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以前の「ひとこと」 : 2021年3月前半



3月1日(月) 正八面体のp-操作(その1)

 3月になりました。今月は多面体の話から始めます。



 Rhombic propello octahedron(2020/11/1, Tadeusz E. Dorozinski) というページが大変美しくて、自分でもCGが作りたくなりました。

 昔、多面体の新しい拡張法 ─プロペラ操作─ というコラムを書いたことがありましたが、この操作を正八面体に施しました、というものです。

 もともとの正八面体由来の正三角形8枚と、合同な菱形24枚から成る多面体なのですが、特筆すべきなのがこの多面体の頂点が3次元格子の格子点上に合わせることができる、ということです。

 しかもこの頂点座標で使われている座標値の絶対値が 0, 1, 2, 3, 4 だけなのです。図の p0、p1、p2、p3 の4点が同一平面上にあるというのが素晴らしいです。自分でもCGを作ってみました。

 回転させてみました。

 三角形の面が互いに接することで結晶のように並べることができます。三角形の面を外して配置してみました。(この図だけは拡大できます)

 三角形の穴からのぞくとどう見えるでしょう?(すみません時間切れです)

(つづく)



 ラマヌジャンを世に広く知らしめた共同研究者として有名なイギリスの数学者ハーディの「ある数学者の弁明」という本があります。

アイスキュロスが忘れられてもアルキメデスは記憶されるだろう。(中略) 「永遠」とは愚かな言葉かもしれないが、数学者はおそらくその言葉が意味するものに最も近い。

 という(ような)一節を誰かの本で引用されているのを見て、一度全部読んでみたいものだと思っていました。(上記の引用はあいまいな記憶から書きました。ちょっと不正確です。)

 松本佳彦さんという方が、ハーディ『ある数学者の弁明』私家版翻訳というページを公開して下さっています。pdf版もあります。これはお勧めです。翻訳して公開して下さっていることに大感謝です。



 これも図書館で、マダム・ピリンスカとショパンの秘密という本を借りてきて読みました。

 たいへん面白かったです。私は今はバッハばっかり聴いたり弾いたりしていますが、ショパンには本当に憧れました。

<おまけのひとこと>
 遅くなってしまいました。今週は忙しいです。






3月2日(火) 正八面体のp-操作(その2)

 昨日の p-八面体(propello-octahedron:pO と略記します)の話の続きです。



 Rhombic propello octahedron(2020/11/1, Tadeusz E. Dorozinski) というページを見て、自分でもCGを作ったりいろいろ考えたりしています。昨日のこの格子構造、

 三角形の穴が素通しになっているはずなので、その穴を覗いてみた視点のCGを作ってみました。少しサイズが大きいですがご覧ください。

 わずかに視点をずらした2枚の画像を高速に交互に表示する動眼立体視画像、いわゆる「ぷるぷる立体画像」です。

 一応、回転するCGも作ってみました。下の画像は回転していませんが、画像をクリックすると大きなサイズの回転するgifファイルが開きます。

 いったんこれで満足です。



 このpO多面体の紙模型を作ってみることにしました。頂点の座標がわかっているので、頂点間の距離が計算できます。ここで使われている菱形はこんなかたちでした。

 これを通常の「のりしろ」のある多面体の展開図にしてみました。(クリックすると拡大します)

 これを印刷して切り出して組み立ててみました。

(つづく)



 先月、2月15日(月)のひとことの一番下で、野焼きの煙が広く道路を覆っていてとても危険だったということを書きました。実はこの件、その地域を管轄する自治体のホームページの問い合わせアドレスに「こんなことがありました。とても危険な状態でした。自治体では把握されていたのでしょうか?」というメールを送ったのです。今回は幸運にも交通事故などはなかったようですが、今後は何か対策をしてもらったほうが良いのではないかと思ったためです。

 そんなことはすっかり忘れていたのですが、昨日、差出人名「総務課」、メールタイトル「町へのお問い合わせ(2月15日付)をいただきありがとうございました」というメールが届きました。「関係者にいろいろ状況を確認していたため回答に時間がかかって申し訳なかったです」というお詫びの言葉とともに、こんなpdfが添付されていました。(ぎりぎり文字が読めない程度に縮小して画像ファイルにしています。これはクリックしても拡大しません。)

 こんな風に町としての公式文書で回答していただけるとは思ってもみませんでした。こういった問い合わせにきちんと対応いただいてありがたいと思いました。

 私が送ったメールでは、私の名前と居住地と、日頃特に町立図書館には大変お世話になっていることの御礼を伝えた上で、2/14(日)にここを通ったら野焼きでこんな状況で大変危険だった、今後何か対策をしていただけるとありがたい、といったことを書きました。将来、自分や自分以外の誰かが同じような状況に出会って事故に遭ってしまう可能性を少しでも小さくできたらいいな、くらいの気持ちでした。

 担当の方はどんなふうに思われたのだろう? 面倒な仕事が増えた、と思われただろうか、などと心配しつつ、でもこういうことは飲み込まずに伝えていったほうが良いのだろうなと改めて思いました。これから丁寧な回答を頂いたことへの御礼のメールを書こうと思います。

<おまけのひとこと>
 今週は忙しいと思っていたのですが、思った以上に忙しいです。






3月3日(水) 正八面体のp-操作(その3)

 p-八面体(propello-octahedron:pO) の模型を作りました。



 昨日ご紹介したこの展開図

を切り出して居り筋を付けてのりしろを接着して組み立ててみました。今日はその写真のご紹介です。(写真は拡大できます)

 最初に一般的な視点から見たところです。

 この模型は、最初に菱形部分を全部接着した後で、最後に正三角形の面8か所を順に接着して「ふた」をしてゆく方式で組み立てました。(そうなるように「のりしろ」を設計しています。)型紙をA4用紙に収まるサイズにリサイズしたのでけっこう小さくて組立が大変でした。(精度が悪いです。)

 菱形の鋭角の頂点が4つ集まっている、4回回転対称軸方向から見てみました。この向きから見たときの輪郭(シルエット)は正方形っぽいです。

 正三角形のの面の法線方向から見てみました。3回回転対称軸方向になります。この向きから見ると、多面体の輪郭(シルエット)はかなり丸っこいです。先ほどの視点とは印象がまるで異なります。

 最後に、菱形の面の法線方向から見てみました。

 この写真1枚だけからこの多面体の対称性は? と問われても普通は答えられないと思います。



 このpO多面体を見ていると、ねじれ立方体を連想します。(wikipediaのリンクのほうがいいかな)

snub cube

 ねじれ立方体(sC)は、立方体に由来する正方形の面6枚の周囲を正三角形が取り巻いているかたちですが、p-八面体(pO)は正八面体に由来する8枚の正三角形の周囲を合同な四角形が取り巻いているかたちです。



 過去に自分がねじれ立方体のCGを作ったことはなかったのだっけ?と思って検索してみたら、2年くらい前にこんな図をご紹介していました。

 そういえばねじれ立方体を作るにはこういうアプローチもあったな、と思い出しました。(すみません話がだいぶ逸れました。)

<おまけのひとこと>
 妻が自宅でささやかなピアノ教室をやっているのですが、「もしレッスンの最中に大きな地震が来たら、生徒さんの身を守るために一番いい行動は何だと思う?」と尋ねられました。ピアノを置いている部屋には建物が倒壊してしまったときに身体を守る空間を確保できるような大きさの丈夫な机などはありません。アップライトピアノや楽譜が詰まった本棚が倒れるような大きな地震だった場合、玄関に逃げて靴を履いてドアを開けておくというのがいいかなあという話になりました。
 今朝(5時前に)朝ご飯を作ってくれた妻と、いつものように私だけが朝食を食べながらそんな話をしました。妻は私が出社してしまった後、もっとずっと遅い時間に朝食にしているそうです。(それでも世間一般の標準より早いのではないかと思いますが。)






3月4日(木) 正八面体のp-操作(その4)、雛祭り

 p-八面体(propello-octahedron:pO) の塗り分けの話と雛人形を飾った話です。



 このところご紹介しているpO(p-八面体)は全ての頂点の次数(その頂点に集まっている稜の本数)が4です。(そのためpOの双対多面体である p-立方体pCは全ての面が四辺形です。) なのでpOは市松模様のように面を2色で塗り分けることができます。

 さらにこのかたちはキラルなので、右手と左手の関係になるペアが存在します。鏡像体と同じになりません。2色に塗り分けたペアのCGを作ってみました。

 有名なGeorge W. Hart 氏の Sculpture Based on Propellorized Polyhedraというページを見ると、プロペラ操作に関して詳細に議論されています。Hart氏のYin and Yang(陰と陽)という作品がまさにp-八面体を2色で塗り分けた鏡像体のペアになっています。

Yin and Yang George W.Hart (1999)

 Hart氏の p-八面体は等稜多面体(稜の長さがすべて同じ)ではなく、四辺形のかたちは一般のかたちのように見えますが、これはこれでとても美しいと思います。



 二色に塗り分けたpOを回転させてみました。

 美しいなあと思います。



 捩れ立方体(snub cube)のCGを作っていなかったことに気づいたので、作ってみました。これもキラルなので鏡像対称のペアを作りました。

 背景を白にしようか黒にしようか、稜の太さや色はどうしようか、面の色や透過率はどうしようか、わかりやすいように、美しいように、ファイルサイズが大きくなりすぎないように、などと考えながらCGを作るのが楽しいです。



 昨日は桃の節句でした。先週の週末に妻が雛人形を出して飾ってくれました。

 子どもたちが小さかったころは7段飾りを全部出して飾っていましたが、ここ10年くらいは内裏雛だけを出して飾っています。最後にフルセットで飾ったのはいつだろう…

<おまけのひとこと>
 昔は3月3日中にお雛様を片付けないと娘の婚期が遅れるなどという俗説があったのを思い出します。娘ももう結婚してくれて良かったです。






3月5日(金) 四角推(ピラミッド)型のあやとり

 今日はあやとり作品の話です。



 いつもお世話になっている石野さんのあやとりしてみよう より、ブロスバードの家を取ってみました。

 がんばって四角推(ピラミッド)が2つ並んだかたちになるように調整してみたのです。でもこれはきっと本来の作品の意図とは違うかたちなのではないかなあと思いました。あやとり文献の古典である C.F.ジェーンの“String Figures” (1906)を見てみました。

“House of the Blos-Bird”, quated from “String Figures” : Jayne, C.F (1906)

 なるほど、全然印象が違います。気のせいかそもそも構造が違う気もします。「あやとり 続」(野口広)にも掲載されているそうですが、その写真、見てみたいなあ…



 私がイメージしたのはこんなかたちでした。

 なんとかピラミッド2つがきれいに整うように頑張っているのですが、なかなかむつかしいです。



 この構造を見て思い出したのが、先日ご紹介したチャマの家というあやとり作品です。

 これはピラミッド1つの骨格が中央にできます。(写真があんまり良くないですが)

 今回の「ブロスバードの家」は図示するとこうなります。

 ピラミッドの骨格らしさを出すために影を付けてみましたが、影がないほうがよかったかもしれません。

<おまけのひとこと>
 このところ、晩酌をしながらタブレット端末で石野さんのあやとりのサイトを表示してあやとりを取ってみながらゆっくりお酒を飲む、というのが気に入っています。






3月6日(土) 三角柱(プリズム)型のあやとり

 昨日に続いて三次元幾何学図形のあやとり作品の話です。



 石野さんのあやとりサイトに載っていた2人の男の戦い というあやとり作品を取ってみたのです。ボリビアのあやとりだそうです。(ボリビア(linkはwikipediaです)ってどこにあるんだっけ? どんな国だっけ? と思って検索してしまいました。)

 目指すべき「正解」のかたちがよくわからなかったのですが、「親指と人差し指の背にかかる糸」にかかっている糸(最後の操作で親指でナバホ取りして外した糸)が図形の中央を横切っています。これを引き上げてやると三角プリズムのかたちになりそうだなあと思って、人差し指の糸を小指に移して、水平に横切る糸を人差し指で引き上げてかたちを整えてみました。

 こんな感じです。これは面白い、と思いました。シンプルな立体的な幾何学図形ができると嬉しくなってしまいます。



 両手を向こうへ倒して、図形の見る向きを変えてみました。摩擦が大きな糸のほうがいいかなと思って青くて太いくて短めの編紐の糸を使ったのですが、使い慣れたもう少し細い糸でも取ってみました。

 強く引き絞ると図形がすぼまって、たんなる「こぶ」になってしまいます。といって、ゆるめすぎると三角柱の稜が直線にならなくて美しくありません。外側にはみ出した糸を遊んでいる指で押えたりしてかたちを整えます。

 調整しているうちにどんどん図形が小さくなってしまうと、最初から取り直します。何度も取っていると、「この工程では強く引いておいたほうがよさそうだ」「この工程では糸の長さの配分はこうしておいたほうがよさそうだ」というようなことがだんだんわかってきて、だんだん上達する感じがあります。それがまた楽しいのです。



 国際あやとり協会に入会したので、上記の石野さんのページに書かれている参照元の文献も見に行きました。「2人の男の戦い」(Two Men Fighting)の完成形の手書きの図が描かれていました。(この図がまた上手いのです。)石野さんのページの写真をもう少し横に引き伸ばしたようなかたちでした。(メンバー限定のコンテンツなので、図の引用は控えます。)

 “Two Men Fighting String Figure” で検索してみたら、Indigenous String Figures(先住民のあやとり)という、論文を集めたページがヒットしました。The art of string figures in Papua New Guinea(Stephan Classen, 2014)という論文に“Two Men Fighting” というaction figure(動きのあるあやとり)が詳細に紹介されていました。

 これは、日本で言う「さかずき」(私は「箱枕」という名前で覚えたので、その名前のほうが馴染みがありますが)から、人差し指で親指の手前の糸を取って親指を外したパターンでした。

さかずき(Cup and Saucer)

 いろいろ調べたり実際にあやとりを取ってみたりしているとあっという間に時間が経ちます。

<おまけのひとこと>
 週末ですが、忘れないうちにと思って三角プリズムのあやとりの話を書くことにしました。先週末に終わらなかった仕事、月曜日の朝までにやらなければいけないものが3つ残っていて気が重いです。






3月7日(日) あやとり「サガリバナ」

 さらに、三次元幾何学図形のあやとり作品の話です。



 先日、シシドユキオさんの多面体あやとり作品で、こんな3回回転対称軸と鏡像対称面を持つ幾何学構造のものをご紹介しました。

 これがなかなかかたちが整わなくて苦戦したのですが、石野さんのあやとりサイトを見ていたら、サガリバナ というあやとり作品がちょうどこの構造のようなのです。取ってみました。

 この作品、出来上がりは左右対称に見えるのに、取り方は非対称なのです。また、人差し指、親指、小指の順に糸を取るのですが、各指で取るときに、すでにその指にかかっている輪を外しながら(ナバホ取りみたいに)取ってゆくのが難しいです。

 シシドユキオさんの “Fruits-I” と骨格は同じですが、シシドさんの作品はこの後4つ、6つと増やしてゆくことを念頭に設計されているので、この「サガリバナ」よりかたちを整えるのが難しかった印象があります。(シシドさんご自身も、BSFA:Bulletin of String Figures Association No.16 (1988)でこの「サガリバナ(Vutu)」にもコメントされています。)



 この「サガリバナ」、中央部分に注目すると、四角推を吊り上げているようにも見えます。これを見るとチャマの家というあやとり作品を連想します。

 四角推を作るあやとりとしても良いかもしれないなあと思いました。



 少し視点を変えてみました。また、別のもっと太くて短い糸でも取ってみました。

 「サガリバナ」の画像を検索してみたのですが、どうやらこの造形はサガリバナの実を表現しているようです。



 「日本でもできる! 英国の間取り」山田 佳世子:エクスナレッジ社(2020) という本を店頭で手に取って気に入ったので買いました。リンク先の出版社のページには、見本のページが数ページ用意されていて、閲覧できます。間取りやイラストが多用された美しい本です。

 タイトルの「日本でもできる!」というのはちょっといただけないと思いますが(著者の方もあとがきで「本のタイトルにびっくりした」といったことをコメントされています)、純粋に内容は素晴らしく、眺めたり読んだりして飽きません。イギリスのいろいろな時代のいろいろな地域の住まいや塀や庭のことを知ることができて、イギリスの小説を読んだりするときに参考になりそうです。

 イギリスでは家というのは何百年も使い続けられ、自分で建物や庭の手入れをしたり、リフォームやリノベーションをして不動産としての価値を高めて購入したときよりも高く売って住み替えてゆくというスタイルが幅広く定着しているのだそうです。

 日本は風水害や地震災害などが昔から多く、家屋の素材も木と紙で作るので火災にも弱い。でもすぐに同じ場所に同じ建物を建て直す、という文化だと思います(少なくとも江戸時代とかはそうだったのだと思います。) 思想が全く違います。 

<おまけのひとこと>
 今日はこれから仕事です。






3月8日(月) 「あやとり続」の「ブロス・バードの家」の完成形、あやとり「モエ ホラ ヒア」

 今日はたいへん嬉しいメールを頂いたので、急遽その関係の話にしました。



 先週末ブロスバードの家というあやとり作品をご紹介したときに、「『あやとり続』にこの作品が掲載されているそうですが、完成形の写真はどんなかたちなのか見てみたいなあ」という話を書きました。そうしたら昨夜、愛知県のKさんという方が大変ご親切にも「あやとり続」の該当ページの画像をメールで送って下さいました。大感激です。お手間をかけてわざわざ画像をご準備いただき、送って下さって本当にありがとうございました。

 該当の写真だけ掲載させていただこうかちょっと迷ったのですが、写真から完成形の図形の図をラフにトレースして作って、それをご紹介することにしました。

House of the Blos-Bird

 なるほど、私は「2つのピラミッド」が分離するようにしましたが、上記の石野さんのサイトの写真もそうですが、野口先生の本の完成形も「2つのピラミッド」は分離しておらず、さらに2つのX字型のパターンは家の梁(はり)に対して手前側にあるのですね。

 ちなみに私が取った「ブロスバードの家」です。(右は前回も載せた写真で、左は今回初めて載せる写真です。)

 邪道かもしれませんが、私はこのあやとり作品、「2つのピラミッド」のかたちに仕上げるのが好きです。でも今度は2つが分離しないように取ってみようかな(いつもわざわざ糸が離れるように調整していました)、と思いました。



 せっかくなのでもう1つ、幾何学的なあやとり作品を。石野さんのあやとりサイトからモエ ホラ ヒアというあやとり作品です。(この名前がなかなか覚えられませんでした。)

 これは垣根(リンク先の石野さんのサイトでは「井戸の囲い」というタイトルになっています)と同じく、特徴的な「井戸」の取り始めと同じ操作から始まります。そして、「垣根」と同じく菱形4つの中央を水平に1本の意図がまっすぐ通っているという完成形になっているところがとても面白いと思ったのです。



 あやとり作品の名前がなかなか覚えられません。「エオンガツバボ」という言葉もなかなか覚えられませんでした。「アタヌアの家」も定着するのに時間がかかっています(すぐ忘れる)。「ブロスバードの家」も「なんとかバードの家」までは出てくるのですが最初の Blos が覚えられません。「チャマの家」は名前が比較的覚えやすかったです。「モエ ホラ ヒア」もすぐに忘れます。「あの、垣根によく似た完成形の、井戸の取り始めと同じやつ」という風に記憶しています。

 ここ2か月ほどあやとり作品をいろいろ取ってみていると、だんだん頭の中で分類というか整理ができてきた気がします。動物とかの具象物は苦手でぜんぜん覚えられません。幾何学的な形状ができるあやとりが大好きです。



 石野さんのあやとりのサイト、こつこつと紹介されているあやとり作品が増えていて、昨日(3月7日)の段階では552作品が掲載されています。素晴らしいです。

<おまけのひとこと>
 メールで頂いた写真が素晴らしくて、嬉しくて画像のトレースとかをしていたら時間がなくなってしまいました。でも月曜日の朝からとても嬉しいことがあって、今週も頑張って乗り切ろうと思っています。






3月9日(火) スネークキューブCG:「まつぼっくり」、数学の問題(高校数学レベル?)

 あやとりの話題が続いたので、ちょっと別な話にします。



 昨年の7月くらいに、スネークキューブで結び目を作ったり、そのCGを作ったりということをしていました。

 当時、いろいろ作って遊んでいたものの中でご紹介していなかったものがあることに気が付いたので、今日はそのご紹介です。



 通常のスネークキューブ1つ(24単位)で作れる、こんなかたちを作ってみたのです。

 写真だと構造がよくわからないと思って、CGを作ってありました。これ、組めますか?



 これは、こんな風に「らせん」状の構造を作ってみているときに思い付いたかたちでした。

 このアニメーションは12フレームで、ちょうど半分までの作り方を示しています。反対側の端からも同様に(ただし逆回転で)作ってゆくことで完成します。

 出来上がりはコンパクトで、なんとなく「まつぼっくり」を連想するかたちになります。ちょっと気に入っています。



 2020年度も大詰めですが(私の勤務先は3月末が年度末です)、この一年間は社外での職場行事(歓送迎会や忘年会・新年会といったたぐいの、いわゆる「飲み会」)が全くなかった1年でした。(本音を言うと会社の飲み会とかはあまり好きではないので、あまり「残念だった」という気持ちはありません。幸いにして「リモート飲み会」みたいなものもオフィシャルにはありませんでした。若手の有志でそんなこともやっていたみたいですが、それはとても良いことだと思います。) また職場でも、それぞれの机の間に段ボールとビニールシートの手製のパーティションを設けていて、お互いの顔や表情が微妙にわからず声がかけにくい、といった雰囲気もあって、職場内でやや人間関係が疎遠になっている感じがあります。(これも本音を言うと「まあこんなもんでもいいんじゃない?」と思っています。)

 その対策、というわけでもないのですが、社内SNSを立ち上げていて、それがそこそこ活発になっています。発言(投稿)する人は限られていますが。

 そのSNSの雑談チャネルで、大学受験レベルの数学の面白い問題を時々投稿して下さる方がいて、楽しみに見せていただいています。昨日、こんな問題が紹介されていました。

9992 - 1 + 9992 + 4×999 + 3 = a × 10b

である。a と b を求めよ。

 この項の並びがポイント、というかヒントですね。999=a と置いて、最初の2項と後半の3項を因数分解して整理してゆくときれいに解けます。

 雑談SNSなので、ちょっとひねくれたレスポンスをしてみようと思って、「物理屋さんだったらこう解くかも」と前置きして、解が a × 10b というかたちになるのならば、そのオーダーに影響を与えるのは 9992 だけのはず。それ以外の項は誤差だと思えば、解はおそらく

1,0002 + 1,0002
= (103)2 + (103)2
= 2×106

 なのでは? とコメントしてみました。(ここまで最後まで書きませんでしたが。)「受験数学の解法としては斬新ですね。点がもらえるか微妙ですけれども。」というお返事を貰いました。マークシート方式の試験とかで、とにかく数値だけ合っていれば途中経過はどうでもいい(採点する手段がない)場合などは、こんな解き方(?)でも良いかもしれません。(お勧めはしません。)

 子どものころはこんな概数を求めるような手法は嫌いでしたが、「ざっくりオーダーや大きさを把握する」ということの大切さは大人になって実体験として身に着いたことです。こういう発想、実は大事です。



 あやとり関係の検索をしていて、A String Figure Bibliographyというページを閲覧しました。コルクボードにあやとり作品がピンで留めてあって、「うーんやっぱりやりたくなるよね」と思いました。このParker Glynn-Andyという方のサイトは面白そうです。

<おまけのひとこと>
 今日も忙しい一日になりそうです。






3月10日(水) ヘキサモンドのパズル「千葉県」、他

 1か月ほど前にご紹介した、ヘキサモンド(正三角形6個を連結したかたち)によるザイルトリック系のパズル(タイルの表面にロープのような曲線が描かれていて、曲線がひとつながりになるようにタイルを並べるパズル)で地図を作るシリーズの続きです。



 2月6日に長野県、その翌々日に群馬県のザイルトリック系のパズルをご紹介しました。実はその段階で「千葉県」も作っていたのですが、ご紹介が遅れました。今日はそれを掲載したいと思います。

 前回同様、千葉県の白地図を正三角形を72枚で覆う配置を考えます。そして、このかたちを12枚のヘキサモンドで構成できるか、ソルバーソフトBurrToolsで探索してみます。最初に試した下記の2種類のパターンは、残念ながらいずれも「解なし」でした。

Fig.1 : No Solution Fig.2 : No Solution

 三角格子の角度を地図に対して少し回転してみて、こんなパターンにしてみました。そうしたら、243解あることがわかりました。

Fig.3 : 243 solutions

 前回同様、12種類のピース全てに地図の境界線が1本ずつ存在するパターンになることを目標に243解を調べていって、レイアウトを決めました。

Fig.4 : Chiba puzzle

 この図を印刷して切り取って遊んでいただいてもいいですし、Fig.4 を見ながら Fig.3 にタイルの境界を描き加えていくというのでもいいですし、試してみていただけたらと思います。楽しいですよ。

一応(つづく)予定



 こんな反応をする酵素があったのか? 〜電子環状反応を触媒する世界初の酵素の発見〜 というニュースリリースを大変興味深く読みました。

 放線菌という微生物が、アルキルベンゼン骨格(六角形のベンゼン環にアルキル基という飽和炭素鎖がついているもの)を含む化合物を生成する能力を持っているそうなのです。従来、この構造の化合物を合成するときに 150℃で18時間、さらに120℃で18時間という時間とエネルギーが必要な反応経路が知られているのだそうですが、放線菌がそんな条件でアルキルベンゼン化合物を合成しているはずがありません。

 今回の研究では放線菌の持つ遺伝子から酵素を作りだして試験管内(in vitro)でアルキルベンゼン部を合成し、反応経路の原理を明らかにしたのだそうです。150℃で18時間とかいう強烈な環境を用意しなくても、酵素を触媒として反応させることができるというのは素晴らしいことです。(酵素はアミノ酸が連なったポリペプチドと呼ばれる構造で、通常は体温程度の温度環境下でのみ機能を発揮します。)

 世の中の多くの炭素化合物は石油を原料に化学反応させて合成されるのですが、生合成由来の技術での合成が可能になると、そういう目的で石油を使わなくても良くなったり、二酸化炭素の問題に対する有益な効果が期待できるかもしれなかったり、良いことがたくさんありそうです。

 「酵素ってほんとにすごいなあ」「生物は進化のプロセスの中でよくもまあこんなすごいものを作ったなあ」「研究した人たちもよく見つけたなあ」といろいろと感心しました。

<おまけのひとこと>
 今朝は朝3時くらいに起きたのですが、「まだ時間がある」と思ってあやとりを取っていたら、気が付いたら5時前になっていて焦りました。






3月11日(木) Plesiohedron、他

 今日は多面体のCGのご紹介です。



 先日もご紹介したGeometrykaというサイトにPlesiohedron(Tadeusz E. Dorozinski) という新しい記事が公開されていて、とても興味深く拝見しました。

 プレシオヘドロン(Plesiohedron)というのは、3次元空間に規則的・周期的に配置された点に基づく3次元ボロノイ図によって形成される多面体のことです。

 ボロノイ図(linkはwikipediaです)というのは2次元で考えるとわかりやすいですが、いくつかの点が与えられたときに、それぞれの点の回りに「陣地」(その点に属するエリア)を考えるのです。例えば点A,B,C,…が与えられたとき、「Aが一番近い点である」という場所全てが点Aの「陣地」になります。(以前に解説していたかなあと思って自分のサイトを検索してみたのですが、見当たりませんでした。) 言葉で言うとわかりにくいですが。

 上記のblogには、そのプレシオヘドロンの例として三角形2種類8面、四角形1種類4面の十二面体が紹介されています。10個の頂点全てが簡単な数値の格子点に乗っているのもとても興味深いです。(おかげでCGを作るのが簡単です。)

 まず、自分でも簡単なCGを描いてみました。

 回転するアニメーションを作ってみました。美しいかたちです。 

 これは、上側に三角形4枚、下側にも三角形4枚、その間に四角形4枚が円環状にある、というかたちです。無理やり正三角形8枚と正方形4枚で似たかたちを作るとこんな風になります。

 これはジョンソンの立体(双四角推柱:elongated square dipyramid)です。

(つづく)かも…



 先日、999の話をちょっとしましたが、999といえばこんな計算がありました。


    999 = 27  × 37
  99999 = 271 × 369 = (270+1)(370-1)  
                    = 99900 + 100 - 1
                

 ちょっと面白いと思うのですがいかがでしょうか。



 10人の男というあやとり作品が好きでよく取っているのですが、中央付近の上下の幅が狭くなってしまうのです。それはそれで美しいのですが、先日、3メートルの長い糸で「10人の男」を取ってみたら、外周がかなり長方形に近いかたちにできました。

 なるほど、と思いました。X字型の交点が「男」を表しているのだそうですが、これだと 3-4-3 の10交点がわかりやすいかなあと思います。

<おまけのひとこと>
 今日も朝3時前に起きたのですが、CGを作ったりしていたらもう5時半を回ってしまいました。






3月12日(金) Plesiohedronの模型、他

 昨日の多面体 plesiohedronの模型を作りました。



 Plesiohedron(Tadeusz E. Dorozinski)

 が気に入ったので、模型を作ってみることにしました。頂点の3次元座標がわかっているので、各面の辺の長さがわかります。そこから面のかたちを作図してみました。こんな3種類の面が使われています。

 凧形と、辺の長さが3:3:2の鋭角二等辺三角形と、不等辺三角形の3種類です。それぞれ4枚ずつになります。

 これを帯で編む手法で作ることにしました。三角形の面は2つずつのペアにして、折れ曲がった凧形の面であるとみなします。(すみません、この手法で多面体模型を作ることに慣れていないと何のことを言っているかわからないと思います。)こんな型紙になりました。

 これを印刷して折り筋を付けて切り取って組み立てました。この組立は易しかったです。

 2枚の盾を背中合わせに貼り合わせたような、平たい多面体です。実物を手に取ってみることができるのは楽しいです。



 職場の社内SNSの雑談コーナーに数学の問題を投稿して下さる方がいて、ついつい気になって見てしまって解いてしまったりしています。昨日はこんな問題が紹介されていました。2021年度のどこかの大学の入試問題らしいです。

n が 2以上の自然数のとき、3n-2n が素数ならば n も素数であることを示せ

 これは面白いですね。解いてみました。解きながら「なるほど!」と思いました。これ、大学入試問題としてはかなり難しいのではないでしょうか。明日にでもblogのほうに解説を書こうかと思います。



 妻がささやかなピアノ教室をやっていて、ピアノの上には普通の鉛筆と赤と青の色鉛筆が置いてあります。芯が丸くなってきているのに気が付くと私がナイフで削っています。鉛筆削りで削るよりも芯が無駄にならず、折れにくいと思っています。

 昨日見たら、赤鉛筆が折れていました。折れた芯のほうも捨てられずに置いてあって、ちょっと驚きました。(この下の画像も今日のこれまでの画像や型紙もクリックすると拡大します。)

 今月から新しく来るようになった小学校低学年の生徒さんが、緊張したのか力を入れて書いたら芯の先が欠けてしまったそうなのです。削り方が悪かったかなあと反省しています。また削っておかないと。

<おまけのひとこと>
 Microsoft の Excel で、特定の範囲のセルの合計が決められた値を超えないように制限する、ということができるのですね。知りませんでした。Excelの[データ]タブのメニューの中にある「データの入力規則」で、[入力値の種類]を「ユーザ設定」にすると数式が入れられるようになって、その数式で複数のセルにまたがる演算結果の条件を記述することができるのです。面白いです。






3月13日(土) 数学の問題など

 土曜日なのでお昼近い時間の更新です。



 昨日、こんな問題をご紹介しました。

 簡単な解説をこちらに書きました。(すみません全部画像ですが。) 興味がある方はご覧ください。特別なことは何もしていません。普通の解です。



 以前も取ってみていた聖なる円を短い糸で取ってみました。このあやとりの取り方のイメージがわかったので、だいぶ形が整うようになってきました。

 取り方をまとめると、「(1).ナウルの構え2(5本指全部に互いに輪がかかっている)で、親指だけ手前・残りの4本指は向こうへひねる。 (2).人差し指・中指・薬指の向こうの糸を上、手前の糸を下に分け、その間を通して織物を織るように親指と小指で内側の糸を取り合う。 (3).小指は逆ナバホ、親指は二重ナバホで内側3本指を外す。」です。

 上記の(2).の工程で単純に親指小指の内側の糸を取り合うかわりにエオンガツバボすれば「ナウルのマット」になります。(これはかたちを整えるのが大変です。)  人差し指と薬指の輪を中指に集めて、親指・小指の輪を中指の三重の輪に引っ掛けて戻す操作をして中指を外すとアルゼンチンの「鳥の巣」になります。(これは比較的易しいです。)

 いずれも長い糸で取るのがお勧めです。こういった基本的なテクニックや手順がだんだん身に付いてくると、急にあやとりを覚えやすくなった感じがします。40年以上前ですが、中学生になって初めて英語というものに出会ったときに、英単語を覚えるのが途方もなく大変でした(今も苦手ですが)。でも、ある程度覚えた単語が増えてくると、接頭語だとか類似語だとかの知識がなんとなく身に付いてきて、そうするとだいぶ理解が進んだ気がしました。

 あやとりもそれと似ていて、「手順のこの部分はあのあやとり作品のあそこと同じだ」ということがわかってくるといろいろと面白いのです。楽しい…



 これも職場のSNSの雑談コーナーから。今度は高校入試の問題らしいです。次の計算をしなさい、という問題だそうです。

 手計算で馬鹿正直にやったらえらいことになりそうです。一応暗算でも解けると思います。

 こんな問題を毎日楽しませていただいて、(ここに書いてもしょうがないですが)感謝しています。こういうのを投稿して下さっている方は私と同年代の男性で、私と同じく超朝型で、だいたい朝7時前に投稿されています。

<おまけのひとこと>
 週末は嬉しくて早く起きてしまうことが多いのですが、今日は日付が変わった午前零時半くらいに起きてしまって眠れななくなって、「しょうがないからあやとりでも取るか」と思っていろいろ研究していたら、気が付いたら6時間くらい経っていました。






3月14日(日) 途中までの手順が同じあやとり

 今日もあやとりの話です。



 昨日、「手順のこの部分はあのあやとり作品のあそこと同じだ」ということがわかってくるといろいろ面白い、という話を書きましたが、その具体例を示したくなったので写真を準備しました。

 石野さんのあやとりサイトのギャラリを眺めては、幾何学的な形状のもの、おもしろそうなものを端から取ってみているのですが、その中でダンスの舞台に挑戦してみたのです。(余談ですが、リンク先の手順 5. で、小指で押さえる「親指の向こうの糸」は2本です。また、手順 6. でナバホ取りする親指の糸も2本です。最初、それぞれ1本だと思い込んで悩んでしまいました。) これはパラオのあやとりだそうです。幾何学的な美しいあやとりです。

 これを取ってみて、「ダンスの舞台」の冒頭の手順 1. から手順 4. までは、焼け焦げた葉のククイ と同じだということに気が付きました。(「人差し指の構え」(Opening A) から全部の指の輪をひねるところから始めるあやとり作品は他にもありますが、これはその次の操作まで同じです。)これはハワイのあやとりだそうです。

 さらにここまで取ってみて、「あ、このかたちはあれだ」と気が付きました。小さいアムワンギヨ です。これはナウルのあやとりだそうです。(「小さいアムワンギヨ」は、最初に指をひねる方向は任意なのだそうですが。)

 「小さいアムワンギヨ」は、「焼け焦げた葉のククイ」が完成した後から操作して、中央の二重の菱形の図形の両側に菱形を2つ作ります。(親指小指の糸が余ってしまったので指に巻き付けて調整しています。)

 こういった関係に気が付くと、複数のあやとり作品の取り方の手順が一気に頭に入る気がするのです。



 ちなみに上記の3つのあやとり作品が調査された「パラオ」「ハワイ」「ナウル」がどのあたりなのか、だいたいの位置を図示してみました。 (図をクリックすると拡大します。)

 特にハワイの「焼け焦げた葉のククイ」とナウルの「小さいアムワンギヨ」、広い広い太平洋の中のこんなに離れた絶海の孤島どうしなのに、どうしてこんなによく似た手順のあやとり作品が伝わっているのか、たいへん興味深いです。



 全体の関係を図示してみました。 (図をクリックすると拡大します。)

 この図が作りたくて、背景を白にしたときに糸がはっきりするように濃い色のひもを用意して写真を撮って画像を加工したのです。



 なお、オリジナルの写真はこんな感じでした。

original after image processing

 画像の加工は、単純にヒストグラム補正だけをして、明るい側を全て白く飛ばしています。加工前と加工後のヒストグラムを表示します。

 加工前のヒストグラムの中央の山が、背景の壁の色です。それが全部白(輝度の最大値)になるように、ヒストグラムの最大値を山の左側に持ってきます。加工後のヒストグラムは一番下のようになっています。

 ちなみにもっと淡い色(たとえばピンク色)のひもで取ったあやとりの写真を加工してみたら、背景を白く飛ばそうとすると糸の一部分も見えなくなってしまったのです。そこで今朝(3時くらいです)、まだ未使用だった濃い色のひもを取り出してきて輪っかに加工して30枚くらい写真を取って、それを加工しました。



 フィンランドの首都ヘルシンキの歩行者専用の Keskuskatu という通りは、ペンローズの非周期的タイリング舗装されているのだそうです。(リンクはgoogle street viewです。)

 これはすごいです。日本でもどこかでやってくれないかなあ。

<おまけのひとこと>
 日曜日ですが珍しく早い時刻の更新です。






3月15日(月) あやとり「大きいアムワンギヨ」、創作あやとり「窓」、ほか

 今日は新しいトピックにしようかとも思ったのですが、「過去のページ」では月の前半の最後、一番下なので軽い話題ということで、あやとりの話です。(というか、昨日・一昨日の土日の週末も、トータルで15時間以上はあやとりを研究していて、それ以外の「仕込み」は3〜4時間しかやっていないのです。)



 昨日、小さいアムワンギヨ というあやとり作品をご紹介しました。(以下、写真は拡大できます。)

Small Amwangiyo

 小さくないアムワンギヨも取ってみました。親指と人差し指の間で忙しく輪をやりとりする工程の後、親指の二重の輪と人差し指の輪の間で、こんな操作をします。(図は右手側を示しています。)

 この操作まで終わるとこんな感じになります。

 ここで人差し指で二重の糸を取って親指を外すのですが、この段階で中央部分はよれたコブのようになっていて、けば立った糸だとうまく開いてくれません。

 でも、ここで左右に引くと、いきなり完成形のこのパターンが現れます。

 この瞬間が好きです。



 もう1つ、 という創作あやとり作品((c).1985 Mark Sherman)を取ってみました。

 この作品は、ナバホの構えから人差し指の輪を手首に落とし、人差し指で手のひらの糸を取り合った後で「井戸」の最初の操作(人差し指で小指の手前と人差し指の向こうの2本の糸を上から手前へ回転させながらすくい上げるという操作)をする、という独特な手順のあやとりです。

 きれいなパターンができますが、どのあたりが「窓」なんだろう? と思います。外枠が四角くなるように調整してみました。

 …こんな感じでしょうか。窓に何かカーテンのようなものがかかっているイメージでしょうか。(だとすると上下が逆?) カフェカーテンかな。



 暖かくなってきて、またネコが日向ぼっこに来るようになりました。

 もうすぐ春です。

<おまけのひとこと>
 私は超朝型の生活をしていて夜は8時〜9時には寝たいのですが、今週はやむを得ず会社で19時からの会議とかを2度ほど設定していて、順調に会議が1時間で終わったとしてもそれから移動に1時間、帰宅は早くても21時です。帰りの運転がちょっと心配です。






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