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以前の「ひとこと」 : 2003年7月前半



7月1日(火) 台形編みによる切隅多面体:番外編

 久々に紙の多面体模型をご紹介します。今日は、5月25日のひとことなどでご紹介した、正三角形3つを繋げた台形を基本とした帯を編む多面体で、まだ掲載していなかったものです。

図 1 図 2
図 3 図 4

 すみません、今日は忙しいので写真だけです。これはどんなかたちなのか、またどんな帯を何本で編めるのか、おわかりになりますでしょうか。 参考までに同じ形をジオシェイプスで作ってみました。

図 5

 <おまけのひとこと>
 明日(7月2日)は更新ができないかもしれません。



7月2日(水) カニッツァの三角形:主観的輪郭の錯視

 昨日はちょっと留守にしていたものですから、久々に更新をお休みしてしまいました。というわけで2日分いっぺんに更新します。

 カニッツァの三角形という錯視図形があります。ご存知でしょうか? まず、以下の説明をお読みいただく前に、この図形をご覧になって、「カニッツァの三角形」をご存じない方でもこの絵を描けるように、これを言葉だけで説明してみてください。

カニッツァの三角形




 いかがですか? これは、3つの同じ大きさの黒い円から、それぞれ60度の扇形を切り取ったものを用意して、その3つを正三角形の頂点の位置に配置し、切り取った扇形の半径が、それぞれ他の2つの円の中心方向に揃うように配置したものです。

 でも、おそらくほとんどの方は、「黒い完全な円3つを正三角形の頂点の位置に配して、その上に背景と同色の正三角形が置かれている」という風にご覧になるのではないでしょうか。この背景と同色の三角形こそがカニッツァの三角形です。 ごらんいただくと、背景と同じ色のはずの三角形が、周りよりも色が違って見えてきませんか?

 この錯視と、そのバリエーションについてはいろいろ面白い話がたくさんあります。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 またいつか、カニッツァの三角形とそれにまつわる話を書くかもしれません。



7月3日(木) 回転変動型錯視

 さて、昨日「カニッツァの三角形」の話を出したのは、以下のような錯視を知ったためです。これは gif アニメーションなのですが、まずはご覧下さい。 これは、何がどのように見えるでしょうか?




 いかがでしょうか? これは、正方形の角に黒いマルを置いた、「カニッツァの三角形」の正方形バージョンで、その正方形を回転させているものです。 不思議なことに正方形が45度回転したときに、あたかも正方形が小さくなっているように見えないでしょうか?

 これは、電気通信大学の出澤正徳先生が発見された回転変動型錯視というのだそうです。 この例はその中でも「伸縮型」というのだそうですが、ほかにも、「偏心型」「変形型」という例があるそうです。 おもしろいです。

参考:出澤正徳 他 “動的錯視現象と新しい型の錯視効果” 信学技報、IE95-26、pp.15-22, 1995

 <おまけのひとこと>
 時間が無いので、今日はご紹介だけです。7月1日、2日ととある学会に行っていたのですが、今日の話題はそこで紹介されていた話に出てきたものでした。 このgifアニメーションは、自分でも試してみたくて、昨日の宿泊先で作ってみたものです。



7月4日(金) スリット入りカードを組む多面体:菱形十二面体の星型(その1)

 しばらく前、4月14日のひとことで、OHPシートを使った菱形十二面体の星型をご紹介しました。これを作ったとき、このさらに外側の星型も同じように作れないものかと考えてみました。

 たびたびご紹介している、山口陸幸さんのThe polyhedra world(多面体の世界)には、様々な立体の星型化の画像が系統的に紹介されています。菱形十二面体についても、こちらに説明・整理されています。このページの<B1_01>というのがOHPシートの星型=いわゆるエッシャーの星型です。これは先日来何度か書いている、吉本キューブの星型でもあります。そのすぐ下に、<B1_012>という星型があります。これを作ってみたいと思いました。

 とりあえず組み立てのことを考慮せずに、ひとつながりの面としてパーツを設計してみたのが下の図1です。ご覧のようにスズキ自動車のSのマークのようなかたちです。このパーツ12枚を組むことができれば、<b1_012>の星型を作れるはずです。

図 1

 仮にこのパーツが組めたとすると、中心部分には星型の芯である菱形十二面体ができるはずです。これは、下の図2の中心部分(赤い色をつけた部分)がそれぞれの面になります。

図 2

 さらにその外側、図3の黄色い色をつけたX字型の部分、この部分によって、エッシャーの星型が形成されるはずです。

図 3

 最後に、パーツ全体としては、その外側の星型になるはず、です。 少なくとも紙でパーツを用意したとしたら、最初のうちはともかく、最後のパーツは絶対に入らないだろうな、と思いつつ、とりあえず途中まででもと思って作り始めてみました。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 先日出かけたときに、本屋さんの洋書コーナーをのぞいたら、機関車トーマスの大型本がありました(下図左)。 日本ではポプラ社から「汽車の絵本」という横長の絵本のシリーズが20冊以上出ています。これは見開きの片側が1枚の絵、もう片側が文字だけ、というタイプの絵本で、もともと英語の絵本でもそのようなスタイルでシリーズ化されています。
 みつけた本は、絵とテキストを同じページにたくさん配置して、一話分をせいぜい3〜4ページに収めたスタイルになっていました。(下図右)。



 お話が60話近く入っていて、つまり絵はざっと500枚近く入っていて、2,900円という値段につられて、つい購入してしまいました。 うちの子はもう「トーマスが好き」というのは恥ずかしいと思っていて、実際の車両に興味が移ってしまっているのですが、まあ(私の)英語の勉強にもなるかもしれないし、1冊持っていてもいいかなと思ったのでした。写真のページはフライングキッパー号の話です。



7月5日(土) スリット入りカードを組む多面体:菱形十二面体の星型(その2)

 さて、昨日設計したカードを切り出して、組み始めてみました。図1が一般的な視点から見たところ、図2が3回回転対称軸(C3)方向から、図3が4回回転対称軸(C4)方向から見たところです。と、一見完成したような写真を載せていますが、図4が裏側で、これ以上はパーツに無理がかかりすぎて断念しました。

図 1 図 2
図 3 図 4

 でも、作ってみるとこれも美しい形です。もう一工夫、二工夫してみようと思いました。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 今週は疲れたので、昨夜は早めに家に帰ったのですが、そうしたら久しぶりにピアノの調律をしてもらったとのことでした。さっそく30分ほど弾いてみました。調律した楽器はやっぱりいいですね。

 ドイツの方から、「ボヨンゴロはどこでいくらで入手できるのか教えてください」という英語のメールをいただきました。驚きました。



7月6日(日) スリット入りカードを組む多面体:菱形十二面体の星型(その3)

 昨日、S字型のパーツ12枚で、菱形十二面体の星型がうまく組めなかったとお話しました。では、パーツを半分に分けたら組めないだろうかと思って、さっそくやってみました。

図 1

 パーツは、中央の菱形を抜いた、の字型のものです(図1)。菱形十二面体の菱形である、対角線比が1:√2の菱形を3つ繋いだかたちです。これを24枚用意して組むと、図2、図3の星型になります。 今度は全部組むことができました。

図 2 図 3

 カードを組むタイプのモデルは、どうしても稜が揃わなくて、しかも経時劣化が激しいです。この模型も何ヶ月か前に作ってあったのですが、もっとはやく写真を撮っておけばよかったと後悔しています。

 いまひとつ模型の写真がきれいではないので、CGを作ってみました。 この星型がゆっくり回転しているgifアニメーションをこちら(r12str12.gif : 367KB)においておきます。サイズが大きいのでご注意ください。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 昨日、生協のボーナスフェアというのをちょっとのぞいてみたら、とても大きな大玉のすいかが670円で売っていて、子供たちが欲しいというので買ってみました。 重さを量ってみたかったのですが、我が家の体重計は壊れていて、適当なはかりがありません。とりあえず2つに切って冷蔵庫にしまったときに直径をはかるとだいたい30cmでした。すいかのかたちを球だと近似して、比重がだいたい水とおなじくらいだとすると、重さは14kgくらいでしょうか。 実際にはすいかは若干細長いので、この数字よりいくらか少ないとは思いますが、持ったときの感じからしても10kg以上あったのはまちがいないと思います。
 かんじんの味ですが、なかなかおいしくて、すでに半分食べてしまいました。

 パズル工房「葉樹林」の葉樹林日記の7月5日に、「ルナ・ロック・アウト」のプロトタイプの写真が載っていました。「葉樹林」さんのコレクションの膨大さといったら本当に驚きます。 このパズルの名称は「小惑星パズル」→「UFO」→「ルナ・ロック・アウト」と変わっていったとのことで、UFOという名称の時期はとても短かったのだそうです。
 ここ「あそびをせんとや」では、パズル通信「ニコリ」で紹介されていたときの呼び名であるUFOをずっと使っています。(これについてコメントくださってありがとうございました。)解や問題を探索するプログラム名や関数名・変数名などをすべて「UFO」に基づいて作ってしまったため、自分ではその名称が一番しっくりくるようになってしまったのです。そういえばこのプログラムももう何年もさわっていません。また少しそういったパズルのプログラムもやりたくなりました。



7月7日(月) 帯で編む多面体:菱形十二面体の星型

 昨日まで数日に渡って、カードにスリットを入れたものを組んで作る菱形十二面体の星型をご紹介して来ました。この手法は手軽ですし、相貫体や星型化といった操作による模型を作るには向いた方法なのですが、残念ながら出来上がった模型の稜がどうしても揃わない傾向があります。そこで、面を編む手法でこの立体を作ってみることにしました。

 面を編んで作る多面体は、各面が四辺形のものが基本になります。この星型は菱形の面もあるのですが、三角形の面もたくさんあります。これは、H.Hamanaka very private pageの濱中さんの菱形12面体の星型#2や、先日ご紹介したあそびのコラム31の「吉本キューブを編む」で中川さんの採用していた、三角形2枚を1つの面とみなして編む手法を使うことにしました。パーツは以下のようになります。

図 1

 これを8枚用意して、端から順に山折・谷折を繰り返したものを編んでゆきます。出来上がった模型は、だいぶしっかりしたものになりました。

図 2 図 3
図 4 図 5

 図2は一般的な視点から見たところ、図3は2回回転対称軸方向から、図4は3回回転対称軸方向から、そして図5は4回回転対称軸方向から見たところです。昨日のgifアニメーションは、この図5の方向から光を当てていたため、影が太い十文字型に見えていました。

 <おまけのひとこと>
 先日ちょっとご紹介した、「回転変動型錯視」について、いくつか感想のメールをいただいています。ありがとうございました。



7月8日(火) 帯で編む星型多面体:星型小十二面体

 さて、三角形2枚を1つの単位として「帯で編む多面体」を構成することにすると、今までは編めないと思っていたものがいろいろ編めるということがわかりました。とりあえず星型正多面体を編んでみたいなと思って、まずは星型小十二面体を編んで見ることにしました。

図 1 図 2 図 3

 とりあえず今日は写真だけです。色をつけたほうがパーツの区別がつきやすくて易しいため、着色してみました。どんなパーツを何本使ったらよいか、おわかりになりますでしょうか?

 <おまけのひとこと>
 星型小十二面体と言えば、以前2月8日に、文字通り星型12枚を組んだものをご紹介しました。 そのときにも書いたように、同じものをアクリルの星型で組んでおられる方が何人もいらっしゃるそうで、例えばInnocent Penguinさんのこちらとか、R -Detective Office -さんのこちらとかがありました。

 という話を用意していたら、上記の“R -Detective Office -”Ryuさんからメールをいただいて、なんと「吉本キューブ」を編んだものをおつくりになったとのことです。こうして興味を持ってくださる方が増えるのはとても嬉しいことです。ご連絡くださってありがとうございました。



7月9日(水) 帯で編む星型多面体:星型小十二面体のパーツ

 昨日写真をご紹介した星型小十二面体のパーツについて説明しておきたいと思います。

図 1

 使っているパーツは、同じ三角形を繋げたものです。この三角形は、図1にあるような普通の五角星の三角です。これを右側のようにジグザグに繋いでいきます。

図 2

 図2は全部のパーツです。こういったパーツの絵は説明のために載せているつもりですので、画像は縮小しています。もし作ってみたい方がいらしたら、この図から印刷されると誤差が大きいと思います。pdfファイル等が欲しい方がいらしたら、今日のものに限らずご連絡いただければ差し上げます。(なぜダウンロードできるようにしないかというと、ファイルサイズの問題と、実際に作る説明が大変なためです。)

図 3 図 4

 1本の帯がどのようにめぐっているかを簡単な絵にしてみました。星型小十二面体は、平行な星型の面が6組あるのですが、1つのパーツは、その平行な星型を底面とした星型反角柱の側面のような形になります。

 ちょっと考えてみると、このタイプのパーツ(帯)はかなり汎用的なのだということがわかりました。とりあえず図2と全く同じ 「菱形10個+のりしろ」を6本 で、美しい星型が作れるのですがおわかりになりますか?

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 今朝は寝坊してしまって、起きたら6時半でした。ページの更新とメールのお返事と朝ごはんと身支度で30分! と思ったのですが5分ほど超過してしまいました。 この時間になると道路が混雑してしまって大変です。



7月10日(木) 帯で編む星型多面体:星型大十二面体

 昨日ご紹介した星型小十二面体を編むためのジグザグの6本の帯を使って、同じく星型正多面体の仲間である星型大十二面体も編むことができます。 星型小十二面体は、正十二面体(正五角形12枚)のそれぞれの面に五角錐を貼り付けたかたちをしていましたが、星型大十二面体は、正二十面体(正三角形20枚)の各面に三角錐を貼り付けたかたちです。

図 1 図 2
図 3 図 4

 図1が一般的な視点から見たところ、図2が1つの三角錐(トゲ)の中心から見たところ、図3が5つの三角錐が集まる、芯にある正二十面体の頂点方向から見たところ、図4が鏡像対称の方向から見たところです。

 このかたちをはじめて知った時には、なんとなくトゲトゲして尖りすぎという印象がありました。でも、この立体を構成する星型五角形に注目して、その組み合わさり方を考えると、とても美しい形だと思うようになりました。

 この星型大十二面体を作る方法として、ユニット折り紙で組む作り方などもありますが、完成した模型の精度や丈夫さという点で、編んで作る方法はお勧めです。(さらに、個人的には編んで作るやり方のほうが作業量が少なくて楽にきれいなものが作れると思っていますが、これは慣れや個人差もあるかもしれません。)

 <おまけのひとこと>
 最近ちょっとスランプです。



7月11日(金) 星型小十二面体と星型大十二面体

 ここ数日、菱形をジグザグに繋いだような帯を使って、星型小十二面体と星型大十二面体が編めることをご紹介しました。この2つの星型正多面体がどんな形なのか、小さなgifアニメーションにしてみました。

星型小十二面体 星型大十二面体

 1つの星型にだけ色をつけたものとか、6色で塗り分けたものとか、サイズや枚数を変えたものとか、いろいろなアニメーションを作ってみたのですが、ファイルサイズを優先してこの2つを載せました。この2つはいずれも5回回転対称軸のまわりに回っているアニメーションなので、同じ色で作れば全周の5分の1だけ作ればよいので効率がいいのです。

 これらのアニメーションはPovRayを使って作っています。シーンファイルが欲しい方や、ほかの(もっと大きかったりカラフルな)アニメーションをご覧になりたい方がもしもいらしたらご連絡くださればファイルを差し上げます。(「あそびをせんとや・分室」のほうに大きなファイルを置こうかとも思ったのですが、分室もだいぶ手狭になってきたので、今日は小さなサイズのアニメーションをこちらのページに置くことにしたのでした。)



 一応、昨日の星型大十二面体のほうも、パーツがどのようにめぐっているか図示しておきます。

 星型小十二面体と同じく、平行な2つの星型の側面を巡るような位置関係になっています。

 おまけに、切り出して折り目を入れた状態でのパーツの写真を載せておきます。

パーツ写真

 この全く同じ6本のパーツから、星型小十二面体と星型大十二面体が作れます。

 <おまけのひとこと>
 昨日帰宅したら玄関に百合の花が飾ってありました。一輪は咲いていて、もう一輪はつぼみでした。どうしたの?と尋ねたら、うちの庭の百合だそうで、逆に「咲いてるの知らないの?」と言われてしまいました。今朝見ると昨夜つぼみだった百合の花が開いていました。
 そういえば、クープランに「百合の花開く」というクラウザンのための曲があって、とてもよい曲です。クラウザンなのにほとんど単旋律の曲です。これはピアノで弾いてもあんまりおもしろくなくて、やっぱりあの音色でないと・・・と思います。



7月12日(土) 帯で編む多面体:ねじれ四角反柱を編む

 帯で編む手法による多面体で、三角形2つをペアにする手法を適用すると、それまで編めなかったものが編めるようになる場合がいろいろ出てきます。今日はそういったもののなかから、個人的に妙に気に入っている立体であるSnub Square Antiprism(ねじれ四角反柱)を編んでみたものをご紹介します。

 図は、昨年の10月1日のひとことでご紹介した、ねじれ四角反柱の上面図と側面図です(再掲)。 前回はこれをLaQブロックで組んでみました。最初に帯を設計するために、これをGeoShapesで組んでみました。

図 1

 編むときに同じ面として扱う三角形のペアを同じ色にしてあります。この模型を見ながら、どんなパーツを何本用意すればいいか考えました。

 出来上がった模型が下の写真です。なんとなく、ものすごくシンプルな宝石のカットのようにも見えます。

図 2 図 3

 さて、これはどんな帯を何本使うと編めるでしょう?

 <おまけのひとこと>
 ちょっと調べ物をしていたら、理化学研究所の三次元内部構造顕微鏡というページに辿り着きました。観察したい対象を非常に薄く切断しながら写真撮影をして、それで計算機の中に3次元モデルを作ってしまおうというもののようです。3次元モデルができてしまえば、それを任意の方向から切ったり見たり、好きなように加工できます。
 例として、みかんいちご大福が載っています。みかんを縦に薄くスライスしていった写真だけを基にして、横に輪切りにした時の画像を計算によって生成したり、いちご大福の中のイチゴだけを可視化したりしています。面白いです。

 今日は更新が遅くなってしまいました。



7月13日(日) 帯で編む多面体:ねじれ四角反柱を編むパーツ

 昨日のねじれ四角柱を編んだパーツの図を載せておきます。

ねじれ四角柱のパーツ

 正三角形だけの帯と、正方形を含む帯をそれぞれ2本ずつ用意して編みます。このかたちはプレゼントの入れ物なんかに使ったらどうだろうと思います。その場合ならばここまで完全に編む形式にしなくてもよいでしょう。(破らないと開けてもらえないと悲しいですし、もう一度組み直すのが大変ですし。)



 先日、“Journeys of Frodo”(Barbara Strachey (著))という本を買いました。(Amazonのページはこちら。)お店で2,900円で買いました。Amazonではほとんどその半額だったのがちょっとショックでしたが、本屋さんがちゃんと現物を在庫してくれて、それを手にとって品定めできたからこそ購入する気になったわけですから、気にしないことにしました。

図 1

図 2 図 3

 これは、映画(ロード・オブ・ザ・リング)になって有名になった「指輪物語」の原作のストーリーを、地図という観点から辿ったものです。 横長の本のページを開くと、すべての見開きページの右側に地図(図2、3)が赤黒2色刷りで描かれ、左側にはその説明が書かれています(英語です)。指輪の仲間の一行が、何月何日にどのようなルートを辿ったか、どこでキャンプしたり眠ったりしたか、そのときの月の満ち欠けはどうだったか、といった情報がこと細かに描かれています。

 <おまけのひとこと>
 「指輪物語」はものすごく好きな本で、最初に読んだときは確か中学に入ったころだったのですが(旧訳です)、本当に読むのが止まらなくなって困りました。6冊を読み終わるまで、ほとんど眠れなかったくらいでした。 ちなみに映画は見ていませんし、見ようとは思いません。自分の中のイメージが変わるのがいやなので。



7月14日(月) リーピング・リザード

 昨日、以前BoYonGoloを買ったお店に久々に行ったら、Binary Arts社の「リーピング・リザード」というパズルがサンプル展示されていました。このパズルは、パズル工房「葉樹林」バイナリーアーツのページをはじめ、toritoなどでも通信販売しているようです。(こことかここ。)写真はこれらのページをご覧いただくとして、要は5つの駒を自分と同じ色のマスに入れなさいというパズルです。マスは6箇所あるので、常に移動可能な空きマスは1つだけ、移動できるのは線で繋がれたマスのみ、という条件です。

 わりとシンプルなパズルですが、実際に現物を手にとって遊んでみると、Binary Artsの製品らしく、駒や盤のデザインがよくできています。気に入ったので購入しました。

 こういったパズルはコンピュータで実現するのは易しいのですが、特に子供たちにとっては実際に手で動かすことが大切だと思っています。本物を手で動かして遊ぶときには、問題を見て自分で駒を初期配置に並べないといけないですし、ルール通りに動かしているかを自分でチェックしなければなりません。実際に手を動かしながらこういったことを考える訓練というのは大切だと思っています。

 といいつつ自分では、まずこのパズルを解くプログラムを作って、次にランダムに(もしくはしらみつぶしに)問題を生成して、その中から解ける問題(解のある問題)をコンピュータにコレクションしてもらって、それをJavaなどで遊ぶ、という構想を考えています。 ルナ・ロックアウトというかUFOパズルでもそのような手順で遊びました。 UFO パズルのときは、雑誌で見たパズルのルールから自分でプログラムや問題を自作して公開しましたが、このときは製品を購入する方法を知らなかったので、公開することについては特に問題なかろうと思っていました。

 空きマスが1箇所だけで、移動先が限定されていて、駒全部をそれぞれ指定の位置に納めるパズルというカテゴリで考えると、「新15パズル」など類似のパズルがすでにあると思うので、これもJavaプログラムにしたら公開しても問題ないかなぁと思っています。駒の数を変えたり、一方通行の道などを導入したら難易度を調整しやすいかななどと思っています。

 <おまけのひとこと>
 といっても当分忙しくて、趣味のプログラムを書く暇もないのですけれども。(1時間もあればできそうですが)

 こういったパズルについて書いたりプログラムを作って公開したりするときには、「ルール自体の知的所有権」についてと、「問題の著作権」について、気になります。 もちろん訴えられたくないですし、何よりパズルファンなので、パズル屋さんのご商売の邪魔をしたくありません。でも、そのパズルの存在と面白さを知って欲しいという気持ちもあって、UFOパズルのようなかたちで公開するならば大丈夫かなと思っています。

 細かいことですが、「リーピング・リザード」の写真を掲載しているパズル屋さんの中で、「葉樹林」さんだけが問題がbeginnerレベルの写真になっています。難しい問題のほうが価値が高いと思うので、こういう気遣いには好感を持ちます。(まあパッケージそのものに34番のExpertの写真がついているのですけれども。)



7月15日(火) 写真など

 今日はしばらく前に撮った写真を2枚ほど載せます。

写真1

 この写真は、借り物のディジタルカメラ+魚眼レンズで撮ったものです。魚眼レンズというのは超広角レンズで、非常に広い視野角の範囲が1枚の写真に納まるので、とても面白いです。



 次の写真2、これも実は同じ魚眼レンズで撮っているのですが、丸い画像の中央部分だけを切り取ってあります。これは実は非常に狭い部屋なので、普通のカメラだと4つの模型が視野におさまらないのですが、魚眼だとうまくおさまりました。

写真2

 模型はすべて過去にご紹介したものです。左から02年9月7日02年8月30日(これは先日濱中さん過去の表紙54で言及して下さっていました。ありがとうございました)、03年2月1日03年2月22日にそれぞれご紹介しているものです。

 これらの模型は、部屋に入るとわずかな空気の流れでゆっくり回転を始めます。壁に映る影のかたちが気に入っています。

 <おまけのひとこと>
 先日もご紹介させていただいた、この「あそびをせんとや」にリンクしてくださっているToday's Information!というページの一番下に、<日日雑感>というコーナーがあって、カレンダーの日付をクリックするとテキストが読めるようになっています。昨日(7月14日)は、ねじれ四角反柱の話が、展開図と写真とともに掲載されていました。ありがとうございました。 この展開図はオリジナルではないかと想像しています。 例えば、mathworldの Snub Square Antiprismのページ (ここは、マウスでドラッグすると立体を自由に回転させることができます)に載っている展開図や、山口陸幸さんのThe polyhedra worldジョンソンの多面体のページに載っている展開図とも違っていて、それぞれこの立体をどのように切り開いているかの違いがとても興味深いです。

 写真を拝見すると、用紙も美しいもののようですね。この立体を気に入っていただけたとのことで、とても嬉しくなりました。



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