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以前の「ひとこと」 : 2026年9月前半


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9月1日(火) 伝承あやとり作品「2つの星」を整えてみる

 9月です。研究中のあやとりの話です。



 比較的易しい伝承あやとり作品に 2つの星 というナバホの伝承作品があります(リンクはいつものように石野さんの「あやとりしてみよう」の該当ページです)。これは世界各地で知られているあやとりなのだそうです。

2つの星

一方、おなじナバホの 2つの星 という別のあやとりもあって、これはリンク先の手順に書かれているように、「ナバホの構え」という独特な開始処理から始めていますが、上の二重の菱形が2つの「2つの星」と同じように親指にすべての輪を移して、小指と人差し指で親指の水平な糸をひねって取ることでこのかたちに仕上げます。

 ちなみにこちらの一重の菱形2つの「2つの星」は、結果的に「二段ばしご」と同じ形になります。下の写真は「二段ばしご」を取ったものですが、ナバホの一重の「2つの星」と出来上がりでは区別できません。

二段ばしご(はしご展開で作ったものです)

 ナバホの一重の「2つの星」は、要するに2本指の構えから親指に輪を集めて「2つの星の終了処理」をすることで作ることができるのです。ということは、4本指の構えや5本指の構えからも同じように親指にすべての輪を集めて「2つの星の終了処理」をすれば、三重の2つの菱形、四重の2つの菱形の作品ができそうです。

 単純に三重や四重にしてもそれほど面白くないので、きれいに扇形に広げて中央の交差が斜め格子のようにできないだろうか? と思って試してみています。

2本指の構えから

3本指の構えから

4本指の構えから

5本指の構えから

 一応それっぽくはなりましたが、まだなんとなく手順は確立できていない感じです。もう少し研究が必要です。



 Xにこんな投稿が載っていて興味深くリプライを読みました。https://x.com/pickover/status/2094051326011351510

□+□+□=30
が成立するように、□の中に (1,3,5,7,9,11,13,15) を入れなさい。
同じ数字を複数回使ってもよいです。

 普通に考えると、使えるのは奇数だけで、奇数を3個足し合わせたら答えは奇数になるので「解なし」になりそうです。これに対してどう対処して、無理やり答えを30にするのか、けっこうおもしろい工夫が提案されていて意外と面白かったのです。


<おまけのひとこと>
 Xは読みたくないような投稿が多いのですが、たまに有益な情報があるのでつい見てしまいます。
 昨日、「明日からは多面体の話かあやとりの話を書きたいと思います」と書きましたが、とりあえずあやとりの話から始めることにしました。





9月2日(水) 2本の紐を使った伝承作品「鏡」

 あやとりの話です。



 国際あやとり協会の会報の最新号であるBISFA:Bulletin of the International String Figure AssociationのVolume 32 (2025) に、1910年代に調査・記録されたガイアナの伝承あやとり作品が紹介されています。石野さんのあやとりしてみように紹介されていたものを取ってみました。「鏡」という作品なのですが、2本のあやとり紐を使います。オリジナルの手順では、1本目の紐で内側のパターンを作る人と、2本目の紐でそのパターンを写し取る(すくいとる)人の二人で作る手順になっているようですが、自己流でひとりで取ってみました。その自己流の手順を紹介しておきます。

「鏡」(ガイアナ)
 本来は二人で取る作品です。ここでは自己流でひとりで取る手順をご紹介します。
 以下、ラクダ色の短い外周の紐を「外周の紐」、水色の内側のパターンを作っている紐を「パターンの紐」と呼びます。
  1. 外周になる短めのあやとり紐を両手首に掛けておく
    (以下、特にコメントしなければ内側のパターンになる紐の操作)
  2. 内側のパターンになるあやとり紐で「人差し指の構え」
  3. 中指で人差し指向こうの糸を取る
  4. 親指の輪を人差し指に移す(上の輪にする)
  5. 小指の輪を中指に移す(上の輪にする)
  6. 人差し指と中指で二重ナバホ取り
    →下の輪を(もともとの上の輪を乗り越えて)指先に持って行き、(もともと上の輪だった)新たに下になった輪を、
    新たに上になった輪を乗り越えて外す
  7. 手首の輪(外周の紐)を人差し指と中指に掛ける(すでに掛かっている輪の下になるようにする)
  8. 人差し指の下の輪(外周の紐)を、上の輪(パターンの紐)の中を通して上に引き出して親指にかける 
  9. 中指の下の輪(外周の輪)を、上の輪(パターンの紐)の中を通して上に引き出して小指に掛ける
  10. 人差し指と中指に掛かっているすべての輪を外す
    →その結果外周の輪だけが親指と小指に掛かっている
  11. かたちを整える

 BISFA32 に載っている写真を見ると、外周の紐はそれなりに長くて、おそらく内側のパターンの紐と同じくらいの長さの物を使っているようです。そのため全体が大きな十文字型になっているのですが、ひとりで取る場合は外周の紐が長すぎるとかたちが整わないので、上の写真のように短い紐を使いました。上の例だと内側の水色の紐が180cmくらい、外側のラクダ色の短い紐が120cmくらいだと思います。



 まだまだ暑い日が続いていますが、ようやく日中も少しは過ごしやすくなってきました。午後の一番気温が高い時間帯にも、草刈り作業をしたり木の伐採作業をしたりする音が聞こえてくるようになりました。

 家の近くの小さな雑木林が、道路や用水路の上に枝が広がってきていて、森林組合が6月から8月ころに順次伐採しますという作業の予告の通知を受け取っていました。そろそろ一段落のようなのですが、自宅の仕事部屋の窓からその雑木林を見てみると、これまでは見えなかった用水路がまるでトンネルのように見えるようになっていました。

8/31(月)撮影

8/31(月)撮影

 用水路に木の枝などが落ちて、そこに流れてきた葉っぱなどの小さなゴミがたまって水の流れをせき止めてしまうと大変なことになります。下流に水が行かなくなるのも困りますが、そこで水が用水路からあふれると、あふれた水が想定外のところを削りながら流れることになって、とても困ったことになるのです。木を管理するというのはなかなか大変です。


<おまけのひとこと>
 歯の調子が悪いころはそのおかげであまり食欲がなくて体重が少し(少しだけ)減ってくれて良かったと思っていたのですが、また最近は戻ってしまいつつあります。





9月3日(木) 2本の紐を使った伝承作品「蜘蛛の巣・アカエイ」(ガイアナ)

 あやとりの話です。



 昨日に続いて2本のあやとり紐の伝承あやとり作品です。ガイアナの蜘蛛の巣・アカエイです。リンク先の石野さんのサイトの手順では「ガイアナの構え4B」という開始処理を説明されています。伝承作品は本来の取り方を尊重すべきで、ただしく記録して伝えることはとても価値があることです。それを理解したうえで、従来の「人差し指の構え」から始めて同様な状態にするには? と、つい考えてしまいます。それによって易しくなっているわけでも手数が減っているわけでもないですが、そういう自己流の「手順の読み替え」を参考までに書いておこうと思います。

「蜘蛛の巣・アカエイ」(ガイアナ)
 本来は二人で取る作品です。ここでは自己流でひとりで取る手順をご紹介します。
 さらに、本来の「ガイアナの構え4B」ではなく、結果が同じになる「人差し指の構え」からの別手順を書いています。
 以下、ラクダ色の短い外周の紐を「外周の紐」、水色の内側のパターンを作っている紐を「パターンの紐」と呼びます。
  1. 外周になる短めのあやとり紐を両手首に掛けておく
    (以下、特にコメントしなければ内側のパターンになる紐の操作)
  2. 内側のパターンになるあやとり紐で「人差し指の構え」
  3. 親指の輪を手前に半回転、小指の輪を向こうへ半回転ひねる
  4. 人差し指の輪をはずす
  5. 親指の輪を人差し指に、小指の輪を中指に移す
     ここまでで「ガイアナの構え4B」ができている
  6. 左右の人差し指と中指の先端をそれぞれ合わせて、左右の指の輪を交換する
     (左手の人差し指で右手人差し指の輪を上から取り、つづいて右人差し指で左人差し指の下の輪(もともとの輪)を上の輪を越えて取る。中指も同様。) 
  7. 手首の輪(外周の紐)を人差し指と中指に掛ける(すでに掛かっている輪の下になるようにする)
  8. 人差し指の下の輪(外周の紐)を、上の輪(パターンの紐)の中を通して上に引き出して親指にかける 
  9. 中指の下の輪(外周の輪)を、上の輪(パターンの紐)の中を通して上に引き出して小指に掛ける
  10. 人差し指と中指に掛かっているすべての輪を外す
    →その結果外周の輪だけが親指と小指に掛かっている
  11. かたちを整える

 あやとり協会発足後の1980年代くらいの時期、現代あやとり研究がものすごく進んだころに神谷和男さんが、たくさんの伝承作品の「早つくり」という記事を書かれています。私は最終的なあやとり作品のかたちに興味があるので、こういう「おなじかたちになる別手順」という発想は面白いと思っています。



 昨日の「鏡」のご紹介に対して、あやとり協会の吉田さんがコメントをくださいました。いつもありがとうございます。有木昭久さんが1980年ころにあやとりの本を出版されていて、その中に、あやとり紐を複数使うあやとり作品をいくつも紹介されていることや、吉田さんご自身が取られた「最後が2本指の状態になるあやとり作品に別のあやとり紐で外周の枠をつけたもの」の写真を送ってくださいました。ありがとうございます。

 私も「ナウルの太陽」とか「四段ばしご」を枠に入れたものを試しに作ってみたのですが(写真は明日ご紹介します)、やっぱりこういうのはいろいろやってみたくなりますね。それにしても1980年代のあやとり研究の内容は本当に豊富で、私が伝承作品をいろいろ取ってみながら思いつくような変化や応用は、だいたいその時代にすでに調べられたり提案されたりしているものが多いのです。こういうのがもっと広まってくれるといいなと思います。


<おまけのひとこと>
 今日は天気が悪くなるみたいです。あまりひどくないと良いのですが。





9月4日(金) あやとり作品に別の紐で外周の枠をつける試み

 あやとりの話です。



 一昨日にご紹介した「鏡」という2つのあやとり紐を使う作品を取ってみた後にまずやってみたのが下図の「ナウルの太陽」に外周の輪を追加したものでした。

「ナウルの太陽」+外周

 「太陽」はオリジナルの通りカロリン展開で仕上げるのがいちばんきれいだと思うのですが、こうやって外周を付けたものもなかなかよいと思いました。

 思い立って、最後に人差し指をはずす前の3本指の状態から外周を追加してみました。

「ナウルの太陽」(人差し指を外す前)+外周

 これだと「亀」みたいです。外周が六角形になるように調整すればまた印象が変わるような気がしたのですが、そこまでがんばりませんでした。

 「四段ばしご」も外周を付けてみました。

「四段ばしご」+外周

 外周の紐がもっと対称になるように調整すべきでしたが、こういう飾り方もあるなあと思いました。



 先日、庄司薫が亡くなったという追悼記事をご紹介したときに「ぼくが猫語を話せるわけ」というエッセイを思い出した、と書きましたが、その文庫本を古書で見かけたので買ってしまいました。

 目次を見ただけで、中身を思い出せるものが半分以上あります。

 この本を読んでいたころの自分のこと、家族のこと、飼っていた猫たちのことなどを思い出しています。

 まだ中身は一行も読んでいません。今読んだらどう感じるのだろう、とちょっと楽しみです。


<おまけのひとこと>
 今日の天気はどうでしょうか。





9月5日(土) 戦前の旧版の日本の地形図

 地図の話です。



 戦前に測量され出版された5万分の1の地形図を自由にダウンロード、閲覧できるサービスがあると知って、試してみました。こちらのOH3(open-hinata3)のサイトです。知ったのはXの https://x.com/kenzkenz/status/2095859747388019178という投稿です。それによると、もともと明治から昭和初期にかけて陸地測量部が作成した5万分の1の地形図を、戦後に米軍が接収し、それをスタンフォード大学がオープンデータ化し、日本版MapWarperが位置合わせしたものをOH3が全国1374枚をつないで公開しているのだそうです。

 アクセスしてみると、こんな風に「図名」の一覧が見えるようになっています。

 たとえば、「十和田湖」をダウンロードしてみました。

 上の画像は縮小したりトリミングしたり色補正をしたりしていますが、 オリジナルは図の周囲に若干の余白があって、地図そのものが完全に欠落することなくアーカイブされています。地図によっては書き込みがあったりするものもありました。

 上の図とあんまり違いはないですが、十和田湖の部分を少しだけ大きな図にしてみました。

 今の地理院地図のサイトの十和田湖付近を見てみました。

 自分の出身地や今住んでいるあたりを中心に、今朝から閲覧してみていたらあっというまに3時間くらい経ってしまいました。地図は面白いです。



 毎年この時期に開催されている日本ロボット学会学術講演会に参加してきました。今年は金沢大学の角間キャンパスが会場でした。

 谷をまたいだ歩行者用の連絡橋の途中から会場の建物の写真を撮ってみました。乗ってきたシャトルバスが2台、見えています。

 建物の模型が飾られていました。模型は好きなので眺めて写真を撮ってみました。(模型の前で足を止めたり見ている人は見かけませんでした。)

 右の学部教育棟I というところから入ります。ここは地下2階に相当するフロアで、会場の会議室や企業展示が並ぶ学部教育棟IIとIII まで階段で上がります。階段の下から眺めるとこんな感じでした。

 以上は出張報告で使おうと思って撮った写真です。

 ホテルは金沢駅前にしました。有名な鼓門、実は本物を見たのは初めてです。

 1990年代に2回ほど出張で金沢は訪れたことがあったのですが、当時はまだこの門はありませんでした。プライベートで自家用車で遊びに来たこともあったのですが、そのときは車だったこともあって駅には近づきませんでした。



 金沢出張は、長野県内は在来線で移動して、長野駅から北陸新幹線で金沢に行きました。行きも帰りも長野駅での接続が悪かったので、乗り換え時間に駅そばを食べました。また、金沢大学まで無料のシャトルバスを運行していただいたのですが、始発が7:45ということで初日は7:25くらいに団体バス乗り場に行ったらすでに長い待ち行列ができていました。なので7:15くらいに行くようにしていたのですが、せっかくなので朝食は(会社が手配してくれた宿泊は素泊まりプランでした)金沢駅の加賀白山そばという立ち食いそば屋さんで食べました。ここが朝6時からオープンしてくれるのがありがたかったです。

 お蕎麦の写真を載せても良かったのですが、ちょっと違う気がしたのでこちらのFC2のブログ T科日記のほうに掲載しました。(この記事に限らず、少し大きめの画像はFC2に置かせてもらって、そこでほとんど画像だけの記事を載せています。)長野駅の駅ナカにある立ち食いそば屋さん、いまどきあまりにも値段が安くて驚きです。


<おまけのひとこと>
 更新が午後になってしまいました。





9月6日(日) 「あやとり入門」(有木昭久)

 あやとりの本です。



 あやとり協会の吉田さんがご親切にも有木昭久さんの「あやとり入門」と言う本を送って下さったのです。とても感謝しています。さっそく読ませていただいています。

 この本は保育社のカラーブックスのシリーズの中の一冊です。カラーブックスは河合豊影さんの「おりがみ」のシリーズを3冊持っていましたが、「あやとり」は持っていませんでした。中身を見させていただくのは初めてです。ほんとうにありがたいです。(上の右の画像、著者紹介の最後に住所が載っていたのですが、それは画像から消去して載せました。)

 いろいろな発見があって、読んでいるととても面白いですし自分でもやってみたくなります。また、この作品をこういう名称で紹介されているんだなあと思ったものもありました。

 表紙の作品も素晴らしくて、たとえば左下の「ひょうたん網」、一見「アタヌアの家」みたいにみえるのですが明らかに違います。右下の「2本のあやとり紐で二人あやとり」は、これ以外のかたちもいろいろ紹介されています。これもぜひ研究してみたい作品です。

 おかげさまでまた自分の中のあやとりの世界が少し広がりました。またご紹介してゆきたいと思います。



 金沢に出張したときは毎日片道40分くらい、駅と大学の間をバスで往復していました。9月2日(水)の朝のシャトルバスはタイミングが悪くて、一号車の最後の乗客になってしまい、補助シートの最前列になってしまいました。大学は駅から南東の方角にあるため、日が差す方向に走る時間が長くて暑くて大変でした。ただバスの正面の大きな窓から前が良く見えました。

 途中でおもしろい歩道橋が見えたので写真を撮りました。スマートフォン(私は iPhoneは使っていません)のカメラで撮ったので画像が粗いです。おかげで画像を加工しなくても車のナンバープレートは読み取れない(と思う)ので、加工の手間は省けました。信号機の交差点の名前も読みにくいですが、ここは「もりの里三丁目」です。この交差点名を手掛かりに google street view でこの歩道橋を調べてみました。

 該当する交差点のあたりの画像と、もう少し歩道橋に近づいた地点での画像です。アーチ状というか、太鼓橋のような構造が自分の写真よりもずっとよくわかりました。

 なるほどここだったのかと思いました。今はこういうのが簡単に調べられて楽しいです。


<おまけのひとこと>
 学会に参加する以上、基本的に1つのセッション(1時間〜1時間半程度)で最低1回は質問をするように心掛けています。「聞くは一時の恥」と思って基本的な質問も恥ずかしいと思わずに尋ねるようにしているのですが、そうは言っても所属と名前を名乗って発言するので、発表の中で説明済みのことを聞くのは避けたいと思っています。質問しようと思って講演を聴いていると集中して聴けますし、良い緊張感を維持できるのです。





9月7日(月) Bridges 2026

 国際会議 The Bridges の話です。



 過去にも何度かご紹介していますが、Bridgesという、芸術、音楽、建築、文化における数学的つながりをテーマにした年次会議があって、毎年その時季になると公開される予稿集を楽しみにしています。今年は8月5日から8日にアイルランドで開催されたようです。

The Bridges 2026 の予稿集の表紙

 2026年の予稿集のページを開いてみると、招待講演が4件、フルペーパー(論文)が69本、ショートペーパーが66本、ワークショップ論文が12本、掲載されています。比較的類似なトピックがまとめられているような印象を受けます。多面体やタイリングの話や、イスラム文様の話、折り紙の話、それ以外にも紙で模型を作ったり、3Dプリンタを駆使したり、毛糸で編んだり、刺し子や刺繍をしたり、音楽の話があったり、舞踊のような身体表現の話があったり、多岐にわたった内容になっています。

 その中でも、図を1つご紹介するだけで雰囲気が伝わりそうなものをいくつかピックアップしてみました。タイトルとページ数を書いたので、詳細を知りたいと思われるものがありましたらページ数を手掛かりに予稿集をご覧ください。それぞれの図の下に簡単なコメントを書きます。

Designing PolyominoWindow Puzzles to Make Symmetry Practically Inevitable(Bruce Torrence:p.229)

 数年前から毎日やっている A-Puzzle-A-Day というカレンダーパズルが取り上げられている論文がありました。過去の Bridges でもこのパズルを調べた論文がありました。

Corner Dual-Sided Isomorphic (CDSI) Patterns on the Rubik’s Cube(Andrey Maslov:p.253)

 ルービックキューブを並べてドット絵パターンを作る、というのは以前から発表されていますが、これは2方向から色合いの異なるドット絵を作るという試みです。

Borromean Braid Crossings from the Triaxial Grid(Reitebuch et al.:p.363)

 「ボロメオの輪」の構造を念頭に、複数の方向からの紐の絡み目を調べた研究です。最後に上の写真のように実物の紐を編んで確認しているところがいいなあと思いました。

A Papercrafted 2.5D Angels and Devils Artwork(Douglas Dunham, Lisa Shier:p.443)

 エッシャーの「天使と悪魔」をペーパークラフトで再現してみた、という発表です。カッティングプロッタを活用しているそうです。

Symmetry in Urban Ornament: A Mathematical Trail Through the Historic Centre of Leiria(Ambrosio,Hall,andPais:p.617)

 都市を散歩して対称性が高いオーナメントを探してみた、という論文です。楽しそうです。

Of Loops, Braids, and String Figures:The Loopy Calculus of Cat’s Cradle(Parker Adey, Vanessa Schattman:p.669)

 ワークショップ論文のほぼ最後に、なんと「あやとり」を扱った論文がありました。まだ中身は読んでいませんがBridgesにあやとりの論文が発表されるのは珍しいので嬉しいです。著者のお二人はカナダの方のようですが、国際あやとり協会の会員リストにお二人ともお名前がありました。時間を作って中身を読んでみたいと思っています。

 ここには挙げていませんが、音楽関係のものとか、タイリング関係とか、フラクタル関係とか、イスラム文様のものとか、中身を理解したいなと思うものもいくつもありました。いつかご紹介できるかもしれません。


<おまけのひとこと>
 一挙に涼しくなって、むしろ肌寒いくらいです。大雨も心配です。





9月8日(火) 正方形12枚をずらして組んだモデルで面を折り曲げてみる(その1)

 先月に書いた話題のつづきです。



 先月、8月12日にフレーク積木セットの正方形12枚をずらして組んだものを紙模型にしてみた紙模型をご紹介しました。

 改めてみると、フレーク積木セットで作ったものと紙模型とではずらす方向が逆でした。また、パーツの「変形しにくさ」(硬さ、と言っても良いと思います)が異なるので、全体のシルエットの印象も違います。これは下図のような展開図から作ることができました。

正方形12枚の展開図(折り線なし)

 前回書きましたが、この12枚の正方形を折り曲げてみたのです。そうするとこのように完全に立方体になることがわかりました。

正方形が「たわんだ」模型と、正方形を「折り曲げた」モデル

 考えてみるとまあ確かにその通りなのですけれども。

 最初は上の写真の左の「たわみモデル」のほうを適当に折ってみようかとも考えたのですが、精度が悪いと面白くないと思ったので折り線の位置をちゃんと設計することにしました。

(つづく)



 昨日は久々に出社して(先週は出張だったので出社しませんでした)、出張の報告をしました。長野駅から金沢駅までは1時間程度しかかからないのに、長野県内の普通列車での移動に2時間かかった、さらに乗り継ぎの待ち時間が30分以上あった、という話をしたら、上司が「私は長野まで自家用車で行ってしまうことにしています。東京出張の時にも、中央東線の特急の始発や最終列車と比べて、北陸新幹線の始発や最終列車のほうが東京に滞在できる時間が長いので便利ですよ。そういうルートでの出張申請をしてもらえば許可しますよ。」と言ってくれました。とてもありがたいですし、私も車の運転は苦にならないほうですが、出張の行き帰りに長距離の運転をするのはちょっと自信がないかなと思いました。


<おまけのひとこと>
 昨日は通勤移動の高速道路が珍しく渋滞にかからずに済みました。鉄道のほうは大雨の予報で計画運休していました。車も移動を控えてくれた人が多かったのだろうか、と思いました。雨はそれほどたいしたことがありませんでした。でも、おかげで会社に傘を忘れてきてしまいました。昔から大切にしている傘なのでショックです。次の出社のときまでちゃんとあると良いのですけれども。





9月9日(水) 正方形12枚をずらして組んだモデルで面を折り曲げてみる(その2)

 昨日のつづきです。



 12枚の正方形をずらして組む展開図で、それぞれの正方形をうまく2つ折りにすると全体が大きな立方体になる、という模型をご紹介しました。これは下の図のように折り線の位置を決めています。

「折り目」の位置

 ひとつの正方形の折り線の位置が決まれば(ちなみにこの線は正方形の中心を通るので、正方形を2つの合同な台形に分割します)、すべての正方形の折り線の位置は同じですから下の図のように定まります。向きだけは気を付ける必要があります。

「折り目」を入れた展開図

 これを組んだのが以下の模型だったのでした。

写真 1

写真 2

写真 3

 実はこれは先日ご紹介した「正三角形20枚をずらして組む」模型よりも先に作ってあったのです。ただ、設計図を作るとき、正方形のずらし方の精度が悪かったのです。方眼紙の上で作ればよかったのですが、正方形をずらしたパターンをコピー・ペーストして作ったため、誤差が累積してしまって模型の精度が出ませんでした。完成した模型がちょっと歪んでいたり、「のりしろ」がずれていたりするのはそのためです。

 この模型の精度が悪かったこともあって、CGを作ってみることにしました。

(つづく)



 この模型を見ていて、はるか昔に作ったこんなものを思い出しました。

図 1 図 2

 これは、2004年9月25日にご紹介したもので、布製のベルトのような丈夫な帯1本を結んで作ったものです。これは12枚の正方形を「ずらさずに」無理やり組んだかたちをしています。立方体の稜が12本あるのですが、それが12枚の正方形を対角線で折り曲げたものに対応しているのです。


<おまけのひとこと>
 2004年に作ったベルト1本のかたちの写真、今回もっと大きなサイズの画像をご紹介したかったのです。ところが、2024年の4月〜9月の写真データのバックアップを失くしてしまっていて、オリジナルの画像がないのです。当時、ほぼ半年ごとにCD-Rにbackupを取っていたのですが、ちょうどバックアップの直前のタイミングでハードディスクが読めなくなってしまったのでした。自分が作った模型の写真はまあいいとして、その期間の家族の写真を失くしたのはショックでした。それ以降、複数のディスクにデータを保持するようにしました。最近はクラウドにデータを保存できるのでありがたいです。





9月10日(木) 正方形12枚をずらして組んだモデルで面を折り曲げてみる(その3)

 CGアニメーションです。



 昨日ご紹介した、正方形を二つ折りにしたものを12枚つなげたかたち(ただしわかりやすいように正方形には穴を開けています)をCGアニメーションにしてみました。最初に、パーツも白、背景も白で作ってみました。

gifアニメーション(1)

 光源の配置や強度が良くないのか、光が当たらない部分の暗さが際立っていて、ちょっと不自然かなあと思いました。光源の位置や強度のバランスを変えて、背景は黒にしてみました(下図)。

gifアニメーション(2)

 「正方形12枚」というところがわかりにくいよなあと思って、色分けしてみることにしました。それに伴って背景はまた白に戻しました。

gifアニメーション(3)

 こうするとこのかたちの構造がよくわかると思います。どれが「きれい」だと思いますか。

 さらに、ずらす幅(ずらし量)を徐々に変化させてみることにしました。

(つづく)



 久しぶりに東京メトロの副都心線にちょっとだけ乗る機会がありました。この路線を利用するのはパシフィコ横浜でイベントがあるときに、特急列車で新宿まで移動して、新宿三丁目から、みなとみらい線に直通の副都心線に乗る場合がほとんどです。今回は新宿三丁目で乗車した直後に予定変更になったため、2駅先の明治神宮前で降りたのです。

 ふだんはあまり注目しない、ホームベンチが気になって写真を撮りました。

新宿三丁目 明治神宮前

 こんな、透明な樹脂製の、各駅ごとに異なるデザインのベンチだったのですね。検索してみるとお客様に、快適さとワクワクを。東京メトロの駅のデザイン。 という東京メトロの記事がありました。下のほうにちょっとだけ副都心線のホームベンチの話と写真が数枚あります。2008年に設置されたとのことで、もう20年近く前なのですね。意識したことがありませんでした。


<おまけのひとこと>
 雨が続いて、気温がだいぶ下がって肌寒いです。





9月11日(金) 正方形12枚をずらして組んだモデルで面を折り曲げてみる(その4)

 CGアニメーションのつづきです。



 昨日のアニメーション、正方形をずらす量と内側の穴の大きさをパラメータで変更できるようにしたのです。今日はそのパラメータを変えてみたCGをご紹介します。

 まず、正方形の辺をずらさずに(隙間をあけずに)組むと下図のようになります。左側は穴があるバージョン、右側は穴のない正方形のバージョンです。

図 a1 図 a2

 半分だけずらしてみました。

図 b1 図 b2

 頂点だけを共有するところまで広げてみました。

図 c1 図 c2

 以上を連続的に変化させると以下のgifアニメーションになりました。用いる12枚の正方形の大きさを固定しているので、ずらし量が増えると図形全体の大きな立方体の寸法が大きくなります。

gifアニメーション(1)

 用いる12枚の正方形に穴をあけないと、途中の状態がちょっとわかりにくいと思います。今回のCGでは影が描画しないようにしているので、内側と外側の面の区別がつきにくいのもわかりにくい理由のひとつだと思います。

gifアニメーション(2)

 ちなみに単色(モノクロ)にしてみるとこんなふうになりました。

gifアニメーション(3)

 また印象が変わります。

 正方形のパーツの穴の大きさを変化させるアニメーションも作れますし、全体の大きな立方体のサイズを固定するようなアニメーションも作れますが、まあそれはやらなくてもいいかなと思って割愛しました。

 実は、正方形12枚を折り曲げて対称性が高い多面体を組むやり方は少なくとももう1種類考えられます。

(つづく)



 先週、ロボット学会で金沢に行ったとき、3日目の表彰式とか招待講演とかが金沢駅前の石川県立音楽堂で開催されました。そのためこの日の午後の大学発のシャトルバスは県立音楽堂の前が終点でした。中に入ってまず目についたのがパンフレットストッカーでした。「石川県立音楽堂 オーケストラ・アンサンブル金沢」という文字が目に入りました。フォントが素敵です。特に「オーケストラ・アンサンブル金沢」のほうはレトロアンティークな雰囲気のフォントが素敵でしt。

オーケストラ・アンサンブル金沢のフォント

 こちらのオーケストラ・アンサンブル金沢の公式サイトでももちろんこのフォントが使われています。金沢、歴史のある素晴らしい都市だなあと思いました。



 7月のはじめに会社で受けた定期健康診断の結果が返ってきて、今回は非常に良くないという結果でした。高血圧は早くから問題があるという指摘を受けて、かかりつけの医療機関にもう10年以上定期通院して薬を飲み続けているのですが、今回はそのほかの数値も軒並み悪いということでした。まずは1か月、完全に禁酒して運動してみましょうということになって、しばらく、もしくは今後はずっとお酒はやめることになるかもしれません。まあ、もうすでに一生分、十分飲んだような気はします。一日だけ、来週末のお世話になった以前の上司の退職の送別会の時だけはお酒をいただこうと決めていますが、それ以外は少なくとも次の診察までは飲まないことに決めました。検査の数値がどのように変化するのかしないのか、楽しみです。


<おまけのひとこと>
 今日は「数学セミナー」10月号の発売日です。楽しみです。





9月12日(土) 「数学セミナー」10月号

 「あやとりの楽しみ」の最新号のサポートページを作りました。



 昨日は「数学セミナー」10月号の発売日でした。今回は「エレガントな解答をもとむ」も1題目に解答レポートを送っていたので楽しみにしていました。昨日、妻が定期購読している本屋さんで買ってきてくれて、早速読んでみました。(「エレガントな解答…」に関しては明日書きます。)

 「あやとりの楽しみ」も第31回になりました。こちらに 第31回のサポートページを作って公開しました。

「数学セミナー」2026年10月号
「あやとりの楽しみ」第31回

 今回はサポートページをけっこう充実させたつもりです。本誌ではスペースの都合で割愛した話題を入れたり、写真やアニメーションも作ったりしました。ここにもその一部を置きたいと思います。

 「分離型」の7つのダイヤモンドの左手と右手の向きを変えると、こんな風に立体的なかたちになるのです。

7つのダイヤモンド:分離型(視点1) 7つのダイヤモンド:分離型(視点2)

 上の2つの写真はまるで違ったかたちに見えると思うのですが、どちらも同じものを別視点から見たものです。記事にも載せたCGを作ってあったので、それを回転するアニメーションにしてみました。

7つのダイヤモンド:分離型を立体的にする

 途中で「7つのダイヤモンド」のかたちが見える視点があるのがわかると思います。



 今年の2月28日に山梨に小林響&ジャンルック・プロードというヴァイオリンとヴィオラのコンサートを聴きに行きました。そのときのことを 翌日 にちょっと書きましたが、今度は弦楽八重奏のコンサートがあるそうなのです。

コンサート情報

 前回は山梨県まで行きましたが、せっかく家の近くで同じプログラムの演奏がある、ということなので、そちらで聴かせていただこうと思って問い合わせてみたところ、まだチケットができていないそうで、予約だけさせてもらいました。

 コンサート会場としては山梨のホールのほうが良いのだと思いますが、少人数で室内楽として普通の部屋で聴くのも良いかなと思っています。


<おまけのひとこと>
 「あやとりの楽しみ」のサポートページを作ったりしていたら遅くなってしまいました。





9月13日(日) 「数学セミナー」エレガントな解答をもとむ:2026年7月号出題1

 数セミの「エレガントな解答をもとむ」の話です。



 「数学セミナー」2026年7月号の「エレガントな解答をもとむ」(問題はこちらの >出題(2026年7月号掲載分)/解答(2026年10月号掲載) のページで確認できます)の出題1に解答レポートを送ってあったのです。

 私が送ったこの問題の解は、結論部分だけ抜き出すと以下のものでした。

「数学セミナー」2026年7月号
エレガントな解答をもとむ:出題1に送った解

 幸い、(1)も(2)も正解ということでホッとしました。実はこれ、昨年2月にいろいろ考えた、立方体の各面に対角線を1本ずつ入れる(全部で6本の対角線を入れる)ときに本質的に異なる入れ方は何通りあるか、というのと本質的に同じ問題でした。なので当時の考察をある程度そのまま解答レポートにまとめました。

 その後、昨年の2月19日にこんな風に全体を1つの図にまとめました。

 そもそもこの問題を自分で考えたきっかけが、合同な3角形12枚で多面体(凸多面体でなくてもよい)を作るとき、どんな組み合わせがあるだろうか? と考察したところが出発点でした。上記の立方体の各面の分割パターンに対応する、鋭角二等辺三角形12枚による多面体を実際に作ってみたのが下の画像です。

二等辺三角形12枚による多面体

 対称性の高い左側の2つは鋭角型と鈍角型の菱形六面体になっています。このあたりの話も解答レポートに補足として載せておいたところ、今月号の解説の末尾でそれについて触れていただくことができました。とてもありがたく思っています。

「数学セミナー」2026年10月号 p.77
エレガントな解答をもとむ:7月号の出題1の解説より

 菱形六面体のように、厳密には十二面体ではないものも含まれますが、これらの対角線パターンが互いに異なっているからこそ、三角形12枚による多面体が違うかたちになるのです。

 ちなみにこの出題1は応募が85名いらっしゃったそうです。そのうち、群論の「バーンサイドの補題」を使って正解された方が15名いらしたそうです((1)のみの正解者のうち5名、両方とも正解の方のうち10名)。「バーンサイドの補題」では総数がわかるだけなので(具体的に調べなくても総数がわかるということはとても凄いことなのですが)、具体的なパターンを列挙したい場合には無力なのですが(もちろんこの問題は「パターンを列挙せよ」と問うてはいないので列挙は不要なのですが)、「答え合わせ」には有用だと思いました。

 自分が解いて応募した問題なので、いつもよりずっと真剣に「解説」を読みました。こういう楽しみを仕込んでおく、というのはとてもいいなあと思いました。

 今回の応募者の中にもAIに相談した方もいらしたそうですが、過去の「エレガントな解答をもとむ」の問題、すでに答も解説も出ているような少し前の問題をAIと対話しながら解いてみる、というのも楽しいかもしれないなと思いました。



 いつも「あやとりの楽しみ」に感想をお寄せくださるあやとり協会の吉田さんから10月号へのコメントもいただきました。ありがとうございます。今回の回転対称のあやとり作品は、すべて「右手は逆向きの左手のつもりで前後逆に取る」というのがわかりにくいのではないか、という内容でした。誌面に余裕があれば、少なくとも一例だけは「前後逆に取る」意味を具体的に書けば、多少はわかりやすくなったかもしれないなあと思いました。でも、そもそも言葉で書かれた手順を読み解いてあやとりを取る、というのはかなりハードルが高い作業だと思うので、それでもあんまり変わらないかもしれないなあとも思います。

 ちなみに昨日の「見る方向によっては7つのダイヤモンドが見える立体的な作品のCGアニメーション」はXにも投稿したところ、それなりに閲覧していただけたようです。なのでこの作品だけでも、「右手は左手のつもりで逆に取る」を、右手の手順として書き下してみました。

7つのダイヤモンド:分離型
らせんの中指の構え 

以下、右手は左手のつもりで逆に取る
  1. 左親指を左中指の輪に上から入れ、左小指手前の糸を取り、上の輪にする
  2. 左小指をはずす
  3. 親指の2つの輪の上下を入れ替える
    1. 左親指上の輪(左小指から移した輪)を左人差し指に移す
    2. 左親指の輪を左人差し指に移す
    3. 左人差し指の2つの輪をまとめて左親指に移す
  4. 左小指で左親指向こうの2本の糸を取る
  5. 左中指を掌の2本の糸を越えて左中指の輪に上から入れ、
    左親指の2つの輪を外しながら左中指で掌の2本の糸を下から手前に取る。
    (左中指の輪は自然に外れる)
  6. 下向きの左中指の2つの輪を左親指で下から取り、左中指をはずす
参考:右手の操作を表記する
  1. 右小指を右中指の輪に上から入れ、右親指向こうの糸を取り、上の輪にする
  2. 右親指をはずす
  3. 小指の2つの輪の上下を入れ替える
    1. 右小指上の輪(右親指から移した輪)を右薬指に移す
    2. 右小指の輪を右薬指に移す
    3. 右薬指の2つの輪をまとめて右小指に移す
  4. 右親指で右小指手前の2本の糸を取る
  5. 右中指を掌の2本の糸を越えて右中指の輪に上から入れ、
    右小指の2つの輪を外しながら右中指で掌の2本の糸を下から向こうへ取る。
    (右中指の輪は自然に外れる)
  6. 下向きの右中指の2つの輪を右小指で下から取り、右中指をはずす

最後に完成写真(ハンドモデル)のように、右手を90°向こうへ傾ける



 今朝の朝日新聞に(おやじのせなか)池谷裕二さん 没頭する姿、「楽しい」の本質 という記事がありました。私は池谷さんとは大学の専門が同じなのですが(私のほうが年齢が5歳上なので重なってはいませんし、私が一方的にお名前を存じ上げているだけですが)、私と同じく「地方の、父親が一人で経営している工場を自宅敷地内でやっている家」のお育ちなのだということを今回初めて知りました。私の父も健在ならば89歳になっていたはずですから、父親との年齢差も同じくらいなのかなと思いました。

 自分との最大の違いは、池谷さんのお父様は今もご健在でお元気ですが、私は自分が大学院に在学中に父が倒れて父の自営業をなんとかしなければならず、大学には復帰できなかったというのが大きな差なのだなあと思いました。「若い時の苦労は買ってでもせよ」ということわざがあります。自分が二十代のころにこういう経験ができたのは、(当時はまったく嬉しくはありませんでしたが)今考えると自分にとって貴重な財産なのだなあと思います。自分の今の境遇には感謝も満足もしていますし、何よりも自分の子供たちには自分が原因で将来の選択にマイナスの影響を及ぼしたことは少なくとも今まではそれほどなかったのではないか(全くないとはもちろん言えませんが)、と思えることはありがたいなあと思っています。

 読んでいて感慨深い記事でした。


<おまけのひとこと>
 今日の更新は思いがけずだいぶ長くなってしまいました。





9月14日(月) ティコピアのテクニック(その1)

 あやとりの話です。



 国際あやとり協会の年報 Vol.4 (1997)(リンク先は一般に公開されている国際あやとり協会の文献情報です)に、Tikopia s Web-Weaving Techniques, by Masahiko Eguchi (1918-1985), Kazuo Kamiya, Saitama, Japan, and Tetsuo Sato, Kumamoto, Japan, (pages 75-89) という論文があります。最初のページをご紹介します。

 江口雅彦先生が研究されていた内容を神谷和夫さんと佐藤哲生さんが英訳してまとめて下さった論文のようです。改めてこの論文を眺めてみると(まだちゃんと読めていません)、私がこの論文より20年以上後になって「パターンあやとり」という呼び方で「開始処理」→「装飾処理」→「終了処理」というかたちであやとりの手順を系統的に整理できる、と思っていろいろ試しているようなことがすでに書かれていることがわかります。

 上記の赤線のところに、Opening A (人差し指の構え) → web-weaving technique(直訳すると「ウェブ織り技術」、網目を作る技)→ loop twisting(輪をひねる) → presentation technique(表示技術)と書かれています。この論文では、人差し指の構えから始めて、いくつかの「ティコピアのテクニック」を行い、指の輪をひねって終了処理を行う手順が示され、それらを組み合わせたときにどんな作品ができるのかが紹介されています。下の図はこの論文の例8として挙げられているものです。

 この簡潔に記号で書かれた手順が良いです。実際に取ってみました。説明してみたいと思います。

Example 8
Opening A 人差し指の構え
TT(1,1) ティコピアのテクニック1,1 ≡ 「ナウルの太陽」
t>>, i>, l>> 親指を向こうへ1回転、人差し指を向こうへ半回転、小指を向こうへ1回転
SD 7つのダイヤモンド(SD:seven diamonds)
t>>, l>> 親指を向こうへ1回転、小指を向こうへ1回転

 t:親指(thumb)、i:人差し指(index finger)、m:中指(middle finger)、r:薬指(ring finger)、l:小指(little finger)です。>> とか > の記号は指の輪を1回転もしくは半回転ひねることを表します。手前ならば << もしくは <  です。

 TT(1,1) というのがティコピアのテクニックに番号付けしたものです。論文の中には TT(1,2)とかTT(1,3)、さらにはTT(3*1/2)なんていうのも出てきます。それらがなぜそのような数字で表されるのか、私にはまだルールがよくわかっていません。もうすこし勉強してみたいと思います。

(つづく)



 網戸のところにこんな蝶が来ていました。

 網戸越しの写真は難しいです。


<おまけのひとこと>
 今日は朝5時までにこのサイトの更新を終えたいと思っていたのですが15分ほど計画より遅れています。





9月15日(火) あやとりの四隅を1回転ひねる

 あやとりの話です。



 昨日ご紹介した江口雅彦先生の「ティコピアのテクニック」の例8ですが、これは7つのダイヤモンドを終了処理として行った後で四隅の指の輪を1回転ひねることで、まるで「テントの幕」のような仕上げりにしていました。斜め格子のあやとり作品を作った時など、中央が狭く小さくなって、四隅が広くて大きくなってしまうということがよく起こります。以前、まだマグネットボードに固定してかたちを整えるということをするようになる前は(5年前くらいです)、そういうときには余長の分を指に巻き付けて調整していました。

 これならば出来上がりのかたちそのものは、適切な長さのあやとり紐でうまく取ったときとあまりかわらない印象になります。

 四隅の二重の輪を一緒に1回転ひねると、あきらかに出来上がりの作品の雰囲気が変わります。たとえば「7つのダイヤモンド」「ダンスの舞台」の四隅を1回転ひねってみました。

「7つのダイヤモンド」の四隅をひねる 「ダンスの舞台」の四隅をひねる

 これだけで、もとの作品とは別のあやとり作品のような印象を受けます。これはこれで楽しいと思いました。



 先週の出張では帰りの特急列車に久しぶりに新宿から乗車しました。ダイヤ改正で夕方は東京駅始発になったので、東京駅のほうが便利な出張先の場合は東京駅から乗ることが多くて、新宿から乗るのは久しぶりでした。ちょっとだけ時間があったので、新南口構内の本屋さんで帰りの列車の中で読むのによさそうな軽い本はないかなと思って見つけたのがドゥリトル先生のブックカフェ(賀十つばさ:幻冬舎、2025)でした。

 タイトルを見て、表紙を見て、目次を見て、「これは買おう」と決めました。

 一話ごとにタイトルに書かれた本(児童書や絵本など)が重要な役割を担います。主人公や登場人物はすべて同一で、エピソードが重なってゆきますが、プロローグで提示された「謎」(と言ってよいでしょうか)がエピローグで進展します。個人的にはあまりすっきりしませんでした。素材や切り口が好みだっただけに残念です。でもこういう話が響く人や好きな人もいるだろうなと思いました。


<おまけのひとこと>
 先週末に近隣の図書館に行ったとき、普段は立ち寄らないブックオフの店舗に立ち寄ったのです。文庫本を10冊ほど買ってしまいました。全部で1,200円くらいでした。本にお金は惜しみたくないですが、いちばん大事なのは自分の時間かなあと思います。





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