以前の「ひとこと」 : 2021年9月前半
9月1日(水) Lトロミノのパズル(その1)、あやとり「吉田の構え」と「ともさん」
9月です。
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昔、家族から誕生日プレゼントで貰った箱詰めパズルを久々に取り出してきて遊んでみました。
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Fig.1 立方体が3つ、L字型につながった L-トロミノ 9つを 3x3x3=27 の箱に詰めるパズルです。それだけなら何も難しいことはないのですが、いくつかのピースにはピンが取り付けられていて、そのピンが通る穴が箱の側面に空いています。
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Fig.2 ピースの構成はこうなっています。L字の折れ曲がった角の部分にピンが付いているピースが2つ、端の立方体にピンが付いているピースが4つ、そしてピンが無いピースが3つです。
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Fig.3 穴の位置は、箱の底を時計の文字盤だとすると、12時方向と6時方向の側面には1段目と3段目の中央に2つの穴が、3時方向と9時方向の側面には2段目の中央(=面の中心)に1つの穴が、それぞれ空いています。
この手のパズルに慣れている方なら、これだけの情報で実物が無くても解けてしまうかもしれません。ただ、実物は順に詰めていかないといけないので、完成形がわかっていても順番を間違えると入らなくなります。そこが面白いです。
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今年になって、「パターンあやとり」という遊びにすっかりはまってしまって日々ご紹介していますが、この「パターンあやとり」を気に入って下さっていろいろ試していただいている、あやとり協会の多摩市の吉田さんから、創作あやとり作品を教えていただきました。ご紹介します。吉田さんはこの創作あやとりに「ともさん」と名付けられています。
この創作あやとりの手順ですが、吉田さんが考案されたオープニングから始まります。このオープニングから始まる「パターンあやとり」もいくつか試されているということで、便宜上「吉田の構え」と呼ばせていただくことにします。最初にこのオープニングをご紹介します。
「ナウルの構え2」(五本指の構え)から、人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移します。必要に応じて中指の輪を人差し指に移します。
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吉田の構え
- ナウルの構え2(五本指の構え)
- 人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す
- (中指の輪を人差し指に移す)
この「吉田の構え」から、焼け焦げた葉のククイ を取ると「ともさん」の完成です。
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ともさん by 吉田
- 吉田の構え
- 焼け焦げた葉のククイ
実はこれ、7月6日にご紹介している吉田さんの作品と、手順は違いますが出来上がりは同じです。このオープニングから始まるパターンあやとりをいくつか試してみました。明日以降ご紹介したいと思います。
(つづく) ○
自宅の前の道は車の行き違いができない幅しかありません。何か所か退避できる場所があるのですが、そこ以外の場所で対向車がいると、どちらかが下がらなければなりません。そういうことは1年に1回くらいあるかないかの頻度です。昨夜の帰宅時に、宅配便のトラックと狭い場所で向かい合ってしまいました。そのトラックは、道路わきの小さな畑が退避所に見えたらしく、そこに突っ込んできました。あわてて「そこ、畑なので入ったらダメですよ」と言ったら、そこで止まってしまいました。
トラックのほうが下がる距離が短かったのですが、畑に気付かないくらいですからこの道には慣れていないのでしょう。仕方がないのでかなりの距離を戻りました。(地図で見ると、トラックがバックするなら20mくらい、私がバックした距離は60mくらいでした。)せめて御礼の合図くらいしてくれるかなと思ったのですが、それすらありませんでした。こちらは地元で慣れていますし、車も小さいので下がるのはやぶさかではないのですが、配送のトラックはきっと忙しくて気持ちに余裕がないのだろうな、かわいそうに、と思いました。
<おまけのひとこと>
数週間前から自宅の前の防犯灯(街灯)が暗くなってきてチカチカと点滅して不便でした。昨夜、地元の消防団と思われる方々が電柱に上って交換してくれました。ありがたいです。
9月2日(木) L-トロミノのパズル(その2)、あやとり
突起のあるL-トロミノのパズルの解析と、あやとりの話です。
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昨日ご紹介した、いくつかピンが打ってあるL-トロミノ9個を 3x3x3 の立方体の箱に納めるパズル、本質的に異なる解がいくつあるのだろう? と思って解析してみました。
いつも使っている解析ツール BurrTools を使います。ピンを立てるモデルを作るために、単位立方体を 3x3x3 で表現します(Fig.1)。
Fig.1 目的のかたちは 9x9x9 の立方体にピンに相当する6つの単位立方体を取り付けたかたちになります(Fig.2)。
Fig.2 探索してみると、解は2つあることがわかりました。どちらも実際に組み入れることができました。
なお、ピンの無い普通のL-テトロミノ9個で 3x3x3 の立方体を組む方法は 111通りあるようです。
Fig.3 ○
昨日の吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)から、まずはナウルの太陽を取ってみました。
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hh210902-1a
- 吉田の構え
- (中指の輪を人差し指に移す)
- ナウルの太陽
- カロリン展開
「吉田の構え」は親指・小指が二重になった「三本指の構え」です。といっても、単に二重になっていると説明だけでは下記の右側のほうを連想する方が多いかと思います。
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吉田の構え 親指・小指が二重の「人差し指の構え」 「吉田の構え」は親指・小指の二重の輪のうちの1つが8の字型にクロスしているところが特徴で、その2つの8の字型に由来する大きなX字型のパターンが上下に2つ、「ナウルの太陽」のパターンに重なっています。
短い糸で取ると、また印象が変わります。(短すぎて仕上げのカロリン展開ができなかった)
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hh210902-1b (つづく) <おまけのひとこと>
もう1つ、書きたい雑談があったのですが時間切れです。(親指・小指が二重の三本指の構えの写真が欲しくなって準備したりしていたら遅くなってしまいました。)
9月3日(金) 三角柱の組み合わせ(その1)、あやとり、他
パズルらしい画像のご紹介とあやとりの話です。
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Pinterestを見ていたら、こちらにこんな画像がありました。(クリックすると少し大きな画像を表示します。)
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いったいこれは何でしょう? 目的のかたちはどんなかたちでしょう? 仮に自作するとしたら、どうやって作りますか?
(つづく) ○
吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)から、ナウルの太陽を2回取ってみました。下左は「正ナウルの太陽」を2回、下右は「逆ナウルの太陽」→「正ナウルの太陽」です。
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hh210903-1 hh210903-2
- 吉田の構え
- (中指の輪を人差し指に移す)
- ナウルの太陽(1回目)
- ナウルの太陽(2回目)
- カロリン展開
- 吉田の構え
- (中指の輪を人差し指に移す)
- 逆ナウルの太陽
- 正ナウルの太陽
- カロリン展開
特に左側のパターンが気に入りました。
(つづく) ○
神戸と名古屋と東京の大学の先生お三方との3時間ほどのNet会議に参加しました。2時間の予定が話が盛り上がって1時間超過しました。とても刺激的で面白い議論でした。
休憩時間と称する雑談の時間に、お茶(茶道)の話になりました。お三方のうちお二人(そのうちお一人は男性の教授、もうお一人は女性の教授でした)が茶道をやっておられるそうで、「バーチャル茶道」の話で盛り上がっていました。バーチャル空間に「たいあん」を再現してそこに入ったらすばらしかった、という話をされていました。
「たいあん」って何だろう?と思って話を聞いていたのですが、国宝の茶室で、「待庵」と表記するのですね。(かな漢字変換では出てきませんでした。)大学で茶道部の部長をやっていた娘に「知ってる?」とLINEで尋ねてみたら即答で「千利休の作った茶室だよね」と返ってきました。
工学系がご専門の大学の先生が茶道のような日本の伝統文化をたしなんでいるというのは素敵だなあと感心しました。
<おまけのひとこと>
職場で上履きに使っている靴がだいぶ傷んできました。かかとがすり減って、歩くと疲れます。今週末に買おうと思っていますが、昨日はふと思い立って歩くときは常にかかとを浮かせたまま歩いてみました。昔、学生時代にバレー部の友人が靴底の後ろ半分を切り取って、常にかかとを浮かせて歩いていたのを思い出しました。運動にはなったかもしれませんやっぱり買い換えます。
9月4日(土) 三角柱の組み合わせ(その2)、あやとり
三角柱のパズルの自作の話とあやとりの話です。
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昨日のこの画像(表示を縮小しました)
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を見て、多分これはこうやって遊ぶのだろうと見当がつきました。実際に作ってみたくなりました。直角二等辺三角柱の側面だけの筒を紙で作って貼り付けるのが楽かなあと思ったり、いやでもそれだと見栄えが悪いかなと思ったりしました。断面が直角二等辺三角形の工作用の棒材を買ってきて切り刻もうかなと思ったり、発泡スチロール製の立方体を半分に切断しようかと思ったりしました。
考えているうちに、このかたちの単位ピースを大量に持っていることをふと思い出しました。
これを使って作ることにしました。クリアホルダを正方形に切って、そこに3つもしくは2つの単位ピースを両面テープで貼り付けました。
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遊ぶ準備ができました。
(つづく) ○
ハワイの亀というあやとり作品があります。(短い糸で取ってみました。)
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吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)から、この「亀」を取ってみました。
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hh210904-1
- 吉田の構え
- 中指の輪を人差し指に移す
- ハワイの亀(ちょっとだけアレンジ)
- 親指で人差指手前の糸を取る
- 小指で人差指向こうの糸を取る
- 親指と小指でナバホ取りする
(「吉田の構え」の2本の糸を外す)- 親指で小指から人差指への糸にかかる水平の糸を取る
(1本だけ)- 小指で親指から人差指への糸にかかる水平の糸を取る
(1本だけ)- 親指と小指でナバホ取りする
もはや「亀」らしさはありませんが、パターンが面白いです。気に入って飾りました。
(つづく) ○
ほぼ毎日ご紹介している「パターンあやとり」の一覧が見られるように、新たにあやとりの記録 というページを作りました。「これもう載せたっけ、まだだっけ?」と迷うことが増えてきたためです。とりあえず7月、8月分を作りました。
7月より前のものには整理番号を振っていないので、その作業をしつつ、さかのぼってゆきたいと思っています。
<おまけのひとこと>
東洋水産のスープカレーラーメンのファンなのですが、このあたり(長野県)では普段は手に入らないのです。たまに物産展とかで売っていると、喜んで買ってきます。昨日、妻が5食入り1パックを買ってきてくれました。粉末スープ、半分で充分足りるので1つを2回に分けて使っています。塩分対策です。
9月5日(日) 三角柱の組み合わせ(その3)、あやとりの記録ページ、他
三角柱のパズルで遊んでみた話とあやとりの話です。
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昨日作ってみたパズルで遊んでみました。
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すでにお気づきだと思いますが、これは6つのパーツを組み合わせて立方体を組むパズルです。単位となっている直角二等辺三角柱が全部で16個ありますから、うまく組み合わせれば2x2x2の立方体になるのです。
こんな風に立方体4個の合同な2つを作ることができます。
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妻にも渡して試してもらいました。わりとあっさり完成させてくれました。「面白い」と言ってもらえてうれしかったです。
作って遊んでみると楽しいです。お勧めです。
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今日は新しいあやとりの話はお休みです。
あやとりの記録というまとめのページを作っているのですが、改めて気が付いたことがありました。6月13日にご紹介したパターンあやとりと、8月6日にご紹介したパターンあやとりの出来上がりが同じに見えるのです。
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hh210613-1 hh210806-1 よくよく見ると、糸のかかり方が違う箇所があります。左は「ナウルの構え1」(4本指の構え)から人差し指と中指の輪を入れ替える操作をして、TSNCF(タイガーショベルノーズキャットフィッシュ)の終了処理をしています。右は、「魚の罠」からTTFの拡張処理(2本指→4本指の処理)をしてTSNCFの終了処理をしています。
こういうことに気が付くことができたので、一覧表を作ってみて良かったと思っています。大変でしたが。
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こんな「面白画像」を見かけました。(引用元を控えるのを忘れました。すみません。)
(a+b)n を expand(展開) せよという問題に対して「表記を広げる(expand)」という解釈を試みたというものです。 これを見て、昔、高校の英語の授業で似たような事例があったことを思い出しました。英語の問題の題意に対して間違った解釈をした、という例です。
高校に入学したばかりの最初の英語の授業は、1か月間は先生は完全に英語しか話さず、授業中に日本語を一言も発しませんでした。たいへんインパクトがありました。単なる地方の公立高校です。受ける側もみんな公立中学出身で(そもそも私立中学などというものはありませんでした)、義務教育の英語を普通にやってきただけです。先生が一人ずつ当てながら英語の問題を英語で問いかけ、合っていればOK、間違っていたら正解と解説を(全部英語で)説明してくれる、というハードな授業でした。
その先生がある生徒に、“Mr. S, please change your voice.” と言ったのです。(幸運にも私ではありませんでした。)言われた側がきょとんとしていると、もう一度、“Please chane from active voice to passive voice.” と言われました。 言われたSさんは困って、「声を変えろ」と言われているのだと解釈して声色を変えてその文を読んだのです。先生は失笑していいましたが(ちょっと意地が悪い)、一緒に笑えた人は教室の中には誰もいませんでした。
ここでいう “voice” は「声」ではなくて「態」なのです。「今の文を能動態から受動態に変えなさい」(=受け身の文に変えなさい)と言っているに過ぎなかったのです。意味が分かれば簡単な問題だったのでした。おかげさまで voice の意味の1つに能動態、受動態の「態」というのがあるのだということをしっかり覚えました。
週に何コマかある英語の授業はとても緊張する時間でした。大変個性的な授業をされる先生がどの科目にもいらして、大変でしたが高校ってこんなに面白いんだ、と感激したものです。ちなみに5月連休明けの最初の英語の授業で、件の英語の先生が教室に入ってくるなり日本語で話し始めて教室内が騒然としました。その時に話された内容、「諸君はなぜ英語を学ぶのか」という話も大変印象的で今でも覚えています。要約すると「全員が外国語を学ぶのは、日本語をより深く理解するためだ」という話でした。その結論の是非はともかく、そういう発想を初めて知ったのがこの時でした。
<おまけのひとこと>
昨日から今日にかけて大雨です。私は自宅に閉じこもっているのは大得意なので天気が悪くても気になりませんが、全国各地で災害はこれ以上起こらないでほしいなあと思います。
9月6日(月) 折り紙の靴、あやとり、他
単発のおりがみの話と、いつものあやとりの話です。
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pinterestで こんな折り紙の動画 を見て、真似して作ってみました。
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動画を見るとわかりますが、これ、片足分を作るのにつま先部分と靴底とかかと部分の2つのユニットを組み合わせています。そのため一足を作るには正方形の折り紙用紙が4枚必要です。しかも靴底部分が安定しないので接着しました。用紙は8.5cm角くらいの表裏同色の正方形のメモ用紙を使っています。
面白がって作ったのはいいのですが、どうするんだろうこれ。 まあしばらくは飾っておきます。
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吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)からこんなパターンあやとりを取ってみました。
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hh210906-1 親指・小指に四重の輪がかかった状態でかたちを整えるよりも、一番外周の糸だけを外側に離すように整えるほうがバランスがよく美しいかたちになると思いました。「吉田の構え」から取るあやとり作品は、最後に親指・小指にたくさんの輪がかかるパターンになります。今回試みた「パターンを内側の指(人差し指・薬指)に移して、最外周の糸だけを親指・小指で広げる」という仕上げのテクニックは使えそうです。
(つづく) ○
ところで上のあやとりの写真ですが、今回は下の写真の「人絹飾り紐」というひもを使いました。いつもは下の「カラーひも」という長さ3mのひもから輪を作っていますが、「吉田の構え」から始めるあやとりは親指・小指にかかる輪の数が増えるので、普通の長さの糸で取るとパターンが極端に小さくなって取りにくいのです。なので、4.8mくらいの長さに紐を切ってそれを輪にして取りました。もはや「始めの構え」で親指・小指に糸を掛けて両手をいっぱいに広げても糸がピンと張らないくらいの長さです。
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この「人絹飾り紐」、滑りが良くて弾力があり、伸縮性もあります。摩擦に頼ってかたちを整えるのが難しい素材でした。
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あやとりの記録のページ、過去にさかのぼって追加をしています。頑張って5月、6月を追加しました。次は4月、と思って見てみたのですが、今見ると写真が気に入らないのです。過去の写真を差し替えるまではやらないにせよ、あやとりを取り直して写真を撮り直そうかなあと思っています。
<おまけのひとこと>
つい先日までものすごく暑かったと思ったら、急に涼しくなって体調管理が難しいです。ちょっとのどが痛くてまずいです。
昨夜は大雨で、市内の一部の地域に避難指示が出ていました。何もないといいのですが。
9月7日(火) ペントミノでシルエットパズル、あやとり、他
ペントミノの話とあやとりの話です。
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様々な遊び方が考案されているペントミノですが、
12 types of pentomino この12種類のペントミノ1セットを使ったシルエットパズルというのもいろいろデザインされているようです。シルエットパズルとしてのペントミノというのはあまり馴染みがありませんでした。身の回りのものや生き物、乗り物など、いろいろあるようです。例えばこちらのサイトには円を分割したピースによるシルエットパズルや、ペントミノによるシルエットパズルなどが紹介されています。乗り物のシルエットをいくつか作図してみました。(リンク先では解が明かされていますが、図が間違っているものがいくつかありました。)
Silhouette puzzle with 12 pieces of pentomino AとBはタンク(戦車)、Cは蒸気船でしょうか、Dは蒸気機関車、Eはパンタグラフがありますので電気機関車、Fは何だろう、ディーゼル機関車?、Gはトラックでしょうか。
ペントミノは本当にいくらでも遊べるなあと思いました。
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吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)から、2つの星です。
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- 吉田の構え
- 2つの星
- パターンを人差し指と薬指に移す
- 人差し指の4本の輪のうち、人差し指手前どうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
人差し指の根元付近で親指で取る- 薬指の4本の輪のうち、薬指の向こうどうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
薬指の根元付近で小指で取る昨日の仕上げのテクニック(パターンを内側の指に移して、最外周の糸だけを親指・小指で広げる)を早速適用してみました。ちょっと(かなり)仕上げが甘いです。
(つづく) ○
今日の早朝にカーテンを開けてみたら雲がきれいだったのです。朝5時10分くらいに撮った写真です。
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八ヶ岳のシルエットがいい感じです。あと半月もするとお彼岸です。朝、明るくなる時間もだいぶ遅くなってきました。
<おまけのひとこと>
一昨日の日曜日の夜、豪雨で市内に避難指示が出されました。我が家の地区からは遠く離れた場所だったのですが、翌朝になって、土砂災害があって道路や建物に被害が出ていることを知りました。でも、人的被害は確認されていないそうで、的確な避難指示だったのではないかと思いました。避難指示を適切に出すというのはとても難しいと思います。安全側に考えて軽々しく多発すると「オオカミ少年」状態になって誰も本気にしなくなってしまうでしょう。一方で不幸にして災害が発生してしまった場合、避難指示を出せていなかったら「なぜ出さなかったのか」と責められるでしょう。
今回は極めて狭い範囲でだけ大雨が降ったそうです。予報というのがどんどん精密に正確にできるようになってきているのだな、と思います。そういう学問をやっている人、そういう仕事をしている人が評価され、そういう道を志す人が今後も続いてほしいなと思います。
9月8日(水) 正偶数角形の問題(その1)、あやとり、他
正偶数角形の問題とあやとりの話です。
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正方形、正六角形、正八角形の問題です。
When the area of a regular polygon is 1, what is the area of a yellow triangle? 正方形の2本の対角線で区切られる直角二等辺三角形(上の図左の黄色い部分)の面積は、正方形の4分の1です。 図中央の正六角形の頂点を図のように結んで黄色い三角形を作ると、正六角形の面積を1としたとき、この三角形の面積はどのくらいでしょうか。 同様に図右の正八角形だったらどうでしょう?
(つづく) ○
吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)からパターンあやとりのテクニックを組み合わせてみました。簡単に言うと「吉田の構え」→「内側3本指でガイアナの星」→「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ(TSNCF)の終了処理」です。この「簡単に言える」というところがパターンあやとりの魅力の1つです。
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- 吉田の構え
- 内側3本指で「ガイアナの星」
- 中指を外す
- 親指・小指の(二重の)輪を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュ(TSNCF)の終了処理
- パターンを親指・小指に移す
各指には4本ずつの輪がかかる- パターンを改めて人差し指・薬指に移す
TSNCFの処理では人差し指・薬指はパターンの上から指を入れているが、
親指・小指を経由してパターンの下から指が入っている状態になっている- 人差し指の4本の輪のうち、人差し指手前どうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
人差し指の根元付近で親指で取る- 薬指の4本の輪のうち、薬指の向こうどうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
薬指の根元付近で小指で取るこれも、長い「人絹飾り紐」のあやとり紐で取りました。ナウルの太陽 と ダンスの舞台 が重畳したようなパターンになっています。
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「吉田の構え」から様々な伝承あやとり作品を取ってみて、何か面白いものができないか試してみています。「人差し指の構え」から始めるあやとりだったら試してみることはできるのですが、例えば「四段ばしご」のように、「人差し指の構え」からいきなり親指を外してしまうようなあやとりは、せっかく親指を二重にする意味がなくなってしまうのでやってみていません。親指と小指の輪が最後のパターンに影響するようなものは…と思って探してみています。
鳩 と メロン貝 を試してみました。いずれも冒頭の「吉田の構え」の親指と小指のクロスしたパターンが最後の図形の上下の大きなX字型として重畳したかたちで残っています。
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sf210908-1
鳩hh210908-2
吉田の構え → 鳩
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sf210908-2
メロン貝hh210908-3
吉田の構え → メロン貝オープニングの装飾が完成形で読み取れるというのは面白いのですが、とはいえ単独で見たときの完成形のパターンが魅力的かというと、あんまりかなあと思うのです。(でも一応 あやとりの記録 には載せておきます。)
<おまけのひとこと>
サーバへの転送、忘れていました…
9月9日(木) 正方形と円の問題(その1)、あやとり
正方形と円の問題とあやとりの話です。昨日の正偶数角形の問題は、答だけ最後に書きます。
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昨日の正方形・正六角形・正八角形の問題の解説は保留して、別の図形の問題のご紹介です。これは算額からの問題のようです。
Problem 1
What is the ratio of radii a to b?正方形の1辺を半径とする4分の1の円弧を2つと、正方形の1辺を直径とする半円を図のように描き、そこに内接する大小2つの円AとBを考えます。円Aの半径aと円Bの半径bの比を求めなさい、というのが問題です。
もう1問、問題2です。
Problem 2
What is the ratio of radii p to q?問題2は、同様に正方形の1辺を半径とする4分の1の円弧を2つに内接する大小2つの円Pと円Qの半径pと半径qの比を求めなさいという問題です。
円の問題というのは面白いですね。
(つづく) ○
吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)から「内側3本指でパプアニューギニアの亀」→「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ(TSNCF)の終了処理」です。
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hh210909-1
- 吉田の構え
- 内側3本指で「パプアニューギニアの亀」
- 親指・小指の(二重の)輪を外側に1回転ひねる
- 中指を外す
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュ(TSNCF)の終了処理
- パターンを親指・小指に移す
各指には4本ずつの輪がかかる- パターンを改めて人差し指・薬指に移す
TSNCFの処理では人差し指・薬指はパターンの上から指を入れているが、
親指・小指を経由してパターンの下から指が入っている状態になっている- 人差し指の4本の輪のうち、人差し指手前どうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
人差し指の根元付近で親指で取る- 薬指の4本の輪のうち、薬指の向こうどうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
薬指の根元付近で小指で取る昨日のパターンと似ていますが違います。
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二段ばしごからのパターンあやとりです。
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hh210909-1
- 二段ばしご
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理
- 四隅の小さな輪の処理
- 全ての指を外側に1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
ご紹介したいパターンあやとりのストックがかなり溜まってきていて忘れてしまいそうなので、今日は複数掲載することにしました。
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昨日の問題の答と考え方のヒントです。
答だけ書きます。正多角形の面積と黄色い三角形の面積の比は3つとも同じなのです(4対1)。図を眺めているだけで計算しなくてもわかります。ポイントは3種類の黄色い三角形の3つの内角の比です。最初の2つは三角定規の三角形なので有名ですが、3つ目の正八角形の頂点を結んでできた黄色い三角形、これはどんなかたちでしょう?
(つづく) <おまけのひとこと>
昨日は、いつもの通りこのページの更新データの準備をして、さあサーバに転送しようというところで納期が迫っている仕事の依頼メールに気が付いて、そちらに気を取られてサーバへの転送を忘れてしまいました。午前10時くらいに気が付いてあわてて転送しました。いつもの時間にみて下さって、再度訪問してくださった方もいらっしゃったかなあと思いました。すみませんでした。(今日もいつもより少し遅いです。)
9月10日(金) 平らに畳む折り紙、あやとり、正偶数角形の問題の解説
平らに畳む折り紙の話とあやとりの話を2つ、最後に正偶数角形の問題の簡単な解説です。この解説がすぐに目に入らないように、別の話題を先に書きます。
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折り紙の研究者として大変有名な三谷純先生のblogに 折りたたみにくい折り紙パターンという記事があったのです。下のような展開図(赤い点線と青い実線がそれぞれ逆方向に折ることを示している)だそうです。
三谷研究室の学生さんですら折れなかった人が多数と書かれていたので、挑戦してみました。
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一応、折ることができたと思います。面白かったです。開いたところの写真も撮ろうかと思ったのですが、開いたらまた畳むのが面倒なのでやめました。
この折り方は、正方形の折り紙用紙をまず縦横3等分する折り線を入れて、さらに外側は半分に折って6分の1の幅の線を作ります。縦横二等分の折り線は入れません。15cmの折り紙用紙を使っているので、三等分はカッティングマットの方眼マス目を使って5cmで折ると簡単です。
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このところご紹介している、長い「人絹飾り紐」を使った「吉田の構え」吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)に始まるパターンのいったん最終回になります。今日はお気に入りの ケルトのタペストリー のアレンジです。
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hh210910-1
- 親指・小指が二重の「五本指の構え」
- 吉田の構え
- 中指の輪を人差し指に移す
- 人差し指の向こうの糸を薬指で取る
- 中指の掌の糸を中指で取り合う
- 「ケルトのタペストリー」
- パターンを親指・小指に移す
各指には4本ずつの輪がかかる- パターンを改めて人差し指・薬指に移す
- 人差し指の4本の輪のうち、人差し指手前どうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
人差し指の根元付近で親指で取る- 薬指の4本の輪のうち、薬指の向こうどうしをまっすぐ結ぶ糸を探し
薬指の根元付近で小指で取るやっぱり「ケルトのタペストリー」は美しいなと思うのです。
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あやとり協会の多摩市の吉田さんから教えていただいたパターンあやとりです。たくさんの星で仕上げる作品です。
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- 人差し指の構え
- 親指・小指を手前に1回転ひねる
- 「たくさんの星」
いただいた写真とは、仕上げのかたちの整え方をちょっと自己流に変えています。(なのですみません、整理番号は自分のhh210910-2、と付けています。整理番号の冒頭の2つのアルファベットで、伝承作品なのか自分のオリジナルなりアレンジなりなのかを区別しています。)美しいパターンだと思います。ありがとうございます。
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正方形・正六角形・正八角形の何本かの対角線で囲まれた三角形の面積を求める問題の解説です。
正方形の場合、4分の1になっているのは自明です。正六角形について考えてみます。
正六角形の頂点を1つおきに結ぶと正三角形になります(図上左)。この正三角形は、もともとの正六角形の面積のちょうど半分です。なぜなら、図上左の正三角形の外側の3つの白い鈍角二等辺三角形を折り紙のように内側に折ると、ちょうどぴったり重なるためです。
さらに、求める黄色い直角三角形の面積は、水色の正三角形の半分です。なのでもともとの正六角形の面積の4分の1になっています。
正八角形のほうも考えてみましょう。まず、求める黄色い三角形がどんなかたちなのか考えてみます。
上の図の右のように、正八角形の頂点を1つおきに結ぶと正方形になります。なので、黄色い三角形の頂角は45°です。一方、上の図の左のように、正八角形の頂点は全て同一円周上にあるので、円周角の定理で黄色い三角形の右側の内角は、正八角形の1つの内角(135°)の半分(67.5°)だということがわかります。
従って、黄色い三角形の3つの内角は、π/4、3π/8、3π/8 となって、内角の比が 2:3:3 の鋭角二等辺三角形になっているのです。
正八角形の中心から頂点までの距離(外接円の半径)を 1 としましょう。そうすると、頂点を1つおきに結んだ正方形の1辺の長さは√2です。ということは、面積を求めたい黄色い二等辺三角形の斜辺の長さは√2ということになります。
一方で、正八角形の中心と全ての頂点を結ぶと、合同な二等辺三角形8つになります(下の図の水色)。この二等辺三角形の頂角は 360°の8分の1ですから45°です。従って、水色の二等辺三角形と黄色い二等辺三角形は相似です。相似比は 1:√2 なので、面積比は 1:2 になります。
水色の二等辺三角形は正八角形の面積の8分の1ですから、黄色い二等辺三角形はその2倍で、正八角形の4分の1になっています。
では、正十二角形でも3本の対角線で囲まれた三角形の面積が4分の1になるようにできるでしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
書きたいことをとっておくと忘れるので書いてしまうことにしました。
9月11日(土) 正十二角形の問題、飾り結び目のあやとり
正偶数角形の問題の続きで正十二角形の話と、あやとりの話です。
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今週ずっとご紹介している、正方形・正六角形・正八角形のいくつかの対角線で囲まれた三角形の面積の話です。正十二角形だとこうなります。
正十二角形の面積と黄色い三角形の面積の比を求めて下さい。
(つづく) ○
パターンあやとりで、こんなパターンを作ってみました。
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hh210911-1
- 「ガイアナの星」(中指は外さない)
- ダブルハートの処理
- 中指を外す
- TTF拡張処理
(二本指→四本指の拡張処理)- 全ての指を外側に1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
「パターンあやとりの世界」のほうに基本手順を整理して、そこにリンクできるといいのですがまだ未完成なのでわかりにくくてすみません。両手の中だけでここまでかたちを整えるのは無理で、出来上がったものをマグネットボードに固定して、糸の交差部分の位置や部分的な長さを調整して仕上げています。もはや普通のあやとりとは違う遊びです。
中央の結び目の部分をアップにしてみました。
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これがあやとりの手法で作れるというのが面白いです。
<おまけのひとこと>
今日は土曜日ということで遅い時間の更新ですが、リモートで講演を聴く予定があるので、あんまり時間がありません。簡単な更新です。
9月12日(日) バランス、伝承あやとり作品、正十二角形の問題の略解
webで見かけたバランス遊びとあやとりの話、昨日の問題の略解です。(略解は今日の更新の一番下に載せます。)
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日曜日なので単発の話題です。Seesaw Science: The Hammer-Ruler Trick(バランスの科学:金槌と定規のトリック) というページがあって、これは面白そうだと思って自分でもやってみることにしたのです。
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金槌を吊っている糸がずれてしまわないように、金槌の頭の金属部分に糸を絡ませて結んでいます。もっと頭が重いほうが面白いのですが、手元にはこれしかなかったので仕方がありません。
視点を変えてみました。
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さらに、定規の棚に載っている部分をもっと短くしてみました。
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古典力学の釣り合いの問題です。力のベクトルを図示してみたりすると面白いです。
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今日はオリジナルのパターンあやとりはお休みして、石野さんのサイトの伝承あやとり作品を取ってみた写真をご紹介します。
最初に、クハとラチです。
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Kuha & Ratiこの「クハとラチ」、ちょっとだけ「カモメ」に似ている、と思ったのですがそうでもないかな。
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かもめ 「クハとラチ」を取るとき、途中に親指で小指の手前の糸を取る操作があるのですが、人差し指の輪の2本の糸と中指の輪の2本の糸の間をどのように通って小指の手前の糸を取るか、という説明が難しいのです。石野さんのサイトの説明は大変巧妙なのですが、最終的に親指には小指の手前から取った糸だけが掛かった状態になっている、ということが最初わからなくて試行錯誤してしまいました。
また、最後の親指でナバホ取りして外した糸を中指で握りこむ操作は独特で面白いです。
次に、モトゥ ロア です。
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Motu Roa1つ前の「クラとハチ」とは、最初の1か所だけ、取る糸が異なります。
もう1つ、ヴェレンガ ウカです。
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Verenga Ukaこれも上2つととてもよく似た手順のあやとり作品です。
1つ目と2つ目は使っているあやとり紐が同じですが、3つ目は違います。全部同じ糸で取ればよかったと思いました。
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さて、昨日の正十二角形の何本かの対角線で囲まれた三角形の面積ですが、これも4分の1になっていることを正八角形の場合と同様に示してみます。
正十二角形の外接円の半径(=中心から各頂点までの距離)を 1 とします。頂点を4つおきに結ぶと正三角形ができますが、その1辺の長さは√3です。(これは説明は省略します。)
面積を求めたい黄色い三角形は、頂角が30°の二等辺三角形です(考え方は正八角形のときと同じなので、これも説明を省略します)。正十二角形の隣り合う2頂点と正十二角形の中心の3点を結んでできる二等辺三角形(図の水色)の面積は正十二角形の 1/12 です。水色の三角形と黄色の三角形の相似比は 1:√3 なので、面積比は 1:3 です。以上より、黄色い三角形の面積は正十二角形の面積の 4分の1 であることがわかります。
<おまけのひとこと>
日曜日なのでのんびり更新しています。
9月13日(月) コンパスと定木で正七角形を描く? 伝承あやとり作品
幾何の作図の話とあやとりの話です。
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Helpful Geometry for Artists(アーティストのための幾何学図形を描く方法) というページがあったのですが、その中で正七角形の描き方が説明されていたのです。
draw a (regular) heptagon ? 自分でも真似して描いてみました。
How to draw a (regular) heptagon ?
- 円の(垂直な)直径ABを7等分して、ABを 2:5 に内分する点をC とします。
- ABを半径とする円弧を2つ、AとBを中心として描いて、交点をDとします。(△ABDは正三角形になります。)
- 直線DCを延長して円と交差する点をEとします。
- AEが正七角形の1辺になります。
幾何学を勉強したことがある方は良くご存じのように、ユークリッド幾何学で定義するコンパスと定木での作図法では正七角形は作図できないことが知られています。なのでこの描画法には誤差があるはずです。いったいどの程度の精度なのか、誤差がどのくらいなのか、計算してみました。
(つづく) ○
今日も伝承あやとり作品のご紹介です。例によって石野さんのあやとりしてみようで紹介されている作品です。
まず、2本の木です。
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Two trees
続いて3本の木です。
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Three trees4本の木はまだうまくいっていません。
これらはワクワカワク族(Kwakwaka'wakw)のあやとりなのだそうです。昨日の「クハとラチ」「モトゥ ロア」「ヴェレンガ ウカ」もそうですが、このような同族のあやとり(ちょっと取り方を変えたり付け加えたりすることで変化するあやとり作品群)は面白いと思います。
<おまけのひとこと>
雪が降っている中、交通量の多い道路に車が渋滞気味にゆっくり走っているのを眺めながら寒いなあと思っている、という夢を見て寒くて目が覚めました。寝具を整えてもう一度眠りました。だいぶ涼しくなって、寝やすくなりました。今日は忙しい日なのですが、いつもよりしっかり睡眠が取れている感じで良かったです。
9月14日(火) コンパスと定木で正七角形を描く?(その2)、あやとり、シルエットパズル
幾何の作図の話の続きととあやとりの話、他です。
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昨日ご紹介した、(正)七角形を描く方法、実際にはどの程度正七角形に近いのか、調べてみました。
How to draw a (regular) heptagon ? 円は原点を中心とした半径1の単位円とします。点CはABを2:5に内分しているので、y座標が3/7になります。点Dは点A,点Bからの距離が2なので、x軸上にあってx座標は√3になります。直線CDは、x切片とy切片が与えられているので、図のような式で表されます。
この2つの式からyを消去してxの二次方程式にします。
解の公式から数値計算すると、交点Eのx座標は-0.78281…となりました。逆余弦関数から角AOEを求めると、(radではなくてdegreeで) 51.51822…°となりました。360°の1/7は51.42857…°ですから、誤差は0.17%くらいです。この作図法で求めた角A0Eを7倍すると360.62…°となって、円周を一周して戻ってきたときの誤差が0.62°くらいです。実際にコンパスで作図したとすると、鉛筆の線の太さくらいでしょうか。なるほどこれなら実用上全く問題ないですね。
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今日のパターンあやとりのご紹介は、吉田の構え (五本指の構えから人差し指の輪を親指に、薬指の輪を小指に移す)から 大きな星 です。
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- 吉田の構え
- 「大きな星」
対称性が高いきれいなパターンだと思います。
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5 casse-tete en 1というシルエットパズルの製品を見かけて興味を持ちました。
5つのピースを使って、正三角形、正方形、長方形、二種類の平行四辺形を作れるようです。ピースの寸法はどうなっているのか、考えてみました。
この5ピースで、実際に下記の5種類の凸多角形が作れました。解がわからないようにシルエットにしました。寸法は上のパーツの図と合わせてあるつもりです。
このパズルの解は伏せておきますが、ピースの寸法がどうなっているのか、考えてみるのはとても楽しいパズルでした。
<おまけのひとこと>
昨日の帰宅時に車の中でNHK-FMでベートーヴェンの弦楽三重奏曲作品9-1.ト長調というのを聴きました。良い曲でした。有名な作曲家の作品でも知らない良いものはまだまだあるなあと思いました。
9月15日(水) 折り紙のお皿、あやとり、他
折り紙のお皿の話とあやとりの話、それから外国語の言葉の覚え方の話です。
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Scatola 4 V(Francesco Guarnieri 2013)というページを見て、こんな折り紙を折ってみました。正方形の不切一枚折りです。
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Scatola 4 V by Francesco Guarnieri イタリアのミラノの方のようです。面白い折り紙をいろいろ発表されています。これは、こちらに展開図を公開して下さっていたので、それを参考に折りました。
Scatola 4 V by Francesco Guarnieri
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折り紙を縦横に8等分する折り線が基本です。最後、四隅を止める方法がよくわからなくて悩みました。完成形と展開図だけが示されて、折り方を考えるのはとても楽しいです。
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エナギニュレ というあやとり作品があります。ナウルの構え1から中指の輪を人差し指に移して「人差し指が二重の三本指の構え」にして、そこから「ナウルの太陽」を取ったものです。
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sf210915-1 : Enaginuere
- ナウルの構え1(四本指の構え)
- 中指の輪を人差し指に移す
- ナウルの太陽
国際あやとり協会の J.D'Antoni 氏が、国際あやとり協会の会報 BISFA (Bulletin of the Interntional String Figure Association, Vol.2 33-86, 1995) の “The Reconstruction of Unsolved Nauruan String Figures” で取り方を復元された作品です。会報の図では完成図はこんな風に描かれています。
Fig.18 Representation of Garcia 9(Enaginuere) by J.D'Antoni 私が整えた完成形はちょっと違うような気がします。
これを、吉田の構え 風に取ってみようと思いました。ただ、先に親指・小指を二重にしてしまうと、あとから内側の輪を二重にするのは厄介なので、下の右のような手順にしました。親指・人差し指・小指が二重になっていて、それぞれの2つの輪の内の1つが8の字型にクロスしています。この構えを便宜上「トリプルクロスの構え」と呼ぶことにします。
というわけで説明の準備ができました。今日のパターンあやとりは「トリプルクロスの構え」から「エナギニュレ」です。
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hh210915-1
- トリプルクロスの構え
- エナギニュレ
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先日ご紹介したクハとラチというあやとり、名前が覚えられないのです。「クラとハチ」だったかな?とか思ってしまうのです。
ク ハ ラ チ こんなとき、無理やり漢字を当てはめて覚えるようにしています。クハは掛け算の九九の(9×8の)「九八」、ラチは「拉致」(埒が明かないの「埒」でもいいのですが、拉致するの「拉致」を採用しました)を連想することにします。「九八と拉致」と覚えることにしました。漢字のイメージで覚えたほうが覚えやすいと思いました。
阿川弘之の「南蛮阿房列車」という本があります。内田百閧フ「阿房列車」を念頭に書かれた海外の鉄道紀行です。50年近く前の話なので、今はもう読まれない作品かもしれません。この中の第2編の「マダガスカル阿房列車」の冒頭に、阿川氏が小学生の時に(戦前です)小学校の地理の授業で「マダガスカルは未だ貸したり借りたりと覚えるんだよ」と先生から習ったという話が出てきます。この「マダガスカル阿房列車」で阿川氏が乗る列車はタナナリヴ駅からタマタヴ駅までの区間を走るのですが、この名前が覚えられないので、上記の訓導流で「棚並ぶ」から「玉食べ」行き、と覚えたと書かれています。この話が印象深くて、「外国語の覚えにくい単語を漢字を当てはめて覚える」という技を知ったのでした。(この本は単行本が昭和52年(1977年)、文庫本が昭和55年(1980年)に出版されています。)
上記の内容を確認するために地下室から「南蛮阿房列車」の文庫本を探し出してきたのですが、文庫本の文字がだいぶ小さいなと思いました。妻に見せたら、「阿川弘之って(あの)阿川佐和子のお父さんだっけ?」と言われました。その通りなのですが、私としては阿川佐和子はあの阿川弘之の娘という認識で、お父さんのほうがずっと有名という印象があったのですが、確かに言われてみれば阿川佐和子は今の人で阿川弘之は過去の人かもしれません。
<おまけのひとこと>
妻ににんにく背脂というのに興味があると話をしておいたら、買っておいてくれました。「欲望のにんにく」というキャッチフレーズがすごいね、と言われたのでビンを見てみたのですが、そんなことは書かれていません。上記のSBのサイトに行ってみると、ふたを封印するフィルムに書かれているのだということがわかりました。さっそくラーメンに入れてみたり、豚肉のソテーの味付けにつかってみたりしています。なかなかいいです。在宅勤務の日なら朝とかお昼とかに食べてもいいのでありがたいです。