第2章:三本指パターンあやとりにおける様々な開始処理・継続処理
6.四隅の小さな輪の仲間
パターンを装飾する有用なテクニックに、図形の四方に小さな輪を作るという処理があります。たとえばナウルの伝承あやとり作品の「ビヤト エイディオウィナゴ」「エカイブウィト」「運営スタッフ」などの作品に登場します。これらは第4節でご紹介したエガラウィナゴと同様な手順で取ります。最初にご紹介するのはもっと簡便で[継続処理]として使える方法です。
6-1. 四隅の小さな輪[継続処理]
四隅に小さな輪を作る処理です。隣の指の糸を絡めとって「逆ナバホ取り」するというテクニックです。「逆ナバホ取り」はすぐ下で解説します。 絡めとる糸を変えることでパターンが変わります。隣の指の近い側の糸を絡めとる場合と、一つ遠い糸を絡めとる場合をご紹介します。
逆ナバホ取りは図で示すとこうなります。
Fig.2-63:逆ナバホ取り 図は、左親指で右人差し指の手前の糸を絡めとったところです。もともと親指にかかっていた輪(図の青い糸)を、新しくできた上の輪の中を通して上に引き出します。上の輪をもとの青い輪のほうに落として、もともと掛かっていた輪(青い輪)だけを親指にかけ直します。
普通の「ナバホ取り」は上の輪を乗り越えて下の輪だけを外しましたが、「逆ナバホ取り」は、下の輪を残して上の輪を手の内側に落とすような感じの操作です。
人差し指の構えに対して両親指・両小指の4本で同じ操作をするので4つの小さな輪ができますが、左小指と右親指だけでこの操作を行って上下に2つだけ小さな輪を作るという処理をするあやとり作品もあります。(ナウルの「アメアング」とかがそうです。)
6-2.ビヤト=エイディオウィナゴの処理[開始処理]
ナウルの伝承あやとり作品のテクニックとして使われている処理です。これを[開始処理]として別の処理を追加してゆくことで美しいパターンができます。ここでご紹介する手順は私が工夫したものです。エガラウィナゴを最後の人差し指・薬指を外す直前まで取って、そこから違う操作になります。
これも有用な技です。
2021.05.04
長谷川 浩(あそびをせんとや)
(c)2021 長谷川 浩 ご質問、コメント等はこちらへ |