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以前の「ひとこと」 : 2025年1月前半


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1月1日(水) 2025になる数式

 2025年が始まりました。10月後半から2か月半ほどこのサイトの更新をお休みしましたが、年明けから再開したいと思います。



 今年は年賀状は書かなかったのですが、例年2025になる面白い式を載せるようにしていました。2025という数字は美しい表現がいろいろできて素晴らしいのです。SNSにいろいろ投稿されていて感心して眺めました。

 まず、1から9までの数字をそれぞれ3乗したものの和が2025で、これは1から9までの数字を足した合計を2乗したものに等しい、というのがあります。

 そして、これは掛け算の九九の表の全ての数の和になっている、という説明もありました。

 ほかにもいろいろ見かけましたが、私はこんな小町算をSNSに投稿してみました。

 あんまり反応はありませんでした。



 100円ショップのダイソーにあやとり紐が売っていたので買ってみました。

 20パッケージくらいがディスプレイされていました。紐の色はすべて赤でした。

 開封して紐の長さを調べてみました。130cmを輪にしたくらいの感じで、かなり短い印象です。

 大人の手の大きさだと簡単なあやとりを取ってもちょっと窮屈な感じです。でも、結び目のない輪になっていて、子供の入門用には長すぎなくて良いのではないかと思いました。



 雑誌「数学セミナー」に連載をさせていただいている「あやとりの楽しみ」、サポートページの作成が3か月分滞ってしまっていましたが、まとめて更新しました。

 記事では掲載できなかった変化形の画像なども載せていますので、よろしければご覧ください。


<おまけのひとこと>
 さっそく1日と2日と二日分まとめてしまいました。





1月2日(木) 掛け算の九九のタイリングパズル、他

 ずっと更新していなかったところへ、アクリルパズルの紹介ページを作ったりあやとりの連載のサポートページを作ったりしつつ、新たに更新作業をしていると一日がかりになってしまいます。それもまた良いかなと思います。



 昨日、掛け算の九九の表の81個の掛け算をそれぞれ長方形のタイルだとして、それを45×45の正方形に詰められるのだろうか?と思ったのです。ちょっと考えて自明な解(美しい配置)を思い付けなかったので、BurrToolsで力技で解いてもらいました。

 解はたくさんありそうでした。問題設定が間違っていないか、ちゃんと図を描いてみたいと思います。



 リビングは暖房を入れているので、自分の部屋ではなくリビングでPCに向かって作業をしています。なんとなく箱根駅伝を見ていたら、龍角散のCMの音楽がなんだか聞き覚えがありました。

 昔、この曲は古楽のコンサートで演奏したことがありました。J.F.ファッシュ(1688-1758)のフルートと2本のリコーダーと通奏低音のための四重奏ソナタでした。バッハ(1685-1650)やヘンデル(1685-1759)とほぼ同世代の作曲家です。私は1st.リコーダーを担当しました。

 こちらの龍角散ダイレクト新CM「のどのバリアに龍角散 篇」放映のお知らせというページを見ると、数年前から放映されているCMのようです。テレビをほとんど見ないので知りませんでした。驚いたのが、この演奏でフルートを吹いているのが株式会社龍角散の社長さんなのだそうです。素晴らしいです。

 私はこの曲を、ムラマツフルートのスタッフのおすすめ「フルートと他の楽器」(その他)のページで知った気がします。このページで紹介されているバロック時代の曲は素晴らしいです。挑戦してみた曲がたくさんあります。



 アクリルパズルの配置を変えたりして飾ってみています。

 楽しいです。


<おまけのひとこと>
 お休みも後半になってしまったのに、やるべきことがまだ全然終わっていません。





1月3日(金) 掛け算の九九のタイリングパズル(つづき)

 昨日のつづきです。



 昨日、掛け算の九九の表の81個の掛け算をそれぞれ長方形のタイルだとして、それを45×45の正方形に詰められるのだろうか?と思ってBurrToolsで力技で解いてみた、という話をご紹介しました。

 「自明な解を思い付けなかった」と書いたのですが、これを昨日X(twitter)に投稿したら、「掛け算の九九の表を合計すると45×45になる図形的証明」という自明解を教えてもらいました。これを思い付けないというのはかなり恥ずかしいです。

 しかも恥の上塗りというか、Xの投稿の閲覧数が6Kとかになっていて、過去に最大でも3桁の閲覧数しか経験がなかったので、こんな恥ずかしい投稿の閲覧数が増えたのか…と、複雑な気持ちです。きっとBurrToolsが勝手にアサインしてくれるピースの配色のおかげで華やかな画像だったのが人目を引いたのかなあと思っています。正直、かなり恥ずかしいです。

 「命長ければ恥多し」って徒然草でしたっけ? 年を取ってよかったと思えるのは、若いころにこんなことをしてしまったらもっと恥ずかしくて苦しんだと思うのですが、今なら「良くも悪くもそこまで自分のことを気に掛けてくれる人はいないよね」と開き直ることができる気がします。もちろんこれを教訓に、恥をさらさないように気を付けたいと思いましたけれども。



 上記のリプライをいただいたので、「内部のタイルの辺が、45×45の正方形を一直線に分割しない解はあるか?」という条件を考えてみたのです。分断線というのは、昨日の作例だとこの線のことです。

 ちなみにこの線の下には、九九の9の段の9つの長方形が全て使われています。

 で、最大のピースである9×9の正方形を1つ内側にずらして固定してみたのです。そうしたら解がありました。ものすごくたくさん解がありそうです。

 もう少し調べてみたいと思います。



 もうすぐ消滅するという人間の翻訳についてというnoteの記事を読んで共感しました。

 大方の人間はコスト削減に魂を売り渡す。
 それが、私たちの選んでしまったグローバル資本主義であり市場原理主義のもたらす結末だと考えています。 
                                         2025.01.01 平野暁人 

 私も製造業に勤務する会社員としてグローバル資本主義および市場原理主義に基づいた企業活動によって生計を立てる立場であり、また消費者としてコストと手軽さを選択し続けてきた自覚があります。もちろんこだわりを持つ部分もあるのですが、それは自分の消費活動の中のごく一部分に過ぎません。私たちが価値を見出さないもの、つまりお金を払わないもの、購入しないものやサービスは失われます。コストパフォーマンスを追い求めたその先にあるものは何なのだろうと思います。


<おまけのひとこと>
 お正月、ゆっくりパズルを解いたりしています。





1月4日(土) アンパンマンマーチの主題によるフーガ、ベラボットのおもちゃ

 音楽の話とカプセルトイの話です。



 Xを見ていたら、こんな投稿があって感動したのです。

 これはぜひ自分でも演奏してみたいと思いました。動画では楽譜をトレースして下さっているので、それを見ながら自分でも楽譜を作ってみました。下記の画像をクリックすると少し大きくなりますが、それを印刷して演奏するのはちょっと厳しいと思います。

 さっそくピアノで弾いてみました。

 スピネットでも弾いてみました。

 個人的にはこの曲はピアノのほうが合っている気がしました。とても楽しいです。これを作曲して公開して下さっている奥村蓮さんは理科大の数学科の大学院に通われているそうで、久我山教会のオルガニストもされているそうです。世の中にはすごい人がいるものだと改めて感心します。こういうコンテンツに巡り合えるというのはSNSの良いところだと思います。

 ちなみに、奥村さんが触発されたという中迫酒菜さんの「バッハかと思ったら国民的アニメの主題歌だった時」というほうは、最初の小節の2拍目までを聴くとバッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲なのですが、そこからアンパンマンマーチのテーマ(の短調版)になるのです。これもとても面白いです。聴いてみてください。



 配膳ロボットのベラボットのカプセルトイがあったので買ってきました。(500円)

 ベースの部分の直径は4cmくらい。

 高さは10cm弱くらいです。ゼンマイで走ります。

 こんな風に6分割されてパッケージされていました。

 飾ってあります。



 今日のアクリルパズルです。

 100円ショップでフレームスタンドを買ってきて、それに立てて飾っています。


<おまけのひとこと>
 朝から楽譜を作って遊んでいたら更新が午後になってしまいました。





1月5日(日) 伝承あやとり作品(うまく取れない)

 あやとりの話です。今日は簡単な更新です。



 国際あやとり協会の石野恵一郎さんのあやとりしてみようというサイトが素晴らしいのですが、コツコツと文献を調べられて、手順を紹介する作品が着々と増えています。今朝の時点では1,032のあやとりが紹介されています。驚くべき数です。

 昨日の時点で新たに公開された作品の1つに ガイアナの小さな魚 というのがありました。イヌイットの網とよく似た完成形になるようです。イヌイットの網は「数学セミナー」の連載「あやとりの楽しみ」の第9回(2024年12月号)でご紹介しているのですが、好きな伝承あやとり作品の1つです。この「ガイアナの小さな魚」もぜひ取ってみたいと思って挑戦してみたのです。

ガイアナの小さな魚を取ろうとしてできた失敗作品

 でも、うまく取れないのです。どこが違うんだろう…


<おまけのひとこと>
 今朝は寒かったです。放射冷却現象だそうですが、氷点下10℃くらいでした。





1月6日(月) バッハの平均律のフーガ(だけ)の楽譜

 楽譜の話です。



 こんな楽譜を買ったのです。

The Fugues of the Well-Tempered Clavier, displayed in score format with explanations of their structure

 バッハの平均律クラヴィーア曲集は第1巻と第2巻があって、それぞれ24の全ての調のプレリュードとフーガから構成されていますが、そのフーガだけの楽譜です。演奏することが目的ではなく、フーガの構造を調べることを目的とした楽譜で、各声部が独立した段になっています。3声のフーガなら3段、4声のフーガなら4段です。

第1巻 1番

第2巻 17番

 英語ではないので読むのが難しいですが、楽しんで眺めています。また、普通に鍵盤楽器で演奏するときの大譜表形式ではなく、このようなスコア形式の楽譜を演奏するのも良いトレーニングになりそうです。(今さらそんなトレーニングをしてもそれを活用する機会はないのですが…)

 この楽譜、第1巻と第2巻と2冊組で、それぞれ4,900円という値札がついていたのですが、それが今回なんと7割引で1冊1,470円だったのです。元値なら躊躇するところですが、この値段だったので即決で購入しました。ちなみに実店舗で見て買っています。楽譜屋さんは楽しいです。


<おまけのひとこと>
 昨年末の胃腸炎やらコロナ感染やらで良い塩梅に5〜6kgくらい体重が減っていたのですが、お正月休みでかなり戻ってしまいました。年明け第3週には勤務先の健康管理室で様々な計測を行って改善状況を確認されることになっているのですがとてもまずいです。





1月7日(火) 伝承あやとり:ガイアナの小さな魚

 あやとりの話です。



 一昨日、国際あやとり協会の石野さんのサイトに新たに公開された ガイアナの小さな魚 を取ろうとがんばったのだけれどもうまく取れなかった、という失敗例を掲載しました。

ガイアナの小さな魚を取ろうとしてできた失敗作品

 さきほど上記のページを見てみたら、手順3の小指は人差し指の輪ではなく親指の輪に上から入れるのが正しいようでした。その通りに取ってみたら目指すかたちになりました。

やっと取れた「ガイアナの小さな魚」

 これが取れてとても嬉しいです。この完成形は「イヌイットの網」に似ていますが、手順は「たくさんの星」を思い出します。特に手順9で小指の輪を親指と人差し指両方にかかるように移す手順以降はよく似ています。



 先日の掛け算の九九のタイルの話、部分的な長方形ができない(当然分割線もできない)解で、かつ回転も含まないサブセットの解をご紹介いただきました。

 これはすごいです。計算機などを使わずに探索されているそうで、5x5の解があるのかはわからないとのことでした。


<おまけのひとこと>
 昨年末、諏訪プレミアムのアクリルパズルを郵便局のレターパックで送ったのです。それが無事届いて楽しんで下さっているということがわかってとても嬉しかったのです。





1月8日(水) 立方体のオブジェ

 多面体のオブジェです。



 年明け、名古屋に2泊しました。一泊目の名古屋クラウンホテルの入り口にこんなオブジェがありました。

 ちょうど6年前の今日、2019年1月8日に立方体の頂点を凹ませた一枚折りの折り紙という記事を載せていました。

 デジタルリマスターということで、当時の写真をもう少し大きくしたものを掲載します。

 写真、拡大してみたら粗が目立ちます。


<おまけのひとこと>
 2019年1月8日のおまけのひとことに「海街ダイアリー」の第9巻(最終巻)を買ったと書いていました。登場人物が共通の「詩歌川百景(うたがわひゃっけい)」も昨年10月に4巻目が出ました。このシリーズはとても好きです。





1月9日(木) 類似のあやとりを比べる

 あやとりの話です。



 先日、ガイアナの小さな魚というあやとりを取ってみました。石野さんのサイトにも イヌイットの網(魚網)と似ている、と書かれていますが、じゃあ比べてみようと思ったのです。

イヌイットの網 ガイアナの小さな魚

 2行4列の8つのダイヤ型が並んでいて、ダイヤの頂点の部分は紐が「交差」「横絡み」「縦絡み」のいずれかなのですが、対応する頂点はすべて「交差」は「交差」、「横絡み」は「横絡み」、「縦絡み」は「縦絡み」になっています。そのためこの2つのあやとり作品をぱっと見て区別することは難しいです。

 一方で交差や絡みの紐の上下関係を見てみると、ほとんどあらゆるところで逆になっています。下の図の赤丸の2カ所の交差だけが同じです。

 あれ、ということは「ガイアナの小さな魚」を反対側(あやとりを取った人の側からではなく、聴衆の側)から見れば同じになるのではないでしょうか? 「ガイアナの小さな魚」を取って、それをひっくり返してみました。

イヌイットの網(再掲) ガイアナの小さな魚(鉛直軸周りに180°回転)

 完全に同じになったように見えます。見る方向が異なるだけで紐の掛かり方は同じなのではないかなあと思いました。この2つのあやとり作品、手順が全く違うのに同じ紐の掛かり方になるのが面白いです。


<おまけのひとこと>
 あやとりを取ってみて、写真を撮って、どの手順で取ったものなのかを記録します。そうしておかないとすぐにわからなくなるのです。記録するときに、写真のタイムスタンプと一緒にあやとり紐の色も書いておきます。今回は赤・青・オレンジの3色の紐を使いました。いずれも180cmの紐です。





1月10日(金) Daniel Littの確率パズル

 確率の問題の話です。



 昨年の1月29日に、トロント大学の数学の Assistant Professor の Daniel Kitt 氏がこんな確率の問題をX(twitter)に投稿して話題になったのだそうです。(やや意訳しています)

ボールが100個入っている壺があります。中は見えません。ボールの色は赤か緑かのどちらかです。あらかじめこの壺を用意した人は、赤のボールの数を0から100のうち1つの数字をランダムに選んでボールの数を決めました。最初に1つボールを取り出してみると、それは赤でした。2つ目のボールを取り出したとしたら、それは赤と緑、どちらの可能性が高いでしょうか?それとも可能性は同じでしょうか?

 私はちょっと考えて、赤と緑の確率は等しいのではないかと思ったのですが、見事に間違えました。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 今日は簡単な更新です。





1月11日(土) 画像処理のメモ

 あやとり画像の加工の話です。確率の問題の話の解説はまた。



 昨年10月くらいから体調を崩してしまって、このサイトも3か月くらいお休みしてしまいました。面白がってXへの投稿もしていたのですがそれも途切れました。この年末年始休みからようやく復帰しているのですが、これも3回分貯めてしまった数学セミナーの連載「あやとりの楽しみ」のサポートページも更新しました。取り方の手順の説明は連載記事本文をご参照いただきたいのですが、ここ数回のサポートページは、毎回2ページという記事の制約のため載せられなかった写真や補足説明なども書くようにしています。ご覧いただけたらと思います。

 今回、昨日発売になった2月号(第11回)のサポートページを作りながら行った画像処理の作業をちょっとご紹介しようと思います。

 下の写真は中央に交差パターンがある「ダンスの舞台」です。カメラのオートバランスの結果、こんな写真が撮れました。

図1:加工前

 これだと見ずらいので背景色を白で飛ばしたいのです。ヒストグラム加工をします。

図1のヒストグラム

 白いグラフでこの画像のヒストグラムが見えます。諧調は0から255です。よく見ると赤(R)、緑(G)、青(B)のヒストグラムはだいぶ分布のかたちが違うようです。各チャネルごとのヒストグラムも見てみました。

 人間の目の視覚特性として、緑に関する視感度が最も高いため、このソフトの Master のヒストグラムは緑のチャネルのものを使っているようです。画像にもよるのですが、この例はRGBの各チャネルのヒストグラムがかなりずれているちょっと珍しい例です。

図2:一括でヒストグラム補正 図3:個別にヒストグラム補正

 並べてみてもよくわからないかもしれないなあと思ったので、2枚の画像を交互に表示するgifアニメーションにしてみました。

 各色個別に補正したほうがきれいだと思うのです。手間がかかりますが、こういう分布の異なる画像はそうやって加工しています。



 テレワークをしている自宅の自分の部屋の窓から昨日の午後に撮った八ヶ岳の写真です。

 神々しい美しさだと思います。少なくとも自分にとっては冬山は眺めるもので登るものではありません。


<おまけのひとこと>
 こんな画像を加工する作業も今や生成AIに画像を入れて加工を自然言語で指示すればやってもらえるのかなあと思ったりします。作業効率を考える業務であればそうすべきなのでしょうけれども、これは自分の楽しみのためにやっているので、少なくとももうしばらくは自分でやろうと思います。





1月12日(日) A-Puzzle-A-Day

 カレンダーパズルの話です。



 過去にも何度かご紹介していますが、2021年の父の日に、A-Puzzle-A-Day というポリオミノのカレンダーパズルをもらったのです。

A-Puzzle-A-Day

 上の図のように、上2段に月の名前、下5段に1〜31の日付があり、全部で43マスあります。ここに7種類のペントミノ(正方形5つを連結した形)と2×3の長方形のヘキソミノ1つ、合わせて41マス分のピースを入れて、表したい月日だけ空きマスにするというパズルです。

 2021年6月からはや3年半、飽きもせず毎日妻か私がこのパズルを解いています。昨日はこんな解でした。

1月11日

 これを見ていたら、下の図の4ピースを枠内に固定して、枠外に出した4ピースの配置を変えるだけで、1月の今おおわれていない全ての数字の日付の解があることに気が付きました。

 写真だとわかりにくいかもしれないので、図も載せておきます。

A-Puzzle-A-Day



 長くこのパズルをやっていると、似たようなことを考えるようになる人がいるようなのです。「数学とアート・音楽・建築・文化とのつながりを研究し、新たな関心を促進する」活動を行っているThe Bridges Organizationの2024年のカンファレンスで、A New Kind of Play for A-Puzzle-A-Day(A-Puzzle-A-Dayの新しい遊び方:Bruce Torrence, 2024)というWorkshop Paperが発表されていました。

 この論文の Figure 10 にこんな4つの例が紹介されています。

Figure 10 of above paper (Bruce Torrence, 2024)

 (a)から(d)は、それぞれ枠の中で空きマスが1つだけあります。この空きマスの位置を任意の場所に変えることができるというのです。上記の(c)の4つのピースは、枠の形こそちょっと違いますが今回ご紹介したものと同じセットです。

 この(a)〜(d)の4つの問題、手軽で面白いのでぜひ考えてみてください。ポリオミノに慣れた方なら頭の中だけで解けると思います。


<おまけのひとこと>
 たいへんありがたいことに、2025年度も雑誌「数学セミナー」の連載「あやとりの楽しみ」を継続させていただけるということなのです。2024年度の12回は特定の手順の組み合わせて作る、最終的には手から外して平面的に固定して飾れる作品をご紹介してきました。2025年度はその路線を継続しようか、少し目先を変えてみようか、悩み中です。いったん目先を変える方向で考え中です。





1月13日(月) 創作あやとり「知恵の実」(服部知明)

 あやとりの話です。



 国際あやとり協会の服部知明さんが、Xに創作作品とその手順を公開してくださいました。

 さっそく取ってみることにしました。「知恵の実」が良かったです。

創作作品「知恵の実」 服部知明(2025)

 自分とは手順の表記の流儀が若干異なるため、いささか苦労したところがありました。服部さんの表記は簡潔で慣れるとわかりやすいと思いました。

 一番困ったのは、「知恵の実」の手順Cの

 親指の輪を時計回りに半回転する

でした。私にとっては「親指の輪」といったらこの部分かなあと思うのです。

左親指の輪

 あやとりは多くの場合左右が対称に同じ操作を行うため、特に左右の指定がなければ右手は右手、左手は左手で指示通りに取るという暗黙の了解があります。なので、左親指と右親指がそれぞれの輪を独立に「時計回りに半回転する」というのはどういう意味だろう? と困ってしまったのです。

 服部さんの別の作品の手順には、「人差し指を奥に1回転する」という表記も出てきます。ここで気が付いたのは、左右の人差し指にU字型にかかっている部分を左右それぞれ1回転する場合には、服部さんは「輪」という言葉を使わないのですね。そこでようやく、時計回りに回転する「親指の輪」というのが下の三角形の部分全体なのだ、とわかりました。

 この操作は、親指の向こうの糸が中央で交差している部分を絡みにするのですね。

 (自分ではない)他の人が書いたあやとりの手順を読み解いて目的のかたちができた時はとても嬉しいのです。楽しませていただきました。ありがとうございました。(楽しくて図まで作ってしまいました。)



 Puzzle Mathematica (パズル マスマティカ)というアクリルパズルが諏訪プレミアム認定されて製品化されました、というご紹介をさせていただいておりますが、

ボーネルンドのオンラインショップにモザイクデザイン・ブロックという製品があるということを宮崎 桂一さんからメールで教えていただきました。ありがとうございます。知りませんでした。(なお、Link は宮崎さんのFacebookです。とても素晴らしいのでぜひご覧ください。)


<おまけのひとこと>
 数学セミナーの連載の「あやとりの楽しみ」、今月末が〆切の2025年4月号(3月発売)の原稿を昨日一日かけて作成しました。その後、ちょっと工夫を加えるととても良くなることがわかりました。写真を準備して、原稿を作成し直そうと思います。





1月14日(火) Daniel Littの確率パズル(その2)

 確率の問題の話です。



 先日ご紹介した確率の問題の簡単な解説です。(計算まではしません。)問題を再掲します。

ボールが100個入っている壺があります。中は見えません。ボールの色は赤か緑かのどちらかです。あらかじめこの壺を用意した人は、赤のボールの数を0から100のうち1つの数字をランダムに選んでボールの数を決めました。最初に1つボールを取り出してみると、それは赤でした。2つ目のボールを取り出したとしたら、それは赤と緑、どちらの可能性が高いでしょうか?それとも可能性は同じでしょうか?

 私は典型的な間違った考え方をしてしまったのです。全部で100個のボールのうち、1つ取ったら赤だったということは、その時点で考えられるのは残り99個のボールの色の可能性は下の図のように赤が0個から99個までの100通りの可能性があるはず。

 最初に壺の中の赤のボールの色は0個から100個のうちランダムに(均等な確率で)選ばれているはず。ということは上記の100通りの確率は均等であるはず(ここが間違い)。上の図の赤と緑のボールの数は等しいので、2つ目のボールが赤なのか緑なのかの確率は同じなのでは? と思ったのです。

 でもこれは間違いです。最初は下の図のように、101の可能性があるところから始まります。この101の状態の壺が用意されていると考えて、その中からランダムに選ばれた壺が自分の前に置かれたとします。

 同じ壺から2個続けてボールを取った時の事象として、場合1(赤,赤)、場合2(赤,緑)、場合3(緑,赤)、場合4(緑,緑) の4通りがあるはずです。場合1から場合4までの確率を合計すると1になります。この問題が問うているのは、場合1と場合2がどちらが可能性が高いのか、なのです。

 これを計算してみると、「最初に赤を引いたとき、次が赤である確率は次が緑の確率より2倍も大きい」のです。感覚的に言うと、最初に赤を引いたということは、目の前にある壺は赤のほうが多い壺の可能性のほうが高いのです。

 ちゃんと計算した論文が arXiv の Daniel Litt's Probability PuzzleA Probability Puzzleなどで読むことができます。pdfではなくhtmlで開くとブラウザの自動翻訳機能が使えて便利です。



 今朝の6時過ぎの西の空の月の写真です。

 カメラ任せで撮ったのでちょっとぼんやりした写真になってしまいました。家の外に出て撮ったのですが、とても寒かったのでこの2枚だけ撮ってすぐに引っ込みました。


<おまけのひとこと>
 山を見たり月を見たり雲を見たり鳥を見たり、田舎の暮らしの風景は豊かです。





1月15日(水) 立体的なあやとり作品を撮りたい

 カメラの話です。



 あやとりを両手で取った状態の写真を撮りたいなと思うのです。今までは白い背景の前にカメラを据えてカメラをタイマー撮影モードにして、あやとりを取ってからシャッターを切って、急いでカメラの視野内にあやとりを構える、というやり方をしてきました。ところがこれだと成功率が極めて低いのです。なんとか使えるレベルの写真を撮るのにものすごく時間がかかってしまいます。何度やってもどうしてもダメ、ということもありました。

 悪戦苦闘していたら、妻が協力を申し出てくれました。とはいえ妻はあやとりを取るのも写真を撮るのも大得意、というわけではありません。両方の役割をやってもらって試してみたのですが、どうもうまくいかないのです。(これはもちろん私の側が完全に悪いのです。得意でないのに善意で協力を申し出てくれる妻に適切な指示というかお願いができていないのです。)改めて別な方法を考えることにしました。

 昨年の10月3日に、カメラを新調したという話を書きました。

 この一番右の Sony ZV-E10 というカメラ、これがPCのソフトからカメラを操作できるのです。ファインダービューをPC画面で大きく表示することができます。これだ! と思いました。

 こんな風に ZV-E10 から見えている画像をPCに表示することができるのです。これは別のカメラ(上の写真の中央の dsc-ws220)で撮っています。

 この時に ZV-E10 で撮った写真が下の画像です。

 PCのソフトでシャッターを切るには、キーボードの数字の “1” を押すかマウスで画面上のカメラマークのボタンを押す必要があります。今のところここを妻にお願いしています。プログラマブルなUSB接続のフットスイッチボタンとかを用意すればすべて自分でやれるかも、とも思いましたが、写真撮影のために手や身体の向きをかなり不自然な姿勢にしなければならず、とてもやりきれないのでありがたく妻に協力をお願いしています。

 数学セミナー「あやとりの楽しみ」の4月号(3月12日発売)には、立体的なあやとり作品の画像を5つ載せたいと思っているのですが、この「PC画面をファインダーにする」方法を編み出して、ようやくいくつかは掲載してもいいかなという写真が撮れるようになってきました。でもまだ満足した出来の写真が撮れていない作品もあります。もう少しがんばります。



 上に載せた写真、昨日妻が解いてくれたA-Puzzle-A-Dayの今日の日付の解を撮ってみました。実はこれ、先日ご紹介したA New Kind of Play for A-Puzzle-A-Day(A-Puzzle-A-Dayの新しい遊び方:Bruce Torrence, 2024)という論文の Figure 10-(c) そのものです。

Figure 10 of above paper (Bruce Torrence, 2024)

 ということは今月の残りの日付はすべて、下の4つのピースの入替だけで解けるということです。素晴らしい。


<おまけのひとこと>
 10月3日に書いた記事では、最初の写真の真ん中の黒いコンパクトカメラ(dsc-ws220)が故障してしまったので一眼レフタイプを新調しました、と書きましたが、その後dc-ws220も修理に出して直してもらったのです。なので2台体制が継続しています。





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