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以前の「ひとこと」 : 2025年2月前半


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2月1日(土) 立方体の各面に1本だけ対角線を入れる(その1)

 2月になりました。



 デルタ十二面体に関係する話です。2020年12月に、デルタ十二面体は立方体に対角線を入れたものから変形して作れるという話を書きました。直角二等辺三角形から徐々に鋭角二等辺三角形に変形していって、正三角形になったところがデルタ十二面体です。

 立方体の6つの面に1本ずつ対角線を入れる方法は他にもあります。6本の対角線の入れ方は何通りあるのかなと思いました。

 立方体は6面あって、そのそれぞれに2本の対角線を引く可能性がありますから、全部で2の6乗で64通りになります。このうち、回転や鏡像反転して同じになるものは同じだと考えると、本質的に異なる対角線の引き方は何通りでしょうか。

 また、それぞれのパターンで直角二等辺三角形を二等辺三角形に変形したとき、どんな多面体ができるでしょうか。

(つづく)



 年末に取引先の会社さんからカレンダーのついたノートをいただきました。きれいな封筒に入っていたので、その封筒から箱を折ってみました。

 この折り方は2016年5月にご紹介したものです。大きな図で再掲しておきます(下図をクリックすると大きな画像が開きます)。

 ほかにも封筒から六角柱のゴミ箱を折る方法(これはハサミを使います)をご紹介したこともありました。こちらです。


<おまけのひとこと>
 この週末は雪の予報です。今シーズンはこれまで雪かきが必要になるほど雪が降っていませんが、ついに明日は雪かきかなあと思っています。





2月2日(日) 立方体の各面に1本だけ対角線を入れる(その2)

 昨日の続きです。



 立方体の各面に1本だけ対角線を入れるやり方が何通りあるかを考えてみました。回転や鏡像反転で同じになるものは区別しないことにします。

 まず、すべての場合の数を考えてみます。1つの正方形に対角線を入れるやり方は2通りあり、面の数が6面ですから、立方体を固定した場合は 26=64通り あります。全ての場合を図示してみることは、ちょっと大変ですが不可能ではありません。また、回転を許しているので少なくとも1面は固定できます。なので32通りを調べればよいということになります。

 でも、一組ずつ、以前のものと同じか違うかを調べてゆくのは大変です。いくつかのアプローチがあると思うのですが、今回は「立方体の向かい合う面の対角線の関係」に注目してみることにしました。図1のように、向かい合う面の対角線は平行(P)なのかねじれ(T)なのかどちらかです。

図 1. 平行(P)とねじれ(T)

 立方体には向かい合う面が3組ありますから、それぞれの関係をPもしくはTの3文字で表すことができます。一例を示します。

図 2. 3文字表記の例

 2つの対角線入り立方体があったとき、それぞれの3文字の組合せが異なっていれば、その2つは明らかに異なります。一方で3文字表記が同じだからといって、ただちにその2つが合同だと言えるとは限りません。

 また、回転や反転を許しているので、3文字表記は順番の違いは無視することにします。そうすると、組み合わせは PPP, PPT, PTT, TTT の4種類だけであることがわかります。

 ここで、立方体の6面の対角線のうち、1面を選んでその面の対角線だけを入れ替えることを考えてみましょう。これをフリップ(flip)する、と呼ぶことにします。入れ替えるのは1面だけなので、入れ替えた面がPならばTに、TならばPに変化します。なので、フリップによって3文字表記は必ず変わります。

図 3. flipによる状態遷移

 1回のフリップでは1文字しか変わりません。なのでPPPからTTTに遷移するためには少なくとも3回のフリップが必要です。(当たり前ですが。)

 まず、わかりやすい PPP と TTT から考えてみます。下の2つがあります。

図 4. 3組とも平行(P)

 これ以外にはないでしょうか。図4左のPPP1の任意の一組の対面の対角線を両方フリップしてみましょう。両方ともフリップするので平行(P)のままです。3組のうちいずれを選んでもPPT2と同じかたちになるのがわかります。もともと、立方体の中心を通る立体としての対角線回りに3回回転対称性があるので、どれか1つを試せば充分です。同様にPPP2の任意の1組をフリップするとPPT1になることがわかります。ということはPPPにはこの2通りしか存在しないことがわかりました。

 TTTに関しても同様に考えると、下図の2通りしかないことがわかります。TTT1は正四面体の構造ですね。

図 5. 3組ともねじれ(T)

 次に、PPTとPTTについて考えてみます。PPTは図4のPPPのいずれか1面をフリップすることで作れます。対称性から、PPP1の1面とPPP2の1面をフリップするだけで充分です。興味深いことに結果は同じになります。つまりPPTは1種類しか存在しないのです。

図 6. 唯一のPPT

 同様に、2種類のTTTから1面を選んでフリップすると、下の2種類のPTTが得られました。正四面体のかたちのTTT1からは下図左のPTT1(正四面体から1本だけ外れているかたち)ができます。もう片方のTTT2のほうは、図5右の上下の面の孤立した(他の対角線と頂点を共有していない)面をフリップすると下図左のPPT1になりますが、それ以外の4本でループになっている面のいずれかをフリップすると下図右のPTT2になります。

図 7. 2種類のPTT

 このPPT2は、これまでの中で唯一鏡像対称面を持ちません。L型とR型があります。

 以上をまとめて1つの図にしてみました。

 この全体の構造がとても面白いと思うのです。全ての面の対角線をフリップすることを「双対を取る」と呼ぶことにすると、全て平行なPPP1とPPP2は互いに双対ですが、TTTのほうがそれぞれが自己双対なのです。PPTは1種類しかないし、PTTの片方は全体の中で唯一のLR型を持っているし、とても不思議です。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 天気予報の通り、雪が降っています。まだ雪かきに出るほどではないですが、このまま降り続けば雪かきが必要になりそうです。





2月3日(月) 立方体の各面に1本だけ対角線を入れる(その3)

 さらに続きです。



 立方体の各面に1本だけ対角線を引いたものの全てのパターンの構造を理解したいと思って考えてみています。回転や反転を許すと7通りあることがわかりましたが、回転も反転も許さないと、6面それぞれ2つの対角線の入れ方がありますから、26=64通りの入れ方があるわけです。これらがどういう関係になっているのか、イメージしてみました。

 昨日と同じように、1面だけ選んで対角線の向きを変える(=フリップする)ことを考えてみます。下の図は中央の立方体に対して、6つの面それぞれを選んでフリップしたときの結果をその面の方向にシフトした立方体として図示してみたものです。中央の立方体に対して上の面だけをフリップした結果を上に、右の面だけをフリップした結果を右に…というように、6つの面それぞれのフリップ結果をその側に描画してみました。

図 1

 行先の立方体もそれぞれ同じことができます。これを続けると、1つの状態(対角線の入れ方)が3次元格子の1つの格子点になり、1回のフリップで隣の格子点に遷移する構造になっていると理解することができます。

 つまり、すべての状態である64通りは4×4×4の3次元格子の頂点に当てはめることができて、その格子に沿って隣の格子点に移動することがその方向の面をフリップすることに相当します。4x4x4の表現は周期的境界条件になっています。

 この格子の中で、昨日分類した7通りの状態というのがどんな分布になっているのだろう、それぞれいくつあるのだろう、と思って調べてみたのです。64通りすべてを描くとちょっと扱いが大変だったので、立方体の底の面だけを固定して、あとの5面の全パターンを表示してみることにしました。

 この時はまだ、上の図1の考え方を思い付いていなかったので、フリップする面の位置と立方体の配置は対応していません。(ごめんなさい)

 まず、この立方体を部屋だとして、床と天井と東西南北の壁がある、と考えます。床面は固定して、天井が床と平行(P)なのか、ねじれ(T)なのかでおおきく2つに分けます。東西南北の4面の対角線の入れ方は24=16通りです。これを隣り合う立方体が1フリップで入れ替わるように4×4に並べます。これはいわゆるグレイコードになっています。

 下の図の上半分は対角線を入れた画像に昨日の7通りのうちのどれなのかのラベルを付けたものです。左半分がP型、右半分がT型です。4×4の同じ位置には東西南北の対角線のパターンが同じものが来るように並べています。

 下半分は四方の壁の向きを0,1で表した文字列(実はこれが画像のファイル名になっているのです)を表記しています。

 この表の中の1つを選びます(図の青枠)。この青枠の上下左右の4つの立方体は、東西南北の壁の1つだけをフリップした結果が入っています。右側の点線は、東西南北は同じで天井だけがフリップしたパターンです。今回は床は固定なので、このようにこの2階層の構造を巡ってゆくことができるのです。

 これは周期的境界条件です。どういうことかというと、例えば下の図の青枠の左下隅のPTT2の状態を選んでみましょう。上と右への遷移は表の中でできますが、さらに左に遷移したときには表の反対側の右端になるのです。同様に下に遷移すると表の一番上に戻ってきます。

 …ここまで図を作ったら力尽きました。4x4x4の構造の中をフリップしながらかたちが変わりながら巡ってゆくイメージを持つことができてとても楽しいです。(うまく説明できているか心配ですが。)

(つづく)



 昨日は一日雪が舞っていました。リビングでパソコン作業をしていたら、窓の外の木の枝が揺れたのでそちらを見てみたらヒヨドリが来ていました。

 この寒い気候の中で生き延びるのはすごいなあと思います。


<おまけのひとこと>
 時間切れです。





2月4日(火) 多面体模型の写真

 時間がなくて写真だけです。



 最近ご紹介している「体積一定で表面積最小になるn頂点多面体」「空間充填十一面体」「合同な二等辺三角形12枚による多面体」の模型を作ってみているところです。

 これは先週の週末に作ったものですが、いろいろとまだ途中です。



 石油ストーブの点火のためにマッチを使っています。私の実家は材木屋で、端材がたくさんあったためお風呂はずっと薪で焚いていました。小学校1年生になったときから、夕方風呂を焚くのはずっと私の仕事でした。中学で部活動で帰宅が遅くなるようになって、その役割は免除になったような気がします。自分で鉈(なた)で細かい焚きつけを作り、うまく点火するように薪を組み、マッチで火をつけます。小学生になって、刃物と火を使わせてもらえるようになったことが誇らしかったのをよく覚えています。

 当時は喫煙者がたくさんいて、マッチはいろいろなお店などで案内代わりに配られていました。床屋さんに行くと子供は5円のガム、大人はマッチ箱をもらっていた覚えがあります。(父に連れられて散髪に行っていました。)銀行からは毎年カレンダーと一緒に大きなマッチ箱をもらって、それをよく使っていました。

 最近はマッチは100円ショップで買っています。最盛期に比べて生産量はものすごく少なくなっているのだろうと思います。私は子供のころから毎日何本もマッチを擦ってきたのですが、最近のマッチはとても品質が下がったなあと思います。昔はこんなの見たことがありませんでした。

 生産する側の事情もわかる気がします。昔のようにたくさん製造するわけにはいかず、品質管理にコストをかけられないのでしょう。なんだか残念な気持ちになります。少し値段が高くても品質の良いものを購入することで良い製品を応援したいと思うのですが、どこで買ったらよいのかわかりません。といって通販で買うのもちょっと…と思っています。


<おまけのひとこと>
 昨年からX(twitter)にも少しずつ投稿しているのですが、文字制限のためなかなか説明など書ききれません。図を載せて「詳細はこちらのサイトで」と、このサイトへのリンクを張っておくのですが、閲覧数は極めて少ないです。得体のしれないリンクは安全性が保証されないということで警戒されるのかなあと思っています。私のサイトは古いスタイルで、google analyticsのコードは入っていますがソースコードはいまだに手打ちです。きっとnoteとかメジャーなところに投稿するともっと見てもらえるのかなと思ったりもしますが、環境を変えるのも大変です。きっととても楽なのだろうと思うのですが。





2月5日(水) トーラス面上の7色地図

 突然ですが別の話題です。



 地図を、隣接する国の色が異なるように塗分けるとき、何色必要か? という問題があります。4色で十分であるということが証明されていて、これが有名な「四色問題」です。平面上の地図は4色必要なのですが、トーラス上の地図は7色必要なものがあることが知られています。

 2022年3月22日に、トーラス面上のK7完全グラフというのをご紹介しました。これがトーラス上の塗分けに7色必要な地図に対応しています。前回もそのCGを作ったのですが、サイズが小さいのと、微妙にずれているのが気になったのです。この際と思って作り直しました。

 gifアニメーションファイルはちょっと大きいので(7MBくらい)、こちら(別窓で開きます)に置きました。

 なお、トーラスにマッピングしている図を平面上にタイリングしてみました。7色に塗り分けたものと、着色していない境界線だけのものです。これは六角格子なので、平面だったら3色で塗分け可能です。



 昨日の朝の写真です。仕事をしている部屋には北側(北北東)と東側(東南東)に窓があって、外がよく見えます。

 パノラマ写真を撮ってみました。


<おまけのひとこと>
 実は過去のページで載せたはず、という図を探していたらたまたまこのトーラスを見かけて、図を作り直したくなってしまったのでした。なので突然今日はこの話題です。





2月6日(木) 捩れ双二角錐=二角反柱の双対(その1)

 最近考えていることがどんどん脇道にそれてゆきます。



 先月、多角柱と多角反柱のCGを作ったことを書きました。

 この多角反柱の双対を取ると「捩れ双多角錐」になります。これは側面が合同な凧型の多面体です。

 が、無理やりこの系列に並べた「二角反柱」=正四面体だけは双対を取ると同じ正四面体になって、側面が四角形にはなりません。無理を承知でむりやり合同な四角形4枚で「捩れ双二角錐」を作ったとしたら、きっとこんなかたちになるはずです。各面の4頂点は同一平面上にはなく、同じように湾曲するはずです。

捩れ双二角錐のイメージ図

 正方形4枚を並べた型紙を考えてみました。外周は正方形の辺10個分ですから、のりしろは5箇所に用意します。それぞれののりしろがどこに貼り付くのか、A〜Bで表示してみました。見えている面が内側になるように、両側の正方形を持ち上げて中央で接着します。左右の辺を貼り合わせてしまうと、まっ平らな長方形二枚重ねになってしまいますので、ねじるように組みます。

 正方形の対角線を折ってしまえば各面が直角二等辺三角形の等面八面体になってしまいますが、そこは折らないようにカーブさせて組みます。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 A4サイズの方眼紙を使うと1辺が5cmの正方形を4枚並べて取ることができて簡単です。のりしろが面倒ならばセロハンテープなどを使ってもいいです。





2月7日(金) 正多角形をつないでメビウスの帯をつくる

 つづきの話題がいくつかたまっている中で、また別の話題です。



 昨日、濱中さんがXにこんな投稿をされていました。

 おもしろそうだったのでジオシェイプスで作ってみました。

 ジオシェイプスの正五角形パーツは中央に正三角形の「補強」が入っているため、ちょっと煩雑に見えます。また、メビウスの帯なので裏返るため、普通に連結はできません。12パーツで2周することも考えたのですが、いったんは1つの面(白)を輪ゴムで逆向きに二重に固定することにしました。

 この構造は面の位置関係は固定されず、柔軟に変形します。(rigidではなくflexibleです。)

 紙でも作ってみました。

 こんな別解もありそうです。

 最初の解のほうがきれいかなと思います。



 コンピュータやソフトウェアに関する本を出版しているオライリーメディア(O'Reilly Media)の総帥であるTim O'Reillyが書いたThe End of Programming as We Know It(私たちが知っているプログラミングの終わり)という長文の記事がありました。私はブラウザの翻訳機能で翻訳したものを読みましたが、非常に感銘を受けました。

 AI技術の進化に伴ってプログラマが失業するのではないかという論調をよく見かけるが、そうではない。プログラマというのは結局コンピュータに指令を出して意図した働きをさせる役割であり、過去にもその手段は何度も変化してきている。現在、コンピュータを使って新たな価値を生み出したいという要求は増える一方であり、その要求に応えられるプログラマ(ソフトウェア技術者)の需要は今後さらに高まるのは間違いない。(一時期、「データサイエンティスト」が高給で引っ張りだこになったことを思い出します。その後それに値する価値が生み出せているのかはわかりませんが。)失業する(要らなくなる)のはあくまでも古い手法に固執して手段の変化に対応できないプログラマ(ソフトウェア技術者)である。時代の変化に伴って、かつてもてはやされた職業が不要になってゆく例はいくらでもある。では具体的にこれからのプログラマはどんな仕事をするのだろうか?

 …といった内容です。他人事ではなく、新しい手法を使いこなしてゆきたいと思っています。



 ゼンリン住宅地図プリントサービスというのがあるのですね。知りませんでした。A3横サイズでカラーで1枚400円だそうです。このサービスは、年度初めに小学校などに自宅から学校までの通学路の地図を提出する必要があるときなど、スポット的に1ページだけ欲しいという要求にこたえるために始まったのだそうです。なるほどと思いました。

 昔、実家では商売をしていたので、配達などの都合でゼンリンの住宅地図を買っていた記憶があります。40年くらい前のもので、たぶんまだ電子化される前だと思います。資料的価値が出てくるには新しすぎる気がしますが。

 Mapionと提携したyahoo地図のサービス提供開始が1998年、goo地図が2000年サービス提供開始だそうです。google地図は2005年だそうです。子供たちが小学生だったころに確かに通学路の地図を描いて提出した記憶がありますが、yahoo地図を利用したような気がします。


<おまけのひとこと>
 使っているPCは数年ごとに入れ替わっているのですが、古い情報は徐々に失われています。管理が下手です。





2月8日(土) 鉱物結晶模型のカプセルトイ

 更新が午後になってしまいました。



 朝から多面体模型の展開図を設計して印刷して組もうとしたら組めないのです。なぜだろう?と考えていたら午後になってしまいました。

 こんなカプセルトイを入手しました。

 これは、STC 鉱物結晶 ボールチェーンマスコットという製品で、1回500円のちょっと高めのカプセルトイです。リンク先でラインナップが見られますが、形状は4種類、色の違いを含めて全8種類です。柘榴石の凧型二十四面体が2色、別の柘榴石の菱形十二面体が3色、細長い双四角錐が1色、ハート形が2色です。

 菱形十二面体と凧型二十四面体が欲しいなあと思ったのです。1回500円なのでちょっと躊躇しましたが、せっかく近所のお店にあったので、お金を払うことで感謝の気持ちというか、こういう商品にニーズがありますよ、という意思を伝えるために挑戦してみることにしました。

 1回目はあまり欲しくなかったハート形でした。もう1回やったら、菱形十二面体が出てきました。(これで1,000円使っています。) 凧型二十四面体が欲しくて、1,000円札を100円玉に両替してきました。3回目に無事凧型二十四面体が出てきました。

 片手でボールチェーンを持って、違う姿勢にして写真を撮ってみました。

 片手ではカメラがうまく支えられず、床面にフォーカスが合ってしまいました。

 この模型、大きさもそれなりにあります。しっかりした精度の高いつくりだと思いました。実はこんなにちゃんとした菱形十二面体は初めて手にした気がします。菱形十二面体が出てくる確率は8種類が均等なら8分の3です。もう1回やりに行こうかなと思い始めました。


<おまけのひとこと>
 でもまあ多分行きませんが。





2月9日(日) 鉱物結晶標本、立方体からデルタ十二面体への変形とその拡張(その1)

 強い寒気が来ている中、多面体のCGを作ったり模型を作ったりノートに向かって手計算をしたりしています。



 昨日、STC 鉱物結晶 ボールチェーンマスコットという1回500円のカプセルトイをご紹介しました。柘榴石の菱形十二面体は本物の鉱石標本を持っているのです。2022年10月にご紹介しています。

 写真だとわかりにくいかもしれません。これは2022年に河口湖畔の山梨宝石博物館で買ったものです。山梨宝石博物館は、昔の甲府駅の北側にあったころに何度も行きました。以前の古い建物が大好きでしたが、商業的には今のほうが成功していると思います。



 立方体の各面に対角線を1本ずつ入れたかたちからデルタ十二面体に変形するアニメーション、ちゃんと途中のかたちが合同な12枚の二等辺三角形になっているCGを作りました。(以前のアニメーションはごまかして作っていました。)

 赤の稜は常に同じ長さです。上下の水平な2本は常に座標軸に平行で、徐々に上下に離れていきます。このアニメーションの最初の状態が立方体で、各面は直角二等辺三角形です。最後の状態がデルタ十二面体で、各面は正三角形です。

 この後、さらに上下の稜を遠ざけてゆくと、12枚の二等辺三角形はどんどん鋭角に尖ってゆきます。どんな鋭角二等辺三角形であっても、合同な12枚でこのかたちの凸な12面体をつくることができます。

 逆に、上下の2本の稜を近づけていったらどうなるでしょう?

 凸多面体ではなくなってしまいます。これもアニメーションにしてみました。

 このアニメーションを作った時の各頂点の座標を以下のように求めました。いまさらですが文字aとbを逆にすればよかったです。私はpovrayに一番馴染んでいるため、座標系は左手系で、x軸が右向き、y軸が上向きで、z軸が画面奥の方向です。三次元座標系は、水平面上にx,y軸があって、高さ方向にz軸がある右手系のほうが一般的かなあと思います。

 bを1に固定することで、12枚ある二等辺三角形の底辺の長さを2に保ちます。qをパラメータとしてaとpを表すことができるので、qを変化させることでいろいろな二等辺三角形による十二面体を描画することができるのです。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 ノートの走り書きのままだと後でわからなくなるので、自分のために図と式を描き直しました。





2月10日(月) 立方体を平にたたむ

 またちょっと脇道の話です。



 昨日のこのアニメーションを見ていたら、

 こんな風に立方体をたたんでみたくなりました。展開図を考えてみました。

展開図

 普通の立方体の展開図(上図左)の相対する一組の面を対角線で切っておきます。アニメーションの変形の最初と最後は面のかたちは直角二等辺三角形なのですが、途中はそうではないため、あらかじめカットしておくことで変形できるようにするのです。

 展開図の状態で上図左の太い黒線のようにカットしてしまうと展開図が3つに分断されてしまうので、上図右のようにカットされた直角二等辺三角形をしかるべき位置に動かしておきます。これを印刷して切り出して折り筋を付けて組み立てました。

 立方体の状態です(写真1)。右側の図、黒がカットした線で赤が折り筋を付けた対角線です。

写真 1

 こんな風に変形できます(写真2)。黒線の部分をカットしておくことでこの変形が可能になります。

写真 2

 アニメーションの最後の状態まできたところ(写真3)。これは手で持っていないと開いてしまいます。

写真 3

 平らに押し付けてみます。

写真 4

 手を離すとふくらんできます。

写真 5

 妻に、「(伝承作品の)紙風船みたいだね」と言われました。確かに紙風船は完成形は立方体で、平らに畳まれた状態から膨らませます。


<おまけのひとこと>
 写真と似た視点のCGを作っていたら時間がかかってしまいました。





2月11日(火) 多面体っぽいもの、展開図のレイアウト

 祝日です。



 多面体模型がまた増えたので、収納用のケースを探しに100円ショップに行きました。妻が「これ、なんだか多面体っぽくない?」と持ってきてくれました。買うことにしました。

 もともとは水槽の底に沈めて使うデコレーション用途のようです。カッティングマットの上に並べてみました。

 ちゃんと5色×5個になっているのに感心しました。それぞれのかたちはそれぞれ多面体風です。厳密に凸というわけでもなく、面も平面ではないところもある感じですが、水辺にあるような角の取れた丸っこいかたちではありません。これ、どうやって作っているのだろうと思いました。

 使い切り用の小さなジャムの空きビンがあったので、そこに詰めてみました。

 蓋をして飾ってあります。

 最近、対称性が高くない多面体に興味があります。とはいえ極端に細長かったり平べったかったりというかたちはあまり面白いと思えません。そいういう観点でこれらの25個の石を見ていると、たとえば2番目の写真の2段目のオレンジ色の左側の1つ目と2つ目とか、4段目の水色の左側の1つ目や2つ目とか、近似した凸多面体を考えてみたくなるような魅力的なかたちがあります。立体的な図形で、「これはどんなかたちなんだろう?」と考えてみるのは楽しいです。いいものを見つけてもらえて感謝しています。

 鉱物学や結晶学を研究する人というのはこういう興味を突き詰めてゆくのかなあと思います。



 立方体の各面に対角線を入れて、合同な二等辺三角形12枚による多面体の模型をいろいろ作ってみています。パソコンで展開図を作って、プリンタで厚紙に印刷して作るのですが、用紙をできるだけ無駄にしないようにレイアウトを工夫しています。

 特に今回は同じ三角形12枚でいろいろな形状の模型を作るので、展開図は複数のページに渡ります。同じ三角形を使った模型は、面の三角形のサイズは同じにしたいのです。そんな中で下の図のように3つの展開図を1ページに収めたい、という状況になりました。

 3つの展開図を設計して、1ページに入るように位置や向きを調整します。いつもなら上の図の2つ目の状態で「あと少し」になったら、オブジェクト全体を1つのグループにして、それ全体をほんの少し縮小して収めてしまうのですが、「他のページの展開図と三角形の大きさを揃える」という条件を付けているので、その手は使いたくありません。また、今回はL型R型がある展開図だったので反転して収めるという手も使えません。もちろんこの状態で展開図そのものの「面のつながり具合」を変えるという手段もあるのですが、それをやりはじめるととても手間がかかるのでできればやりたくありません。

 まるでパッキングパズルのように試行錯誤して、ようやく1ページにうまく収まるレイアウトをみつけました。やれやれこれで作れる、と思って印刷して折り筋を入れてデザインナイフで切り出して、さて組んでみようと思ったら組めませんでした。しかも3つとも全部組めない。全滅です。凸多角形にならないことは想定していたのですが、そうか、組めないのか…と思いました。

 実はこの失敗を受けて、改めて計算してみたのです。その結果が下のアニメーションCGだったのでした。

 確かに、今回用意した鈍角三角形では組めなそうです。でも、このアニメーションの最初と最後は直角二等辺三角形になっているはずです。ということはこのアニメーションの途中で、二等辺三角形の頂角は90°から増加した後で減少して90°に戻るのですね。最大値はどのくらいだろう? と思いました。

(つづく)



 アメリカで高度な法律関係の専門職を生業とされておられる日本人の方からメールをいただいて感激しています。今時珍しいscheme使いの方だそうです。

 1990年代に勉強した Common Lispの本と Schemeの本を引っ張り出してきて眺めてみました。懐かしいです。


<おまけのひとこと>
 週の途中の祝日のお休みというのはありがたいものです。





2月12日(水) 立方体からデルタ十二面体への変形とその拡張(その2)

 このところ書いている話のつづきです。



 昨日、頂角が108°の鈍角三角形をデルタ十二面体と同様に組もうとしたら組めなかった、という展開図をご紹介しました。じゃあ何度までなら組めるんだろうと思って調べてみたのです。

 図の、赤線で示した高さを q としたとき、二等辺三角形の頂角 Θ (deg)がどのように変化するのかをグラフにしてみました。 q を無限大にすることで Θ は限りなくゼロに近づきます。qがゼロのときと√2の半分のときがΘが直角になって、その間であれば鈍角三角形、その右側であれば鋭角三角形になります。そのなかの特別な場合として、面が正三角形になるデルタ十二面体が存在しています。

 このグラフから、このかたちが組める鈍角二等辺三角形の頂角はせいぜい100°くらいまでで、それより頂角が大きくなると組めないことがわかります。

 上記のグラフの q の範囲(0から2まで)のアニメーションも作ってみました。


<おまけのひとこと>
 今朝は寒かったです。





2月13日(木) 立方体からデルタ十二面体への変形とその拡張(その3)

 合同な二等辺三角形12枚による凸でない等面十二面体の話のつづきです。



 数学セミナー3月号が発売になりました。

 特集が面白かったです(まだ読んでいる途中ですが)。あと、冒頭の連載「数学を伝える」で、コミックス『数字であそぼ』の話が7ページに渡って紹介されていて、読んでみたくなりました。京都大学理学部数学科をモデルにしたお話のようです。長いこと音信不通になってしまっている京大数学科出身の友人がいます。元気かなあと思いました。このマンガ、昔の名作『動物のお医者さん』を彷彿とさせる大学もののように見受けられます。読んでみたいと思いました。

 「あやとりの楽しみ」もまる1年になりました。来年度も継続します。3月12日発売の4月号はがらりと内容を変えたものにすべく準備しています。



 二等辺三角形による等面十二面体、あらためて鈍角二等辺三角形になっている区間のグラフを眺めてみました。

 このグラフを見ると、同じ鈍角二等辺三角形であっても2つの安定状態があるようです。凸でない多面体は、面のつながり方が同じであっても複数の「へこんだ状態」を取れるのは珍しいことではありませんが、ちょっと面白いと思って調べてみました。

 たとえば頂角が96°の鈍角二等辺三角形を考えてみます。

 数値計算すると、この2つの安定状態があるようです。

 それぞれCGにしてみました。立方体に近いものと

 もっと畳まれて体積が小さいものです。

 同じ合同な鈍角二等辺三角形12枚でこの2つが組めるというのはちょっと面白いと思いました。伸び縮みしない素材で作ったとすればこの2つの状態を行き来することはできませんが、模型を作ってみようかなと思いました。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 Xのほうにも投稿したりしているのですが、このグラフはあまり反応はありませんでした。まあわかりにくいですし当然かなあとは思います。





2月14日(金) 絵巻じたて ひろがるえほん かわ

 合同な二等辺三角形12枚による凸でない等面十二面体の話のつづきを用意していたのですが、別の話題です。



 今日はバレンタインデーということで、妻がプレゼントを用意してくれていました。感激です。(写真)

 以前から欲しいなあと思っていた、絵巻じたて ひろがるえほん かわ(加古里子 さく/え 福音館書店 2016年:こどものとも60周年記念出版) でした。ずいぶん前に安曇野中央図書館の広いロビーのガラスケースに展示されているのを見て以来、気になっていたものでした。

 絵がとても美しいです。片面は絵のみが描かれて本文の文章はなく、絵をじっくり鑑賞できます。もう片面は敢えて黒と水色のみで印刷され、川というか水が際立って見えるようになっています。

 検索してみると写真がいろいろ公開されていますが、かこさとしさんの公式サイトの『絵巻じたてひろがるえほん かわ』?2018年3月4日まで印刷博物館で展示・第51回造本装幀コンクール入賞作品として という記事が特に良かったです。

 絵本としては高価な部類になるかと思いますが、これは持っている価値がある本だと思いました。



 「凸でない多面体ならば同じ展開図から複数の立体が作れるのは珍しいことではない」という話を書きましたが、たとえば正二十面体が良い例だと思っています。下の図はよくある典型的な正二十面体の展開図の例です。

正二十面体の展開図(のりしろ有り)

 ここから、普通は下図左の正二十面体を組みますが、同じ展開図から1つの頂点が押し込まれた「へこんだ正二十面体」を作ることができるのは容易に想像できると思います。

普通の凸な正二十面体 へこんだ正二十面体

 へこんだ正二十面体、べつに作ってみたいとは思わないのですが、このへこんだ部分に普通の正二十面体はぴったりはまるのですね。右のへこんだ正二十面体はずっと積み重ねることができますが、残念ながら空間充填はできないですね。

 凸多面体であれば複数の安定状態があるということはなくて、かたちは一意に決まることが証明されていたと思いますが、凸でなければ複数の状態を取れる、というのは面白いです。


<おまけのひとこと>
 プレゼントはとても嬉しいのですが、贈る側になったときの私はだいたいいつもろくなものを用意できなくて申し訳ないと思っています。





2月15日(土) 管楽アンサンブルと吹奏楽のコンサート

 すみません更新を3日分まとめてしまいました。2/17(月)の朝に土・日・月の3日分の更新です。



 妻の知り合いの息子さんが出演されるという、アンサンブル・ベルリアンというグループを中心とした管楽アンサンブルと吹奏楽のコンサートを聴きに行ってきました。

 とても良かったです。



 プレゼントが下手、というといつも思い出すのは坂田靖子の「バジル氏の優雅な生活」の「ナポレオン・アイビー」の回です。


<おまけのひとこと>
 時間がないのでコンサートの感想はまた後日。





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