以前の「ひとこと」 : 2021年6月前半
6月1日(火) パズルカレンダー(その3)、窓から見た「朝焼け」と「夕焼け」、他
今日から6月です。月が替わりましたが昨日の話題を継続します。すみません、あやとりの話は今日はお休みです。
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思いがけず数日にわたってご紹介しているA puzzle a dayというパズルカレンダーですが、今日6月1日をこんな風にセットしてみました。
Fig.1 この配置だと黄色いピースを左右反転させるだけで6月2日になります。1ピースを動かすだけで日付を進められる例です。
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もう1つ、1年間の更新の際のピースの移動数の合計を減らす案として、月の名前の部分だけは1か月間変化しないので、その部分だけを固定するという案を考えてみました。2月、5月、8月、11月の4か月はこの2つのピースで表示が可能です。
Fig.2 この2ピースを固定して残りの6ピースで1〜31日の表示ができれば、毎日最大でも6ピースの移動だけで済むということになるので、少なくとも1か月あたり60手、4か月で240手は削減できることになります。
調べてみると1つだけ、18日の解だけはありませんでした。残念…
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C60、バックミンスターフラーレンと呼ばれる炭素の同素体があります。いったいどうやってこの分子ができるのか、とても不思議です。その生成過程をなんと動画で捉えた、という研究がありました。フラーレンの球面構造はどのようにしてできるのか? ― 三次元の分子が組み上がっていく様子を映像で捉えた ― という、中村栄一先生のチームのご研究です。たいへん面白いです。原子分解能単分子実時間電子顕微鏡(SMART-EM)イメージング法、というのがこの研究チームが開発された手法なのだそうです。中村先生とは以前古楽の関係でつながりがあったのですが、本業の化学のお仕事も本当に素晴らしいです。最近はこんなこともされていらっしゃるのか、と感心して見せていただきました。
C60 ○
日が長くなってきました。窓の外がきれいな風景になっていることに気が付くと、写真を撮ってみたりしています。
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May 24, 2021 一週間前、先週の月曜日(5/24)の朝4時半前くらいの写真です。
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May 28, 2021 先週の金曜日(5/28)の夕方の7時前の写真です。山の色の感じがいつもと違う、と妻が教えに来てくれたのでカメラを持って行って写真を撮りました。
この季節は田んぼに景色が映るのが好きです。稲が育ってくると水面が見えなくなるので、このような水鏡は見られなくなってしまいます。田植えの前後の1か月くらいの楽しみです。
<おまけのひとこと>
4月から新しい年度が始まって2か月、ようやくいろいろな計画やら決め事やらが一段落したかなというところです。ただ、進め方が悩ましい仕事がいくつかあって、どうしたものかと思っています。
6月2日(水) S型テトロミノで遊ぶ(その1)、あやとり「並んで歩く4人の子供」
S型のテトロミノというかポリキューブをいくつも作って遊んでみた話と、あやとりの話です。
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立方体4個を接着して、S型とかN型とか言われるテトロミノのかたちを8つ作ってみました(Fig.1)。目的は、右側のような立体十字型というか、4x4x4の立方体から稜を取り除いたかたちというかを作ることです。
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Fig.1 ちなみにこのピースのかたちは、この分野では古典的名著であるソロモン・ゴロムのポリオミノの宇宙(日本評論社:2014)では「斜型テトロミノ」と呼んでいますが、ここでは以下S-テトロミノと表記することにします。(S-テトラキューブと表記したほうが良いのかもしれません。)
S-テトロミノ8つでこの形を作って、自立させることができます。
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Fig.2 S-テトロミノは一層の長方形を作ることができませんが(そもそも長方形からはみ出さずに一辺を覆いつくすことすらできない)、二層にすると8ピースで4x4x2が作れます。S-テトロミノ2つを組み合わせたものをユニットとして、4ユニットでFig.2の十字型もできますしFig.3の4x4x2の直方体も作れるのです。
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Fig.3 S-テトロミノの直方体は、6ピースで 4x3x2 も作れます。
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Fig.4 この8ピースを机の上に置いておいて、なんとなくいじっています。
(つづく) ○
昨年10月に実施された、5年に一度の国勢調査の結果の速報値が発表されたようです。各自治体ごとに結果を速報しているようで、私が住んでいる長野県もこちらに公開されていました。非常に興味深く数字を眺めました。おそらく各都道府県から速報値が発表されているのではないかと思います。「国勢調査、速報値、○○県」などと検索すると見ることができると思います。
ご自分のお住いの地域以外の状況は興味がない方がほとんどかと思いますが、長野県はやはり人口は減少していること、ところが世帯数は増加していることがわかりました。(5年前の前回の国勢調査結果との比較です。)私が住んでいる市はなぜか人口が増えていて、女性が130人くらい、男性が450人くらい増えています。これは地域外からの働き手や学生さんが増えているということなのかな、と思いました。また世帯数は1,500くらい増えています。ということは単に地域外から引っ越してこられただけでなく、子供が独立するなど新たに別世帯として分かれた数もけっこうあるということかなあと思います。
一方で小中学校の児童生徒の数は減少している、というのが実感です。まだ複式学級(2つ以上の学年を1クラスにまとめた学級)にはなっていないようですが、1学年は1クラスが当たり前になってきているようです。今後、社会インフラをどのように維持してゆくのか、悩ましいところだと思います。
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あやとり工房というサイトがあります。2009年に開設されたサイトのようで、数多くのあやとり作品の取り方が丁寧に紹介されています。選ばれているあやとりを見て、自分と好みが似ているなあと思っています。
その中に、(多分)石野さんのあやとりしてみようには掲載されていなかった 並んで歩く4人の子供 という作品があって、気になって取ってみました。
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Fig.5 カロリン展開で仕上げる仲間の1つという位置づけです。内側の3本指でこの「並んで歩く4人の子供」を作るパターンで、最後に「小さいアムワンギヨの終了処理」を施してみました。
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hh210602-1 パターンあやとりとして面白くないことはないですが、でもこの作品の場合はオリジナルのほうが美しいかなと思いました。
<おまけのひとこと>
昨日は社外とのリモート会議があったのですが、研究として非常に興味深い話が聴けてとても楽しかったのです。実用上はあまり役に立たないかもしれませんが、もう少しその先が知りたいなと思いました。20年近く前に読んで感銘を受けた関係する研究を連想したのでコメントさせていただきました。つくづく自分の興味の方向は実用向きではないなと改めて思いました。
6月3日(木) S-テトラキューブで遊ぶ(その2)、パターンあやとり
S型テトロミノ改めS-テトラキューブの話のつづきとあやとりの話です。
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昨日、S型テトロミノと呼んでいた立方体4つを連結したかたち、やっぱりS-テトラキューブと呼ぶことにしました。その話の続きです。
S-テトラキューブを8つ作ったのですが、4つずつでこんな穴の空いた3x3x2のかたちを2セット作ってみました。
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Fig.1 片方(右側)をこんな風に3x3の正方形の角が欠けた二層構造に組み替えました。
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Fig.2 ここで2つほど疑問が浮かびました。
- 3x3x2の直方体にS-テトラキューブを4つ納めるかたちは他にもあるでしょうか、無いでしょうか?
- 3x3x3の立方体にS-テトラキューブを6つ納めるかたちは何種類あるでしょうか?
構成するピースの配置が違っていても、全体としてのかたちが同じなら「同じかたち」と見なすことにします。 最近はこういうシンプルなパズルをぼんやり考えたり試してみたりするのが好きです。
(つづく) ○
パターンあやとりで、4本指の処理でFig.3のパターンを作ってみました。内側に「ガイアナの星」を作ってから、「4本指のダンスの舞台の終了処理」を行っています。比較のためにシンプルな4本指の構えである「ナウルの構え1」から「4本指のダンスの舞台の終了処理」を行ったものを再掲しておきます。
長い糸で取るのがお勧めです。(Fig.3 は、3メートルの紐を輪にして作った1.5mの長さのあやとりひもで取っています。)
これは最近取ったパターンあやとりの中でも気に入っています。アンドロメダ
とかアルタイル
とかに変わって、今はこれを飾っています。
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岩波科学ライブラリーの電柱鳥類学(三上修:2020)という本がとても面白そうなのです。リンク先の岩波のサイトで冒頭を試し読みできるのですが、「1.電柱と電線の基礎知識」だけでもとても面白そうです。今度見かけたら入手したいと思いました。
<おまけのひとこと>
「面白そう」「読んでみたい」と思える本があるのは幸せなことだと思います。
6月4日(金) S-テトラキューブで遊ぶ(その3)、パターンあやとり
S-テトラキューブを3x3xNに詰め込んだ時の隙間の話と、あやとりの話です。
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昨日、こんな問いかけをしました。
- 3x3x2の直方体にS-テトラキューブを4つ納めるかたちは他にもあるでしょうか、無いでしょうか?
- 3x3x3の立方体にS-テトラキューブを6つ納めるかたちは何種類あるでしょうか?
今日の説明のために、今朝CGを作ったのですが、そのときに今さらですが S-テトラキューブの図も作ってみました。
Fig.1 : S-tetracube ○
1つ目の「3x3x2の直方体にS-テトラキューブを4つ納めるかたちは他にもあるでしょうか?」ですが、答えは「ありません」。3x3x2 にS-テトラキューブをを4つ納めるかたちは、昨日のこの写真の2通りしかありません。
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このような3x3x2の格子を考えて、
Fig.2 : 3x3x2 わかりやすいように隙間のほうを表示してみます。
Fig.3 Fig.4 回転したりひっくり返したりして重なるものは同じと見なすと、上記の2パターンしかないのです。
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2つ目の「3x3x3の立方体にS-テトラキューブを6つ納めるかたちは何種類あるでしょうか?」ですが、答えは「2通り」でした。先ほどと同様に、隙間のほうを表示してみます。
このような3x3x3の格子を考えます。3x3x3=27単位分の広さがあります。
Fig.5 : 3x3x3 ここに4単位分のピース6個を入れるので、隙間の数は3つです。以下の2パターンしかありませんでした。
Fig.6 Fig.7 どちらのパターンも中心が「隙間」になっています。3x3x2のときにはこの位置が埋まる配置もあったのに、面白いです。中心を埋めると5ピースしか入らないのです。
これを見ていたら、またちょっと思いついたことがありました。
(つづく) ○
パターンあやとりをいろいろ取ってみています。昨日は「ダンスの舞台の終了処理」でしたが、「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」の試みです。先日、「ガイアナの星」で試したパターンを(Fig.9に再掲しました)正逆ナウルの太陽でやってみました。(逆を先にやっているのは、逆のほうが面倒なためです。)
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hh210604-1 hh210519-1
- ナウルの構え2
- 内側3本指で「逆ナウルの太陽」→「正ナウルの太陽」
- 中指を外す
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
- ナウルの構え2
- 中指を外し、内側3本指で「ガイアナの星」
- 中指を外す
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
この終了処理もきれいです。
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パターンあやとりを気に入って下さって、コメントや作品の写真を送って下さる多摩市のYさんから、昨日ご紹介した「四本指のガイアナの星→ダンスの舞台」
を取ってみました、というメールと写真をいただきました。ありがとうございます。たいへんうれしいです。
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3月に野口先生の「あやとり続」の「ブロス・バードの家」の画像を送って下さった愛知県のKさんから、交差とひねりを考慮した多段ばしごの検討をされているというレポートをいただきました。中村義作先生の「数理パズル」の「あやとり 〜いろいろな段の「はしご」を作る〜」に関しても教えていただきました。「数理パズル」、実は持っていないのです。昔、図書館で借りて読みました。その時には別の章の内容のほうに興味があって、あやとりについては詳細まで理解しようとしなかった覚えがあります。まだ見ている時間が取れないのですが、ぜひ調べてみたい思います。本当にありがとうございました。
Kさんが昔作られた穴あき数当てカード というwebサイトも教えていただきました。これ、楽しいですよね。昔、中学生くらいのころにこういった数字当てカードを自分で作ってみて、なぜこれで1か所だけを表示できるのだろうか、と不思議に思ったものです。二進法との関わりに思い至って「あ、そうか!」と大興奮したことを覚えています。
<おまけのひとこと>
今日は天気が悪いようです。今週は仕事が忙しくて大変です。
6月5日(土) S-テトラキューブで遊ぶ(その4)、パターンあやとり
すみません週末なので軽い内容で遅い時間の更新です。
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S-テトラキューブを積み木のようにして遊んでいます。
S-tetracube 4つずつ並べてみたり
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Fig.1 こんな風に積んでみたり。
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Fig.2 Fig.3 ○
今日のパターンあやとりです。パプアニューギニアの亀から5本指パターンに広げて、小さいアムワンギヨ(ナウルの終了処理の前まで)で仕上げてみました。
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hh210605-1
- パプアニューギニアの亀
- 親指→人差し指、小指→薬指に輪を移す
- 人差し指どうし、薬指同士をまっすぐ結ぶ糸の中央をひねって親指・小指にかける
- 親指小指、人差し指薬指を外側に1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨ
中指の構えから内側3本指で「パプアニューギニアの亀」を取るのと、ちょっと出来上がりが違います。
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パズル工房「葉樹林」さんの「葉樹林記録」の2021年1月6日に紹介されていた、Kohfuhさんの Atnas というシルエットパズル、知りませんでした。とても素敵なデザインです。以前「あそびをせんとや」でご紹介したとあるものから発想して下さったということを書いていただいてあって感激しました。
<おまけのひとこと>
週末、いろいろ用事があったりして、遅い時間の内容の少ない更新になってしまいました。
6月6日(日) 幾何魔方陣をブロックスで遊ぶ、パターンあやとり
幾何魔方陣をブロックスで遊んでみた話と、パターンあやとりの話です。
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先週末に、幾何魔方陣のご紹介をしました。こういうのをやってみるとき、ボードゲームのブロックス(リンク先はwikipediaです)がたいへん役に立ちます。
これを、このようにブロックスのピースで準備します。
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Fig.1 とりあえず上の図の横方向の4組で組んでみたところです(順番は適当です)。これは、妻が解いてくれました。
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Fig.2 たった4ピースで隙間もない、すごく易しいパズルのように思えますが、私もやってみたのですが、例えば縦の左から2列目とか、自分でも意外なほど手こずった組み合わせもありました。(パズルに慣れた方なら「まさか!」と思われるかもしれません。)
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先日、「4本指内側のガイアナの星」→「ダンスの舞台の終了処理」のパターンあやとりのご紹介をしました。そうしたらそれをご覧いただいた、あやとり協会会員の多摩市のYさんから「取ってみました」というご報告のメールを写真付きで送っていただきました。大変嬉しいです。ありがとうございます。写真の公開をご快諾いただけたので、掲載させていただきます。
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Fig.3 ![]()
Yさんの作例 このサイトでご紹介した完成形の画像や取り方の簡単な手順を見て、再現して下さる方がいらしたということはとても嬉しいことです。ありがとうございます。
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今日のパターンあやとりです。これもパプアニューギニアの亀の手法を活用したあやとり作品です。
これは、Joseph Ornstein さんのケルトのタペストリーという作品によく似た手順のあやとりです。
上の手順3で中指の輪を外しています。通常の「パプアニューギニアの亀」では、この段階で中指の輪を外してしまうと、中指の輪は図形中央でひっかからずに左右に絞られてしまいます。上記の手順だと、外側の親指・小指に掛かっている糸の交差のおかげで中央付近で止まってくれます。
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一橋桐子(76)の犯罪日記 という本を途中まで読みました。なんだか身につまされて、気分が沈みました。まだ最後まで読めていません。本を読むという行為は、自分では体験したことのない状況を追体験することで、もしも人生でそのような状況に実際に出会ってしまった場合にあらかじめ心の準備をするという効果がある、という話を読んだことがあります。(高校の現代国語の教科書で、確か福永武彦だったような気がします。)あたかもワクチンを注射することで体内に免疫を準備しておくように、実際には毒にならない「読書」という仮体験によって、そういった状況になったときの心構えというか考え方・感じ方を準備しておける、という考え方です。
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」の例が挙げられていて、この本を読んで自殺してしまった読者がいたことについて、「せっかくのワクチンで本当に病気になって死んでしまうなんて馬鹿げている」みたいなことが書かれていたのが印象的でした。(探しているのですが原文が見つからないので表現は違うと思います。)
…すみません、この話昔も書いているかもしれません。
以前、一緒に古楽のアンサンブルをやっていたKさんからこの件に関してメールで教えていただきました。福永武彦の「愛の試み」の中の「孤独」の章だそうです。「折角のワクチンで本当に病気に罹るというのでは馬鹿げている」という表現になっているそうです。ああ、そうでした。「愛の試み」、また読んでみたいと思いました。きっとこの歳になって読むとまた違った感慨を覚えると思うのです。
久々にKさんからメールを頂いて、たいへん嬉しく思いました。ありがとうございました。(2021年6月9日追記)
<おまけのひとこと>
2〜3か月前にはちゃんと覚えていて取れた伝承あやとり作品の取り方をもう忘れています。手順を見れば取れるものがほとんどですが、でも「覚えられないなあ」と思います。本当は、自分が好きなあやとり作品はできるだけ毎日一通り取ればいいのでしょうけれども、とてもそんな時間はありません。まあいいか。
6月7日(月) 雑多な話題とパターンあやとりの話
週のはじめですが、今日は軽い話題です。
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ボードゲームの ブロックスのウィキペディアのサイト に、「プレイ中の盤面の一部」という画像が載っています。
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Wikipedia より ブロックス盤面の一部 この画像に写っている「プレイ中の盤面の一部」、何か変だと思いませんか? 無償で公開して下さっているものにケチをつけるのは好きではないですが、「あれっ?」と思ったのです。ブロックスをよくご存じの方なら気が付くのではないかと思います。(もったいぶって明日に続きます。)
(つづく) ○
ベランダの物干し竿に、今年巣立ったと思われる若鳥が止まっていました。網戸越しに写真を撮ってみました。
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小鳥 1 フォーカスを網戸に持って行かれてぼんやりした画像になってしまいました。
その後、小鳥はベランダのすぐ目の前のマルメロの木に飛び移りました。
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小鳥 2 今の季節は木に葉っぱが茂っているのでよく見えません。
自分の家の庭に野生の鳥が来てくれるのは嬉しいです。昔は小鳥がなついてくれたら素敵だろうなと思っていましたが、ちゃんと人間を警戒しているのは生き延びるために大切なことなので、上手にうまく生き延びてまた遊びに来てね、とこっそり眺めています。
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昨日の パプアニューギニアの亀の手法を活用したあやとり作品、昨日は「中指の構え」から始めて内側3本指で「パプアニューギニアの亀の途中まで」を取りましたが、「パプアニューギニアの亀の途中まで」を3本指のオープニングにして、そこから同じことをやってみました。
昨日のもの、一昨日のものと比べてみます。
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hh210606-1 hh210603-1 左(hh210606-1) が「中指の構えから内側3本指でパプアニューギニアの亀(の途中まで)、タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」で、右(hh210603-1) が 「4本指内側にガイアナの星→ダンスの舞台の終了処理」です。今日のものもきれいだと思います。
<おまけのひとこと>
もう1つ2つ、書こうと思っていた雑談があるのですが、時間切れです。(朝5時を過ぎてしまいました。時間がない…)
6月8日(火) テトラキューブの派生ピースのパズルの話とパターンあやとりの話
S-テトラキューブの派生のパズルの話、他です。
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3x3x3の立方体から、1本の対角線に沿った3つの単位立方体(下図の色を付けた3か所)を取り除いた24単位の立体を考えます。
先日も書きましたが、これは S-テトラキューブ
S-tetracube 6個で作ることができました。3か所の隙間の単位立方体を直角二等辺三角柱2個に二等分して、6つのS-テトラキューブに貼り付けることで隙間の無い3x3x3の立方体を組む6ピースのパズルをデザインしてみたくなりました。
少し試行錯誤して、こんなパズルを作ってみました。アーテックブロックを使っています。
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Fig.1 : 3x3x3 ピースはこんなセットになります。かたちは3種類、うち2種類はキラルなかたちです。赤と緑、青と白は互いに鏡像体になっています。黄色と黒は合同です。
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Fig.2 : 6 pieces 例によってアーテックブロックのパリティの問題に悩まされました。
これを見ているとまた連想が広がります。
(つづく) ○
ブロックスのウィキペディアのサイト の「プレイ中の盤面の一部」という画像に違和感を覚えたということを昨日書きました。
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Wikipedia より ブロックス盤面の一部 ブロックスは、自分のピースを頂点だけを共有するように盤面に置いていきます。そのため他の色(プレーヤー)を止めることが難しく、「すり抜け」が起こるのです。ところがこの写真で、同じ色が辺を共有しているところがあるのです。(今日の一番下の「おまけのひとこと」で答えを書きます。)
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「ナウルの構え2」(5本指の構え)から内側3本指でガイアナの星やパプアニューギニアの亀を取って、小さいアムワンギヨの終了処理をする、というパターンあやとりを作って比べてみました。
Nauru Opening 2
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hh210608-1 hh210608-2
- ナウルの構え2
- 内側3本指でガイアナの星
- 中指を外す
- 親指人差し指を手前へ、薬指小指を向こうへ1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨの終了処理
- 中指の構え
- 内側3本指でパプアニューギニアの亀の途中まで
- 中指を外す
- 親指人差し指を手前へ、薬指小指を向こうへ1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨの終了処理
どちらも好きなパターンあやとり作品です。この程度の複雑さの作品だと、両手の中でかたちを整えるのもそれほど大変ではありません。普通の長さのあやとりひもでも何とか取れるくらいの複雑さです。(短いひもだと途中はけっこう苦しいですが)
<おまけのひとこと>
Wikipediaのブロックスのページの画像、青のピースが(頂点ではなく)辺で接している箇所があります。(あんなに長いまっすぐなピースは存在しないの)
昨日は週のはじめの月曜日だというのになかなか大変な一日でした。朝6時前に家を出て、帰宅したのは夜9時くらいです。帰りの運転が特に辛かったです。若いころはこの程度は全く平気だったのですが。今週は実は今日の午後が山場です。昨日でちょっと体力を減らしてしまいました。しかも午後の報告の資料、今日の午前中が締め切りなのですが、まだ白紙なのです。(基になる20ページくらいの資料はあって、それを数ページの概要資料にしないといけない。)まあイメージはあるので2時間もあればできるだろうと高をくくっているのですが、そういうときに限って緊急の仕事が割り込んできたりするのです。
6月9日(水) イエローストーン順列(その1)、パターンあやとり、他
今日は数列の話と、いつもの「パターンあやとり」の話です。
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イエローストーン順列(The Yellowstone permutation) という、たいへん興味深い数列を知りました。日本語でこの数列に関して書かれているサイトは見当たりませんでした。簡単にご紹介してみたいと思います。
まずは定義です。イエローストーン順列は次のように定義されます。
最初の3項は 1, 2, 3 である。
4項目以降の定義は以下の通り。
- n番目の項a(n)は、2つ前の項a(n-2)とは互いに素ではなく(=1以外の公約数を持ち)、1つ前の項a(n-1)とは互いに素である
- a(n)は、それまでの数列に現れた数とは異なる(同じ値は2度と現れない)
- a(n)は、上記の2つの条件を満たす数のうち、最小のものである
この定義に従って、数列の項を1つずつ決めてみます。「互いに素」「互いに素でない」という概念の格好の練習問題になりますので、まずは実際に手を動かして考えてみることを強くお勧めします。
1 定義より1 2 定義より2 3 定義より3 4 2つ前の数(2)とは互いに素ではなく、1つ前の数(3)とは互いに素であるような数 ⇒ 2の倍数であり、3の倍数ではない数 2,4,8,10,14,16… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 49 2つ前の数(3)とは互いに素ではなく、1つ前の数(4)とは互いに素であるような数 ⇒ 3の倍数であり、2の倍数ではない 3,9,15,21,… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 98 2つ前の数(4)とは互いに素ではなく、1つ前の数(9)とは互いに素であるような数 ⇒ 2の倍数であり、3の倍数ではない。 2,4,8,10,14,16… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 815 2つ前の数(9)とは互いに素ではなく、1つ前の数(8)とは互いに素であるような数 ⇒ 3の倍数であり、2の倍数ではない。 3,9,15,21,27… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 1514 2つ前の数(8)とは互いに素ではなく、1つ前の数(15)とは互いに素であるような数 ⇒ 2の倍数であり、かつ3の倍数でも5の倍数でもない。 2,4,8,14,16,22… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 145 2つ前の数(15)とは互いに素ではなく、1つ前の数(14)とは互いに素であるような数 ⇒ 3もしくは5の倍数であり、かつ2の倍数でも7の倍数でもない。 3,5,9,15,25… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 56 2つ前の数(14)とは互いに素ではなく、1つ前の数(5)とは互いに素であるような数 ⇒ 2もしくは7の倍数であり、かつ5の倍数でない。 2,4,6,7,8,12,14,16,18,21,22… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 625 2つ前の数(5)とは互いに素ではなく、1つ前の数(6)とは互いに素であるような数 ⇒ 5の倍数であり、かつ2の倍数でも3の倍数でもない。 5,25,35,55… このうちこれまでに出てきていない最小の数は 25… 以下同様に… 「2つ前の項とは互いに素ではなく、1つ前の項とは互いに素な、まだ使われていない最小の数」という定義を頭に入れて、1,2,3 に続く項を上記のように1つずつ決めてみてください。25の次(6とは互いに素でなく、25とは互いに素な、まだ使われていない最小の数)は何でしょう?
この数列、いろいろ面白い性質が知られているのだそうです。1つだけご紹介すると、この数列は全ての自然数が1回だけ現れるのだそうです。「同じ数は使えない」というルールがあるので一見自明な話のような気もしますが、「この規則ですべての数が必ず現れる」というのは当たり前ではないと思います。
(つづく) ○
「パターンあやとり」をいろいろ試して下さっているあやとり協会の多摩市のYさんから、「ビヤトエイディオウィナゴの開始処理」→「ダンスの舞台の終了処理」という手順のあやとりの画像を送っていただきました。ありがとうございます。
私も取ってみようと思って、最初に作ってみたのがこちらです(Fig.1)。でもなんだか様子が違うのです。間違えて「エガラウィナゴ」から始めてしまいました。「ビヤトエイディオウィナゴ」から始めるとこちら(Fig.2)になりました。
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hh210609-1 hh210609-2 「ダンスの舞台の終了処理」、普段はあまり使わないのですが、これもなかなかいいなと思いました。
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先日、読書というのは経験できないことの追体験だという随筆を読んだ覚えがあるということを書きましたが、それは福永武彦の「愛の試み」の中の「孤独」の章だとメールで教えていただきました。私のうろ覚えの一節は、正しくは「折角のワクチンで本当に病気に罹るというのでは馬鹿げている」だそうです。ああ確かにそうだった、と思いました。教えていただけて大変嬉しかったです。
教えて下さったのは以前一緒に古楽のアンサンブルをやっていたKさんでした。もう何年ぶりでしょうか。お元気そうで何よりです。福永武彦は全集をお持ちなのだそうです。私も昔、「草の花」をはじめ何冊か読んだことがあって、文庫本で持っていたはずなのですが見つかりません。また読んでみたいな、今読むとどんな風に感じるのだろう? と思いました。
<おまけのひとこと>
昨日は忙しい一日でしたが、充実はしていました。昨日で一段落と思いきや、全然別な視点でまた新たに仕事の悩み事ができました。まあ暇よりもよっぽど良いとは思います。
6月10日(木) イエローストーン順列(その2)、パターンあやとり、他
昨日の数列の話の続きと、いつものパターンあやとりの話です。
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昨日ご紹介を始めたイエローストーン順列 ですが、こちらのThe Yellowstone Permutation(David L. Applegate, Hans Havermann, Bob Selcoe, Vladimir Shevelev, N. J. A. Sloane, Reinhard Zumkeller:2015)という論文が情報源です。最終著者(last author)のZumkeller氏が2004年に見出した数列のようです。
数列の定義をもう一度載せておきます。
最初の3項は 1, 2, 3 である。
4項目以降の定義は以下の通り。
- n番目の項a(n)は、2つ前の項a(n-2)とは互いに素ではなく(=1以外の公約数を持ち)、1つ前の項a(n-1)とは互いに素である
- a(n)は、それまでの数列に現れた数とは異なる(同じ値は2度と現れない)
- a(n)は、上記の2つの条件を満たす数のうち、最小のものである
上記の論文の最初の図では、この数列の第101項から第200項までがプロットされています。しばらく小さな変動が続いた後で下向きのピークが出て、続いて大きな上向きのピークが現れています。
Figure 1 from "The Yellowstone Permutation" どうやらこのパターンが、「イエローストーン国立公園の間欠泉」の噴出パターンのグラフのように見えるのでイエローストーン順列と名付けられたようです。イエローストーン数列ではなくイエローストーン順列なのは、全ての自然数が1度だけ必ず現れるためです。
図2では、もう少し広い範囲を見ています。第1項目から第30万項目までがプロットされています。詳しくは論文を参照していただきたいのですが、値が何本かの直線付近に集まっているのがわかります。
Figure 2 from "The Yellowstone Permutation" 表1で、再び数列の最初のほうに注目して、第1項から第300項までの値が載せられています。数字に色分けがされていて、下向きのピークもしくは素数は茶色、上向きのピークや突出した値は青色になっています。
Table 1 from "The Yellowstone Permutation" いかがでしょうか、どんなことを思いつくでしょうか。
(つづく) ○
パターンあやとり、今日の試みは一昨日の2種類のパターンの冒頭の処理を二重化してみました。Fig.a-1とa-2が一昨日ご紹介したもので、a-3とa-4が新たにやってみたものです。
だんだん複雑になってくると、面白さや美しさを共感していただきにくくなってくるかなとちょっと心配です。
<おまけのひとこと>
昨日は気を遣うリモート会議がたくさんあって大変でしたが、一応うまくいったと言って良いかなと思っています。
6月11日(金) イエローストーン順列(その3)、パターンあやとり、他
昨日の数列の話の続きと、いつものパターンあやとりの話です。
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イエローストーン順列 のご紹介をしています。詳しくはこちらのThe Yellowstone Permutation(David L. Applegate, Hans Havermann, Bob Selcoe, Vladimir Shevelev, N. J. A. Sloane, Reinhard Zumkeller:2015)という論文をご覧ください。また、oeis.org(OEIS:オンライン数列事典)のA098550がこの数列です。
数列の定義をもう一度載せておきます。
最初の3項は 1, 2, 3 である。
4項目以降の定義は以下の通り。
- n番目の項a(n)は、2つ前の項a(n-2)とは互いに素ではなく(=1以外の公約数を持ち)、1つ前の項a(n-1)とは互いに素である
- a(n)は、それまでの数列に現れた数とは異なる(同じ値は2度と現れない)
- a(n)は、上記の2つの条件を満たす数のうち、最小のものである
最初の100項を自分でプロットしてみました。
Fig.1 : The Yellowstone Permutation 赤で示したのが素数です。このイエローストーン順列では、素数は自然な順番で(小さい順に)現れると予想されているのだそうです。
また、青で示したのが「固定点」と呼ばれる、a(n)=nになっているものです。これは {1,2,3,4,12,50,86} の7つしかないと予想されているそうです。
リンク先の OEIS のページを見ると、この順列の興味深い性質がほかにもたくさん説明されています。こんなに面白い数列を知ることができて嬉しいです。
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あやとりです。最近、気に入って飾っているパターンです。タイガーショベルノーズキャットフィッシュ をアレンジしたかたちになっています。
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- ナウルの構え1
- 人差し指と中指の輪を入れ替える
- 人差し指の輪を薬指に移す
- 中指の輪を人差し指に移す
- 薬指の輪を中指に移す
- (中指の輪の中から人差し指の輪をつまんで外し、人差し指に掛け直す)
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- 「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」
手順3はやらなくても射影図としては同じになりますが、やったほうがかたちが整いやすいかなと思います。また、手順2の「人差し指と中指の輪を入れ替える」操作ですが、私は以下のような操作をしています。
- 人差し指の手前の糸を(逆の手で)つまんで人差し指の輪を外す
- 輪をつまんだまま、続いて中指の向こうの糸もつまんで中指の輪も外す
この時点で2つの輪をつまんでいます。向こう側の輪がもともと人差し指に掛かっていた輪で、手前側の輪がもともと中指に掛かっていた輪です。- 2つの輪をそれぞれ人差し指と中指に掛け直す
こうすると薬指を経由しなくて済むので簡単です。
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多摩市のYさんから、7つのダイヤモンド を終了処理として用いたパターンあやとりの画像を2種類送っていただきました。いつもありがとうございます。7つのダイヤモンドを終了処理に使うと前後の対称性があまり高くないだろうという思い込みがあって、私はあまり研究してみていなかったのですが、改めていろいろ試してみると面白くて美しいパターンがたくさん作れることがわかりました。ありがとうございます。順次ご紹介しようと思います。
愛知県のKさんからも、多段ばしごのレポートを続々といただいているのですが、ごめんなさい、ざっと見せていただいてはいるのですが、詳細までフォローし切れていません。ありがとうございます。
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やってしまいました。昨日ご紹介したパターンあやとり、先月ご紹介したものと同じでした。正確に言うと、先月のものは「ナウルの終了処理」までやっているので完成形はちょっと違いますが…
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May 12, 2021 Jun.10, 2021 この「あそびをせんとや」というサイトは、自分が日々面白いと思ったことを記録するために書いています。あやとりに関しては、パターンあやとりの世界 という独立したサイトを作って、そちらでちゃんと系統的に整理したものを公開したいと思っているのですが、こうして毎日思いついたものを書くスタイルがもう20年以上定着してしまったため、なかなかまとめる時間が取れません。一応、以前に公開していないか確かめてから載せるようにしていたのですが、昨日は見落としました。
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図書館で「女流阿房列車」(酒井順子:新潮社(2012))を借りてきて読みました。只見線は昔乗ったので懐かしいです。阿房列車系のエッセイはとても好きで、オリジナルの内田百閧フものも、阿川弘之の「南蛮阿房列車」も愛読しています。もちろん鉄道エッセイと言えば宮脇俊三が一番好きですが。マンガ「テツぼん」も好きです。
妻が途中まで読んでくれて、編集者からの「差し入れ」を羨ましがっていました。
<おまけのひとこと>
毎日、複数のトピックを書くのが常態化してきました。それぞれのトピックにダイレクトにリンクが張れるようにアンカーを設定することにしました。
6月12日(土) 合同なテトラキューブ8個で(その1)、パターンあやとり(4本指の構えの装飾処理)
テトラキューブの話とあやとりの話です。週末なので遅い時間の更新です。
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先日、下のFig.1aのようなかたちを目標としたパズルをご紹介しました。これは、4x4x4 の立方体の稜を取り除いたかたちでした。取り除かれた稜の部分だけを考えると、Fig.1bのようなかたちになっています。
Fig.1a Fig.1b 実はこの2つ、どちらも32単位で体積は一緒です。トポロジカルには左側は球と同相ですが、右側のほうは5つ穴のドーナッツ(5人乗りの浮き輪)のかたちをしています。(立方体の骨格なので、穴は6個なのではないかと思うかもしれませんが、5個です。)
32単位なので、それぞれのかたちを合同なテトラキューブ(立方体4つをつないだかたち)8個で作ってみることを考えます。テトラキューブは厚み1のものが以下の5種類、
厚み2のものが以下の3種類あります。最後の2つは鏡像対称です。
この8種類のうち、同じものを8個使って Fig.1a の立体十字型を作れるのはどれでしょうか。また、Fig.1bの立方体のフレーム型を作れるのはどれでしょうか。1つだけとは限りません。
(つづく) ○
「ナウルの構え1」に簡単な装飾処理を加える実験です。昨日は「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」にしましたが、シンプルに「小さいアムワンギヨ」でまとめてみました(下図左)。また、輪を入れ替えるのではなく単に隣の輪の中から取り出して掛け直すという「絡ませる動作」をしてみました(下図右)。
こんなシンプルなパターンもいいなと思います。
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昨年はパズル通信ニコリの40周年記念で、第170号から第173号が特集だったのです。
実は今日、表紙のデザインのリボンの意味が初めてわかりました。さすがnikoli。
<おまけのひとこと>
月曜日、火曜日はいろいろ報告をしなければならないのですが、その準備ができていないのです。始めればそんなに時間をかけずに(せいぜい半日くらいで)終わる見込みはあるのですが、なかなか始める気になれないのが問題です。
6月13日(日) 合同なテトラキューブ8個で(その2)、パターンあやとり(4本指の構えの装飾処理)、他
テトラキューブの話の続きとあやとりの話です。
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昨日、下図のような単位立方体32個分の「立体十字型」のかたちを、合同なテトラキューブ8個で作れるのはどんなピースのときでしょうか、という問いかけをしました。
作れるのは以下の5種類でした。
最後の2つはキラルな鏡像体ですが、どちらか一方だけ8個で作れます。(左手型と右手型4個ずつでも作れます。)
この中で、2x2のO型テトロミノ8個で作るのは易しいと思います。(4通りの解があります。)また、二段目の左のパターンも易しいと思います。これはおそらくすぐに気が付くと思うので、自然に思いつくパターンを図示してみました。
Fig.1 実はこのピース、別な組み方もできるのです。こんな具合です。
Fig.2 手前のピースを外して、さらに向こう側のピースも取り除いてみました(Fig.3a, 3b)。これは頭の中では思いつくことはできませんでした。
Fig.3a Fig.3b 一方、キラルなピースはこんな風に組むことができます。4ピースで「立体十字型」の上半分を組んだところです。図を載せてしまいます。
Fig.2 右手型4つでも左手型4つでも同じかたちが作れます。これを2組合わせると目的の「立体十字型」になるのです。
(つづく) ○
昨日ご紹介した2つ目のあやとり作品、「ナウルの構え1」に続いて人差し指と中指の輪を互いに隣の輪の中から取り出して掛け直すという「絡ませる動作」をしたものを「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」してみました。
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- ナウルの構え1
- 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、人差し指にかけ直す
- 中指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、中指にかけ直す
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- 「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」
昨日は同じ操作を最後に「小さいアムワンギヨ」で終了したもの
をご紹介しましたが、終了処理を変えるだけでだいぶ印象が変わります。
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David Brill氏の折り紙のサイトが素晴らしいのです。幾何学的なユニット折り紙作品も素晴らしいですし、動物などの具象物も、立体的で曲線的で、良い意味で「折り紙離れ」しています。特にネコの造形が素晴らしいです。Diagramsのページに、いくつかの折り手順を公開して下さっています。座ったネコに挑戦してみたのですが、まだうまく折れていません。完成写真を眺めるだけでも楽しいです。お勧めです。
<おまけのひとこと>
睡眠時間がますます不規則になってきてしまって困りました。
6月14日(月) 一刀切り(その1)、パターンあやとり(7つのダイヤモンドの終了処理)、他
一刀切りの話とパターンあやとりの話です。
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パズルや折り紙などが好きな方でしたら、一刀切り というのをご存じなのではないかと思います。「一刀切り」とは、紙を平らに畳んで、重なった状態の紙をたった1回だけまっすぐに切ることで所望のかたちを切り出す遊びです。記録に残ってるものとしては、江戸時代の「和国知恵較」(わこくちえくらべ):環中仙(1727年) に書かれているそうです。パズル遊びへの招待 オンライン版 1-13.一小刀問題 でも出典などが詳しく記されています。
いろいろなところで解説されているので、特に目新しい話は書けないのですが、たまたまThe Fold-and-Cut Problem(Erik Demaine)というページを見たのです。
The Fold-and-Cut Problem 中村義作先生から「和国知恵較」のコピーと翻訳を送ってもらった、などと紹介されています。
私が興味を持ったのは、このサイトの中で一刀切りでタングラムを切り出す、という話が紹介されていたことです。
Tangram 上記のサイトの中を辿ってゆくと展開図(折り線図)が紹介されていますが、リンクは張りません。興味がある方は考えてみて下さい。(もしくは探してみてください。すぐに見つかると思います。) これを試してみたくなりました。
(つづく) ○
多摩市のYさんから7つのダイヤモンドを終了処理に使った作例の写真を送っていただいて、改めて終了処理としての7つのダイヤモンドをいろいろ研究してみています。シンプルに「ナウルの構え1」からの7つのダイヤモンドです。
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- ナウルの構え1
- 中指の輪を人差し指に移す
- 「7つのダイヤモンド」
内側2つの輪をどうするかが工夫のしどころですが、とりあえず一番シンプルに1本の指に2つの輪をまとめて、後は普通に取る、という方法でやってみました。シンプルで簡単ですが見栄えが良いものができたと思います。
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児童文学の話です。C.S.ルイスの「ナルニア国物語」の「銀の椅子」に登場する「沼人」の泥足にがえもんが大好きです。物語のクライマックスでの彼の言う「自分は考えられる一番悪いことを想像して、せいぜいそれを我慢しようという奴だ」というようなセリフ(うろ覚えです)があるのですが、昨夜ふとそれを思い出して、元の英語ではここを何と言っているのだろう? と思って本を探し出してきて見てみました。
I'm a chap who always liked to know the worst and then put the best face I can on it.
だそうです。原書では「出来る限り最高の顔をする」と書かれているのですね。これを瀬田貞二訳では「せいぜいそれを我慢しよう」というようなニュアンスになっていました。すばらしいと思います。
<おまけのひとこと>
今日は定時後の遅い時間に偉い人への報告が予定されていて、ちょっと気が重いです。それ以外にも月曜日は重たい会議が多くて大変です。
6月15日(月) 一刀切りでタングラム、パターンあやとり(7つのダイヤモンドの終了処理)、他
一刀切りの話とパターンあやとりの話です。
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昨日は一刀切りの話をしましたが、正方形の折り紙を折りたたんで一刀切りしてタングラムを作ってみました。
Tangram 最初にこんな風に折り紙に折り筋を付けます(Fig.1)。
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Fig.1 折り筋で折って平らに畳みます(Fig.2)。重なる枚数が多いので、なかなか思ったようにきれいに畳めません。余計なしわがついたり、角がきちんと出なかったり(折り線が折り紙の頂点からずれてしまったり)してしまいました。
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Fig.2 折りたたんだ状態で、はさみで縁を細くまっすぐに切ります(Fig.3)。
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Fig.3 広げてみました(Fig.4)。
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Fig.4 精度が悪いですが、いちおうそれらしくは出来ました。
最初に、タングラムの境界線をマジックペンなどで太くなぞっておくと、折りたたむ時やカットするときにわかりやすくて良さそうだなと思いました。次に試すときにはやってみようかなと思っています。
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終了処理としての「7つのダイヤモンド」、簡単ですが出来上がりが美しいパターンとして、「ガイアナの星」→「7つのダイヤモンド」というのが気に入りました。
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- 「ガイアナの星」
- 「7つのダイヤモンド」
お勧めです。
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孫は祖父母が遭遇しないような暑い日と大雨を何度経験するのか? −極端な気象現象の変化に関する世代間不公平性とその地域間不公平性の評価− という記事がありました。
国立環境研究所、京都大学、立命館大学の研究チームは、気候モデルによる気候変動予測データを解析し、祖父母世代が経験しないような暑い日および大雨(1960〜2040年で最大の日最高気温および日降水量を超えるもの)をその孫世代が生涯(2020〜2100年)で経験する回数について推計し、排出シナリオ別・地域別にその比較を行いました。気候変動の緩和がうまく進まないSSP5-8.5シナリオでは、熱帯の一部地域で祖父母世代が生涯に経験したことのないような暑い日を孫世代が一生涯に 1000回以上(日本では400回程度)、大雨の日を5回以上(日本では3回程度)、それぞれ経験しうることが示されました。
とのことです。今年生まれた子供が80歳まで生きたとすれば次の世紀を体験するわけですね。考えてみれば当たり前なのですが、ちょっと驚きました。昔、娘が生まれたときに、当時はまだ元気だった義母が
孫できて 地球の未来 心配し という川柳にすごく共感した、という話をしてくれたことを懐かしく思い出しました。娘の保育園や小学校の運動会には毎年来てくれました。自分がその世代になったのだなあと思いました。
<おまけのひとこと>
昨日の夜の2件の報告は、まあ上手くいったと言っていいかなと思っています。ちょっとほっとしています。今日は社外の業界団体で、昨年度の活動報告を急遽代理で頼まれています。簡単に済ませる予定です。