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以前の「ひとこと」 : 2004年3月後半



3月16日(火) SternmosaikのCG(その4)

 いつも見せていただいているH.Hamanaka very private page04年3月15日の日記で、Stern Mosaic もどきという紹介がありました。12種類のパターンの写真が載っていて、楽しく見せていただきました。私にとってはちょっと新鮮なパターンが1つあったので、それを勝手にCGにさせていただきました。(図 1)

図 1 図 2

 これを見ていたら、自分のセットでも似たような骨格のパターンを組んでみたくなりました。相変わらず、「同じ色のパーツは辺を共有しない」というルールで組んでいます。パーツの配置を若干変更しました(図2)。このほうが少々対称性が高いのですが、その分凡庸なパターンになってしまったような気もします。

 私のセットは、ともかく黄色のパーツが多いので(三角形8枚+菱形8枚)、それが辺を共有しないように配置することが、けっこう強い拘束条件になります。濱中さんのセットは、青が8枚+4枚で一番多くて、赤、緑、白はそれぞれ4枚+4枚、そして黄色だけが4枚+0枚のようですね。

 こういったCGは、盤面を定義するテキストファイルから、プログラムでシーンファイルを自動生成しています。ところが、この盤面を定義するファイルの書式がいまひとつすっきりと表現できないのです。今のところ、色と向きと頂点の座標を与えると、そこにそのパーツが配置されるようになっているのですが、パーツを1つ1つ全て値を与えてゆかなければいけないので、1つの盤面のCGを作るのに、10分くらいかかってしまっています。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 最近、お料理に興味を持っている上の子が、いましがた起きてきて、ボールと卵を出しています。どうやら朝ごはんにオムレツを作ってくれるようです。



3月17日(水) SternmosaikのCG(その5)

 モザイクタイルの話の5回目です。一昨日、「このモザイクタイルのケースの一辺の長さはどれだけでしょう?」「各パーツの頂点が位置する可能性のある座標の数はどれだけあるでしょう?」 という疑問を書いておきました。 あいだが一日あいてしまいましたが、今日はその話をちょっと書こうと思います。

 このモザイクタイルに登場するパーツの形状は2種類で、寸法としては1と√2というのが基本単位になっています。ですから、座標の数値として現れる数字も、この2つの数字の組み合わせ(係数が整数の線形結合)になります。下の図1は、1と√2の組み合わせによって現れる値で、タテヨコに線を引いてみたものです。

モザイクタイルのパーツの頂点が位置する可能性のある格子

 2+√2 を中心に、ちゃんと対称になっているところにご注目下さい。 図の関係で、左側にしか数字を入れていませんが、縦方向ももちろん同じ間隔です。

 この格子の上に、モザイクタイルのパーツがどのように乗っているかをご覧頂くため、2つほど図を用意してみました。何度かご覧頂いているパターン[01]と、個人的に気に入っているランダムパターンの[16]です。

[01] [16]

 パーツが格子の上に乗っている様子をご覧下さい。 さて、このようにパーツの位置の自由度がそれなりにあるタイルで、どうやってパーツの位置や向きや色を記述したらよいでしょうか。 つづく・・・



 モザイクタイルの座標について考えていたときにこんな問題を思い出しました。a+b√2 と c+d√2  の2つの数が等しいとき、a=c かつ c=d と言っていいでしょうか? 間違っているなら反例をあげ、正しければ証明してください、という問題です。

 もちろんこれだけでは大事な条件が不足していて、たとえば

  • a,b,c,d が整数のとき
  • a,b,c,d が実数のとき
  •  のそれぞれについて、証明または反例をどうぞ、と言わなければいけないですね。 これは 「√2が無理数であることを証明せよ」 というのの仲間なのですが、これって中学くらいで習うんでしたっけ?

     <おまけのひとこと>
     だいぶあたたかくなってきました。



    3月18日(木) SternmosaikのCG(その6)

     しつこくモザイクタイルの話を続けます。昨日は、同じ色のピースが辺を共有しないという条件でのランダムパターンをご覧頂きましたが、対称性がなくて、なおかつ同じ色が接しないというのは慣れないとそんなに簡単な条件ではないと思います。

     さて、今日はまずこのランダムパターンを2つほどご覧頂きます。

    ランダム 1 ランダム 2

     いかがでしょうか。この2つは似ているでしょうか、似ていないでしょうか。どちらがパターンとしてきれいでしょうか。(・・・このあたりは特に正解のない、主観的な話です。)

     さて、この2つのランダムなパターンを使って、ちょっとしたパズルをやってみることにしました。上の2つのパターンをよくご覧頂いた上で、さて、次の2つのパターンを見てください。

    問題 1 問題 2

     この2つはそれぞれ、上のランダム1またはランダム2のパターンのどちらかにちょっと手を加えたものです。それぞれ、ランダム1と2のどちらをどのように変えたものでしょうか?

     ・・・自分で問題を作ると、難易度や面白さがどの程度なのか、よくわかりません。

     <おまけのひとこと>
     学校はそろそろ今年度もおしまいのシーズンになりましたが、小学校で、マッチなどを使わないで摩擦熱などで火を起こす「火起こし」を今年度何度か挑戦していたようなのですが、その最後のイベントとして、自分たちでおこした火でカレーをつくって食べるというイベントが今日計画されていました。
     ところが今朝起きてみたら外は雨です。6時半くらいに連絡網がまわってきて、「調理室でカレーを作るので、それぞれ担当した材料とふきんを持ってくること」とのことでした。火起こしができなくて残念なようです。



    3月19日(金) SternmosaikのCG(その7)

     モザイクタイルのCGのご紹介を続けてきましたが、一応今日でおしまいにしようと思います。最後に、私がこのCGを作るときに決めた、盤面の状態を記述するテキストファイルをちょっとご紹介しようと思います。

     テキスト1行で1つのピースを定義します。全部で7文字で、2文字目だけがアルファベット、あとの6文字は数字です。最初の文字は三角形か四角形(菱形)かを表す3か4の数字で、2番目のアルファベットはピースの色を表します。(色の英語名の頭文字です。) 3番目がピースの向きを表します。これはゼロから7までの8方向があります。

     4,5番目と、6,7番目の数字は、ピースの頂点の座標を表します。なぜ4つあるかというと、この盤面では、座標は

    (a+b√2, c+d√2)

     と表されるので、a,b,c,d の4つの整数が必要になるためです。

     最初に、三角形の例をご覧下さい。表の左上の、Yellow Triangle というコメントの下の最初の行を例に説明しますと、3,y,3,1,1,1,0 と書かれています。最初の3が三角形を表し、2番目のyは yellow の y で黄色を表します。3つ目の数字3は、このピースの向きが3であることを示します。(向きは勝手に定義しています。)続く4つの数字1,1,1,0 は、注目する頂点が (1+√2,1) にあることを示します。この一行が、その下の黄色の三角形の図の中の一番下の三角形に対応しています。以下同様に、他の7行で、残りの黄色の三角形7枚の向きと位置が定まります。

    ;                      
    ; Yellow Triangle
    ;
    3,y,3,1,1,1,0
    3,y,7,1,1,1,1
    3,y,1,3,2,1,1
    3,y,5,3,1,1,1
    3,y,7,3,1,3,2
    3,y,3,3,1,3,1
    3,y,5,1,0,3,1
    3,y,1,1,1,3,1
    
    ;                      
    ; Blue Triangle
    ;
    3,b,3,3,1,1,0
    3,b,1,3,2,3,1
    3,b,7,1,1,3,2
    3,b,5,1,0,1,1
    3,b,6,2,1,2,0
    3,b,4,2,2,2,1
    3,b,2,2,1,2,2
    3,b,0,2,0,2,1
    
    ;                      
    ; Green Triangle
    ;
    3,g,1,1,1,1,0
    3,g,0,3,1,1,0
    3,g,7,3,2,1,1
    3,g,6,3,2,3,1
    3,g,5,3,1,3,2
    3,g,4,1,1,3,2
    3,g,3,1,0,3,1
    3,g,2,1,0,1,1
    

     同様に、青、緑の三角形を定義したのが、上の表の中央と右の列になります。これらのテキストをプログラムで処理して、CGを作成するソフトウェア(PovRay)のためのシーンファイルを生成しています。CGですから、それぞれのパーツに自然な影がついているのをご覧いただけるかと思います。

     続いて、菱形の定義です。これも行の先頭の文字が4になっているだけで、あとは同じです。菱形のほうは向きは4つしかないはずなのですが、定義が少しでも楽なように8方向を許しています。

    ;                      
    ; Yellow Rhomb
    ;
    4,y,7,0,0,0,0
    4,y,0,1,0,1,0
    4,y,5,4,2,0,0
    4,y,6,3,2,1,0
    4,y,3,4,2,4,2
    4,y,4,3,2,3,2
    4,y,1,0,0,4,2
    4,y,2,1,0,3,2
    
    ;                      
    ; Red Rhomb
    ;
    4,r,0,0,0,0,0
    4,r,6,4,2,0,0
    4,r,4,4,2,4,2
    4,r,2,0,0,4,2
    4,r,7,2,1,0,0
    4,r,5,4,2,2,1
    4,r,3,2,1,4,2
    4,r,1,0,0,2,1
    

     以上のテキストを全部まとめて、全部のパーツを同時に定義してやると、すでにご覧頂いているこのCGができあがる、というわけです。

    全部重ねると・・・

     この定義の仕方だと、盤面を記述するのがかなり厄介です。実物をいじって、「これは記録したい」というパターンができたら、そのパターンの定義テキストを作るのに、10分近くかかってしまっています。もっとよい記述方法があるといいのですけれども。グループ化して、回転や鏡像対称変換などをできるようにすると、多少楽になるような気もしますが、そのようにプログラムを改造するのが面倒で、放ってあります。



     さて、これはCGなので、例えば視点を変えたり、まわりに別のオブジェクトを置いたり、あるいはピースをちょっと動かしたりすることは比較的簡単に行えます。上の図の、完成したタイリングパターンのシーンファイルをちょっといじって、こんなものを作ってみました。机の上に並べて遊んでいるイメージです。

     小さくてちょっとわかりにくいかもしれないので、「あそびをせんとや」分室のほうにちょっとだけ大きな画像を置きました。こちらです(size:60kbyte)。上の画像からもリンクを張ってあります。

     <おまけのひとこと>
     ・・・今日はモザイクタイルシリーズ最終回ということで、ちょっと長くなりました。このシリーズは思ったより長く続けてしまいました。
     明日は春分の日ですね。明日の更新は、いつもより早い時間になるか、それともとても遅くなるかどちらかだと思います。



    3月20日(土) 春分の日 10万hit感謝のプレゼントの予告

     おかげさまでこのページのカウンタも、もうしばらくすると6桁になるかなと思っています。いつもご覧下さる方、本当にありがとうございます。以前ちょっと書きましたけれども、カウンタが10万を越えたら、また何かプレゼントを企画しようと思っていました。今回はとりあえずこんなもの(↓)を差し上げようかと思っています。

     詳しくは、こちらのプレゼントのお知らせ(3)をご覧下さい。

     <おまけのひとこと>
     いろいろ忙しくて、更新が滞っています。これは3月22日(月)に、3日分まとめて更新しています。



    3月21日(日) 10万hit感謝のプレゼントのCG(その1)

     プレゼントとして差し上げようと思っている3本組み木の紙パーツバージョンのCGを作ってみました。

     切り欠きなどもちゃんと本物通りに入れてあります。この組み木は易しいと思うのですが、それでも紙製だとあまり何度もやり直しをしたくない方もいらっしゃるかと思いますので、組み立て方のgifアニメを作ってみてあります。もしお困りになる方がいらしたら、このアニメーションのファイルを差し上げようと思っています。

     




    3月22日(月) 10万hit感謝のプレゼントのCG(その2)

     続いて、12本組み木のペーパーモデルのCGです。中央に赤いボールを入れてみました。

     実際には、例えば菱形十二面体の模型などを入れると面白いと思います。ただし寸法がちゃんと合っていないと興醒めですので、時間ができたらそういうのも作ってみたいなと思っています。でも、注意深くこのページの「過去のひとこと」をご覧になって下さる方がもしいらしたとしたらお気付きかと思うのですが、こうやって「時間ができたらやってみたい」ことが累々と横たわっていて、なかなか実現できないでおります。

     組み方の原理は、基本的には3本組み木と同じです。連結部の配分の設計によって、かなり難しいパズルにもできますが、紙のものですからあまり試行錯誤をしたくないので、最もシンプルに設計してあります。ですから3本組み木が組めれば確実に組めます。

     この模型は、3本組み木と比べて、パーツの本数は4倍、結合部の数は8倍もあります。ですから、これのパーツを切り出すのは3本組み木よりずっと大変です。というわけで、こちらをたくさん差し上げることができないのです。

     <おまけのひとこと>
     しばらく更新が不定期になってしまう、もしくは更新しても内容が、<おまけのひとこと>レベルの、本当にひとことだけ、というかなり軽いものになるかと思います。すみません。



    3月23日(火) 電卓で遊ぶ(その1)

     昨日、いつも仕事をしている場所の最寄の飲み物の自動販売機のところに行ったとき、普段はあんまり会う機会のない人に久々に会ったら、「そういえば本を借りていましたっけね」と言われて、何ヶ月か前に貸してあげていた本を返してくれました。その本をぺらぺらとめくっていたら、片隅に次のようなことが書かれているのが目にとまりました。

     √キーのある電卓で、例えば 5,×,5,=,√,√,とやって、以下、“×,5,=,√,√”と何回も繰り返すと、5の3乗根(立方根)が数値計算できる

     もうちょっと具体的に書くと、こんな感じです。電卓のボタンを絵で表してみました。(あんまりわかりやすくなっていないかもしれません。)

     さて、この操作でなぜ5の立方根が計算できるのでしょうか? 

    (つづく)

     <おまけのひとこと>
     ちょっと更新をお休みしようかと思っていたのですが、手軽に書ける話があったので、書くことにしました。 この話題はわりと有名な話かもしれませんが。
     昨日は、三月も下旬だというのに大雪になりました。今年は雪が少なかったからということで、すでにタイヤを夏用に履き替えている人もいて、会社の近くの急坂付近で、難儀している車を何台も見かけました。私はもちろん例年通り4月に入ってからタイヤ交換をするつもりだったので、大丈夫でした。



    3月24日(水) 「電卓で立方根」をシミュレート

     昨日、四則演算と平方根(√)の機能だけがある電卓で立方根を求める方法についてご紹介しました。原理については(わかりやすく書く能力がないので)書きませんが、「極限値が存在するならば、それは立方根になる」ことを示すのは簡単だと思います。

     今日はとりあえず数値計算をした結果をご覧頂こうと思います。Excel を使って、この電卓による立方根計算方法をシミュレートしてみました。

     セルA1 に 5 を入れて、セルA2 には =SQRT(SQRT(A1*$A$1)) を入れます。これで、1つ前の結果(A1)と最初の数($A$1)を掛け算した答えに、2回ルートをかけるという操作になります。このセルA2の内容を、ずーっとコピーします。 Bの列には、収束を判定するため、一つ前との差を入れておきます。

     その結果、ご覧頂いているように、26回目で数値は変化しなくなりました。この段階で、Excelで表現できる数値の精度で5の立方根が求まったということになります。 スタートのA1のセルの値を変えることで、いろいろな数値で同じ実験ができます。

     もちろん、Excel の POWER() 関数を使えば、 =POWER(5,1/3) とやることで、5の立方根は一発で求まります。ちなみに先ほどの電卓演算のシミュレーションで求めた上の図のセルA27 の数値は、POWER(5,1/3) で求めた数値と正確に一致しました。

     途中で値がどのように変化してゆくか、グラフにしてみました。列A の数値の変化と、列Bの差分の変化をプロットしてみています。列Bのほうは、値がどんどん小さくなるので、対数グラフにプロットしています。

    数値の変化 差分の変化(対数グラフ)

     Excel というのも、こんなちょっとした実験をするのにはなかなか便利なソフトウェアです。

     <おまけのひとこと>
     コンピュータ言語の関係の書籍などで有名な結城浩さんのサイトに、プログラマの心の健康というページがあります。ちょっと疲れたときにお勧めのページです。



    3月25日(木) 電卓で遊ぶ(その2)

     電卓で遊ぶ話の2つめの話題です。今日はいきなりキー操作をご覧いただきましょう。最初にゼロが表示されているとして、次のように、[+],[2],[=],[1/x] を繰り返し押すとどうなるでしょう?

     ここで、[1/x]というボタンが出てきましたが、これは表示されている値の逆数を計算してくれるボタンです。これは関数電卓ならばともかく、普通の電卓にはついていないキーかもしれません。

     普通の電卓では、四則演算の +,−,×,÷, のボタンは、2回続けて押すと「定数計算機能」に入るものが多いと思います。この機能を利用すると、逆数を計算するボタンの代わりに、÷,÷,=,=,とすることができます。

     ご自分の電卓が、この「定数計算機能」があるかどうか確認するには、電卓の表示をクリアしておいて(ゼロにして)から、[2],[÷],[÷],[=],[=]と押してみてください。1回目のイコールで表示が1に、2回目のイコールで表示が0.5になれば成功です。CASIOの電卓でしたか、「定数計算モード」に入ると、小さなKの文字が表示されるものもあったと思います。

     この置き換えを使って、普通の四則演算のみのできる電卓で、今日の問題をかきなおしてみると、以下のようになります。

     さて、この操作を繰り返すと、最後にはどんな値になるでしょうか?

    (つづく)

     <おまけのひとこと>
     スヌーピーやチャーリーブラウンが出てくる、peanutsというコミックスがありますが、その登場人物の一人である、ピアノ弾きのシュローダーが、「生きてて良かったって感じが必要な感じなんだ」「家に帰ってブラームスの4番を聴くよ」と言うシーンがあります。 ベートーヴェン信奉者のシュローダーが、この場面でブラームスの名前を挙げるのが意外でした。 私なら・・・なんだろう?



    3月26日(金) 連分数

     昨日の、電卓で[+],[2],[=],[1/x]を繰り返し押し続ける話ですが、この「2を足して逆数をとって2を足して逆数をとって・・・」という操作を分数の形で書くと、次のようになります。

    連分数

     こういうのを連分数といいます。これも非常に奥の深い、面白い話題のたくさんある世界です。「連分数」で検索すると、いろいろなページがたくさんありますので探してみてください。

     今日は時間もないので、1つだけ上の式に関連してコメントしておきますと、昨日、[+],[2],[=],[1/x]を繰り返し押すとき、最初は電卓はゼロにクリアされていると書きました。実はこれは必要のない条件です。この操作は、最初は別の値からスタートしても、途中で多少押し間違えたとしても、その後で十分な回数の正しい操作の繰り返しを行えば、ちゃんと同じ数値に収束します。(あ、もちろんゼロの逆数をとったりするような状況が生じてしまったらダメですけれども。)



     立方根について、ちょっと検索をかけていたら、日本MRSニュースというページに行き着きました。学力低下を憂えるコラムが冒頭にあって、大変率直な内容に驚きました。 一方、親の半数「予習・復習しなくても」なんていう記事もあって、これはこれで驚きです。

     <おまけのひとこと>
     今朝の段階で、アクセスカウンタは10万まであと330あまりです。この週末中には10万に到達するかな、と思っています。そろそろパーツの印刷・切り出しをはじめないと・・・



    3月27日(土) 1に近い数の計算(その1)

     このところ、電卓で遊ぶ話を書いていますが、それに関連する話題です。おかげさまでちょうどカウンタが10万をこえた日でもありますし、1の後にゼロがたくさん並んだ数字の計算の話をしようと思います。

     例えば8桁の電卓で、次のような計算をしたら、答はどうなるでしょうか?

    1 ÷ 0.9999997 = ?
    1 ÷ 0.9999998 = ?
    1 ÷ 0.9999999 = ?
    1 ÷ 1.0000001 = ?
    1 ÷ 1.0000002 = ?
    1 ÷ 1.0000003 = ?

     計算する前に答を予想してみてください。(蛇足ながら、一般に電卓で計算した結果表示される数値というのは、ぴったり正確な答ではないことがあるということにご注意下さい。)



     さらに、もっと長い桁数の計算ができるソフトウェア、例えば度々ご紹介している多倍長電卓LMなどで、上の計算をやってみてください。特に、10万ヒットにちなんで

    100000/99998
    100000/99997

     などがお勧めです。多倍長電卓LM は、デフォルトでは5桁ごとにスペースを入れて表示をしてくれるので、この、10万÷(10万マイナス2)というような計算結果を見るのには最適です。ぜひお試し下さい。

    (つづく)

     <おまけのひとこと>
     今朝、いつものように5時過ぎに起きて、このページのカウンタを見たら、99994でした。これはそろそろだなと思って、少なくとも10020を過ぎるまでは自分では見ないようにしないといけないと思いました。
     7時半すぎに、10万ちょうどをご覧下さった方がメールを下さいました。いまのところ(朝9時半現在で)10万ちょうどの方を含めて、6名の方がメールを下さっています。本当に嬉しいです。ありがとうございます。



    3月28日(日) 1に近い数の計算(その2)

     昨日に続いて、1に近い数の計算の話です。普通の電卓(8桁表示であるとします)で扱える、1より大きくて、1に一番近い数といえば、1.0000001です。この数を表示させておいて、次々と二乗していってみましょう。 [1] [・] [0] [0] [0] [0] [0] [0] [1] とボタンを押した後、

     [×] [=], [×] [=], [×] [=], [×] [=] ・・・

     でできる機種もありますし、

     [×] [×] [=], [×] [×] [=], [×] [×] [=], [×] [×] [=] ・・・

     という操作が必要な機種もあるかもしれません。結果はどうなるでしょうか?

     この操作の結果次々と現れる数字を見ていると、見かけ上、以下のように「2倍して1を引く」という操作をしているのと同じではないか、という気がします。

     [+] [=] [−] [1] [=], [+] [=] [−] [1] [=], [+] [=] [−] [1] [=] ・・・

    あるいはもっとストレートに

     [×] [2] [=] [−] [1] [=], [×] [2] [=] [−] [1] [=]・・・

     でもかまいません。さてこれはどうしてでしょう? これは、昨日の1に近い数の割り算の話と同じ理屈なのです。




     3月22日に書いた、アクセスカウンタ10万のお礼の企画ですが、お蔭様で10名ほどの方がメールを下さいました。ありがとうございました。メールを下さった方には予定の3本組木の型紙を差し上げたいと思っています。ただ私はメールを書くのが遅いものですから、まだ全員の方にお返事を差し上げられていません。すみません。

     「素晴らしきこの世界」というサイトがあります。ストレートな文体で、読み手を選ぶ内容かと思いますが、ずいぶん以前から公開されているページで、時々見せていただいています。このページに最近掲載された、会うサイクル/会わないサイクルの中の、「Webは作っておきながら掲示板は作らない、blog移行も断固拒否、双方向連絡が可能な手段はメールだけ。そんなことやってる人間が開放的な訳が・・・」 というところを読んで、あー私と同じだ(笑)、と思いました。

     <おまけのひとこと>
     年度末の異動の季節です。上の子が2年間お世話になった担任の先生が別の学校に赴任されることになり、大変残念に思っているのですが、お別れに、めいめいが1ページずつ記念のアルバムを作ることになりました。昨日はそのためのイラストを描くということで、子供が庭に出て、クロッカスのスケッチをしていました。
     昨日は久々にディジタルカメラを出したので(下の子の入学のお祝いに、実家から机をいただいたので、その写真を撮ろうと思ったのです)、そのついでに庭に行ってスケッチをしている上の子の写真を撮ることにしました。
     うちのあたりはまだまだ花などはほとんど咲いていないのですが、庭にはクロッカスと福寿草だけが咲いています。そのクロッカスに、ミツバチが20匹ほど群がっていました。ちょっと写真を撮ってみました。







    3月29日(月) 1に近い数の計算(種明かし)

     ここ何日か、電卓を使って1に近い数の計算をしてみる話をご紹介しましたが、なぜそのようなことが起こるのか、についての説明の「取っ掛かり」だけご紹介しておきます。

     x が1と比べて十分に小さいときに成り立つ、次のような近似公式があります。

     これがなぜ成立するか、というと、こちらとかこちら(pdfです)に解説されています。本当は自分の言葉で易しく説明してみたかったのですが、準備がとても大変そうですし、こういう有名なものに関してはよそのページに頼ることにしました。

     昔、初めてこういった「近似」という考え方を習ったとき、「数学なのにそんないい加減なことでいいんだろうか」と気持ちが悪い思いをしたことを思い出します。

     <おまけのひとこと>
     土曜日の朝の新聞に載るNikoliのパズルのファンです。一昨日の27日は、「漢字抜け熟語」というジャンルのパズルでした。漢字4文字の熟語や固有名詞などを作ってゆくパズルで、なかなか面白いのですが、途中、こんな状況になりました。


    [A]冠[B][C]、一[A][C]水


     [A],[B],[C]にはそれぞれ漢字が1文字入ります。さてそれぞれの文字はなんだかわかりますか? 私はこの2つ目の4文字熟語を知らなくて、辞書をひいてしまいました。



    3月30日(火) 多面体サイコロを考える(その1)

     サイコロ、つまり「偶然を生み出す装置」の発明というのは、人間の発明の中でも特にすばらしいものだったということをどこかで読んだことがあります。コンピュータを使っていても、特にゲームやシミュレーションなど、「乱数」がなければ話にならないようなプログラムはたくさんあります。

     普通はサイコロというと、おなじみの立方体のものを思い浮かべますが、それ以外に何面のものが考えられるでしょうか? まず思いつくのは、もちろん5つの正多面体(4面、6面、8面、12面、20面)です。ゲーム屋さんとかに行くと、これらの正多面体サイコロや、さらにいろいろな面数のおもしろいサイコロが売っています。

     100面ダイス、というのがあるそうです。残念ながら実物を見たことはないのですが、これはいったいどんな多面体なのでしょうか。100面全ての面の出現確率は等しいのでしょうか。

     さて、N面のサイコロを考えたとき、Nがどのような数字だったら、どんな多面体を作ればN個の面の出現確率を全て等しくできるでしょうか?

    (つづく)

     <おまけのひとこと>
     先日ご案内しました、3周年&カウンタ10万ヒットのお礼のプレゼントですが、10名ほどご応募いただいておりました。まだ一部の方から、ご希望のご送付先をご連絡いただいておりませんが、パーツのほうは昨夜遅く用意できました。



     適切な封筒が見当たらないので、発送はもうしばらくお待ち下さい。



    3月31日(水) 多面体サイコロを考える(その2)

     昨日、N面が等しい確率で現れるようなサイコロを作には? ということを書きました。 まず、いくつでもいいからN面が等しい確率で現れるもの、というと、次のような正多角柱が思い浮かびます。

    図 1

     図1は正七角形の柱、正七角柱です。ただ、これでは両端の底面を底にして立つこともあるではないか、という気がします。では柱の両端を例えば半球状とか角錐状に膨らませてしまえば、そこで立つことはなくなるようにできます。でもそれではあまりにも解として美しくありません。

     Nが偶数であれば、実際のN面サイコロでもよく採用されるのが、図2のような、2つの正多角錐を貼り合わせた形です。これは、図1のような正多角柱の双対多面体です。

    図 2

     サイコロとして使うには、こんなに細長くないほうがいいですね。このパターンで心配なのは、2つの正多角錐のどちらの面を出すようにするか、コントロールしやすくなってしまうのではないかということです。

     図2は正多角柱の双対で、面の形が全て合同な二等辺三角形の例でしたが、同じ面数で、側面が全て二等辺三角形の多角反柱の双対を考えることもできます(図3)。

    図 3

     これは、全ての面が凧型になっています。

     図2、図3ともにN=7の例でしたが、図3で、N=3とすると、これは立方体そのものなのです。なぜかというと、正三角反柱は正八面体そのものですから、その双対は立方体になります。

    (つづく)

     <おまけのひとこと>
     昨夜の雨の中、仕事の帰りの夜9時過ぎに、途中にある郵便局の前にある切手の自動販売機で切手を買いました。家に帰ってみたら、妻が気を利かせて切手を買ってくれてありました。 しまった、苦労して雨の中買いに行くんじゃなかった・・・
     今朝、昨日写真を載せたパーツを封筒に入れて発送準備を整えました。はやければ今日の夕方、遅くても明後日くらいにはお手元に届くかと思います。



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