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以前の「ひとこと」 : 2002年3月後半



3月16日(土) タイリング

 以前、何度かこの「ひとこと」でタイリング(タイル貼り)の話をご紹介したことがありましたが、先日このタイリングに関して、とても丁寧に説明したページをみつけました。こちらのTOTALLY TESSELLATEDというページです。英語のページですが、図が豊富なので、ほとんど文字を読まなくても理解できますし楽しめます。特に、ESSENTIALSというところから始まる基本的な説明は大変丁寧でよくまとめられています。

 例えば、こちらのThe Semiregular Tessellationsとか、The Demiregular Tessellationsとかは、正多角形を組み合わせたタイリングの例です。この2つがどのように異なるかというと、前者は、全ての頂点に集まる多角形が同じですが、後者は頂点によっては異なる多角形によって作られています。(それぞれの図の下に書かれた数字が、頂点に集まる多角形を表しています。)

 タイリングというのは、多面体の特殊な例と考えることができます。1つの頂点に集まる頂角の和がちょうど360度になると平面になりますし、それ以下ならば多面体になります。

 <おまけのひとこと>
 ここ2週間ほど忙しかったのが、昨日でちょっとだけ一段落です。3月下旬からはまたかなり忙しくなります。



3月17日(日) ジオシェイプスによるタイリング

 昨日ご紹介したタイリングパターンが気に入ったので、3Dジオシェイプスを使っていくつか作ってみました。ジオシェイプスのユニットは一辺の長さが7.5cmくらいですから、わりと大きなものが出来ます。

ジオシェイプスによるタイリング1 ジオシェイプスによるタイリング2
図 1 図 2

 図1の本物の大きさはだいたい縦65cm×幅60cmくらい、図2のほうは縦横それぞれ90cmくらいです。写真が小さいのと、色があんまり鮮やかでないため、写真ではなんだかよくわからないと思います。特に、壁が白いため白のパーツが消えてしまったように見えます。 それぞれカレンダーを掛けていたところに下げてみたのですが、本物はかなりよい印象です。また、なによりありがたいのは、こうやって平面に組んでおくと立体にしておいたときと違って場所をとらないのがよいです。

 使えるパーツに制限があるため、色の対称性を考えるのが難しいです。例えば図1は三角形が赤と黄色の2色、正方形は白・黒・青の3色を使っています。さてここで問題ですが、この図1のパターンが無限に広がっていたとして、この5種類のパーツの比率はどうなっているでしょうか? (高校の化学で習う結晶格子の考え方の基本です。)

 このジオシェイプスのタペストリーは家族にはわりと好評で、子供たちには「もっとたくさん作って壁いっぱいになるといいね」とか「(フックをつけて)ぼうしとかかばんとかを掛けられるといいね」とか言われました。壁いっぱいにするにはセットをたくさん買い足さないとできないし、何かを掛けるには強度が全く足りません。

 <おまけのひとこと>
 下の子が、このジオシェイプスで立方体や正四面体を作って、喜んで見せに来ました。 以前私が作ったのを見ていた可能性はありますけれども、少なくとも作ったときにはお手本も見本もなかったのは確かですから、かなり感心しました。



3月18日(月) ビーズによる多面体

 どこからリンクを辿ったのか覚えていないのですが、ビーズ細工による多面体というページを見つけて、自分でも作ってみたくなりました。 (ちなみにトップページはこちらなのですが、LaQで作る多面体とか、興味深い内容があります。)

 昨日材料を買ってきて、さっそく作ってみました。とりあえず最初に作ったのが、下の写真の正十二面体です。

ビーズ多面体1 ビーズ多面体2
図 1 図 2

 図1、図2はどちらも同じものを撮影しました。材料はおもちゃ屋さんにあった子供用の大き目のビーズです。糸は細いビーズ細工用のものを使っています。(透明で丈夫なビニールの糸をお店で捜したのですが見つかりませんでした。) 材料費は、ビーズが約50個×8色入りで500円くらい、糸が180円くらいでした。ちょうどいいビーズがなかなかみつからなくて苦労しました。

 写真の第1作は、45分程度かけて作りました。思ったより簡単にできたので、次に斜方立方八面体を作ってみたのですが、これは見事に失敗で、形が整いませんでした。さらに、正二十面体とかも挑戦してみたのですが、やはりきれいにまとまりません。少なくともこのタイプのビーズでは、1つの頂点に4つ以上集まる形状の立体だと全体の形が安定しないようです。 (私の腕が悪いだけかもしれませんが)

 <おまけのひとこと>
 もう少しビーズ細工を探してみると、こんなページもありました。まるでサンゴか何かのようです。このページでは、ゴムを使っているようです。確かにゴムの張力がかかれば、きれいに形が整いそうです。



3月19日(火) 交渉

交渉条件のグラフ  1月から3月まで、毎週月曜日の夕方に英語の研修を受講しています。昨日はネゴシエーション(negotiation:交渉)の練習でした。題材はコンピュータシステムの売買契約交渉で、二人一組になっての練習でした。一人が売り手側、もう一人が買い手側になります。

 売り手側、買い手側にはそれぞれ別々のチェックシートが配られます。チェックシートには、値段、支払い方法と期限、納期、搬入手数料、税金、保証期間、システムの使い方のユーザー教育などに対して、交渉の結果どのような条件を勝ち取ったかによって1〜3点の交渉ポイントが決められています。私は売り手の役を担当したのですが、たとえば納期ならば3ヶ月先でもよいという交渉が出来れば3点、2ヶ月先なら2点、今月末なら1点、即日なら0点、といった具合です。一方、私は見ることは出来ないのですが、買い手側のチェックシートには、当然これとは違った条件が書かれています。

 目的は、お互いに交渉の結果12点以上のスコアを得る事です。例えば私の受け持った売り手側ですが、値段は高いほうがいいし、支払いは早いほうがいいし、納期は遅いほうがいいし、保証期間は短い方がいいし、ユーザ教育は少ないほうがいい。しかし、相手にとっては逆です。

 しかも、このチェックシートがかなり上手に設計されていて、お互いがそこそこ満足できる数値というのがある範囲に限定されるような設定になっています。例えば右の図は、売り手側は2000以上なら3点、1000〜2000なら2点、それ以下なら1点ですが、買い手側は500以下なら3点、500〜1200なら2点、それ以上なら1点という条件の例です。この場合なら、1000〜1200のあいだの条件に落ち着くのが、両者がそれぞれ満足できるための条件になります。

 全ての条件についてこういった微妙な設定がされているわけでもなく、どちらかが譲らないと納まらない条件ももちろんあります。そういったものについては、「これは負けるからそのかわりこっちは譲ってくれ」という話を進めることになります。

 最後に交渉が成立した後でお互いのスコアを確認してみると、私が12点、相手が13点でした。契約というと、つい勝ち負けを連想してしまいますが、両者が満足がいく条件を探す、と考えるべきなのだと思います。

 モノポリーというボードゲームがあります。私はほとんどやったことがないのですが、このゲームがこういった「交渉」のゲームです。私のような初心者がやると、交渉をすることにたいして極端に警戒してしまうのですが、交渉と契約というのは、契約した二人が世の中全体(モノポリーならば他のプレーヤ全員)に対してアドバンテージを得る作業なわけですから、やらないと損なわけです。ただ、初心者のうちは交渉金額の妥当性がわからないため、どうしても臆病になってしまいますが。

 現実の世の中はゲームのように単純ではありませんが、アメリカという国はこういったことをシステマチックに教えているんだなあと思いました。

 <おまけのひとこと>
 読み返してみると、なんだかまっとうな交渉を英語でやっているように読めますが、実体はかなりブロークンで情けないものでした。



3月20日(水) SFと科学技術

 計算機科学や人工生命などの研究で有名な星野力先生が、計測自動制御学会誌(2002年3月号)にSFの中の科学技術という解説を掲載されていました。Webで読むには少々長いですが、SFの歴史と科学技術としてのトピックスをコンパクトにまとめて議論されていて、たいへんお勧めです。

 昨日はちょうどSonyから新しい人型ロボットが発表になっていました。今度のロボットは、声をかけるとその声がどちらの方向からしたのかを判断してそちらを向き、顔画像認識や話者認識によって発話者を判別し、さらに音声認識と音声合成技術によって簡単な対話もできるんだそうです。テレビのニュースで実演しているのを見ました。高級乗用車一台分のお値段なんだそうです。

 自分で技術開発をしてこういったロボットを作り上げるのはとても楽しいでしょうけれども、出来あがったものを買いたいかと言われると、少なくとも現状のレベルでは欲しいと思いません。

 <おまけのひとこと>
 千葉県より大きな氷山という記事がありました。国立アイスセンターという機関があるのですね。上に生き物がいるんじゃないだろうか、とか、最後はどのあたりまで氷のままで辿りつくんだろうか、とかいろいろ気になります。



3月21日(木) 春分の日 猫の本

「黒ねこのおきゃくさま」 「ネコのタクシー」
「黒ねこのおきゃくさま」
ルース・エインズワース 作
荒 このみ 訳
山内ふじ江 絵
福音館書店
1,200円+税
1999年10月初版
ISBN4-8340-1584-X
「ネコのタクシー」
南部和也 さく
さとうあや え

福音館書店
1,200円+税
2001年5月初版
ISBN4-8340-1759-1
 昨日、ちょっと街の本屋さんに行ったら、子供向けの本があったので2冊購入してきました。

 最近はこのあたりでも郊外型の広い駐車場のあるお店が増えています。そういったお店はレンタルビデオとか中古ゲームソフト屋さんとかとスペースを共有していたりして、売っている本もいわゆる「売れ筋」ばかりです。

 昨日寄った本屋さんは、駅の近くにある昔からの本屋さんで、お店も狭いのですが品揃えはうちのあたりにしてはしっかりしていてとても感心します。


 「ネコのタクシー」の方は、以前図書館で借りて、子供たちが大変気に入っていたものです。足が速いのが取り柄のネコが、自分の足で地面を蹴って進む車を作ってもらってタクシー屋をはじめる話です。なんとなく「魔女の宅急便」と状況設定が似ていると思います。 下の子がこの話を気に入って、ダンボール箱に穴を2つ開けてそこから足を出して、ぬいぐるみをお客様にしてタクシー屋をやっていました。そのうち店頭で見かけたら買ってやろうと思っていた本だったので、早速購入しました。

 本屋さんの同じ並びに、「黒ねこのおきゃくさま」も置かれていました。(本の大きさも同じです。)こちらの方は、絵本と言った方が正確だと思います。一人暮しの貧しいおじいさんのところに、ある寒い冬の夜に黒猫がやってくるお話で、大人ならば5分もあれば読めてしまう本ですが、シンプルでよいお話だと思います。また、絵がとても美しいです。この絵に惹かれてこの本を買いました。

 「黒ねこのおきゃくさま」は、小学校中学年の読書感想文の課題図書になっているんだそうです。小学校中学年にしてはお話が単純過ぎるのではないかと思いました。


 そういえば、今朝の新聞に載っていたのですが、斉藤洋の「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズの第3作が出ているのですね。「ルドルフと いくねこ くるねこ」というんだそうです(講談社:1,300円)。知りませんでした。さっそく探して買わねば。

 <おまけのひとこと>
 今朝の新聞の折込広告に、郊外の大きな本屋さんのチラシが入っていました。そこに、「映画公開記念:ロード オブ・ザ リング 〜指輪物語〜 指輪を手にしたものが世界を救う」というキャッチコピーが書かれていました。指輪物語の原作は大好きで、何回読んだかわかりません。「指輪を手にしたものが世界を救う」ってそれは全然違うんじゃないかと思うんですが…



3月22日(金) 「ルドルフと いくねこ くるねこ」

 昨日のひとことで書いておいた、「ルドルフといくねこくるねこ」(斉藤洋・作 講談社 2002年2月初版 1,300円 ISBN4-06-133521-9)を「本屋さんで見た」という情報をいただいたので、早速教わった本屋さんに行って買ってきました。 上の子が大ファンなので、私が読み終わるまで内容について話さないように念を押した上で先に読ませてやりました。

 子供が笑ったり真剣な顔をしたりしながら2時間ほどで読んでしまったので、続いて私も読んでしまいました。もったいないのでゆっくり読んだつもりだったのですが、ついつい内容に惹かれて気がつくと1時間程度で読み終えてしまいました。とりあえず子供に、「題名の中に出てくる“いくねこ(行く猫)”と“くるねこ(来る猫)”って誰のこと?」と尋ねてみましたが、ちゃんと期待した返事が返ってきて安心しました。

 シリーズ物の最新作というのはいつも期待と不安があるものです。今回のものは、最初に読み終わった直後にはほんの少しだけ違和感を感じましたが、基本的には今までの世界を壊すことなく、満足できる続編だと思います。

 昨日はお彼岸だったので、おはぎをいただいてきました。写真が小さくて白っぽくてよくわからないかもしれませんが、左上がきな粉、右上があんこ、左下がごま、そして右下がくるみです。くるみはちょっと珍しいのではないかと思います。

おはぎ

 子供たちがとても気に入って競争で食べていました。おみやげに20個くらいいただいてきたのですが、夕ご飯にもおはぎを食べると言い張って、半分くらい食べてしまいました。(大人は別のメニューでした。)

 <おまけのひとこと>
 昨日は風が強くて全国的にいろいろ大変だったようです。うちの前の道にも、ダンボール箱とかサンダル片方とか、変なものが飛ばされて来ていました。



3月23日(土) 矢印
白い矢印

 この週末は、図形を平面に隙間無く敷き詰める“タイリング”(タイル貼り・タイル敷き)について少し調べてみました。この話題は以前にも何度かここで取り上げた事がありますが、奥が深い世界です。

 面白かったものを1つ紹介します。右の図は、背景がグレーの白い矢印です。さて、この図を上下左右にぎっしりと並べたら、どんな風に見えるでしょうか。まず、頭の中で想像してみてください。 どんな風に見えるかイメージできたら、右の図をクリックしてください。 右の図が背景(壁紙)として繰り返し貼りつけられた窓が開きます。(というつもりです。)

 …ご想像いただいたイメージと合っていましたか?

 <おまけのひとこと>
 2つの図形によるタイリングにおいて、どちらか一方に注目するともう一方は背景として認識されます。この「図と地の問題」は、認知科学において議論される話題です。



3月24日(日) 紙テープを編む

 子供の頃、母から教わった「1枚の紙テープを編む方法」を、簡単なアニメーションにしてみました。右側のテープは後ろ側へ折り、左側は手前に折ります。そうすると左側のテープが上になりますが、そこで上下を入れ替えることによってきっちりはまります。

紙テープを編む

 この図では、最初に折る角度を直角にしていますが、理論的には角度は自由です。紙テープを平面に編む方法もいろいろあって、とりあえず2本、3本、4本というようにテープの本数を増やして行くことができます。原理的にはここで紹介した1本のものと同じで、左右でそれぞれ逆側に折って、中央の重なった部分の上下を入れ替える、という作業になります。テープの本数を増やして行くと、折り上がるものの幅が広がりますし、使える色も増えるため、凝ったものが作れます。ただしだんだんちゃんと平面にならなくなってきて、ねじれてきます。

 <おまけのひとこと>
 2本以上になると、図を描くのもとても大変です。



3月25日(月) 自家製ジェットコースター

 こんなページを見つけました。自分の家の庭に、一人乗りのジェットコースター(ローラーコースター)を作ってしまったんだそうです。ページの下の方に、

Click Here for more Blue Flash pictures!

と書かれていて、この“Here”をクリックすると、全部で6ページくらい写真が載っています。後半では、小さな子供も乗せていて、安全性は大丈夫なんだろうかと不安になります。

 <おまけのひとこと>
 3日分まとめての更新です。



3月26日(火) ナバホの構え

あやとり:ナバホの構え  あやとりの“とりはじめ”の状態を「構え」と言います。両手の親指と小指に糸をかけて長方形を作り、てのひらを横切る糸を、反対の手の人差し指か中指で取り合う形が一般的で、「さかずき」や「四段ばしご」、「かめ・ゴム・飛行機」など、様々なあやとりがここから始まります。

 右の図は、ナハボ・インディアンのあやとりで多用される構えで、「ナハボの構え」というものです。「弓」とか「稲妻」とか、この構えからスタートして出来る美しいあやとりがたくさんあります。

 この構えは、親指と人差し指で作られる大きなバッテンと、親指同士、人差し指同士にかかる水平な横糸からなります。親指同士の横糸はバッテンの下、人差し指同士の横糸はバッテンの上でなければいけません。

 この構えを作るには、糸で8の字を作って、人差し指は8の上の輪に外側から入れ、親指は8の下の輪に内側から入れると図のようになります。慣れると簡単なんですが、こういうのも文字と図だけで説明しようとするとなかなか厄介なものです。

 あやとりを簡単に記述できる言語が欲しいと思っています。それがダメなら、糸の状態を簡単に記述したら、糸と手の3次元データが生成されるようなシステムが欲しいな、とも思っています。どっちも大変そうです。

 <おまけのひとこと>
 あやとり、というのは英語ではString Figure(糸の図形)とか、cat's cradle(猫のゆりかご)とか呼ばれます。「猫のゆりかご」というのは、日本でも盛んにとられる、いわゆる「ふたりあやとり」のことだそうで、ふたりあやとりで出てくるパターンのどれかの名前なんだそうです。



3月27日(水) いろいろ

 最近見かけたニュースより。

 吹き掛けるだけ、花が倍に(産経新聞)。もともと植物に含まれるある種の化合物(脂肪酸の一種らしいです)の水溶液を噴霧すると、花の数を1.5倍から2倍にすることができるんだそうです。資生堂の基盤研究センターというところの研究者の仕事だそうです。サントリーとかの飲料メーカーも植物の研究をしていたと思いますが、化粧品メーカーもやっているんですね。まあ確かに言われてみれば、香料とかの研究で天然化合物のプロがいるのは当然という気はします。

 ドイツのハノーバーで開催されたCeBIT(シービット、と発音するようです)という情報機器の大展示会で展示されていたという仮想キーボード。机の上に仮想的なキーボードのパターンを映し出して、そこを叩く動作をするとキー入力ができるというもの。使いやすいんでしょうか。 仮想マウスにもなるらしいです。

 「運転中の携帯電話の使用は、飲酒運転よりも危険」との調査結果を公表。こういった調査は、元データにきちんとあたらないと結論を誘導されがちですので注意が必要ですが、携帯電話で通話中の車によって怖い思いをしたことが何度もあります。 一番ひどいのは、青信号の横断歩道を手を挙げて渡っている途中に、右折車に突っ込んでこられたこと。 T字路の交叉点で、T字の横棒を横断しようとしていたときに、同じく青信号になったT字の縦棒方向の車が右折してきたのです。片側2車線の道で、1台は止まってくれたのですが、その1台を追い越して、もう1つの車線に突っ込んできた車がいたのです。その運転者が電話で通話中でした。急いでいたんでしょうか。

 <おまけのひとこと>
 久々の雨です。



3月28日(木) 公転周期5分の連星系

 たった5分で公転する連星系が見つかったというニュースがありました。2つの白色矮星が、お互いの周りをたった5分で回ってしまうのだそうです。さらに、2つのうちの片方は、自転周期もやはり5分なのだそうです。この2つの星はたった8万kmしか離れていないんだそうです。ちなみに、地球と月はだいたい38万km離れていますから、それよりもずっと近いことになります。それにしても5分というのはとんでもなく速いです。

 この話を聞いて、「星の王子様」に出てくるガス灯の点灯夫の住む星のことを思い出しました。点灯夫の星は自転周期がわずか1分であるため、彼は自分の星の唯一のガス灯のあかりを30秒ごとに点けたり消したりしていました。 (もちろん白色矮星は、人なんかが行かれる場所ではないんですが…)

 月までの距離がどのくらいだったか、記憶していた数字に自信がなかったのでちょっと調べてみたら、こことかこことかこことか、面白いページがありました。ちなみに宇宙空間での距離は、いわゆる「天文学的数字」になってしまって覚えにくいので、光だったらどれだけかかる、という覚え方の方がわかりやすくて好きです。(光年という単位がまさにそれです。) 月だったら1秒ちょっと、太陽だったら8分19秒、といった数字を覚えています。じゃあ光の速さはというと、「1秒間に地球を7回半まわる」ということで覚えています。では地球の一回りは何キロあるかというと、そもそもは北極から赤道までの距離の一千万分の1というのがメートルという単位の起源ですから(定義ではありません)、地球一周はほぼ4万kmです。

 とすると、光の速さは毎秒地球7回半だから、毎秒 4万km×7.5=30万km、とすると月までの距離は30万km/秒×1.3秒=39万km、ということになります。(この数値でだいたい合っていたはずなんですけれども、自信が無かったので調べたら、平均すると38万4400kmという数字が出ていました。)同様に、太陽までは8分19秒だから約500秒、従って距離は30万km/秒×500秒=1億5000万km、という計算になります。

 <おまけのひとこと>
 ガリレオが光の速度を調べようとして、遠く離れた山の頂にランプを持って待機し、相手の光が見えたらすぐに自分のランプのカバーを外す、ということをすることによって、光の往復する時間を測定しようとした、という話があるんだそうです。これだと、目から光が入ってきて、それを認識して、脳が運動系に命令を出してランプのカバーを外す、という時間が含まれてしまいます。これは光の速度に比べて極めて遅いため、この実験では人間の反応速度を測定する実験になってしまいます。でも、基本的なアイディアは極めて真っ当です。



3月29日(金) 大阪

 大阪に行きたくなってしまいました。

 メールで教えていただいたのですが、今大阪市立科学館では、春の企画展と題して、 数学と遊ぼう かたちと数のワンダーランド というのをやっているんだそうです。3月9日から4月7日までだそうです。実に楽しそうな展示がたくさんあって、とても行ってみたいです。そのうち話題として取り上げようと思っていた「廊下を曲がる椅子」の話などもあるようです。また、以前このページでもご紹介したコロコロリングの巨大バージョンもあるようです。

 もう1箇所、大阪で行って見たいところが こどものための博物館 キッズプラザ大阪 です。(あくまでも自分が行きたいのです。いえ、子供も連れて行ってやりたいとは思うんですが。)何が見たいかというと、ここの1階にボールサーカスがあるというので、是非見てみたいのです。例えば、こんなページに、いろいろ感想が載っていました。こちらのほうは常設展示なので、別にいつ行っても見られるようです。

 連休だった先週末にこの情報を知っていたら、片道5時間くらいかけて日帰りで大阪に行っていた可能性が高いです。今週末だとちょっと(かなり)厳しいです。なんとか行かれないかな…

 <おまけのひとこと>
 でも、大阪に遊びに行くと言えば、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に行くものだと思われるんでしょうね。



3月30日(土) 蛇腹

蛇腹折りの花瓶  今日はずっと家にいました。子供たちが折り紙で花をたくさん作って、それを飾る花瓶になるものが欲しいというので、「探すより作ろう」ということになりました。とりあえず簡単で見栄えがするものということで、蛇腹折りの造形を教えてやることにしました。

 最初に紙を細かく蛇腹に折ります。次に、最終的な造形を考えながら角度をつけるところを決めます。蛇腹をいったん完全に開いて、角度をつけたい部分を、蛇腹の折り目と直角に折込みます。そのまま再び蛇腹折りの折ぐせをつけて、今度は折込んだ部分を希望の角度になるまで引き出します。

 最後に、蛇腹の両端を繋いで回転体の形にして完成です。図の花瓶は私がお手本に作ってみたものなのですが、紙の長さが足りなかったためぐるっとひとまわりさせられませんでした。仕方がないので厚紙に貼りつけて、半分の花瓶にしました。

 行きたいと思っていた大阪市立科学館の数学展ですが、調べてみたらこんなページがありました。1999年の暮れに東京の国立科学博物館でやっていたのですね。それから多摩や仙台など、全国を巡回していたのですね。私はなんで知らなかったんでしょうか。残念無念。

 <おまけのひとこと>
 子供たちには蛇腹の花瓶はあんまり好評ではありませんでした。蛇腹まではともかく、角度をつけるのが難しすぎたようです。



3月31日(日) 多面体の万華鏡

 大阪市立科学館の数学展の展示の紹介ページの最初に載っていた錐体鏡(すいたいきょう)を見て、多面体の内側に鏡を貼って中にはいったらどんな風に見えるのか興味が湧きました。さっそくコンピュータグラフィックス(CG)でどんな絵になるのか作ってみました。

 わりと分量が増えたので、久々にあそびのコラムにまとめることにしました。というわけで新作“多面体の内側”です。

 <おまけのひとこと>
 おもしろいCGがたくさんできましたので、順次ご紹介してゆきたいと思います。が、画像ってサイズが大きいんですよね。困った…



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