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以前の「ひとこと」 : 2022年5月前半


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5月1日(日) キッコーパズル、壁紙

 5月です。



 このところ周期的なパターンがまた気になって、道の舗装パターンや壁紙や床の模様のサイトなどを見ています。Leiter Modern Geometrical Designという、下の図のような壁紙がありました。

図 1

 リンク先のサイトに実際に壁紙として用いているサンプル画像があります。自分の家には似合わなそうですし、いくら幾何学模様が好きでもこれはちょっとくつろげない感じもします。でもこれを見て、昔ご紹介したキッコーパズルというのを思い出しました。以前は小さな画像しか載せられませんでしたが、今回は拡大できる画像を載せます。

キッコーパズルの箱(表)

 「いしかわ教育玩具研究所」と書かれています。検索すると1件だけ、オークションのサイトが出てきただけでした。

 箱のふたを開けたところです。(といってもすでに箱として機能していません。)20年前にフリーマーケットで買った当時からこんな風に補修されていました。

キッコーパズルの箱(中)

 箱の裏側です。作例が載っています。

キッコーパズルの箱(裏)

 上で見た壁紙の模様に近いかたちを作ってみました。

例 1

 六角形の穴を埋めなかったのは配色の都合です。せっかく出してきたので、少し遊んでみました。

(つづく)



 壁紙の図に色を塗ってみました。

図 2a 図 2b

 図2a は正六角形の部分を白く残して、その周りを赤・青・緑の三色で規則的に塗ってみました。図2bは3方向の織物をイメージして、幅が等しい長い帯で編まれたパターンだと見なして色付けしてみました。

 このパターン、同じ色が辺を共有しないように、3色で塗り分けることはできるでしょうか?

(つづく)



 あやとり協会の吉田さんから、あやとり協会のサイトのあやとりトピックス221に、「さいとうたま あやとりコレクション」の日本語版が国際あやとり協会のサイトの会員向け文献として公開されたことが紹介されています、と教えていただきました。これは大変な労作で、すばらしい記録なのです。2005年に英語版が出版されているのですが、これはもともと日本語で書かれたものを宍戸行夫氏が英語化されたと伺っています。もともとの日本語のほうはこれまで出版されておらず、待望の日本語版です。石野恵一郎さんのあとがきを読みました。本当に素晴らしいです。現在は会員限定のページに置かれていますが、多くの方の目に触れるようになってくれるといいなと思っています。


<おまけのひとこと>
 今朝、いつものように朝食の後片付けをしていて、四角い木のお盆を洗って乾かすためにいつのの場所に引っ掛けたら、それが落っこちてきて左手の中指の先端にひどくぶつかりました。指先と爪の先端が青紫に変色して、しばらく痛みが続きました。今は触らなければ痛くはないのですが、パソコンのキーボードを叩くと痛むのです。これは不便… (まず頭に浮かんだのは「楽器の演奏に支障があるな」ということでした。このごろは楽器なんか全く触る機会がないのに、と思ったら悲しくなりました。)






5月2日(月) キッコーパズル(その2)、壁紙に色を塗る

 キッコーパズルの話の続きです。



 正三角形を連結したかたちをポリアモンドといいます。(これは2020年7月に L型hexiamondの積み木 をご紹介したときの図です。)

polyiamonds

 キッコーパズルのピースは正三角形3枚のトリアモンド(triamond)です。こんなかたちを組んでみました。

作例 1

 トリアモンド2つでヘキサモンド(hexiamond)を作ることができます。12種類のヘキサモンドで菱形を作るパターンができるといいなと思ったのです。キッコーパズルは6色ありますから、各色4ピースずつでヘキサモンドを2つずつ作って、同じ色が辺を接しないようにしたら素敵かなと思ったのです。

作例 2

 でも、12種類のヘキサモンドすべてがトリアモンド2つで作れるわけではないのでした。作れないピースは何種類あるでしょう? また、作例2には6色×2種類の12のヘキサモンド(同色で辺が接している2ピースを1つのヘキサモンドとみなします)がありますが、この中でダブっている(かたちが同じ)なのはどれでしょう?

(つづく)



 昨日のこのパターン(サイズを半分に縮小表示してみました)、

 辺が同色で接しないように3色で塗ってみました。

図 1 図 2

 図1のほうは規則的に塗ってみたもの、図2のほうはできるだけ不規則になるように、でも同じ色が辺を共有しないようにがんばってみたものです。なんとなく図2のほうが好みかなと思いました。

(つづく)



 九井諒子というマンガ家の短編集が良いのです。『竜の学校は山の上』特設ページという(出版社の)イースト・プレスのサイトに、4つの短編が掲載されています。この4作品の中では夢のある話 が良かったです。絵柄ではなく作風として、坂田靖子とか竹本泉を連想しました。九井諒子の一番有名な作品は連作長編風の「ダンジョン飯」かなあと思います。あれは3冊目くらいまでで「もういいかな」と思ったのですが、短編がこんなに良いとは知りませんでした。


<おまけのひとこと>
 今日は連休の谷間ですが普通に仕事の日です。お休みを取っている人も多いです。私は在宅勤務です。






5月3日(火) キッコーパズル(その3)、壁紙パターンに色を塗る、「謎解きミステリーボックス」

 今年の5月連休の三連続の祝日(5月3日、4日、5日)は火・水・木です。週の真ん中の三連休っていいなと思います。休日なのでゆっくりな更新です。



 昨日、キッコーパズルのピース(トリアモンド)2つで作れないヘキサモンドはどれでしょう? という話を書きましたが、これは簡単なので答の画像を載せます。以下の3種類は作れません。

トリアモンド2つでは作れないヘキサモンド

 逆に、合同なヘキサモンド12個で菱形を作ってみました。

作例 1

作例 2

作例 3

 うーん、あんまりおもしろくないな…

(つづく)



 壁紙塗り絵シリーズです。

 正六角形の部分は無視して、3色で塗り分けてみました。

図 1 図 2

 この2つの塗分け方、何が同じで何が違うでしょう? 自分は図1のほうが好みかなと思っています。



 ダイソーの「謎解きミステリーボックス」前回は「白」と「赤」の感想を書きましたが、5月1日に「緑」を、今朝(5月3日)は「黒」を解きました。

 「緑」、問題Aは簡単でした。問題B、最初はまったくわかりませんでした。こういう図を用いた「謎解き」をするとき、何も取っ掛かりが思い付かない時は「その問題のジャンルは何だろう?」と仮定してみています。「ジャンル」というのは、「これが国語の問題だとしたら…、数学(算数)の問題だとしたら…、理科の問題だとしたら…、社会科の問題だとしたら…」と順に考えるのです。この「ジャンルを想定してみる」というアプローチで問題Bは思いつくことができました。一見覆面算のように見える問題Cも、少し手こずりましたがわかりました。最終問題、ヒントの図が絶妙でした。これは納得感がある問題でした。

 「黒」、問題Aはすぐにわかりました。妻はこの問題のことばがあまり馴染みがないようで、びっくりしました。確かに学校ではちゃんと習わなかったかもしれません(自信がない)。少なくとも家で父か母から教わったことは覚えています。問題B、これは珍しく問題に色が使われていました。良いヒントで、最初に答えを想像して、後から解釈を付けました。問題C、けっこう悩みました。間違った単語を想定してしまってつじつまが合わなくなってしまったのですが、3行目は自信があって、1行目と2行目の解釈がうまくできずに苦しみました。矢印の意味がわかったところで納得のできる答えにたどり着きました。最終問題はなんとなく「この答かな?」と思ったのですが、納得感が低くて、公式サイトのヒントを見に行きました。うーん、そういうことですか。なるほど。


<おまけのひとこと>
 明日と明後日は私はお留守番なので、「謎解きミステリーボックス」は連休最後の週末にやろうと思います。お休みの日にひとりでお留守番をするのは子どものころから好きでした。





5月4日(水) タイルのデザイン(その1)、他

 タイルのパターンの話です。



 U P G R A D E S I G N というページに紹介されていた様々なタイルが美しいなあと思ったのです。特に面白いと思ったのがこちらのパターンでした。同じものを自分でも図にしてみました。




図 1

 これは、下の図2のパターンのタイルの向きを色々変えて並べたものです。

図 2

 図 1は1つの画像ではなくて、4方向の小さな画像を3×3に並べたものになっています。

 もう少し広い、ランダムなパターンを作ってみたくなりました。円周率の数字 3.141592653589793238462643383279… の最初の30桁を考えて、それを6×5に並べて、それぞれの数字を4で割ったときの余りの 0,1,2,3 に応じて4つの向きを決める、というルールで図を作ってみました。

図 3

 これは面白い…

(つづく)



 需要は無い気がしますが、昨日の2つの図の違いを説明しておこうと思います。

再掲図 1 再掲図 2

 まず、上の2つの図ですが、白い正六角形の部分を取り巻いている6つの部品は1つおきに2色で塗られていて(図4参照)、それが赤・青、青・黄、黄・赤の3パターンを規則的に使っているというところが共通です。

図 4 図 5

 一方、再掲図1のほうは、図5のように一回り大きな正六角形の帯があって、その一部が他のパーツの下になっているとイメージできます。この大きな六角形の帯を編むように作っているのが再掲図1なのです。これに対して再掲図2のほうの(図5の)大きな六角形の帯の部分に注目すると、その内側の2色の六角形を取り巻く(図4の)パターンの色がその外側にそのまま使われているパターンになっていることがわかります。

 こうやって色を塗ってみて、その規則性を考えてみるというのはとても楽しいのです。その一端をご紹介しました。


<おまけのひとこと>
 妻が「体重計がおかしいかもしれない、体重が少なすぎる」というので、私も量ってみました。私は順調に増えていました。まずい…





5月5日(木) タイルのデザイン(その2)

 タイルのパターンの話のつづきです。



 昨日のこのパターン、2色で塗り分けられることに気が付きました。

再掲図 図 1

 これは元のタイルが2色に塗り分けることができて、かつどの方向に回転させたものと並べても同じ色の領域がぴったりつながるためです。

図 2

 よくできたデザインだと感心しました。このタイルで実際にランダムに舗装したら面白そうです。



 このパターンは周期的な境界条件を満たします。つまり、図1のように長方形に並べたパターンの左右の辺と上下の辺もうまくつながるのです。上下・左右の周期的境界条件と言ったらトーラスです。図1から5×5の正方形の部分を取り出して(図3)、

図 3

 トーラスにマッピングしてみました。

図 4

 アニメーションにしてみました。

 図が不正確なのでつなぎ目が気になりますが、でも面白いです。


<おまけのひとこと>
 お休みなのでのんびりしています。





5月6日(金) キッコーパズルのアーチ

 すみません、5月6日(金)〜8日(日)の3日間は久々に更新をお休みしてしまいました。9日(月)にまとめて4日分を書いています。あやとり協会の方からメールをいただいたりしているのですが、その御返事も書けていなくて大変失礼をしております。すみません。



 先日久々に取り出してきたキッコーパズル、これを立体的に積んでアーチを作ってみました。

写真 1

 これが精一杯でした。(これ以上積もうとすると崩れる)

 斜めに見下ろしてみました(写真2)。特に補助的な道具(板とか)を使っていないので、ピースの面がきちんとそろっていません。

写真 2

 裏側から見てみました(写真3)。ピースの着色面を外光が入る窓側にしたので、裏側は見にくいです。裏側は無塗装の白木のままで、等脚台形の斜辺の中点を結ぶ線が入っています。

写真 3

 丁寧に仕上げられている、よくできた製品だと思いました。



 玄関わきの花壇に植えっぱなしの球根から、今年もチューリップが咲きました。

 この写真が連休前の4月26日のものです。今はもう花が開ききって散り始めてしまいました。これから咲こうとしているこの写真くらいの頃が好きです。


<おまけのひとこと>
 ノートPCを愛用しているのですが、キーボードのEnterキーの反応が悪くなってしまって、非常に使いずらくなってしまっています。おそらくゴミが詰まったのではないかと思います。キートップの隙間に細い棒を差し込んでこじるようにして少し持ち上げて、強く息を吹きかけてみたら改善しました。





5月7日(土) 【番外編】庭の楽しみ(その1)

 庭の話です。



 連休後半、更新ができなかったのは庭仕事をしていたためでした。(と書きながら、「庭仕事をしたとしても更新くらいできるだろうに…」と自分でも思います。)

 下の写真(庭1)は5月7日(土)の朝8時半くらいに撮ったものです。

庭 1

 昔自分で敷いた石畳(写真左側)のところまで、庭の入り口から小道が作ってあって、小道の両側は自然石(その辺に転がっていたもの)を並べていました。この小道がクローバーとかワイルドストロベリーとかのいわゆる「グランドカバープランツ」や、タンポポやオオバコのような雑草にすっかり覆われてしまっていて、これをきれいに取り除こうという作業をしたり、勢いよく広がっているアジサイ(上の写真の左側にちらっと写っています)が周りのバラなどを圧倒してしまっているのを切り分けたり、敷石の間からたくさん雑草が生えているのを抜いたり、といった作業をしていました。

 この作業のときに愛用している道具です(庭2)。

庭 2

 まず、強力なガーデンレーキ(持ち手が黒いもの)で表面の枯れ葉などを取り除きます。次に強力な庭用の箒(ほうき)で強引に掃きます。この箒は穂の部分の材料が緑色の丈夫な樹脂製で、たぶんデッキブラシなどで使われているものと似たような材料だと思うのですが、強度や耐久性が素晴らしいのです。この段階で、小さな雑草なども表面の土と一緒にそぎ落とされて、あとはしっかり根の張った強い草だけが残っています。

 これを、二種類の「草抜き」(柄が赤いものと木製のもの)を使いながら抜いてゆきます。根っこがしっかり張っているものが多くて、なかなか重労働です。抜いた草や根は土を払ってオレンジ色の手箕(てみ)に積んでゆきます。

 箕(み)は子どものころ、製材業(材木屋)をやっていた実家で昔から重宝していました。当時は今のような便利な樹脂製のものはなくて、竹を編んだものをだいじに使っていました。丈夫で出来の良いものはなかなか手に入らず、何年かに一度、戸隠まで買いに行っていました。

 最初の写真に写っている石畳、これは2005年7月に作ったときの写真があったので載せておきます。

石畳 1 石畳 2

 完全な長方形に並べるのではなく、少しずつずらして配置してみたのでした。

 当時も「せっかくだから小道のほうも飛び石を置くとかレンガを敷くとかしようか」と思ったのですが、その作業の大変さと費用を考えて何もしなかったのでした。


<おまけのひとこと>
 他の話題も少し用意したりもしていたのですが、おいおいご紹介します。





5月8日(日) 【番外編】庭の楽しみ(その2)

 庭の話のつづきです。



 レーキと箒でかき集めると、土や石ころや草や枯れ葉が入り混じったものの山ができます。そのままだと始末に困るので、ふるいでふるって分ける作業をします。

庭 1

 「ふるいが欲しいなあ」と妻に言ったら、「昔使ったことがあるから物置に入っていると思う」と言われたので探してみたらありました。移植ごてで土の山をふるいに入れて細かい土を落とします。大きな石を手で取り除き、続いて草なども手で選り分けます。最後に残る細かい砂利を、植木鉢を容器にして、その中に入れます。最後、細かい砂利と細かい草などが分けきれないので、砂利の入った植木鉢ごと水に沈めて細かい草などを流してしまう、という業を使ってみました。うまく分離はできたのですが、長靴の防水が不完全で左足に水が入ってきてしまいました。この長靴ももう30年くらい使っているものなので致し方ありません。いずれ新調しようと思います。

 こうして小石と細かい砂利を選り分けておくと、植木鉢に何かを植えるときに使えて便利です。(そういう作業ももう何年もやっていませんが。)



 2005年7月に四角い石畳を作ったとき、いっしょに扇形の石畳も作ったのでした。その写真も出てきたので載せておきます。

石畳 1 石畳 2


<おまけのひとこと>
 毎朝3時間くらい庭仕事をしたら、少しは運動になりました。在宅勤務の日は通勤の1時間が無いので、せっかくきれいにした庭の小道を箒で掃くくらいのことをしようかなと思いました。





5月9日(月)バッハの平均律より

 すみません、時間がなくなってしまったので、今日の更新は本来は連休中の【番外編】用に用意した音楽の話だけです。



 最近あまり楽器に触れていなかったのですが、連休後半は朝6時くらいから9時過ぎくらいまで庭作業をして、その後シャワーを浴びた後の午前中の残りの時間はピアノを弾いていました。(単身赴任をしていたころ、シャワーを浴びた後は浴室の壁と床の水分を全てふき取る、という習慣が身に付いてしまって、自宅でも必ずそうしています。自宅の浴室のほうが広いので、結構時間がかかります。)このところは平均律の2巻ばかり弾いていたのですが、このお休み中は久々に1巻のほうを弾いてみていました。

 特に「いいなあ」と思ったのはロ長調(BWV 868)のプレリュードとフーガです。IMSLPのこの曲のページには、フーガを各声部ごとに別の段に記譜した楽譜が公開されています。大変ありがたいことです。(下記の譜例はクリックすると拡大します。)

譜例 1

 この曲をかなりゆっくり、朗々と淡々と弾きます。静かな中に感情の盛り上がりを秘めた美しい曲だと思います。元気よく速く弾くのではなく、ごくゆっくりと各声部を味わいながら弾くのは自分の演奏ならではの楽しみです。誰かがそれを聞いたとしたら、遅すぎて聞くに耐えないだろうと思います。



 IMSLPの同じページに、このロ長調のプレリュードをフルート独奏曲として演奏する楽譜がありました。

譜例 2

 一般のフルートの最低音はC(ド)ですが、足部管をH管対応のものに取り替えて最低音をもう半音低いH(シ)まで出るように音域を広げた楽器があります。この楽譜は、ロ長調の幹音であるH(シ)の音から始まって、原調のままで演奏するようになっていて、演奏は大変そうですがよい練習曲になりそうです。

 これを半音上げてハ長調にすれば、普通の(最低音がCの)フルートでも吹くことができそうです。易しい調になるので演奏もかなり楽になりそうで、これは楽譜を作ってみようかなと思いました。さらにもう1音上げてニ長調にすると、最低音がDのトラヴェルソでも演奏できるかも、と思いましたが、トラヴェルソは高音部が出しにくい音があるので、厳しいかもしれません。



 これまで敬遠していた23番ロ長調(シャープ5つ)だけでなく、13番嬰ヘ長調(シャープ6つ)も練習してみました。この曲の特にフーガが大好きなのですが、初見派(曲を覚えずに楽譜を見ながら弾く派)の私にとって、この調はなかなか厳しいのです。特に属調に転調するとシャープ7つになりますし、平行調の短調になると導音がダブルシャープになったりします。反射的に指が動いてくれないのです。

譜例 3

 でもこの曲もとても好きなのですが、以前は一度通すと疲れ果ててしまって「もう当分の間は弾かなくてもいいや」と思っていたのですが、一応自分が弾いて楽しめるくらいにはなったかなあと思いました。今後は敬遠せずに弾いて楽しもうと思いました。23番(ロ長調)や13番(嬰ヘ長調)の心理的な敷居が下がったのがこの連休の収穫です。

 バッハの平均律は全ての調のプレリュード(前奏曲)とフーガの組み合わせになっているのですが、まずプレリュードでその調に慣れて、その後でフーガを弾くのが良いのです。いきなりフーガから弾こうとするより、プレリュードに続けてフーガを弾くほうがフーガを演奏しやすいと感じます。


<おまけのひとこと>
 毎日1回ずつ弾いていたら、少し慣れてきた気がします。こういうのは「練習」とは言いません。私は本当に「練習」をしないので、真剣に音楽に向き合っている人からすると、傲慢で無礼と思われてしまうのかもしれません。





5月10日(火)あやとり「動く富士」、他

 久々にあやとりの話です。



 あやとり協会の吉田さんから、心をかよわす あやとりあそび(江口雅彦、ユニコン出版:1976年9月) に「動く富士」という面白い作品が載っているということを教えていただきました。該当ページのちいさな画像もいただいたのですが、文字が判読できるサイズではなかったので、手順の図を見ながら取り方を考えてみました。自己流にアレンジしています。

1.両手の親指にあやとり紐を掛ける
2.左手の親指を向こうから下、手前へと2回ひねる
3.小指で親指の向こうの糸を取る
 (写真の都合で長いあやとり紐に変えました)
4.人差し指・中指・薬指で掌の糸を握り、親指の手前の糸を
 すべての指を越えて手の甲へ移す(=返し取り)
5.掌の糸を中指で取り合う
6.人差し指・中指・薬指・小指を小指の向こうの糸の上に置き、
 手の甲から小指の向こうかかる一番遠い糸(返し取りで送った糸)を
 全ての指を越えて親指の手前に戻す
  (さらに長いあやとり紐に変えました)
「動く富士」 江口雅彦(1976)

 左右の手の角度を変えて、両小指を近づけて両親指を離したり、逆に両親指を近づけて両小指を離したりすることで、山の頂上が向こうへ行ったり手前に来たりします。

 同様な動きをする「機織り」(はたおり)という素晴らしい伝承あやとり作品がありますが、あれとは取り方の手順が違います。最初の手順で2回ひねっていますが、1回だけひねると「機織り」と同じになります。3回ひねると山の頂上がさらに平らになってきて、吉田さんは「動くキリマンジャロ」と名付けられているそうです。(追記:ひねる回数を変えるアレンジは江口さんの本には載っておらず、吉田さんのオリジナルだそうです。失礼しました。)

 さらに、両中指を取り合う操作のときに「5本指の構え」のように人差し指・中指・薬指に糸がかかるようにすると、左右の糸を増やすことができるとのことで、確かにそうすると「機織り」らしさが増す気がします。

 あやとり作品のアレンジという観点で、とても面白いと思いました。ありがとうございました。



 先日、新聞に岡田淳の対談記事が載っていて、そこに(全12巻で完結した)「こそあどの森」シリーズの番外編が昨年出版されたということが書かれていました。全く知らなかったので、絵本や児童書に強い地元の本屋さんにあるかなあと思って先週の金曜日(5月6日)に立ち寄ってみたのです。残念ながらお店にはなかったのですが、取り寄せると5月9日(月)の朝には届いていますとのことだったので、お願いすることにしました。

 昨日妻が買っておいてくれて、帰宅したらテーブルの上にありました。楽しく読ませていただきました。こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ(岡田淳、理論社:2021年4月) です。タイトルを見た瞬間、私は全く逆の「こそあどの森の子供たちが大人になったとき」の話なのかなあと勝手に想像して、あ、逆か、と思いました。

 「こそあどの森」シリーズは大人になってから読みましたが、前半の6冊のほうが強く印象に残っています。何度も読んだからかもしれません。「ユメミザクラ」の最後の文、忘れられません。



 シリーズものの物語の中でひとりひとりがお話をするというスタイルというと、「ドリトル先生」のシリーズの中で、3巻の「郵便局」で月刊誌に毎月載せる「お話」を家族の一人一人が語る話や、5巻の「動物園」で、ネズミ・クラブの会合で会員のネズミが自分の過去の話を物語る場面などを思い出しました。また、12巻の「楽しい家」がシリーズ唯一の短編集で、これがまた良い話が多いのです。

 ドリトル先生シリーズは、現在の価値観からすると極めて差別的な表現が出てくるため、少なくとも英語圏では現在ではほとんど読まれなくなっているそうです。でも、物語の面白さという点で、忘れられてしまうのはもったいないなあと思います。


<おまけのひとこと>
 ノートPCのEnterキーが相変わらず調子が悪くて、作業効率に影響しています。外付けキーボードを接続するのも癪だし、どうしようかと思っています。





5月11日(水)タイルパターンのアレンジ、他

 タイルパターンの話の続きです。



 先日、1種類のタイルの方向を変えながら並べることで、こんなランダムな(つもりの)パターンを作ってみたことをご紹介しました。

再掲図

 このタイルはよくできていて、どの向きに並べても黒い線が枝分かれしたり線の端点ができたりしないのです。

 では、同様の発想でひとまわりちいさなタイルを作ったらどうなるだろう? と思って実験してみました。

タイル6A タイル6B
タイル6Aによる作例 タイル6Bによる作例

 端点ができてしまったり、丁字路や十字路ができてしまったりしています。これはいまひとつです。



 昨日ご紹介した江口雅彦「動く富士」で、最初にひねる回数を変えるというアレンジについてご紹介しましたが、これは江口氏の本に書かれていることではなく、吉田さんの工夫だそうです。失礼しました。昨日の記事は修正してあります。



 最近、自分の朝ご飯に茶碗蒸しというか卵豆腐を作るのが日課になりつつあります。玉子というのはいろいろな食べ方ができる優秀な食材です。

茶碗蒸し(卵豆腐)

 「卵豆腐」は四角い型に入れて蒸して固め、型から外して盛り付けるので「豆腐」という名前になっていますが、作っているのは具を入れない茶碗蒸しです。蒸すのは大変なので、電子レンジで作っています。

 卵1つを容器でよく溶いて、濃縮だし汁を大さじ1加え、冷たい水を静かに適量入れ、静かにかき混ぜます。できるだけ泡が立たないように水を加え、泡立たないように混ぜるときれいにできます。

 容器にラップをかけて、電子レンジで600Wで3分、続いて200Wで3分というのがいまのところ一番うまくいっている加熱時間です。溶液(玉子液)が沸騰するような加熱は避けたいですし、最初から弱い火力で加熱すると時間がかかります。一週間ほど毎朝条件を変えて実験した結果、使っている容器や好みの水の量だとこの加熱パターンが最適だという結論に至りました。洗い物が少ないというのも魅力です。濃縮だし汁の「大さじ1」も、食べるときに使うンゲで代用しています。そのレンゲも水を加えるときにその水で共洗いしています。最初に玉子を溶くときに使ったお箸は電子レンジで加熱中に洗ってしまいます。食べ終わったら容器とレンゲをさっと洗えば後片付けもおしまい。化学実験をやっているみたいで楽しいです。



 こそあどの森の物語の番外編を読んだことをきっかけに、昨晩はお酒を飲みながら「4.ユメミザクラの木の下で」「5.ミュージカルスパイス」「3.森の中の海賊船」を読みました。また、シリーズ20周年記念!!「こそあどの森の物語」シリーズ 岡田淳さんインタビューという記事を読みました。「ミュージカルスパイス」に出てくるカタカズラという(お話の中の特別な)植物は宝塚(タカラヅカ)に名前が似ているなあと思っていたのですが、やはりそこから発想された名前だそうです。「やっぱり!」と思いました。


<おまけのひとこと>
 今朝はちょっと遅くなってしまいました。





5月12日(木)立方八面体の箱の折り紙

 不切正方形一枚折りの多面体折り紙の話です。



flickr.com の Cuboctahedral Box Cresase Pattern (立方八面体の箱の折り目パターン)という画像がありました。(色を反転して縮小して表示させていただきます。)

Cuboctahedral Box Crease Patternより加工して引用

 出来上がりはこんなかたちになるようです。

Cuboctahedral Box Crease Patternより引用

 挑戦してみました。

写真 1 写真 2

 想像以上に大変でした。普通の15cm角の折り紙の各辺を5等分する折り線を付けて折り紙を25等分するところから始めます。ここはカッティングマットの目盛りを活用しました。上半分の側の「おさまり」が難しくて苦労しました。「箱」と名付けられているので開閉できる設計なはずなのですが、私の技術が足りなくて、閉じた形できれいに安定させることができませんでした。上記の写真のものは、「たとう」のように押え合っている上面の部分を軽く接着してしまっています。なので開くことはできません。

 完成形の写真を撮って、その後で再び平らに開いて折り線を確認する写真を撮ろうと思っていたのですがその目論見は外れてしまいました。



 枝豆の美味しさに放射光で迫る 〜枝豆の内部構造の"みえる化"に成功〜という東北大学のプレスリリースがありました。(「みえる化」という言葉、会社でもやむを得ず使うことがありますが、好きではない言葉です。)さすが「ずんだ」が名物の仙台の大学、地元に密着した技術応用だと感心しました。

 非破壊とか非侵襲で計測や測定ができるというのはとても価値があります。枝豆という身近な食品を最新技術で分析して可視化している、という点が楽しくていいなあと思いました。絵画コンクール作品まで載せてあるところがまたいいですね。


<おまけのひとこと>
 「こそあどの森」シリーズ、昨晩はお酒を飲みながら6巻の「はじまりの樹の神話」を読みました。この巻はシリーズ全体の中でも圧巻です。





5月13日(金)タイルパターンを動かしてみる、他

 タイルパターンの話と、研究機関のプレスリリースの話です。



 一昨日、タイル6Aと6Bというのをご紹介しましたが、これを交互に表示したら一方向に流れてゆくような仮現運動が観察できるのではないだろうかと思ったのです。アニメーションにしてみました。

図 1

 …いまひとつです。4方向を4枚ずつ使ったパターンにしてみて、何か湧き出すようなイメージに見えないかなと思って試してみました。

図 2

 …うーむ。あんまりおもしろくないな。もう一工夫必要です。



 長引くかゆみ、何回も引っ掻くと神経で増えるタンパク質が原因! というプレスリリースがありました。人間の、というか生き物の身体の仕組みは極めて精妙で、様々な環境の変化に適応して生き延びるために、刺激に対する反応(この例でいうと細胞の活動状態が変わるとそれに応じて生成されるタンパク質が変わる)があり、それがまた別の細胞にとっては新たな刺激となって、状態変化が伝搬してゆきます。一人の人間を形作っている細胞の数は数十兆と言われますから(もちろん1つずつ数えたわけではなく、平均的な細胞のサイズや重量から概算で求めたものだと思います)、これらがいろいろな化学的・電気的・物理的な情報をやりとりして、全体として整合性のとれた1つの生物の個体として「生きている状態」を維持しているというのは本当に奇跡のようです。

 かゆみという感覚は、痛みという感覚と同じで不快なものですが、それが無くなると自分の身体を守りにくくなって生命体の寿命を縮めます。組織において「悪い情報ほどはやく報告してほしい」と言われますが、痛みやかゆみも同様で、放置するとより深刻な事態になるような危険を伝える信号なのです。のはずなのですが、除去すべき危険物が無いのに「かゆい」という情報が伝わり続けると、自分の皮膚を攻撃するようになってしまいます。私も長年アトピー性皮膚炎には悩まされ続けているので、こういった研究はとても応援したいと思いました。



 もう1つ、窒素がなくてもアミノ酸はできる! −生命を構成するアミノ酸の起源に新しい可能性− というプレスリリースがありました。20世紀は分子生物学が大きく進歩しました。ワトソン、クリックによる遺伝子の二重らせん構造のモデル、タンパク質のアミノ酸の連結構造と、独自の立体構造による固有な機能の発現、糖質や糖鎖の精妙な仕組み、神経細胞の活動原理、エネルギーが体内でどのように蓄積され取り出されるか、血液と呼吸の仕組み(鉄などの微量の金属元素の働きの重要性)など、面白くて感動的な話題がたくさんあります。

 これらのとんでもない仕組みはいったいどのようにして生まれてきたのだろう? というのは昔から注目されている謎です。数十億年という膨大な時間をかけて、10の何十乗という膨大な数の原子・分子がいろいろな物理的・化学的環境にさらされる中で原始的な生物を構成しうる分子が偶然生まれてきて、いつかそれが原始的な「自己複製」機能を獲得して(ミクロに見ると全ては純粋に化学反応なはずです)、膨大な時間をかけて徐々に「進化」してきたのだろうと思います。そのプロセスのごくごく初期の段階で、生命体を構成するために極めて重要な基本部品であるアミノ酸(アミノ酸はアミノ基と呼ばれる窒素が非常に重要な役割を果たす構造を持っています)がどうやって生まれてきたか、ということは、大きな謎の1つです。上記の理研のプレスリリースは、放射性同位体の崩壊により、炭素化合物からいきなりアミノ酸が生成される可能性を提唱していて、いろいろびっくりする内容です。


<おまけのひとこと>
 4月には面白いプレスリリースをいくつも見かけました。今日はそのうちの2つをご紹介しました。





5月14日(土)11角形のイスラム文様(その1)

 イスラム文様の話です。



 こんな独創的なイスラム文様があったのです。(このパターンを作成された方の論文は明日ご紹介します。)オリジナルの図はきれいに色付けされていたのですが、色を抜いてみました。

図 1

 これ、何がすごいかというと11角形と9角形で構成されているのです。

図 2

 このパターンの対称性(繰り返しの基本部分)がどこなのかわかりますか? webブラウザの機能を使って、図1を背景に並べたページを作ってみました(Eleven-Pointed_Star1)。

(つづく)



 昨日は久々に東京に日帰り出張でした。13日(金)午後から14日(土)にかけて大雨の予報が出ていて、雨量が規制値に達すると計画運休する中央東線が止まってしまうのではないか、帰れなくなるのではないかと心配しながらの出張でした。行きも帰りも10分ほど遅延しましたが、無事行って帰ってくることができました。

 目的地が新橋だったので、始発の特急「あずさ」で終点の東京駅まで乗っていきました。八王子以降は定期券+特急券での利用者が増えるため空席がなくなります。新宿で多くの利用者が下車するので、最後の15分はゆったりできました。進行方向左側の窓側の席だったので、停車しない駅などを眺めていたのですが、飯田橋のホームに真新しいホームドアが見えてびっくりしました。

 調べてみると、ちょうど5月12日(木)・13日(金)に設置工事が行われて、運用は6月5日からということでした。



 昨日の朝、甲府駅を発車するときの発車メロディがホルストの「惑星」だということに気が付きました。YouTubeにありました( JR中央本線 甲府駅2番線 発車メロディー 『ジュピターB』)。「2010年6月5日より使用されています」と書かれています。自分が乗車している上り特急列車が甲府駅を発車するというのはこれまで何十回も(下手をすると100回くらい)あったはずなのですが、意識したことがありませんでした。いつも、甲府駅から乗車してくる利用者がたくさんいるので慌ただしいので、発車メロディを気にしたことが無かったのだなあと思いました。


<おまけのひとこと>
 週末なので遅い時間の更新です。





5月15日(日)11角形のイスラム文様(その2)

 イスラム文様の話のつづきです。



 昨日ご紹介した11角形のイスラム文様ですが、これは2009年のBridges の The Unique Eleven-Pointed Star Polygon Design of the Topkapi Scroll(B.Lynn Bodner:2009) で提案されたデザインなのです。

Figure 8. of above paper

 昨日と同様、webブラウザの機能を使って、この図を背景に並べたページを作ってみました(Eleven-Pointed_Star2)。

 こうして着色されていると、どの部分が基本単位になっているのかわかりやすいと思います。たいへん美しいと思いました。星型11角形と星型9角形の配置の巧みさ、美しさに感動します。



 あんまり感動したので、自分でも切り絵で作ってみたくなりました。

切り絵の図案

 こんな図案を作ってみました。

(つづく)



 今年は天気が悪くない週末の朝は庭をやろうと思っています。(いつまで続くかわかりません。)今朝も5時過ぎくらいから8時前くらいまで、庭に出ていました。

 施工直後はきれいだったはずの敷石の位置がだいぶずれてしまっていました。不本意なことにこの敷石の下はアリが巣を作るのにとても好ましい環境のようで、アリたちが驚くほどの勤勉さで敷石の下から砂粒を大量に運び出して積み上げてしまうのです。また、冬場は氷点下10℃以下になることもあり、地表面の水分が凍結して石が持ち上げられるということもあるのでしょう。こういったことが繰り返されたことがおそらく原因で、本来は等間隔に平行にきれいに配置されていたはずの敷石の配置がとても残念な状況になっていました。

敷き直し前 敷き直し後

 今朝は思い立って敷石を全てはがして、その下をできるだけ平らにならして石を敷き直してみました。以前自分で施工したときには、いったん土を掘って、砂利を敷いて、細かい砂利を重ね、さらに砂を敷いて沈みにくくして敷石を等間隔に並べ、きれいな白い砂を目地のところに詰めるという作業をしました。これをやったのが17年ほど前なはずなのですが、敷石をどけてみると普通の土に混じって小砂利があるという状況で、そこにアリの通路と思われるものが何本もありました。

 今日のところはちゃんとやるのは諦めて、ざっと平らにならしてから敷石を置き直すだけにしました。今回は隙間はできるだけなくすように置いてみました。しばらく様子を見て、下地からちゃんとやり直すかどうか決めようと思いました。


<おまけのひとこと>
 庭仕事をしていたので遅い時間の更新です。





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