以前の「ひとこと」 : 2021年10月後半
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10月16日(土) 六角形のスツール、あやとりいろいろ、他
10月後半です。スツールの話と、あやとりをいくつかと、図形の問題を1つご紹介します。
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昨日の六角形のスツールですが、床に接する部分の長さを大きくしてみることにしました。まずはCGです。
これは模型を作ってみたくなりました。パーツがちょっと入り組んでいるので、正方形のときよりも大変そうです。
側面は、下を広げたため等脚台形になっています。こんな風にスリットを入れれば組めそうです(原理的には)。
(つづく) ○
テントの幕 という伝承作品があります。これをちょっと手を加えた大きいテントの幕(1975:江口雅彦)という作品があるそうです。このパターンは、中央に様々な三本指あやとりパターンを配することができるそうです。私はパターンあやとりというのを提唱していますが、「大きいテントの幕」はこの考え方の嚆矢だと思います。
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sf211016-1:テントの幕 sf211016-2:大きいテントの幕 「テントの幕」は親指・小指に二重の糸が巻き付いているため、マグネットボードに固定してかたちをきれいに整えるのが難しいです。そのためこれまでほとんどご紹介してこなかったのですが、たまにはやってみようと思ったのです。ナウルの構え1(4本指の構え)から内側の指の2つの輪を重ねて、「テントの幕」を取ってみました。
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hh211016-1
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 人差し指の輪を中指に移す
- 中指の2つの輪を人差し指に移す
- テントの幕
ちょうどあやとりの輪の結び目がど真ん中に来てしまいました。失敗。(でも面倒なので取り直すのはやめました。)
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一昨日の9つのダイヤモンドからのパターンを見て、以前から使っている手法で似たようなものを作るとしたらどうなろうだろうと思って試してみました。
いかがでしょうか、似ていると思いますか?
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こんな図形の問題を見かけたので解いてみました。
正方形ABCDに内接する小さな円と、正方形の辺を半径とし、正方形の頂点を中心とした大きな円を考えます。大小2つの円の交点を P,Q とします。PQの長さが√7のとき、正方形に内接している小さいほうの円の半径を求めなさい、という問題です。愚直に計算してゆくと求まりました。こういう図形の問題はパズルみたいで楽しいです。
<おまけのひとこと>
週末、嬉しいです。(更新が遅くなってしまいました。)
10月17日(日) 六角形のスツールの模型、あやとり「テントの幕シリーズ」のひねりを無くす、図形の問題の略解
スツールの話と、あやとりの話と、昨日の図形の問題の略解です。
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昨日CGでご紹介した六角形のスツールを紙で作ってみました。
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組むのはやや大変でした。パーツはこんなものを3つ用意しました。
スツールの座面が三重になるのですが、最初は3つとも合同な座面が正六角形のパーツにしたら紙の厚さのぶんだけ誤差が出てしまったので、内側になるパーツの座面の六角形の辺を少し削りました。なので、一番下が外側に来るパーツです。
この造形は組立時にかなり紙を歪ませないと組めません。なので、どうしても紙に「くせ」が残ってしまって、頂点がきれいに合いません。ほんの少しの接着剤で固定しようかなあと思っています。
なお、そもそもの正方形のスツールを作ろうと思ったきっかけになったページ、わかりました。こちらのStool Concept tabouret origami par Guillaume Allemonというサイトです。(フランス語でした。ブラウザの翻訳機能でざっと見ましたが、写真だけからも多くの情報が読み取れます。)タイトルにも origami という単語が入っていますが、折り紙から着想したデザインのようです。美しいと思います。
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昨日ご紹介した一連のテントの幕ですが、このあやとりを特徴づけているのは両手の親指・小指の輪が二重になっていて、それが1回転ひねったかたちになっていることです。これによって、あやとり完成形の長方形の外周の枠が強調されています。
ただ、このままだとこの先にさらなる装飾処理とかを加えてゆくのが難しいので、両手の親指・小指の二重の輪のねじれを解消してみることにしました(下右)。
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sf211016-1(再掲) hh211017-1
- テントの幕
- テントの幕
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
左手・右手の掌の近くに縦にまっすぐな糸がありますが、これが最初の「人差し指の構え」の直後に手首に落とした糸です。 これがあるのが「テントの幕」シリーズのあやとりの特徴だと思います。
「大きいテントの幕」でも同じことをやってみました。
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sf211016-2(再掲) hh211017-2
- 大きいテントの幕
- 大きいテントの幕
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
これもとても美しい完成形だと思いました。(網目構造や格子構造が好きです。)
昨日の「ナウルの構え1」から人差し指を二重にした開始処理からの「テントの幕」も、同様にひねりを解消してみました。
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hh211016-1(再掲) hh211017-3
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 人差し指の輪を中指に移す
- 中指の2つの輪を人差し指に移す
- テントの幕
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 人差し指の輪を中指に移す
- 中指の2つの輪を人差し指に移す
- テントの幕
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
これは、手首に落とす糸が2本ありますので、縦の糸も左右に2本ずつあります。このパターン、どのように整えるのが美しいのか、まだ試行錯誤中です。冒頭、「4本指の構えから7つのダイヤモンド」のときと同じ手順で内側2本の輪を重ねましたが、素直に「中指の輪を人差し指に移す」だけのほうが良いかもしれません。(今日の更新作業が終わったらさっそくやってみるつもりです。)
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もう1つ、「大きいテントの幕」の枠の中に「エガラウィナゴ」を入れるパターンもやってみました。親指・小指のひねりを解消した後の完成形だけをご紹介します。
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hh211017-4
- ナウルの構え2(5本指の構え)
- エガラウィナゴ
- 大きいテントの幕
- 親指・小指の輪を1回転ひねる
- 中指の輪を半回転ひねる
- テントの幕
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
これも美しいです。
これらの「パターンあやとり」は私が創造したわけではなくて、あらかじめそういう概念は存在していて、既に知られている手順を組み合わせてみたら発見できた、という感じを受けます。なので、記録に残っていない、もしくは発表されていないだけであって、誰かがすでにやっているのではないかといつも思うのです。(まあ「エガラウィナゴ」を取っていたナウルの人々が「テントの幕」を知っていたかというと、それはわかりませんが。)
例えばプラトンの5つの正多面体という概念がありますが、あれは人類が存在しようとしまいと厳然としてありうる美しい概念です。大げさに言うとそれと同じで、遅かれ早かれ誰かが見つける普遍的な構造、という感じです。(すみません大げさです。)
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昨日、こんな図形の問題をご紹介しました。
どんなふうに条件を式にして、どんな答になるのかを示した簡単な図を用意してみました。こちらです。(別窓で開くと思います。) 確認されたい方、ご覧ください。この問題で唯一明かされている数字が √7 なのはなぜだろう、というのがわかった瞬間が面白いと思ったのでした。
<おまけのひとこと>
11月、公私ともにいろいろ予定が入って忙しくなりました。充実した月になりそうです。身体の具合が悪くなってしまったら台無しなので、健康には特に注意したいと思っています。11月のいろいろな予定のための準備の時間も取りたいので、このサイトに日々書いている内容が少しだけ軽くなるかもしれません。
10月18日(月) 帯分数の平方根、あやとり
帯分数の平方根の話と、あやとりの話です。
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こんな式を見かけました。
帯分数(2と3分の2)の平方根を取ると、3分の2の平方根の2倍になるので、両辺に現れる数字が同じ、というものです。「演算記号なしで2つの数字や文字を並べたときは掛け算を表す」というルールが身に付くと、足し算である帯分数というのは違和感を感じるようになりました。まあそれはともかく、2の代わりに3や4を使った式も作れます。
では、この続きはどうなるでしょう? 5だったら? 6だったら? 一般の自然数pだったら(nにすればよかったかな)どうでしょう?
(つづく) ○
昨日、ナウルの構え1(4本指の構え)から、内側の2つの輪を1つに重ねて「人差し指が二重の人差し指の構え」から「テントの幕」を取ってみたらかたちがうまく整わなかったという話を書きました。ひょっとして輪の重ね方が悪かったのかもしれないと思って試してみたら、その通りでした。
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hh211018-1 hh211017-3(再掲)
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 中指の輪を人差し指に移す
- テントの幕
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 人差し指の輪を中指に移す
- 中指の2つの輪を人差し指に移す
- テントの幕
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
これは、単純に中指の輪を人差し指に移すほうが良かったです。
なぜわざわざ「人差し指の輪を中指に移して、中指の2つの輪を人差し指に移す」処理をやってみたかというと、「ナウルの構え1」から「7つのダイヤモンド」を取るときにはそのほうがより整ったかたちになったためです。
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hh210614-1(再掲) hh210731-1(再掲)
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 中指の輪を人差し指に移す
- 7つのダイヤモンド
- ナウルの構え1(4本指の構え)
- 人差し指の輪を中指に移す
- 中指の2つの輪を人差し指に移す
- 7つのダイヤモンド
単純に中指の輪を人差し指に移すのを「1ステップ3本指化」、中指を経由して人差し指を二重化するのを「2ステップ3本指化」と呼ぶことにすると、「7つのダイヤモンド」「ダンスの舞台」といった斜め格子系のあやとりは「2ステップ三本指化」が良く、「テントの幕」「イヌイットの網」は「1ステップ3本指化」のほうが結果がきれいに整いました。
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あやとりは3種類くらいの長さの紐を輪にしたものを使い分けています。おおよそ 1.8m、2.4m、3m です。最近、3mでも長さが足りないと思うことが増えてきたので、もう少し長い紐を探しています。光沢のあるレーヨンの紐が量り売りされていたので、10cmあたり5円の糸と7円の糸(太さは同じで色が違う)を試しに 4m ずつ買ってみました。
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hh211018-2
- ナウルの構え2(5本指の構え)
- エガラウィナゴ
- 中指の輪を人差し指と薬指に掛ける
- 内側3本指で「ガイアナの星」
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
この紐はちょっと硬くて曲がりにくく、滑りが良いです。なのでかたちを整えるのが難しい場合があります。糸の折り返しの部分の最小回転半径が大きい感じです。あまり使い勝手が良くなかったです。
<おまけのひとこと>
急に寒くなりました。妻がこたつを出してくれました。嬉しい…
10月19日(火) シラッシの多面体、あやとり
Youtubeにあったシラッシの多面体のパズルの話とあやとりの話です。
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Youtubeに上がっていた Printable Szilassi Polyhedron Puzzleという動画を感心して眺めました。
これは「シラッシの多面体」です。7つの面があって、そのすべてが互いに接しているのです。もう30年くらい前から「いずれ紙で模型を作ってみたい」と思っているのですが、思っているだけで作ってみていません。穴が1つ空いた、トーラスと同相の多面体です。
今年の3月に、トーラス面を塗り分けに7色必要な7つの多角形に分割するCGをご紹介したことがありました。
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全ての面が互いに接する条件を保ったまま、この7つの面を平面にしたのがシラッシの多面体です。これが平面で構成できるということは改めて驚くべきことです。
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あやとりの手法で、TTF(2 to 4)拡張処理と名付けた手順を活用したあやとりを2つほどご紹介します。
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hh211019-1 hh211019-2
- 焼け焦げた葉のククイ
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
- 7つのダイヤモンド
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
これ、左側の「焼け焦げた葉のククイ」から拡張したものが気に入っていて、もう3か月くらい飾っています。
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昨日の帯分数の平方根の話ですが、
一般項はこうなります。
文字式だと帯分数に見えないので “+” 記号を入れました。
<おまけのひとこと>
寒いので暖房器具を使い始めました。
10月20日(水) Brugner's 3-piece Tangram、あやとり
Brugnerの3ピースのシルエットパズルの話とあやとりの話です。
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Archimedes Laboratory(アルキメデス・ラボ)という、数学やパズルの情報がたくさんあるサイトがあります。このサイトの中の タングラムに関する情報を集めたコーナーのTangram Variantsの4ページ目の一番下に、Bruger's 3-piece Tangram というシルエットパズルが紹介されていたのです。
この3つの直角三角形から、たくさんの凸多角形が作れるというのです。これ、なんとなくどこかで見たことがあるなあと思ったのですが、思い出しました。2015年11月7日にご紹介した、Formidableが確かこんなパズルでした。
当時も情報源としてご紹介していたFormidableのページの一番下にも、このパズル(Formidable)は Brugerの 3ピースタングラムと呼ばれている初期のパズルのアレンジだ、といったコメントが書かれていることに今さらながら気が付きました。
さらに、The Tangram Book : shapes and solutions (2012:Innoncent De Marchi)という本には(link は google booksです)、Bruger の3ピースタングラムのシルエットの問題と解が載っています。
でも、この本で紹介されている Bruger のピースの設計は Formidable とは違います。これはどういうことだろう? と思いました。アルキメデス・ラボのタングラムのページでは Formidable と同じ比率の図形が Brugerの3ピースタングラムとされています。でもそれだと Formidable はアレンジではなくて Brugerそのものということになります。ということはアルキメデス・ラボの情報が勇み足?
すみません、今日のトピックは未解決で結論はありません。
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へそという伝承あやとり作品があります。「10人の男」という伝承あやとり作品とよく似た手順のあやとりです。
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sf211020-1:へそ これ、人差し指に二重の輪が絡むのですが、この人差し指を外すとどうなるだろう? と思ったのです。
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sf211020-2
へそ(人差し指を外した)こんな風に絡んでいたのでした。この状態から、TTF拡張処理(2本指→4本指)して、4本指の終了処理をしてみました。
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hh211020-1 hh211020-2
- へそ
- 人差し指の輪を外す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
- へそ
- 人差し指の輪を外す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
上の左側(ラベンダー色の糸のほう)、中段に「へそ」の人差し指を外したかたちがそのまま見えています。右側(黄色い色のほう)は、もう少し「へそ」らしくかたちを整えればよかったかなあと思いました。
ほんの数か月前には、この「へそ」はかなり複雑なパターンに見えたものですが、今見るとシンプルですっきりした(良い意味で)単純なかたちだなあと思うのです。あやとり協会の文献を見ると、もっともっと複雑で精緻なかたちの作品が発表されていたりします。まだまだ奥が深い世界だと思うのです。
<おまけのひとこと>
今日は勤務先の事業所の体育館で、午前中に1時間半くらいの下期の方針示達があります。私は会場係兼司会なのですが、早く行って暖房を入れます。本番中に空調を入れたままだと音がうるさくて肝心の発表者の声が聞こえにくくなってしまうのです。今は椅子を2メートル間隔で配置するので人が少なくて、寒い季節だと寒々としています。リモート配信もするので、リモートで聴く人も多いです。今日はあまり寒くならないといいなあと思っています。
10月21日(木) シルバー菱形のリングのアニメーション、あやとり
以前ご紹介した多面体のCGと、あやとりの話です。
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先日、菱形十二面体を分割したこんな多面体をご紹介しましたが、2018年の1月に、シルバー菱形による穴開き多面体というのをご紹介したことがありました。
当時このリング型多面体のかたちを理解するために作ったCGアニメーションがあったので、それをご紹介することにしました。
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この2つは同じものをちょっとだけ違う視点から見ているものです。180度ひっくり返して、120度(3分の1周)回転させるともとの姿勢と同じになります。それを示したくてこんなアニメーションを作ったのでした。
CGを作るときは、前に作った似たようなものをベースに作ると楽かもしれないと思って過去のCGを探すのですが、そのときに見つけたものです。なんとかファイルサイズを小さくしようとして、画素数 160x120 のものが作ってあったのですが、それだと見栄えがよくないので今回大きなサイズのものに作り直しました。
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親指・小指の2本指で完成したあやとりに対して、TTF拡張処理(2本指→4本指)・親指小指を外側に1回転ひねる・タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理、の終了処理を追加することで完成形の周囲を装飾するという手順が気に入っています。完成形がよく似たあやとりである 雨 と ダンスの舞台 に対してこの処理を施してみました。
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hh211021-1 hh211021-2
- 雨
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
- ダンスの舞台
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
この装飾のしかただと、結果もやっぱり同じに見えます。
(つづく) <おまけのひとこと>
職場に、悪い意味で予想しがたい行動をする人がいて、若い部課長が途方に暮れています。年配者としては少し嫌な役も引き受けなければいけないかなと思っています。そういうの苦手なんですけれども。
10月22日(金) Vinco Rhomby(その1)、あやとり
木製パズルのご紹介とあやとりの話です。
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Vinco Rhomby というパズルを見かけて興味を持ちました。
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Vinco Rhomby これは正十二面体を4つに分割したパズルのようです。写真だけだとよくわからないのですが、ピースは合同のように見えます。こんなかたちなのかなあと想像してみました。
各ピースはどんなかたちなのかわかりますか?
(つづく) ○
このところ、「親指・小指の2本指で完成したあやとりに対して、TTF拡張処理(2本指→4本指)⇒親指小指を外側に1回転ひねる⇒タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理、を行うことで完成形の周囲を装飾するという手順」で装飾して仕上げるあやとりをご紹介しています。これだけ続くと、この処理そのものに名前を付けたくなります。ナントカの装飾仕上げA、とか。「ナントカ」の部分に自分の名前を入れるのはちょっとおこがましいかなあとか、いや、もし自分の名前を付けるなら将来もっといいものを思い付くかもしれないなあとか、妄想しています。
今日はその装飾仕上げA を 14のダイヤモンド(神谷和男:1985) に対して施してみました。
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hh211022-1
- 14のダイヤモンド
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
もおうちょっと仕上げを頑張れる気もしますが、いったんこんなところで妥協して写真を撮りました。
仮にこの仕上げをずうずうしく hasegawaの装飾仕上げA と呼ぶとしたら、このあやとりは「14のダイヤモンド⇒hasegawaの装飾仕上げA」と2手順で記述できることになります。あやとりを再現するための手順の記述がシンプルになることは望ましいと思うのです。
○
“live in a goldfish bowl” という英語の表現を知りました。直訳すると「金魚鉢の中で暮らす」という意味で、「プライバシーの保たれない生活」のことだそうです。これはわかりやすい表現ですね。
この表現は、SNS等のNet環境でのプライバシーの話の中で出てきたのです。私たちのNet上の閲覧履歴や通販の購買履歴に基づいて、その人がお金を払ってくれそうな情報を選択的に提示する仕組みというのがもはや当たり前になっています。これは売り手も買い手も嬉しい(儲かる、得をする)はず、という善意に基づいて広まった仕組みだとは思うのですが、その結果各々が持っている情報というのが極端に偏ってゆく気がします。それでいいんだろうか、という気がしないでもないです。
<おまけのひとこと>
最近また常温核融合が話題になっているみたいです。私は物理の話は詳細を理解する知識や能力はないのですが、前回のブームは再現性が乏しくて立ち消えになりましたが、今回はどうなんでしょうか。
10月23日(土) Vinco Rhomby(その2)、あやとり、他
木製パズルのご紹介とあやとりの話です。
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昨日の Vinco Rhomby というパズルの写真を見て、ピースはこんなかたちかなあと思ってCGで描画してみました。
連続して回転するアニメーションにもしてみました。
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これ、合同な4つで菱形十二面体になるでしょうか?
(つづく) ○
昨日の「親指・小指の2本指で完成したあやとりに対して、TTF拡張処理(2本指→4本指)⇒親指小指を外側に1回転ひねる⇒タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」、やっぱり名前を付けたいかなあと思ったり、悩んでいます。名前を付けるなら「装飾仕上げ」ではなくて「装飾手順」かなあと思い直しました。ここからさらに継続して装飾を続けることができるからです。
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hh211023-1 hh211023-2
- 二人の酋長
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
- 上下がからんだ二人の酋長
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
(追記:すみません、やってしまいました。8月4日に同じものを掲載していました。あやとり紐の色が違ったので見落としました。この2つはダブってしまうのであやとりの記録には載せないことにします。)
ちなみに、最後の仕上げが違うものを過去にもご紹介しているので、並べてみました。一番左がもともとの「二人の酋長」、隣が「2本指の終了処理」、さらに隣が「TTF拡張→親指・小指をひねって焼け焦げた葉のククイの終了処理」、一番右が今日のものです。
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二人の酋長 hh210717-1 hh210720-1 hh211023-1
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hh210716-1 hh210718-1 hh210721-1 hh211023-2 二本指パターンとして仕上がるあやとり作品はたくさんあります。それぞれに対してこういった終了処理を施すと、それだけで多様なあやとりが作れます。さらにこのそれぞれに対して処理を継続することができます。そのパターンの豊富さを想像するだけで気が遠くなりそうです。
この半年ほどパターンあやとりのご紹介を続けてきている中で、手法や手順の呼び名が揺らいでいます。これは読む人にとっては迷惑な話で、ある程度確定したところでまとめて整理しようと思っているのですが、今のところ落ち着く気配がないため、もう少しこうやって日々の記録を残すスタイルを続けるつもりです。ただ時間差があって、今日ご紹介しているものも実は7月くらいにやっていて、ご紹介しそびれていたものです。
今日のものは「二人の酋長」というオープニングが共通なものを並べて比較しましたが、エンディングが同じものを比較するのも面白いですし、途中の装飾を変えるとどう変わるか、という比較も面白いです。また、手順の順番を変えるとどう変わるか、というのも面白い課題です。やることが多すぎて記録が追いつきません。
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こんなパズルを見かけました。個別の名前がついているのかいないのか、よくわかりません。
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これ、面白いなあと思ったのです。
(つづく) <おまけのひとこと>
昨日は在宅勤務で、朝6時過ぎに仕事を始めたのですが、夜6時半くらいまでずーっと頑張ったのですがいくつかやり残しが出てしまいました。週末、本当に嬉しいです。
10月24日(日) Vinco Rhomby(その3)、あやとり
木製パズルのピースのCGとあやとりの話です。
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昨日ご紹介したピースですが、全く同じもの4つではおそらく菱形十二面体は組めないかなあと思いました。合同なピース2つと、その鏡像体2つならば菱形十二面体が組めそうです。CGにしてみました。
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上の左が昨日ご紹介したものと合同なもの2つ、右がその鏡像体2つです。この2つ組どうしを組み合わせると、
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このように菱形十二面体になるのです。面白いなあと思いました。これ、ペーパーモデルを作ってみても楽しそうですし、この分割を立方体や正八面体に施したらどうなるんだろうということも気になります。いろいろな発展が考えられそうです。
(つづく)かも ○
すみません、昨日はやらかしてしまいました。昨日ご紹介した2つのパターンあやとり、全く同じ手順のものを8月にご紹介していました。
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hh210804-1(再掲) hh211023-1(再掲)
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hh210804-2(再掲) hh211023-2(再掲) ひもの色が違っていたので、見落としていました。失敗…
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気を取り直して、今日のパターンあやとりです。(これも実は7月に撮ってあったものです。)ハワイの星からの同じ装飾手順です。
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hh211024-1
- ハワイの星
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を内側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
あやとり紐の色が淡いと背景とのコントラストが低くて、背景をきれいに白飛びさせようとするとあやとり紐の色がおかしくなってしまいます。難しい…
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先日、伝承あやとり作品の「へそ」を取ったときに、類似の手順である「10人の男」を久々に取ってみたのです。そこから、何か派生が考えられないかなあと思って少し試行錯誤したら、こんなあやとりができました。
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hh211024-2
- 10人の男
- 中指の輪を小指に移す
- 人差し指にかかる2つの輪のうち、
人差し指に巻き付いているほうの輪を外す- 7つのダイヤモンド
出来上がりのダイヤ型が上下に2行並んでいますが、下の行の左右の端のダイヤの連結部の糸の絡まり方が独特で(縦の折り返しになっている)、面白いと思います。
<おまけのひとこと>
寒いです。新聞のコラムに、オフコースの古い歌「僕の贈り物」の歌詞が引用されていました。「夏と冬の間に 秋をおきました/だから秋は少しだけ 中途半端なのです」。オフコースはピアノ独奏版にアレンジされた楽譜を1冊だけ持っています。ピアノ独奏曲として、和声や雰囲気が割と好きでした。今日は妻が出かけていて不在になるはずなので、久しぶりに弾いてみようかと思いました。
10月25日(月) 菱形十二面体に穴をあける、あやとり
菱形十二面体の話とあやとりの話です。
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思い立って、こんなCGを作ってみました。
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これ、どんなかたちなのかわかりますか?
(つづく) ○
エナギニュレという伝承あやとり作品をご紹介したことがあります。ここからの派生です。
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- エナギニュレ
- 人差し指と中指の輪を外す
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュ
の終了処理
もう1つ。
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hh211025-2
- エナギニュレ
(人差し指と中指の輪を外さない)- 全ての指を外側に1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
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人は、他の人が何を考えているのか、どんなことがどのくらいできそうかを想像するとき、意識する意識しないにかかわらず自分自身を基準として考えてしまいがちです。自分が「ものさし」なので、能力が高い人は周囲も自分と同程度のことができると思って相対的な自分の能力を過小評価しがちですし、逆に能力が低い人は周囲も同様に見えるため自分の能力を過大評価しがちだ、と言われます。
この話は有名ですが、この現象にダニング=クルーガー効果という名前が付けられているということを初めて知りました(link は wikipedia です)。wikipedia でも言及されていますが、心理学の論文として発表されたのは2000年代になってからのようですが、この概念そのものははるか昔からあると思います。
<おまけのひとこと>
今朝9時から上司と上期(4月〜9月)の評価面接がある、といことに今しがた(今3時半です)気が付きました。しまった準備してない… まあなんとかなるでしょう。
10月26日(火) 菱形十二面体に穴をあける、あやとり「DTF拡張処理」
菱形十二面体の話とあやとりの話です。
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昨日ご紹介したアニメーションの多面体は、昨日のタイトルにも書いておきましたが、菱形十二面体に穴をあけたものでした。
取り除いた「中身」はこんなかたちです。これは菱形十二面体4つが面を共有して接しているかたちです。
上の2つを合わせると、大きな菱形十二面体になっているのです。
上段の「大きな穴開き菱形十二面体」と中段の「4つの菱形十二面体」、この2つの体積はどちらが大きいでしょう?
(つづく) ○
このところ凝っている、新しい4本指パターンへの拡張手順をご紹介したいと思います。珍しくナバホの構えを使います。(下の左のパターン、周知の名称があるのかわからないので、仮に「長方形に対角線」と呼んでおきます。)
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hh211026-1
長方形に対角線DTF拡張処理
- ナバホの構え(説明略)
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- 人差し指の輪を親指に移す
親指だけに二重に輪がかっている- 親指の向こうの2本の糸を小指で取る
左の状態から続いて
- 親指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を人差し指に移す
- 小指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を薬指に移す
この、「親指・小指に二重に輪がかかっているとき、外周の糸ではない(斜めに走る)糸を内側の指(人差し指・薬指)に移す」という手順をDTF拡張処理と呼ぶことにしました。親指・小指が二重の(Double)二本指パターンから4本指パターンに拡張されるためです。Double To Four 拡張、でDTF拡張処理です。取り方の手順では「DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)」と表記することにします。
親指・小指が二重の最終形になっているあやとりは、それこそ無数にあります。そうでない場合、たとえばカロリン展開で仕上げるあやとりも、「二本指の終了処理」を施すと親指・小指が二重の最終形になります。これらすべてをDTF拡張して4本指パターンにできます。「7つのダイヤモンド」でやってみましょう。
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7つのダイヤモンド DTF拡張処理
- 7つのダイヤモンド(説明略)
- 7つのダイヤモンド(説明略)
- DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
- 親指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を人差し指に移す
- 小指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を薬指に移す
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DTF拡張処理のシンプルなパターンとして、さきほどの「長方形に対角線」から4本指パターンの終了処理をやってみました。
この手順、親指・小指が二重の最終形になっているすべてのあやとりに適用してみることができます。ぜひ試してみて下さい。
<おまけのひとこと>
妻は結婚した娘と電話でよく話をしています。一緒に住んでいる私と妻の間の会話量よりも5倍くらいは話をしている感じです。そんなものなのかなと思っています。私は自分が興味があること(とても偏っていることは自覚しています)以外はよく知らないのと、つい「問題解決型」の思考をしてしまうので、共感を求める会話の相手としては不適切なんだろうなと申し訳なく思っています。
10月27日(水) ボードゲーム「ニュートロン」、あやとり
ボードゲームの話とあやとりの話です。
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ニュートロンというボードゲームの画像を集めたページを見て、とても懐かしく思ったのです。ニュートロン、実際に誰か他の人とプレイしたことはないのですが、確か1990年ころに初期の Netnews の記事で見かけたことがあって、興味を持った覚えがありました。当時のメモは失われているのですが、改めて簡単にルールをご説明してみたいと思います。
【名称】Neutron(ニュートロン) Robert A.Kraus(1978)
【人数】2人
【ボード】5x5の25マス
【ピース】それぞれ5つずつの自分のコマ、「ニュートロン」1つ
【勝利条件】ニュートロンを自分の陣地に入れるか、ニュートロンを動けなくする
【初期状態】上の図の通り
【コマの移動】縦横斜めにまっすぐ、ゲーム盤の端か他のコマにぶつかるまで移動する。途中で止まれない。
自分や相手のコマ、ニュートロンを飛び越したり取ったりすることはできない。(盤上のコマは減らない)
【自分の手番でやること】 まずニュートロンを動かす。次に自分のコマを動かす。
ただし1手目の先手だけはニュートロンは動かさない。
自分の手番開始時にニュートロンが動けなければ負け。自分がニュートロンを動かした結果相手の陣地に入れたら負け。ボードゲームやカードゲームのルールって、直接対面で教わると難しくないのにこうして文字だけで書かれるとどうしてこんなに難しくなるんだろう、と思います。これってなぜなんだろう、対面で教わるときの非言語情報が重要なんだろうか、それとも教える側が教わっている側の反応を見ながら必要に応じて説明を丁寧にしたり省略したりするからなんだろうか、それともテストプレイとかを交えるからなんだろうか、などと思ったりします。心理学的な観点でそういう実験や分析をした研究とかあったら面白そうだなと思います。コーチングとか情報伝達という観点で、研究する価値がありそうです。
ニュートロンの感じをつかんでいただくため、簡単な実例を示します。例題1は赤の手番です。
例題1:赤の手番 まずニュートロン(N)を動かします。下に動かすと青の陣地に入るので直ちに負けてしまいます。そこで上に動かします(a3→a4)。後はb2のコマをa3に動かしてふたをすれば、次の青の手番ニュートロンは動けませんから勝てます。
次の例題2も考えてみて下さい。
例題2:赤の手番 確か、最初に考案されたニュートロンは相手の陣地にニュートロンを入れたら勝ち、というルールだった気がします。それだとゲームバランスが悪かったらしくて、自分の陣地に入れたら勝ち、というルールに変更され、その時にゲームの名称もネオ・ニュートロンと名付けられたということを読んだ記憶がおぼろげながらあります。
このゲーム、とっくの昔にご紹介済みだと思っていたのですが、自分のページを検索してみても見つけられませんでした。エントロピーという、同じく5x5の盤を使ったコマが増減しないゲームを2002年にご紹介していたのですが、なぜその前後に「ニュートロン」もご紹介しなかったのか、すっかり忘れてしまいました。(多分、ご紹介するネタに詰まったとき用に「とっておいた」と思うのですが、そのまま忘れ去ったのだと思います。そういうネタ、実は他にもいくつか思い付きます。)
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昨日のDTF拡張処理から、タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理を行ってみました。
交差を増やしてみました。
上の左側、素直に取るとパターンが中心にかたまってしまってきれいに広がらないと思います。親指・小指をひねった後、内側の糸を中央側に引き出して十分な余長を取るようにするときれいにかたちができます。
ちょっと似ていますが、こんな初期状態から始めてみました。
この終了形もきれいだなあと思うのです。いろいろなあやとりに、このDTF拡張からタイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理(もしくは焼け焦げた葉のククイの終了処理)を施してみました。明日以降いくつかご紹介させていただきます。
<おまけのひとこと>
国際あやとり協会(日本)が主催する第29回あやとり講習会が11月6日(土)午後に、代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されるそうです。大変光栄なことにお誘いいただいたので、お伺いさせていただこうと思って準備をしています。あやとりに興味を持って本格的に楽しんでいらっしゃる方と直接お目にかかるのは実は初めてなので、とても楽しみです。
10月28日(木) L(8)TICE-2 INTERLOCKING BURR、あやとり
立体パズルの話とあやとりの話です。
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L(8)TICE-2 INTERLOCKING burr というページに、8枚の板を格子状に組むパズルが紹介されていました。通常なら LATTICE と綴るところを、エイトの発音の部分を数字の8(エイト) に置き換えて、L(8)TICE と表記しているのですね。縦横に組む板の枚数が8枚であることを表しているのだと思います。
石野さんのパズルのサイトでも、一見同じに見えるL(eight)tice(Jerry Loo:2017)というパズルが紹介されていましたが、最初のサイトに掲載されているピースの画像と石野さんのサイトで解析されているピースのパターンはちょっと違う気がしました。と思ったら、名称が違いました。L(8)TICE-2なのですね。
L(8)TICE-2 解を探索してみました。
実際に組めるかを考慮せずに完成形のパターンが成立するかを探索してみると1,504解ありました。その中でピースを弾性変形させずに組めるものがどのくらいあるのかはわかりません。
○ 以前、紙の筒を組んで格子(甚五郎格子)を組んでみたことがあります(2014年10月)。
同様に、このL(8)TICE-2 も紙でパーツを作ってみようかなとちょっと思っています。
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DTF拡張処理で左右にできるパターンはエガラウィナゴと似合いそうだなと思って、こんなあやとりを取ってみました。大きく4手順、「エガラウィナゴ」→「親指小指をひねって焼け焦げた葉のククイ」→「DTF拡張処理」→「親指小指をひねってタイガーショベルノーズキャットフィッシュ」です。
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hh211028-1
- エガラウィナゴ
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの処理
- 中指の輪を通して親指・小指の内側の糸を取り合う
- 中指を外す
- DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
- 親指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を人差し指に移す
- 小指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を薬指に移す
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
出来上がったあやとり、「模様」としてとてもきれいだと思うのですがいかがでしょうか。
<おまけのひとこと>
11月6日(土)の「あやとり会」で「パターンあやとり」の話をさせていただく件、「あそびをせんとや」のサイトのトップページに掲載しました。
10月29日(金) 三手あやとり、二手あやとり
3つの手であやとりを取ったらどうなる? という考察の話です。
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国際あやとり協会(日本)のあやとりトピックス201に 3人あやとりというのが紹介されています。「3人」というと手は最大で6つ使えるはずですが、ここで紹介されているのは「3つの手」です。手が3本あったらいったいどんなあやとりが取れるんだろう? と考えてみたくなりました。
まずは、「人差し指の構え」に相当する三手の構えから考えてみることにしました。
人差し指の構え(Opneing A) 手のイラストを描くのは面倒なので、いつものホワイトボードにマグネットで留めるパターンで考察します。二手の「はじめの構え」に相当する状態から、素直にあやとりの輪の一番遠い糸を3つの手の人差し指でそれぞれ取ると、こうなると思います。
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三手の人差し指の構え中央に六芒星のパターンができて、これだけで1つのあやとり作品としてきれいだなあと思います。
二本指の終了処理の手順(小指の輪の中から親指の輪をつまんで外し、親指にかけ直す。同じことを小指でもやる。)をやって、人差し指を外してみました。
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hh211029-2 これ、ちゃんと仕上げてみることにしました。
5月28日にご紹介したあやとりを、三手にしてみました。
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hh210528-1b hh211029-3 野口先生の河出書房新社の「あやとり」(1973)でも2人以上で取るあやとりが紹介されていますし、改訂版 あやとり大全集(野口とも:2020:主婦の友社)にも複数人のあやとりが紹介されています。紹介されているということ自体が素晴らしいことだと思うのです。ただ、その種類は当然ながらごく限られています。でも、「パターンあやとり」の手法を三手あやとりに適用したら、それこそ未踏の広大な世界が広がっている予感がします。まだ誰も見たことのない、美しいあやとり作品という宝物がざくざく埋まっていて発見を待っている、そんな予感です。
手の数が奇数になることで「向かい側」という概念が変わります。普通の二手のあやとりと比べて格段に実験がしにくいですが、研究し甲斐がありそうだなあと思いました。なんとか時間を作って考えてみたいなあと思います。
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5月24日にご紹介した「ガイアナの星」→「二本指の終了処理1」のあやとり(けっこう気に入っっています)に続いて、「DTF拡張処理」→「親指小指をひねってタイガーショベルノーズキャットフィッシュ」をやってみました。
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hh210524-2 hh211029-4
- ガイアナの星
- 二本指の終了処理1
- ガイアナの星
- 二本指の終了処理1
- DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
- 親指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を人差し指に移す
- 小指の2本の輪のうち、斜めに走る糸を薬指に移す
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
オリジナルの構造(左)に、DTF拡張処理に基づく装飾模様が左右に付け加わった構造になっているのが見えると思います。
<おまけのひとこと>
今日はあやとりのトピックだけになってしまいました。
10月30日(土) 3回回転対称あやとり
3回回転対称あやとりの話です。
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3つの手のあやとり、とりあえず図だけ作ってみました。(図を作るのも楽しいです。)3つとも左手にしました。(追記:3つとも左手にしたつもりが、1つだけ右手の図になっていることに気付いて修正しました。ブラウザのキャッシュ機能で、古い画像しか表示されないかもしれません。)
始めの構え(2手) 始めの構え(3手)
人差し指の構え(2手) 中指の構え(3手)
三手による「人差し指(中指)の構え」は、なんとなく五芒星が3つに見えます。
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hh211030-1 ○
普通の、つまり一人の両手で取るあやとりで、3回回転対称なあやとりを取ってみたいなあと思ったのです。人間の両手は鏡像対称なので、左右対称なあやとりを取るのは説明が簡単です。ところが3回回転対称あやとりでは、右手と左手は常に違う操作をします。たぶん説明もわかりにくいと思いますが、最低限、将来の自分がこのあやとりを再現できることを目標に、手順を公開しておきます。
最終的には左右対称に見えるかたちになるのに、どうしてこんなに面倒くさい手順になってしまうかというと、仮想的な3つの左手をイメージして両手の10本の指それぞれが仮想的な3つのどの手のどの指に相当するのかを考えながら取っているためです。(先ほどの図でいうと、両手の薬指と小指がHand1、左右の親指・人差し指・中指がそれぞれHand2とHand3です。)この出来上がりを再現することだけを目標にするなら、もっとわかりやすい手順が存在するだろうと思います。
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上の「六芒星」からすぐに思い付く簡単な発展をやってみました。
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hh211030-3
- 六芒星
- 右小指で、左小指の向こうの糸を向こうから取る
- 左小指で、右小指の向こうの糸を向こうから取る
- 左親指で左人差し指の手前の糸を取る
- 左人差し指で左親指向こうの糸を取る
- 右人差し指で右親指向こうの糸を取る
- 右親指で右人差し指の手前の糸を取る
3組の隣り合う2つの指の内側の糸を取り合う操作です。これ、順番が大事です。順番を逆にすると、ただの大きな二重の輪になってしまいます。
過去にご紹介した二手の左右対称パターンのものでは、これが近いかなあと思いました。
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hh210524-1 hh211030-3 上の2つを比べたとき、左側の中央の菱形が2つあるのが嫌だなあと思って1つにしたいと思ったのですが、
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hh211030-4 左側が折り返し、右側が交差の左右非対称になってしまいました。うーむ… (これはナバホの構えから始める、先日の「長方形に対角線」から左手だけ交差を増やす操作をして作りました。)
<おまけのひとこと>
この「あそびをせんとや」というサイトは、もはや私の日々の「あそびの記録ノート」と化しています。
10月31日(日) あじさい折り、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。
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ふと「あじさい折り」をやりたくなって、ストライプ柄の折り紙で折ってみました。
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最初に8x8の折り線を付けます。ここでの折り線の精度が大切なので、丁寧に折ります。表側と裏側の写真を撮ってみたら、カメラのオートホワイトバランス機能のせいで同じカッティングマットの色がまるで違って見えます。
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出来上がったものを光を透過させてみました。表側からは見えなかった裏側のスリットのような構造が透けて見えてきれいだと思いました。精度もまあこんなものでしょう。
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昨日の三手の3回回転対称あやとりを素直に二手のあやとりにしたらこうなるはずなのです。
えーと、これ、どうやったら取れるんだろう? と思って考えてみました。 一応できました。中央の菱形の左右が折り返しになっているもの(左)と、単純な交差になっているもの(右)です。
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hh211031-1 hh211031-2 これ、どうやったら取れるかわかりますか?
(つづく) ○
パターンあやとりには不向きなちょっと短いあやとり紐(といっても180cmの糸を輪にしたもの)で、何か別のオープニングができないかなと思っていじっていたら、なんとなくこんなあやとりができました。
上の手順の冒頭で「輪ゴムの手錠」のパターンと言っていますが、これはあやとり紐に結び目を作る操作です。要は下図のようなパターンが作れれば良いのです。
「ナバホの構え」からあやとりの手法っぽい手順を考えて書いてはみましたが、この手順通りやるよりも、図のようなパターンを適当に作ったほうが楽だと思います。「輪ゴムの手錠」と呼ぶよりも「蝶ネクタイの開始処理」と呼ぶほうがいいかな。ここからいろいろな派生が生まれるようだったら、名前を考えようかなと思います。
<おまけのひとこと>
就職してシステムのインフラ系の仕事をしている息子が、先月の週末の休日出勤が多かった埋め合わせに今週末は金曜日から三連休になっているそうで、友達と遊びに行ったついでに昨夜からうちに一泊しています。息子が帰ってくるのは2年ぶりくらいでしょうか、ようやくこういうこともできるようになりました。システムのデータのバックアップの話とかに始まって、お酒を飲みながら、私としてはとても楽しく話ができました。息子もお酒が強くなっていて驚きました。