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以前の「ひとこと」 : 2021年7月前半



7月1日(木) anti magic cube(その1)、パターンあやとり、他

 7月になりました。新しい話題です。



 おそらく大部分の方は「魔方陣」をご存じだと思います。下の図の3x3の9マスのものが有名です。1,2,3,…,9 の9個の数字を3x3に適切に配置すると、各行、各列、対角線の和がすべて等しくなる、というものです。古典的なパズルをご紹介するときにはいつも参照させていただく「パズル遊びへの招待:オンライン版」では魔方陣(方陣)というページに解説があります。

Fig.1 : magic square

 今回ご紹介するのはanti magic suqureと呼ばれるもので、日本語の定訳は不勉強で知らないのですが、「アンチ魔方陣」「逆魔方陣」とでも呼べばよいでしょうか。皆さんは「逆魔方陣」と聞いたら、どんな定義が適切だと思いますか?

 ちょっとだけ調べてみると、2つの異なる定義が見つかりました。盤面を n × n とします。 1つ目の定義は、「n × n マスに、1,2,3,…,n2を1つずつ入れて、それぞれの行(n行)と列(n列)の和、合わせて2n個の和が全て異なるようにせよ」というものです。2つ目の全く違う定義は、「n x n マスに、ゼロ以上の任意の整数を入れて、合わせて2n個あるタテヨコの和の値として、0,1,2,…,n-1 が1度ずつ現れるようにせよ」というものです。

 今回議論するのは、2つ目の定義のほうの「逆魔方陣」です。例えば次のような 2 x 2 の「逆魔方陣」(anti magic square)を考えてみましょう。0以上の適当な数字を4つ入れて、タテヨコの4か所の和を {0,1,2,3} にできるでしょうか?

Fig.2 : 2 x 2

 これはすごく簡単なので、いきなり答えを書いてしまいます。

Fig.3 : solution of "2x2 anti magic square"

 このように、数字 {0,0,1,2} を配置することで、4か所の和を {0,1,2,3} にすることができました。

 さて問題です。この「逆魔方陣」を立方体に拡張してみましょう。 2 x 2 x 2 の立方体を考えます。

Fig.4 : 2 x 2 x 2

 立方体なので頂点が8つ、稜が12本あります。8つの頂点に適切なゼロ以上の整数を入れて、12本の稜の両端の数字の和が {0,1,2,3,4,…,11} になるようにしてください。

 ヒントにもならないヒントですが、少なくともゼロが両端に存在する稜が1本だけあるはずです。なので、残りの6箇所を決めればいいです。使う数字は0,1,2,…のように連続していなくてもいい(=使わない数字があってもいい)ですし、同じ数字を何度使ってもかまいません。

(つづく)



 パターンあやとりの記録です。昨日は「上下に小さな輪の処理」→「イヌイットの網の終了処理」をご紹介しましたが、最初の処理を「四隅の小さな輪の処理」に変えてみました。

hh210701-1
  1. 人差し指の構え
  2. 四隅の小さな輪の処理
  3. イヌイットの網の終了処理

 この手のパターンと「イヌイットの網の終了処理」の相性はなかなか良さそうです。



 新しい錯視パターンが発見された、という記事を興味深く読みました。こちらのあるはずのない光線が見える新たな錯視が報告されるというGigazineの記事です。

"Scintillating Starburst"

 Michael Karlovich氏が発見したのだそうです。確かに14本の放射状の線が見える気がします。これは面白いです。錯視というのは脳の情報処理の仕組みや原理を知るために有益な手掛かりになるため、大変興味深いのです。



 昨日の朝、窓の外を見てみたら、マメ科の雑草とおぼしき植物が成長して庭の木にからまっているのが見えました。

Garden seen from the window

 やれやれ…

<おまけのひとこと>
 最近よく眠れなくて、昼間眠くなって困っています。一番困るのは通勤で高速道路を運転中に急激に眠くなることで、やむを得ずパーキングエリアとかに車を停めてちょっと休んだりしています。






7月2日(金) 正多角形の面白い性質、パターンあやとり、他

 正多角形の話と、パターンあやとりの話です。



 昨日の「立体逆魔方陣」(anti magic cube)の話を書くつもりだったのですが、正多角形の面白い性質を知ったのでそちらのご紹介をさせていただくことにしました。まずは図をご覧ください。

 1辺の長さが2の正多角形を考えます。一つの頂点から、正多角形の中心をとおって反対側まで直線を引いて、その直線が垂直になるように正多角形を置きます。奇数角形(三角形、五角形、七角形…)の場合は底面が水平になります。偶数角形(四角形、六角形、八角形…)の場合は反対側も頂点になります。

 この線で正多角形は左右対称になっています。対応する頂点どうしを結ぶと、その線は水平になっています。最初の直線(垂直な線)が、対応する頂点どうしを結んだ水平線で区切られたそれぞれの線分を上からa,b,c,… とします。それぞれの線分の長さを二乗して和を取る(a2+b2+c2+…)と、その答えは正N角形の場合、Nになる、というのです。

 これ、大変面白い性質だと思うのですがいかがでしょうか。Ed.Pegg氏のFacebookで知りました。



 パターンあやとりの記録です。昨日は「四隅の小さな輪の処理」でしたが、類似のパターンができる「ビヤトエイディオウィナゴの処理」をやってみて比べてみました。

hh210701-1 hh210702-1
  1. 人差し指の構え
  2. 四隅の小さな輪の処理
  3. イヌイットの網の終了処理
  1. ナウルの構え2
  2. ビヤトエイディオウィナゴの処理
  3. イヌイットの網の終了処理

 これは2か月ほど前に作って撮っておいた写真なのですが、今見るとマグネットボード上でのかたちの整え方が甘いです。あやとりを取り直して写真を撮り直そうかなと思いました。



 新聞に、著者がとく 小川洋子さん 「ことり」×東北大学入試という記事がありました。(私は有料会員ではないのでweb上の記事は読んでいませんが、昨日の紙面で読みました。)問題文と解説(回答例?)は、たとえばこちらなどで読むことができます。

 「ことり」は好きな小説です。著者自身による解答例と解説が面白かったです。

<おまけのひとこと>
 今週は仕事が忙しくて大変でした。自分が宣言した「先週末」という納期が1週間遅れてしまっているものがあって、若い上司が遠慮がちに「あの、あの件どんな感じですか」と尋ねられてしまってすごく申し訳ないと思っています。面目ないです。






7月3日(土) 3,125、パターンあやとり、他

 週末です。今日は軽い話題、そそっかしい早とちりの話です。あやとりの話はいつものペースです。



 きっかけは忘れたのですが、何かで3,125という4桁の数字を見たのです。最初に思ったのは、「あ、これ125の倍数だ」ということでした。100 ÷ 4 = 25、1,000 ÷ 8 = 125 というのはなんとなく好きな計算です。

 3,125 = 3 × 1,000 + 125 = 3 × (8 × 125) + 125 = (3 × 8 + 1) × 125 = (24 + 1) × 125 = 25 × 125

 と暗算をして、「あ、これは 5 の 7乗だ!」(← 間違いです) と思いました。正しくは 5 の 5乗、(55) です。

 11、22、33、44、55、… という数列が頭に浮かびました。オンライン整数列大辞典(このサイトは多言語対応してくれているのですね、素晴らしいです) に行って、その先を見てみようと思って早速入力してみました。

1,4,27,64,3125

 登録されている整数列の中で、この5つの数字の並びを含むものが4つ、表示されました。でも、一番シンプルな nn が無いのです。あれっと思ってよく見たら、4つ目の数字が間違っていました。 44 = 256 でした。64 だと 43になってしまいます。

 それでもこの5つの数字の並びを含む整数列があったということが驚きでした。特に、A175701、これは

a(n) = nphi(n)+1, phi(n):Euler totient function

 という数列でした。オイラーのトーシェント関数(Euler totient function)というのは、正の整数 n に対して、1からnまでの整数のうち、nと互いに素なものの数を表しています。「互いに素」というのは「共通の約数が1だけ」ということです。なので、1は全ての自然数と「互いに素」です。この定義から「1と1は互いに素」ですが、1より大きな一般の正の整数nを考えると、nとnは(少なくとも共通の約数として1とnの2つを持つので)互いに素ではありません。

 オイラーのトーシェント関数については、Wikipedia(こちら)や、WolframのMathworld(こちら)に解説がありました。

 44ではなく43を使って検索してみてしまったのですが、2,3,5は素数で、4だけが素数ではなかったためこの数列になったのですね。私は数学やパズルでよくこういったそそっかしい早とちりをして興奮したりがっかりしたりすることがあるのですが、それも娯楽数学(recreational mathematics)の醍醐味のうちかなあと思っています。(いちいち落ち込むのではなく、「楽しんだ者勝ち」の精神です。)



 昨日ご紹介した「ビヤトエイディオウィナゴの処理」→「イヌイットの網の終了処理」(hh210702-1)、写真のバランスが悪いなあと思ったので、(あやとりを)取り直して(写真を)撮り直しました。

hh210702-1(Green string) hh210702-1(Yellow string)

 あんまり変わっていないように見えるかもしれませんが、自分としてはだいぶ改善されたと思っています。

 「ビヤトエイディオウィナゴの処理」の代わりに、四隅の小さな輪の処理の「2つ隣」のバージョンで試してみました。素直に操作すると、リンク先のFig.2-62 にあるように、人差し指の輪に半回転の「ひねり」ができます。片方はそのひねりはそのまま、もう片方はそのひねりを取り除いて、最後の「イヌイットの網の終了処理」をやってみました。

hh210703-1 hh210703-2
  1. 人差し指の構え
  2. 2つ隣の四隅の小さな輪の処理
  3. イヌイットの網の終了処理
  1. ナウルの構え2
  2. 2つ隣の四隅の小さな輪の処理
  3. 人差し指の輪を半回転ひねって捩れを無くす
  4. イヌイットの網の終了処理

 やってみてわかったのは、「この2つの差はよくわからない」ということと、「この2つよりも、その上のビヤトエイディオウィナゴの処理から始めたほうがパターンが美しい」という2点でした。このように試してみた結果あまり美しいパターンにならないことも多々あるのですが、まあそれも含めてこういう実験は楽しいです。



 梅雨で雨の日が続いています。家の前の道をはさんだ向こう側の畑の方から、キャベツとブロッコリーをいただきました。玄関の前に置かれていたので、まだ御礼を言えていないです。

Cabbage and broccoli

 おそらく出荷用に栽培しているのではなさそうで、おそらく農薬などをほとんど使っていないようです。なので写真のように虫が食った状態になっていますが、これは安全な証拠なのでとてもありがたいです。案の定、中からおおきな芋虫みたいなのが出てきたそうで、妻が言うには「覚悟はしていたけど、けっこう大きくてやっぱり声が出てしまった」そうです。

 今度お見かけしたら御礼を言わないと、と思っています。

<おまけのひとこと>
 今朝は晴れました。今使っているノートPCは有線ネットワークのI/Fが無いのです。今度、リモートでイベントがあるのですが、有線ネットワークを使ってくださいという依頼があったので、どうしたものかと思っています。一番お金を掛けるならばPCを準備するということになるのですが、そこまでしたくないです。ただ、USBなどでI/F変換したとして、どの程度の性能が出るのか不安でもあります。ちょっと調べてみるか…






7月4日(日) 有線LAN、パターンあやとり、他

 日曜日なので、いつものあやとりの話以外は雑談のような話です。(これも将来の自分のためのメモかな…)



 1か月ほど先の話なのですが、リモートからワークショップをやらせていただこうという検討をしています。スタッフの方から回線速度を計測したり、どんな機材を用いるのかのヒアリングがあったりしています。ネットワークは必ず有線LANを使ってくださいと念を押されています。

 自宅内のネットワーク環境が無線LANに移行したのはいつのことだったか、もう忘れてしまいました。遥か昔、10base5 とか 10base2 とか言っていた時代から、職場のネットワークの敷設をしたり設定をしたりしていました。 10base-T が出てきたときにはケーブルの取り回しが楽だなあと思ったものです。ツイストペアケーブルが使えるようになったころから、自宅にもFreeBSDやLinuxやWindowsでネットワーク環境を作って、いろいろ遊んでいました。NFS(Network File System)というのが本当に便利で感動したものです。samba とかをありがたく使っていました。その当時のツイストペアケーブル(10Mbps対応)の長いケーブルは自宅の地下室に今もまだ眠っています。(いい加減処分しないといけないです。) 当時はノートPCを有線LANに繋ぐのに、PCMCIAのネットワークカードを使っていました。

 今使っているノートパソコンはスペックはそれなりに高いのですが、小型軽量で携帯性重視なので、ポート類は最低限しかついていません。有線LANのI/Fは最初からありません。メモリカードもmicroSDしか刺さりませんし、USBも小型のtypeCが1つと普通のtypeAが1つです。いずれもUSB3.0対応です。

 昨日の午前中に電気屋さんに行って、ELECOMのUSB3.0ギガビットLANアダプタEDC-GUA3-Bというのを買ってきました。一緒にUSB3.0のhubU3H-K315Bというのと、カテゴリ6対応の10mのフラットケーブル(「きしめん」みたいなタイプのケーブル)を買ってきました。全部で5,000円くらいでした。

 お昼を食べてから、ネットワークの接続テストをしようと思って、地下室に設置してあるケーブルモデムにフラットケーブルを挿しに行ったら思いがけないアクシデントがあったのですが(後で書きます)、その後でPCの設定をして、通信速度を確かめました。PCは、OSからwifiを無効にしてネットワークケーブルを接続しただけで特に何も設定することなく接続できました。本当に楽になったものです。(一応、最初に USB hub をOS(Windows)に認識させて、続いて ギガビットLANアダプタをUSB hubに挿してOSに認識させてからネットワークケーブルを挿しました。)

 イベントのスタッフの方から「こちらで回線速度を確かめてください」と言われたのがhttps://speedtest.gate02.ne.jp/でした。ここだと Upload 250〜300 Mbps / Download 200〜300 Mbps程度でした。

 以前から時々試してみているこちらhttps://www.speedtest.net/ですと、なぜかもっとずっと速い結果が出て、Upload 500〜600Mbps / Download 600〜900Mbpsくらいでした。(何度かやってみたのですが、けっこう結果がばらつきました。)

 tracert とかはしてみていませんので、理由はわかりません。ちなみに無線LANだと最高でも上りも下りも数十Mbpsしか出ないので、さすが有線LANだと感心しました。これで通信環境に関しては最低限の条件はクリアできたかなと思っています。



 いつものパターンあやとりの話です。 ダブルハートの処理と、エガラウィナゴの処理からも「イヌイットの網の終了処理」をしてみました。2つのパターンの違い、わかりますか?

hh210704-1 hh210704-2
  1. 人差し指の構え
  2. ダブルハートの処理
  3. イヌイットの網の終了処理
  1. ナウルの構え2
  2. エガラウィナゴ
  3. イヌイットの網の終了処理

 この2つは射影図としては何か所かの交差の上下以外は同じです。このあやとり作品は、おそらく普通にあやとりを取って両手の中でかたちを整えるのはかなり難しいと思います。このように手から外してマグネットボードなどの上で調節するときれいにできます。その苦労(というと大げさですが)に見合う、美しいパターンだと思っています。



 昨日のお昼ころに、地下室のケーブルモデムに新しく買ってきたLANケーブルを挿しに行ったのです。地下室の扉を開けて照明のスイッチをいれたら、なんだか茶色っぽいものが慌てて走って逃げるのが目に入りました。ものすごくびっくりしました。まさかゴキブリ? でもそれにしては大きいし、走るときの音がうるさかったと思って走っていった方を見ると、それは小さなネズミでした。

 ネズミは地下室のカラーボックスの上の、娘が小学生のころに作った紙粘土の「作品」の後ろに隠れていました。といっても針金の骨格に紙粘土を付けた人形の作品なので、全然隠れられていないのでした。とっさに、いつも地下室の入り口に常備している「虫退治用のガラス瓶」(ちょうど20年前にご紹介していました)を手に取りました。

Glass bottle for catching insects

 紙粘土の人形の左側に左手に持ったビンの本体、右側に右手に持ったビンのふたを構えて様子を見ます。どちらかの手を少し近づけたり動かしたりする気配を出すと、ネズミは反対側を向いて逃げようとします。これはじっくり待ってタイミングをはかろうと思って、おそらく5分以上じっと対峙していました。こういうじっくり待ってタイミングをはかるという技術は、子供のころに飼っていたネコとさんざん遊んで身に着けた気がします。

 ネズミがしびれを切らしてきた感じがして、「今だ!」と思った瞬間に、左手のビンで静かに出口をふさぎつつ、右手に持った「ふた」でネズミを追い立てて、うまくビンの中に追い込むことに成功しました。地下室はいろいろなものが置いてあるので、隠れる場所はいくらでもあります。変なところに逃げ込まれたら、大変なことになるところでした。怪我もさせずに捕獲できて運が良かったと思います。

 ガラス瓶というのは透明なので、中が明るいです。入り口が程よく狭くて、むしろネズミからすると身を隠して安全に逃げられそうな通路に見えたのかもしれません。自ら飛び込んできてくれた感じでした。

 窒息しないように軽くふたを閉めて、さてどうしたものかと思いました。本来ならば退治すべきでしょう。でも、このところの大雨で間違って迷い込んだのかなと思ったら、なんとなくかわいそうになったので、「もう二度と来るなよ」と言い聞かせて(通じたかどうかわかりませんが)、庭の外側の数メートル下の荒地に放した、というか落としました。

I caught a mouse in the house
and let it escape.

 ネズミのような小動物は身体が軽いため、例えば数十メートルくらいの高さから飛び降りても、たとえ下が固いコンクリートであったとしても怪我をしないそうです。ましてや今回は、下は雑草や藪が生い茂っている手つかずの細長い使われていない土地です。(そこからよくアレチウリが擁壁伝いに上ってきて大迷惑なのです。)果たしてそこからそのネズミがどうするのかわかりませんが、もう来ないでくれるといいなと思っています。今度来たら容赦しません。

<おまけのひとこと>
 お休みなのでついつい長く書いてしまいました。






7月5日(月) anti magic cube(その2)、パターンあやとり、他

 今週もはじまりました。「逆立体魔方陣」(anti magic cube)の話に戻ります。



 先週ご紹介した逆魔方陣の話の続きです。こんな 2 x 2 x 2 の立方体を示して、この8つの頂点に0以上の任意の整数を入れて、12本の稜の両端の数字の和が {0,1,2,3,…, 9,10,11} になるようにしてください、という問題を出しておきました。

2 x 2 x 2

 今日はその答えをお示しします。特に間を開けずに載せてしまいます。

Fig.1

 一応、全部の和を書いておきます。

Fig.2

 手前側の4つの数字が {0,0,1,2} で先日お示しした 2 x 2 の逆魔方陣になっていて、奥側の4つの数字が、それに4を加えた {4,4,5,6} になっているのが面白いです。

 2 x 2 x 2 を考えたので、次は 3 x 3 x 3 を考えてみたくなります。

Fig.3 : 3 x 3 x 3

 同様に、3 x 3 x 3 の27の頂点に 0以上の任意の整数を入れて、上下・左右・前後の直線上に並ぶ3つの数字の組の和(全部で27箇所あります)が、{0,1,2,3,…,24,25,26}になるようにしてください。これは手作業でやるのは私は諦めました。

(つづく)



 今日のパターンあやとりです。今日は5本指の構えからのものです。

hh210705-1
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 中指を外す
  3. 内側3本指で「ガイアナの星」
  4. 中指を外す
  5. ダブルハートの処理
  6. 4本の指の輪を外側へ1回転ひねる
  7. 小さいアムワンギヨの終了処理

 パターン全体がちょっと左に偏ってしまいました。

<おまけのひとこと>
 もう1つ、軽いトピックの準備があったのですが時間切れです。今日も忙しい一日です。まずは総務部門に借用申請している共用PCを借りてきて、朝9時までにセットアップしなければなりません。間に合うかな…






7月6日(火) anti magic cube(その3)、パターンあやとり、他

 「逆立体魔方陣」(anti magic cube)の話とパターンあやとりの話です。



 昨日は「逆立体魔方陣」(anti magic cube)の 2 x 2 x 2 の解をご紹介して、3 x 3 x 3 の解はあるでしょうか? という問いかけをしました。これは解があるのです。その一例をご紹介します。

3 x 3 x 3 Solution of "anti magic cube(3)"

 ゼロがたくさんあります。直線上に並んだ3つの数字の和が0になっているところ、1になっているところ、2になっているところ、…、24, 25, 26 になっているところが1か所ずつあるのを確かめてみて下さい。

(つづく)



 多摩市のYさんから新しいパターンあやとりの作例を教えていただきました。感激です。ありがとうございます。いただいた写真と手順をご紹介します。(写真は若干加工させていただいて、手順も若干自分流に表現を変えさせていただいています。)

JY210706-1
Yさんの作品
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 人差し指の輪を親指に移す
  3. 薬指の輪を小指に移す
  4. 中指の輪を1回転ひねる
  5. 親指と小指の2本の輪を向こうへ1回転ひねる
  6. 7つのダイヤモンドの逆展開

 さっそく自分でも取ってみました。出来上がりのかたちの整え方は頂いた写真とは若干変えてみました。

JY210706-1(by hhase)

 これは素敵です。最後、親指と小指には4本の輪がかかっています。なので、けっこう長い糸で取っても出来上がりのパターンは小さくなります。ありがとうございました。



 市販の化合物からナノグラフェンライブラリを構築というニュースリリースがありました(名古屋大:2021)。論文はこちらのDiversity-oriented synthesis of nanographenes enabled by dearomative annulative π-extension(W.Matsuoka,H.Ito,D.Sarlah,K.Itami:2021)です。

 グラフェンそのものが非常に興味深いのですが、ナノグラフェンというのもとても面白いです。詳細はニュースリリースのpdfに詳しいので、化学の観点で何が面白いのかはここでは書きませんが、1つだけ、この記事を読んで「あそびをせんとや」的に面白いと思ったのがこの図です。

 なんだかパズルのピースみたいだと思ったのでした。目には見えない有機化合物のかたち(構造)が「このかたちだ!」と断言できるのは、どのような根拠に基づいているのでしょうか。単離して分析しているのでしょうか。化学の世界も、自分が生きてきた数十年の間にかなり進歩していてとても楽しいです。

<おまけのひとこと>
 だらだらと更新作業をしていたら、遅くなってしまいました。(朝5時半を回りました。)急がないと…






7月7日(水) Bucolic Cube(その1)、パターンあやとり、他

 立体パズルの話とパターンあやとりの話です。



 ふとしたきっかけでBucolic Cubeというパズルを知りました。IPP(international puzzle party)の 2013 Puzzle Design Competition に応募された作品だそうです(Designer:Yasuhiro Hashimoto)。

Fig.1 : Bucolic cube
Designer:Yasuhiro Hashimoto

 このように単位立方体7つで構成された合同な3つのピースで 3 x 3 x 3 の立方体を作りなさい(ただし隙間は空きます)、というパズルです。

 3x3x3の立方体は27単位分ですから、隙間は6単位分あります。そこを埋めるピースを6つ、追加で用意します。

Fig.2

 これらを組み合わせて 3 x 3 x 3 の立方体にします。

Fig.3

 これは素晴らしいです。最初、頭の中だけで解けないかと思って考えたのですが、私には無理でした。実物を作ってみて、それでも最初は「え、これ解あるの?」と思いました。とても素晴らしいデザインだと思います。

(つづく)



 昨日ご紹介した、Yさんから教えていただいたパターンあやとりのバリエーションを試してみています。まずは「ナウルの太陽」を装飾処理として途中に加えてみました。

hh210707-1
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 人差し指の輪を親指に移す
  3. 薬指の輪を小指に移す
  4. ナウルの太陽
  5. 中指の輪を1回転ひねる
  6. 親指と小指の2本の輪を向こうへ1回転ひねる
  7. 7つのダイヤモンドの逆展開

昨日のこれ が、こうなった わけです。
(JY210706-1) (hh210707-1)

 違いは手順4.の「ナウルの太陽」をやるかやらないか、です。面白いです。



 Milky Rubik's Snake(by JxBx)というページがあって感心して見せていただきました。

Milky Rubik's Snake (by JxBx)

 スクリューキャップのついた牛乳パックのような丈夫な紙パック製品のパッケージを使って「ルービックスネーク」を作っています。この構造のオモチャは今では100円ショップなどで安価に入手できますが、実際に作るという行為が良いと思いました。何でも簡単に手に入るというのは、特に若いころは一見恵まれているようで、自分で考えたり工夫したりする機会が奪われているとも言えると思います。



 ヘロンの公式という、三角形の3辺の長さから面積を求める有名な公式がありますが、名前だけはよく似たペロンの公式というのがあるのですね。一言で説明するのは難しいですが。

<おまけのひとこと>
 また今日も更新が遅くなってしまいました。(間もなく朝6時です。)






7月8日(木) 三角形の底辺のn等分の話(その1)、Bucolic Cube(その2)、パターンあやとり

 ちょっと面白い図形の性質の話、他です。



 こんな図を見かけて、とても面白いと思ったのです。(図は自分で描き直しました。)

 情報源はこちらのtwitterです。"I think the pattern speaks out loudly for itself..."(この図自身がパターンを大声で訴えていると思う) というコメントが秀逸です。 ということで今日は解説は書きません。

(つづく)



 昨日ご紹介した、自作したBucolic Cubeというパズルのピースで少し遊んでみました。

 3 x 3 x 3 の立方体におさめるパターン以外には目ぼしい構造が作れるわけではないのですけれども、でもなんとなく楽しいです。



 「親指小指が二重の三本指の構え」から、もう少しシンプルに「7つのダイヤモンド」を取ってみました。 

hh210708-1a hh210708-1b
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 人差し指の輪を親指に移す
  3. 薬指の輪を小指に移す
  4. 7つのダイヤモンドの終了処理
同左

取り方は全く同じで、整え方を変えてみた

 素直に取ると、左側のように「7つのダイヤモンド」のパターンに、二重のX字型パターンが重複するかたちになります。マグネットボード上で少しかたちを整えて、二重のX字型パターンの間をちょっと広げてみたのが右側です。中央部分に小さな「9つのダイヤモンド」(ダイヤ型の3x3パターン)ができていて、これもいいなと思いました。



 カルディの「塗って焼いたらカレーパン」というのが流行っているのだそうです。試してみたいなあ…

<おまけのひとこと>
 このところ、写真画像はblogのほうに置かせてもらうことが多くなりました。(置いている以上、そちらにもその画像を使った簡単な記事は書いていますが、ほぼ誰も見ていません。)画像をfc2のサーバに転送するとき、まれにサムネイル画像の生成に失敗することがあります。今朝もそうでした。何度かやり直してもダメで、結局フルサイズ画像を縮小表示する設定で代用しました。というわけで今日のコンテンツの容量はいつもより多いです。すみません。






7月9日(金) 三角形の底辺のn等分の話(その2)、パターンあやとり、他

 三角形の底辺をN等分したときの長さの性質の話の続きと、いつものパターンあやとりの話です。



 三角形の底辺をN等分したそれぞれの点と頂点を結んだ線分の長さを端から {a,b,c, …} としたとき、それぞれの長さを二乗したものの整数係数の重みづけ線形和がゼロになるときの係数が面白い、という図をご紹介しました。(ちょっと縮小して再掲します。)

 お気づきかと思いますが、これ、係数の絶対値がパスカルの三角形になっているのです。符号は1つずつ交互にプラス・マイナスを繰り返します。

Pascal's triangle

 どうしてこうなるのだろう? と思って、まずは直交座標系に入れて考えてみました。三角形の頂点は任意なので(p,q)とし、底辺をx軸上に取ります。計算が楽になるように対称に入れます。底辺を奇数等分する場合は、等分点のx座標は±1,±3,±5,… と取るのが楽です。

divide into three equal parts

 偶数等分する場合は中央の点がありますから、そこが原点になるようにします。等分点のx座標は 0,±1,±2,±3,…と取ります。

divide into four equal parts

 「なるほど!」と思いました。面白かったです。計算してみて下さい。なぜ二項係数が出てくるのか、なぜこの関係が任意のN等分で成立するのか、わかりますか? 一般解を示すよりも、帰納法で示すほうが簡単だと思います。

(つづく)



 「親指小指が二重の三本指の構え」から、ダンスの舞台を取ってみました。 昨日の「7つのダイヤモンド」と同様、整え方を変えてみた2種類をご紹介します。

hh210709-1a hh210709-1b
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 人差し指の輪を親指に移す
  3. 薬指の輪を小指に移す
  4. ダンスの舞台の終了処理
同左

取り方は全く同じで、整え方を変えてみた

 「中指の構え(もしくは人差し指の構え)」の代わりにこの「親指小指が二重の三本指の構え」を使って取ると、通常のパターンに加えて大きな二重のX字型パターンが重複するかたちになります。大きな二重のX字型がすぼまっているのが左側、開いているのが右側です。

 このパターンもなかなか面白いです。



 世界初、17世紀の手紙の「バーチャル開封」に成功!触れずに中身を読めるという記事がありました。情報源はこちらのSecrets of Unopened Letter From Renaissance Europe Revealed ? Without Breaking Its Seal or Damaging Itという記事のようです。論文はこちらのUnlocking history through automated virtual unfolding of sealed documents imaged by X-ray microtomographyのようです。

 複雑に折りたたまれて封印されている古い手紙を開封せずに外からX線でスキャンして読み取ることに成功した、という研究です。リンク先の写真や図を見るだけでも楽しいですのでご覧ください。「レターロッキング」という用語は知りませんでした。そのメッセージが本物であること、また他の誰も開封していないことをどうやって担保するかを工夫した結果、こういった手法が発達したのですね。面白いです。

 折りたたまれた状態のままで中身を読み取るという点で、ホーガンの「星を継ぐもの」という有名なSF(link は wikipedia です)を連想しました。「星を継ぐもの」でも、物語の序盤に物質を透過撮影できる装置が活躍します。

 話は飛びますが、「星を継ぐもの」はホーガンのデビュー作(1977年)で、当時DEC(Digital Equipment Corporation)という会社に勤めながら書かれた作品だそうです。私が今の勤め先に入社したのはもう30年も前のことになりますが、DECのワークステーションがありました。電子計算機というものが全くなかったころから現在までのコンピュータメーカーの栄枯盛衰を振り返ってみるととても感慨深いです。自分が生きている時代がコンピュータの黎明期から発展・普及期に重なっていて良かったなあと思うのです。



 今朝(3時ころ)にこのサイトを更新しようとしてアクセスカウンタを見たら、下3桁が153でした。この数字は、各桁の数字を3乗して足すと元に戻るという性質があります。

13 + 53 + 33 = 153

 そんなことをふと思い出しました。

<おまけのひとこと>
 今日は朝から健康診断です。昨夜は19時には夕食を食べ終えて、それから何も食べていません。早く終わるといいなあと思います。受診前の問診票をまだ書いていません。視力検査用のメガネも忘れないようにしないと…。妻が用意してくれた朝食を持参して、健康診断が終わったら食べる予定です。






7月10日(土) 三角形の底辺のn等分の話(その3)、パターンあやとり、他

 三角形の底辺をN等分したときの長さの性質の話の続きと、パターンあやとりの話です。



 三角形の底辺をN等分したそれぞれの点と頂点を結んだ線分の長さを端から {a,b,c, …} としたとき、それぞれの長さを二乗したものの整数係数の重みづけ線形和がゼロになるときの係数が面白いという話、

 昨日はこれを座標系を導入して計算してみるという話をしましたが、「なぜ係数がパスカルの三角形になるのか」「なぜ任意のN等分で成立するのか」を、蛇足ながら説明しておきたいと思いました。

 まず、底辺を3等分した N=3 のときの以下の式が成立していたとします。

Fig.1 : N=3

 この結果を、底辺を4等分した N=4 に適用してみましょう。まず、4等分した左側の3区間に注目すると、これは N=3 のときと全く同じです。

Fig.2 : left side of N=4

 同じことは4等分した右側の3区間にも適用できます。{a,b,c,d} を {b,c,d,e} に置き換えると、同じ等式が成立します。

Fig.3 : right side of N=4

 Fig.2 の式から Fig.3 の式を引き算します。±の符号が交互になっているので、引き算すると係数の符号が揃うので、絶対値を足すことになります。

 その結果、N=4 の等式が導かれました。

 この2つの等式の係数の和を取る操作が、まさにパスカルの三角形の次の段を求める操作と同じなのです。

Pascal's triangle

 証明としてきちんと書くとちょっと面倒かつ直感的にわかりにくくなるので、敢えて一段分の説明だけをしました。「そんなの最初からわかっているよ」という方ももちろんいらっしゃるとは思うのですが、書いておきたくなったので説明することにしました。



 昨日は「親指小指が二重の三本指の構え」から、ダンスの舞台を取ってみましたが、今日は終了処理をに置き換えてみたものをご紹介します。「ダンスの舞台」と「雨」は出来上がりのパターンはよく似ています。

hh210709-1a hh210710-1
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 人差し指の輪を親指に移す
  3. 薬指の輪を小指に移す
  4. ダンスの舞台
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 人差し指の輪を親指に移す
  3. 薬指の輪を小指に移す

 糸のかかり方(交差の上下)が違いますが、ぱっと見て見分けるのは難しいです。



 玄関に妻の傘が干してありました。きれいな正七角形だなあと思ったので写真を撮りました。

Regular heptagonal umbrella

 7本骨の傘というのは特に珍しくもないのでしょうけれども、N本骨の傘というのを誰かコレクションしていたりしないかな、とちょっと思いました。骨の数が5本、6本、7本、8本、12本の傘は過去または現在自分か家族が持っていたことがある気がします。広告などで16本というのも見たことがある気がします。それ以外にもあるのかな、と思ったのでした。

 昔の和傘の「蛇の目」とか「番傘」とかは骨の数がすごく多いという印象がありますが、これは素材の強度の問題なのだと思います。



 昨日の朝は健康診断でした。7:45からの予約だったのですが、いつものように朝7時前に職場に行って、まだ用意していなかった事前の問診票を埋めて受診券をプリンタで印刷して、提出物に記名をしたり準備をしたら10分間ほど時間が空いてしまいました。ここで何か始めると時間を忘れて健康診断に遅刻しそうだったので(そうすると後の組が混雑して迷惑がかかるし、終わるのに時間がかかってしまう)、昨日のこれ

13 + 53 + 33 = 153

 を思い出して、職場のSNS(Teamsです)の雑談コーナーに「こういう各桁の数字を三乗して和を取ると元の数と同じになるという3桁の数字が153以外にあと3つあります。わかりますか? プログラムを書けば一発です。」と投稿して、それから会場の体育館に向かいました。

 会社支給のスマートフォンからもTeamsにアクセスできるのですが、いくつかの検査の待ち時間の時、投稿してから30分も経たないうちに、お二方から「やってみました」というレスポンスがあって、ソースコードや解を載せて下さいました。お一人は python で、もうお一人は C で書かれていました。お二人とも私と同世代(60歳の定年まであと数年)です。昔、「プログラマ三十歳定年説」みたいな話がまことしやかに語られていた時代もありましたが、プログラムを書くのは文章を書くのと似た面もあって、勉強さえ怠らなければ経験を積むことで何歳になっても進化は続くのです。身の回りにそういった尊敬できるソフトウェア技術者が何人もいるということがとても嬉しいです。

<おまけのひとこと>
 健康診断では恥ずかしながら採血が一番苦手です。私の腕は採血しにくいのだそうですが、今回は一度刺してうまくいかなくて、担当の看護師さんが交代されて別の方が反対の腕でもう一度やってみてくれました。2回目は驚くほど痛くなくて(1回目はけっこう痛かった)、助かりました。いつも採血のときは申し訳ないなと思っています。






7月11日(日) パズル「しろまるくろまる」はNP完全、あやとり、他

 日曜日なので軽い話題です。



 arXiv.orgをよく見に行きます。先日、Yin-Yang Puzzles are NP-complete(陰陽パズルはNP完全:Erik D. Demaine, Jayson Lynch, Mikhail Rudoy, Yushi Uno 29 Jun. 2021) という論文が公開されていました。

 陰陽パズルってなんだろう? と思って見てみたら、Abstract(あらまし)の冒頭に “We prove NP-completeness of Yin-Yang / ShiromaruKuromaru pencil-and-paper puzzles.” (「陰陽パズル」もしくは「しろまるくろまる」という紙と鉛筆のパズルがNP完全であることを示す。)と書かれています。どうやら日本語名は「しろまるくろまる」のようです。本文中にも Nikori が言及されていて、数独をはじめとするたくさんのペンシルパズルの1つである、と書かれています。

 「しろまるくろまる」は最近はあまり見かけないペンシルパズルだと思います。ちょっと検索してみたら、こちらにPC(Windows)用の解答支援ソフトというのが公開されていました。

 この配布データに含まれている3つの参考問題を解いてみました。なかなか面白いです。白と黒が等価な「ぬりかべ」みたいだなと思いました。

 NP完全については解説しませんが、パズルがNP完全であることを示す、というのも面白いテーマだと思います。



 お守りという日本の伝承あやとり作品があります。「世界あやとり紀行」( シシドユキオ & 野口廣 & M. Sherman:2006)に取り方が掲載されていたと思います。また、最近買った改訂版 あやとり大全集(野口とも:著 2020)にも載っていました。

 オリジナルは両手を引き絞って糸の交差を中央に寄せて、放射状のパターンにしますが、敢えて糸のかかり具合がわかるようにかたちを整えてみました。

hh210711-1
「お守り」の別形態

 改めて写真を見ると、もう少し工夫の余地がありそうです。このように、取り方のアレンジだけでなく、完成したパターンの糸の交差の位置を変えてみることで新しいかたちを作ってみる、というのも面白い遊びです。



 昨日カルディに行って、塗って焼いたらカレーパンを買ってきました。「お一人様あたり2個まで」と書かれていたので、つい2個買ってしまいました。夜、お酒のおつまみにと思って試してみました。解説によると「カレーパンの中身というよりカレーパンの生地というか外側のような味」と書かれていたので、先日妻が作ってくれたカレーを少し取っておいたものを一緒に食べたらさらにカレーパンっぽさが増すのではないかと思って試してみたのです。でも、そうすると中身のカレーの主張が強すぎて、外側のパンは普通のパンとあまり変わらない印象になってしまいました。

 単独で食べると「カレーパン」っぽくてとてもいいです。気に入りました。感心しました。



 昨日の午前中に買い物に出たのですが、帰りに大きな川を渡る橋の入口の信号で止まったのです。先頭が建材らしき荷物を一束だけ積んだ2トンくらいの小型トラックで、その後ろが乗用車(確かプリウス)、3番目が私の車でした。信号が青になってトラックが発進したとたんに大きな音がして、荷台の建材の束がトラックの後ろに落下して、結束が外れて散らばりました。誰にも被害はありませんでしたが、すぐ後ろの乗用車はさぞかしびっくりしたと思います。いくら橋に向かって上り坂だったとはいえ、ちゃんと固定していなかったのでしょう。荷崩れは恐ろしいです。荷物を積んだトラックの後ろに停車するときは車間を開けたほうがいいなと思いました。

<おまけのひとこと>
 明日、出社するまでに仕上げておきたい仕事がまだ2つ、まだ終わっていません。うーむ。






7月12日(月) 立体パズル、パターンあやとり、他

 今週もはじまりました。



 Pinterest だったかで、こんな画像を見かけたのです。情報源を記録しそびれました。すみません。

Fig.1

 画像はこの1枚だけで、特に解説もなく、この2つをどうするのかは記述されていませんでした。 自分でもCGを作ってみました。

Fig.2

 よくわからないかもしれません。木目のテクスチャにして、回転させてみました。

Fig.3

 このピースが複数あったら、どうするのが良いでしょうか?

(つづく)



 パターンあやとりの話、一週間前に書き始めたシリーズに戻ります。

 先日は、下の右側(hh210705-1)をご紹介しました。これは最初に内側3本指で「ガイアナの星」を取ってから、「ダブルハートの処理」をして「小さいアムワンギヨ」で仕上げたものでした。今回は「ダブルハートの処理」の代わりにエガラウィナゴにして、さらに「ガイアナの星」と順番を逆にしてみています。

hh210712-1 hh210705-1
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. エガラウィナゴ
  3. 中指の糸を人差し指と薬指に掛け直す
  4. 内側3本指で「ガイアナの星」
  5. 中指を外す
  6. 4本の指の輪を外側へ1回転ひねる
  7. 小さいアムワンギヨの終了処理
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 中指を外す
  3. 内側3本指で「ガイアナの星」
  4. 中指を外す
  5. ダブルハートの処理
  6. 4本の指の輪を外側へ1回転ひねる
  7. 小さいアムワンギヨの終了処理

 結果は似ていますが、違います。中央の四つ葉のクローバーのようなかたちが気に入っています。 たった7行の簡単なテキストでこのあやとり作品の取り方が記述できるというところが「いいなあ」と思うのです。



 【究極のエコ】除湿機の水で水風呂に入ってみた!という記事がありました。知る人ぞ知る有名建築の中銀カプセルタワービルでの実験のようです。中銀カプセルタワービルについては、最近の記事では銀座の「宇宙船」ビル、住人の退去進む 名建築が岐路に(2021.4.21)というものもありました。

 なぜこの記事(除湿器の水で…)をご紹介しようと思ったかというと、この記事の中で使われている除湿機、私が愛用しているものと同じ機種だったからなのです。我が家の地下室でもこの除湿機が活躍してくれていて、毎年5月から10月くらいまでは毎日満タンに溜まった水を捨てています。確かに水はとても澄んでいて、きれいに見えるのです。私は何かに利用したことは一度もありませんが。

<おまけのひとこと>
 仕事が極めて自転車操業的になってきて、ちょっと苦しくなってきました。今週でその状態を改善できるといいなと思っています。






7月13日(火) 立体パズル(その2)、パターンあやとり、他

 立体パズルの話の続きと、日々のあやとりの記録です。



 昨日ご紹介したかたちを2つ、組み合わせてみることにしました。昨日の図(下図)では、2つのピースの向きを同じにしていました。

 片方の向きを変えます(Fig.1)。 

Fig.1

 そうするとこんな風に組み合わせることができるのです。

Fig.2

 縦にして、アニメーションにしてみました。

Fig.3

 二重のらせん構造になっているのがわかるのではないかと思います。

 仮に2つのピースの色を同じにしたとすると、こんな風になります。

Fig.4a Fig.4b

 ジェンカという積み木を崩さないように抜いてゆくゲームがありますが、各層の3本の直方体の真ん中のものをすべて抜いたようなパターンになっています。



 パターンあやとりの話、今日は「ナウルの構え1」からの派生です。

hh210713-1a
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. ダブルハートの処理
    1. 親指を手前、小指を向こうへ半回転ひねる
    2. 親指むこうの糸を中指の輪の中から上へ取り出して薬指にかける
    3. 小指手前の糸を人差し指の輪の中から上へ取り出して人差し指の上方にかける
    4. 薬指の向こうの糸を右手でつまんで時計回りに半回転ひねって両手の小指に掛け、小指をナバホ取り
    5. 人差し指の手前の糸を右手でつまんで反時計回りに半回転ひねって両手の親指に掛け、親指をナバホ取り
  3. 4本の指の輪を外側へ1回転ひねる
  4. 小さいアムワンギヨの終了処理

 全くおなじものをもう少し長い糸でも取ってみました。

hh210713-1b

 このパターンもきれいだと思います。



 スクエニ・三宅陽一郎氏、2020年度人工知能学会論文賞を受賞という記事がありました。昨年でしたか、三宅氏のお話をweb講演で1時間半ほど伺う機会がありました。非常に刺激的な、興味深いお話でした。AI技術というのがゲームと相性が良いというのが改めてよく理解できました。

<おまけのひとこと>
 パターンあやとり、過去にご紹介したことがあるパターンなのかどうか、だんだんわからなくなってきました。やっぱり何か体系的に整理する必要がありそうだなと思いました。次の4連休あたりに着手できるといいなと思っています。






7月14日(水) 三角格子のパズル、パターンあやとり

 三角格子上のパズルの話と、いつものパターンあやとりの話です。



 今日は何を書こうかと思って過去のアイディア検討の記録を遡ってみたら、こんな三角格子上のパズルを検討していました。

 以下のような正三角形が1単位、2単位、3単位、…、8単位のピース8枚を考えます(Fig.1)。全部で36単位になります。

Fig.1

 この8ピースで、1辺の長さが6単位の正三角形を作ることを考えます。Fig.2 はその一例です。

Fig.2

 調べてみると、解は11通りありました。上の図では一番小さな1単位のピースが大きな正三角形の頂点に位置しています。11の解のうち10解は1単位のピースは大きな正三角形の頂点にありましたが、1つだけそうではない解がありました。

 1単位、2単位、3単位…というピースを1つずつ使うというところがちょっと面白いと思ったのでした。



 パターンあやとりの話、今日も「ナウルの構え1」からの派生です。先月、よく似たあやとり作品をご紹介していたのですが、手順のうちの1か所のひねりを行うか行わないかでパターンが変わります。

hh210714-1 hh210612-2
  1. ナウルの構え1
  2. 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、
    人差し指にかけ直す
  3. 中指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、
    中指にかけ直す
  4. 全部の指を向こうへ1回転ひねる
  5. 「小さいアムワンギヨ」
    (「ナウルの終了処理」の前まで)
  1. ナウルの構え1
  2. 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、
    人差し指にかけ直す
  3. 中指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、
    中指にかけ直す
  4. 親指・小指を外側へ1回転ひねる
  5. 「小さいアムワンギヨ」
    (「ナウルの終了処理」の前まで)

 この「パターンあやとり」に関していつも有益なコメントや提案を下さる多摩市のYさんから、私が書いている「ナウルの終了処理」という用語は石野さんのあやとりサイトあやとりしてみようで「ナウルの終了処理」と言っているものとは違うので、呼び方を変えたほうが良いのではないでしょうか、というコメントをいただいています。本当にありがとうございます。

 (リンクは張りませんが)「小さいアムワンギヨ」「焼け焦げた葉のククイ」「ナウルの終了処理」(と私が呼んでいるもの)などをどう表記すべきか、悩ましいところです。



 国立科学博物館は見どころ満載!大人も一日楽しめますという記事を読みました。このページの真ん中あたりに紹介されている「温帯低気圧のペーパーモデル」が教材として素敵だなと思いました。自分で作ったら始末に困りそうなので欲しいとは思いませんでしたが、理解の助けになりそうです。

<おまけのひとこと>
 このところ、夕方に短時間激しい雷雨があります。雷という気象現象は実はまだ完全には解明されていないそうです。






7月15日(木) 折り紙のたとう折り、パターンあやとり

 折り紙の話とパターンあやとりの話です。



 パターン折り紙とか origami tessellations とか言われる折り紙のテクニックがありますが、その基本となる手法の1つにこんな折り方があります。単独で折る分には特に難しくありません。赤が谷折り、青が山折りだと思ってください。

Fig.1

 これにこんな折り線を加えてみました(Fig.2 → Fig.3)。

Fig.2 Fig.3

 実際に折ってみました。

Fig.4

 畳んでみました。

Fig.4

 うーむ、もう少し工夫の余地がありそうです。

(つづく)



 パターンあやとりの話、「ナウルの構え1」からの派生です。人差し指と中指の輪を入れ替える開始処理から「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」をしてみました。引き絞ると「蝶」のようなパターンになりますが、中央部分の糸のかかり具合がわかるようにマグネットボード上で調整してみると、結び目のパターンがきれいなことがわかります。

hh210715-1a hh210715-1b
  1. ナウルの構え1
  2. 人差し指と中指の輪を入れ替える
    1. 人差し指の輪を薬指に移す
    2. 中指の輪を人差し指に移す
    3. 薬指の輪を中指に移す
  3. 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、
    人差し指にかけ直す
  4. 「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」
手順は左と全く同じ
整え方を変えた

 右側の仕上げ方(hh210715-1b)のほうが好みですが、このかたちを両手の間で空中にきれいに作るのは難しいです。



 おそらくロシアのSNSと思われる、こんなサイトがありました。結び目やロープワークを基本としたパターンを紹介するグループのようです。眠っている3匹の仔猫の「三つ巴」のような対称性の写真が面白いと思いました。

<おまけのひとこと>
 本業のほうで読まなければいけない(読みたい)文献や資料がたまってきていて、今日はできればそれを少し処理したいと思っています。「○○日に内容をかいつまんで報告します」と自分で納期を宣言するのが確実なのですが、そこまでやる自信がないです。(弱気)






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