パターンあやとりの研究 あやとり協会の皆様、特にサイトを管理して下さっているKさん、迅速にご対応下さってありがとうございました。よろしければご覧ください。何かご質問等ありましたらご連絡ください。
<おまけのひとこと>
高速道路の通勤時間帯割引が1か月に10回以上の利用で50%割引になります。会社から支給される金額は一律50%割引が適用されるものとして計算されます。5月は連休もあり、在宅勤務も多かったため、10回(5往復)に到達するかぎりぎりのところです。
5月27日(金) 閂(かんぬき)パズル(その3)、あやとり
3x3x3の立体パズルの話のつづきと、久しぶりにあやとりの話です。
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昨日ご紹介した閂(かんぬき)パズルをアーテックブロックで作ったものの画像をご紹介します。
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図 1
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図 2 図 3 実際に作っていじってみるといろいろと発見が合ったりして面白いです。
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久しぶりに「パターンあやとり」の話です。昨年、サンフィッシュ(リンクは石野さんのサイトです)というガイアナのあやとり作品
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Sunfish (Guyana) からの派生をいくつか試していました。ここ2〜3日、当時試さなかったものを取ってみたら思いの外面白かったので今日から何回かご紹介したいと思います。
たぶんこれは公開したことがなかったと思います。
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昨日は東京に出張だったのですが、帰りの中央東線の特急が甲府駅を出てまもなくの竜王と塩崎の間で「緊急停止信号」により停車してしまいました。最初は車内放送で「置き石かもしれない」というアナウンスがあり、現場の確認と車両の点検をするのでお待ちくださいということでした。15分後くらいに「小動物との接触らしい」という説明があり、さらに10分後くらいに列車の片側(今回はいつもより短い9両編成でした)の点検が終わったのでもうしばらくお待ちください、というアナウンスがあり、結局40分後に運行再開になりました。
地上を走る列車はトンネル区間や橋梁の上とかでなければとりあえず止まればリスクは大きく低下させることができます。あわてて運行再開するより丁寧に点検してもらったほうがありがたいなあと思いました。一方で、この先の途中駅で乗り換えの予定がある方は(小淵沢から小海線、岡谷から飯田線、塩尻から中央西線)、遅延は心配だったろうなと思いました。
緊急停車したときに車両の点検をする責任と知識・技能があるのは運転士さんなのですね。運転士さんが何名乗車されているのかは知らないのですが、アナウンスでは「現在、運転士が車両の安全を確認中です」と案内されていました。懐中電灯を頼りに先頭から最後尾まで車両の両側を点検するというのはさぞかし大変だろうなと思いました。
<おまけのひとこと>
今日はしっかり雨が降っています。ちょっと遅い時間の更新です。
5月28日(土) 突起のある立方体パズルの研究、「サンフィッシュ」利用のあやとり(その2)
突起のある立方体パズルの話のつづきと、あやとりの話です。
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今週の月曜日に、このかたちの対称性について図をたくさん用意して説明をしました。
このかたちを構成するのに、図のような3種類のトロミノ(V-トロミノは通常の意味でのポリオミノではありませんが)をいくつ使うのが良いだろう、ということを検討していました。
L-トロミノ I-トロミノ (V-トロミノ) いろいろ試してみましたが、V-トロミノが1つ、L-トロミノとI-トロミノが6つずつというのが最も構造が美しい解かなあと思いました。今日はその構造をご紹介します。
まず、回転対称軸方向にV-トロミノを置きます(図1a)。図では鉛直軸方向にしました。V-トロミノの3つの立方体の真ん中の立方体の6つの面に、I-トロミノを1つずつ貼り付けます(図1b)。さらにその外側に、L-トロミノ6個を円環状に配置します(図1c)。たいへんきれいな構造だと思います。
図 1a 図 1b 図 1c L-トロミノ6つの円環はちょっと構造がわかりにくいかもしれません。こんな感じです。
図 2 過去にも何度か言及していますが、有機化学のシクロヘキサンみたいだなあと思います。
パーツを1つずつ追加してゆくアニメーションを作ってみました。
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(つづく) ○
あやとりです。昨日に続いて「サンフィッシュ」からの派生です。昨日と取り方はほとんど同じで、最後に「親指と小指の輪を1回転ひねる」の代わりに「四隅の小さな輪の処理」をやるところだけが違います。
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- 人差し指の構え
- 人差し指の輪で「サンフィッシュ」を人差し指・薬指の間につくる
この時点で中央に「サンフィッシュ」のパターンがある4本指の構えになっている
- 人差し指の向こうの糸を中指で取る
- 左人差し指と左中指の背の糸を左人差し指と左中指の間から掌側に引き出し、右親指と右薬指にかける
- 右人差し指と右中指の背の糸を右人差し指と右中指の間から掌側に引き出し、左親指と左薬指にかける
- 左手側のみ「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ」の処理
- 左人差し指と左中指を、掌の糸を越えてそれぞれの(自分の)輪に入れて掌の糸を握り込み、背から輪を外す
- 左人差し指と左中指が押さえている糸を左親指と左薬指から外す
- 左人差し指が下向きに保持している輪を左親指で下から取り、左人差し指をその輪から離す
- 左中指が下向きに保持している輪を左薬指で下から取り、左中指をその輪から離す
- 左親指の上の輪(今人差し指から移した輪)を人差し指に移す
- 右人差し指と右中指の輪を外す
- 右親指の上の輪を右人差し指に移す
- 四隅の小さな輪の処理
- (「親指・小指の輪を外側へ1回転ひねる」はやらない)
- 親指・小指で内側の糸を取り合う
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
これも中央部分が対称性の高い美しい模様になっていると思います。
<おまけのひとこと>
今日は通勤に使っている車を車検に出します2015年から乗っているのですが、今回は「一泊二日かも」と言われています。どんな請求書になるのかちょっと怖いです。
5月29日(日) 突起のある立方体パズルの研究(その2)、あやとりパターンの90度回転
突起のある立方体パズルの話のつづきと、あやとりの話です。
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昨日、I-トロミノとL-トロミノ6つずつと、単位立方体が頂点で連結しているパーツ1つでこんなかたちができるということをご紹介しました。
L-トロミノとI-トロミノを連結して下の図のようなヘキソミノを作って、これを6つ組んでみました。
L-トロミノ I-トロミノ ヘキソミノ パーツを1つずつ追加してゆくアニメーションを作ってみました。
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この合同なヘキソミノ6パーツは残念ながら安定しません。先日アーテックブロックで作ったのは、このヘキソミノ2個をさらに連結して、置いたときに安定するように突起を2つ追加したかたちだったのでした。
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「サンフィッシュ」というあやとりを題材にして、いろいろ装飾をしたりアレンジしたりすることを試みています。
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サンフィッシュ パターンあやとりという創作あやとりの手法をご紹介しているのですが、完成形の基本は両手の親指・小指で長方形の「枠」がある構造です。この「サンフィッシュ」は、両手の親指どうし、小指どうしを結ぶ糸がありません。そのため「サンフィッシュ」に様々な装飾処理をしようとしてもうまくいかないのです。そこで一昨日と昨日にご紹介したのは、あらかじめ「人差し指の構え」で両親指、両小指を結ぶ糸は用意しておいて、内側の輪から「サンフィッシュ」を取る、という方法でした。
この「サンフィッシュ」は両親指・両小指を結ぶ糸はありませんが、それぞれの手の親指・小指をまっすぐに結ぶ掌の糸はあるのです。このような基本形のときのやり方として、「あやとりの図形全体を90度回転させる」という大技があります。過去にもご紹介したことがあったような気もするのですが、今日はそのご紹介をしたいと思います。
「両親指・両小指を結ぶ糸は無いが、それぞれの手の親指・小指をまっすぐに結ぶ掌の糸はある」パターンとして最もシンプルなこんな構えを考えます。名前が付いているのかどうかわからないのですが、「ひねったはじめの構え」「横8の字の構え」とか呼んでみましょうか。
横8の字の構え 上の状態から、下の図の状態に変えたいのです。(これは「2本指の構え」と呼ぶのがふさわしいのですが、話の流れ上、「縦8の字の構え」と呼んでおくことにします。)
縦8の字の構え このかたちそのものを作るならば、「人差し指の構え」→「小指を外す」→「人差し指の輪を小指に移す」という手順でできますが、今回はあくまでも「あやとり全体を回転させる」ことが目的です。私はこんな手順で取っています。
あやとり全体を時計回りに90度回転(CW90)
- 右小指の輪を右人差し指に移す
- 左小指の輪を右小指に移す
- 左親指の輪を左小指に移す
- 右親指の輪を左親指に移す
- 右人差し指の輪を右親指に移す
左右の親指・小指の4本のうち、どこから始めてもいいのですが、最初に移す輪を一時的に退避して、空いた指に次々と輪を移してゆきます。最後に空いた指に、最初に退避した輪を移して完成です。CW90と表記していますが、CWは clock wise の略で、「時計回り」のことです。反対回りはCCW (counter clock wise) と略記します。
実はこのようにあやとり全体を90度回転させるのは、「二人の酋長」などでも用いられている技です。
これを使ってさっそく1つ試してみることにしました。
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hh220529-1
- 「サンフィッシュ」
- CW90:あやとり全体を時計回りに90度回転
- 親指・小指で内側の糸を取り合う
この技(CW90)を使うことで、さらにこの後も装飾を続けてゆくことができるようになりました。
(つづく)
<おまけのひとこと>
金曜日の夜、暑くて何もかけずに寝てしまって、寒くて目が覚めました。すっかり体調を崩してしまいました。大失敗です。
5月30日(月) イスラム文様の帯に着色してみる、「サンフィッシュ」利用のあやとり
イスラム文様の話のつづきと、あやとりの話です。
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5月19日(木)の更新で、こんな図をご紹介して、「帯の部分に着色したら面白いかも」と書いていました。
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やってみたものをご紹介します。(図をクリックすると拡大します)
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黒背景 白背景 これを周期的に広げたらどんな感じになるんだろう? と思いました。
(つづく) ○
昨日は「サンフィッシュ」→「時計回りに90度回転」→「親指・小指の内側の糸を取り合う」というのをご紹介しましたが、最後を「二本指の終了処理」にしてみました。
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hh220530-1
- 「サンフィッシュ」
- CW90:あやとり全体を時計回りに90度回転
- 二本指の終了処理
- 小指の輪を、親指の輪の中からつまみ出して外し、親指に掛け直す
- 親指の輪を、小指の輪の中からつまみ出して外し、親指に掛け直す
- 親指で小指の手前の糸を取る
- 小指で親指の向こうの糸を取る
左右に「おさかな」もしくは「カブ」みたいなパターンができました。
<おまけのひとこと>
昨日の夕方、車検を依頼してあった車を取りに行きました。意外なことに、特に別途費用がかかる交換部品はありませんでした。在宅勤務が増えて、長距離の通勤の回数がだいぶ減っているおかげだと思います。次に乗りたい車がなかなかみつからないので、今の車をだいじに乗ってゆきたいと思います。(でも年数が長くなると税金が跳ね上がるタイミングがあるので、その前には乗り換えが必要かなと思っています。)
5月31日(火) 90度回転→カロリン展開のあやとり
月末です。今日はあやとりの話と軽い話題です。
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このところご紹介しているサンフィッシュ(リンクは石野さんのサイトです)の90度回転ですが、素直にカロリン展開してみました。
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hh220531-1
- 「サンフィッシュ」
- CW90:あやとり全体を時計回りに90度回転
- カロリン展開
これを見ていると、伝承あやとり作品の「サンゴ」「二人の酋長」を連想します。
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サンゴ 二人の酋長 あやとり工房という素敵なサイトがあるのですが、その中に「カロリン展開」で仕上げようというページがあって、「サンゴ」も「二人の酋長」も紹介されています。各手順ごとの写真があって、たいへんわかりやすいサイトです。とても手間がかかっていると思います。
特に素晴らしいのはいくつかの変化形というところでパターンの増やし方が解説されているのです。お勧めです。
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昨日は「サンフィッシュ」→「時計回りに90度回転」→「二本指の終了処理」というのをご紹介しましたが、「サンゴ」をカロリン展開ではなく「二本指の終了処理」で仕上げてみました。
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hh220531-2 hh220529-1(再掲)
- 「サンゴ」
- 二本指の終了処理
- 「サンフィッシュ」
- CW90:あやとり全体を時計回りに90度回転
- 二本指の終了処理
これはカロリン展開のほうが良いかなと思います。
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在宅勤務で仕事をしている部屋の窓から、小さな森が見えます。
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写真 1 この森は昔このあたりが村だったころからの地域の共有地で、中には小さな祠(ほこら)があり、地区の役員の方々が毎年巡回をして、表示などを修復したりしています。
このところ、この森を気に入ったカッコウがいるみたいで、朝夕鳴いています。かなり大きな声です。今朝は雨が降っていたのですが、それでも少し鳴いていました。今は静かです。
<おまけのひとこと>
カッコウ、また鳴き始めました。